JPH109396A - 球帯状シール体ならびにその製造方法 - Google Patents

球帯状シール体ならびにその製造方法

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JPH109396A
JPH109396A JP18678396A JP18678396A JPH109396A JP H109396 A JPH109396 A JP H109396A JP 18678396 A JP18678396 A JP 18678396A JP 18678396 A JP18678396 A JP 18678396A JP H109396 A JPH109396 A JP H109396A
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和嗣 鹿島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 600℃ないし700℃に至る高温条件下に
おいても、異常摩擦音の発生がなく、シール性に優れ、
シール体としての機能を満足することができる自動車排
気管の球面管継手に使用される球帯状シール体を提供す
る。 【解決手段】 中央部に貫通孔51を規定する円筒内面
52を備え、外面53が部分凸球面状に形成された球帯
状シール体54は、円筒内面52から部分凸球面状の外
面53近傍にかけてのその内部では、圧縮された金網か
らなる補強材と、この補強材と混在一体化されて圧縮さ
れた耐熱材と、黒鉛及び金属フッ化物と、リン酸アルミ
ニウムとを具備し、部分凸球面状の外面53近傍から部
分凸球面状の外面53にかけてのその内部では、窒化ホ
ウ素とアルミナ及びシリカとからなるすべり層を具備
し、このすべり層には、金網からなる補強材が配されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車排気管の球
面管継手に使用される球帯状シール体並びにその製造方
法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】自動車用排気管の球面
管継手に使用される球帯状シール体としては、例えば特
開昭54−76759号公報に開示されているものがあ
る。この公報に開示されたシール体は耐熱性を有し、相
手材とのなじみ性に優れ、また衝撃強度も著しく改善さ
れているという反面、乾燥摩擦条件下の摩擦においては
往々にして異常音を発生するという欠点がある。このシ
ール体の欠点は該シール体を形成する耐熱材料(膨張黒
鉛など)の静止摩擦係数と動摩擦係数との差が大きいこ
と及びこの耐熱材料から成るシール体のすべり速度に対
する動摩擦抵抗が負性抵抗を示すこと等に起因するもの
と考えられる。
【0003】そこで、本出願人は上述した欠点を解消す
るべく、特願平4−300551号(特開平6−123
362号)に記載のシール体を提案した。このシール体
は、相手材との摺動において、異常摩擦音を発生させる
ことなくシール性に優れたもので、シール体に要求され
る性能を満足させるものである。
【0004】しかしながら、上記の提案のシール体にお
いても、近年の自動車エンジンの性能向上等に起因する
新たな問題点が提起された。すなわち、自動車エンジン
の性能向上に起因する排気ガス温度の上昇により又は自
動車のNVH特性(車輛音響振動特性)の向上を目的と
して、排気ガスの出口(マニホールド)付近に球面管継
手を配置する場合、球面管継手がエンジン側により近付
くことに起因する排気ガス温度の上昇により、これまで
のシール体では耐熱性の点で使用条件を満足し得ず、シ
ール体自体の耐熱性の向上が余儀なくされている。
【0005】本発明は、前記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、前記特願平4−
300551号の技術をそのまま有効に利用するととも
に、600℃ないし700℃に至る高温条件下において
も、異常摩擦音の発生がなく、シール性に優れ、シール
体としての機能を満足することができる自動車排気管の
球面管継手に使用される球帯状シール体並びにその製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、中央部に貫通孔を規定する円筒内面を備え、外面が
部分凸球面状に形成された、とくに排気管継手に使用さ
れる球帯状シール体であって、該円筒内面から部分凸球
面状の外面近傍にかけてのその内部では、圧縮された金
網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填
し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された耐熱
材とを主として具備し、更に、黒鉛及び金属フッ化物の
うちの少なくとも一方と、リン酸アルミニウムとを、補
強材及び耐熱材と混在一体化させて具備し、部分凸球面
状の外面近傍から部分凸球面状の外面にかけてのその内
部では、少なくとも、窒化ホウ素とアルミナ及びシリカ
のうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物からなる
すべり層を具備し、このすべり層には、当該すべり層に
混在一体化されて圧縮された金網からなる補強材が配さ
れており、すべり層とこのすべり層に混在一体化された
金網からなる補強材とが露出した部分凸球面状の外面
は、平滑な面に形成されていることを特徴とする球帯状
シール体によって達成される。
【0007】また本発明によれば前記目的は、中央部に
貫通孔を規定する円筒内面を備え、外面が部分凸球面状
に形成された、とくに排気管継手に使用される球帯状シ
ール体であって、該円筒内面から部分凸球面状の外面に
かけてのその内部では、表面全体に、黒鉛及び金属フッ
化物のうちの少なくとも一方とリン酸アルミニウムとの
混合物からなる耐熱被膜を備えた耐熱シート材と金網か
らなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一
体性を有するように構成されており、該部分凸球面状の
外面は、窒化ホウ素又は窒化ホウ素及びポリテトラフル
オロエチレン樹脂とアルミナ及びシリカのうちの少なく
とも一方とからなる潤滑組成物からなるすべり層の露出
面からなり、該すべり層には、当該すべり層に一体化さ
れた金網からなる補強材が配されており、すべり層とこ
のすべり層に混在一体化された金網からなる補強材とが
露出した該部分凸球面状の外面は、平滑な面に形成され
ていることを特徴とする球帯状シール体によっても達成
される。
【0008】また本発明によれば前記目的は更に、中央
部に貫通孔を規定する円筒内面を備え、外面が部分凸球
面状の形状をもった、とくに排気管継手に使用される球
帯状シール体の製造方法であって、(a)表面全体に一
様な厚さの黒鉛及び金属フッ化物のうちの少なくとも一
方とリン酸アルミニウムとの混合物から成る耐熱被膜を
備えた耐熱シート材を準備する工程と、(b)金属細線
を織ったり、編んだりして得られる金網から成る補強材
を準備し、該補強材を前記耐熱シート材に重ね合わせた
のち、該耐熱シート材を内側にしてうず巻き状に捲回
し、筒状母材を形成する工程と、(c)表面全体に一様
な厚さの黒鉛及び金属フッ化物のうちの少なくとも一方
とリン酸アルミニウムとの混合物から成る耐熱被膜を備
えた別の耐熱シート材を準備し、該別の耐熱シート材
と、該別の耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表面に
被覆された窒化ホウ素又は窒化ホウ素及びポリテトラフ
ルオロエチレン樹脂とアルミナ及びシリカのうちの少な
くとも一方とから成る潤滑組成物からなるすべり層と、
該すべり層を覆って配された金網からなる補強材とから
なる摺動面形成部材を形成する工程と、(d)該摺動面
形成部材を、すべり層側の面を外側にして前記筒状母材
の外周面に捲回して予備円筒成形体を形成する工程と、
(e)該予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、
該コアを金型内に配置すると共に該金型内において予備
円筒成形体をコア軸方向に圧縮成形する工程とから成
り、円筒内面から部分凸球面状の外面にかけての内部で
は耐熱被膜を備えた耐熱シート材と金網から成る補強材
とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有する
と共に、部分凸球面状の外面は、潤滑組成物が補強材の
網目を充填して両者が混在一体となった平滑なすべり面
に形成されていることを特徴とする球帯状シール体の製
造方法によっても達成される。
【0009】上記構成からなる球帯状シール体におい
て、円筒内面から部分凸球面状の外面近傍にかけての内
部では、重量比率において、耐熱材100に対し、黒鉛
及び金属フッ化物のうちの少なくとも一方とリン酸アル
ミニウムとが4〜40の割合で含まれている。
【0010】すべり層は、窒化ホウ素70〜90重量%
とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が10〜
30重量%とから成る潤滑組成物又はこの潤滑組成物を
100重量部とし、これに200重量部以下、好ましく
は50〜150重量部のポリテトラフルオロエチレン樹
脂が含有されてなる潤滑組成物からなる。
【0011】上述した製造方法において、耐熱被膜は、
黒鉛及び金属フッ化物のうちの少なくとも一方とリン酸
アルミニウムとの混合物から形成され、具体的には黒
鉛とリン酸アルミニウムとが重量比率1:0.3〜4の
割合で配合された混合物、金属フッ化物とリン酸アル
ミニウムとが重量比率1:0.3〜4の割合で配合され
た混合物、黒鉛が50〜80重量%であって、金属フ
ッ化物が20〜50重量%の黒鉛及び金属フッ化物の混
合物と、リン酸アルミニウムとが重量比率1:0.5〜
3の割合で配合された混合物から形成される。そして、
この耐熱被膜は、耐熱シート材の表面全体に0.1〜
0.8g/100cm2 の一様の厚さに形成される。
【0012】上述した製造方法において、摺動面形成部
材は、黒鉛とリン酸アルミニウムとが重量比率1:
0.3〜4の割合で配合された混合物、金属フッ化物
とリン酸アルミニウムとが重量比率1:0.3〜4の割
合で配合された混合物、又は黒鉛が50〜80重量
%、金属フッ化物が20〜50重量%の割合で配合され
た黒鉛及び金属フッ化物の混合物とリン酸アルミニウム
とが重量比率1:0.5〜3の割合で配合された混合物
からなり、0.1〜0.8g/100cm2 の一様な厚
さの耐熱被膜を表面全体に備えた耐熱シート材と、この
耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表面に被覆された
窒化ホウ素が70〜90重量%とアルミナ及びシリカの
うちの少なくとも一方が10〜30重量%とから成る潤
滑組成物又はこの潤滑組成物を100重量部とし、これ
に200重量部以下、好ましくは50〜150重量部の
割合のポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有された潤
滑組成物からなる潤滑すべり層と、該潤滑すべり層を覆
って配された金網から成る補強材とから形成される。
【0013】以下、上記球帯状シール体における構成材
料並びに該シール体の製造方法について説明する。
【0014】耐熱シート材は、膨張黒鉛、マイカ及びア
スベストのうちの一種又は二種以上から選択されたもの
からなる耐熱材からなるシート材で形成され、耐熱被膜
は、該シート材の表面全体に形成される。膨張黒鉛から
なるシート材には、特公昭44−23966号公報に開
示されている米国ユニオンカーバイド社製の「グラフォ
イル(商品名)」あるいは日本カーボン社製の「ニカフ
ィルム(商品名)」など、厚さ0.3〜1.0mmの膨
張黒鉛シートが好適である。マイカからなるシート材と
しては、シリコン樹脂で接合したマイカペーパー、アス
ベストからなるシート材としては、クリソタイル又はア
モサイト系のアスベストペーパー又はシートが使用され
る。
【0015】耐熱シート材の表面全体に形成される耐熱
被膜は、黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合物、金
属フッ化物とリン酸アルミニウムとの混合物、黒鉛及
び金属フッ化物の混合物とリン酸アルミニウムとの混合
物の何れかが使用される。
【0016】この耐熱被膜を具体的に説明する。 黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合物からなる耐熱被
膜:黒鉛とリン酸アルミニウムとが重量比率1:0.3
〜4の割合でもって配合された耐熱被膜である。製造の
一例を示すと、濃度25%の第一リン酸アルミニウム水
溶液(Al2 3 ・3P2 5 ・6H2 O)30gに黒
鉛粉末を15g配合した混合物を耐熱シートの表面全体
に、刷毛塗り、ローラ塗り、浸漬等の手段により被覆
し、その後、これを乾燥させることにより、該耐熱シー
ト材の表面全体に黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比
率が1:0.5の割合の耐熱被膜が形成される。
【0017】金属フッ化物とリン酸アルミニウムとの
混合物からなる耐熱被膜:金属フッ化物とリン酸アルミ
ニウムとが重量比率1:0.3〜4の割合でもって配合
された混合物からなる耐熱被膜である。製造の一例を示
すと、濃度25%の第一リン酸アルミニウム水溶液30
gに金属フッ化物粉末を15g配合した混合物を耐熱シ
ートの表面全体に、刷毛塗り、ローラ塗り、浸漬等の手
段により被覆し、その後、これを乾燥させることによ
り、該耐熱シート材の表面全体に、重量比率1:0.5
の割合をもった金属フッ化物とリン酸アルミニウムとの
混合物からなる耐熱被膜が形成される。
【0018】黒鉛及び金属フッ化物とリン酸アルミニ
ウムとの混合物からなる耐熱被膜:黒鉛50〜80重量
%、金属フッ化物20〜50重量%の割合で配合された
黒鉛及び金属フッ化物の混合物とリン酸アルミニウムと
が重量%比率1:0.5〜3の割合をもって配合された
混合物からなる耐熱被膜である。製造の一例を示すと、
濃度25%の第一リン酸アルミニウム水溶液30gに黒
鉛粉末7.5g及び金属フッ化物粉末7.5gを配合し
た混合物を耐熱シートの表面全体に、刷毛塗り、ローラ
塗り、浸漬等の手段により被覆し、その後、これを乾燥
させることにより、該耐熱シート材の表面全体に、黒鉛
及び金属フッ化物とリン酸アルミニウムとの混合物であ
って、その重量比率が1:0.5の割合をもった耐熱被
膜が形成される。
【0019】これら、及びからなる耐熱被膜は、
耐熱シート材の表面全体に0.1〜0.8g/100c
2 の一様な厚さに形成される。
【0020】このように形成された耐熱被膜において、
リン酸アルミニウムは、それ自体耐熱性を有するもので
あり、かつその接着性が高いため、耐熱性を有する黒鉛
粉末粒子同士、金属フッ化物粉末同士又は黒鉛及び金属
フッ化物の混合粉末粒子同士の接着性と、これらからな
る耐熱被膜の該耐熱シート材表面への接着性、換言すれ
ば該耐熱シート材表面への耐熱被膜の保持性を高める作
用をなす。
【0021】また、混合物中の黒鉛及び金属フッ化物の
うちの少なくとも一方は、それ自体耐熱性を有すると共
に自己潤滑性を有し、金属フッ化物については、特に高
温において優れた自己潤滑性を有するため、後述する部
分凸球面状の外面側において、耐熱被膜に被覆される潤
滑組成物からなるすべり層が摩耗により消失した場合に
おいても、その自己潤滑性により相手材(下流側排気管
の凹球面部)との間の摩擦抵抗を低減させる効果を発揮
する。そして、金属フッ化物としては、フッ化カルシウ
ム(CaF2 )、フッ化リチウム(LiF2 )、フッ化
ナトリウム(NaF2 )及びフッ化バリウム(Ba
2 )のうちの一種又は二種以上が選択されて使用され
る。
【0022】補強材は、鉄系としてオーステナイト系の
SUS304、SUS316、フェライト系のSUS4
30などのステンレス鋼線又は鉄若しくは亜鉛メッキ鉄
線(JIS−G−3532)、また銅系として銅−ニッ
ケル合金(白銅)、銅−ニッケル−亜鉛合金(洋白)、
黄銅、ベリリウム銅からなる線材を織ったり、編んだり
して形成される金網が使用される。該金網を形成する金
属細線の線径は0.10〜0.32mm程度のものが使
用され、該金網の網目は3〜6mm程度のものが使用さ
れて好適である。
【0023】潤滑組成物としては、窒化ホウ素70〜9
0重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方
が10〜30重量%とから成る潤滑組成物を固形分とし
て20〜50重量%分散含有した水性ディスパージョン
が、また他の潤滑組成物として、窒化ホウ素70〜90
重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
10〜30重量%とから成る潤滑組成物を100重量部
とし、これに200重量部以下、好ましくは50〜15
0重量部の割合でポリテトラフルオロエチレン樹脂が含
有された潤滑組成物を固形分として20〜50重量%分
散含有した水性ディスパージョンが使用される。上記潤
滑組成物の水性ディスパージョンは、後述する製造方法
において、耐熱シート材の表面に形成された耐熱被膜
に、刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー等の手段によって
被覆され、最終の圧縮工程においてシール体の部分凸球
面状の外面及びその近傍に均一かつ微小厚さ(10〜3
00μm)に展延されて潤滑すべり層を形成する。
【0024】上記潤滑組成物中の窒化ホウ素は、とくに
高温において優れた潤滑性を発揮するものであるが、窒
化ホウ素単独では耐熱被膜への被着性、ひいては最終の
圧縮工程におけるシール体の部分凸球面状の外面での被
着性が劣り、部分凸球面状の外面から容易に剥離してし
まうという欠点があるが、窒化ホウ素に対し一定量の割
合でアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方を配合
することにより、上記窒化ホウ素の欠点を回避し、耐熱
被膜への被着性、ひいては最終の圧縮工程におけるシー
ル体の部分凸球面状の外面での被着性を大幅に改善し、
該シール体の部分凸球面状の外面での潤滑組成物から成
る潤滑すべり層の保持性を高めることができる。そし
て、窒化ホウ素に対するアルミナ及びシリカのうちの少
なくとも一方の配合割合は、窒化ホウ素の具有する潤滑
性を損なうことなく、かつ被着性を改善するという観点
から決定され、10〜30重量%の範囲が好ましい。
【0025】上述した窒化ホウ素70〜90重量%とア
ルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が10〜30
重量%とから成る潤滑組成物を100重量部とし、これ
に一定量の割合でポリテトラフルオロエチレン樹脂を含
有した潤滑組成物において、ポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂は、それ自身低摩擦性を有するもので、窒化ホウ
素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とから
成る潤滑組成物に配合されることにより、該潤滑組成物
の低摩擦性を向上させる作用と、圧縮成形時の該潤滑組
成物の展延性を高める作用をなす。上記窒化ホウ素70
〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも
一方が10〜30重量%とから成る潤滑組成物100重
量部に対し、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の配合割
合は、200重量部以下、好ましくは50〜150重量
部の範囲である。このポリテトラフルオロエチレン樹脂
の配合割合が200重量部を超えると、潤滑組成物中に
占める割合が多くなり潤滑組成物の耐熱性を低下させる
結果となり、また、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の
配合割合が50〜150重量部の範囲であれば、潤滑組
成物の耐熱性を損なうことなく低摩擦性をいかんなく発
揮させることができる。
【0026】水性ディスパージョンを形成する窒化ホウ
素、アルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方及びこ
れらに配合されるポリテトラフルオロエチレン樹脂は、
可及的に微粉末であることが好ましく、これらには、平
均粒径10μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下
の微粉末が使用される。
【0027】摺動面形成部材は、前述した表面全体に耐
熱被膜を備えた耐熱シート材と同様の耐熱シート材、す
なわち表面全体にわたって黒鉛及びリン酸アルミニウム
の混合物、金属フッ化物及びリン酸アルミニウムの混合
物又は黒鉛、金属フッ化物及びリン酸アルミニウムの混
合物からなる耐熱被膜を備えた耐熱シート材と、該耐熱
シート材の一方の面の耐熱被膜の表面に被覆された窒化
ホウ素又は窒化ホウ素及びポリテトラフルオロエチレン
樹脂とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とか
ら成る潤滑組成物のすべり層と、該すべり層を覆って配
された金網からなる補強材とからなる。この摺動面形成
部材における耐熱被膜、潤滑組成物のすべり層及び金網
からなる補強材は前述したものと同様のものを使用する
ため説明は省略する。
【0028】つぎに、上述した構成材料から成る球帯状
シール体の製造方法について図面に基づき説明する。
【0029】図3に示すように、所定の幅に切断した短
冊状の膨張黒鉛シート、マイカシート又はアスベストシ
ートからなる耐熱シート材1を用意する。ついで、所
定濃度の第一リン酸アルミニウム水溶液に黒鉛粉末を配
合した混合物、所定濃度の第一リン酸アルミニウム水
溶液に金属フッ化物粉末を配合した混合物又は所定濃
度の第一リン酸アルミニウム水溶液に黒鉛粉末50〜8
0重量%及び金属フッ化物粉末20〜50重量%の混合
物を配合した混合物を用意し、この混合物をシート材1
の表面全体に刷毛塗り、ローラ塗り又は浸漬等の手段に
より被覆し、その後乾燥させて、図4に示すように、シ
ート材1の表面全体(表、裏及び側面等全体)に0.1
〜0.8g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜2を
形成する。以下、耐熱被膜2を備えた耐熱シート材1を
耐熱シート材3とする。
【0030】このように耐熱シート材1の表面全体に被
覆された耐熱被膜2は、黒鉛とリン酸アルミニウムと
の重量比率が1:0.3〜4の割合の混合物、金属フ
ッ化物とリン酸アルミニウムとの重量比率が1:0.3
〜4の割合の混合物又は黒鉛及び金属フッ化物とリン
酸アルミニウムとの重量比率が1:0.5〜3の割合の
混合物で形成されるように、黒鉛及び金属フッ化物のう
ちの少なくとも一方の第一リン酸アルミニウム水溶液へ
の配合割合及び第一リン酸アルミニウム水溶液の濃度を
適宜調整することにより行われる。なお、上述した耐熱
被膜2の形成方法において、第一リン酸アルミニウムの
濃度は10〜50%のものが使用可能であるが、耐熱シ
ート材1への被覆操作、その後の乾燥工程等を考慮する
と、その濃度は25%程度のものが好ましい。
【0031】金属細線を織ったり、編んだりすることに
よって形成される金網を用意し、この金網を所定の幅
(耐熱シート材1の幅とほぼ同幅)に切断して短冊状に
するか、図5に示すように、金属細線を編んで円筒状金
網5を形成したのち、これをローラ6及び7間に通すか
して帯状金網8を作成し、これを短冊状に切断して補強
材9として使用する。
【0032】この帯状金網8からなる補強材9と耐熱シ
ート材3とを重ね合わせるとともに、耐熱シート材3を
内側にしてうず巻き状に捲回し、図6に示すように、筒
状母材10を形成する。
【0033】前記と同様な耐熱シート材3を別途用意
し、耐熱シート材3の一方の面の耐熱被膜2の表面に、
窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのう
ちの少なくとも一方が10〜30重量%とから成る潤滑
組成物を固形分として20〜50重量%分散含有した水
性ディスパージョン又は窒化ホウ素70〜90重量%と
アルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が10〜3
0重量%とから成る潤滑組成物を100重量部とし、こ
れに200重量部以下、好ましくは50〜150重量部
の割合でポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有された
潤滑組成物を固形分として20〜50重量%分散含有し
た水性ディスパージョンを、刷毛塗り、ローラ塗り又は
スプレー等の手段で被覆し、これを乾燥させて、図7に
示すような潤滑組成物の潤滑すべり層11を形成する。
【0034】一方、先に図5において説明したように、
金属細線を編んで円筒状金網5を形成したのち、これを
ローラ6及び7間に通して作成した帯状金網8からなる
補強材9を別に用意し、図8に示すように、帯状金網8
内に、潤滑すべり層11を備えた耐熱シート材3を挿入
するとともに、これらを、図9に示すように、ローラ1
5及び16間に通して一体化させ、これを摺動面形成部
材21とする。
【0035】このようにして得た摺動面形成部材21を
潤滑すべり層11を外側にして前記筒状母材10の外周
面に捲回し、図10に示すような予備円筒成形体22を
作成する。
【0036】内面に円筒壁面31と円筒壁面31に連な
る部分凹球壁面32と部分凹球壁面32に連なる貫通孔
33とを備え、該貫通孔33に段付きコア34を嵌挿す
ることによって内部に中空円筒部35と該中空円筒部3
5に連なる球帯状中空部36とが形成された図11に示
すような金型37を用意し、該金型37の段付きコア3
4に予備円筒成形体22を挿入する。
【0037】金型37の中空部に位置せしめられた予備
円筒成形体22をコア軸方向に1〜3トン/cm2 の圧
力で圧縮成形し、図1に示すような、中央部に貫通孔5
1を規定する円筒内面52を備え、外面53が部分凸球
面状に形成された球帯状シール体54を作成する。この
圧縮成形により、円筒内面52から部分凸球面状の外面
53近傍にかけての球帯状シール体54の内部では、表
面全体に耐熱被膜2を備えた耐熱シート材1と金網8か
らなる補強材9とが圧縮され、互いに絡み合って構造的
一体性を有するように構成され、部分凸球面状の外面5
3は、潤滑組成物の潤滑すべり層11の露出面からな
り、該すべり層11には、当該すべり層11に一体化さ
れた金網8からなる補強材9が配されており、すべり層
11とこのすべり層11に混在一体化された金網8から
なる補強材9とが露出した該部分凸球面状の外面53
は、平滑な面に形成され、貫通孔51における円筒内面
52は、耐熱被膜2が露出して形成される。
【0038】上述した方法によって作成された図1及び
図2に示す球帯状シール体54において、耐熱シート材
3は、内部構造を形成する金網8からなる補強材9と絡
み合って一体となっており、部分凸球面状の外面53
は、摺動面形成部材21によって形成された潤滑組成物
から成る潤滑すべり層11の露出面と金網8とが混在一
体となった平滑な面に形成されている。
【0039】球帯状シール体54は、例えば図12に示
す排気管継手に組込まれて使用される。すなわち、エン
ジン側に連結された上流側排気管100の外周面には、
管端部101を残してフランジ200が立設されてお
り、該管端部101には、貫通孔15を規定する円筒内
面52において球帯状シール体54が嵌合されており、
大径側端面55において球帯状シール体54がフランジ
200に当接させて着座せしめられている。上流側排気
管100と相対向してマフラー側に連結され、端部に凹
球面部302と凹球面部302の開口部周縁にフランジ
部303を備えた径拡大部301が一体に形成された下
流側排気管300が凹球面部302を球帯状シール体5
4の部分凸球面状の外面53に摺接させて配置されてい
る。
【0040】上、下流側排気管100、300には、一
端がフランジ200に固定され、他端が径拡大部301
のフランジ部303を挿通して配された一対のボルト4
00とボルト400とフランジ部303との間に配され
た一対のコイルバネ500とにより、下流側排気管30
0には常時、上流側排気管100方向にバネ力が付勢さ
れている。そして、上、下流側排気管100、300に
生ずる相対角変位に対しては、球帯状シール体54の部
分凸球面状の外面53と下流側排気管300の端部に形
成された径拡大部301の凹球面部302との摺接で許
容するよう構成されている。
【0041】
【発明の実施の形態】次に、本発明及び本発明の実施の
形態を、好ましい実施例に基づいて更に詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に何等限定されない
のである。
【0042】
【実施例】
<実施例1>耐熱シート材として、幅55mm、長さ5
50mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(日本カ
ーボン社製「ニカフィルム」(商品名)、膨張黒鉛シー
トの重量17.0g)を用意した。濃度25%の第一リ
ン酸アルミニウム水溶液(Al2 3 ・3P2 5 ・6
2 O)を用意し、この水溶液30gに平均粒径18μ
mの黒鉛粉末15gを配合し混合物を得た。この混合物
を前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りし、その
後、乾燥炉にて150℃の温度で20分間乾燥させて、
該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/100cm2
の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛とリン酸アルミニウムと
の重量比率は1:0.5)を形成し、これを耐熱被膜を
備えた耐熱シート材とした。
【0043】金属細線として、線径0.28mmのオー
ステナイト系ステンレス鋼線(SUS304)を使用し
て網目4.0mmの円筒状編組金網を作成し、これをロ
ーラ間に通して帯状金網(幅36mm、長さ360m
m)とし、これを補強材とした。この補強材に対して該
耐熱シート材を内側にしてうず巻き状に捲回し、最外周
に耐熱シート材を位置させた筒状母材を作成した。
【0044】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意し、上記混合物を
使用し、同様の方法にて該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛
とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:0.5)を形
成した耐熱シート材を別途作成した。この耐熱シート材
の一方の面の耐熱被膜の表面に、平均粒径7μmに窒化
ホウ素85重量%、平均粒径0.6μmのアルミナ粉末
15重量%からなる潤滑組成物を固形分として30重量
%分散含有した水性ディスパージョン(窒化ホウ素2
5.5重量%、アルミナ4.5重量%及び水分70重量
%)をローラ塗りし、乾燥するという被覆操作を3回繰
り返して該潤滑組成物の潤滑すべり層を形成した。つい
で、上記と同様の金属細線を使用して、網目が4.0m
mの円筒状編組金網を作成し、これをローラ間に通して
帯状金網(幅53.5mm、長さ212mm)を作成
し、該帯状金網内に該潤滑すべり層を備えた耐熱シート
材を挿入するとともにこれらをローラ間に通して一体化
させ、一方の面に補強材と該補強材の網目を充填した潤
滑組成物とが混在して摺動面形成部材を作成した。
【0045】前記筒状母材の外周面に、この摺動面形成
部材を潤滑すべり層の面を外側にして捲回して予備円筒
成形体を作成した。この予備円筒成形体を図11に示す
金型37の段付きコア34に挿入し、該予備円筒成形体
を金型37の中空部に位置させた。
【0046】金型37の中空部に位置させた予備円筒成
形体をコア軸方向に3トン/cm2の圧力で圧縮成形
し、中央部に貫通孔51を規定する円筒内面52を備
え、外面53が部分凸球面状の球帯状シール体54を作
成した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シートか
らなる耐熱材と耐熱被膜を形成する黒鉛及びリン酸アル
ミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜
11.5(黒鉛7.7、リン酸アルミニウム3.8)の
割合となる。
【0047】<実施例2>耐熱シート材として、幅55
mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シ
ート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.0
g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウム
水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径18μm
の黒鉛粉末15gを配合し混合物を得た。この混合物を
前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りするという
操作を2回繰り返し、その後、乾燥炉にて150℃の温
度で20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全体
に0.5g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒
鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:0.5)を
形成し、これを耐熱被膜を備えた耐熱シート材とした。
【0048】実施例1と同様の補強材を用意し、該補強
材と該耐熱シート材とで実施例1と同様にして筒状母材
を作成した。耐熱シート材として、実施例1と同様の幅
48mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒
鉛シート(膨張黒鉛シートの重量4.2g)を別途用意
し、上記混合物を膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗
りするという操作を2回繰り返し、その後、乾燥炉にて
150℃の温度で20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シー
トの表面全体に0.5g/100cm2 の一様な厚さの
耐熱被膜(黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は
1:0.5)を形成した耐熱シート材を別途作成した。
【0049】該耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表
面に、前記実施例1と同様の潤滑組成物を使用して潤滑
すべり層を形成し、以下、実施例1と同様にして摺動面
形成部材を作成して、同じく実施例1と同様の方法で球
帯状シール体を作成した。この球帯状シール体における
膨張黒鉛シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成する黒
鉛及びリン酸アルミニウムとの重量比率は、耐熱材10
0に対し耐熱被膜19.2(黒鉛12.8、リン酸アル
ミニウム6.4)の割合となる。
【0050】<実施例3>前記実施例1と同様の筒状母
材を作成した。
【0051】耐熱シート材として、実施例1と同様の幅
48mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒
鉛シート(膨張黒鉛シートの重量4.2g)を別途用意
し、前記実施例1と同様の混合物を使用し、同様の方法
にて該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/100c
2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛とリン酸アルミニウ
ムとの重量比率は1:0.5)を形成した耐熱シート材
を別途作成した。該耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜
の表面に、平均粒径7μmの窒化ホウ素85重量%、平
均粒径0.6μmのアルミナ粉末15重量%からなる潤
滑組成物を100重量部とし、これに平均粒径0.3μ
mのポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を50重量部
含有した潤滑組成物(窒化ホウ素56.7重量%、アル
ミナ10重量%及びポリテトラフルオロエチレン樹脂3
3.3重量%)を固形分として30重量%分散含有した
水性ディスパージョン(窒化ホウ素17重量%、アルミ
ナ10重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10重
量%及び水分70重量%)をローラ塗りし、乾燥すると
いう被覆操作を3回繰り返して該潤滑組成物の潤滑すべ
り層を形成し、以下、実施例1と同様にして摺動面形成
部材を作成して、実施例1と同様の方法で球帯状シール
体を作成した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シ
ートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成する黒鉛及びリン
酸アルミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対して
耐熱被膜11.5(黒鉛7.7、リン酸アルミニウム
3.8)の割合となる。
【0052】<実施例4>前記実施例2と同様の筒状母
材を作成した。
【0053】耐熱シート材として、実施例1と同様の幅
48mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒
鉛シート(膨張黒鉛シートの重量4.2g)を別途用意
し、前記実施例1と同様の混合物を使用し、同様の方法
にて該膨張黒鉛シートの表面全体に0.5g/100c
2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛とリン酸アルミニウ
ムとの重量比率は1:0.5)を形成した耐熱シート材
を別途作成した。該耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜
の表面に、平均粒径7μmの窒化ホウ素85重量%、平
均粒径0.6μmのアルミナ粉末15重量%からなる潤
滑組成物を100重量部とし、これに平均粒径0.3μ
mのポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を50重量部
含有した潤滑組成物(窒化ホウ素56.7重量%、アル
ミナ10重量%及びポリテトラフルオロエチレン樹脂3
3.3重量%)を固形分として30重量%分散含有した
水性ディスパージョン(窒化ホウ素17重量%、アルミ
ナ10重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10重
量%及び水分70重量%)をローラ塗りし、乾燥すると
いう被覆操作を3回繰り返して該潤滑組成物の潤滑すべ
り層を形成し、以下、実施例1と同様にして摺動面形成
部材を作成して、実施例1と同様の方法で球帯状シール
体を作成した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シ
ートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成する黒鉛及びリン
酸アルミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対して
耐熱被膜19.2(黒鉛12.8、リン酸アルミニウム
6.4)の割合となる。
【0054】<実施例5>耐熱シート材として、幅55
mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シ
ート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.0
g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウム
水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径18μm
の黒鉛粉末7.5gを配合し混合物を得た。この混合物
を前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りし、その
後、乾燥炉にて150℃の温度で20分間乾燥させて、
該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/100cm2
の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛とリン酸アルミニウムと
の重量比率は1:1)を形成し、これを耐熱被膜を備え
た耐熱シート材とした。以下、実施例1と同様にして筒
状母材を作成した。
【0055】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意し、上記混合物を
使用し、同様の方法にて該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛
とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を形成し
た耐熱シート材を別途作成した。この耐熱シート材の一
方の面の耐熱被膜の表面に、実施例1と同様の潤滑組成
物を使用して該潤滑組成物の潤滑すべり層を形成し、以
下、実施例1と同様の方法で摺動面形成部材を作成し
て、実施例1と同様の方法で球帯状シール体を作成し
た。この球帯状シール体における膨張黒鉛シートからな
る耐熱材と耐熱被膜を形成する黒鉛及びリン酸アルミニ
ウムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜1
1.5(黒鉛5.75、リン酸アルミニウム5.75)
の割合となる。
【0056】<実施例6>耐熱シート材として、幅55
mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シ
ート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.0
g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウム
水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径18μm
の黒鉛粉末7.5gを配合し混合物を得た。この混合物
を前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りするとい
う操作を2回繰り返し、その後、乾燥炉にて150℃の
温度で20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全
体に0.5g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜
(黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を
形成し、これを耐熱被膜を備えた耐熱シート材とした。
以下、実施例1と同様にして筒状母材を作成した。
【0057】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意し、上記混合物を
膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りするという操作
を2回繰り返し、その後、乾燥炉にて150℃の温度で
20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.5g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛
とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を形成し
た耐熱シート材を別途作成した。この耐熱シート材の一
方の面の耐熱被膜の表面に、実施例1と同様の潤滑組成
物を使用して該潤滑組成物の潤滑すべり層を形成し、以
下、実施例1と同様の方法で摺動面形成部材を作成し
て、同じく実施例1と同様の方法で球帯状シール体を作
成した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シートか
らなる耐熱材と耐熱被膜を形成する黒鉛及びリン酸アル
ミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜
19.2(黒鉛9.6、リン酸アルミニウム9.6)の
割合となる。
【0058】<実施例7>耐熱シート材として、幅55
mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シ
ート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.0
g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウム
水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径4μmの
金属フッ化物(フッ化カルシウム)粉末5gを配合し混
合物を得た。この混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全
体にローラ塗りし、その後、乾燥炉にて150℃の温度
で20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(フッ
化カルシウムとリン酸アルミニウムとの重量比率は1:
1.5)を形成し、これを耐熱被膜を備えた耐熱シート
とした。以下、実施例1と同様にして筒状母材を作成し
た。
【0059】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意し、上記混合物を
使用し、同様の方法にて該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(フッ
化カルシウムとリン酸アルミニウムとの重量比率は1:
1.5)を形成した耐熱シート材を別途作成した。この
耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表面に、実施例1
と同様の潤滑組成物を使用して該潤滑組成物の潤滑すべ
り層を形成し、以下、実施例1と同様の方法で摺動面形
成部材を作成して、同じく実施例1と同様の方法で球帯
状シール体を作成した。この球帯状シール体における膨
張黒鉛シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成する黒鉛
及びリン酸アルミニウムとの重量比率は、耐熱材100
に対し耐熱被膜11.5(フッ化カルシウム4.6、リ
ン酸アルミニウム6.9)の割合となる。
【0060】<実施例8>耐熱シート材として、幅55
mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シ
ート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.0
g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウム
水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径4μmの
金属フッ化物(フッ化カルシウム)粉末5gを配合し混
合物を得た。この混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全
体にローラ塗りするという操作を2回繰り返し、その
後、乾燥炉にて150℃の温度で20分間乾燥させて、
該膨張黒鉛シートの表面全体に0.5g/100cm2
の一様な厚さの耐熱被膜(フッ化カルシウムとリン酸ア
ルミニウムとの重量比率は1:1.5)を形成し、これ
を耐熱被膜を備えた耐熱シートとした。以下、実施例1
と同様にして筒状母材を作成した。
【0061】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意し、上記混合物を
使用し、同様の方法にて該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.5g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(フッ
化カルシウムとリン酸アルミニウムとの重量比率は1:
1.5)を形成した耐熱シート材を別途作成した。この
耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表面に、実施例3
と同様の潤滑組成物を使用して該潤滑組成物の潤滑すべ
り層を形成し、以下、実施例1と同様の方法で摺動面形
成部材を作成して、実施例1と同様の方法で球帯状シー
ル体を作成した。この球帯状シール体における膨張黒鉛
シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成するフッ化カル
シウム及びリン酸アルミニウムとの重量比率は、耐熱材
100に対し耐熱被膜19.2(フッ化カルシウム7.
7、リン酸アルミニウム11.5)の割合となる。
【0062】<実施例9>耐熱シート材として、幅55
mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シ
ート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.0
g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウム
水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径4μmの
金属フッ化物(フッ化リチウム)粉末5gを配合し混合
物を得た。この混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全体
にローラ塗りし、その後、乾燥炉にて150℃の温度で
20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(フッ
化リチウムとリン酸アルミニウムとの重量比率は1:
1.5)を形成し、これを耐熱被膜を備えた耐熱シート
とした。以下、実施例1と同様にして筒状母材を作成し
た。
【0063】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意し、上記混合物を
使用し、同様の方法にて該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(フッ
化リチウムとリン酸アルミニウムとの重量比率は1:
1.5)を形成した耐熱シート材を別途作成した。この
耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表面に、実施例1
と同様の潤滑組成物を使用して該潤滑組成物の潤滑すべ
り層を形成し、以下、実施例1と同様の方法で摺動面形
成部材を作成して、同じく実施例1と同様の方法で球帯
状シール体を作成した。この球帯状シール体における膨
張黒鉛シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成するフッ
化リチウム及びリン酸アルミニウムとの重量比率は、耐
熱材100に対し耐熱被膜11.5(フッ化リチウム
4.6、リン酸アルミニウム6.9)の割合となる。
【0064】<実施例10>耐熱シート材として、幅5
5mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.
0g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウ
ム水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径4μm
の金属フッ化物(フッ化リチウム)粉末5gを配合し混
合物を得た。この混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全
体にローラ塗りするという操作を2回繰り返し、その
後、乾燥炉にて150℃の温度で20分間乾燥させて、
該膨張黒鉛シートの表面全体に0.5g/100cm2
の一様な厚さの耐熱被膜(フッ化リチウムとリン酸アル
ミニウムとの重量比率は1:1.5)を形成し、これを
耐熱被膜を備えた耐熱シートとした。以下、実施例1と
同様にして筒状母材を作成した。
【0065】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意し、上記混合物を
使用し、同様の方法にて該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.5g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(フッ
化リチウムとリン酸アルミニウムとの重量比率は1:
1.5)を形成した耐熱シート材を別途作成した。この
耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表面に、実施例3
と同様の潤滑組成物を使用して該潤滑組成物の潤滑すべ
り層を形成し、以下、実施例1と同様の方法で摺動面形
成部材を作成して、同じく実施例1と同様の方法で球帯
状シール体を作成した。この球帯状シール体における膨
張黒鉛シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成するフッ
化リチウム及びリン酸アルミニウムとの重量比率は、耐
熱材100に対し耐熱被膜19.2(フッ化リチウム
7.7、リン酸アルミニウム11.5)の割合となる。
【0066】<実施例11>耐熱シート材として、幅5
5mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.
0g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウ
ム水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径18μ
mの黒鉛粉末7.5g及び平均粒径4μmの金属フッ化
物(フッ化カルシウム)粉末7.5gを配合し混合物を
得た。この混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全体にロ
ーラ塗りし、その後、乾燥炉にて150℃の温度で20
分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3
g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛及びフ
ッ化カルシウムとリン酸アルミニウムとの重量比率は
1:0.5)を形成し、これを耐熱被膜を備えた耐熱シ
ート材とした。以下、実施例1と同様にして筒状母材を
作成した。
【0067】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意し、上記混合物を
使用し、同様の方法にて該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛
及びフッ化カルシウムとリン酸アルミニウムとの重量比
率は1:0.5)を形成した耐熱シート材を別途作成し
た。この耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表面に、
実施例1と同様の潤滑組成物を使用して該潤滑組成物の
潤滑すべり層を形成し、以下、実施例1と同様の方法で
摺動面形成部材を作成して、同じく実施例1と同様の方
法で球帯状シール体を作成した。この球帯状シール体に
おける膨張黒鉛シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成
する黒鉛、フッ化カルシウム及びリン酸アルミニウムと
の重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜11.5
(黒鉛3.83、フッ化カルシウム3.83、リン酸ア
ルミニウム3.83)の割合となる。
【0068】<実施例12>耐熱シート材として、幅5
5mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.
0g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウ
ム水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径18μ
mの黒鉛粉末7.5g及び平均粒径4μmの金属フッ化
物(フッ化カルシウム)粉末7.5gを配合し混合物を
得た。この混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全体にロ
ーラ塗りするという操作を2回繰り返し、その後、乾燥
炉にて150℃の温度で20分間乾燥させて、該膨張黒
鉛シートの表面全体に0.5g/100cm2 の一様な
厚さの耐熱被膜(黒鉛及びフッ化カルシウムとリン酸ア
ルミニウムとの重量比率は1:0.5)を形成し、これ
を耐熱被膜を備えた耐熱シート材とした。以下、実施例
1と同様にして筒状母材を作成した。
【0069】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意し、前記実施例1
1と同様の混合物を使用し、同様の方法にて該膨張黒鉛
シートの表面全体に0.5g/100cm2 の一様な厚
さの耐熱被膜(黒鉛及びフッ化カルシウムとリン酸アル
ミニウムとの重量比率は1:0.5)を形成した耐熱シ
ート材を別途作成した。この耐熱シート材の一方の面の
耐熱被膜の表面に、前記実施例3と同様の潤滑組成物を
使用して該潤滑組成物の潤滑すべり層を形成し、以下、
実施例1と同様の方法で摺動面形成部材を作成して、実
施例1と同様の方法で球帯状シール体を作成した。この
球帯状シール体における膨張黒鉛シートからなる耐熱材
と耐熱被膜を形成する黒鉛、フッ化カルシウム及びリン
酸アルミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐
熱被膜19.2(黒鉛6.4、フッ化カルシウム6.
4、リン酸アルミニウム6.4)の割合となる。
【0070】<実施例13>耐熱シート材として、幅5
5mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(実施例と1同じ。膨張黒鉛シートの重量17.
0g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウ
ム水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径18μ
mの黒鉛粉末7.5gを配合し混合物を得た。この混合
物を前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りし、そ
の後、乾燥炉にて150℃の温度で20分間乾燥させ
て、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/100c
2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛及とリン酸アルミニ
ウムとの重量比率は1:1)を形成し、これを耐熱被膜
を備えた耐熱シート材とした。以下、実施例1と同様に
して筒状母材を作成した。
【0071】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意した。濃度25%
の第一リン酸アルミニウム水溶液を用意し、この水溶液
30gに平均粒径18μmの黒鉛粉末3.75g及び平
均粒径4μmのフッ化カルシウム粉末3.75gを配合
し混合物を得た。この混合物を該膨張黒鉛シートの表面
全体にローラ塗りし、その後、乾燥炉にて150℃の温
度で20分間乾燥させて該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛
及びフッ化カルシウムとリン酸アルミニウムとの重量比
率は1:1)を形成し、これを耐熱被膜を備えた耐熱シ
ート材とした。この耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜
の表面に、実施例1と同様の潤滑組成物を使用して該潤
滑組成物の潤滑すべり層を形成し、以下、実施例1と同
様の方法で摺動面形成部材を作成して、同じく実施例1
と同様の方法で球帯状シール体を作成した。この球帯状
シール体における膨張黒鉛シートからなる耐熱材と耐熱
被膜を形成する黒鉛及びフッ化カルシウム及びリン酸ア
ルミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被
膜11.5(黒鉛4.3、フッ化カルシウム1.4、リ
ン酸アルミニウム5.8)の割合となる。
【0072】<実施例14>耐熱シート材として、幅5
5mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(実施例1と同じ。膨張黒鉛シートの重量17.
0g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウ
ム水溶液を用意し、この水溶液30gに平均粒径18μ
mの黒鉛粉末7.5gを配合し混合物を得た。この混合
物を前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りすると
いう操作を2回繰り返し、その後、乾燥炉にて150℃
の温度で20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面
全体に0.5g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜
(黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を
形成し、これを耐熱被膜を備えた耐熱シート材とした。
以下、この耐熱シート材を使用し実施例1と同様にして
筒状母材を作成した。
【0073】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量4.2g)を別途用意した。濃度25%
の第一リン酸アルミニウム水溶液を用意し、この水溶液
30gに平均粒径18μmの黒鉛粉末3.75g及び平
均粒径4μmのフッ化カルシウム粉末3.75gを配合
し混合物を得た。この混合物を該膨張黒鉛シートの表面
全体にローラ塗りするという操作を2回繰り返し、その
後、乾燥炉にて150℃の温度で20分間乾燥させて該
膨張黒鉛シートの表面全体に0.5g/100cm2
一様な厚さの耐熱被膜(黒鉛及びフッ化カルシウムとリ
ン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を形成し、こ
れを耐熱被膜を備えた耐熱シート材とした。この耐熱シ
ート材の一方の面の耐熱被膜の表面に、実施例3と同様
の潤滑組成物を使用して該潤滑組成物の潤滑すべり層を
形成し、以下、実施例1と同様の方法で摺動面形成部材
を作成して、同じく実施例1と同様の方法で球帯状シー
ル体を作成した。この球帯状シール体における膨張黒鉛
シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成する黒鉛、フッ
化カルシウム及びリン酸アルミニウムとの重量比率は、
耐熱材100に対し耐熱被膜19.2(黒鉛7.2、フ
ッ化カルシウム2.4、リン酸アルミニウム9.6)の
割合となる。
【0074】<比較例1>耐熱シート材として、幅55
mm、長さ550mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シ
ート(前記実施例1と同じ)を、補強材として前記実施
例1と同様の帯状金網(幅36mm、長さ360mm)
を用意し、これらを重ね合わせるとともに該膨張黒鉛シ
ート側を内側にしてうず巻き状に捲回し、最外周に膨張
黒鉛シートが位置した筒状母材を作成した。
【0075】幅48mm、長さ212mm、厚さ0.3
8mmの膨張黒鉛シートの一方の表面に、平均粒径7μ
mの窒化ホウ素粉末85重量%、平均粒径0.6μmの
アルミナ粉末15重量%から成る潤滑組成物を固形分と
して30重量%分散含有した水性ディスパージョン(窒
化ホウ素25.5重量%、アルミナ4.5重量%及び水
分70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという被覆操
作を3回繰り返して該潤滑組成物の潤滑すべり層を形成
したのち、別途作成した帯状金網(幅53.5mm、長
さ212mm)内に前記潤滑すべり層を備えた膨張黒鉛
シートを挿入すると共にこれらをローラ間に通して一体
化させ、一方の面に潤滑組成物と金網とが混在した摺動
面形成部材を作成した。
【0076】前記筒状母材の外周面に、この摺動面形成
部材を潤滑すべり層側を外側にして捲回し、予備円筒成
形体を作成したのち、前記実施例1と同様の方法で、内
面に貫通孔を規定する円筒内面を備え、外面が部分凸球
面状の球帯状シール体を作成した。
【0077】<比較例2>前記比較例1と同様の筒状母
材を作成した。幅48mm、長さ212mm、厚さ0.
38mmの膨張黒鉛シートの一方の表面に、平均粒径7
μmの窒化ホウ素粉末85重量%、平均粒径0.6μm
のアルミナ粉末15重量%からなる潤滑組成物を100
重量部とし、これに平均粒径0.3μmのポリテトラフ
ルオロエチレン樹脂粉末を50重量部含有した潤滑組成
物(窒化ホウ素56.7重量%、アルミナ10重量%及
びポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%)を
固形分として30重量%分散含有した水性ディスパージ
ョン(窒化ホウ素17.0重量%、アルミナ3.0重量
%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10.0重量%及
び水分70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという操
作を3回繰り返して該潤滑組成物の潤滑すべり層を形成
したのち、別途作成した帯状金網(幅53.5mm、長
さ212mm)内に前記潤滑すべり層を備えた膨張黒鉛
シートを挿入すると共にこれらをローラ間に通して一体
化させ、一方の面に潤滑組成物と金網とが混在した摺動
面形成部材を作成した。
【0078】前記筒状母材の外周面に、この摺動面形成
部材を潤滑すべり層を外側に巻き付けて予備円筒体を作
成したのち、前記実施例1と同様の方法で、中央に貫通
孔を規定する円筒内面を備え、外面が部分凸球面状の球
帯状シール体を作成した。
【0079】次に、上述した実施例及び比較例から成る
球帯状シール体について、図12に示す排気管継手を使
用して、該シール体の1サイクル毎における摩擦トルク
(kgf・cm)及び異常音の発生の有無及びガス漏れ
量について試験した結果を説明する。 <試験条件> (試験I) コイルバネによる押圧力:67kgf 揺動角 :±3° 振動数 :12ヘルツ 雰囲気温度(図12に示す凹球面部302の外表面温
度):室温(20℃)〜500℃ (試験II) コイルバネによる押圧力:67kgf 揺動角 :±3° 振動数 :12ヘルツ 雰囲気温度(図12に示す凹球面部302の外表面温
度):室温(20℃)〜650℃ <試験方法>(試験I、試験IIとも) 12ヘルツの振動数で±3°の揺動運動を1回として4
5,000回行なったのち、該揺動運動を継続しながら
雰囲気温度を500℃(試験I)、650℃(試験I
I)まで昇温し(昇温中の揺動回数45,000回)、
該雰囲気温度が500℃、650℃に到達した時点で1
15,000回の揺動運動を行い、ついで該揺動運動を
継続しながら雰囲気温度を室温まで降温(降温中の揺動
回数45,000回)するという全揺動回数250,0
00回を1サイクルとして4サイクル行う。
【0080】また、異常音の発生の有無の評価はつぎの
ようにして行なった。 評価記号I :異常音の発生のないもの。 評価記号II :試験片に耳を近づけた状態で、かすか
に異常音が聴こえるもの。 評価記号III:定位置(試験片から1.5m離れた位
置)では生活環境音に消され、一般には判別しがたいが
試験担当者には異常音として判別できるもの。 評価記号IV :定位置で誰でも異常音(不快音)とし
て識別できるもの。
【0081】ガス漏れ量(リットル/min)は、図1
2に示す排気管継手の一方の排気管100の開口部を閉
塞し、他方の排気管300側から、0.5kgf/cm
2 の圧力で乾燥空気を流入し、継手部分(球帯状シール
体54の外面53と径拡大部301の凹球面部302と
の摺接部、球帯状シール体54の円筒内面52と排気管
100の管端部101との嵌合部及び球帯状シール体5
4の端面55と排気管100に立設されたフランジ20
0との当接部)からの漏れ量を流量計にて、試験初期、
250,000回後、500,000回後及び1,00
0,000回後の4回測定した。
【0082】表1〜表8は、上記試験方法によって得ら
れた試験I及び試験IIの試験結果である。 (以下余白)
【0083】
【表1】 (以下余白)
【0084】
【表2】 (以下余白)
【0085】
【表3】 (以下余白)
【0086】
【表4】 (以下余白)
【0087】
【表5】 (以下余白)
【0088】
【表6】 (以下余白)
【0089】
【表7】 (以下余白)
【0090】
【表8】 (以下余白)
【0091】表中、1は揺動回数0(試験開始前)での
結果、2は揺動回数25万回での結果、3は揺動回数5
0万回での結果、4は揺動回数100万回での結果を示
したものである。試験Iの結果からは実施例と比較例と
の間に性能の差は認められず、両者とも摩擦トルクが低
く、かつ異常摩擦音の発生も認められず、ガス漏れ量も
0.15リットル/min以下という良好な性能を発揮
した。
【0092】しかし、試験IIの結果からは実施例と比
較例との間に歴然とした性能の差が認められた。すなわ
ち、比較例からなる球帯状シール体は凹球面部の外表面
温度が650℃という高温条件では、ガス漏れ量の結果
から明らかなように、揺動回数の増加に伴い耐熱シート
材である膨張黒鉛の酸化が進行し、揺動回数が50万回
を超えると急激に膨張黒鉛に酸化による消耗が認めら
れ、形崩れ等を生じ、シール体としての機能が消滅し
た。一方、実施例からなる球帯状シール体は、耐熱シー
ト材の表面全体に耐熱被膜が形成されており、シール体
自体の耐熱性が高められているため、凹球面部の外表面
温度が650℃という高温条件においても膨張黒鉛の酸
化消耗は低く抑えられ、シール体としての機能は揺動回
数が100万回を超えても依然発揮されるものであっ
た。
【0093】
【発明の効果】本発明の球帯状シール体は、円筒内面か
ら部分凸球面状の外面にかけてのその内部では、表面全
体に耐熱被膜を備えた耐熱シート材と金網からなる補強
材とが互いに絡み合って構造的一体性を有し、該シール
体自体の耐熱性が高められているので、650℃という
高温条件においてもシール体としての機能を十分発揮す
るものである。また、製造方法においては、膨張黒鉛シ
ート等の表面全体に耐熱被膜を形成するという工程が加
わるだけで、従来の製造方法における製造工程を大幅に
変更する必要を生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の球帯状シール体を示す縦断面説明図で
ある。
【図2】本発明の球帯状シール体の部分凸球面状の外面
の部分拡大断面図である。
【図3】本発明の球帯状シール体の製造工程における耐
熱シート材の斜視図である。
【図4】本発明の球帯状シール体の製造工程における耐
熱被膜が形成された耐熱シート材の断面図である。
【図5】本発明の球帯状シール体の製造工程における金
網からなる補強材の形成方法の説明図である。
【図6】本発明の球帯状シール体の製造工程における筒
状母材の平面図である。
【図7】本発明の球帯状シール体の製造工程における潤
滑すべり層を形成した耐熱シート材の断面図である。
【図8】本発明の球帯状シール体の製造工程における摺
動面形成部材の形成方法の説明図である。
【図9】本発明の球帯状シール体の製造工程における摺
動面形成部材の形成方法の説明図である。
【図10】本発明の球帯状シール体の製造工程における
予備円筒成形体の平面図である。
【図11】本発明の球帯状シール体の製造工程における
金型中に予備円筒成形体を挿入した状態を示す縦断面図
である。
【図12】本発明の球帯状シール体を組込んだ排気管継
手の縦断面図である。
【符号の説明】 51 貫通孔 52 円筒内面 53 外面 54 球帯状シール体

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に貫通孔を規定する円筒内面を備
    え、外面が部分凸球面状に形成された、とくに排気管継
    手に使用される球帯状シール体であって、該円筒内面か
    ら部分凸球面状の外面近傍にかけてのその内部では、圧
    縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網
    目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮さ
    れた耐熱材とを主として具備し、更に、黒鉛及び金属フ
    ッ化物のうちの少なくとも一方と、リン酸アルミニウム
    とを、補強材及び耐熱材と混在一体化させて具備し、部
    分凸球面状の外面近傍から部分凸球面状の外面にかけて
    のその内部では、少なくとも、窒化ホウ素とアルミナ及
    びシリカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物
    からなるすべり層を具備し、このすべり層には、当該す
    べり層に混在一体化されて圧縮された金網からなる補強
    材が配されており、すべり層とこのすべり層に混在一体
    化された金網からなる補強材とが露出した部分凸球面状
    の外面は、平滑な面に形成されていることを特徴とする
    球帯状シール体。
  2. 【請求項2】 円筒内面から部分凸球面状の外面近傍に
    かけての内部では、重量比率において、耐熱材100に
    対し黒鉛及び金属フッ化物のうちの少なくとも一方とリ
    ン酸アルミニウムとが4〜40の割合で含まれている請
    求項1に記載の球帯状シール体。
  3. 【請求項3】 円筒内面から部分凸球面状の外面近傍に
    かけての内部では、重量比率1:0.3〜4の割合をも
    って、黒鉛とリン酸アルミニウムとを具備する請求項1
    又は2に記載の球帯状シール体。
  4. 【請求項4】 円筒内面から部分凸球面状の外面近傍に
    かけての内部では、重量比率1:0.3〜4の割合をも
    って、金属フッ化物とリン酸アルミニウムとを具備する
    請求項1又は2に記載の球帯状シール体。
  5. 【請求項5】 円筒内面から部分凸球面状の外面近傍に
    かけての内部では、黒鉛、金属フッ化物及びリン酸アル
    ミニウムを具備し、黒鉛及び金属フッ化物とリン酸アル
    ミニウムとの重量比率が1:0.5〜3の割合であっ
    て、黒鉛及び金属フッ化物において、黒鉛が50〜80
    重量%、金属フッ化物が20〜50重量%の割合で含ま
    れている請求項1又は2に記載の球帯状シール体。
  6. 【請求項6】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、フ
    ッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウムの
    うちの一種又は二種以上から選択されたものである請求
    項1、2、4又は5に記載の球帯状シール体。
  7. 【請求項7】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90重
    量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が1
    0〜30重量%とから成る請求項1から6のいずれか一
    項に記載の球帯状シール体。
  8. 【請求項8】 潤滑組成物には、ポリテトラフルオロエ
    チレン樹脂が更に含有されている請求項1から7のいず
    れか一項に記載の球帯状シール体。
  9. 【請求項9】 潤滑組成物は、窒化ホウ素とアルミナ及
    びシリカのうちの少なくとも一方とから成る潤滑組成物
    を100重量部とし、これに200重量部以下の割合の
    ポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有されてなる請求
    項8に記載の球帯状シール体。
  10. 【請求項10】 潤滑組成物は、窒化ホウ素とアルミナ
    及びシリカのうちの少なくとも一方とから成る潤滑組成
    物を100重量部とし、これに50〜150重量部の割
    合のポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有されてなる
    請求項8に記載の球帯状シール体。
  11. 【請求項11】 耐熱材は、膨張黒鉛、マイカ及びアス
    ベストのうちの一種又は二種以上から選択されたものか
    らなる請求項1から10のいずれか一項に記載の球帯状
    シール体。
  12. 【請求項12】 中央部に貫通孔を規定する円筒内面を
    備え、外面が部分凸球面状に形成された、とくに排気管
    継手に使用される球帯状シール体であって、該円筒内面
    から部分凸球面状の外面にかけてのその内部では、表面
    全体に、黒鉛及び金属フッ化物のうちの少なくとも一方
    とリン酸アルミニウムとの混合物からなる耐熱被膜を備
    えた耐熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、
    互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成され
    ており、該部分凸球面状の外面は、窒化ホウ素又は窒化
    ホウ素及びポリテトラフルオロエチレン樹脂とアルミナ
    及びシリカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成
    物からなるすべり層の露出面からなり、該すべり層に
    は、当該すべり層に一体化された金網からなる補強材が
    配されており、すべり層とこのすべり層に混在一体化さ
    れた金網からなる補強材とが露出した該部分凸球面状の
    外面は、平滑な面に形成されていることを特徴とする球
    帯状シール体。
  13. 【請求項13】 耐熱シート材と耐熱被膜との重量比率
    が、耐熱シート材100に対し耐熱被膜4〜40の割合
    である請求項12に記載の球帯状シール体。
  14. 【請求項14】 耐熱被膜は、黒鉛とリン酸アルミニウ
    ムとの重量比率が1:0.3〜4の割合の混合物からな
    る請求項12又は13に記載の球帯状シール体。
  15. 【請求項15】 耐熱被膜は、金属フッ化物とリン酸ア
    ルミニウムとの重量比率が1:0.3〜4の割合の混合
    物からなる請求項12又は13に記載の球帯状シール
    体。
  16. 【請求項16】 耐熱被膜は、黒鉛及び金属フッ化物と
    リン酸アルミニウムとの重量比率が1:0.5〜3の割
    合であって、黒鉛及び金属フッ化物は、黒鉛50〜80
    重量%、金属フッ化物20〜50重量%の割合の混合物
    からなる請求項12又は13に記載の球帯状シール体。
  17. 【請求項17】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、
    フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウム
    のうちの一種又は二種以上から選択されたものである請
    求項12、13、15又は16に記載の球帯状シール
    体。
  18. 【請求項18】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とから成る請求項12から17のいず
    れか一項に記載の球帯状シール体。
  19. 【請求項19】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とから成る潤滑組成物を100重量部
    とし、これに200重量部以下の割合のポリテトラフル
    オロエチレン樹脂が含有されてなる請求項12から17
    のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  20. 【請求項20】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とから成る潤滑組成物を100重量部
    とし、これに50〜150重量部の割合のポリテトラフ
    ルオロエチレン樹脂が含有されてなる請求項12から1
    7のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  21. 【請求項21】 耐熱シート材は、膨張黒鉛、マイカ及
    びアスベストのうちの一種又は二種以上から選択された
    ものからなる請求項12から20のいずれか一項に記載
    の球帯状シール体。
  22. 【請求項22】 中央部に貫通孔を規定する円筒内面を
    備え、外面が部分凸球面状の形状をもった、とくに排気
    管継手に使用される球帯状シール体の製造方法であっ
    て、 (a)表面全体に一様な厚さの黒鉛及び金属フッ化物の
    うちの少なくとも一方とリン酸アルミニウムとの混合物
    から成る耐熱被膜を備えた耐熱シート材を準備する工程
    と、 (b)金属細線を織ったり、編んだりして得られる金網
    から成る補強材を準備し、該補強材を前記耐熱シート材
    に重ね合わせたのち、該耐熱シート材を内側にしてうず
    巻き状に捲回し、筒状母材を形成する工程と、 (c)表面全体に一様な厚さの黒鉛及び金属フッ化物の
    うちの少なくとも一方とリン酸アルミニウムとの混合物
    から成る耐熱被膜を備えた別の耐熱シート材を準備し、
    該別の耐熱シート材と、該別の耐熱シート材の一方の面
    の耐熱被膜の表面に被覆された窒化ホウ素又は窒化ホウ
    素及びポリテトラフルオロエチレン樹脂とアルミナ及び
    シリカのうちの少なくとも一方とから成る潤滑組成物か
    らなるすべり層と、該すべり層を覆って配された金網か
    らなる補強材とからなる摺動面形成部材を形成する工程
    と、 (d)該摺動面形成部材を、すべり層側の面を外側にし
    て前記筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成形体を形
    成する工程と、 (e)該予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、
    該コアを金型内に配置すると共に該金型内において予備
    円筒成形体をコア軸方向に圧縮成形する工程と、から成
    り、円筒内面から部分凸球面状の外面にかけての内部で
    は耐熱被膜を備えた耐熱シート材と金網から成る補強材
    とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有する
    と共に、部分凸球面状の外面は、潤滑組成物が補強材の
    網目を充填して両者が混在一体となった平滑なすべり面
    に形成されていることを特徴とする球帯状シール体の製
    造方法。
  23. 【請求項23】 耐熱被膜は、黒鉛とリン酸アルミニウ
    ムとの重量比率が1:0.3〜4の割合の混合物からな
    り、耐熱シート材の表面全体に0.1〜0.8g/10
    0cm2 の一様な厚さに形成されている請求項22に記
    載の球帯状シール体の製造方法。
  24. 【請求項24】 耐熱被膜は、金属フッ化物とリン酸ア
    ルミニウムとの重量比率が1:0.3〜4の割合の混合
    物からなり、耐熱シート材の表面全体に0.1〜0.8
    g/100cm2 の一様な厚さに形成されている請求項
    22に記載の球帯状シール体の製造方法。
  25. 【請求項25】 耐熱被膜は、黒鉛及び金属フッ化物と
    リン酸アルミニウムとの重量比率が1:0.5〜3の割
    合であって、当該黒鉛及び金属フッ化物において、黒鉛
    が50〜80重量%、金属フッ化物が20〜50重量%
    の割合の混合物からなり、耐熱シート材の表面全体に
    0.1〜0.8g/100cm2 の一様な厚さに形成さ
    れている請求項22に記載の球帯状シール体の製造方
    法。
  26. 【請求項26】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、
    フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウム
    のうちの一種又は二種以上から選択されたものである請
    求項22、24及び25に記載の球帯状シール体の製造
    方法。
  27. 【請求項27】 摺動面形成部材は、表面全体に黒鉛と
    リン酸アルミニウムとの重量比率が1:0.3〜4の割
    合の混合物からなる0.1〜0.8g/100cm2
    一様な厚さの耐熱被膜を備えた耐熱シート材と、耐熱シ
    ート材の一方の面の耐熱被膜の表面に被覆された窒化ホ
    ウ素又は窒化ホウ素及びポリテトラフルオロエチレン樹
    脂とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とから
    成る潤滑組成物のすべり層と、該すべり層を覆って配さ
    れた金網から成る補強材とから成る請求項22から26
    のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  28. 【請求項28】 摺動面形成部材は、表面全体に金属フ
    ッ化物とリン酸アルミニウムとの重量比率が1:0.3
    〜4の割合の混合物からなる0.1〜0.8g/100
    cm2 の一様な厚さの耐熱被膜を備えた耐熱シート材
    と、耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表面に被覆さ
    れた窒化ホウ素又は窒化ホウ素及びポリテトラフルオロ
    エチレン樹脂とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも
    一方とから成る潤滑組成物のすべり層と、該すべり層を
    覆って配された金網から成る補強材とから成る請求項2
    2から26のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製
    造方法。
  29. 【請求項29】 摺動面形成部材は、表面全体に黒鉛及
    び金属フッ化物とリン酸アルミニウムとの重量比率が
    1:0.5〜3の割合であって、黒鉛及び金属フッ化物
    において、黒鉛が50〜80重量%、金属フッ化物が2
    0〜50重量%の割合の混合物からなる0.1〜0.8
    g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜を備えた耐熱
    シート材と、耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表面
    に被覆された窒化ホウ素又は窒化ホウ素及びポリテトラ
    フルオロエチレン樹脂とアルミナ及びシリカのうちの少
    なくとも一方とから成る潤滑組成物のすべり層と、該す
    べり層を覆って配された金網から成る補強材とから成る
    請求項22から26のいずれか一項に記載の球帯状シー
    ル体の製造方法。
  30. 【請求項30】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とから成る請求項22から29のいず
    れか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  31. 【請求項31】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とから成る潤滑組成物を100重量部
    とし、これに200重量部以下の割合のポリテトラフル
    オロエチレン樹脂が含有されてなる請求項22から29
    のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  32. 【請求項32】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とから成る潤滑組成物を100重量部
    とし、これに50〜150重量部の割合のポリテトラフ
    ルオロエチレン樹脂が含有されてなる請求項22から2
    9のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  33. 【請求項33】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、
    フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウム
    のうちの一種又は二種以上から選択されたものである請
    求項28又は29に記載の球帯状シール体の製造方法。
  34. 【請求項34】 耐熱シート材は、膨張黒鉛、マイカ及
    びアスベストのうちの一種又は二種以上から選択された
    ものからなる請求項22から33のいずれか一項に記載
    の球帯状シール体の製造方法。
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