JPH1092551A - 赤外線光源用セラミックス発熱体の駆動方法 - Google Patents

赤外線光源用セラミックス発熱体の駆動方法

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JPH1092551A
JPH1092551A JP18882297A JP18882297A JPH1092551A JP H1092551 A JPH1092551 A JP H1092551A JP 18882297 A JP18882297 A JP 18882297A JP 18882297 A JP18882297 A JP 18882297A JP H1092551 A JPH1092551 A JP H1092551A
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睦 南雲
Satoshi Sakagami
智 坂上
Masahiro Uno
正裕 宇野
Masao Sakanaka
正雄 坂中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線光源用のセラミックス発熱体の駆動方
法を工夫することで、変形等の異常を生じにくくし信頼
性を向上させる。 【解決手段】 赤外線光源用セラミックス発熱体は従来
は専ら直流駆動されていたが、こうすると温度分布が局
部的に変化して断線する事故が問題化して来ているの
で、直流電源部3とインバータ4とによってセラミック
ス発熱体1を交流駆動する、好ましくは電流のデューテ
ィ比がほぼ50%の矩形波信号で駆動することにより、
変形等を生じにくくし信頼性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に赤外線光源
の発熱体として用いられる赤外線光源用セラミックス発
熱体の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に、この種の赤外線光源用セラミッ
クス発熱体の1例を示す。これは、原料粉末をシート状
に形成して焼成した、厚さ約0.5mmの板状部材を放
電加工してジグザグ状の発熱部11と直線状のリード部
12a,12bとを形成し、これを耐熱性接着材13に
よりセラミックス管14に取り付けて構成したものであ
る。なお、2a,2bはリード線である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4のよう
な赤外線光源用セラミックス発熱体は、その光量にフラ
ツキが生じないよう通常は直流電圧によって駆動される
が、その発熱部の温度が1500℃付近で、発熱時間が
数百時間程度になると、発熱部の温度分布が局部的に変
化したり変形が生じたりして、最終的には断線に至るこ
とがある。
【0004】また、このような異常はプラス端子側に発
生することが確認されている。これは、材質の不均一性
などに起因するものではなく、セラミックス発熱体に含
まれる原子の移動(マイグレーション)によるものと推
測されている。したがって、この発明の課題は、特に赤
外線光源用セラミックス発熱体に変形等の異常を生じ難
くし、その信頼性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
べく、請求項1の発明では、セラミックス材料からなり
通電によりその一部が高温加熱される赤外線光源用セラ
ミックス発熱体を、その熱応答を上回る周波数で、か
つ、赤外線光源を使用する装置の動作周波数帯域外の高
周波数の交流電圧により駆動するようにしている。請求
項2の発明では、セラミックス材料からなり通電により
その一部が高温加熱される赤外線光源用セラミックス発
熱体を、赤外線光源を使用する装置の運転に支障のない
周期で、直流電源の極性を切り換えて駆動するようにし
ている。
【0006】上記請求項2の発明においては、前記直流
電源の電流極性のデューティ比をほぼ50%の矩形波と
することができる(請求項3の発明)。また、上記請求
項1ないし3の発明においては、前記赤外線光源用セラ
ミックス発熱体を、主材料として二ケイ化モリブデンか
ら形成することができ(請求項4の発明)、モリブデ
ン,シリコンまたは炭化ケイ素から形成することができ
る(請求項5の発明)。
【0007】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態を示す構成図である。すなわち、セラミックス発熱体
1に対し、直流電源部3とインバータ4とを設け、セラ
ミックス発熱体1を例えば図1に符号で示すように、
直流電源の極性を所定の周期で切り換え、交流駆動する
ようにしたものである。なお、このときの周期として
は、赤外線光源としてセラミックス発熱体1を使用する
装置の運転に支障を与えない周期に選ぶ必要がある。
【0008】この点について、赤外線分析計を例にとり
補足説明する。図2はセラミックス発熱体1の熱応答性
を示す特性図である。すなわち、図2(b)に示すよう
な電圧をセラミックス発熱体1に加えると、セラミック
ス発熱体1は図2(a)に示すように、印加開始(パル
スの立ち上がり)からt時間後に赤外線分析計の光源と
して要求される温度Tに達し、その後は印加終了(駆動
パルスの立ち下がり)まで一定の温度レベルを保つ。
【0009】本発明者等の実験によれば、セラミックス
発熱体1の発熱部外形寸法が0.5mm×3mm×5m
mの場合、その熱応答周波数は10Hz程度となる。し
たがって、所定の光量レベルを得られるように、かつ、
フラツキを生じないようにするためには、セラミックス
発熱体1を駆動する交流電圧の周波数を、これを上回る
周波数に選定する必要がある。
【0010】また、赤外線ガス分析計では、セラミック
ス発熱体1から放射される赤外線を断続光とするための
チョッパの回転にしたがって検出信号が繰り返し出力さ
れるよう構成されており、その動作周波数(検出周波数
帯域)は、通常数Hz〜数十Hzの範囲に設定されてい
る。セラミックス発熱体1を駆動する交流電圧の周波数
は、適用しようとする赤外線ガス分析計の検出周波数帯
域外の高周波に選定することが望ましい。
【0011】上述の2点を考慮した上で周波数を決定
し、図1のようにセラミックス発熱体1を交流駆動する
ことにより、発熱部11の温度分布の異常や変形を防止
できることが、数多くの実験結果からも確かめられてい
る。これは、交流駆動により、セラミックス発熱体に含
まれるシリコン原子またはモリブデン原子の、いわゆる
マイグレーションが無くなるためと推測されている。
【0012】なお、セラミックスの材質としては主とし
てモリブデン,シリコンまたは炭化ケイ素(SIC)な
どを用いることができるが、機械的強度を考慮すれば、
二ケイ化モリブデンを用いることが望ましい。セラミッ
クス発熱体1に二ケイ化モリブデンを用い、1400℃
以上の高温で発熱させるという条件で比較実験を行なっ
たところ、直流駆動の場合には百時間程度で発熱部に温
度分布の変化や変形が発生したが、50Hzの交流駆動
では、数千時間経過後も直流に見られるような不具合は
発生しないことを確認している。
【0013】また、交流電圧をここでは整流器31,ト
ランス32およびコンバータ33等からなり直流電力を
出力する直流電源部3と、この直流電力を交流電力に変
換するインバータ4とを介して得るようにしているが、
このような構成に限らないことはもちろんである。つま
り、その周波数や波形(正弦波,矩形波,台形波など)
は任意に選択できるが、光源として用いることから熱応
答性に影響を与えず(熱応答性を上回る周波数)、ま
た、赤外線分析計のような赤外線光源を使用する装置の
検出周波数帯域外の高周波とするという条件を満足すれ
ば良い。こうすることにより、光源のフラツキも無くな
り、直流電圧とほぼ同等の駆動が可能となる。
【0014】図3はこの発明の第2の実施の形態を示す
構成図である。この例は、セラミックス発熱体を、電流
のデューティ比がほぼ50%(電力のデューティ比やオ
ン,オフのデューティ比の観点からはほぼ100%)に
近い矩形波によって交流駆動するようにしたものであ
る。図3(a)の符号1はセラミックス発熱体、3は直
流電源、Q1〜Q4は電力用の電界効果トランジスタ
(FET)である。
【0015】いま、Q1とQ4をオン、かつ、Q2とQ
3をオフにすると電流は矢印Aの向きに流れ、逆にQ2
とQ3をオン、かつ、Q1とQ4をオフにすると電流は
矢印Bの向きに流れる。したがって、これらA,Bの状
態を交互に繰り返すようにFET素子Q1〜Q4をスイ
ッチング動作させ、電流の向きを瞬時的に変えれば、図
3(b)に符号で示すように、オフタイムが数μs、
オンタイムが数百msの如くオン,オフのデューティ比
としてはほぼ100%、電流のデューティ比としてはほ
ぼ50%の矩形波で、セラミックス発熱体1を駆動する
ことが可能となる。
【0016】なお、7は抵抗からなる電流検出手段で、
ここでの電圧降下vを検出して制御回路8にフィードバ
ック信号として与えるようにすれば、高精度に電流制御
を行なうことができる。この例によれば、セラミックス
発熱体1に変形を生じることのないのは勿論のこと、光
源のフラツキも完全に無くなり、直流電圧とほぼ同等の
駆動が可能となる。
【0017】
【発明の効果】この発明によれば、セラミックス発熱体
の発熱部を、所定周波数以上の周波数の交流電圧で駆動
するようにしたので、発熱部の光量の経時変化が少なく
なって長寿命化することが可能となり、信頼性を著しく
高めることができるという利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図2】セラミックス発熱体の熱応答特性説明図であ
る。
【図3】この発明の第2の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図4】セラミックス発熱体の構造例を示す概要図であ
る。
【符号の説明】
1…セラミックス発熱体、2a,2b…リード線、3…
直流電源部、4…インバータ、7…電流検出手段、8…
制御回路、11…発熱部、12a,12b…リード部、
13…耐熱性接着材、14セラミックス管、31…整流
器、32…トランス、33…コンバータ。
フロントページの続き (72)発明者 坂中 正雄 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス材料からなり通電によりそ
    の一部が高温加熱される赤外線光源用セラミックス発熱
    体を、その熱応答を上回る周波数で、かつ、赤外線光源
    を使用する装置の動作周波数帯域外の高周波数の交流電
    圧により駆動することを特徴とする赤外線光源用セラミ
    ックス発熱体の駆動方法。
  2. 【請求項2】 セラミックス材料からなり通電によりそ
    の一部が高温加熱される赤外線光源用セラミックス発熱
    体を、赤外線光源を使用する装置の運転に支障のない周
    期で、直流電源の極性を切り換えて駆動することを特徴
    とする赤外線光源用セラミックス発熱体の駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記直流電源の電流極性のデューティ比
    をほぼ50%の矩形波とすることを特徴とする請求項2
    に記載の赤外線光源用セラミックス発熱体の駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記赤外線光源用セラミックス発熱体
    を、主材料として二ケイ化モリブデンから形成すること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の赤外
    線光源用セラミックス発熱体の駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記赤外線光源用セラミックス発熱体
    を、主材料としてモリブデン,シリコン,または炭化ケ
    イ素から形成することを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の赤外線光源用セラミックス発熱体の駆
    動方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103487460A (zh) * 2013-10-15 2014-01-01 中国农业大学 一种提高覆盖材料保温性能测试台测试精度的方法
JP2017533862A (ja) * 2014-10-27 2017-11-16 ヴァレオ システム テルミク 自動車両用の空調ユニットのための加熱装置
JP2019160545A (ja) * 2018-03-13 2019-09-19 日本特殊陶業株式会社 セラミックヒータ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103487460A (zh) * 2013-10-15 2014-01-01 中国农业大学 一种提高覆盖材料保温性能测试台测试精度的方法
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