JPH109064A - 内燃機関の排気還流制御装置 - Google Patents

内燃機関の排気還流制御装置

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JPH109064A
JPH109064A JP8158522A JP15852296A JPH109064A JP H109064 A JPH109064 A JP H109064A JP 8158522 A JP8158522 A JP 8158522A JP 15852296 A JP15852296 A JP 15852296A JP H109064 A JPH109064 A JP H109064A
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JP
Japan
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exhaust gas
valve
gas recirculation
lift position
lift
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JP8158522A
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English (en)
Inventor
Kanji Kizaki
幹士 木崎
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内燃機関の排気ガスの一部を吸気側に還流さ
せることにより排気エミッションの向上を図る内燃機関
の排気還流制御装置に関し、接触式バルブリフトセンサ
を用いることによる弊害を除去する。 【解決手段】 排気通路と吸気通路との導通状態を制御
するEGRバルブ20と、EGRバルブ20のリフト位
置を検出する接触式バルブリフトセンサ62とを設け
る。EGRバルブ20を駆動する負圧アクチュエータ3
6と負圧アクチュエータ36に供給する負圧を調整する
電気式負圧レギュレーティングバルブ(E−VRV)5
6を設ける。内燃機関の運転状態に応じてE−VRV5
6を駆動することで適量の排気ガスを吸気通路に還流さ
せる。内燃機関の運転状態が、EGRバルブ20に共振
振動を与える運転状態である場合は、EGRバルブ20
を強制的に全閉させることにより接触式バルブリフトセ
ンサ62に内蔵される抵抗体64の摩耗を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気還
流制御装置に係り、特に、内燃機関の排気ガスの一部を
吸気側に還流させることにより排気エミッションの向上
を図る内燃機関の排気還流制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平1−13405
7号に開示される如く、内燃機関の排気還流制御装置
(以下、EGR装置と称す)が知られている。上記従来
のEGR装置は、内燃機関の排気通路と吸気通路との導
通状態を制御する排気還流バルブ(以下、EGRバルブ
と称す)、および、EGRバルブのリフト位置を検出す
る接触式のバルブリフトセンサを備えている。
【0003】バルブリフトセンサは、直流駆動される抵
抗体と、その抵抗体の表面を摺動するブラシとを備えて
いる。ブラシは、EGRバルブと一体に作動し得るよう
に構成されている。上記の構成によれば、EGRバルブ
のリフト位置が変化すると、そのリフト位置に応じた電
圧信号がブラシに現れる。従って、上記のEGR装置に
おいては、バルブリフトセンサのブラシに現れる信号を
読み取ることで、EGRバルブのリフト位置を知ること
ができる。
【0004】EGRバルブの目標リフト位置は、排気ガ
スの還流量が適量となるように、内燃機関の運転状態に
応じて設定される。そして、EGRバルブは、その実リ
フト位置が、すなわち、バルブリフトセンサの出力信号
に基づいて検出されるリフト位置が、設定された目標リ
フト位置と一致するように、バルブリフトセンサの出力
信号に基づいてフィードバック制御される。
【0005】上記従来のEGR装置によれば、内燃機関
の運転状態に応じた適量の排気ガスを、精度良く吸気通
路側に還流させることができる。吸気通路に還流された
排気ガスは、内燃機関の燃焼室内に吸入される。排気ガ
スが燃焼室内に吸入されると、燃焼室内の燃焼温度が適
度に抑制され、NOxの発生が抑制される。このため、
上記従来のEGR装置によれば、内燃機関に対して、優
れた排気エミッション特性を付与することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、接触式のバ
ルブリフトセンサの出力特性は、その抵抗体の摩耗が促
進されるに連れて変化する。また、抵抗体の摩耗は、そ
の表面をブラシが頻繁に摺動するほど早期に進行する。
抵抗体には、ブラシの摺動がEGRバルブの適正な制御
に伴うものである場合には、大きな摩耗を生じさせない
だけの耐摩耗性が付与されている。従って、EGRバル
ブおよびブラシが、予め定められた制御内容に従って作
動するだけであれば、抵抗体の摩耗に起因して、バルブ
リフトセンサの出力特性に大きな変化が生ずることはな
い。
【0007】しかしながら、内燃機関の運転状態によっ
ては、排気の脈動とEGRバルブの固有振動数とが一致
し、EGRバルブに共振運動が生ずる場合がある。かか
る共振運動が生ずると、抵抗体の局部とブラシとの摺動
が生じ、抵抗体に局部的な摩耗が発生することがある。
また、EGRバルブが、その最大リフト位置まで繰り返
し作動されると、最大リフト位置を規制するストッパか
ら摩耗粉が発生されることがある。かかる摩耗粉が生ず
ると、その摩耗粉がバルブリフトセンサの内部で摩耗促
進剤として機能し、抵抗体の摩耗が大きく促進されるこ
とがある。
【0008】このように、内燃機関の運転状態、およ
び、バルブリフトセンサの作動状態等によっては、十分
な耐摩耗性が与えられているにも関わらず、バルブリフ
トセンサの抵抗体に大きな摩耗が発生することがある。
そして、このような摩耗が生ずると、バルブリフトセン
サの出力特性には大きな変化が生じる。
【0009】上記従来のEGR装置において、バルブリ
フトセンサの出力特性に大きな変化が生ずると、その出
力信号に基づいて検出されるEGRバルブの実リフト位
置の検出精度が損なわれる。この点、上記従来のEGR
装置は、バルブリフトセンサが接触式のセンサであるこ
とに起因して、EGRバルブのリフト位置検出精度を損
ない易いという問題を有するものであった。
【0010】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、接触式のバルブリフトセンサを用いつつ、EG
Rバルブのリフト位置を、優れた耐久性および優れた検
出精度の下に検出し得る内燃機関の排気還流装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、排気通路と吸気通路との導通状態を制
御する排気還流バルブと、前記排気還流バルブの開度を
検出する接触式バルブリフトセンサとを備え、内燃機関
の運転状態に応じて、排気ガスの一部を吸気通路に還流
させる内燃機関の排気還流制御装置において、内燃機関
の運転状態が、前記排気還流バルブに所定の振動を与え
る運転状態にあるときに、前記排気還流バルブを強制的
に全閉状態とするバルブ全閉手段を備える内燃機関の排
気還流制御装置により達成される。
【0012】本発明において、排気還流バルブに、その
制御に起因しない振動が生ずる可能性がある場合は、排
気還流バルブが強制的に全閉状態とされる。強制的に全
閉状態とされた排気還流バルブには振動が生じない。こ
のため、排気還流バルブの制御に起因しない振動が接触
式バルブリフトセンサに伝達されることはない。
【0013】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
排気通路と吸気通路との導通状態を制御する排気還流バ
ルブと、前記排気還流バルブの開度を検出する接触式バ
ルブリフトセンサとを備え、内燃機関の運転状態に応じ
て、排気ガスの一部を吸気通路に還流させる内燃機関の
排気還流制御装置において、内燃機関の運転状態が、前
記排気還流バルブに所定の振動を与える運転状態にある
ときに、前記排気還流バルブのリフト位置を周期的に変
化させるリフト位置変更手段を備える内燃機関の排気還
流制御装置によっても達成される。
【0014】本発明において、排気還流バルブに、その
制御に起因しない振動が生ずる可能性がある場合は、排
気還流バルブのリフト位置を周期的に変化させられる。
リフト位置が周期的に変化すると、接触式バルブリフト
センサの接触部に、局部的な摩耗が生ずることはない。
このため、接触式バルブリフトセンサの出力特性に大き
な変化は生じない。
【0015】請求項3に記載する如く、上記請求項2記
載の内燃機関の排気還流制御装置において、前記吸気通
路内を流通する吸入空気量を制御する吸気絞り弁と、前
記リフト位置変更手段が前記排気還流バルブのリフト位
置を変化させる際に、吸入空気中に占める排気ガスの割
合が所定値となるように、前記吸気絞り弁の開度を制御
する絞り弁制御手段と、を備える内燃機関の排気還流制
御装置は、内燃機関の排気エミッションを良好に維持す
るうえで有効である。
【0016】本発明において、排気還流バルブのリフト
位置が周期的に変更される際には、絞り弁制御手段によ
って吸気絞り弁の開度も変更される。排気還流バルブの
開度が変化すると、排気通路と吸気通路との導通状態が
変化する。このため、吸入空気量が一定であると、内燃
機関に吸入される空気中に排気ガスが占める割合が変化
する。排気ガスの割合が過剰となると、排気ガスに未燃
成分が含まれ易くなる。一方、排気ガスの割合が不足す
ると、排気ガスに可燃成分が含まれ易くなる。このた
め、排気エミッションを良好に維持するためには、吸入
空気中に占める排気ガスの割合は適切な値に維持される
ことが望ましい。絞り弁制御手段は、その割合が適切な
値に維持されるように、排気絞り弁の開度を調整する。
【0017】上記の目的は、請求項4に記載する如く、
排気通路と吸気通路との導通状態を制御する排気還流バ
ルブと、前記排気還流バルブの開度を検出する接触式バ
ルブリフトセンサとを備え、内燃機関の運転状態に応じ
て、排気ガスの一部を吸気通路に還流させる内燃機関の
排気還流制御装置において、前記排気還流バルブの最大
リフト位置を規制するストッパと、前記排気還流バルブ
の最大リフト位置を学習する最大リフト位置学習手段
と、前記排気還流バルブの目標リフト位置を、前記最大
リフト位置未満に規制する目標位置規制手段と、を備え
る内燃機関の排気還流制御装置によっても達成される。
【0018】本発明において、排気還流バルブの最大リ
フト位置はストッパによって規制される。排気還流バル
ブが、繰り返し最大リフト位置まで作動すると、ストッ
パから摩耗粉が発生し、その摩耗粉が摩耗促進剤となっ
て接触式バルブリフトセンサの摩耗が大きく促進される
場合がある。本発明においては、排気還流バルブの目標
リフト位置が、最大リフト位置学習手段によって学習さ
れた最大リフト未満に規制される。このため、排気還流
バルブのリフト位置が最大リフト位置まで到達すること
が稀であり、摩耗粉の発生量が抑制される。
【0019】上記の目的は、請求項5に記載する如く、
上記請求項4記載の内燃機関の排気還流制御装置におい
て、前記排気還流バルブの実リフト位置が前記目標リフ
ト位置に一致するように前記排気還流バルブのリフト位
置をフィードバック制御するフィードバック制御手段
と、前記目標リフト位置が前記最大リフト位置近傍の値
であるときに、前記目標リフト位置が前記最大リフト位
置から離間しているときに比してフィードバック制御量
を小さくする第1フィードバック制御量変更手段と、を
備える内燃機関の排気還流制御装置によっても達成され
る。
【0020】本発明において、排気還流バルブは、その
実リフト位置が目標リフト位置に一致するようにフィー
ドバック制御される。目標リフト位置が最大リフト位置
の近傍である場合は、最大リフト位置を超えるオーバー
シュート量を抑制すべく、小さなフィードバック制御量
が設定される。また、目標リフト位置が最大リフト位置
から離間している場合は、制御の応答性を高めるべく、
大きなフィードバック制御量が設定される。
【0021】上記の目的は、請求項6に記載する如く、
上記請求項5記載の内燃機関の排気還流制御装置におい
て、前記実リフト位置が前記最大リフト位置を超えてい
るときには、前記実リフト位置が前記最大リフト位置を
超えていないときに比してフィードバック制御量を大き
くする第2フィードバック制御量変更手段を備える内燃
機関の排気還流制御装置によっても達成される。
【0022】本発明において、排気還流バルブの実リフ
ト位置が最大リフト位置を超えているときは、すなわ
ち、排気還流バルブの実リフト位置が最大リフト位置を
超えてオーバーシュートしているときは、大きなフィー
ドバック制御量が設定される。かかる状況下で大きなフ
ィードバック制御量が設定されると、速やかに実リフト
位置のオーバーシュートが収束される。
【0023】上記の目的は、請求項7に記載する如く、
排気通路と吸気通路との導通状態を制御する排気還流バ
ルブと、前記排気還流バルブの開度を検出する接触式バ
ルブリフトセンサとを備え、内燃機関の運転状態に応じ
て、排気ガスの一部を吸気通路に還流させる内燃機関の
排気還流制御装置において、前記排気還流バルブの、駆
動信号に対する理想のリフト特性を記憶する理想特性記
憶手段と、内燃機関が所定の運転状態である場合に、前
記排気還流バルブを強制的に開弁させた際に前記接触式
バルブリフトセンサによって検出される測定上のリフト
位置に基づいて、前記排気還流バルブの、駆動信号に対
する測定上のリフト特性を検出する測定リフト特性検出
手段と、前記理想のリフト特性と、前記測定上のリフト
特性との比較に基づいて、前記接触式バルブリフトセン
サの出力値と前記排気還流バルブの実リフト位置との関
係を補正するリフト位置補正手段と、前記吸気通路内を
流通する吸入空気量を制御する吸気絞り弁と、前記測定
リフト特性検出手段が、前記排気還流バルブを強制的に
開弁させる際に、前記吸気絞り弁を全開状態とする絞り
弁全開手段と、を備える内燃機関の排気還流制御装置に
より達成される。
【0024】本発明において、接触式バルブリフトセン
サの出力特性に変化が生ずると、測定上のリフト特性と
理想のリフト特性との間には相違が生ずる。リフト位置
補正手段は、その相違に基づいて、接触式バルブリフト
センサの出力値と、排気還流バルブの実リフト位置との
関係を補正する。測定上のリフト特性を検出するために
は、排気還流バルブを強制的に開弁させる必要がある。
この際、吸入空気量が少量であると、吸入空気中に占め
る排気ガスの割合が過剰となり、排気エミッション悪化
の原因となる。本発明において、排気還流バルブが強制
的に開弁される際には、吸気絞り弁が全開状態とされ
る。吸気絞り弁が全開状態とされると、十分な吸入空気
量が得られるため、排気還流バルブが強制的に開弁され
る場合においても、排気エミッションを良好に維持する
ことができる。
【0025】また、上記の目的は、請求項8に示す如
く、上記請求項7記載の内燃機関の排気還流制御装置に
おいて、前記排気還流バルブの実リフト位置が目標リフ
ト位置に一致するように、前記排気還流バルブのリフト
位置をフィードバック制御するフィードバック制御手段
と、前記理想のリフト特性と前記測定上のリフト特性と
のずれが所定レベルを超えている場合に、前記フィード
バック制御の実行を禁止して、前記排気還流バルブを内
燃機関の運転状態に基づいてオープン制御するオープン
制御手段と、を備える内燃機関の排気還流制御装置によ
っても達成される。
【0026】本発明において、理想のリフト特性と測定
上のリフト特性とが大きくずれている場合、すなわち、
接触式バルブリフトセンサの出力特性が大きく初期特性
からずれている場合は、接触式バルブリフトセンサの出
力値に基づくフィードバック制御が禁止され、排気還流
バルブのオープン制御が実行される。排気還流バルブ
は、オープン制御によってもある程度の精度で制御する
ことができる。接触式バルブリフトセンサの出力特性が
大きく初期特性からずれている場合には、フィードバッ
ク制御を実行するよりも、むしろオープン制御を実行す
るほうが、高い制御精度を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
内燃機関の排気還流装置10の構成図を示す。排気還流
装置10は、EGR通路12を備えている。EGR通路
12は中空の環状部材である。EGR通路12の一端、
および、その他端近傍の側面には、内燃機関の排気通路
に連通する排気側管路14、および、内燃機関の吸気通
路に連通する吸気側管路16が嵌合されている。
【0028】EGR通路12の内部には、バルブシート
18が配設されている。バルブシート18の上部にはE
GRバルブ20が配設されている。図1に示す状態で
は、EGRバルブ20がバルブシート18に着座してい
る。以下、この状態をリフト“0”の状態と称す。EG
Rバルブ20の中央部には弁軸22が固定されている。
また、弁体20には、弁軸22を取り巻くように外管2
4が固定されている。
【0029】EGR通路12の上端部には、嵌合部材2
6が嵌合されている。嵌合部材26の中央部には貫通孔
28が設けられている。嵌合部材26には、その上部か
ら、貫通孔28を貫くように、内管30が配設されてい
る。内管30は、弁軸22に比して大きく、かつ、外管
24に比して小さな直径を有している。また、内管30
および外管24の軸長は、両者にある程度のオーバーラ
ップが生ずるように設計されている。嵌合部材26に
は、また、保持部材32が嵌合されている。保持部材3
2は、その中央部に、弁軸22を保持するための貫通孔
34を備えている。弁軸22は、貫通孔34の内部に、
摺動可能に保持されている。
【0030】EGR通路12の上部には、負圧アクチュ
エータ36が配設されている。負圧アクチュエータ36
は、ハウジング38を備えている。ハウジング38の内
部にはダイアフラム40が配設されている。ダイアフラ
ム40は、ハウジング38の内部空間を変圧室42と大
気室44とに隔成している。ダイアフラム40の上下に
は、それぞれアッパプレート46およびロアプレート4
8が配設されている。アッパプレート46およびロアプ
レート48は、ダイヤフラム40と共に、それらの中央
部において弁軸22に固定されている。
【0031】アッパプレート46には、ストッパ50が
設けられている。ストッパ50は、アッパプレート46
が図1に示す状態から所定長だけ上方に変位することに
より、ハウジング38の、図1中に↑で示す部位に当接
する。ストッパ50は、負圧アクチュエータ36におい
て、EGRバルブ20の最大リフト位置を規制する部材
として機能する。変圧室42には、スプリング52が配
設されている。スプリング52は、アッパプレート46
を図1に於ける下方へ付勢している。スプリング52の
付勢力は、EGRバルブ20をバルブシート18に着座
させる力として作用する。
【0032】負圧アクチュエータ36の変圧室42に
は、制御圧導入通路54が連通している。制御圧導入通
路は、電気式負圧レギュレーティングバルブ56(以
下、E−VRV56と称す)に連通されている。E−V
RV56には、内燃機関の吸気通路等の負圧源に連通す
る負圧導入孔58と、大気に開口された大気導入孔60
とを備えている。また、負圧アクチュエータ36の上部
には、接触式バルブリフトセンサ62が配設されてい
る。バルブリフトセンサ62は、弁軸22の変位量を検
出するセンサであり、その内部で弁軸22と連結されて
いる。
【0033】図2は、排気還流装置10の構成要素を機
能的に表した概念図を示す。図2に示す如く、E−VR
V56は、オン状態とされることにより負圧導入孔58
と制御圧導入通路54とを導通状態とし、オフ状態とさ
れることにより大気導入孔60と制御圧導入通路54と
を導通状態とする2位置の電磁弁である。従って、負圧
アクチュエータ36の変圧室42には、E−VRV56
がオン状態とされることにより負圧が導かれ、一方、E
−VRV56がオフ状態とされることにより大気圧が導
かれる。
【0034】図2に示す如く、接触式バルブリフトセン
サ62は、その内部に抵抗体64およびブラシ66を備
えている。抵抗体64の両端には、電源電圧+Bが印加
されている。ブラシ66は、その先端部が抵抗体64の
表面に接する状態で弁軸22に連結されている。従っ
て、ブラシ66は、その先端部を抵抗体64に摺動させ
ながら、弁軸22と共に変位することができる。
【0035】EGRバルブ20がバルブシート18に着
座した状態では、ブラシ66の先端部が、ほぼ抵抗体6
6の下端部に接触する。この場合、ブラシ66には、ほ
ぼ接地レベルの電位が現れる。また、EGRバルブ20
が最大リフト位置に位置する場合は、ブラシ66の先端
部が、ほぼ抵抗体66の上端部に接触する。この場合、
ブラシ66には、ほぼ電源電圧レベルの電位が現れる。
抵抗体64は、初期状態では、単位長あたりの抵抗値が
軸方向に均一となるように構成されている。抵抗体64
の状態が軸方向に均一であると、EGRバルブ20がリ
フト“0”の状態から最大リフト位置まで移動する過程
で、ブラシ66には、EGRバルブ20のリフト量に比
例した電位が現れる。従って、この場合は、ブラシ66
に現れる電位に基づいて、精度良くEGRバルブ20の
リフト位置を検出することができる。
【0036】図2に示す如く、排気還流装置10は、電
子制御装置68(以下、ECU68と称す)を備えてい
る。ECU68には、E−VRV56および接触式バル
ブリフトセンサ62に加えて、NEセンサ70、TAセ
ンサ72、IGスイッチ74、水温センサ76、およ
び、大気圧センサ78が接続されている。
【0037】NEセンサ70は、内燃機関の機関回転数
NEに応じた周期でパルス信号を出力する。TAセンサ
72は、吸気通路内に設けられた吸気絞り弁の開度TA
に応じた信号を出力する。尚、吸気絞り弁は、吸気通路
内の導通状態を制御する弁機構であり、アクセルペダル
に連動して作動する。吸気絞り弁の開度が大きいほど吸
気通路内に多量の空気を流通させることができる。
【0038】IGスイッチ74は、車両のイグニッショ
ンキーがオン位置にセットされることによりオン状態と
なる。水温センサ76は、内燃機関の冷却水温THWに
応じた信号を出力する。また、大気圧センサ78は、内
燃機関を取り巻く大気圧Pに応じた信号を出力する。E
CU68は、これらのセンサまたはスイッチ70〜78
の出力信号、および、接触式バルブリフトセンサ62の
出力信号に基づいて、EGRバルブ20のリフト量が目
標リフト量となるように、E−VRV56をデューティ
駆動する。
【0039】本実施例の排気還流装置10において、E
GRバルブ20が適当なリフト位置に制御されると、内
燃機関の排気通路と吸気通路とが、そのリフト位置に応
じた有効開口面積で導通する。内燃機関の運転中は、排
気通路には高圧の排圧が、また、吸気通路には吸気負圧
が生じている。このため、排気通路と吸気通路とが導通
されると、排気通路内を流通している排気ガスの一部
が、排気通路側へ還流される。
【0040】吸気通路に流入した排気ガスは、その後内
燃機関の燃焼室内に流入する。燃焼室内に、空気および
燃料と共に排気ガスが吸入されると、燃焼室内の燃焼温
度が低下する。燃焼温度が低下すると、排気ガス中に含
まれるNOx等の可燃成分の割合が低下する。一方、燃
焼温度が過度に低下すると排気ガス中に含まれるCO、
HC等の未燃成分の割合が増加する。このため、内燃機
関においては、その運転中に適量の排気ガスを還流させ
ることにより良好な排気エミッションを得ることができ
る。
【0041】排気通路から吸気通路に還流される排気ガ
スの量は、EGRバルブ20の開度(すなわちリフト位
置)と、排気通路と吸気通路の差圧とで決定される。E
GRバルブ20のリフト位置は、負圧アクチュエータ3
6の変圧室42に導かれる負圧の大きさに応じて変化す
る。また、変圧室42に導かれる負圧の大きさは、E−
VRV56がオン状態とされるデューティ比、すなわ
ち、E−VRV56に供給される駆動信号のデューティ
比によって決定される。ECU68は、内燃機関10の
運転状態に応じて、吸入空気中に占める排気ガスの割合
が適当な値となるように、E−VRV56に供給する駆
動信号のデューティ比を決定する。尚、以下の記載にお
いては、吸入空気中に占める排気ガスの割合をEGR率
と称す。
【0042】本実施例のシステムにおいて、適当なEG
R率を達成するためにEGRバルブ20に要求されるリ
フト位置(以下、EGRバルブ20の目標リフト位置T
ELFと称す)と、内燃機関の運転状態との関係は予め
把握することができる。そこで、本実施例においては、
目標リフト位置TELFと内燃機関の運転状態との基本
的な関係を定めたマップを作成し、そのマップに基づい
て目標リフト位置TELFを求めることとしている。
【0043】また、本実施例のシステムにおいては、E
GRバルブ20のリフト位置と、E−VRV56に供給
される駆動信号のデューティ比との関係も予め把握する
ことができる。従って、目標リフト位置TELFとデュ
ーティ比との関係を予め把握し、その関係に従ってE−
VRV56をオープン制御することによってもEGRバ
ルブ20のリフト位置を目標リフト位置TELFに調整
することは可能である。
【0044】しかしながら、より精度良くリフト位置を
制御するためには、EGRバルブ20のリフト位置を検
出し、そのリフト位置が目標リフト位置TELFと一致
するようにE−VRV56をフィードバック制御するこ
とが有利である。そこで、ECU68は、接触式バルブ
リフトセンサ62の出力信号に基づいてEGRバルブ2
0のリフト位置を測定し、その測定リフト位置AELF
* が、内燃機関の運転状態に基づいて設定される目標リ
フト位置TELFと一致するようにE−VRV56をフ
ィードバック制御することとしている。
【0045】接触式バルブリフトセンサ62は、上述の
如く、抵抗体64がその軸方向に均一な特性を有してい
る場合には、EGRバルブ20のリフト位置に対して、
その出力信号をほぼリニアに変化させる。ところが、ブ
ラシ66が摺動することにより抵抗体64の表面に摩耗
し、その結果、抵抗体の特性が軸方向に不均一となる
と、接触式バルブリフトセンサ62のリニアな出力特性
には変化が生ずる。そして、かかる変化が生ずると、E
CU68が接触式バルブリフトセンサ62の出力信号に
基づいて演算する測定リフト位置AELF* と、EGR
バルブ20の実リフト位置AELFとにずれが生じ、高
精度な排気ガス還流制御の実現が困難となる。
【0046】抵抗体64は、その表面をブラシ66が摺
動することを想定して作成されている。従って、EGR
バルブ20のリフト位置がECU68により制御される
ことに伴ってブラシ66が摺動する程度では、抵抗体6
4の表面に、その軸方向の特性を不均一とするような摩
耗が生ずることはない。
【0047】しかし、内燃機関の運転状態によっては、
EGRバルブ20に作用する排圧の脈動周期がEGRバ
ルブ20の固有振動数と一致する場合がある。内燃機関
の運転状態が、このような脈動発生条件を満たしている
場合に、EGRバルブ20が開弁されていると、ECU
68による制御とは無関係に、EGRバルブ20に、す
なわち、ブラシ66に高周波の振動が生ずる。そして、
ブラシ66に対してかかる振動が生ずると、抵抗体64
の特定の部位に局部的な摩耗が生じ、上述した不都合が
発生する。
【0048】本実施例の排気還流装置10は、上記の不
都合を回避すべく、内燃機関の運転状態が、脈動発生条
件を満たしている場合には、EGRバルブ20を閉弁状
態とする点に特徴を有している。図3は、上記の機能を
実現すべくECU68が実行する制御ルーチンの一例の
フローチャートを示す。図3に示すルーチンは、例えば
8msec毎に起動される定時割り込みルーチンである。図
3に示すルーチンが起動されると、先ずステップ100
の処理が実行される。
【0049】ステップ100では、機関回転数NE、お
よび、内燃機関の負荷に基づいて、基準の目標リフト位
置TELFが演算される。目標リフト位置TELFは、
上記の如く予め設定されているマップを参照することで
求められる。尚、内燃機関の負荷は、例えば、他のルー
チンで演算される燃料噴射量等に対応している。上記の
処理が終了すると、次にステップ102の処理が実行さ
れる。
【0050】ステップ102では、内燃機関の冷却水温
THWに基づく水温補正係数METHW、および、大気
圧に基づく高地補正係数MEPiMが演算される。冷却
水温度THWが低温である場合に多量の排気ガスが還流
されると、燃焼室内の摩耗が促進され易い。水温補正係
数METHWは、かかる不都合を回避するための補正係
数である。また、車両が高地を走行中である場合は、大
気圧の低下に伴って、EGRバルブ20の開度と、実現
されるEGR率との関係が変化する。高地補正係数ME
PiMは、この影響を除去するための補正係数である。
上記の処理が終了すると、次にステップ104の処理が
実行される。
【0051】ステップ104では、マップから得られた
基準の目標リフト位置TELFに、水温補正係数MET
HW、および、高地補正係数MEPiMを乗算して、最
終的な目標リフト位置TELFを演算する処理が実行さ
れる。上記の処理が終了すると、次にステップ106の
処理が実行される。
【0052】ステップ106では、機関回転数NE、お
よび、内燃機関の負荷等から、内燃機関の運転状態が脈
動発生条件を満たしているか否かが判別される。本実施
例では、内燃機関の各気筒から排気ガスが排出される周
期と、EGRバルブ20の固有振動数とが対応してお
り、かつ、EGRバルブ20に作用する排圧が、EGR
バルブ20に変位を与える程度に高圧である場合に、内
燃機関の運転状態が脈動状態を満たしていると判別され
る。かかる判別がなされた場合は、次にステップ108
の処理が実行される。
【0053】ステップ108では、目標リフト位置TE
LFを“0”とする処理、すなわち、EGRバルブ20
を全閉状態とするための処理が実行される。上記の処理
が終了すると、以後、測定リフト位置AELF* を目標
リフト位置TELFに一致させるためのフィードバック
制御を実現するための処理等が実行された後、今回のル
ーチンが終了される。この場合、フィードバック制御の
実行に伴ってEGRバルブ20は全閉状態に制御され
る。
【0054】一方、上記ステップ106で、内燃機関の
運転状態が脈動発生条件を満たしていないと判別された
場合は、ステップ108の処理がジャンプされ、ステッ
プ106の処理に次いでフィードバック制御を実現する
ための処理等が実行された後、今回のルーチンが終了さ
れる。この場合、フィードバック制御の実行に伴ってE
GRバルブ20のリフト位置は目標リフト位置TELF
に制御される。
【0055】上記の処理によれば、内燃機関において脈
動条件を満たさない運転状態が実現されている場合に
は、EGRバルブ20のリフト位置を、良好な排気エミ
ッションを得るうえで有効なリフト位置に制御すること
ができると共に、内燃機関において脈動条件を満たす運
転状態が実現されている場合には、ブラシ66の振動を
禁止し得る状態を実現することができる。従って、本実
施例の排気還流装置10によれば、抵抗体64の摩耗に
伴う接触式バルブリフトセンサ62の出力特性の変化を
有効に抑制することができる。
【0056】尚、上記の実施例においては、EGRバル
ブ20が前記請求項1記載の「排気還流バルブ」に相当
していると共に、ECU68が上記ステップ106およ
び108の処理を実行することにより前記請求項1記載
の「バルブ全閉手段」が実現されている。
【0057】次に、図4を参照して、本発明の第2実施
例について説明する。本実施例の排気還流装置は、図1
および図2に示すシステム構成において、ECU68
に、上記図3に示すルーチンに代えて図4に示すルーチ
ンを実行させることにより実現される。
【0058】上述した第1実施例は、脈動条件を満たす
運転状態が実現された場合に、EGRバルブ20を全閉
状態とすることで抵抗体64の過度の摩耗を防止するこ
ととしている。しかしながら、内燃機関の排気エミッシ
ョンを良好に維持するうえでは、脈動条件を満たす運転
状態が実現された場合にも排気ガスが還流されることが
望ましい。
【0059】一方、接触式バルブリフトセンサ62の抵
抗体64は、高い耐摩耗性を備えているため、排気の脈
動に伴ってブラシ66に振動が伝達されても、その振動
に伴う摺動領域が抵抗体64の広い領域に分散されてい
れば、接触式バルブリフトセンサ62の出力特性に影響
を与えるような摩耗が抵抗体64に生ずることはない。
本実施例は、上記の観点より、内燃機関の運転状態が脈
動条件を満たす場合には、EGRバルブ20の目標リフ
ト位置TELFを周期的に変化させることとした点に特
徴を有している。
【0060】図4は、上記の機能を実現すべくECU6
8が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図4に示すルーチンは、例えば8msec毎に起動され
る定時割り込みルーチンである。尚、図4に示すルーチ
ンにおいて、上記図3に示すルーチンと同一の処理を実
行するステップには、同一の符号を付してその説明を省
略または簡略する。
【0061】図4に示すルーチンにおいては、ステップ
106で、内燃機関の運転状態が脈動条件を満たしてい
ると判別された場合に、次いでステップ200の処理が
実行される。ステップ200では、次式に従って目標リ
フト位置TELFが演算される。
【0062】 TELF=TELF+C1 { sin(C2 ・t)−1} ・・・(1) 尚、上記(1)式において、右辺第1項の“TELF”
はステップ104で演算された目標リフト位置TELF
である。また、右辺第2項中“C1 ”および“C2 ”は
共に適合係数であり、“t”は時間である。
【0063】上記(1)式中、右辺第2項は、時間tの
経過と共に“−2C1 〜0”の範囲で周期的に変化す
る。このため、(1)式により演算される目標リフト位
置TELFは、ステップ104で演算された目標リフト
位置TELFを最大値とする周期的な変化を示す。
【0064】ステップ200の処理が終了すると、以
後、測定リフト位置AELF* を上記(1)式により演
算された目標リフト位置TELFに一致させるためのフ
ィードバック制御が実行された後、今回のルーチンが終
了される。上記の処理によれば、内燃機関の運転状態が
脈動条件を満たす場合、EGRバルブ20およびブラシ
66には、排気ガスの脈動に起因する振幅の小さな高周
波振動が生ずると共に、振幅をC1 とする低周波の正弦
波振動が生ずる。
【0065】EGRバルブ20およびブラシ66に、上
述した高周波振動と低周波振動とが同時に生ずると、ブ
ラシ66の摺動領域が抵抗体65の広い領域に分散され
る。このため、本実施例の排気還流装置10によれば、
内燃機関の運転状態が脈動条件を満たす場合にも排気ガ
スの還流を続行しつつ、抵抗体64に大きな摩耗が生ず
るのを防止することができる。
【0066】更に、本実施例においては、EGRバルブ
20のリフト位置がステップ104で演算された目標リ
フト位置TELFを超えることがないように、EGRバ
ルブ20のリフト位置が周期的に変更される。このた
め、リフト位置が周期的に変化することにより、EGR
率が過剰となることはない。従って、本実施例の排気還
流装置10によれば、止し得る状態を実現することがで
きる。従って、本実施例の排気還流装置10によれば、
接触式バルブリフトセンサ62の特性変化を抑制し得る
という効果を、排気エミッションの大幅な悪化を伴うこ
となく実現することができる。
【0067】ところで、上記の実施例においては、EG
Rバルブ20のリフト位置を周期的に変化させるにあた
り、上記(1)式に示す如く目標リフト位置TELFを
正弦波振動させることとしているが、リフト位置を周期
的に変化させる手法はこれに限定されるものではない。
【0068】尚、上記の実施例においては、EGRバル
ブ20が前記請求項2記載の「排気還流バルブ」に相当
していると共に、ECU68が上記ステップ106およ
び200の処理を実行することにより前記請求項2記載
の「リフト位置変更手段」が実現されている。
【0069】次に、図5を参照して、本発明の第3実施
例について説明する。本実施例の排気還流装置は、図1
および図2に示すシステム構成において、ECU68
に、上記図3または図4に示すルーチンに代えて図5に
示すルーチンを実行させると共に、内燃機関の吸気通路
に配設される吸気絞り弁を、アクセルペダルと独立に電
気的に駆動し得る独立ベンチュリ式とすることにより実
現される。
【0070】上述した第2実施例は、脈動条件を満たす
運転状態が実現された場合に、EGRバルブ20のリフ
ト位置を周期的に変化させることにより接触式バルブリ
フトセンサの出力特性が変化するのを防止することとし
ている。ところで、内燃機関において良好な排気エミッ
ションを実現するためには、EGR率が過剰とならない
ように配慮する必要があると共に、その値が不足しない
ように配慮することも必要である。
【0071】これに対して、上記第2実施例の手法によ
っては、EGRバルブ20のリフト位置を周期的に変化
させるにあたり、EGR率が過剰となることは防止でき
ても、EGR率が不足するのを防止することができな
い。本実施例は、上記の観点より、EGRバルブ20の
目標リフト位置TELFが周期的に変化される際には、
その変化と同期して、独立ベンチュリ式の吸気絞り弁の
開度も周期的に変化させることとした点に特徴を有して
いる。
【0072】図5は、上記の機能を実現すべくECU6
8が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図5に示すルーチンは、例えば8msec毎に起動され
る定時割り込みルーチンである。尚、図5に示すルーチ
ンにおいて、上記図4に示すルーチンと同一の処理を実
行するステップには、同一の符号を付してその説明を省
略または簡略する。
【0073】図5に示すルーチンにおいては、ステップ
104において目標リフト位置TELFが演算された
後、ステップ300の処理が実行される。ステップ30
0では、機関回転数NEおよび内燃機関の負荷等に基づ
いて、吸気絞り弁の目標開度LUTRGが演算される。
目標開度LUTRGは、内燃機関の運転状態に対して必
要な吸入空気量を実現するうえで最適な開度である。
【0074】上記ステップ300の処理が終了すると、
次にステップ106で、内燃機関の運転状態が脈動条件
を満たしているか否かが判別される。その結果、脈動条
件が満たされていると判別される場合は、以後、上記の
如く設定した目標リフト位置TELF、および、目標開
度LUTRGを実現するための処理が実行された後、今
回のルーチンが終了される。この場合、内燃機関の運転
状態に対して最適な吸入空気量と、その吸入空気量に対
してEGR率を理想的な値とし得るバルブリフト位置と
が実現される。
【0075】上記ステップ106で、内燃機関の運転状
態が脈動条件を満たしていると判別された場合は、ステ
ップ202において周期的に変動する目標リフト位置T
ELFを演算した後、ステップ302の処理が実行され
る。ステップ302では、次式に従って目標開度LUT
RGが演算される。
【0076】 LUTRG=LUTRG+C3 { sin(C2 ・t)−1} ・・・(2) 尚、上記(2)式において、右辺第1項の“LUTR
G”は上記ステップ300で演算された目標開度LUT
RGである。また、右辺第2項中“C3 ”は適合係数で
あり、“C2 ”および“t”は、上記(1)式の場合と
同様に、それぞれ適合係数および時間である。
【0077】上記(2)式中、右辺第2項は、時間tの
経過と共に“−2C3 〜0”の範囲で周期的に変化す
る。このため、(2)式により演算される目標開度LU
TRGは、ステップ300で演算された目標リフト位置
TELFを最大値とする周期的な変化を示す。ステップ
302の処理が終了すると、以後、測定リフト位置AE
LF* を上記(1)式により演算された目標リフト位置
TELFに一致させるための制御、および、吸気絞り弁
の開度を上記(2)式により演算された目標開度LUT
RGに一致させるための制御が実行された後、今回のル
ーチンが終了される。
【0078】上記の処理によれば、内燃機関の運転状態
が脈動条件を満たす場合、EGRバルブ20およびブラ
シ66には排気ガスの脈動に起因する高周波振動と、振
幅をC1 とする正弦波振動が生ずる。また、吸気絞り弁
には、振幅をC3 とする正弦波振動が生ずる。
【0079】本実施例において、上記(1)式に従って
演算される目標リフト位置TELFと、上記(2)式に
従って演算される目標開度LTRGとは、時間的に同じ
位相で増減する。また、上記(1)式に用いられている
適合係数C1 と、上記(2)式に用いられている適合係
数C3 とは、EGRバルブ20のリフト位置の変化に伴
う排気ガスの還流量の増減量と、吸気絞り弁の開度変化
に伴う吸入空気量の増減量とが同一となるように、すな
わち、目標リフト位置TELFおよび目標開度LUTR
Gが周期的に変化することによりEGR率が変化しない
ように設定されている。
【0080】このため、本実施例の排気還流装置10に
よれば、内燃機関の運転状態が脈動条件を満たす場合
に、EGR率を所定値に維持しながら、排気の脈動に起
因するブラシ66の摺動領域を抵抗体64の広い領域に
分散させることができる。従って、本実施例の排気還流
装置10によれば、上述した第1および2実施例と同様
に、接触式バルブリフトセンサ62の出力特性の変化を
有効に抑制し得ると共に、上述した第1および第2実施
例に比して、更に優れた排気特性を実現することができ
る。
【0081】尚、上記の実施例においては、独立ベンチ
ュリ式の吸気絞り弁が前記請求項3記載の「吸気絞り
弁」に相当していると共に、ECU68が上記ステップ
302の処理を実行することにより、前記請求項3記載
の「絞り弁制御手段」が実現されている。
【0082】次に、図6乃至図8を参照して、本発明の
第4実施例について説明する。本実施例の排気還流装置
は、図1および図2に示すシステム構成において、EC
U68に、上記図3乃至図5に示すルーチンに代えて図
6に示すルーチンを実行させることにより実現される。
【0083】図1に示す排気還流装置10において、E
GRバルブ20が最大リフト位置に到達すると、アッパ
プレート46が備えるストッパ50が、ハウジング38
に当接する。ストッパ50とハウジング38とが頻繁に
当接すると、ストッパ50およびハウジング38が発生
源となって、負圧アクチュエータ36の変圧室42の内
部に金属の摩耗粉が生ずる。
【0084】接触式バルブリフトセンサ62には、変圧
室42に開口する呼吸穴が設けられている。従って、上
記の如く変圧室42の内部に摩耗粉が生ずると、その摩
耗粉は容易に接触式バルブリフトセンサ62の内部に浸
入する。接触式バルブリフトセンサ62の内部に浸入し
た摩耗粉が抵抗体64の表面に付着すると、その摩耗粉
は、ブラシ66がその表面を摺動する際に、抵抗体64
の摩耗を促進する摩耗促進剤となる。従って、抵抗体6
4の摩耗を抑制するうえでは、摩耗粉の発生を抑制する
ことが重要である。
【0085】本実施例の排気還流装置10は、EGRバ
ルブ20がその最大リフト位置まで変位してストッパ5
0とハウジング38とが当接する頻度を抑制することに
より摩耗粉の発生を抑制し、抵抗体64の摩耗を抑制す
るうえで有利な状態を長期間に渡って維持する点に特徴
を有している。
【0086】図6は、上記の機能を実現すべくECU6
8が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図6に示すルーチンは、例えば8msec毎に起動され
る定時割り込みルーチンである。図6に示すルーチンが
起動すると、先ずステップ400の処理が実行される。
【0087】ステップ400では、機関回転数NEや内
燃機関の負荷等に基づいて、目標リフト位置TELFが
算出される。尚、本ステップ400の処理は、上記図3
乃至図5中に示すステップ100〜104の処理に相当
している。上記の処理が終了すると、次にステップ40
2の処理が実行される。
【0088】ステップ402では、目標リフト位置TE
LFが、上限ガード値TELFMAXを超えているか否
かが判別される。上限ガード値TELFMAXは、排気
還流装置10の個体差や経時変化等を考慮してIGスイ
ッチ74がオンとされる毎に更新される学習値である。
上限ガード値TELFMAXは、後述の如く、EGRバ
ルブ20の最大リフト位置未満の値に設定される。上記
の判別の結果、TELF>TELFMAXが成立する場
合には、次にステップ404の処理が実行される。一
方、上記の条件が不成立であると判別されると、次にス
テップ406の処理が実行される。
【0089】ステップ404では、目標リフト位置TE
LFを、上限ガード値TELFMAXに書き換える処理
が実行される。上記の処理によれば、目標リフト位置T
ELFは、常に上限ガード値TELFMAX以下の値に
ガードされる。上記の処理が終了すると、次にステップ
406の処理が実行される。
【0090】ステップ406では、EGRバルブ20の
最大リフト位置の学習が終了しているか否かが判別され
る。具体的には、最大リフト位置の学習状態を表す学習
終了フラグに“1”がセットされているか否かを判別す
る。学習終了フラグは、最大リフト値が学習されること
により“1”がセットされ、IGスイッチ74がオフと
されることにより“0”にリセットされるフラグであ
る。従って、今回の処理がIGスイッチ74がオンとさ
れた後、初回の処理であれば本ステップ406では、最
大リフト位置の学習が終了していないと判別される。か
かる判別がなされると、次にステップ408の処理が実
行される。一方、既に最大リフト位置の学習が終了して
いると判別された場合は、次にステップ414の処理が
実行される。
【0091】ステップ408では、最大リフト位置の学
習条件が成立しているか否かが判別される。最大リフト
位置の学習は、EGRバルブ20を全開状態とすること
により行われる。このため、本ステップでは、最大リフ
ト位置の学習条件として、EGRバルブ20を全開状態
としても問題のない運転状態が形成されているか否かが
判別される。具体的には、内燃機関に対する燃料噴射が
停止されている場合、または、ある程度の期間、内燃機
関が軽負荷状態に維持されている場合等に学習条件が成
立すると判断される。かかる判別がなされると、次にス
テップ410の処理が実行される。一方、最大リフト位
置の学習条件が成立していないと判別された場合は、次
にステップ414の処理が実行される。
【0092】ステップ410では、最大リフト位置の学
習が行われる。具体的には、E−VRV56に対する駆
動信号のデューティ比が徐々に増加され、接触式バルブ
リフトセンサ62の出力信号が上限値に収束した時点
で、その出力信号に対応する測定リフト位置AELF*
がEGRバルブ20の最大リフト位置として記憶され
る。上記の処理が終了すると、学習終了フラグに“1”
がセットされた後、ステップ412の処理が実行され
る。
【0093】ステップ412では、上限ガード値TEL
FMAXが演算される。上限ガード値TELFMAX
は、最大リフト位置として記憶された測定リフト位置A
ELF * から所定値αを減じることにより求められる。
所定値αは、EGRバルブ20を全開側に駆動する際
に、本実施例のシステムにおいて生じ得るオーバーシュ
ートの最大値に相当している。上記の処理が終了する
と、次にステップ414の処理が実行される。
【0094】ステップ414では、接触式バルブリフト
センサ62の出力信号に基づいて検出される測定リフト
位置AELF* と、上記ステップ400〜404で設定
された目標リフト位置TELFとの偏差ΔT* =AEL
* −TELFが演算される。ΔT* は、測定リフト位
置AELF* が目標リフト位置TELFを超えている場
合に正の値となり、一方、測定リフト位置AELF*
目標リフト位置TELFに不足している場合に負の値と
なる。上記の処理が終了すると、次にステップ416の
処理が実行される。
【0095】ステップ416では、目標リフト位置TE
LFが上限ガード値TELFMAXに一致しているか否
かが判別される。TELF=TELFMAXが不成立で
ある場合は、EGRバルブ20のリフト位置がオーバー
シュートによって上限ガード値TELFMAXを超え難
い状況にあると判断することができる。この場合、次に
ステップ418の処理が実行される。一方、TELF=
TELFMAXが成立する場合は、EGRバルブ20の
リフト位置が、オーバーシュートによって上限ガード値
TELFMAXを大きく超え易い状態にあると判断する
ことができる。この場合、次にステップ420の処理が
実行される。
【0096】ステップ418では、リフト位置のフィー
ドバック制御量である積分項DIが、図7に示すマップ
Aに基づいて演算される。一方、ステップ420では、
リフト位置のフィードバック制御量である積分項が、図
8に示すマップBに基づいて演算される。上記の処理が
終了すると、次にステップ422の処理が実行される。
【0097】ステップ422では、前回の処理時に演算
されたデューティ比DEFiN(i−1)と、今回の処
理により演算された積分項DIとを加算することによ
り、E−VRV56に供給する駆動信号のデューティ比
DEFiN(i)が演算される。従って、駆動信号のデ
ューティ比DEFiN(i)は、積分項DIの絶対値が
大きいほど急激な変化を示し、また、積分項DIの絶対
値が小さいほど緩やかな変化を示す。上記の処理が終了
すると、今回のルーチンが終了される。
【0098】上述の如く、本ルーチンによれば、EGR
バルブ20のリフト位置がオーバーシュートにより上限
ガード値TELFMAXを超え難い場合に図7に示すマ
ップAが用いられる。マップAは、ΔT* =0の近傍に
不感帯を備えている。従って、ΔT* が“0”付近の値
である場合は積分項DIが“0”とされる。また、マッ
プAには、ΔT* <0の領域(測定リフト位置AELF
* が目標リフト位置TELFに対して不足して領域)、
および、ΔT* >0の領域(測定リフト位置AELF*
が目標リフト位置TELFに対して過剰である領域)
に、それぞれ次式で表される関係式が定められている。
【0099】 ΔT* <0:DI=−K1 ・ΔT* −a≧0 ・・・(3) ΔT* >0:DI=−K1 ・ΔT* +a≦0 ・・・(4) 上記(3)式および(4)式に示す如く、マップAにお
いては、ΔT* に乗算される比例定数が、ΔT* <0の
場合も、ΔT* >0の場合も、共にK1 に設定されてい
る。このため、マップAが用いられる場合、EGRバル
ブ20が、目標リフト位置TELFに向けて開弁方向に
制御される過程でも、また、閉弁方向に制御される過程
でも、リフト位置は共に同じ応答性で変化する。比例定
数K1 は、不必要に大きなオーバーシュートが発生せ
ず、かつ、適当な応答正が得られる値に設定されてい
る。
【0100】また、本ルーチンによれば、EGRバルブ
20のリフト位置がオーバーシュートによって上限ガー
ド値TELFMAXを大きく超える可能性がある場合
に、上述の如く図8に示すマップBが用いられる。マッ
プBには、ΔT* <0の領域、および、ΔT* >0の領
域に、それぞれ次式で表される関係式が定められてい
る。
【0101】 ΔT* <0:DI=−K2 ・ΔT* ・・・(5) ΔT* >0:DI=−K3 ・ΔT* ・・・(6) 上記(5)式においてΔT* に乗算される比例定数K2
は、図7に示すマップAで用いられる比例定数K1 に比
して小さな値である。一方、上記(6)式においてΔT
* に乗算される比例定数K3 は、図7に示すマップAで
用いられる比例定数K1 に比して大きな値である。この
ため、マップBが用いられる場合、EGRバルブ20が
目標リフト位置TELFに向けて開弁方向に制御される
際には比較的緩やかな応答性が実現される。EGRバル
ブ20が緩やかに開弁側へ制御されると、EGRバルブ
20のオーバーシュート量が小さく抑制される。一方、
EGRバルブ20が閉弁方向に制御される際には、優れ
た応答性が実現される。EGRバルブ20が優れた応答
性の下に閉弁側へ制御されると、EGRバルブ20のオ
ーバーシュートは、速やかに収束される。
【0102】上述の如く、本実施例の排気還流装置10
によれば、EGRバルブ20の目標リフト位置TELF
を、常に上限ガード値TELFMAX以下の値に設定す
ることができると共に、リフト位置の制御応答性を損な
うことなく、上限ガード値TELFMAXを超えるオー
バーシュートの発生を有効に抑制することができる。こ
のため、排気還流装置10においては、抵抗体64の摩
耗促進剤として機能する摩耗粉の発生が最小限に抑制さ
れる。従って、本実施例の排気還流装置10によれば、
接触式バルブリフトセンサ62のリニアな出力特性を、
長期間にわたり、大きく変化させることなく維持するこ
とができる。
【0103】尚、上記の実施例においては、EGRバル
ブ20が前記請求項4記載の「排気還流バルブ」に相当
していると共に、ECU68が上記ステップ410の処
理を実行することにより前記請求項4記載の「最大リフ
ト位置学習手段」が、ECU68が上記ステップ41
2、402および404の処理を実行することにより前
記請求項4記載の「目標位置規制手段」がそれぞれ実現
されている。
【0104】また、上記の実施例においては、ECU6
8が上記ステップ422で演算されたデューティ比DE
FiN(i)を用いてE−VRV56を駆動することに
より前記請求項5記載の「フィードバック制御手段」
が、ECU68が上記ステップ416〜420の処理を
実行することにより前記請求項5記載の「第1フィード
バック制御量変更手段」および前記請求項6記載の「第
2フィードバック制御量変更手段」が、それぞれ実現さ
れている。
【0105】次に、図9乃至図12を参照して、本発明
の第5実施例について説明する。本実施例の排気還流装
置は、図1および図2に示すシステム構成において、E
CU68に図9および図12に示すルーチンを実行させ
ると共に、内燃機関の吸気通路に配設される吸気絞り弁
を、アクセルペダルと独立に電気的に駆動し得る独立ベ
ンチュリ式とすることにより実現される。
【0106】上述した第1乃至第4実施例は、接触式バ
ルブリフトセンサ62の出力特性の変化を抑制すること
により、接触式バルブリフトセンサ62を用いることに
よる弊害の除去を図っている。本実施例の排気還流装置
10は、接触式バルブリフトセンサ62の出力特性が変
化した場合に、その変化の影響を抑制することで、接触
式バルブリフトセンサ62を用いることによる弊害の除
去を図る点に特徴を有している。
【0107】図9は、本実施例の排気還流装置10に特
有な機能を実現すべくECU68が実行する制御ルーチ
ンの一例のフローチャートを示す。ECU68は、図9
に示す制御ルーチンを実行することにより、接触式バル
ブリフトセンサ62の出力特性に生じた変化の程度を検
出する。図9に示すルーチンは、IGスイッチ74がオ
ン状態とされる毎に実行されるイニシャルルーチンであ
る。図9に示すルーチンが起動されると、先ずステップ
500の処理が実行される。
【0108】上述の如く、本実施例のシステムでは、E
−VRV56をオープン制御することによっても、ある
程度の精度でEGRバルブ20のリフト位置を制御する
ことができる。特に、内燃機関がアイドル状態にある場
合に如く、排圧が小さな値で安定する状況下では、EG
Rバルブ20の実リフト位置AELFは、精度良くE−
VRV56に供給される駆動信号のデューティ比DEF
iNに対応した値となる。
【0109】従って、本実施例のシステムにおいては、
内燃機関がアイドル状態にある場合に、駆動信号のデュ
ーティ比DEFiNと、そのデューティ比DEFiNに
対して得られる測定リフト位置AELF* との間に適正
な関係が得られているか否かを監視することで、接触式
バルブリフトセンサ62の出力特性に変化が生じている
か否かを判断することができる。
【0110】ステップ500では、内燃機関の運転状態
が、駆動信号のデューティ比DEFiNとEGRバルブ
20の実リフト位置AELFとの間に一定の相関を発生
させる状態にあるか、具体的には内燃機関がアイドル状
態にあるか否かが判別される。その結果、内燃機関がア
イドル状態でないと判別された場合は、以後、何ら処理
が進められることなく今回のルーチンが終了される。一
方、内燃機関がアイドル状態であると判別された場合
は、次にステップ502の処理が実行される。
【0111】ステップ502では、吸気絞り弁の目標開
度TRGを100%とする処理、すなわち、吸気絞り弁
の目標開度を全開状態とする処理が実行される。後述の
如く、本ルーチンでは、EGRバルブ20の測定リフト
位置AELF* とデューティ比DEFiNとの関係を、
全閉位置および全開位置を含む数点について検出する。
かかる検出処理を実行するにあたっては、EGRバルブ
20を全開状態とする必要が生ずる。
【0112】吸気通路内に配設されている吸気絞り弁が
閉弁されたままEGRバルブ20が全開とされると、E
GR率が過剰となる可能性がある。これに対して、EG
Rバルブ20を全開とされる前に吸気絞り弁が全開とさ
れると、EGR率が過剰となるのを防止することができ
る。本ステップ502では、上記の観点より吸気絞り弁
の目標開度が100%とされる。上記の処理が終了する
と、次にステップ504の処理が実行される。
【0113】ステップ504では、駆動信号のデューテ
ィ比DEFiNを徐々に増加させながら、全閉状態およ
び全開状態を含む数点について、デューティ比DEFi
Nと測定リフト位置AELF* との関係が測定される。
以下、測定の行われる点を測定点Dutyiと称す。全ての
測定点Dutyiについて測定リフト位置AELF* が検出
されたら、それらの検出結果が接触式バルブリフトセン
サ62の出力特性(以下、この関係をデューティ−測定
位置特性と称す)の学習結果として記憶される。上記の
処理が終了すると、次にステップ506の処理が実行さ
れる。
【0114】ステップ506では、デューティ−測定位
置特性の初期特性が検出済であるか否かが判別される。
具体的には、初期特性検出済のフラグに“1”がセット
されているか否かが判別される。初期特性検出済フラグ
は、内燃機関とECU68とが電気的に接続され、最初
にデューティ−測定位置特性が検出された際に“1”が
セットされるフラグである。従って、今回の処理が、内
燃機関とECU68とが電気的に接続された後最初の処
理であれば、本ステップ506の条件が不成立であると
判別される。かかる判別がなされた場合は、次にステッ
プ508の処理が実行される。
【0115】ステップ508では、上記ステップ504
で学習されたデューティ−測定位置特性を初期特性とし
て記憶する処理が実行される。内燃機関とECU68と
が電気的に接続された後、始めて検出されるデューティ
−測定位置特性は、接触式バルブリフトセンサ62の理
想的な出力特性として把握することができる。以後、E
CU68は、本ステップ508で記憶したデューティ−
測定位置特性を基準として、接触式バルブリフトセンサ
62の出力特性が変化しているか否かを判断する。本ス
テップ508の処理が終了すると、今回のルーチンが終
了される。
【0116】デューティ−測定位置特性の初期特性が検
出された後、再びIGスイッチ74がオン状態とされる
と、ステップ500〜506の処理が実行された後、今
度はステップ510の処理が実行される。ステップ51
0では、各測定点Dutyiについて初期特性として記憶さ
れた値、すなわち、各測定点Dutyiで実現されると想定
されるリフト位置(以下、実リフト位置AELFiと称
す)と、各測定点Dutyiについて新たに学習された測定
リフト位置AELF* との偏差ΔAELFiが算出され
る。
【0117】図10は、接触式バルブリフトセンサ62
の理想的な出力特性、および、経時変化後に各測定点Du
tyiで測定された測定リフト位置AELF* iの一例を
示す。図10は、接触式バルブリフトセンサ62の出力
特性が変化したことにより、測定点Duty1、Duty2およ
びDutynにおいて、実リフト位置AELF1、AELF
2およびAELFnに比して小さな測定リフト位置AE
LF1* 、AELF2 * およびAELFn* が検出され
た場合を示す。
【0118】接触式バルブリフトセンサ62の出力特性
に図10に示す変化が生ずると、上記ステップ510で
は、図10中に示すΔAELF1、ΔAELF2および
ΔAELFnが、各測定リフト位置AELF1* 、AE
LF2* およびAELFn*に対する補正値として記憶
される。上記の処理が終了すると、次にステップ512
の処理が実行される。
【0119】ステップ512では、上記ステップ510
で記憶したΔAELFiに基づいて、補正マップを更新
する処理が実行される。図11は、図10に示す結果に
対応して更新された補正マップを示す。図11に示す如
く、補正マップは、測定リフト位置AELF* との関係
でプロットされた数点のΔAELFiを直線で結ぶこと
により構成されている。
【0120】すなわち、接触式バルブリフトセンサ62
に図10に示す出力変化が生じていることが既知であれ
ば、測定リフト位置として“AELF1* ”が検出され
れば、実リフト位置AELFは“AELF1”であると
推定することができる。この際、実リフト位置AELF
1は、測定リフト位置AELF1* にΔAELF1を加
算することで求めることができる。同様に、測定リフト
位置としてAELF2 * が検出された場合、および、測
定リフト位置としてAELFn* 検出された場合は、そ
れぞれ補正値ΔAELF2またはΔAELFnを加算す
ることで、実リフト位置AELF2,AELFnを求め
ることができる。
【0121】更に、測定リフト位置AELF* として、
AELF1* 、AELF2* またはAELFn* 以外の
値AELF* が検出された場合は、各測定点Dutyiに対
して検出された偏差ΔAELFiに基づく比例計算を行
うことで、すなわち、図11中に折れ線で表される関係
に従って測定リフト位置AELF* に対するΔAELF
特定することで、実リフト位置AELFを得るために測
定リフト位置AELF * に加算すべき補正値を得ること
ができる。ECU68は、以後、本ステップ512で更
新された補正マップを用いて実リフト位置AELFの検
出を行う。本ステップ512の処理が終了すると、今回
のルーチンが終了される。
【0122】図12は、EGRバルブ20の実リフト位
置AELFを検出すべくECU68が実行する制御ルー
チンの一例のフローチャートを示す。図12に示すルー
チンは、ECU68において所定周期でA/D変換が実
行される毎に起動されるA/D変換割り込みルーチンで
ある。図12に示すルーチンが起動されると、先ずステ
ップ520の処理が実行される。
【0123】ステップ520では、接触式バルブリフト
センサ62の出力信号に基づいて、EGRバルブ20の
測定リフト位置AELF* が検出される。上記の処理が
終了すると、次にステップ522の処理が実行される。
ステップ522では、測定リフト位置AELF* に対す
る補正値ΔAELFが算出される。具体的には、上述し
たイニシャルルーチンで補正された補正マップ(図11
参照)を測定リフト位置AELF* で検索することによ
り、測定リフト位置AELF* に対する補正値ΔAEL
Fが算出される。上記の処理が終了すると、次にステッ
プ524の処理が実行される。
【0124】ステップ524では、EGRバルブ20の
実リフト位置AELFが演算される。本ステップ524
では、上記ステップ520および522で求めた測定リ
フト位置AELF* と補正値ΔAELFとを加算するこ
とにより、実リフト位置AELFが演算される。上記の
処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0125】上記の処理によれば、接触式バルブリフト
センサ62の出力特性と、その初期特性との比較に基づ
いて、接触式バルブリフトセンサ62の出力特性に生じ
ている変化の程度を精度良く検出することができる。ま
た、その変化の程度に応じて設定される補正マップに基
づいて、正確に実リフト位置AELFを求めることがで
きる。従って、本実施例の排気還流装置10によれば、
接触式バルブリフトセンサ62の出力特性に変化が生じ
た場合においても、その影響を受けることなく、高い精
度でEGRバルブ20のリフト位置をフィードバック制
御することができる。
【0126】尚、上記の実施例においては、EGRバル
ブ20が前記請求項7記載の「排気還流バルブ」に、ま
た、吸気通路に設けられた独立ベンチュリ式の吸気絞り
弁が前記請求項7記載の「吸気絞り弁」に、それぞれ相
当していると共に、ECU68が上記ステップ504〜
508の処理を実行することにより前記請求項7記載の
「理想特性記憶手段」が、ECU68が上記ステップ5
00、504および510の処理を実行することにより
に前記請求項7記載の「測定リフト特性検出手段」が、
ECU68が上記ステップ512および520〜524
の処理を実行することにより前記請求項7記載の「リフ
ト位置補正手段」が、また、ECU68が上記ステップ
502の処理を実行することにより前記請求項7記載の
「絞り弁全開手段」が、それぞれ実現されている。
【0127】次に、図13を参照して、本発明の第6実
施例について説明する。本実施例の排気還流装置は、図
1および図2に示すシステム構成において、内燃機関の
吸気通路に配設される吸気絞り弁をアクセルペダルと独
立に電気的に駆動し得る独立ベンチュリ式とすると共
に、ECU68に、上記図9および図12に示すルーチ
ンに加え、図13に示すルーチンを実行させることによ
り実現される。
【0128】上述した第5実施例は、接触式バルブリフ
トセンサ62の出力特性の変化量に関わらず、常にフィ
ードバック制御を続行することとしている。本実施例の
排気還流装置10は、接触式バルブリフトセンサ62の
出力特性が大幅に変化した場合には、その出力信号を用
いるフィードバック制御を禁止し、オープン制御によっ
てEGRバルブ20のリフト位置を制御する点に特徴を
有している。
【0129】図13は、上記の機能を実現すべくECU
68が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを
示す。図13に示すルーチンは、例えば8msec毎に起動
される定時割り込みルーチンである。図13に示すルー
チンが起動すると、先ずステップ600の処理が実行さ
れる。
【0130】ステップ600では、機関回転数NEや内
燃機関の負荷等に基づいて、目標リフト位置TELF
と、その目標リフト位置TELFを実現するための基準
デューティ比DEFiNとが演算される。基準デューテ
ィ比DEFiNは、E−VRV56や負圧アクチュエー
タ36の特性が設計特性に一致している場合に、そのデ
ューティ比を用いることで、EGRバルブ20のリフト
位置を目標リフト位置TELFに一致させることのでき
る値である。上記の処理が終了すると、次にステップ6
02の処理が実行される。
【0131】ステップ602では、上記9中ステップ5
10で算出された偏差ΔAELFiの絶対値が所定値β
に比して大きいか否かが判別される。排気還流装置10
においては、偏差ΔAELFiの絶対値が大きいほど接
触式バルブリフトセンサ62の出力特性の変化量が大き
いと判断することができる。また、接触式バルブリフト
センサ62の出力特性が不当に大きい場合は、その出力
信号に補正を施してフィードバック制御を続行するより
も、フィードバック制御の実行を禁止して、E−VRV
56をオープン制御する方が、EGRバルブ20の制御
精度を確保するうえで望ましい。
【0132】上述した所定値βは、フィードバック制御
とオープン制御との何れを採用する方が精度良くEGR
バルブ20を制御できるかを判別するために設定された
しきい値である。本ステップ602で、|ΔAELFi
|>βが不成立であると判別された場合は、フィードバ
ック制御を採用することが有利であると判断される。こ
の場合、以後、ステップ604以降の処理が実行され
る。一方、|ΔAELFi|>βが成立すると判別され
た場合は、オープン制御を採用することが有利であると
判断される。この場合、以後、ステップ612の処理が
実行される。
【0133】ステップ604では、実リフト位置AEL
Fと目標リフト位置TELFとの差ΔT=AELF−T
ELFに基づいて比例項LDFiNが演算される。比例
項LDFiNは、実リフト位置AELFを速やかに目標
リフト位置TELFに向けて変位させるために、基準デ
ューティ比DEFiNに加算される値である。比例項L
DFiNは、その絶対値がΔTの絶対値に応じた値とな
るように、ΔT>0が成立する場合は負の値に、また、
ΔT<0が成立する場合は正の値に設定される。上記の
処理が終了すると、次にステップ606の処理が実行さ
れる。
【0134】ステップ606では、基準デューティ比D
EFiNと比例項LDFiNとを加算することで、最終
的なデューティ比DEFiNが演算される。本ステップ
606で演算されたデューティ比DEFiNによれば、
優れた応答性の下に、EGRバルブ20の実リフト位置
AELFを目標リフト位置TELFに向けて変化させる
ことができる。上記の処理が終了すると、次にステップ
608の処理が実行される。
【0135】ステップ608では、内燃機関がアイドル
状態にあるか否かが判別される。その結果、内燃機関が
アイドル状態にあると判別された場合は、次にステップ
610の処理が実行される。一方、内燃機関がアイドル
状態でないと判断された場合は、以後、何ら処理が進め
られることなく今回のルーチンが終了される。
【0136】ステップ610では、今回の処理で用いら
れた比例項LDFiN、すなわち、アイドル状態に対す
る目標リフト位置TELFを実現するために用いられた
比例項LDFiNが、特性補正値LDFiN0として記
憶される。上記の処理が終了すると、今回のルーチンが
終了される。
【0137】内燃機関がアイドル状態にある場合は、目
標リフト位置TELFが、アイドル状態に対応した一定
値に設定される。また、内燃機関がアイドル状態にある
場合は、排圧の影響が少ないため、EGRバルブ20の
実リフト位置AELFは、正確に駆動信号のデューティ
比DEFiNに応じた位置に制御される。従って、E−
VRV56や負圧アクチュエータ36等の特性が設計特
性に一致しているとすれば、アイドル状態に対応する基
準デューティ比DEFiNを用いることで、実リフト位
置AELFを正確に目標リフト位置TELFに制御する
ことができるはずである。
【0138】言い換えれば、内燃機関がアイドル状態に
ある場合に、目標リフト位置TELFを実現するために
“0”でない比例項LDFiNが用いられているとすれ
ば、E−VRV56や負圧アクチュエータ36等の特性
が、その比例項LDFiNの大きさ分だけ設計特性から
ずれていると判断することができる。上記ステップ61
0では、かかる特性ずれを補正するために用いられた比
例項LDFiNが、特性補正値LDFiN0として記憶
される。
【0139】本ルーチンにおいて、上記ステップ602
で、|ΔAELFi|>βが成立すると判別された場合
は、上述の如く、次にステップ612の処理が実行され
る。ステップ612では、基準デューティ比DEFiN
と、特性補正値LDFiN0とを加算することで、最終
的なデューティ比DEFiNが算出される。以後、EC
U68は、このデューティ比DEFiNを用いてEGR
バルブ20をオープン制御する。
【0140】上記の処理によれば、接触式バルブリフト
センサ62の出力特性が初期特性から大きく外れている
場合には、フィードバック制御に代えてオープン制御を
実行することができる。更に、オープン制御の実行にあ
たっては、特性補正値LDFiN0を用いることによ
り、排気還流装置10の各構成要素の特性を制御に反映
させることができる。このため、本実施例の排気還流装
置10によれば、接触式バルブリフトセンサ62の出力
特性が大きく変化した場合においても、優れた精度でE
GRバルブ20の制御を続行することができる。
【0141】尚、上記の実施例においては、ECU68
が上記ステップ600、604および606の処理を実
行することにより前記請求項8記載の「フィードバック
制御手段」が、また、ECU68が上記ステップ602
および612の処理を実行することにより前記請求項8
記載の「オープン制御手段」が、それぞれ実現されてい
る。
【0142】次に、図14を参照して、本発明の第7実
施例について説明する。本実施例の排気還流装置は、図
1および図2に示すシステム構成において、内燃機関の
吸気通路に配設される吸気絞り弁をアクセルペダルと独
立に電気的に駆動し得る独立ベンチュリ式とすると共
に、ECU68に、上記図12および図13に示すルー
チンに加え、図14に示すルーチンを実行させることに
より実現される。
【0143】上述した第5実施例は、ECU68が内燃
機関と電気的に接続された後、始めて検出されたデュー
ティ−測定位置特性を基準の特性として、接触式バルブ
リフトセンサ62の出力特性の変化状態を判別すること
としている。本実施例の排気還流装置10は、接触式バ
ルブリフトセンサ62の出力特性がリニアな特性を維持
しているか否かに基づいて、その出力特性の変化状態を
判別する点に特徴を有している。
【0144】図14は、上記の機能を実現すべくECU
68が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを
示す。図14に示すルーチンは、IGスイッチ74がオ
ン状態とされる毎に実行されるイニシャルルーチンであ
る。図14に示すルーチンが起動されると、先ずステッ
プ700の処理が実行される。
【0145】ステップ700では、内燃機関の運転状態
がアイドル状態であるか否かが判別される。本ステップ
700の処理は、上記図9に示すステップ500の処理
と同様に、内燃機関の運転状態が、駆動信号のデューテ
ィ比DEFiNとEGRバルブ20の実リフト位置AE
LFとの間に一定の相関を発生させる状態であるかを判
別するために実行される。その結果、内燃機関がアイド
ル状態でないと判別された場合は、以後、何ら処理が進
められることなく今回のルーチンが終了される。一方、
内燃機関がアイドル状態であると判別された場合は、次
にステップ702の処理が実行される。
【0146】ステップ702では、吸気絞り弁の目標開
度TRGを100%とする処理、すなわち、吸気絞り弁
の目標開度を全開状態とする処理が実行される。本ステ
ップ702の処理は、上記図9に示すステップ502と
処理と同様に、接触式バルブリフトセンサ62のデュー
ティ−測定位置特性を測定する際に、過剰なEGR率が
生ずるのを防止するために実行される。上記の処理が終
了すると、次にステップ704の処理が実行される。
【0147】ステップ704では、上記図9に示すステ
ップ504と同様に手法により、接触式バルブリフトセ
ンサ62のデューティ−測定位置特性が検出される。上
記の処理が終了すると、次にステップ706の処理が実
行される。ステップ706では、接触式バルブリフトセ
ンサ62のリニア特性が設定される。接触式バルブリフ
トセンサ62のリニア特性は、上記ステップ704で検
出されたデューティ−測定位置特性中で、全閉位置を表
す点と全開位置を表す点とを直線で結んだ場合に得られ
る特性である。接触式バルブリフトセンサ62の抵抗体
64がその軸方向に均一な特性を有していれば、接触式
バルブリフトセンサ62の出力特性は、上記のリニア特
性に一致するはずである。上記の処理が終了すると、次
にステップ708の処理が実行される。
【0148】ステップ708では、接触式バルブリフト
センサ62がリニア特性を満たす場合に各測定点Dutyi
に対して検出されるリフト位置AELFiと、上記ステ
ップ704で各測定点Dutyiに対して検出された測定リ
フト位置AELFi* との偏差ΔAELFiが算出され
る。偏差ΔAELFiの値は、上記図9中ステップ51
0で算出される偏差ΔAELFiと同様に、接触式バル
ブリフトセンサ62の出力特性の変化量に相当してい
る。上記の処理が終了すると、次にステップ710の処
理が実行される。
【0149】ステップ710では、上記ステップ708
で算出された偏差ΔAELFiに基づいて、接触式バル
ブリフトセンサ62の出力特性の補正に用いられる補正
マップが更新される。本ステップ710の処理は、上記
図9中に示すステップ512の処理に対応している。上
記の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0150】以後、ECU68は、更新された補正マッ
プを参照して、上記第5実施例の場合と同様の手法で接
触式バルブリフトセンサ62の出力特性の変化を補正す
ると共に、その出力特性の変化が所定レベルを超える場
合には、上記第6実施例の場合と同様にEGRバルブ2
0の制御手法をフィードバック制御からオープン制御に
切り換える。このため、本実施例の排気還流装置10に
よれば、上述した第5および第6実施例と同様に、接触
式バルブリフトセンサ62の出力特性が変化した場合に
おいても、高い精度でEGRバルブ20のリフト位置を
制御することができる。
【0151】尚、上記の実施例においては、ECU68
が上記ステップ704〜706の処理を実行することに
より前記請求項7記載の「理想特性記憶手段」が、EC
U68が上記ステップ700、704および708の処
理を実行することによりに前記請求項7記載の「測定リ
フト特性検出手段」が、また、ECU68がステップ5
20〜524と共に上記ステップ710の処理を実行す
ることにより前記請求項7記載の「リフト位置補正手
段」が、それぞれ実現されている。
【0152】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、排気還流バルブの制御に起因しない振動が接触式バ
ルブリフトセンサに伝達されるのを防止することができ
る。従って、本発明に係る内燃機関の排気還流装置によ
れば、接触式バルブリフトセンサの出力特性を、長期間
に渡り、大きく変化させることなく維持することができ
る。
【0153】請求項2記載の発明によれば、排気還流バ
ルブの制御に起因しない振動が接触式バルブリフトセン
サに伝達されることにより、その接触部に局部的な摩耗
が生ずるのを防止することができる。このため、本発明
に係る内燃機関の排気還流装置によれば、接触式バルブ
リフトセンサの出力特性を、長期間に渡り、大きく変化
させることなく維持することができる。
【0154】請求項3記載の発明によれば、接触式バル
ブリフトセンサに局部的な摩耗が生ずるのを防ぐため、
排気還流バルブのリフト位置を周期的に変化させなが
ら、吸入空気中に占める排気ガスの割合を所定値に維持
することができる。このため、本発明に係る内燃機関の
排気還流装置によれば、接触式バルブリフトセンサの出
力特性を、長期間に渡り、大きく変化させることなく維
持することができると共に、内燃機関の排気エミッショ
ンを良好に維持することができる。
【0155】請求項4記載の発明によれば、ストッパが
発生源となって生ずる摩耗粉の発生量を抑制することが
できる。摩耗粉の発生量が抑制されると、接触式バルブ
リフトセンサの摩耗が抑制される。このため、本発明に
係る内燃機関の排気還流装置によれば、接触式バルブリ
フトセンサの出力特性を、長期間に渡り、大きく変化さ
せることなく維持することができる。
【0156】請求項5記載の発明によれば、目標リフト
位置の大きさに応じてフィードバック制御量を変化させ
ることにより、最大リフト位置を超えるオーバーシュー
ト量を抑制しつつ、排気還流バルブを優れた応答性の下
に制御することができる。このため、本発明に係る内燃
機関の排気還流装置によれば、排気還流バルブの制御応
答性を損なうことなく、請求項4記載の発明に比して、
更に効果的に摩耗粉の発生量を抑制することができる。
【0157】請求項6記載の発明によれば、排気還流バ
ルブが最大リフト位置を超えてオーバーシュートしてい
る際には、大きなフィードバック制御量を設定して、速
やかにそのオーバーシュートを収束させることができ
る。このため、本発明に係る内燃機関の排気還流装置に
よれば、請求項5記載の発明に比して、更に効果的に摩
耗粉の発生量を抑制することができる。
【0158】請求項7記載の発明によれば、接触式バル
ブリフトセンサの出力特性が変化した場合には、その影
響を除去すべく、理想のリフト特性と測定上のリフト特
性との比較に基づく補正が施される。また、本発明によ
れば、排気エミッションの悪化を伴うことなく測定上の
リフト特性を検出することができる。従って、本発明に
係る内燃機関の排気還流装置によれば、何ら弊害を伴う
ことなく、接触式バルブリフトセンサの出力特性が変化
した場合においても、精度良く排気還流バルブの実リフ
ト位置を検出することができる。
【0159】また、請求項8記載の発明によれば、接触
式バルブリフトセンサの出力特性が大きく初期特性から
ずれている場合には、排気還流バルブのリフト位置をオ
ープン制御により制御することができる。このため、本
発明に係る内燃機関の排気還流装置によれば、接触式バ
ルブリフトセンサの出力特性が大きく変化した場合に、
その影響を受けることなく適正な制御精度を維持するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である排気還流装置の機械的
構造を表す図である。
【図2】本発明の一実施例である排気還流装置の電気的
構造を表す図である。
【図3】本発明の第1実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図5】本発明の第3実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図6】本発明の第4実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図7】図6に示すルーチン中で用いられる第1のマッ
プの一例である。
【図8】図6に示すルーチン中で用いられる第2のマッ
プの一例である。
【図9】本発明の第5実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図10】駆動信号のデューティ比DEFiNと、測定
リフト位置AELFi* と、実リフト位置AELFi
と、補正値ΔAELFiとの関係を表す図である。
【図11】図9に示すルーチン中で用いられる補正マッ
プの一例である。
【図12】本発明の第5実施例において実行される他の
制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図13】本発明の第6実施例において実行される制御
ルーチンの一例のフローチャートである。
【図14】本発明の第7実施例において実行される制御
ルーチンの一例のフローチャートである。
【符号の説明】
10 排気還流装置 12 EGR通路 20 EGRバルブ 36 負圧アクチュエータ 38 ハウジング 40 ダイアフラム 42 変圧室 50 ストッパ 56 電気式負圧レギュレーティングバルブ(E−VR
V) 62 接触式バルブリフトセンサ 64 抵抗体 66 ブラシ 68 電子制御ユニット(ECU) TELF 目標リフト位置 TELFMAX 上限ガード値 DEFiN デューティ比 DI デューティ比積分項 LUTRG 吸気絞り弁目標開度 AELF,AELFi 実リフト位置 AELF* ,AELFi* 測定リフト位置 ΔAELF,ΔAELFi 補正値 Dutyi 測定点 LDFiN デューティ比比例項 LDFiN0 特性補正値

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路と吸気通路との導通状態を制御
    する排気還流バルブと、前記排気還流バルブの開度を検
    出する接触式バルブリフトセンサとを備え、内燃機関の
    運転状態に応じて、排気ガスの一部を吸気通路に還流さ
    せる内燃機関の排気還流制御装置において、 内燃機関の運転状態が、前記排気還流バルブに所定の振
    動を与える運転状態にあるときに、前記排気還流バルブ
    を強制的に全閉状態とするバルブ全閉手段を備えること
    を特徴とする内燃機関の排気還流制御装置。
  2. 【請求項2】 排気通路と吸気通路との導通状態を制御
    する排気還流バルブと、前記排気還流バルブの開度を検
    出する接触式バルブリフトセンサとを備え、内燃機関の
    運転状態に応じて、排気ガスの一部を吸気通路に還流さ
    せる内燃機関の排気還流制御装置において、 内燃機関の運転状態が、前記排気還流バルブに所定の振
    動を与える運転状態にあるときに、前記排気還流バルブ
    のリフト位置を周期的に変化させるリフト位置変更手段
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の内燃機関の排気還流制御
    装置において、 前記吸気通路内を流通する吸入空気量を制御する吸気絞
    り弁と、 前記リフト位置変更手段が前記排気還流バルブのリフト
    位置を変化させる際に、吸入空気中に占める排気ガスの
    割合が所定値となるように、前記吸気絞り弁の開度を制
    御する絞り弁制御手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流制御装
    置。
  4. 【請求項4】 排気通路と吸気通路との導通状態を制御
    する排気還流バルブと、前記排気還流バルブの開度を検
    出する接触式バルブリフトセンサとを備え、内燃機関の
    運転状態に応じて、排気ガスの一部を吸気通路に還流さ
    せる内燃機関の排気還流制御装置において、 前記排気還流バルブの最大リフト位置を規制するストッ
    パと、 前記排気還流バルブの最大リフト位置を学習する最大リ
    フト位置学習手段と、 前記排気還流バルブの目標リフト位置を、前記最大リフ
    ト位置未満に規制する目標位置規制手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の内燃機関の排気還流制御
    装置において、 前記排気還流バルブの実リフト位置が前記目標リフト位
    置に一致するように前記排気還流バルブのリフト位置を
    フィードバック制御するフィードバック制御手段と、 前記目標リフト位置が前記最大リフト位置近傍の値であ
    るときに、前記目標リフト位置が前記最大リフト位置か
    ら離間しているときに比してフィードバック制御量を小
    さくする第1フィードバック制御量変更手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流制御装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の内燃機関の排気還流制御
    装置において、 前記実リフト位置が前記最大リフト位置を超えていると
    きには、前記実リフト位置が前記最大リフト位置を超え
    ていないときに比してフィードバック制御量を大きくす
    る第2フィードバック制御量変更手段を備えることを特
    徴とする内燃機関の排気還流制御装置。
  7. 【請求項7】 排気通路と吸気通路との導通状態を制御
    する排気還流バルブと、前記排気還流バルブの開度を検
    出する接触式バルブリフトセンサとを備え、内燃機関の
    運転状態に応じて、排気ガスの一部を吸気通路に還流さ
    せる内燃機関の排気還流制御装置において、 前記排気還流バルブの、駆動信号に対する理想のリフト
    特性を記憶する理想特性記憶手段と、 内燃機関が所定の運転状態である場合に、前記排気還流
    バルブを強制的に開弁させた際に前記接触式バルブリフ
    トセンサによって検出される測定上のリフト位置に基づ
    いて、前記排気還流バルブの、駆動信号に対する測定上
    のリフト特性を検出する測定リフト特性検出手段と、 前記理想のリフト特性と、前記測定上のリフト特性との
    比較に基づいて、前記接触式バルブリフトセンサの出力
    値と前記排気還流バルブの実リフト位置との関係を補正
    するリフト位置補正手段と、 前記吸気通路内を流通する吸入空気量を制御する吸気絞
    り弁と、 前記測定リフト特性検出手段が、前記排気還流バルブを
    強制的に開弁させる際に、前記吸気絞り弁を全開状態と
    する絞り弁全開手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流制御装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の内燃機関の排気還流制御
    装置において、 前記排気還流バルブの実リフト位置が目標リフト位置に
    一致するように、前記排気還流バルブのリフト位置をフ
    ィードバック制御するフィードバック制御手段と、 前記理想のリフト特性と前記測定上のリフト特性とのず
    れが所定レベルを超えている場合に、前記フィードバッ
    ク制御の実行を禁止して、前記排気還流バルブを内燃機
    関の運転状態に基づいてオープン制御するオープン制御
    手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013069427A1 (ja) * 2011-11-10 2013-05-16 本田技研工業株式会社 内燃機関の吸気制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013069427A1 (ja) * 2011-11-10 2013-05-16 本田技研工業株式会社 内燃機関の吸気制御装置
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