JPH109271A - 転がり軸受 - Google Patents
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- F16C2240/46—Gap sizes or clearances
Abstract
ができる転がり軸受を提供することを課題としている。 【解決手段】複数の玉3は、保持器4によって所定間隔
をあけて保持され、その保持器4の各ポケット5にそれ
ぞれ玉3が転動可能な状態で収納されている。玉3の中
心P1は、軸受の軸方向方L1に設定される。保持器4
のポケット5の中心P2は、それぞれ軸方向L1から偏
心量dだけ偏心させて設定される。上記偏心量dは、ポ
ケット5と玉3との間のポケット隙間Dの50%〜15
0%の値に設定される。
Description
軸受などの転がり軸受に係り、特に、潤滑油やグリース
等の潤滑剤が使用できない真空雰囲気・高温雰囲気・水
中などの特殊環境下で使用される際に有効な保持器を備
えた転がり軸受に関するものである。
1の対向する軌道面1a,2a間に複数の玉3が介挿さ
れて構成され、その複数の玉3は、保持器4の各ポケッ
ト5によって転動自在に保持される(図1参照)。
する部分であって、円周方向に展開した概念図である図
7に示すように、従来においては、玉3の中心P1とポ
ケット5の中心P2とがほぼ一致するように設定され
る。図7中、Sは、玉3の転動方向の中心線を表してい
る。また、ポケット5と玉3との接触は、点又は線によ
る接触が主であり且つ滑り接触である。
いような真空雰囲気等の特殊環境下で使用される転がり
軸受では、玉3と保持器4との滑り接触で生じる当該保
持器4からの摩耗粉による転移潤滑により、転がり軸受
の寿命の向上を図っている。
滑り接触によって生じた保持器4の摩耗粉が、玉3と軌
道面との間の潤滑に使用される。
ポケット5との間には所定のポケット隙間Dがあり、上
述のように玉3と保持器4とは接触するが、上述のよう
な保持器4では、保持器4は自由に運動し玉3からさほ
ど拘束を受けない。
り軸受では、保持器4からの摩耗粉の発生が少なく潤滑
効果が十分でないおそれがあるという問題がある。本発
明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、
保持器からの摩耗粉の発生を効果的に行うことができる
転がり軸受を提供することを課題としている。
に、本発明の転がり軸受は、二つの軌道輪によって形成
される軌道に沿って複数の転動体が配置されると共に、
その複数の転動体がそれぞれ保持器のポケットに収納さ
れて構成される転がり軸受において、上記ポケットを、
それぞれポケット隙間が小さくなる方向に偏心させたこ
とを特徴としている。
るポケットと当該ポケットに収納した転動体とを同軸に
配置した状態における、偏心させる方向でのポケットと
玉との対向する面間の距離である。
中心線に沿って円周方向に転動するが、ポケット隙間が
小さくなる方向にポケットが偏心しているために、転動
体によるポケットの運動の拘束が大きくなり、これによ
って、保持器と転動体との間の滑り摩擦が増加して摩耗
粉が発生し易くなる。
動体が玉の場合には、ポケット隙間の50〜150%に
設定することが好ましい。偏心量の下限値を50%に設
定したのは、偏心量が50%を越えるあたりから潤滑と
して有効な量の摩耗粉の転移が行われることを確認した
ためである。また、偏心量の上限値を150%に設定し
たのは、150%当たりから偏心による潤滑効果が飽和
すると共に、軸受の摩擦トルクが偏心させない場合に比
べて2倍以上となり軸受本来の作動に悪影響が発生する
おそれがあるためである(後述の表1を参照)。
に実施しても良いし、一部のポケットだけに実施しても
よい。また、偏心方向は、軸受の軸方向、径方向、円周
方向、及びこれらの組合せが考えられる。
で、その拘束されている状態でポケットが転動体に対し
て偏心している必要がある。
を参照しつつ説明する。第1の実施の形態では、転がり
軸受として深溝玉軸受を例に説明するが、本発明が採用
される転がり軸受は、スラスト玉軸受や後述の円筒ころ
軸受など他の転がり軸受であってもよい。
すように、従来の軸受と同様であり、軌道輪である外輪
1と内輪2とが同軸に配置され、外輪1内径面に形成さ
れた軌道溝1aと内輪2外径面に形成された軌道溝2a
との間に、転動体である複数の玉3が介挿されている。
方向に沿って所定間隔をあけて保持され、その保持器4
の各ポケット5にそれぞれ玉3が転動自在な状態で収納
されている。
aで形成される空間に配置される。つまり、玉3の中心
P1は、軌道溝1a,2aの溝幅方向のほぼ中央S(玉
3の転動方向の中心線)に設定されて、各玉3は、軌道
溝1a,2aに沿って円周方向に転動する。
5の中心P2は、円周方向に展開した概略図である図2
に示すように、軌道溝1a,2aの溝幅方向中央Sから
溝幅方向つまり軸受の軸方向L1に偏心量dだけ偏心さ
せて設定されている。
のポケット隙間D(図2の右側の図を参照)の50%〜
150%の値に設定される。ここで、図2では、隣合う
ポケット5の中心P2を交互に反対方向に偏心させた例
を示しているが、必ずしも交互に反対方向へ偏心させる
必要もない。なお、一部のポケット5だけが偏心するよ
うに設定してもよいが、玉3に拘束された状態では、ほ
ぼ全部のポケット5が結果的に偏心した状態となる。
させると、偏心させたポケット5では、玉3による保持
器4の運動の拘束が大きくなりポケット5と玉3との接
触面積や接触圧などが増加するため、玉3とポケット5
との滑り接触の際に発生する保持器4の摩耗粉が増加す
る。
摩耗粉が増加し、つまり、十分な量の摩耗粉が供給され
て玉3と転動溝との間の潤滑が十分に行われる。従っ
て、真空雰囲気等の潤滑剤を使用できない環境下で使用
される軸受であっても、特に回転初期の潤滑に極めて有
効であり、従来に比べて軸受の寿命が向上する。
フッ素系樹脂(PTFE、ETFE、固体潤滑剤が混合
された複合材料など)、固体潤滑材料(MoS2 ,WS
2 などに、Cu,SUSなどの金属バインダーやフェノ
ール樹脂などの有機バインダー等を混合した複合材料な
ど)、プラスチック保持器材料(PPS,ポリアミドな
どに固体潤滑材料のMoS2 などを添加した複合材料)
を使用すればよい。
る必要はなく、楕円形状や角形などの形状であってもよ
い。また、保持器4のタイプは、もみ抜き保持器や波形
保持器に限定されず、わん形保持器、冠形保持器など、
他のタイプの保持器であってもよい。要は、そのポケッ
ト5の中心P2が偏心することで、玉3によるポケット
5の拘束が所定量だけ大きくなれば良い。
4の各表面に皮膜を被着させても良いし、被着させなく
ても良い。その皮膜は、Ag、MoS2 などの固体潤滑
膜、PTFEコーティング膜などを使用する。皮膜を被
着した場合には、その皮膜によって玉3と軌道溝1a,
2aとの間の摩擦が低減し、上記保持器4の摩耗粉によ
る潤滑効果と併せて、潤滑剤を充填できない雰囲気中で
あっても、さらに転がり軸受の寿命が向上する。
向L1にポケット5を偏心させた例で説明しているが、
これに限定されるものではない。偏心方向は、玉3が保
持器4の動きを拘束する方向へ設定すればよく、上記軸
方向L1に限定されず、図3に示すように、軸受の径方
向L2の内径側に全ポケット5の中心P2を偏心させて
もよい。このようにポケット5を軸受の径方向L2に偏
心させた方が、玉3から保持器4に軸方向L1に向かう
偏心した力を受けることが回避されるので、冠形保持器
などの場合により有効である。また、玉3の転動方向に
おいても効果が期待できる。
内径側に偏心させた例を図示しているが、外径側に偏心
させても良いし、一部のポケット5を内径側に偏心さ
せ、一部のポケット5を外径側に偏心させてもよい。
一量とする必要もなく、偏心方向も全てを軸受軸方向L
1や径方向2に設定する必要もない。さらに、偏心方向
は、軸受の軸方向L1、径方向L2、又は周方向に単独
で偏心させるばかりでなく、例えば径方向L2且つ軸方
向L1に偏心させるなどしてもよい。
つ説明する。なお、上記実施の形態と同様な部材には同
一の符号を付して説明する。第2実施の形態は、円筒こ
ろ軸受に本発明を適用した例であって、円周方向の展開
図である図4に示すように、各ポケット5の中心P2
を、それぞれ軸受の軸方向L1(ころの軸方向)に交互
に偏心させたものである。
せると、第1の実施の形態と同様に、偏心させたポケッ
ト5では、軸方向L1での円筒ころ10による保持器4
の運動の拘束が大きくなりポケット5ところ10との接
触面積や接触圧などが増加するため、ころ10とポケッ
ト5との滑り接触の際に発生する保持器4の摩耗粉が増
加する。
する摩耗粉が増加し、つまり、十分な量の摩耗粉が供給
されてころ10と転動溝との間の潤滑が十分に行われ
る。従って、真空雰囲気等の潤滑剤を使用できない環境
下で使用される軸受であっても、特に回転初期の潤滑に
極めて有効であり、従来に比べて軸受の寿命が向上す
る。
ケット5の中心を偏心させた例で説明しているが、上述
の図4と同様に、軸受の径方向L2に偏心させてもよ
い。また、図5に示すように、軸受の円周方向L3に偏
心させて、各ポケット5中心間の距離A,Bをそれぞれ
違えるように設定してもよい。軸受の作動の際に円周方
向全周に均一に負荷が掛かることがなく各ころ10に負
荷される荷重の方向や大きさが周期的に変化するが、各
ポケット5間のスパンが異なることによるころ10の挙
動変化によって、一部のポケット5ではころ10による
拘束が一時的に増え、上述と同様な作用・効果を得る。
に、ポケット5の断面が略円形でないときには、ポケッ
ト5の中心を偏心させることなく、所定中心軸周りに所
定角度だけ傾けてポケット5を配することで、ポケット
隙間が小さくなるように偏心させもよい。
を中心軸P2周りに所定角度傾けて配置させたり、軸受
軸方向L1と平行な軸から各ポケット5の軸を軸受径方
向L2に傾けて配置したりして、ポケット隙間の一部が
小さくなるように偏心させてもよい。このように偏心さ
せても、転動体によるポケット5の拘束が従来よりも大
きくなって、上述のような作用・効果を有する。
ついて、第1の実施の形態の軸受を基に説明する。
ケット隙間Dが0.2mmである軸受を使用して、上記偏
心量dと、その際の軸受の摩擦トルクが安定するまでの
時間及び摩擦トルクの割合について求めて見たところ、
下記表1に示すような実験結果が得られた。
1000rpm 、雰囲気を真空中(10-6torr)で且
つ室温に設定して行った。また、偏心方向を軸受軸方向
L1として、全ポケット5を交互に反対方向へ同量だけ
偏心させた。
したものである。
は、偏心量dがゼロの従来の保持器を使用した場合を基
準とした割合値で表している。そして、上記摩擦トルク
が安定するまでの時間は短い方がよく、この時間は保持
器4からの摩耗粉の転移が容易に行われるかどうかの目
安となるが、上記表1から分かるように、偏心量dが
0.10mm(50%)以上となった時点から、上記時間
が短くなっており、偏心による効果が有効に生じている
ことが分かる。
を越えた時点から、上記軸受の摩擦トルクが安定するま
での時間は飽和しており、偏心による効果の向上が望め
ず、さらに、摩擦トルクの割合が2以上となっているこ
とが分かる。つまり、偏心による効果が増加せずに摩擦
トルクだけが増えて軸受として好ましくないことが分か
る。
〜150%の範囲に設定するが好ましく、特に100%
前後が良い。
り軸受では、真空雰囲気等の潤滑剤が使用できない特殊
環境下であっても、摩耗粉による潤滑が回転初期から従
来よりも十分に行われて転がり軸受の寿命が向上すると
いう効果がある。
込んだ転がり軸受を示す図である。
の関係を示す円周方向に展開した概念図である。
示す概念図である。
ころとの関係を示す円周方向に展開した概念図である。
示す概念図である。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 二つの軌道輪によって形成される軌道に
沿って複数の転動体が配置されると共に、その複数の転
動体がそれぞれ保持器のポケットに収納されて構成され
る転がり軸受において、 上記ポケットを、それぞれポケット隙間が小さくなる方
向に偏心させたことを特徴とする転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16152796A JP3823375B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16152796A JP3823375B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 転がり軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH109271A true JPH109271A (ja) | 1998-01-13 |
JP3823375B2 JP3823375B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=15736791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16152796A Expired - Fee Related JP3823375B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3823375B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1231394A3 (en) * | 2001-02-09 | 2004-04-21 | Koyo Seiko Co., Ltd. | Ball bearing cage |
DE102016222451A1 (de) * | 2016-10-06 | 2018-04-12 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Rollenlager und Getriebevorrichtung mit einem Rollenlager |
-
1996
- 1996-06-21 JP JP16152796A patent/JP3823375B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1231394A3 (en) * | 2001-02-09 | 2004-04-21 | Koyo Seiko Co., Ltd. | Ball bearing cage |
US7033081B2 (en) | 2001-02-09 | 2006-04-25 | Koyo Seiko Co., Ltd. | Ball bearing |
DE102016222451A1 (de) * | 2016-10-06 | 2018-04-12 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Rollenlager und Getriebevorrichtung mit einem Rollenlager |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3823375B2 (ja) | 2006-09-20 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041025 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041207 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060328 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060512 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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