JPH1092626A - 酸化物超電導電流リード及びその冷却巻線構造 - Google Patents

酸化物超電導電流リード及びその冷却巻線構造

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JPH1092626A
JPH1092626A JP8245912A JP24591296A JPH1092626A JP H1092626 A JPH1092626 A JP H1092626A JP 8245912 A JP8245912 A JP 8245912A JP 24591296 A JP24591296 A JP 24591296A JP H1092626 A JPH1092626 A JP H1092626A
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JP
Japan
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silver electrode
base material
spiral
oxide superconductor
winding base
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JP8245912A
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Hiroe Yamamoto
広衛 山本
Teigo Okada
定五 岡田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械的強度の強い、長寿命で信頼性の高い酸化
物超電導電流リードを提供することを目的とする。 【解決手段】液体窒素容器を上部に設置した低温容器内
で液体ヘリウムに浸漬された超電導コイルに接続する酸
化物超電導電流リードと、この酸化物超電導電流リード
の上部に接続する液体窒素容器を貫通して上方に延びる
銅製電流リードと、からなる酸化物超電導電流リードの
冷却巻線構造であって、酸化物超電導体を、非磁性巻線
母材に螺旋凸部を設けて通流溝を有したダブテール状の
螺旋凹部を形成して酸化物超電導体を巻回し、その外周
部の上部側銀電極と下部側銀電極の間にガス案内筒を設
けるとともに、下部側銀電極の電極周面から、あるいは
ガス案内筒から冷ガスを吸入し、非磁性巻線母材の内部
と酸化物超電導体表面とを並列に通流させ、上部側銀電
極から一体に排気するようにした巻線構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極低温下に収納さ
れる超電導コイルと常温下に置かれる外部電源との電力
供給を結ぶ電流リードに係わり、特に酸化物超電導体を
用いた電流リードの冷却法と巻線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導磁石となる超電導コイルは、一般
に冷却媒体(液体ヘリウム)中で冷却される。このため
に超電導コイルを収納する低温容器は、周囲から液体窒
素で冷却され、さらに真空層を有する壁によって断熱さ
れる真空容器に収納されている。電流リードは、この低
温容器内で極低温に冷却された超電導コイルに、常温下
に設置された外部電源から電流を供給するもので、極低
温下にある超電導コイルへの熱侵入が極力少なくなるも
のが望まれている。そこで極低温下で電気抵抗が小さ
く、熱伝導率の小さい酸化物超電導体を用いた電流リー
ドの開発が進められている。
【0003】図9は、酸化物超電導電流リードを用いた
超電導磁石装置の一般的な構造を簡略化して示した縦断
面図である。図9において、真空断熱容器1は、二重の
容器で構成されており、外側に真空容器2が、その内側
に低温容器3が配置され、そして真空容器2,低温容器
3を構成するそれぞれの壁内には真空断熱層4a,4b
が形成されている。真空容器2と低温容器3は、真空容
器2上端から外側に張り出したフランジからなる容器カ
バー5上に、低温容器3上端から外側に張り出したフラ
ンジからなる低温容器カバー6が配置され、固定ボルト
7で固定されている。低温容器3と真空容器2間に形成
された空間部8に液体窒素9aを貯蔵し、液体窒素9a
と真空断熱層4a,4bで真空容器2外部からの輻射熱
を遮断し、低温容器3への熱侵入を最小限に抑制できる
ようにしている。低温容器3の上部には、液体窒素9b
を入れた液体窒素容器10が挿入して設置され、これが
低温容器3を蓋している。
【0004】超電導コイル11は、低温容器3内に貯留
された液体ヘリウム12中に浸漬した状態で収納され、
液体ヘリウム温度に冷却されている。そして、超電導コ
イル11の端子には、接続リード線13を介して、上方
向に延びる酸化物超電導電流リード14と、それに続く
銅製電流リード15とからなる電流リード16が接続さ
れ、銅製電流リード15の上端が真空容器2の外部に取
り出される。酸化物超電導電流リード14は低温容器3
内に配置され、酸化物超電導電流リード14に接続する
銅製電流リード15は、低温容器3から冷却容器として
の液体窒素容器10を通り、外部まで延びている。そし
て銅製電流リード15には図示しない外部電源からのケ
ーブルが接続され、電流リード16を介して超電導コイ
ル11に大電流を供給し、励磁することによって超電導
磁石装置としての機能を発揮する。
【0005】以上説明したように、従来の電流リード1
6では、酸化物超電導電流リード14は、超電導コイル
11を冷却している液体ヘリウム12とその蒸発ガスで
冷却し、また銅製電流リード15は液体窒素容器10中
の液体窒素9bによって冷却することにより、外部電源
からの励磁電流によるジュール熱を除去し、常温外部か
らの熱侵入を阻止して、液体ヘリウム12側への熱伝導
を大幅に低減できるようになっている。
【0006】また、酸化物超電導電流リードとして、酸
化物超電導体を空間部を得て外筒の内部に収納し、酸化
物超電導体周表面をHeガスで冷却する低温側リードと
したものが特開平7−272921 号公報に記載されている。
また、酸化物超電導リードの端部にフレキシブル性導体
を接続し、常電導体リードと酸化物超電導リードを外筒
に装着し、酸化物超電導体全体の熱収縮性に起因する歪
み保護対策としたものが特開平7−283023 号公報に記載
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来技術
においては、酸化物超電導体を外筒の内部に収納し、酸
化物超電導体の固定端部にHeガス入り口を設け、He
ガスを直接酸化物超電導体表面に通流させることによ
り、酸化物超電導体を急速に冷却させ小型化を図ってい
た。また、酸化物超電導体の一端側あるいは両端に直列
にフレキシブル導体リードを接合し、フレキシブル導体
と酸化物超電導体とを一体に外筒に収納装着することに
より、冷却時に生じる熱収縮応力を吸収できる。
【0008】しかしながら、超電導コイル11が大型化
し、大電流が通電されるようになると、その電磁振動が
周辺外枠や真空断熱容器1に伝達され、機械的振動とな
って発生し、それが酸化物超電導電流リード14に伝達
され、酸化物超電導体を固定する電極との接続部、ある
いは酸化物超電導体を巻回する巻線母材と酸化物超電導
体の隙間上の酸化物超電導体が機械的疲労を起こし破損
する問題、また、小型であっても磁気浮上列車のような
走行車体に搭載した場合には、走行中の縦横偏心が酸化
物超電導電流リード14を支持している真空断熱容器
1、または外枠自体に機械的振動となって伝達され、そ
れが酸化物超電導体に伝達して破損する問題があった。
【0009】また、上記のような電磁振動や縦横振れ偏
心による機械的振動の他に、酸化物超電導体の成形焼結
時に発生する銀電極と巻線母材との熱収縮膨張による隙
間発生、あるいは酸化物超電導電流リードとして使用す
るときの冷却により酸化物超電導体自体が変形し、酸化
物超電導体が巻線母材から離れて浮き立ち、それが組立
作業時や移動する場合等触れやすく、また周辺から物が
飛散したり、落下物が触れやすく、一寸とした応力でも
破損しやすく、特性の低下はもとより、信頼性の低い、
そして機械的強度の弱い酸化物超電導電流リードとなっ
てしまうことから、冷却による熱収縮変形による浮き立
ち防止と並行して、酸化物超電導体固定電極に無理な機
械的応力がかかっても、直接酸化物超電導体に機械的応
力のかからない酸化物超電導電流リードの冷却巻線構造
が望まれている。
【0010】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、酸化物超電導電流リ
ードを構成する銀電極から酸化物超電導体にかかる曲げ
応力防止と、巻線母材からの酸化物超電導体の浮き立ち
変形を阻止でき、そして巻線母材と酸化物超電導体を均
等に冷却できる巻線構造を構成し、電極から酸化物超電
導体への曲げ応力伝達防止と、巻線母材と酸化物超電導
体を並列に冷却して酸化物超電導体の異常変形を防止
し、機械的強度の強い、信頼性の高い酸化物超電導電流
リードの冷却巻線構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、液体窒素を貯留した窒素容器を上部に設
置された低温容器内で液体ヘリウム中に浸漬された超電
導コイルに接続する酸化物超電導体と、この酸化物超電
導体の上部銀電極と接合し、窒素容器を貫通して上方に
延びる銅製リードとからなる酸化物超電導電流リードの
酸化物超電導体の冷却巻線構造である。以下、本発明の
各冷却巻線構造を説明する。
【0012】上記目的を達成するために、本発明の第1
の酸化物超電導電流リードの冷却巻線構造は、酸化物超
電導体を巻回する非磁性巻線母材に細溝を有した螺旋凸
部を形成して螺旋凹部を設けるとともに、螺旋凹部に底
溝を設け、その非磁性巻線母材の一方端に、大段差部と
複数の小段差部を設け、小段差部に段差連通溝を有し、
径中心部に中空孔を設けた上部側銀電極を固定し、他方
端に大段差部と中段差部を設け、さらに電極周面に中段
差部に至る傾斜孔と、中段差部に通流溝を設けた下部側
銀電極を接合し、螺旋凹部に酸化物超電導体を巻回し、
端部を上部側銀電極と下部側銀電極に固定した、その上
部側銀電極の大段差部と下部側銀電極の大段差部に、螺
旋凸部に密着したガス案内筒を設けたことを特徴とす
る。そして上部側銀電極と下部側銀電極の大段差部で固
定するガス案内筒は、ステンレス鋼材あるいは銅合金
材、またはアルミ合金材が適し、二分割して製作し、非
磁性巻線母材に酸化物超電導体を巻回し、超電導リード
として焼結成形した後に、非磁性巻線母材の螺旋凸部に
密着して溶着接合するようにするとよい。二分割に対し
ても非磁性巻線母材の螺旋凸部に合った螺旋分割にし、
螺旋凸部上で接合するのがよい。
【0013】上記第1の酸化物超電導電流リードの冷却
巻線構造において、Heガスの通流経路は、超電導コイ
ル側に接続される下部側銀電極の電極円周部の傾斜孔か
らHeガスを吸入し、中段差部の通流溝部で酸化物超電
導体表面および螺旋凸部の細溝へと、酸化物超電導体下
部の螺旋凹部の底溝への並列通流径路を形成させ、上部
側銀電極の段差連通溝と径方向通流孔を介して中空孔か
ら排出するようにしている。
【0014】以上のように構成した、例えば、酸化物超
電導体を螺旋凸部を設けて螺旋凹部を形成せずに螺旋巻
回すると、熱収縮応力により酸化物超電導体が非磁性巻
線母材から離れ、円周方向に分割されている酸化物超電
導体が各々変形して弛むとともに、その引っ張り応力で
酸化物超電導体の端子部(酸化物超電導体を固定する銀
電極と非磁性巻線母材との接合部)が一方向に変形す
る。その後、超電導コイルを収納している低温容器に液
体ヘリウムを貯蔵することにより、その貯蔵と蒸発によ
る熱収縮応力は、酸化物超電導体と銀電極、あるいは銀
電極と非磁性巻線母材の接合部分に集中し、昇温冷却の
繰り返し時の熱応力で破損する。
【0015】また、冷却され熱応力で変形した酸化物超
電導体はもとにもどらず、変形したままの状態となるの
で、例えば、非磁性巻線母材から隙間を得て酸化物超電
導体が膨らみを持った場合には、そのままの変形した状
態となることから、外部電源からの銅製リードや熱電導
コイル側接続リード線との接続作業時に無理な曲げ応力
がかかりやすく破損しやすい。さらには、超電導コイル
自体が周波数変動給電を受ける超電導磁石装置であった
り、あるいは走行車体に搭載し常に機械的振動の受ける
超電導装置の場合には、その振動周波数による変振や機
械的伝達振動が酸化物超電導体はもとより、酸化物超電
導体を集積固定している銀電極の固定部、あるいは銀電
極と非磁性巻線母材の接合部に多大な機械応力がかか
り、機械的疲労を起こして破損する。勿論、その他に超
電導コイルを移動する際に伴う運搬作業や交換作業時の
接触による破損や持ち運びの際の変振問題もある。
【0016】酸化物超電導体を巻回する非磁性巻線母材
に、細溝を有した螺旋凸部を設け、螺旋凸部と螺旋凸部
で底溝を備えた螺旋凹部を形成し、その螺旋凹部に酸化
物超電導体を巻回し、端部を複数の段差部と溝を有し中
空孔を設けた銀電極と、大段差部と中段差部を有し、外
部からHeガスを吸入する傾斜孔と、それを通流させる
通流孔を設けた銀電極に固定し、その上部側銀電極と下
部側銀電極の大段差部にガス案内筒を設け、Heガスを
酸化物超電導体面と非磁性巻線母材の双方に並列に通流
させるとともに、螺旋凸部の細溝部分に周方向の広がり
を持たせることにより、螺旋凹部から酸化物超電導体が
浮き立ち、変形することを防止できる他、上下部銀電極
にかかる曲げ応力や人的な接触破損することが解決され
る。
【0017】また、本発明の第2の酸化物超電導電流リ
ードの冷却巻線構造は、非磁性巻線母材の周部に、部分
的に切り欠き部を設け螺旋溝を備えた複数の螺旋凸部を
形成し、その螺旋凸部の上部と下部端に径方向通流孔を
設けた端部の双方に、中空孔を設けた銀電極を固定し、
螺旋凸部と螺旋凸部で形成した螺旋凹部に酸化物超電導
体を巻回した上部にガス案内筒を配置して構成し、冷ガ
スを下部側銀電極中央部の中空孔から吸入し、非磁性巻
線母材端部で酸化物超電導体表面と、非磁性巻線母材内
の大中空部に並列に通流させ、上部側銀電極中空孔で集
合排気することを特徴とする。
【0018】上記第2の冷却巻線構造においては、下部
側銀電極の接合端子下面中央部に設けた中空孔からHe
ガスを吸入し、吸入したHeガスは非磁性巻線母材の大
中空部に通流し、非磁性巻線母材の内部を冷却して上部
側銀電極中空孔に排気されるものと、非磁性巻線母材下
部側端部の螺旋凸部の径方向通流孔から螺旋溝に入り切
り欠き部から酸化物超電導体を冷却し、上部の径方向通
流孔から上部側銀電極中空孔に通流して排気させる並列
経路を形成し、非磁性巻線母材を冷却しつつ酸化物超電
導体を緩やかに冷却させ、酸化物超電導体の急速冷却を
なくし、酸化物超電導体と非磁性巻線母材とを一体に冷
却し、酸化物超電導体単体の浮き立ち変形と、偏り変形
をなくすことが出来る。
【0019】また、本発明の第3の酸化物超電導電流リ
ードの冷却巻線構造は、上部側銀電極の大段差部と下部
側銀電極の大段差部に設けたガス案内筒にHeガス吸入
口を設け、下部側銀電極の中段差部に非磁性巻線母材と
なる円筒母材の細い中空部に到達する複数の傾斜吸入口
を、そして上部側銀電極に複数の径方向排気口と排気中
空孔とを設け、酸化物超電導体の冷却ガス経路を、ガス
案内筒から吸入して酸化物超電導体表面と非磁性巻線母
材となる円筒母材の細い中空部に並列に通流させ、上部
側銀電極の径方向排気口からのHeガスと円筒母材の細
い中空部からのHeガスとを一体にして、上部側銀電極
の排気中空孔から排気するガス排気経路としたことを特
徴とする。
【0020】上記第3の冷却巻線構造は、非磁性巻線母
材となる円筒母材に多少肉厚の非磁性円筒材を採用し、
その外周に浅い螺旋凹部を形成して酸化物超電導体を巻
回し、酸化物超電導体の浮き立ち、即ち、円筒母材から
離れて大きく変形することをガス案内筒で防止させるこ
とから、円筒母材の機械加工作業の工数低減を図れる
他、製作容易にして小型化に適した酸化物超電導電流リ
ードを得られる。
【0021】非磁性巻線母材に先が周方向に突き出た螺
旋凸部を設けてダブテール状の螺旋凹部を形成し、螺旋
凹部に酸化物超電導体を巻回すると、酸化物超電導体の
不変的な浮き立ち、即ち、異常な導体変形が防止され
る。したがって、酸化物超電導体が非磁性巻線母材から
離れ、垂れ下がるような膨らみがなくなり、機械的振動
や電磁振動の伝達加振増幅による振動疲労破損が解消さ
れる。
【0022】また、酸化物超電導体を配設したその外周
部に、非磁性巻線母材の螺旋凸部に密着したガス案内筒
を設けて並列通流経路を形成することにより、酸化物超
電導体と非磁性巻線母材を均等に冷却できることから、
酸化物超電導体の早期冷却による変形をさらに防止でき
る。また、ガス案内筒は一方端の銀電極から他方端の銀
電極に沿って配設されるので、高温側からの銅製電流リ
ードや超電導コイルからの接続リード線の接続作業に際
して、銀電極から酸化物超電導体固定部への無理な機械
的曲げ応力の印加がなくなること、外部からの飛散物が
直接酸化物超電導体に当たったり、人的接触により破損
することが解消される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づ
いて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例の酸
化物超電導電流リードの部分破断斜視図で、図2は、図
1に示す酸化物超電導電流リードの酸化物超電導体巻回
前の非磁性巻線母材全体の斜視図を示す。図3は非磁性
巻線母材に巻回された酸化物超電導体を固定し、外部か
らの銅製電流リードと接続する接続端子となる上部側銀
電極の断面図で、図4は、酸化物超電導体を巻回する部
分の非磁性巻線母材部の断面図を示す。図5は、非磁性
巻線母材に巻回された酸化物超電導体を固定し、超電導
コイルからの接続リード線と接続する接続端子の下部側
銀電極の断面図を示す。
【0024】第1実施例の酸化物超電導電流リードの冷
却巻線構造は、図1から図5に示すように、中空部17
を有した円筒芯材の外周に、細溝18を有した複数の螺
旋凸部19を設け、螺旋凸部19と螺旋凸部19で底溝
20を有した複数の螺旋凹部21を形成した非磁性巻線
母材22と、非磁性巻線母材22の螺旋凹部21に、螺
旋状に巻回される酸化物超電導体23と、酸化物超電導
体23の一方端を固定し外部電源側からの銅製電流リー
ド15を接続する接続端子となる上部側銀電極24と、
他方端の酸化物超電導体23を固定し超電導コイル11
からの接続リード線13を接続する接続端子となる下部
側銀電極25と、非磁性巻線母材22と上部側銀電極2
4間の変形および非磁性巻線母材22と下部側銀電極2
5間の変形保護と、冷却ガスを非磁性巻線母材22の中
空部17へ流す経路と、酸化物超電導体23面に流す経
路の並列経路を形成させるためのガス案内筒26とから
構成されている。
【0025】酸化物超電導体23を巻回する底溝20を
有した螺旋凹部21は、底溝20を含みアロンセラミッ
クス、あるいは酸化被膜絶縁層27を設けて絶縁されて
いる。また、巻回された酸化物超電導体23の終端部を
固定し、銅製電流リード15および超電導コイル11か
らの接続リード線13を接続する接続端子となる上部側
銀電極24,下部側銀電極25と、非磁性巻線母材22
との接続は、本実施例においては、上部側銀電極24と
下部側銀電極25の双方に雌ネジ部28a,28bを設
け、非磁性巻線母材22の両端部に雄ネジ部29を設
け、インジウム板を介在してねじ込接合をしている。
【0026】また、非磁性巻線母材22の螺旋凹部21
に巻回された酸化物超電導体23は、非常に薄い数百μ
の超電導テープ線を下層から順番に階段的に断差を持っ
て積層巻回され、その一方端は、大段差部30aと複数
の小段差部31nを設け、小段差部31nに径方向通流
孔40aと段差連通溝32を配設し、径中央部に中空孔
33aを設けた上部側銀電極24に接着固定され、他方
端は、大段差部30bと中段差部34を設け、中段差部
34に通流溝35を、そして電極周面36に中段差部3
4に至る傾斜孔37とを設けた下部側銀電極25に接着
固定され、終端部外周には銀テープ38を巻き、非磁性
巻線母材22の螺旋凸部19に設けた細溝18を多少広
げてダブテール状にしたあと、焼結して固定される。こ
の焼結固定された酸化物超電導体23の外周部に、即
ち、上部側銀電極24の大段差部30aと下部側銀電極
25の大段差部30bに、非磁性巻線母材22の螺旋凸
部19に密着してガス案内筒26が装着されている。
【0027】また、ガス案内筒26は、この場合二分割
して製作し、上部側銀電極24と下部側銀電極25、あ
るいは酸化物超電導体23との短絡を防止されることか
ら、全周を酸化物被膜の絶縁層39で絶縁し、接合部の
絶縁層39を剥離して溶着接合し装着している。
【0028】また、上記非磁性巻線母材22の螺旋凹部
21の底溝20と、上部側銀電極24の複数の小段差部
31nに設けた段差連通溝32と、下部側銀電極25の
中段差部34の通流溝35は連通するように、非磁性巻
線母材22と上部側銀電極24,下部側銀電極25で調
節接合されている。
【0029】以上のように構成された、第1実施例の酸
化物超電導電流リードの冷却巻線構造は、酸化物超電導
体23を巻回する螺旋凹部21内に底溝20を設け、そ
して上部側銀電極24には冷ガスを排気する中空孔33
aに通じる段差連通溝32と径方向通流孔40aを、下
部側銀電極25には、冷ガスを電極周面36から吸入す
る傾斜孔37と通流溝35を設け、螺旋凹部21に酸化
物超電導体23を巻回し、上部側銀電極24と下部側銀
電極25に銀テープ38で固定した外周部にガス案内筒
26を配設するので、電極周面36の傾斜孔37から吸
入された冷ガスは、下部側銀電極25の中段差部34の
通流溝35部で、螺旋凹部21の酸化物超電導体23下
の底溝20に通流されるものと、銀テープ38上から酸
化物超電導体23表面に通流されるものに分岐される。
そして、酸化物超電導体23の表面に通流された冷ガス
は、上部側銀電極24の径方向通流孔40aから中空孔
33aに導かれ、底溝20の通流冷ガスと一体となり中
空孔33aから排気される。
【0030】また、冷ガスを底溝20と酸化物超電導体
23の表面に並列に通流させるためのガス案内筒26
は、非磁性巻線母材22の螺旋凸部19に密着させ、上
部側銀電極24と下部側銀電極25の大段差部30a,
30bに配設固定されるので、上部側銀電極24への銅
製電流リード15や下部側銀電極25への超電導コイル
11からの接続リード13の接続作業時の無理な曲げ応
力はガス案内筒26で受け止められ、酸化物超電導体2
3に伝達されることはない。さらに、酸化物超電導体2
3はガス案内筒26で包囲されるので、作業時や運搬時
に物が周辺から飛散し、酸化物超電導体23を構成して
いるテープ線材を破損させること、そして超電導コイル
11側からの電磁振動伝達や作業時にかかる繰り返し曲
げ応力の酸化物超電導体23への伝達は、ガス案内筒2
6で受け止められる。
【0031】上記したように、芯材となる非磁性巻線母
材22に細溝18を有したダブテール状の複数の螺旋凸
部19を設け、螺旋凸部19と螺旋凸部19で底溝20
を有してダブテール状の螺旋凹部21を形成して酸化物
超電導体23を螺旋巻回し、その酸化物超電導体23の
一方を、底溝20と連通した段差連通溝32と径方向通
流孔40a、それに中空孔33aを備えた上部側銀電極
24に固定し、他方端を、底溝20と連通した通流溝3
5と傾斜孔37を備えた下部側銀電極25に固定し、そ
の外周部に、即ち、上部側銀電極24の大段差部30a
と下部側銀電極25の大段差部30bの間に、螺旋凸部
19に密着してガス案内筒26を配設した、冷ガス通流
巻線構造とすることにより、巻芯となる非磁性巻線母材
22と酸化物超電導体23は平均的に冷却され、また螺
旋凸部19がガイドとなって酸化物超電導体23の不変
的な浮き立ち変形は解消され、そして組立作業時の一方
的な無理な曲げ応力や周辺外部から伝達される外部機械
的振動または給電周波数変動による電磁振動がかかって
も、積層巻回された酸化物超電導体23あるいは酸化物
超電導体23の銀テープ38固定部に集中して伝達され
ることは解消されるので、破損のしにくい、電磁的機械
的振動に強く、安心して作業ができるので作業性がよ
く、信頼性と長寿命化の図れる酸化物超電導電流リード
の冷却巻線構造を形成できる。
【0032】次に、本発明の第2の実施例を図6を用い
て詳細に説明する。第2の実施例は、図1から図5に示
す第1実施例の酸化物超電導電流リードの冷却巻線構造
を、酸化物超電導体23を巻回する螺旋凹部21に底溝
20を設けた非磁性巻線母材22に、底溝20と連通す
る段差連通溝32と、径方向通流孔40aと、それに中
空孔33aを有した上部側銀電極24と、冷ガスを吸入
する傾斜孔37と通流溝35を有した下部側銀電極25
とを接合し、酸化物超電導体23の外周にガス案内筒2
6を配置し、下部側銀電極25から吸入した冷ガスを、
酸化物超電導体23の表面と、酸化物超電導体23の下
面部を通流させ、上部側銀電極24の中空孔33aから
排気していたものを、上部側銀電極24と下部側銀電極
25の双方に中空孔33a,33bを設け、そして非磁
性巻線母材22の螺旋凸部9の下端部と上端部に径方向
通流孔40bを設け、下部側銀電極25の中空孔33b
から吸入した冷ガスを、非磁性巻線母材22の大中空部
41と、径方向通流孔40bを通って酸化物超電導体23
の表面とに並列に通流させ、非磁性巻線母材22の上端
部の径方向通流孔40bで、酸化物超電導体23側から
の冷ガスと、大中空部41からの冷ガスが一体になり、
上部側銀電極24の中空孔33aから排気するように構
成したものである。
【0033】図6,図7において、酸化物超電導体23
の巻芯となる非磁性巻線母材22に前記中空部17より
やや大きい大中空部41を設け、そして酸化物超電導体
23を巻回する螺旋凹部21を形成する螺旋凸部19
に、非磁性巻線母材22の一方端から他端に連通して冷
ガスを流す、部分的に切り欠き部42を有した螺旋溝4
3を設け、螺旋溝43を備えた螺旋凸部19の上部と下
部端の双方に径方向通流孔40bを設け、その一方端
に、中空孔33aと大段差部33a、それに複数の小段
差部31nを有した上部側銀電極24を、他方端に、中
段差部34と大段差部30b、それに中空孔33bを有
した下部側銀電極25を接合している。そして、非磁性
巻線母材22,上部側銀電極24の接続端子面44aと
下部側銀電極25の接続端子面44bが同一面方向にな
るように接合した後に酸化物超電導体23を巻回し、両
端部を銀テープ38で上部側銀電極24と下部側銀電極
25に固定され、その外周にガス案内筒26が設けら
れ、下部側銀電極25下面45中央部の中空孔33bか
ら吸入した冷ガスは、非磁性巻線母材22内部の大中空
部41へと、径方向通流孔40bと螺旋溝43を介して
切り欠き部42から酸化物超電導体23の表面へ通流さ
れ、酸化物超電導体23を冷却した冷ガスは再び非磁性
巻線母材22の上部の径方向通流孔(図示なし)を介し
て非磁性巻線母材22の内部を冷却した大中空部41か
らの冷ガスと一体となり、上部側銀電極24の中空孔3
3aから排気されるように構成されている。
【0034】また、第1実施例においては、分割して製
作されたガス案内筒26を螺旋凸部19の周部で溶着接
合していたが、これは冷ガス通流に螺旋凸部19の細溝
18を積極的に利用しなかったので螺旋凸部19上で接
合していたが、本実施例においては、螺旋凸部19に螺
旋溝43と切り欠き部42を設け、冷ガスを螺旋溝43
から酸化物超電導体23表面に通流させて冷却するの
で、接合を酸化物超電導体23上で行うと螺旋溝43上
での漏れによる心配がなく効果的である。
【0035】以上のように構成された第2実施例の酸化
物超電導体の冷却巻線構造は、下部側銀電極25の下面
45部に中空孔33bを設けて冷ガスを吸入させ、非磁
性巻線母材22の螺旋凸部19に、長さ方向に部分的に
切り欠き部42を有した螺旋溝43と、その螺旋溝43
の上部端と下部端の位置に径方向通流孔40bを設け、
外にガス案内筒26を配置し、非磁性巻線母材22を冷
却させながら酸化物超電導体23側の通流抵抗を高くし
て、酸化物超電導体23を緩やかに冷却する並列通流経
路を形成し、酸化物超電導体23を巻回する螺旋凹部2
1を形成する螺旋凸部19の頂部は、螺旋凹部21側に
突き出た格好の螺旋凸部19とした、酸化物超電導電流
リードの冷却巻線構造としているので、酸化物超電導体
23が急激に冷却されて変形し、非磁性巻線母材22か
ら離れて浮き立つことは防止され、電磁振動や機械的振
動伝達による導体加振なることが解消されること、そし
て螺旋凹部21に巻回された酸化物超電導体23は螺旋
凸部19の頂部で固定保護されることから、例えば酸化
物超電導体23が何らかの影響で変形しても、螺旋凹部
21から外に飛び出すことはなく、外部振動伝達による
導体加振や曲げ応力伝達による破損防止を図りながら、
第1実施例と同等の作用効果を得る。即ち、電磁的機械
的振動に強く、信頼性が高く長寿命化を図ることができ
る。
【0036】図8に本発明の第3実施例となる酸化物超
電導電流リードの冷却巻線構造を示す。
【0037】第1,第2の実施例では、前記非磁性巻線
母材22を含めた酸化物超電導体23の冷ガスの通流
は、下部側銀電極25の電極周面36に傾斜孔37を設
けるか、あるいは電極の下面45中央部に電極を貫通す
る中空孔33bを設けて冷ガスを吸入していたが、第3
実施例においては、非磁性巻線母材22の代わりに細い
中空部を有した円筒母材51を採用し、円筒母材51と
酸化物超電導体23を冷却するHeガス吸入口46をガ
ス案内筒26に設けている。そして、ガス案内筒26の
Heガス吸入口46から吸入した冷ガスは、螺旋凹部2
1に配設された酸化物超電導体23と円筒母材51を並
列に冷却させるために、下部側銀電極25の中段差部3
4に複数の傾斜吸入口47を設け、そして上部側銀電極
24の複数の小段差部31nの上段部48に径方向排気
口49を設け、その上部側銀電極24の中央部に径方向
排気口49と連通する排気中空孔50が設けられてい
る。
【0038】ここで、酸化物超電導体23を巻回する非
磁性巻線母材22の代わりに設けた円筒母材51の中央
部に、下部側銀電極25の傾斜吸入口47と、上部側銀
電極24の径方向排気口49を連通する細い中空部が設
けられて構成されている。ここで、円筒母材51の細い
中空部は部分破断斜視図の関係上図示されていない。以
上のように構成された第3実施例の酸化物超電導電流リ
ードの冷却巻線構造は、冷却ガスを絶縁されたガス案内
筒26から吸入し、下部側銀電極25の傾斜吸入口47
から円筒母材51の細い中空部へ通流されるものと、螺
旋凹部21の酸化物超電導体23の表面に通流されるも
のと並列に通流され、そして円筒母材51を冷却した冷
ガスと、螺旋凹部21の酸化物超電導体23表面を冷却
した冷ガスは径方向排気口49を介して上部側銀電極2
4の排気中空孔50で一体となり排気される。
【0039】また、下部側銀電極25や円筒母材51の
螺旋凸部19に余計な細工をせずに筒略化した構造とし
ても、前記第1,第2実施例と同様に酸化物超電導体2
3と円筒母材51を均等に緩やかに冷却できるので、作
業容易にして前記実施例と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0040】また、円筒母材51には、多少肉厚の非磁
性円筒材を採用し、浅い螺旋凹部21と螺旋凸部19を
形成して酸化物超電導体23を巻回し、冷却ガスの通流
経路を、簡単な穴明け作業的なもので形成できることか
ら、構造簡単にして小型化が図れ、一段と機械的振動の
増幅伝達防止ができる他、信頼性向上と長寿命化を図る
ことができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
本発明の第1と第2の酸化物超電導電流リードの冷却巻
線構造は、非磁性巻線母材の周部に複数の螺旋凸部を設
けてダブテール状の螺旋凹部を形成し、螺旋凹部に酸化
物超電導体を巻回したその外周に、螺旋凸部に密着して
ガス案内筒を配置し、下部側銀電極の電極周面に冷ガス
吸入の傾斜孔を、あるいは下部側銀電極下面の中央部に
中空孔を設けて冷ガスを通流させ、非磁性巻線母材と酸
化物超電導体を緩やかに冷却し、その冷却ガスを上部側
銀電極の中空孔から一体に排気するように構成したの
で、酸化物超電導体の急速冷却を抑制でき、酸化物超電
導体の異常変形は解消され、同時に螺旋凸部で導体飛び
出しが防止されるので、螺旋凹部内からの導体浮き立ち
は解消される。また、その外周に冷却ガス通流案内のガ
ス案内筒を設けることにより、酸化物超電導体への外部
からの飛散物の衝突や作業時の人的接触、それに伝達振
動による導体の加振増幅なることの防止と上部側銀電
極,下部側銀電極からの無理な曲げ応力の印加が防止さ
れるので、機械的強度の強い、信頼性向上と長寿命化に
好適な酸化物超電導電流リードの冷却巻線構造を得るこ
とができる。
【0042】また、本発明の第3実施例の酸化物超電導
電流リードの冷却巻線構造は、細い中空部を有した円筒
母材の外周に浅い螺旋凹部を形成して酸化物超電導体を
巻回し、その外周にHeガス吸入口を有したガス案内筒
を設け、冷却ガスをガス案内筒から吸入し、酸化物超電
導体表面へと円筒母材内部への並列通流とし、上部側銀
電極から排気するように構成したので、構造簡単にして
小型化を図れ、酸化物超電導体固定部に外部から曲げ応
力のかからない酸化物超電導電流リードの冷却巻線構造
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す酸化物超電導電
流リードの冷却巻線構造を示す部分破断斜視図である。
【図2】本発明の図1の酸化物超電導体を巻回する巻線
母材の斜視図である。
【図3】本発明の図1の酸化物超電導体を巻回する巻線
母材の接続端子となる上部銀電極の巻線母材側からみた
断面図である。
【図4】本発明の図1の酸化物超電導体を巻回する巻線
母材中央部分の断面図である。
【図5】本発明の図1の酸化物超電導体を巻回する巻線
母材の超電導装置側リード線との接続端子となる下部側
銀電極の巻線母材側からみた断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す酸化物超電導電
流リードの冷却巻線構造を示す部分破断斜視図である。
【図7】本発明の図6の実施形態を示す酸化物超電導電
流リードの冷却巻線構造部の部分断面斜視図である。
【図8】本発明の図3の実施形態を示す酸化物超電導電
流リードの冷却巻線構造を示す一部破断斜視図である。
【図9】超電導磁石装置の一般的な構造を簡略して示す
断面図である。
【符号の説明】
1…真空断熱容器、2…真空容器、3…低温容器、4
a,4b…真空断熱層、5…容器カバー、6…低温容器
カバー、7…固定ボルト、8…空間部、9a,9b…液
体窒素、10…溶液窒素容器、11…超電導コイル、1
2…液体ヘリウム、13…接続リード線、14…酸化物
超電導電流リード、15…銅製電流リード、16…電流
リード、17…中空部、18…細溝、19…螺旋凸部、
20…底溝、21…螺旋凹部、22…非磁性巻線母材、
23…酸化物超電導体、24…上部側銀電極、25…下
部側銀電極、26…ガス案内筒、27…酸化被膜絶縁
層、28a,28b…雌ネジ部、29…雄ネジ部、30
a,30b…大段差部、31n…小段差部、32…段差連
通溝、33a,33b…中空孔、34…中段差部、35
…通流溝、36…電極周面、37…傾斜孔、38…銀テ
ープ、39…絶縁層、40a,40b…径方向通流孔、
41…大中空部、42…切り欠き部、43…螺旋溝、4
4a,44b…接続端子面、45…下面、46…Heガ
ス吸入口、47…傾斜吸入口、48…上段部、49…径
方向排気口、50…排気中空孔、51…円筒母材。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超電導体と、酸化物超電導体を巻回
    する非磁性巻線母材と、酸化物超電導体の接続端子とな
    る上部側銀電極と、下部側銀電極と、からなる酸化物超
    電導電流リードにおいて、前記非磁性巻線母材に複数の
    螺旋凸部を設けて螺旋凹部を形成し、前記上部側銀電極
    に大段差部と複数の小段差部を、前記下部側銀電極に大
    段差部と中段差部とを設け、前記非磁性巻線母材の螺旋
    凹部に巻回した酸化物超電導体を、螺旋凸部と、上部側
    銀電極の複数の小段差部と、下部側銀電極の中段差部で
    固定したことを特徴とする酸化物超電導電流リード。
  2. 【請求項2】酸化物超電導体と、酸化物超電導体を巻回
    する非磁性巻線母材と、酸化物超電導体を固定し外部と
    の接続端子となる上部側銀電極と、下部側銀電極と、か
    らなる酸化物超電導電流リードにおいて、前記非磁性巻
    線母材に複数の螺旋凸部で形成した螺旋凹部に底溝を、
    螺旋凸部の小部に細溝を設け、前記上部側銀電極の複数
    の小段差部に段差連通溝と、中空孔と、段差連通溝と中
    空孔を結ぶ径方向通流孔とを設け、前記下部側銀電極に
    電極周部から大段差部内を通り中段差部に至る傾斜通流
    孔と、中段差部に傾斜孔と連通する通流孔を設け、前記
    上部側銀電極の段差連通溝と、螺旋凹部の底溝と、下部
    側銀電極の通流溝とを連通するように接合固定し、前記
    段差連通溝,底溝,通流溝上に酸化物超電導体を配設固
    定したことを特徴とする酸化物超電導電流リード。
  3. 【請求項3】非磁性巻線母材に複数の螺旋凸部を設けて
    螺旋凹部を形成し、該螺旋凹部に底溝を設けた非磁性巻
    線母材の一方端側に、大段差部と複数の小段差部を設け
    るとともに、中央部に中空孔を備え、前記複数の小段差
    部に段差連通溝と、該段差連通溝と中空孔とを結ぶ径方
    向通流孔を設けた上部側銀電極を接合し、他方端に、大
    段差部と中段差部を設け、該中段差部に通流溝を、通流
    溝から電極周部に通じる傾斜通流孔を有した下部側銀電
    極を接合し、前記通流溝を有した螺旋凹部に酸化物超電
    導体を巻回し、該酸化物超電導体の一方の端部を、上部
    側銀電極の段差連通溝とを径方向通流孔を備えた複数の
    小段差部に、他方の端部を、冷ガスを吸入する傾斜通流
    孔と通流溝を有し、大段差部と中段差部を設けた下部側
    銀電極の中段差部で固定した酸化物超電導電流リードに
    おいて、前記非磁性巻線母材の螺旋凸部に密着し、前記
    上部側銀電極の大段差部と、下部側銀電極の大段差部に
    ガス案内筒を配置し、冷ガスを酸化物超電導体面と非磁
    性巻線母材内部とを並列に通流するように形成したこと
    を特徴とする酸化物超電導電流リードの冷却巻線構造。
  4. 【請求項4】酸化物超電導体と、酸化物超電導体を巻回
    する非磁性巻線母材と、該非磁性巻線母材に巻回した酸
    化物超電導体を固定し、外部との接続端子となる上部側
    銀電極と下部側銀電極と、からなる酸化物超電導電流リ
    ードにおいて、前記非磁性巻線母材の螺旋凸部の径と、
    該非磁性巻線母材に接合固定される上部側銀電極と下部
    側銀電極の大段差部の径を同一径としたことを特徴とす
    る酸化物超電導電流リード。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記非磁性巻線母材周
    部の複数の螺旋凸部は、頂部に細溝を有し、該細溝は周
    方向に広がりを持った螺旋凸部であることを特徴とする
    酸化物超電導電流リードの巻線構造。
  6. 【請求項6】酸化物超電導体と、該酸化物超電導体を巻
    回する非磁性巻線母材と、前記酸化物超電導体を固定す
    る上部側銀電極と、下部側銀電極と、からなる酸化物超
    電導電流リードにおいて、前記非磁性巻線母材の複数の
    螺旋凸部に、凸部の長さ方向に沿って部分的に切り欠き
    部を設けた切り欠き螺旋凸部を形成し、該切り欠き螺旋
    凸部と切り欠き螺旋凸部で螺旋凹部を形成し、該切り欠
    き螺旋凸部を有した非磁性巻線母材の上部に、中空孔を
    有し大段差部と複数の小段差部を備えた上部側銀電極
    を、下部に、中空孔を備え大段差部と中段差部を有した
    下部側銀電極を接合固定し、前記切り欠き螺旋凸部と切
    り欠き螺旋凸部で形成した螺旋凹部に酸化物超電導体を
    巻回し、上部側銀電極と下部側銀電極に固定した外部に
    ガス案内筒を配設し、冷ガスを下部側銀電極の中空孔か
    ら吸入し、非磁性巻線母材の端部で酸化物超電導体表面
    と非磁性巻線母材の中空孔への並列経路を形成させ、上
    部側銀電極中空孔で集合排気させるように形成したこと
    を特徴とする酸化物超電導電流リードの冷却巻線構造。
  7. 【請求項7】酸化物超電導体と、該酸化物超電導体を巻
    回する非磁性巻線母材と、該非磁性巻線母材に巻回した
    酸化物超電導体を固定し接続端子となる上部側銀電極
    と、下部側銀電極とからなる酸化物超電導電流リードに
    おいて、前記非磁性巻線母材を、内部に大中空孔を有
    し、外周部に複数の螺旋凸部を設け、該螺旋凸部と螺旋
    凸部で螺旋凹部を形成した円筒母材とし、該円筒母材の
    一方端の上部には、大段差部と複数の小段差部を有し排
    気中空孔と径方向排気口を備えた上部側銀電極を、他方
    端に大段差部と中段差部を備え複数の傾斜吸入口を備え
    た下部側銀電極を接合し、前記円筒母材の螺旋凹部に巻
    回した酸化物超電導体を上部側銀電極の小段差部の上段
    部と下部側銀電極の中段差部で固定し、大段差部に通流
    孔を有したガス案内筒を配設し、冷ガスをガス案内筒か
    ら吸入し、酸化物超電導体表面と円筒母材の内部とを並
    列に通流させ、上部側銀電極の排気中空孔で集合排気す
    るように形成したことを特徴とする酸化物超電導電流リ
    ードの冷却巻線構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008091912A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 General Electric Co <Ge> 超伝導マグネット向けの高温超伝導電流リード
JP2008300184A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd 酸化物超電導電流リード

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