JPH1092030A - 光磁気記録媒体及びその再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びその再生方法

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JPH1092030A
JPH1092030A JP24832196A JP24832196A JPH1092030A JP H1092030 A JPH1092030 A JP H1092030A JP 24832196 A JP24832196 A JP 24832196A JP 24832196 A JP24832196 A JP 24832196A JP H1092030 A JPH1092030 A JP H1092030A
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小弥太 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生光の光学的回折限界を越えた大きさで記
録された情報を高いC/Nで読み取ることができ、特
に、隣接トラックからのクロストークを低減することの
できる磁気超解像光磁気記録媒体及びその再生方法を提
供する。 【解決手段】 少なくとも再生層、中間層、記録層を有
し、中間層がその垂直磁気異方性が増大する所定の温度
範囲となる領域で、記録磁区と同一方向の磁化を有する
再生層中の磁区と交差する部分を有する記録磁区のみ
が、記録層から再生層へ転写されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光を用いて情報の記
録、再生、消去を行う光磁気記録媒体に関する。とくに
超解像再生を行う光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体のさらなる高密度化を目
的として、再生用の光の光学的回折限界以下の大きさに
記録された情報を再生することが可能な磁気超解像が提
案されている。この方法は少なくとも再生層と記録層と
を用いており、再生光の照射されているビームスポット
のうちの一定の領域をマスクとして用いることによっ
て、実質的にビームスポットが小さくなったのと同様の
効果を持つようにしたものであり、ビームスポット中で
は光の強度分布があり、またビームの進行方向に対して
後方が温度上昇が大きいことを利用している。
【0003】この方法には大きく分けて2通りの方法が
ある。一つは温度が一定値以上となっている領域で再生
層が特定の状態になるようにしてマスクとする消滅型の
方法(例えば、特開平1-143041号公報、特開平1-143042
号公報など)、他方は再生層が再生前には特定の状態で
あり、温度が一定値以上となった領域で記録層に記録さ
れた情報が再生層に転写される浮き出し型の方法(例え
ば、特開平3-93058 号公報など)である。後者の方法で
は隣接トラックにおいても再生層が特定の状態にあるた
めに、隣接トラックとのクロストークは小さい。また、
浮き出し型と消滅型をあわせたダブルマスク型の磁気超
解像(例えば、特開平4-271039号公報など)も提案され
ている。
【0004】ダブルマスク型の磁気超解像のなかでGd
FeCo再生層、GdFe中間層、TbFeCo記録層
の3層で磁性層が構成された方式(例えば、特開平7-24
4877号公報の一部およびJapanese Journal of Applied
Physics Vol. 35 (1996) pp.L144-L146)は中間層のG
dFeが室温で面内磁化膜、高温で垂直磁化膜となるこ
とを利用して再生磁界のみでダブルマスクを実現した方
式として注目されている。
【0005】特開平7-244877号公報で提案された磁気超
解像光磁気記録媒体を例にダブルマスク型の磁気超解像
について図6により説明する。図6では透明基板上に再
生層61、中間層62、記録層63の順に積層された希土類遷
移金属合金からなる薄膜で光磁気記録媒体が構成され、
再生層61と記録層63が室温からキュリー温度まで垂直磁
化膜で、中間層62が室温で希土類優勢の面内磁化膜で、
温度の上昇に従い垂直磁気異方性が増大する特性を有
し、再生層61、中間層62、記録層63のキュリー温度を各
々Tc1、Tc2、Tc3とするとTc2≦Tc3<Tc1となって
いる。再生磁界64により室温付近の温度の領域であらか
じめ再生層61を初期化し、フロントマスク66を形成す
る。ここで、再生磁界64の方向は再生層61の記録マーク
を消失させる方向、拡大させる方向のいずれかになって
いる(図6では記録マークを消失させる方向を例にして
いる)。室温付近では再生層61と中間層62の大部分が磁
気的に一体化しており全体的に希土類優勢の磁気特性を
示し、遷移金属のスピンの向きは再生磁界64の方向と逆
になる。なお、図6の磁性層中の矢印はこの遷移金属の
ズピンの向きを示したものである。再生レーザービーム
の照射で温度が上がることで中間層52の垂直磁気異方性
が高まり、記録層63から再生層61への記録マークの転写
がおこる。さらに高い温度Tcompで、基板側から測定し
たカー回転のマイナーループが希土類優勢の特性から遷
移金属優勢の特性へ遷移し、さらに温度が上昇するにつ
れて交換結合と再生層の保磁力が下がることで、再生層
61の磁化の向きは再び再生磁界64の方向を向くようにな
りリアマスク67が生じる。記録マークはビームスポット
65の中のフロントマスク66とリアマスク67の間の領域
(アパーチャ)68でのみ再生される。従って実質的なビ
ームスポットが小さくなり、光の回折限界以下の周期で
高密度に記録された記録マークの再生が可能となる。
【0006】ここで、室温からTcompまでの希土類優勢
の特性を有する再生層と中間層とが磁気的に一体化した
部分の交換結合によるループシフトをHw2 、その部分の
保磁力をHc2 として、Tcompを越えてからの遷移金属優
勢の再生層の交換結合によるループシフトをHw1 、その
保磁力をHc1 、再生磁界をHrとすると、フロントマスク
の生成条件は、 |Hw2 +Hc2 |<Hr ……(I) 記録マークが記録層から再生層へ転写する条件は、 |Hw2 −Hc2 |>Hr ……(II) リアマスクの生成条件は、 |Hw1 +Hc1 |<Hr ……(III) である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平7-244877号公報
の光磁気記録媒体で、良好な再生出力を得るためにはリ
アマスクの半径方向の幅が記録マークの幅と同程度以上
で、アパーチャのトラック方向の幅が最短マークの長さ
以上は必要である。図6で示すようにトラックピッチが
狭くなると記録マークが記録層から再生層へ転写する条
件の(II)が成り立つアパーチャの外周部は図6のように
隣のトラックまでかかってしまい、隣のトラックの信号
が再生しようとするトラックの信号に混じってしまう。
つまり、クロストークが生じることになる。
【0008】特開平4-271039号公報などのほかのダブル
マスク型の磁気超解像媒体においてもアパーチャが隣の
トラックにかかり、クロストークが生じることが問題と
なっている。
【0009】本発明はクロストークを特に低減したダブ
ルマスク型の磁気超解像媒体およびその再生方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は透明な基板上に
少なくとも再生層、中間層、記録層の順に積層された希
土類遷移金属合金からなる薄膜を有する光磁気記録媒体
において、再生層及び記録層が室温からキュリー温度ま
での温度範囲で垂直磁化膜であり、中間層が室温で希土
類優勢の面内磁化膜で、温度の上昇に従い垂直磁気異方
性が増大する特性を有し、再生層、中間層、記録層のキ
ュリー温度を各々Tc1、Tc2、Tc3とするとTc2≦Tc3
<Tc1であり、室温において再生層の記録磁区を消失さ
せるに十分な磁界で再生層を初期化させた後では、無磁
界で再生レーザーパワーが十分低いパワーから記録層が
Tc3の温度になる直前のパワーの間、あるいは無磁界で
再生レーザーパワーが十分低いパワーから再生層にリア
マスク磁区が現れる直前のパワーの間で記録磁区が記録
層から再生層へ転写しないことを特徴とする光磁気記録
媒体である。
【0011】すなわち、本発明の光磁気記録媒体は、透
明な基板上に少なくとも再生層、中間層、記録層の順に
積層された希土類遷移金属合金からなる薄膜を有する光
磁気記録媒体において、再生層及び記録層が室温からキ
ュリー温度までの温度範囲で垂直磁化膜であり、中間層
が室温で希土類優勢の面内磁化膜で、温度の上昇に従い
垂直磁気異方性が増大する特性を有し、再生層、中間
層、記録層のキュリー温度を各々Tc1、Tc2、Tc3とす
るとTc2≦Tc3<Tc1であり、かつ、再生レーザービー
ムの照射により加熱された部位で、中間層がその垂直磁
気異方性が増大する所定の温度範囲となる領域で、記録
磁区と同一方向の磁化を有する再生層中の磁区と交差す
る部分を有する記録層中の記録磁区のみが、記録層から
再生層へ転写されるようにしたことを特徴とするもので
ある。なお、記録磁区と同一方向の磁化を有する再生層
中の磁区は、再生磁界の印加又は自発磁化により形成さ
れるものである。また、本発明で言う再生層中の磁区と
記録層中の記録磁区が交差する部分を有するとは、層面
に垂直な方向から見た場合に、両磁区の領域が少なくと
もその一部分で互いに重なり合っている状態をいう。さ
らに、本発明における前述の記録層から再生層への記録
磁区の転写は、記録磁区と同一方向の磁化を有する再生
層中の磁区と記録層中の記録磁区が交差する部分が核と
なることにより生じるものと考えられる。なお、加熱部
位の温度がかなり高い場合には、再生層中に記録磁区と
同一方向の磁化を有する磁区が存在しなくても、ごく一
部の記録磁区が記録層から再生層へ転写される場合があ
るが、その量が十分に少なければ、本発明の趣旨をそこ
なうものではない。
【0012】本発明の光磁気記録媒体の再生方法は、記
録層中に記録磁区として情報を担う記録マークが記録さ
れた上記の光磁気記録媒体から、その情報を再生する方
法であって、再生レーザービームから離れて別途設けら
れた初期化磁界あるいは再生磁界を、再生層中の記録磁
区と同一方向の磁化を有する磁区を消失させる方向に印
加することにより、室温付近の温度となった領域であら
かじめ再生層を初期化し、再生レーザービームの照射に
より、照射部位中に、中間層がその垂直磁気異方性が増
大する所定の温度範囲となる領域を生成させるととも
に、再生レーザービームスポットの後方に、磁化の向き
が再生磁界方向に揃ったリアマスク磁区を再生層中に生
成させ、このリアマスク磁区の働きにより、このリアマ
スク磁区と交差する部分を有する記録層中の記録磁区の
みを記録層から再生層へ転写させて、記録された情報を
再生することを特徴とするものである。特に、生成する
リアマスク磁区の幅がトラック幅を越えないように再生
レーザーパワーを調整することにより、隣接するトラッ
クからのクロストークを著しく低減することができる。
【0013】以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の光磁気記録媒体の構造の一
基本例を示す部分断面図である。透明な基板11上に第1
誘電体層12、再生層13、中間層14、記録層15、第2誘電
体層16の順に薄膜が積層されている。通常、第2誘電体
層16の上には紫外線硬化樹脂などからなる保護コート17
が施されている。
【0015】再生層13については室温からキュリー温度
までの温度範囲で垂直磁化膜で、GdFeCo、GdN
dFeCoなどの保磁力が小さく補償組成付近の組成の
膜を用いることで高い解像度と再生のマージンが得られ
る。この再生層の膜厚については25nm以上70nm以下が好
ましい。
【0016】再生層の室温での垂直磁気異方性をK1、膜
厚をd1としたとき、0.5 erg/cm2≦K1×d1≦2.0 erg/cm2
とすることが、本発明の無磁界で転写が起こらない条件
を満たすのに好ましい。また、再生層の組成としてはG
x1(Fe1-y1Coy11-x1で0.24≦x1≦0.28、0.15≦
y1≦0.35を満たすことが好ましい。Co濃度y1を下げる
とK1が大きくなり、y1を大きくするとK1が小さくなるの
で、再生層の膜厚d1を(30+50×(y1−0.15))nm≦d1
≦(50+50×(y1−0.15))nmの範囲でさらに成膜条件
を調整することで0.5 erg/cm2≦K1×d1≦2.0 erg/cm2
することが可能である。
【0017】中間層14については室温で希土類優勢の面
内磁化膜で、温度の上昇に従い垂直磁気異方性が増大す
る特性を有していれば良いが、保磁力が小さい材料が好
ましく、GdFe、GdDyFe、GdDyFeCo、
GdNdFeなどがあげられる。中間層の膜厚について
は再生層と記録層の交換結合を適当な強さにするために
30nm以上80nm以下が好ましい。また、中間層の希土類遷
移金属合金にAl、Si、Crなどの非磁性元素を添加
することでキュリー温度を制御できる。
【0018】記録層15については室温からキュリー温度
までの温度範囲で垂直磁化膜で、保磁力が大きい材料が
好ましく、TbFeCo、DyFeCo、TbGdFe
Coなどがあげられる。記録層の膜厚については30nm以
上80nm以下が好ましい。30nm未満では再生中に記録マー
クが消えやすくなり、80nmを越えると膜厚が厚くなりす
ぎて記録パワーが大きくなりすぎる。
【0019】基板の材料としては、使用するレーザー光
に対して十分に透明であることが好ましく、例えば、ポ
リカーボネート、アモルファスポリオレフィン等の樹脂
またはガラス等を用いることができる。
【0020】図1に既に示してあるが、再生層よりもレ
ーザー光の入射側に、カー回転角を増大させることを目
的としてSiN、ZnS、AlN等からなる厚さ70n
m程度の第1誘電体層を設けることも有効である。この
厚さは媒体の反射率や再生信号強度を調整するために適
宜変えることもできる。更に記録レーザーパワー等の調
整のためにレーザー光の入射側と反対側に、例えば厚さ
20nm程度のAl合金膜等の熱拡散層を設けたり、薄膜の
保護のために第2誘電体層、さらにアクリル系の紫外線
硬化樹脂などからなる保護コートなどの保護膜を設ける
こともすでに説明したように可能である。
【0021】本発明の光磁気記録媒体で、室温において
再生層の記録磁区を消失させるに十分な磁界で再生層を
初期化させた後に、無磁界で再生レーザーパワーが十分
低いパワーから記録層がTc3の温度になる直前のパワー
の間、あるいは無磁界で再生レーザーパワーが十分低い
パワーから再生層にリアマスク磁区が現れる直前のパワ
ーの間で記録磁区が記録層から再生層へ転写しないよう
にするには、既に述べたように再生層の組成や膜厚を調
整したり、再生層の垂直磁気異方性が大きくなるような
成膜の条件で薄膜を形成することや、中間層の垂直磁気
異方性を適度に下げることで達成される。再生層、中間
層、記録層など希土類遷移金属薄膜は通常スパッタ法で
作製されるが、たとえば再生層の成膜圧力を適当に低く
設定することで再生層の垂直磁気異方性が大きくなり本
発明の光磁気記録媒体を得ることができる。
【0022】本発明の図1の基本例における再生方法を
図3に示す。再生磁界35(Hr)を再生層31における記録
磁区を消失させる方向にかけることで室温付近の温度と
なった領域であらかじめ再生層31を初期化し、フロント
マスクを形成する。図4(a)に室温付近でのカールー
プを示す。室温付近では再生層31と中間層32の大部分が
磁気的に一体化しており全体的に希土類優勢のカールー
プとなっている。図4(a)では再生層側から観察した
記録磁区部分のループと記録磁区の外側部分のループを
同時に示している。カーループを測定するときのビーム
径は記録磁区より十分大きいのでこの様になる。再生層
31における記録磁区が消失する磁界をHerase、記録層33
から再生層31に記録磁区が転写する磁界をHcopy とす
る。また、再生層31における記録磁区の外側部分が記録
層に対して反転する磁界は−Hw2−Hc2 、記録磁区の外
側部分が記録層と同じ向きに戻る磁界は−Hw2 +Hc2 で
ある。Herase〜Hw2 +Hc2 であるが、Hcopy <Hw2 −Hc
2 である。従来のダブルマスク型磁気超解像媒体はHcop
y <Hw2 −Hc2 であってもHcopy ができるだけHw2−Hc2
に近くなるようにして、(I )〜(III )式で超解像
動作が近似できるように設計され、Hcopy <Hw2 −Hc2
の関係は積極利用されてなかった。本発明の媒体ではHc
opy <Hw2 −Hc2 の関係を積極利用するため記録磁区の
部分と外側の部分が著しく非対称になるように設計す
る。具体的には、室温ではHcopy 〜−Hw2 −Hc2 とす
る。フロントマスクの形成条件は、 Herase<Hr ……(IV) ただし、Herase≦Hw2 +Hc2 なので(I )式を満たして
いれば初期化は可能である。
【0023】室温から、カー回転のマイナーループが希
土類優勢の特性から遷移金属優勢の特性へ遷移する温度
Tcompまでの間で−Hw2 −Hc2 〜Hcopy <0 であれば、
この間では記録層33から再生層31への記録磁区の転写は
起こらない。さらに、Tcompを越えても図4(b)のよ
うにHr<Hcopy 〜Hw1 +Hc1 であれば記録層33から再生
層31への記録磁区の転写は起こらない。さらに温度が上
昇すると、 |Hw1 +Hc1 |<Hr ……(III) となり、リアマスク36が生成する。本発明の磁気超解像
媒体では(III) 式が成り立つ直前の温度までHcopy 〜Hw
1 +Hc1 となるようにする。Hcopy ≦Hw1 +Hc1である
ため、(III) 式が成り立てば必ず記録層33から再生層31
への記録磁区の転写が起こる。ただし、リアマスク36は
記録磁区が無くても磁区となっているので、リアマスク
磁区36の内部へ記録磁区が転写しただけでは再生信号は
得られない。リアマスク磁区36と記録磁区が交差した部
分が転写の核となり、交差した記録磁区のみがトラック
方向へ広がりながら(II)式で表される部分まで転写す
る。従って、リアマスク磁区36の幅がトラック幅37を越
えないような再生パワーに設定することで隣接トラック
の記録磁区の記録層から再生層への転写はなくクロスト
ークは非常に小さいものとなる。また、リアマスクによ
る転写が瞬時に起こるため解像度が高まる。
【0024】ここで、Hcopy を測定するにはディスクに
決まったサイズの記録磁区を書き込んだのち、基板がガ
ラスの場合はそのままカー効果測定装置で測定できる
が、ポリカーボネート(PC)基板では100 ℃以上で測
定できないため通常、記録層側から光磁気媒体をガラス
基板に接着剤ではりつけ、有機溶剤でポリカーボネート
(PC)基板を溶かしたのち再生層側からカー効果測定
装置で測定する。本発明者らはこのような不便をさける
ため、目的とする磁気超解像媒体を評価する他の方法を
見いだした。すなわち、前述のように室温において再生
層の記録磁区を消失させるに十分な磁界で再生層を初期
化させた後では、無磁界で再生レーザーパワーが十分低
いパワーから記録層がTc3の温度になる直前のパワーの
間、あるいは無磁界で再生レーザーパワーが十分低いパ
ワーから再生層にリアマスク磁区が現れる直前のパワー
の間で記録磁区が記録層から再生層へ転写しないことを
確かめるというものである。この条件がなりたてばHcop
y 〜Hw1 +Hc1 がほとんど成り立つことを本発明者らは
見いだした。
【0025】ここで、本発明でTc3の温度になる直前の
パワーとは記録磁区が記録層から消えるパワーから1mW
以内のパワーを示すことにする。
【0026】本発明の媒体でTcomp以下で−Hw2 −Hc2
〜Hcopy 、Tcomp以上でHcopy 〜Hw1 +Hc1 となる理由
ははっきりしないが、再生層の垂直磁気異方性を高める
ことで磁壁エネルギーが増大するために初期化したとき
に記録層に残った記録磁区の周辺が再生層から押されて
水玉のようにゆがむことで転写前の状態に戻りにくくな
ることが原因と考えている。
【0027】本発明の光磁気記録媒体の構造の別の基本
例の部分断面図を図2に示す。透明な基板21上に第1誘
電体層22、再生層23、再生補助層24、中間層25、記録層
26、第2誘電体層27の順に薄膜が積層されている。通
常、第2誘電体層27の上には紫外線硬化樹脂などからな
る保護コート28が施されている。
【0028】再生層23については室温からキュリー温度
までの温度範囲で垂直磁化膜であり、GdFeCo、G
dNdFeCo、GdDyFeCoなどの遷移金属優勢
の組成の膜を用いることで高い解像度と再生のマージン
が得られる。膜厚については25nm以上70nm以下が好まし
い。
【0029】再生層の室温での垂直磁気異方性をK1、膜
厚をd1としたとき、1.0 erg/cm2≦K1×d1≦3.0 erg/cm2
とすることが、本発明の無磁界で転写が起こらない条件
を満たすのに好ましい。また、再生層の組成としてはG
x1(Fe1-y1Coy11-x1で0.21≦x1≦0.26、0.10≦
y1≦0.25を満たすことが好ましい。Co濃度y1を下げる
とK1が大きくなり、y1を大きくするとK1が小さくなるの
で、再生層の膜厚d1を(30+50×(y1−0.10))nm≦d1
≦(60+50×(y1−0.10))nmの範囲でさらに成膜条件
を調整することで1.0 erg/cm2≦K1×d1≦3.0 erg/cm2
することが可能である。また、x1についてはあまり小さ
くするとK1が小さくなり、大きくしすぎると必要な初期
化磁界が大きくなりすぎる。
【0030】再生補助層24については室温からキュリー
温度までの温度範囲で垂直磁化膜で、TbFe、TbF
eCo、TbDyFeCoなどの室温で保磁力が大きな
膜が好ましく、キュリー温度が記録層のキュリー温度よ
り70℃以上低いことが好ましい。再生補助層24はなくて
も本発明の磁気超解像の作用はあるが、温度変化による
急激な保磁力の変化を使って急峻なスイッチング特性を
出すためには再生補助層24を5nm 以上30nm以下の膜厚に
することが好ましい。
【0031】中間層25については室温で希土類優勢の面
内磁化膜で、温度の上昇に従い垂直磁気異方性が増大す
る特性を有していれば良いが、保磁力が小さい材料が好
ましく、GdFe、GdDyFe、GdDyFeCo、
GdNdFeなどがあげられる。中間層の膜厚d2につい
ては再生層と記録層の交換結合を適当な強さにするため
に、5nm ≦d2≦20nmを満たすことが好ましい。
【0032】また、中間層の希土類遷移金属合金にA
l、Si、Crなどの非磁性元素を添加することでキュ
リー温度を制御できる。
【0033】記録層26については室温からキュリー温度
までの温度範囲で垂直磁化膜で保磁力が大きい材料が好
ましく、TbFeCo、DyFeCo、TbGdFeC
oなどがあげられる。記録層の膜厚については30nm以上
80nm以下が好ましい。30nm未満では再生中に記録磁区が
消えやすくなり、80nmを越えると膜厚が厚くなりすぎて
記録パワーが大きくなりすぎる。
【0034】本発明の図2の基本例における再生方法を
図5に示す。再生レーザービーム55から離れて別途設け
られた初期化磁界56を再生層51における記録磁区を消失
させる方向にかけることで室温付近の温度となった領域
であらかじめ再生層51を初期化し、再生レーザービーム
スポット55の後方に生じた、再生磁界方向57に揃ったリ
アマスク磁区58の働きにより、記録層54から再生層51へ
記録磁区を転写させながら再生することができる。ここ
でリアマスク磁区58がなければ記録層の磁区は転写しな
いが、記録層の磁区がリアマスク磁区58に交差した場合
はこの部分が核になり記録層54から再生層51へ磁区が広
がりながら転写する。従って、リアマスク磁区58の幅が
トラック幅59を越えないような再生パワーに設定するこ
とで隣接トラックの磁区の記録層から再生層への転写は
なくクロストークは非常に小さいものとなる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を用いて更に詳述する。
【0036】(実施例1)図1に示すような光磁気記録
媒体を作製した。マグネトロンスパッタ法によりランド
とグルーブの幅がほとんど同じでグルーブ深さ70nmでト
ラックピッチ1.4μmのポリカーボネート(PC)基板1
1上にSiNからなる第1誘電体層12をアルゴンと窒素
を流しながら0.3Pa の圧力で70nm成膜し、その上にアル
ゴンを流しながら0.3Pa の圧力でキュリー温度が350 ℃
以上のGd0.25(Fe1-y1Coy10.74からなる再生層
13をd1、0.6Pa の圧力でキュリー温度が270 ℃のGd
0.32Fe0.68からなる中間層14を50nm、0.9Pa の圧力で
キュリー温度が290 ℃のTb0.22(Fe0.84Co0.16
0.78からなる記録層15を50nm、SiNからなる第2誘電
体層16をアルゴンと窒素を流しながら0.3Pa の圧力で30
nmの順に薄膜を積層した。第2誘電体層16の上には紫外
線硬化樹脂からなる保護コート17を施した。ここで、
(y1, d1)=(0.12, 40nm)、(0.18, 40nm)、(0.2
7, 45nm)、(0.33,50nm)とした。
【0037】比較例1として(y1, d1)=(0.27, 30n
m)、(0.38, 40nm)としたほかは実施例1と同様の媒
体を作製した。
【0038】また、比較例2として膜厚45nmのGd0.25
(Fe0.73Co0.270.74からなる再生層13の成膜のと
きの圧力を0.8Pa としたほかは実施例1と同様の媒体を
作製した。
【0039】製造した光磁気記録媒体に記録マーク長が
0.4 μm(マークピッチの半分とみなす)となるように
線速7.5m/sとして記録周波数9.4MHz、duty33% で680nm
のレーザー光(対物レンズのNA=0.55 )を用いて記録を
行った。同じ光を用いて最初に再生レーザーパワーを1m
W として、再生磁界を記録方向に400 Oeとして再生層の
磁区を消失させて初期化した後、再生磁界をゼロとして
キャリア対ノイズ比(C/N )の再生パワー依存性を調べ
た。次に、再度前述の条件で記録し、再生磁界を記録方
向に400 Oeとしたまま、再生レーザーパワーを変化させ
てC/N をスペクトラムアナライザで測定した。
【0040】図7に実施例1については(y1, d1)=
(0.27, 45nm)の場合、比較例1については(y1, d1)
=(0.38, 40nm)の場合について、再生レーザーパワー
を1mWとして、再生磁界を記録方向に400 Oeとして再生
層の磁区を消失させて初期化した後、再生磁界をゼロと
してC/N の再生パワー依存性を調べた結果を示す。実施
例1では記録層の磁区が消えるレーザーパワーの直前
(1mW 以内)までC/N はゼロで、記録層から再生層へ磁
区の転写が起こってないが、比較例1では1mW 以上では
最初からキャリアが現れ、徐々にC/N が増加し記録層か
ら再生層へ磁区の転写が進んでいる。
【0041】図8に実施例1については(y1, d1)=
(0.27, 45nm)の場合、比較例1については(y1, d1)
=(0.38, 40nm)の場合について、再生磁界を400 Oeと
してC/N の再生パワー依存性を調べた結果を示す。実施
例1ではリアマスクが生じる2.8mW 以上でC/N が急激に
増大し、最大のC/N は48.2dBであった。比較例1では1.
7mW 以上で徐々にC/N が増加し、リアマスクが生じる2.
8mW 以上でC/N がさらに増大したが最大のC/N は45.5dB
であった。
【0042】次に全トラックを消去した状態で1つのラ
ンドのトラックのみに記録した後、再生磁界を記録方向
に400 Oeとして3.3mW の再生パワーで再生した。記録ト
ラックを再生した時のキャリアをC(0)、左右の隣りのグ
ルーブのトラックを再生したときのキャリアをC(-1) 、
C(1)として、 クロストーク(CT)=(C(-1) +C(1))/2−C(0) と定義する。
【0043】表1に実施例1、比較例1、比較例2の試
料の最大のC/N 、再生層のK1×d1、再生層の磁区を消失
させて初期化した後、再生磁界をゼロとしてキャリア対
ノイズ比(C/N )の再生パワー依存性を調べたときの転
写の有無、クロストーク(CT)について示す。
【0044】実施例1では記録層の磁区が消えるレーザ
ーパワーの直前(1mW 以内)までいずれもゼロ磁界での
転写がなく、比較例1、比較例2ではあった。クロスト
ークについて、実施例1ではいずれも−45dB以下でほと
んどみられず、比較例1、比較例2ではCTは−35dB前後
で10dB程度大きい結果となった。また、実施例1では0.
5 erg/cm2 ≦K1×d1≦2.0 erg/cm2 を満たしているが比
較例1では小さくなった。さらに実施例1の(y1, d1)
=(0.12, 40nm)の場合はクロストークは良好であるが
C/N は44.5dBと他の試料よりC/N が低くなった。
【0045】
【表1】
【0046】(実施例2)図2に示すような光磁気記録
媒体を作製した。マグネトロンスパッタ法によりランド
とグルーブの幅がほとんど同じでグルーブ深さ70nmでト
ラックピッチ1.4μmのポリカーボネート(PC)基板2
1上にSiNからなる第1誘電体層22をアルゴンと窒素
を流しながら0.3Pa の圧力で70nm成膜し、その上にアル
ゴンを流しながら0.1Pa の圧力でキュリー温度が350 ℃
以上のGd0.23(Fe1-y1Coy10.77からなる再生層
13を膜厚d1、0.3Pa の圧力でキュリー温度が190 ℃のT
0.18Fe0.79Co0.03からなる再生補助層を20nm、0.
6Pa の圧力でキュリー温度が230 ℃のGd0.31Fe0.63
Si0.06からなる中間層14を10nm、0.9Pa の圧力でキュ
リー温度が290 ℃のTb0.22(Fe0.84Co0.160.78
からなる記録層15を40nm、SiNからなる第2誘電体層
16をアルゴンと窒素を流しながら0.3Pa の圧力で30nmの
順に薄膜を積層した。第2誘電体層16の上には紫外線硬
化樹脂からなる保護コート17を施した。
【0047】ここで、(y1, d1)=(0.13, 30nm)、
(0.18, 35nm)、(0.23, 40nm)とした。比較例3とし
て(y1, d1)=(0.30, 30nm)としたほかは実施例3と
同様の媒体を作製した。
【0048】製造した光磁気記録媒体に記録マーク長が
0.4 μm(マークピッチの半分とみなす)となるように
線速7.5m/sとして記録周波数9.4MHz、duty33% で680nm
のレーザー光(対物レンズのNA=0.55 )を用いて記録を
行った。同じ光を用いて最初に再生レーザーパワーを1m
W として初期化磁界を消去方向に3000 Oe として再生層
の磁区を消失させて初期化した後、初期化磁界をなく
し、再生磁界をゼロとしてキャリア対ノイズ比(C/N )
の再生パワー依存性を調べた。次に、再度前述の条件で
記録し、初期化磁界を消去方向に3000 Oe として再生磁
界を記録方向に300 Oeとしたまま、再生レーザーパワー
を変化させてC/N をスペクトラムアナライザで測定し
た。
【0049】表2に実施例2、比較例3の試料の最大の
C/N 、再生層のK1×d1、再生層の磁区を消失させて初期
化した後、再生磁界をゼロとしてキャリア対ノイズ比
(C/N)の再生パワー依存性を調べたときの転写の有
無、クロストーク(CT)について示す。
【0050】実施例2ではいずれも再生層にリアマスク
磁区が現れるまではゼロ磁界での転写がなく、比較例3
ではあった。実施例2ではC/N がいずれも47dB以上であ
るが、比較例3では45.5dBであった。クロストークにつ
いて、実施例2ではいずれも−45dB以下でほとんどみら
れず、比較例3ではCT=−32dBで10dB以上大きい結果と
なった。また、実施例2では1.0 erg/cm2 ≦K1×d1≦3.
0 erg/cm2 を満たしているが比較例2では小さくなっ
た。
【0051】
【表2】
【0052】(実施例3)図1に示すような光磁気記録
媒体を作製した。マグネトロンスパッタ法によりランド
とグルーブの幅がほとんど同じでグルーブ深さ70nmでト
ラックピッチ1.4μmのポリカーボネート(PC)基板1
1上にSiNからなる第1誘電体層12をアルゴンと窒素
を流しながら0.3Pa の圧力で70nm成膜し、その上にアル
ゴンを流しながら0.1Pa の圧力でキュリー温度が350 ℃
以上のGd0.23(Fe1-y1Coy10.77再生層13をd1、
0.3Pa の圧力でキュリー温度が160 ℃のGd0.27Fe
0.60Cr0.13からなる中間層14を15nm、0.9Pa の圧力で
キュリー温度が290 ℃のTb0.22(Fe0.84Co0.16
0.78からなる記録層15を50nm、SiNからなる第2誘電
体層16をアルゴンと窒素を流しながら0.3Pa の圧力で30
nmの順に薄膜を積層した。第2誘電体層16の上には紫外
線硬化樹脂からなる保護コート17を施した。ここで、
(y1, d1)=(0.12, 45nm)、(0.20, 55nm)とした。
【0053】比較例4として(y1, d1)=(0.35, 40n
m)としたほかは実施例3と同様の媒体を作製した。
【0054】製造した光磁気記録媒体に記録マーク長が
0.4 μm(マークピッチの半分とみなす)となるように
線速7.5m/sとして記録周波数9.4MHz、duty33% で680nm
のレーザー光(対物レンズのNA=0.55 )を用いて記録を
行った。同じ光を用いて最初に再生レーザーパワーを1m
W として初期化磁界を消去方向に4000 Oe として再生層
の磁区を消失させて初期化した後、初期化磁界をなく
し、再生磁界をゼロとしてキャリア対ノイズ比(C/N )
の再生パワー依存性を調べた。次に、再度前述の条件で
記録し、初期化磁界を消去方向に4000 Oe として再生磁
界を記録方向に300 Oeとしたまま、再生レーザーパワー
を変化させてC/N をスペクトラムアナライザで測定し
た。
【0055】表3に実施例3、比較例4の試料の最大の
C/N 、再生層のK1×d1、再生層の磁区を消失させて初期
化した後、再生磁界をゼロとしてキャリア対ノイズ比
(C/N)の再生パワー依存性を調べたときの転写の有
無、クロストーク(CT)について示す。
【0056】実施例3ではいずれも再生層にリアマスク
磁区が現れるまではゼロ磁界での転写がなく、比較例4
ではあった。クロストークについて、実施例2ではいず
れも−45dB以下でほとんどみられず、比較例ではCT=−
27dBで15dB以上大きい結果となった。また、実施例3で
は1.0 erg/cm2 ≦K1×d1≦3.0 erg/cm2 を満たしている
が比較例4では小さくなった。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
により、再生光の光学的回折限界を越えた大きさで記録
された情報を高いC/Nで読み取ることができ、隣接ト
ラックの記録磁区の記録層から再生層への転写がないた
めに、隣接トラックからのクロストークが特に小さいも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の構造の一基本例を示
す部分断面図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体の構造の他の一例を示
す部分断面図である。
【図3】本発明の光磁気記録媒体の超解像再生の原理を
示す概念図である。
【図4】本発明の光磁気記録媒体の再生層側から観察し
たカーループを示す概念図である。 (a)室温付近のカーループ (b)温度が上昇し、再
生層が遷移金属優勢になったときのカーループ
【図5】本発明の他の光磁気記録媒体の超解像再生の原
理を示す概念図である。
【図6】従来の超解像光磁気記録媒体の超解像再生の原
理を示す概念図である。
【図7】本発明の光磁気記録媒体の再生磁界で初期化
後、再生磁界をゼロとしてC/N の再生パワー依存性を測
定した結果を示す図である。
【図8】本発明の光磁気記録媒体の再生磁界400 Oeの時
のC/N の再生パワー依存性を示す図である。
【符号の説明】
11、21 透明な基板 12、22 第1誘電体層 13、23、31、51、61 再生層 14、25、32、53、62 中間層 15、26、33、54、63 記録層 18、27 第2誘電体層 19、28 保護コート 30、50、60 媒体移動方向 34、55、65 再生レーザービームスポット 35、57、64 再生磁界 36、58、67 リアマスク磁区 37、59 トラック幅 56 初期化磁界 68 アパーチャ 66 フロントマスク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基板上に少なくとも再生層、中間
    層、記録層の順に積層された希土類遷移金属合金からな
    る薄膜を有する光磁気記録媒体において、再生層及び記
    録層が室温からキュリー温度までの温度範囲で垂直磁化
    膜であり、中間層が室温で希土類優勢の面内磁化膜で、
    温度の上昇に従い垂直磁気異方性が増大する特性を有
    し、再生層、中間層、記録層のキュリー温度を各々Tc
    1、Tc2、Tc3とするとTc2≦Tc3<Tc1であり、室温
    において再生層の記録磁区を消失させるに十分な磁界で
    再生層を初期化させた後では、無磁界で再生レーザーパ
    ワーが十分低いパワーから記録層がTc3の温度になる直
    前のパワーの間、あるいは無磁界で再生レーザーパワー
    が十分低いパワーから再生層にリアマスク磁区が現れる
    直前のパワーの間で記録磁区が記録層から再生層へ転写
    しないことを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 再生層の室温での垂直磁気異方性をK1、
    膜厚をd1としたとき、0.5 erg/cm2 ≦K1×d1≦2.0 erg/
    cm2 、中間層の膜厚d2が、30nm≦d2≦80nmを満たすこと
    を特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 再生層の組成をGdx1(Fe1-y1
    y11-x1、膜厚をd1としたとき0.24≦x1≦0.28、0.15
    ≦y1≦0.35、(30+50×(y1−0.15))nm≦d1≦(50+
    50×(y1−0.15))nm、中間層の膜厚d2が、30nm≦d2≦
    80nmを満たすことを特徴とする請求項1記載の光磁気記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 再生層の室温での垂直磁気異方性をK1、
    膜厚をd1としたとき、1.0 erg/cm2 ≦K1×d1≦3.0 erg/
    cm2 、中間層の膜厚d2が、5nm ≦d2≦30nmを満たすこと
    を特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 再生層の組成がGdx1(Fe1-y1
    y11-x1、膜厚をd1としたとき、0.21≦x1≦0.26、0.
    10≦y1≦0.25、(30+50×(y1−0.10))nm≦d1≦(60
    +50×(y1−0.10))nm、中間層の膜厚d2が、5nm ≦d2
    ≦30nmを満たすことを特徴とする請求項1記載の光磁気
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 再生レーザービームから離れて別途設け
    られた初期化磁界あるいは再生磁界を再生層における記
    録磁区を消失させる方向にかけることで、室温付近の温
    度となった領域であらかじめ再生層を初期化し、再生レ
    ーザービームスポットの後方に生じた再生磁界方向に揃
    ったリアマスク磁区の働きにより、記録層から再生層へ
    記録磁区を転写させながら再生する光磁気記録媒体の再
    生方法で、特にリアマスク磁区の幅がトラック幅を越え
    ないことを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体の
    再生方法。
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US6409583B1 (en) 1999-05-07 2002-06-25 Tokyo Seimtsu Co., Ltd. Apparatus for polishing wafers

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US6409583B1 (en) 1999-05-07 2002-06-25 Tokyo Seimtsu Co., Ltd. Apparatus for polishing wafers
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