JPH1093646A - ディジタル直交検波回路 - Google Patents

ディジタル直交検波回路

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JPH1093646A
JPH1093646A JP8240905A JP24090596A JPH1093646A JP H1093646 A JPH1093646 A JP H1093646A JP 8240905 A JP8240905 A JP 8240905A JP 24090596 A JP24090596 A JP 24090596A JP H1093646 A JPH1093646 A JP H1093646A
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Kazuhiko Seki
和彦 関
Takayoshi Kaneko
隆義 金子
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PACIFIC COMMUN RES KK
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PACIFIC COMMUN RES KK
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/18Phase-modulated carrier systems, i.e. using phase-shift keying
    • H04L27/22Demodulator circuits; Receiver circuits
    • H04L27/233Demodulator circuits; Receiver circuits using non-coherent demodulation
    • H04L27/2332Demodulator circuits; Receiver circuits using non-coherent demodulation using a non-coherent carrier

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成を複雑にすることなく、かつ、性能を劣
化させることなく、動作周波数を低く抑えて消費電力を
低減できるディジタル直交検波回路を提供することを目
的とする。 【解決手段】 2値に変換された中間周波信号とキャリ
ア信号の排他的論理和をとる準同期検波器1と、準同期
検波器1の出力を1シンボル当たりM(M:1以上の整
数)個の位相でそれぞれサンプリングするサンプル手段
2−1乃至2−5と、これらの出力信号からMビットの
並列信号を生成するビット加算器3と、この出力から低
周波成分を取り出す低域通過フィルタ4乃至8とを備え
る。Mビットの並列信号を得るために従来は100倍ク
ロックを使用したが、サンプル手段2を5個備えること
により20倍クロックですむ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタル変調信号
を復調する復調器に関し、特に中間周波信号から互いに
直交するベースバンド信号に変換するディジタル直交検
波回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、PHS(パーソナルハンディホン
システム)などの移動体通信においてディジタル通信方
式が普及しつつあり、これに伴い、小型で高性能、しか
も低消費電力の受信機が求められている。移動体通信向
けのディジタル通信方式としてよく知られたものに、π
/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keyin
g:4相位相変調)がある。QPSKは送信側のデータ
を4相、つまり0°、90°、180°、270°(あ
るいは45°、135°、225°、315°)に配置
し、シンボル毎に45°づつ回転させて送る方式であ
る。この方式の信号を正しく復調するためには、受信側
で90度位相の異なる2つの搬送波を用意し、それぞれ
について復調する直交受信機が用いられる。これらの搬
送波により復調された出力は、同相成分(In-Phase Com
ponent)及び直交成分(Quadrature Component)と呼ば
れる。
【0003】図9は、山本裕理他「π/4シフトQPS
Kバースト復調器の実験検討」1992年電子情報通信
学会秋季大会B−245に示された従来のディジタル直
交検波回路の機能ブロック図である。このディジタル直
交検波回路はパルスカウント方式を用いたものであり、
アナログ直交検波回路とは異なり、ミキサ、ローパスフ
ィルタ、A/Dコンバータ等のアナログ部品を用いるこ
となく検波器を構成することができる。
【0004】図9において、図示しないアンテナにより
受信された信号はバンドパスフィルタ(BPF:帯域通
過フィルタ)51に入力される。BPF51は所望の帯
域の信号のみを取り出しリミタ52に出力する。リミタ
52により振幅が制限された信号は、位相比較器(EX
OR)53a,53bにおいて、基準クロックを1/N
分周する分周器60及びπ/2(90°)移相器61に
より生成される同相・直交両参照信号と位相比較され
る。そしてこれら出力は、カウンタ54a,54bにお
いて、IF信号に対して十分高速な基準クロック入力に
より一定期間計数検出される。次に、瞬時位相変換器5
5において、同相・直交両相の検出信号は瞬時位相に変
換され、さらに、位相差計算器56において、1シンボ
ル前の信号との間で位相比較され、位相差信号となる。
この位相差信号はビット参照信号用としてビット周期検
出器63に出力される一方で、サンプリング手段57に
より再生シンボルクロック周期でサンプリングされる。
そして、周波数オフセット補正手段59による補正を受
けつつ、データ再生手段58によりデータが再生され
る。
【0005】ところで、ディジタル復調器を小型かつ低
消費電力で実現するためには、アナログ部品ならびにア
ナログからディジタルへの変換動作を行うA/D(Anal
og To Digital:アナログ−ディジタル)変換器の削減
が最も効果的である。図9のようなハードリミテッドI
F信号を1ビット量子化して取り込む回路はこの種の要
請に応えるものであり、A/D変換器が不要、キャリア
信号の直交性が安定等の優れた利点を持つ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図9の従来のディジタ
ル直交検波回路によれば、ミキサ、ローパスフィルタ、
A/Dコンバータ等のアナログ部品を用いることなく検
波器が構成され、復調器の小型化及びある程度の低消費
電力化が可能となる。しかしながら、復調器の誤り率特
性を劣化させないために、この方式ではシンボルクロッ
ク周波数の100倍程度の高速クロックでカウンタ54
a,54bを動作させなければならない。その結果、図
9のディジタル直交検波回路の消費電力は、復調器全体
のなかで最も大きなものとなる。これでは復調器のさら
なる低消費電力化の要請に応えられない。
【0007】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、構成を複雑にすることなく、かつ、
性能を劣化させることなく、動作周波数を低く抑えて消
費電力を低減できるディジタル直交検波回路を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係るディジタ
ル直交検波回路は、2値に変換された中間周波信号とキ
ャリア信号の排他的論理和をとる準同期検波器と、前記
準同期検波器の出力を1シンボル当たりM(M:1以上
の整数)個の位相でそれぞれサンプリングすることによ
りMビットの並列信号に変換する変換手段と、前記変換
手段の出力から低周波成分を取り出す低域通過フィルタ
と、動作タイミング信号を生成して前記変換手段及び前
記低域通過フィルタに供給するタイミング生成手段とを
備えるものである。
【0009】準同期検波器は中間周波信号と同相あるい
は直交参照信号とを位相比較することにより同期検波を
行う。変換手段はこの出力をMビットの並列信号に変換
する。低域通過フィルタは例えば移動平均を行うことに
より、所望の信号を取り出す。タイミング生成手段は必
要なタイミング信号を生成する。
【0010】この発明に係るディジタル直交検波回路
は、前記タイミング生成手段が、1シンボル当たり互い
に位相が異なるM個のタイミング信号を生成し、前記変
換手段は、前記M個のタイミング信号を受けて当該タイ
ミングの信号をそれぞれサンプリングするM個のサンプ
ラーと、前記複数のサンプラーの出力を受けて加算処理
を行うビット加算器とを備えるものである。
【0011】変換手段はM組のサンプラーを備える。こ
れらサンプラーは所定の時間間隔ずれているM個のタイ
ミング信号に基づき動作し、準同期検波器の出力を順番
にサンプリングする。ビット加算器はこれらのM個の出
力を受けて対応する所定のビット数(2を底とするlo
g(M)以上の最小の整数)の並列信号にまとめる。
【0012】この発明に係るディジタル直交検波回路
は、前記低域通過フィルタが、前記変換手段の出力を受
けて所定の周期(実施の形態の例では、100サンプル
/シンボルとしたとき、60サンプル)に対応して信号
を遅延させる遅延手段と、前記変換手段の出力から前記
遅延手段の出力を減算する減算器と、前記減算器の出力
を積算する積算器と、前記積算器の出力を保持する保持
回路と、前記積算器の演算結果が予め定められた範囲を
越えるときに前記積算器の出力を補正する制御回路とを
備えるものである。
【0013】積算結果が例えばオーバーフローしたり、
アンダフローしたときに、制御回路は処理が正常に行わ
れるようにそのときのデータを補正する。
【0014】この発明に係るディジタル直交検波回路
は、前記制御回路が、前記積算器の演算結果が予め定め
られた範囲を越えるときに、前記保持回路が保持する値
から前記減算器の出力を減じるものである。
【0015】データの補正は保持回路が保持する値から
減算器の出力を減算することにより行われる。
【0016】この発明に係るディジタル直交検波回路
は、前記制御回路が、前記積算器の演算結果が予め定め
られた範囲を越えるときに、前記保持回路に前記減算器
の出力を保持させるものである。
【0017】データの補正は保持回路に減算器の出力を
保持させることにより行われる。
【0018】この発明に係るディジタル直交検波回路
は、シンボル速度をf、ディジタル直交検波回路の入力
信号を処理するために必要な時間分解能に対応する周波
数をNf、ディジタル直交検波回路の出力信号に要求さ
れる時間分解能に対応する周波数をnf(N>n)とし
たとき、前記1シンボル当たりのサンプリング数MがM
=N/nの関係を満足するものである。
【0019】N及びnは、復調器の誤り率特性を劣化さ
せないように選択される。例えば、N=100としたと
き、n=2、4、5、10、20、25、50であり、
N=96としたとき、n=2、3、4、6、8、12、
16、24、32、48である。例えば、直交検波回路
の出力信号がシンボル速度の20倍程度、入力信号がシ
ンボル速度の100倍程度の時間分解能を必要とすると
き、M=N/n=100/20=5である。
【0020】この発明に係るディジタル直交検波回路
は、前記N及びnが、前記入力信号の時間分解能及び前
記出力信号の時間分解能の制約範囲の下で、回路の消費
電力を減少させるように定められるものである。
【0021】時間分解能の制約範囲として、例えば次の
ような条件がある。Mが増えると入力信号の時間分解能
が上がるか、または出力信号の時間分解能が下がる。た
だし、入力信号に対する時間分解能を一定にすると、直
交検波回路の動作速度を低減できる。
【0022】消費電力は例えば次のような関係がある。
Mが増えると変換手段の回路構成が増え、消費電力も増
える。nが減少すると消費電力は減る。この場合、Mに
よる消費電力の増減及びnによる消費電力の増減を総合
的に判断してN及びnは定められる。
【0023】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.本発明の実施の形態1のディジタ
ル直交検波回路の機能ブロック図を図1乃至図3に示
す。この回路のタイミングチャートを図4に示す。
【0024】また、このディジタル直交検波回路を用い
た復調器の機能ブロック図を図5に示す。理解を助ける
ためにまず図5について説明する。図5において、Ic
h(In Phase Channel)検波回路24a、Qch(Quad
rature Phase Channel)検波回路24bが、図1のディ
ジタル直交検波回路に相当する。アンテナ21により受
信された信号はバンドパスフィルタ(BPF:帯域通過
フィルタ)22に入力される。BPF22は所望の帯域
の信号のみを取り出しリミタ(LIM)23に出力す
る。リミタ23により振幅が制限された信号がIch検
波回路24a及びQch検波回路24bに入力される。
直交キャリア信号発生器25は、基準クロックを適宜分
周及び分配するとともに、分配された参照信号の一方を
π/2(90°)移相させることにより同相参照信号及
び直交参照信号を発生する。検波回路24a,24bに
おいて、リミタ23からの受信信号は同相参照信号及び
直交参照信号と位相比較される。
【0025】次に図1を用いて説明する。排他的論理和
(EXOR)回路1の一方の入力端子は、上述のように
図5のリミタ23により振幅が制限されたIFデータ信
号を受ける。他方の入力端子は、直交キャリア信号発生
器25から参照信号である直交キャリア信号を受ける。
Ichのディジタル直交検波回路の場合、直交キャリア
信号はcosωtに相当する信号であり、Qchのディ
ジタル直交検波回路の場合、直交キャリア信号は−si
nωtに相当する信号である。IFデータ信号及び直交
キャリアの中心周波数は、例えば1.2MHzである。
このときの信号のスペクトラムの例を図6に示す。中心
周波数fc(=例えば1.2MHz)のまわりに帯域2
Bのスペクトラムが分布している。
【0026】EXOR回路1の出力は、図5の場合5つ
に分配された後、サンプル手段2−1乃至2−5にそれ
ぞれ入力される。このときのEXOR回路1の出力はベ
ースバンド信号である。EXOR回路1の出力のスペク
トラムの例を図7に示す。fB(=例えば192KH
z)までの帯域にスペクトラムが分布する。ここでB=
fBである。
【0027】サンプル手段2−1乃至2−5は、それぞ
れ位相が順々に遅れている5つの20倍クロック信号C
K1乃至CK5により、EXOR回路1の出力(ゼロI
F信号)をサンプリングするとともに、これらサンプル
手段2−1乃至2−5の出力をビット加算器3に出力す
る。
【0028】この動作について図4のタイミングチャー
トを用いて説明する。図4において、上段のクロックM
fsは基準となる100倍クロックである。これは扱う
べき信号の最大周波数の100倍の周波数(周期T1)
をもつクロックである。例えば、ベースバンドの周波数
が192KHzであるときに、100倍クロックMfs
の周波数は19.2Mhz(周期T1=1/19.2M
hz=52ns)である。CK1乃至CK5は期間T1
づつ互いにずれている20倍クロックである。このクロ
ックCK1乃至CK5の周波数は3.84MHz(周期
T2=1/3.84Mhz=260ns)である。
【0029】図4に示されたタイミング信号は、例えば
図3の回路により生成される。100倍クロックにより
動作するカウンタ9の出力を受けて、デコーダ10がカ
ウンタの出力値に対応する位置にパルスを発生する。例
えば、カウンタ9の出力が1、2、3、4、5のとき
に、デコーダ10はCK1、CK2、CK3、CK4、
CK5を発生する。フリップフロップ11は波形を整形
してノイズを防止するためのものである。
【0030】EXOR回路1の出力のうち、まずCK1
により、サンプル手段D1が最初の部分をサンプリング
する。次に、CK2により、サンプル手段D2が次の部
分をサンプリングする。以下同様に順々にサンプリング
が行われる。これらサンプル手段D1乃至D5の出力が
ビット加算器3に入力される。ビット加算器3は逐次加
算結果を出力するが、CK1により遅延手段3はこの部
分のデータをサンプリングする。すなわち、期間T2に
おいてサンプル手段D1乃至D5によりサンプリングさ
れたデータは、次の周期の最初のCK1の時点で確定す
る。この処理は100倍の周波数の信号で直接サンプリ
ングすることと実質的に同じである。ビット加算器3の
出力が、従来のパルスカウント方式のカウンタ出力に相
当する。ところでビット加算器3、遅延手段4、制御回
路7、保持回路8は20倍クロックで動作するから、1
00倍クロックを必要としない。したがって、これら各
素子において動作周波数を低く抑えることができるので
消費電力を低減することができる。
【0031】以下、遅延手段4乃至制御回路7において
順々に処理がなされ、制御回路7において、その周期の
最後のCK5で最終的な受信信号が確定する。保持回路
8はCK1によりその確定後の信号を保持し、次の周期
での処理に用いる。
【0032】次に遅延手段4以降の処理について簡単に
説明する。ビット加算器3の出力は、移動平均をとる期
間に対応してデータを遅延させる遅延手段4及び減算器
5に入力される。減算器5は、新しいデータから古いデ
ータを減算して、その結果を積算器6に出力する。制御
回路7は、減算器5の出力を積算器6の保持する値(保
持回路8の値)に加算することにより積算器6の演算範
囲(0以上M×D未満)を越える場合に、積算器6の保
持する値から減算器5の出力を減じる。
【0033】また、積算器6乃至保持回路8の具体的構
成例を図2に示す。図1の制御回路7は、セレクタ7
1、フリップフロップ回路(FF)72及び比較器(コ
ンパレータ)73からなる。積算器6の出力はセレクタ
71のA端子に入力される。一方、セレクタ71のB端
子には積算器6の入力データ(減算器5の出力データ)
が入力される。比較器73は積算器6の出力を受けて、
これが予め定められた上限よりも大きいか、あるいは、
予め定められた下限よりも小さいか判定する。これらい
ずれかの条件を満たすときには、比較器73はセレクタ
71のS端子に信号を出力し、セレクタ71にB端子の
入力信号を選択させる。そうでないとき(通常状態のと
き)、セレクタ71にA端子の入力信号を選択させる。
セレクタ71の出力(Y端子の出力)は、フリップフロ
ップ回路72に入力され、クロックCK5のタイミング
で保持される。フリップフロップ回路72の出力が、こ
のディジタル直交検波回路のIch出力あるいはQch
出力となる。同時にこの出力は保持回路(フリップフロ
ップ)8の入力となる。フリップフロップ回路8の出力
は積算器6の一方の入力となる。
【0034】図2のセレクタ71及び比較器73は、こ
のディジタル直交検波回路が通常の動作をするときには
特に必要としない。これらの回路は、装置が動作を開始
した直後の初期状態が不安定なときや、受信信号が途中
で途切れて処理が不安定になったときのためのものであ
る。これらの回路を備えれば、データのオーバーフロー
やアンダフローにより動作が不正常になることを防止で
きる。
【0035】以上の遅延手段4から保持回路8は移動平
均(Moving average)回路を構成する。移動平均は低域
通過フィルタ(LPF)として機能する。
【0036】図1のディジタル直交検波回路は2つのI
Q出力を併せて用いることにより、4値のデータを再生
することができる。
【0037】[消費電力の評価]図1の回路構成により
クロック周波数が1/5になったが、これによる消費電
力の減少について説明する。図1のディジタル直交検波
回路の消費電力と従来のディジタル直交検波回路の消費
電力を比較した結果は次のようであった。
【0038】 回路部分 消費電力(相対値) 従来回路 直並列変換 1.0 移動平均 1.4 合計 2.4 図1の回路 並列サンプリング 0.2 移動平均 1.4 合計 1.6 良く知られているようにCMOSの消費電力は動作周波
数に比例して増加するから、クロック周波数が1/5に
なることにより、移動平均を除く部分で消費電力の80
%を削減することができる。また、このことから直交検
波回路全体で30%の消費電力削減が可能であることが
わかる。
【0039】[誤り率特性の評価]また、図1の回路の
特性を検証するため、周波数選択性フェージング(Freq
uency Selective Fading)下でのビット誤り率特性をF
PGAを用いたハードウエア実験により測定した。変調
方式はπ/4シフトQPSK変調、波形整形はα=0.
5のルートナイキスト、伝送速度は384kbit/
s、復調方式は遅延検波である。また、フェージング条
件は、最大ドップラー周波数15Hz、遅延分散(rm
s)250nsとした。得られた誤り率特性を図8に示
す。従来方式と同様の特性が得られている。この結果か
らわかるように、この発明の実施の形態1のディジタル
直交検波回路によれば、性能を維持しつつ消費電力を削
減することができる。
【0040】この発明の実施の形態1の回路によれば、
ハードリミテッドIF信号を1ビット量子化して取り込
む方式に適用可能なディジタル直交検波回路において、
30%の消費電力削減を可能とした。また、FPGAを
用いてハードウエア実験を行い、周波数選択性フェージ
ング(Frequency Selective Fading)下で従来方式と同
様の誤り率特性が得られることを示した。
【0041】[クロックの倍数の検討]ところで、図1
においてサンプル手段2は5個であった。これは、復調
器の誤り率特性を劣化させないために、直交検波回路の
出力信号がシンボル速度の20倍程度、入力信号がシン
ボル速度の100倍程度の時間分解能を必要とするため
である。このとき、100/20=5であるがゆえにサ
ンプル手段2は5個となる。ちなみに、遅延手段を4個
とすると、入力信号の時間分解能は80倍程度に下がる
か(80/20=4)、または出力信号の時間分解能が
25倍程度に上がる(100/25=4)。
【0042】遅延手段が増えると入力信号の時間分解能
が上がるか、または出力信号の時間分解能が下がる。ま
た、ビット加算器の量子化ビット数が増すことにより、
この増加分に対応して回路が増え消費電力も増す。ただ
し、入力信号に対する時間分解能を一定にすると、直交
検波回路の後続回路の動作速度を低減できる。
【0043】また、クロックの倍数を増すことにより、
時間分解能を高めることができるので、復調器の誤り率
特性を改善できるものの、100倍より大きくした場合
の特性は実際上あまり変わらない。これに対し、分周ク
ロックの倍数の20倍の方は、減らすことにより消費電
力を低減することができる。
【0044】クロックの倍数を100倍としたとき、分
周関係を整数にすることを考慮すると分周の倍数は、
2、4、5、10、20、25、50の7種類である。
これらのうちから分周クロックの実用的な倍数を選択す
れば、例えば、次のケースが考えられる。
【0045】(1)10倍 このケースでは遅延手段は10個となる。このとき、入
力信号の時間分解能は200倍程度に上がるか、または
出力信号の時間分解能が10倍程度に下がる。遅延手段
が増えることにより消費電力は増加するが、動作周波数
が低くなることにより消費電力は減少する。
【0046】(2)20倍(図1のケース) (3)25倍 このケースでは遅延手段は4個となる。このとき、入力
信号の時間分解能は80倍程度に下がるか、または出力
信号の時間分解能が25倍程度に上がる。遅延手段が減
ることにより消費電力は少なくなるが、動作周波数が増
えることにより消費電力は増える。
【0047】なお、クロックの倍数を96倍(≒10
0)としたとき、分周関係を整数にすることを考慮する
と分周の倍数は、2、3、4、6、8、12、16、2
4、32、48の10種類である。これらのうちから分
周クロックの実用的な倍数を選択すれば、例えば、8、
12、16、24等となる。したがって、クロックの倍
数が96、分周クロックの倍数が16という関係も可能
である。もちろん、クロックの倍数として96、100
以外の他の数値を採用することもできる。クロックの倍
数は、素因数分解したときの結果がべき乗の形式である
ときの方が、分周の倍数の種類が多くなる。
【0048】以上の議論からわかるように、クロックの
倍数の関係(遅延手段の数)は固定的なものではなく、
具体的な設計条件のもとで、入力信号の時間分解能(あ
るいは出力信号の時間分解能)及び回路の消費電力の制
約内において、適宜最適な数値を選択できる。
【0049】
【発明の効果】この発明に係るディジタル直交検波回路
は、2値に変換された中間周波信号とキャリア信号の排
他的論理和をとる準同期検波器と、前記準同期検波器の
出力を1シンボル当たりM(M:1以上の整数)個の位
相でそれぞれサンプリングすることによりMビットの並
列信号に変換する変換手段と、前記変換手段の出力から
低周波成分を取り出す低域通過フィルタと、動作タイミ
ング信号を生成して前記変換手段及び前記低域通過フィ
ルタに供給するタイミング生成手段とを備え、前記変換
手段は低い周波数で動作するので、検波回路の性能を維
持しつつ消費電力を削減することができる。
【0050】この発明に係るディジタル直交検波回路
は、前記低域通過フィルタが、その演算結果が予め定め
られた範囲を越えるときに前記積算器の出力を補正する
制御回路を備えるので、積算結果が例えばオーバーフロ
ーしたり、アンダフローしたときでも処理が正常に行わ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1のディジタル直交検波
回路のブロック図である。
【図2】図1の積算器6、制御回路7及び保持回路8の
具体的構成例である。
【図3】図1のクロックCK1乃至CK5の発生回路の
例である。
【図4】図1のクロックCK1乃至CK5のタイミング
チャートである。
【図5】図1のディジタル直交検波回路を用いた復調器
のブロック図である。
【図6】IF信号のスペクトラムの例である。
【図7】ベースバンド信号のスペクトラムの例である。
【図8】図1のディジタル直交検波回路におけるビット
誤り率特性を示すグラフである。
【図9】従来のディジタル直交検波回路のブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 排他的論理和(EXOR)回路 2 サンプル手段 3 ビット加算器 4 遅延手段 5 減算器 6 積算器 7 制御回路 8 保持回路 9 カウンタ 10 デコーダ 11 フリップフロップ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2値に変換された中間周波信号とキャリ
    ア信号の排他的論理和をとる準同期検波器と、前記準同
    期検波器の出力を1シンボル当たりM(M:1以上の整
    数)個の位相でそれぞれサンプリングすることによりM
    ビットの並列信号に変換する変換手段と、前記変換手段
    の出力から低周波成分を取り出す低域通過フィルタと、
    動作タイミング信号を生成して前記変換手段及び前記低
    域通過フィルタに供給するタイミング生成手段とを備え
    るディジタル直交検波回路。
  2. 【請求項2】 前記タイミング生成手段は、1シンボル
    当たり互いに位相が異なるM個のタイミング信号を生成
    し、 前記変換手段は、前記M個のタイミング信号を受けて当
    該タイミングの信号をそれぞれサンプリングするM個の
    サンプラーと、前記M個のサンプラーの出力を受けて加
    算処理を行うビット加算器とを備えることを特徴とする
    請求項1記載のディジタル直交検波回路。
  3. 【請求項3】 前記低域通過フィルタは、前記変換手段
    の出力を受けて所定の周期に対応して信号を遅延させる
    遅延手段と、前記変換手段の出力から前記遅延手段の出
    力を減算する減算器と、前記減算器の出力を積算する積
    算器と、前記積算器の出力を保持する保持回路と、前記
    積算器の演算結果が予め定められた範囲を越えるときに
    前記積算器の出力を補正する制御回路とを備えることを
    特徴とする請求項1記載のディジタル直交検波回路。
  4. 【請求項4】 前記制御回路は、前記積算器の演算結果
    が予め定められた範囲を越えるときに、前記保持回路が
    保持する値から前記減算器の出力を減じることを特徴と
    する請求項3記載のディジタル直交検波回路。
  5. 【請求項5】 前記制御回路は、前記積算器の演算結果
    が予め定められた範囲を越えるときに、前記保持回路に
    前記減算器の出力を保持させることを特徴とする請求項
    3記載のディジタル直交検波回路。
  6. 【請求項6】 シンボル速度をf、ディジタル直交検波
    回路の入力信号を処理するために必要な時間分解能に対
    応する周波数をNf、ディジタル直交検波回路の出力信
    号に要求される時間分解能に対応する周波数をnf(N
    >n)としたとき、前記1シンボル当たりのサンプリン
    グ数MがM=N/nの関係を満足することを特徴とする
    請求項1記載のディジタル直交検波回路。
  7. 【請求項7】 前記N及びnは、前記入力信号の時間分
    解能及び前記出力信号の時間分解能の制約範囲の下で、
    回路の消費電力を減少させるように定められることを特
    徴とする請求項6記載のディジタル直交検波回路。
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