JPH1090623A - レーザビーム走査光学装置 - Google Patents

レーザビーム走査光学装置

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JPH1090623A
JPH1090623A JP8205813A JP20581396A JPH1090623A JP H1090623 A JPH1090623 A JP H1090623A JP 8205813 A JP8205813 A JP 8205813A JP 20581396 A JP20581396 A JP 20581396A JP H1090623 A JPH1090623 A JP H1090623A
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JP8205813A
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Jun Kosaka
純 向坂
Hiroshi Hiraguchi
寛 平口
Nobuo Kanai
伸夫 金井
Kenji Takeshita
健司 竹下
Keiji Oe
啓司 小江
Yasushi Nagasaka
泰志 長坂
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焦点ずれの検出能力が高く、かつ、極めて短
時間で合焦調整が可能なレーザビーム走査光学装置を得
る。 【解決手段】 レーザダイオード1、フォーカシングレ
ンズ3、ポリゴンミラー6、fθレンズ7を主たる構成
要素とし、感光体ドラム30へ画像を印字するレーザビ
ーム走査光学装置。感光体ドラム30の表面と光学的に
略等価位置近傍にビーム検出器100が設置されてい
る。この検出器100は、レーザビーム走査方向bに対
して平行な空間格子を有する第1のフィルタ101と、
レーザビーム走査方向bに対して微小角度傾いている空
間格子を有する第2のフィルタ102と、微小光学系を
構成するシリンドリカルレンズ103,104と、フィ
ルタ101,102を透過したレーザビームを受光する
光電変換素子105とで構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビーム走査
光学装置、特に、レーザプリンタやデジタル複写機に画
像印字手段として組み込まれるレーザビーム走査光学装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザプリンタやデジタル複写機
に画像印字手段として組み込まれるレーザビーム走査光
学装置は、画質向上のために高密度での印字を可能とさ
れている。このため、被走査面(感光体)上でのレーザ
ビームのスポット径は小さくなり、焦点の許容深度が浅
くなってきている。そして、環境の変化、特に、使用中
に光学装置が発熱して光学素子やそのホルダが熱膨張を
生じると、集光位置が被走査面の前後方向にずれ、その
ずれは高画質を維持するうえで許容できなくなってき
た。
【0003】このような問題点に対処するため、特開平
2−51119号公報に記載の装置では、単一の格子フ
ィルタを備えた検出素子でレーザビームの集光状態を検
出し、レンズを最適位置に移動させている。また、特開
平4−155304号公報に記載の装置では、被走査面
の前後に配置されたナイフエッジと光電変換素子とで構
成した検出器でレーザビームの集光状態を検出し、レン
ズを最適位置へ移動させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者(特開
平2−51119号公報)では、単一の格子フィルタを
用いているため、集光位置が前ピント状態か後ピント状
態かの判別ができず、レンズを前又は後に移動させて合
焦調整を行う必要があり、迅速な調整ができない。特
に、印字ページ間の短い時間(数百ミリ秒)で合焦調整
を行うことは困難であり、連続ページ印字時に焦点が微
妙にずれてしまう不都合がある。
【0005】また、後者(特開平4−155304号公
報)では、ナイフエッジを用いているため、集光位置の
ずれが前か後かは判別できるものの、レーザビームの検
出波形が単発であり、検出値が不安定である。このた
め、検出能力が低いという不都合を有している。そこ
で、本発明の目的は、焦点ずれの検出能力が高く、か
つ、極めて短時間で合焦調整が可能なレーザビーム走査
光学装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】以上の目的を達
成するため、本発明に係るレーザビーム走査光学装置
は、被走査面と光学的等価位置の近傍に配置され、前記
レーザ光源から放射されたレーザビームを変調してモア
レ縞パターンを発生させるモアレ縞発生手段と、前記モ
アレ縞発生手段により発生したモアレ縞パターンを受光
する受光素子とを備えている。例えば、前記モアレ縞発
生手段は、レーザ光源側から順に、縞状の空間格子を有
する第1のフィルタと、該第1のフィルタの空間格子の
方向に対して微小角度傾いている縞状の空間格子を有す
る第2のフィルタとを配置して構成されている。
【0007】また、前記第1のフィルタの縞状の空間格
子は、レーザビームの主走査方向に対して平行であって
もよいし、あるいは、副走査方向に対して平行であって
もよい。また、受光素子は、複数の受光面を有している
ことが好ましく、例えば多分割フォトダイオード、複数
のフォトダイオード、複数のラインセンサを組み合わせ
て構成したもの、エリアCCD、4分割センサ等が採用
される。
【0008】以上の構成において、レーザ光源から放射
されたレーザビームは、モアレ縞発生手段を介して受光
素子の受光面上にモアレ縞を形成する。そして、レーザ
ビームの集光位置が受光面上の前又は後にずれると、モ
アレ縞の形状、詳しくはモアレ縞の傾きが変化する。こ
のモアレ縞の傾きの変化は、レーザビームの集光位置が
受光面の前にずれたときと、後にずれたときとでは逆に
なる。従って、モアレ縞の傾きの変化を受光素子にて検
出することで、集光位置のずれ量の測定と、集光位置の
ずれが受光面の前方か後方かを判別することができる。
従って、ビーム集光位置を調整するための調整手段を前
後いずれかの方向に駆動すれば合焦調整が完了する。
【0009】また、本発明に係るレーザビーム走査光学
装置は、モアレ縞発生手段と受光素子との間に、縮小光
学系を配設した。ここに、縮小光学系は、例えば2枚の
シリンドリカルレンズを組み合わせて構成したものや1
枚の正レンズにて構成したものである。以上の構成によ
り、縮小化されたモアレ縞が受光面に投影される。
【0010】また、本発明に係るレーザビーム走査光学
装置は、受光素子が、複数の受光面を有し、該受光面の
それぞれに入射したレーザビームに応じた電気信号を出
力する光電変換素子であり、この光電変換素子から出力
される各電気信号の位相差を検出する位相差検出手段を
備えている。以上の構成により、複数の受光面の出力信
号の波形の位相差によってモアレ縞の傾きの変化が検出
され、ビーム集光位置が判別される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るレーザビーム
走査光学装置の実施形態について添付図面を参照して説
明する。
【0012】[第1実施形態、図1〜図39] (レーザビーム走査光学装置の全体構成)図1におい
て、レーザビーム走査光学装置は、レーザダイオード1
と、コリメータレンズ2と、フォーカシングレンズ3
と、シリンドリカルレンズ4と、平面ミラー5とポリゴ
ンミラー6と、fθレンズ7(レンズ7a,7b,7c
から構成されている)と平面ミラー8と、S0S用シリ
ンドリカルレンズ16と、SOS用光センサ17と、ビ
ーム検出器100とで構成されている。
【0013】レーザダイオード1は図示しない駆動回路
に入力された印字データに基づいて変調(オン、オフ)
制御され、オン時にレーザビームを放射する。このレー
ザビームはコリメータレンズ2で略平行に収束され、フ
ォーカシングレンズ3で集光位置を調整され(以下に詳
述する)、シリンドリカルレンズ4から平面ミラー5を
介してポリゴンミラー6に到達する。
【0014】ポリゴンミラー6は回転軸6aを中心とし
て矢印a方向に一定速度で回転駆動される。レーザビー
ムはポリゴンミラー6の回転に基づいて各偏向面で等角
速度に偏向され、fθレンズ7に入射する。fθレンズ
7を透過したレーザビームは平面ミラー8で反射された
後、感光体ドラム30上に集光され、感光体ドラム30
上を矢印b方向に走査する。fθレンズ7は主に前記ポ
リゴンミラー6で等角速度で偏向されたレーザビームを
被走査面(感光体ドラム30)上での主走査速度を等速
に補正、即ち、歪曲収差を補正する機能を有している。
【0015】感光体ドラム30は矢印c方向に一定速度
で回転駆動され、ポリゴンミラー6による矢印b方向へ
の主走査とドラム30の矢印c方向への副走査によって
ドラム30上に画像(静電潜像)が形成される。また、
レーザビームの主走査方向先端部のレーザビームはミラ
ー15で反射され、SOS用シリンドリカルレンズ16
を透過してSOS用光センサ17へ入射する。SOS用
光センサ17から出力されるビーム検出信号は、1走査
ラインごとに印字開始位置を決めるための垂直同期信号
を発生させる。
【0016】フォーカシングレンズ3はベース板20上
に取り付けられ、ベース板20の側面に形成したラック
20aにはステッピングモータ21の出力ピニオン22
が噛合している。信号処理回路24,制御回路25及び
フォーカシングレンズ駆動制御部26によってステッピ
ングモータ21を正転あるいは逆転させることにより、
レンズ3は光軸上で前後方向に移動可能であり、この移
動によってレーザビームの感光体ドラム30上での集光
位置が調整される。
【0017】(ビーム検出器の説明)ビーム検出器10
0は、被走査面と光学的に略等価位置近傍の画像エリア
外に設置され、被走査面上でのレーザビームの集光状態
を検出する。詳しくは、図1及び図2に示すように、光
軸方向に配列された格子フィルタ101,102とシリ
ンドリカルレンズ103,104と光電変換素子105
とで構成されている。格子フィルタ101,102はそ
れぞれ縞状の空間格子A,Bを有し、レーザビームLの
主走査方向bに対して、空間格子Aは平行であり、空間
格子Bは微小角度傾いている。
【0018】ここで、仮に、図3に示すように、格子フ
ィルタ101の空間格子Aを主走査方向bと直角な方向
すなわち副走査方向に平行に配置した場合を考える。レ
ーザビームLが走査されると、空間格子Aによってレー
ザビームLが順次遮ぎられ、一回の走査で受光面105
a,105bに入射するレーザビームLの光量が低下す
る。そのため、モアレ縞のコントラストが低下し、光電
変換素子105がモアレ縞を検出することができないと
いう不具合が発生する。さらに、図4に示すように、レ
ーザビームがL1,L2,L3と順次走査されていくと
(格子フィルタ102及びシリンドリカルレンズ10
3,104は省略)、レーザビームのシフトに合わせて
モアレ縞が主走査方向bに微小シフトし、レーザビーム
1は光電変換素子105のR1の部分を照射し、レーザ
ビームL2はR2の部分を照射し、レーザビームL3はR3
の部分を照射する。そのため、例えばp点は、レーザビ
ームL1は照射し、レーザビームL2は照射せず、レーザ
ビームL3は照射するため、明減されることとなる。こ
の現象は極めて短時間内に起きるので、モアレ縞の形状
特定が困難になり、モアレ縞を検出することができな
い。
【0019】一方、第1実施形態は図2に示すように、
格子フィルタ101の空間格子Aを主走査方向bと平行
に配置しているので、一定の光量が常に入射し、モアレ
縞35を精度良く検出することができる。光電変換素子
105は、レーザビームを受光する上下2分割された受
光面105a及び105bを有する2分割フォトダイオ
ードであり、それぞれの受光面105a,105bは受
光光量に比例した電流を出力する。
【0020】(モアレ縞の説明)ところで、モアレ縞3
5は、以下の1次式(1)によって表示することができ
る。ここに、xは主走査方向bの座標、yは副走査方向
の座標、αは空間格子Bの微小傾き角度、fは受光面1
05a,105bに投影された空間格子Aのピッチ寸
法、gは受光面105a,105bに投影された空間格
子Bのピッチ寸法である。
【0021】
【数1】
【0022】1次式(1)において、係数{cosα−
(g/f)}/sinαがモアレ縞35の傾きを意味す
る。この係数は以下のようにして導出される。図5に示
すように、受光面105a,105bに投影された空間
格子A及びBとモアレ縞の交点を原点とするxy座標を
設定する。次に、空間格子Bの線像41を表示する1次
式を求める。
【0023】線像41とy軸の交点のy座標をhとする
と、g=hsin((π/2)−α)の関係から、g=
hcosαとなるので、h=g/cosαとなる。線像
41の傾きは、図5よりtanαであるから、線像41
は以下の1次式(2)にて表示される。 y=(tanα)×x+(g/cosα) ……(2) 次に、空間格子Aの線像42を表示する式y=fと1次
式(2)の交点のx座標を求めると、 f=(tanα)×x+(g/cosα) x={f−(g/cosα)}/tanα そこで、モアレ縞35の中心を表示する直線43は、以
下の1次式(3)にて表示される。
【0024】
【数2】
【0025】従って、モアレ縞35の傾きは{cosα
−(g/f)}/sinαとなる。ところで、空間格子
A,Bのピッチ寸法をそれぞれd1,d2、合焦位置から
空間格子A,Bまでの距離をそれぞれl1,l2とする
と、以下の関係式(4)が得られる。 f/g=(l21)/(l12) ……(4) 式(1)と式(2)より、モアレ縞35の傾きは、
【0026】
【数3】
【0027】となる。また、モアレ縞35のピッチ寸法
をP、副走査方向に対してモアレ縞35がなす角度をφ
とすると、以下の関係式(6)が得られる。 P=(f/sinα)×cos(φ−α) ……(6) 図6に示すように、合焦位置Z1がΔlずれてZ2に移
動すると、前ピントの状態となり、そのときのモアレ縞
35の傾きは、
【0028】
【数4】
【0029】となる。後ピント状態のモアレ縞35の傾
きは、
【0030】
【数5】
【0031】となる。(7),(8)は、ビーム検出器
100をレーザビームLの合焦位置(光学的等価位置)
より後方に配置した際のモアレ縞35の傾きである。ビ
ーム検出器100をレーザビームLの合焦位置より前方
に配置した際には、(7),(8)において、Δlの前
の正負の記号が逆になる。(5),(7),(8)よ
り、デフォーカスによってモアレ縞35の傾きが変化す
ることがわかる。すなわち、合焦状態のモアレ縞35の
明部は主走査方向bに対して直交し(図12参照)、前
ピント状態のモアレ縞35は右回転して右方に傾き(図
13参照)、後ピント状態のモアレ縞35は左回転して
左方に傾いている(図14参照)。
【0032】(レーザビームのスポット径)ここに、モ
アレ縞35の傾き変化を精度良く検出するためのレーザ
ビームのスポット径を検討した。図7に示すように、主
走査方向(空間格子Aの方向)において、格子フィルタ
101上のレーザビームLのスポット径DLがモアレ縞
35の間隔Qより小さくなるように設定すると、スポッ
トLbが二つのモアレ縞35の間に位置した際((a)
及び(c)参照)、スポットLbとモアレ縞35が重な
る部分は狭面積となる。従って、光電変換素子105の
受光光量は大きくなり、出力電流は大きくなる。一方、
スポットLbがモアレ縞35の中心に位置した際
((b)参照)、スポットLbとモアレ縞35が重なる
部分は広面積となる。従って、光電変換素子105の受
光光量は小さくなり、出力電流は小さくなる。
【0033】図8は、受光面105a(あるいは105
b)の出力電流を電圧に変換した出力波形を表示したグ
ラフである。図8中、(a),(c)のポイントが、ス
ポットLbが二つのモアレ縞35の間に位置した際の出
力、(b)のポイントがモアレ縞35の中心に位置した
際の出力である。これとは逆に、図9に示すように、格
子フィルタ101上のレーザビームLのスポット径DL
がモアレ縞35の間隔Qより大きくなるように設定する
と、スポットLbが二つのモアレ縞35の間に位置した
際((a)及び(c)参照)、スポットLbとモアレ縞
35が重なる部分の方が広くなるが、光電変換素子10
5の受光光量はあまり小さくならない。一方、スポット
Lbがモアレ縞35の中心に位置した際((b)参
照)、スポットLbとモアレ縞35が重ならない部分の
方が広くなるが、光電変換素子105の受光光量はあま
り大きくならない。
【0034】図10は、受光面105a(あるいは10
5b)の出力電流を電圧に変換した出力波形を表示した
グラフである。図10中、(a),(c)のポイント
が、スポットLbが二つのモアレ縞35の間に位置した
際の出力、(b)のポイントがモアレ縞35の中心に位
置した際の出力である。図8と図10のグラフを比較す
ると、主走査方向(空間格子Aの方向)のモアレ縞35
の間隔Qが、格子フィルタ101上のレーザビームLの
スポット径DLより大きく設定されている方が、出力波
形のコントラストがよく、モアレ縞35の傾き変化を精
度良く検出できることがわかる。
【0035】さらに、具体的数値を用いて詳説する。前
記図5において、モアレ縞35のピッチ寸法Pが前記関
係式(6)にて得られるので、主走査方向(空間格子A
の方向)のモアレ縞35の間隔Qは、 Q=P/cosφ =(f/cosφ・sinα)×cos(φ−α) となる。従って、モアレ縞35の間隔Qを格子フィルタ
101上のレーザビームLのスポット径DLより大きく
するには、以下の関係式(9)を満足すればよいことに
なる。
【0036】 DL<(f/cosφ・sinα)×cos(φ−α)…(9) 以上の結果より、格子フィルタ101上の主走査方向の
スポット径DLを、関係式(9)が満足するように設定
すれば、出力波形のコントラストが向上し、モアレ縞3
5の傾き変化を精度良く検出することができる。 (空間格子のピッチ誤差について)また、モアレ縞35
は、レーザビームの合焦状態が変化する場合の他に、格
子フィルタ101,102の空間格子A、Bのピッチ誤
差によっても傾きが変化してしまう。すなわち、空間格
子A,Bのピッチ誤差Δd1,Δd2によるモアレ縞35
の傾き変化への影響を実験したところ、空間格子Aのピ
ッチ誤差Δd1が小さくても、空間格子Bのピッチ誤差
Δd2が大きいと、モアレ縞35の傾き変化に大きな影
響を与えることがわかった。この実験結果から、焦点ず
れを安定して検出するためには、空間格子Bのピッチ誤
差Δd2が以下の関係式(10)を満足していることが
必要である。ここに、Δl1はビーム合焦位置から格子
フィルタ101までの間隔のずれ、Δl2はビーム合焦
位置から格子フィルタ102までの間隔のずれである。
【0037】 d2−{(l2−Δl2)/(l1−Δl1)}・d1<Δd2…(10) 関係式(10)は、モアレ縞35の傾き変化に対する合
焦位置ずれΔlによる寄与と空間格子Bのピッチ誤差Δ
2による寄与とを比較した結果から導出された式であ
る。この関係式(10)を満足するピッチ誤差Δd2
あれば、合焦位置ずれΔlによるモアレ縞35の傾き変
化が、ピッチ誤差Δd2によるモアレ縞35の傾き変化
より大きくなり、焦点ずれを精度良く検出することがで
きる。
【0038】また、関係式(11)は、光電変換素子1
05の受光面105a,105bに検出可能なモアレ縞
35を形成するための条件である。 Δd2<d2−(l2/l1)・d1…(11) この関係式(11)を満足するピッチ誤差Δd2であれ
ば、ピッチ誤差Δd2によるモアレ縞35の傾き変化が
大きくなり過ぎて焦点ずれが検出不可能になる心配がな
く、安定して焦点ずれを検出することができる。
【0039】さらに、具体的に数値を用いて詳説する。
空間格子Aのピッチ寸法d1を125μm、空間格子B
のピッチ寸法d2を250μm、合焦位置から空間格子
Aまでの距離l1を40mm、合焦位置から空間格子B
までの距離l2を80mmとした場合、比較的低解像度
(例えば500dpi以下)の走査光学装置に使用され
る格子フィルタ102の空間格子Bのピッチ誤差Δd2
は、合焦位置ずれΔlが通常、この走査光学装置の焦点
深度、すなわち2.0mm程度を越えないように設定さ
れる。従って、ピッチ誤差Δd2は関係式(10)、
(11)より、以下の条件を満足する必要がある。この
条件は、距離l1,l2が小さくなり過ぎないため、コン
トラストのはっきりしたモアレ縞35を得ることができ
る条件でもある。
【0040】−0.63μm<Δd2<0 また、ピッチ誤差Δd2による合焦位置ずれΔlが高解
像度(例えば600dpi)の走査光学位置の焦点深
度、すなわち0.2mm程度を越えないようにするに
は、ピッチ誤差Δd2は関係式(10),(11)か
ら、 −6.53μm<Δd2<0 となる。さらに、信頼性を向上させるために、ピッチ誤
差Δd2による合焦位置ずれΔlを0.02mm程度に
抑えるためには、ピッチ誤差Δd2は関係式(10),
(11)から、 −0.06μm<Δd2<0 となる。ピッチ誤差Δd2による合焦位置ずれΔlを
0.02mm程度に抑えることができれば、光電変換素
子105等の取付け許容誤差を大きくとることができ、
実用上有効である。
【0041】(縮小光学系の説明)ところで、焦点ずれ
の検出精度を向上させるためには、デフォーカス量に対
するモアレ縞の傾き角度を大きくするとよい。そのため
には、第1のフィルタの空間格子に対して、第2のフィ
ルタの空間格子の傾き角度を小さく設定すればよい。し
かし、単に傾き角度を小さくしただけでは、モアレ縞の
ピッチが大きくなり、光電変換素子の受光面に形成され
るモアレ縞の本数が減少して光電変換素子への情報量の
低下を招き、誤検出を生じ易くなる。また、2枚の格子
フィルタによって発生するモアレ縞の大きさと比較して
光電変換素子の受光面が小さ過ぎることがある。この場
合、光量の損失が大きく、コントラストが出にくいとい
う不具合が生じる。そこで、これらの不具合を解消する
ために、第1実施形態では縮小光学系をなすシリンドリ
カルレンズ103と104を備えている。
【0042】シリンドリカルレンズ103と104は、
シリンドリカルレンズ103が主走査方向bにのみ集光
作用をもち、シリンドリカルレンズ104が副走査方向
cにのみ集光作用をもつ。従って、二つの格子フィルタ
101,102を透過したレーザビームLはシリンドリ
カルレンズ103,104によって集光された後、光電
変換素子105の受光面105a及び105bにモアレ
縞35を形成する。そして、焦点ずれの検出精度を向上
させるために2枚の格子フィルタ101と102の空間
格子の傾き角度を小さくしても、モアレ縞がシリンドリ
カルレンズ103,104によって縮小化されて光電変
換素子105の受光面105a,105bに到達する。
従って、小型の光電変換素子105で、モアレ縞の光量
を損失させることなく、焦点ずれの検出精度を向上させ
ることができる。
【0043】このように、縮小光学系を2枚のシリンド
リカルレンズ103,104で構成することにより、主
走査方向及び副走査方向のモアレ縞の縮小倍率を容易に
異ならせることができる。主走査方向及び副走査方向の
縮小倍率を異ならせることができると、光電変換素子1
05の受光面105a,105bの大きさに応じて、適
切な本数、大きさのモアレ縞を投影することができ、望
ましい。このような縮小光学系は、主走査方向と副走査
方向とで倍率が異なるアナモフィックレンズで構成して
も同様の効果を得ることができるが、この場合、主走査
方向と副走査方向とを同時に調整しなければならないた
め、2枚のシリンドリカルレンズを使用する場合と比較
して、受光面105a,105bに対する位置決めが難
しくなる。なお、光電変換素子105の受光面105
a,105bに適切なモアレ縞が投影できるのであれ
ば、縮小光学系を1枚の正の屈折力を有するレンズで構
成してもよい。
【0044】さらに、具体的に数値を用いて詳説する。
空間格子Aのピッチ寸法d1を125μm、空間格子B
のピッチ寸法d2を250μm、空間格子Bの微小傾き
角度αを4度、合焦位置から空間格子Aまでの距離l1
を40mm、合焦位置から空間格子Bまでの距離l2
80mmとした場合、モアレ縞35の傾きは前記関係式
(5)から、以下の数値が得られる。
【0045】[cosα−{(l12)/(l
21)}]/sinα=−0.035 従って、tanφ=−0.035となり、φ=−2
[度]となる。これにより、モアレ縞35の傾きは、−
88[度]となる。一方、合焦位置から光電変換素子1
05までの距離をl3とすると、モアレ縞35のピッチ
寸法Pは、f=l3 1/l1であるから、前記関係式
(6)より、以下の数値が得られる。
【0046】P=(f/sinα)×cos(φ−α)
=3.56[mm] ここに、光電変換素子105として、幅が3mm、高さ
が1mmの2分割フォトダイオードを用いた場合、仮に
レーザビーム走査光学装置がシリンドリカルレンズ10
3,104を有さないと、ピッチ寸法Pが3.56mm
のモアレ縞は1本しか光電変換素子105で受光するこ
とができない。また、前記条件で発生したモアレ縞は、
光電変換素子105の受光面位置で高さが約3mmとな
る。ところが、光電変換素子105の高さは1mmであ
るため、モアレ縞の高さの2/3が受光面から外れ、そ
の分だけ光量を損失することになる。さらにレーザビー
ムが光学系誤差または格子フィルタ、光電変換素子支持
部の製造誤差や経時変化等が原因となって副走査方向c
にずれると、、格子フィルタ101が格子フィルタ10
2に対して副走査方向cに移動することになるので、モ
アレ縞はピッチ寸法と傾き角度を維持したまま主走査方
向bに平行に移動し、1本のモアレ縞が受光面の端部や
中央部に移動し、検出能力が不安定となる。通常、焦点
ずれを安定して検出するためには、少なくとも3本以上
のモアレ縞が受光面に形成されることが好ましい。
【0047】一方、レーザビーム走査光学装置が縮小光
学系のシリンドリカルレンズ103,104を有する場
合、シリンドリカルレンズ103の倍率は、少なくとも
3本以上のモアレ縞が光電変換素子105の受光面10
5a,105bに投影されるように選択される。例え
ば、シリンドリカルレンズ103の倍率は3倍に設定さ
れる。通常、焦点ずれを安定して検出するためには、少
なくとも3本以上のモアレ縞が受光面に形成されること
が好ましいからである。また、シリンドリカルレンズ1
04の倍率は、受光面位置のモアレ縞の高さが光電変換
素子の高さ以下になるように選択される。
【0048】図11は、ポリゴン回転数が約2万回転
で、受光面位置でのレーザパワーが約1mWの場合の受
光面105a,105bに投影されたモアレ縞のコント
ラストを、光電変換素子105の出力電流を電圧に変換
して電圧差で表示したものである。図中、実線106a
が縮小光学系を有する場合、点線106bが縮小光学系
を有さない場合である。縮小光学系を有さない場合はモ
アレ縞のコントラストが電圧差として約0.2Vである
のに対して、縮小光学系を有する場合はモアレ縞のコン
トラストが0.5〜1.0V(図11の場合は、約0.
5V)程度になる。
【0049】(第1の位相差検出構成及びモアレ縞選択
手段)次に、縮小光学系によって縮小されたモアレ縞3
5のように、受光面105a,105bに複数本のモア
レ縞が存在している場合のモアレ縞35の傾き検出方法
について図12〜図27を参照して説明する。レーザビ
ームの焦点位置が前ピント状態か、後ピント状態か、合
焦状態かは、モアレ縞35が投影された受光面105a
の出力波形と受光面105bの出力波形のピーク値の位
相差から判定する。この判定結果から、フォーカシング
レンズ3の移動方向を決定し、制御信号をフォーカシン
グレンズ駆動制御部26を介してステッピングモータ2
1に送信する。ステッピングモータ21は正逆いずれか
の方向に回転し、フォーカシングレンズ3を光軸上で所
定量移動させる。レンズ3がレーザダイオード1から離
れる方向に移動するときは焦点が後方に調整され、近づ
く方向に移動するときは焦点が前方に調整される。レン
ズ3の1回の移動量は焦点が約0.01mm移動する所
定の値に設定されており、このような移動を合焦状態に
達するまで繰り返す。
【0050】前述のように、第1実施形態では合焦状態
のモアレ縞35は主走査方向bに対して直交し(図12
参照)、前ピント状態のモアレ縞35は右方に傾き(図
13参照)、後ピント状態のモアレ縞35は左方に傾く
(図14参照)ようにビーム検出器100を設定してい
る。
【0051】図12〜図14において、107a,10
7bはそれぞれ受光面105a,105bの出力電流を
電圧に変換した出力波形を表示している。受光面105
a,105bに跨っているモアレ縞35の暗部が出力波
形107a,107bの谷部に相当し、モアレ縞35の
明部が出力波形107a,107bの山部に相当してい
る。そして、モアレ縞が前記いずれの状態であるかは、
受光面105a,105bに跨っているモアレ縞の明部
の位相差によって判別可能である。つまり、受光面10
5aの出力波形107aと受光面105bの出力波形1
07bのピーク値の位相差が0である場合(図12参
照)は合焦状態、出力波形107aが出力波形107b
より位相差ΔT1だけ遅れている場合(図13参照)は
前ピント状態、出力波形107aが出力波形107bよ
り位相差ΔT2だけ進んでいる場合(図14参照)は後
ピント状態と判別する。
【0052】さらに、図15に示した制御回路ブロック
図を参照して出力波形の処理方法を詳説する。図15に
示した電気回路は可変増幅器202,211、遅延増幅
器203,212、比較器204,213、フリップフ
ロップ205,214、AND素子206,209,2
15、タイマ207,216、OR素子208、プログ
ラマブルタイマ219、マイコン220、ピークホール
ド回路221,222、差分回路223、マイコン22
4及びディレイ回路225,226にて構成されてい
る。比較器204,213とフリップフロップ205,
214にて受光面105a,105bからのアナログ出
力波形をデジタル信号に変え、さらにAND素子20
6,209,215を用いることにより、受光面105
a,105bからの出力波形をデジタル信号として処理
することができ、信頼性が高い制御系とすることができ
るからである。
【0053】受光面105aの出力波形S1は、可変増
幅器202及び遅延増幅器203により増幅された後、
それぞれの波形S2,S3は比較器204に入力され
る。比較器204は波形S2とS3を比較し、その出力
波形をデジタル信号S4として出力する。同様にして、
受光面105bの出力波形S5は、可変増幅器211及
び遅延増幅器212により増幅された後、それぞれの波
形S6,S7は比較器213に入力される。比較器21
3は波形S6とS7を比較し、その出力波形をデジタル
信号S8として出力する。これらの処理により、アナロ
グ信号である出力波形S1,S5がデジタル化され、ア
ナログ波形の山や谷がデジタル信号S4,S8のHレベ
ル(Highレベル)あるいはLレベル(Lowレベ
ル)の切替りポイントとなる(図22参照)。信号S
4,S8は、それぞれディレイ回路225,226(後
述)を介してフリップフロップ205,214に入力さ
れる。
【0054】ところで、図16に示すように、レーザビ
ームLのスポットLbは、その中心が通常光電変換素子
105の中心に合うように設定されている(図中Lb1
参照)。この場合、図17に示すように、出力波形10
7a,107bのピーク値が略等しくなるため、位相差
ΔTの検出が安定している。しかしながら、環境(温
度、湿度)の変化によって、図16に示すように、レー
ザビームLの光路が副走査方向にずれることがある(図
中Lb2,Lb3参照)そして、このような光路ずれが
発生すると、スポットがLb2の位置の場合には、図1
8に示すように出力波形107bのピーク値が低くな
り、スポットがLb3の位置の場合には、図19に示す
ように出力波形107aのピーク値が低くなるため、位
相差ΔTの検出が不安定になる心配がある。
【0055】そこで、第1実施形態では、レーザビーム
Lの光路が副走査方向にずれても、位相差ΔTを常に安
定して検出するための機構を備えている。すなわち、可
変増幅器202,211の出力波形S2,S6はピーク
ホールド回路221,222に入力される。ピークホー
ルド回路221,222は、それぞれ出力波形S2,S
6のピーク値(最大電圧値)を保持し、そのピーク値を
信号S25,S26として出力する。信号S25,S2
6は差分回路223に入力され、差分回路223は信号
S25のピーク値と信号S26のピーク値を差分し、そ
の出力信号S27をマイコン224に入力する。
【0056】マイコン224は、出力信号S27に応じ
て可変増幅器202,211のそれぞれの増幅率を決定
する。このときの増幅率は、可変増幅器202,211
から出力される波形S2,S6のピーク値が略等しくな
る値である。この増幅率を信号S28,S29として出
力する。信号S28,S29はそれぞれ可変増幅器20
2,211に入力され、可変増幅器202,211のゲ
イン調整が行なわる。
【0057】これらの処理によって、たとえレーザビー
ムLの光路が副走査方向にずれて出力波形107a,1
07bのピーク値が異なっても、可変増幅器202,2
11の出力波形S2,S6のピーク値は略等しくなるよ
うにすることができ、位相差ΔTの検出を常に安定した
状態で行なうことができる。
【0058】次に、受光面105a,105bに投影さ
れた複数本のモアレ縞の中から傾きを検出するためのモ
アレ縞を選択するモアレ縞選択手段について説明する。
モアレ縞選択手段は必ずしも必要なものではないが、仮
に、モアレ縞選択手段を有さなければ、レーザビームL
の光路が副走査方向にずれた場合、光電変換素子105
の受光面105a,105bに投影されるモアレ縞が主
走査方向に移動して、モアレ縞の一部が受光面から外れ
て出力信号の波形が歪み、モアレ縞の状態を安定して判
別することができない場合が生じる。そこで、モアレ縞
選択手段により、受光面105a,105bの所望の位
置に位置するモアレ縞を選択して、安定してモアレ縞の
状態を判別することができるようにする。
【0059】図15に示すように、レーザビームがSO
S用光センサ17へ入射されると、SOS用光センサ1
7からビーム検出信号S10が出力される。このビーム
検出信号S10をプログラマブルタイマ219に入力す
る。このプログラマブルタイマ219は、マイコン22
0のデータバスS11によりカウント値をセットされて
いる。プログラマブルタイマ219は、前記ビーム検出
信号S10の立ち上がりエッジでカウントを開始し、マ
イコン220からのセット値に基づいてカウントアップ
し、その出力信号S12をフリップフロップ205,2
14のクリア入力に入力することにより、各フリップフ
ロップをクリアし、Lレベルにする。クリアされたフリ
ップフロップ205,214は、それぞれのクロック入
力信号S4,S8の立ち下がりエッジにより、Lレベル
からHレベルに変わるようにセットしておく。すなわ
ち、プログラマブルタイマ219のカウント値をマイコ
ン220によって自在にセットすることによって、出力
信号S12のパルス幅を変え、複数本のモアレ縞の中か
ら所望の検出用モアレ縞を選択することができる。第1
実施形態では、受光面105aに投影されたモアレ縞3
5の左から2番目の明部の縞の形を判別する例を示した
(図22参照)。
【0060】以上のように、SOS用光センサ17から
出力されるビーム検出信号S10を、モアレ縞選択手段
のプログラマブルタイマ219のカウント開始信号とし
ても併用することで、装置の簡略化、低コスト化を図る
ことができる。また、SOS用光センサ17は光電変換
素子105に対してその位置が固定されており、レーザ
ビームの光路が副走査方向にずれても、S0S用光セン
サ17から出力される検出信号S10の立ち上がりエッ
ジの位置がばらつくことはない。従って、プログラマブ
ルタイマ219のカウント開始のタイミングがずれるこ
とはなく、選択精度の高いモアレ縞選択手段が得られ
る。
【0061】なお、前述のモアレ縞選択手段は、SOS
用光センサ17を利用するものであるが、必ずしもこれ
に限定されるものではなく、図20及び図21に示すよ
うに、モアレ縞選択手段専用の光電変換素子113を用
いてもよい。光電変換素子113は、光電変換素子10
5の近傍に配置され、縮小光学系であるシリンドリカル
レンズ103,104によって集光されたレーザビーム
Lが受光面113aに入射する。特に、図21に示した
光電変換素子113は、光電変換素子105と共に同一
基板115上に配設されている。
【0062】さて、図15において、出力信号S12に
よりクリアされたフリップフロップ205は、クロック
入力信号S4の立ち下がりエッジにより、Q出力から信
号S13を出力する。同様に、フリップフロップ214
は、クロック入力信号S8の立ち下がりエッジにより、
Q出力から信号S14を出力する。この信号S13と信
号S14の立ち上がりの時間差ΔTが正か、負か、また
は0かを判別することによって焦合状態を検出すること
ができる。従って、次に、時間差ΔTが正か、負か、ま
たは0かを判別する方法について説明する。
【0063】フリップフロップ205はQ出力信号S1
3及びその反転出力信号S15を出力し、フリップフロ
ップ214はQ出力信号S14及びその反転出力信号S
16を出力する。そこで、フリップフロップ205の反
転出力信号S15とフリップフロップ214のQ出力信
号S14をAND素子206に入力し、論理積出力信号
S17を出力させる。同様に、フリップフロップ205
のQ出力信号S13とフリップフロップ214の反転出
力信号S16をAND素子215に入力し、論理積出力
信号S18を出力させる。
【0064】図22に示した前ピント状態の場合には、
AND素子206の論理積出力信号S17は、パルス幅
がΔTの短パルスとなる。一方、AND素子215の論
理積出力信号S18はLレベルの状態を維持する。すな
わち、(S17,S18)=(H,L)の出力を得る。
また、後ピント状態の場合、出力信号S17はLレベル
の状態を維持し、出力信号S18はパルス幅がΔTの短
パルスとなる。すなわち、(S17,S18)=(L,
H)の出力を得る。
【0065】さらに、合焦状態の場合、AND素子20
6,215のIC特性(伝搬遅延時間)により、出力信
号S17あるいはS18のパルス幅ΔTが短いため、A
ND素子206,215のいずれの出力もHレベルにな
らない。すなわち、(S17,S18)=(L,L)の
出力を得る。AND素子206,215のそれぞれの論
理積出力信号S17,S18はタイマ207,216を
介して出力信号S19,S20とされた後、OR素子2
08に入力して論理和信号S21を出力させる。タイマ
207,216は、OR素子208での波形処理を容易
にするために、論理積出力信号S17,S18の短パル
ス信号のパルス幅ΔTを長くするためのものである。
【0066】論理和出力信号S21はAND素子209
の一方の入力端子に入力され、AND素子209の他方
の入力端子には、マイコン220のポートからの出力信
号S22を入力させる。これにより、マイコン220に
よる制御を可能としている。AND素子209の論理積
出力信号S23はモータON信号である。タイマ216
の出力信号S20はモータ正転逆転信号である。
【0067】以上のように、傾きを検出するためのモア
レ縞を選択するモアレ縞選択手段を備えることにより、
レーザビームが副走査方向にずれてモアレ縞が主走査方
向bに移動しても、モアレ縞選択手段によって常に受光
面の中央部に位置するモアレ縞の傾きを検出でき、安定
してモアレ縞の状態を判別することができる。
【0068】以上の合焦動作は印字開始前と連続ページ
印字中のページ間非印字時間中に実行する。第1実施形
態によれば、前ピント状態か後ピント状態かを判別でき
るため、フォーカシングレンズ3を移動させる方向を予
め決めることができ、合焦動作は極めて短時間で済む。
また、ページ間で合焦動作を実行すると、合焦動作の時
間間隔が短いため、その間の環境変化等によるデフォー
カス量も少なく、1ステップ程度のレンズ移動でデフォ
ーカスを補正できる。このため、ページ間の非常に短い
時間でも合焦動作を確実に行うことができる。
【0069】(ディレイ回路225,226の構成及び
機能)ところで、通常、初期状態(ベストフォーカス)
で、モアレ縞35の傾きに合わせて光電変換素子105
の傾きをビーム検出器100の構成部品101〜105
の寸法精度で最適の角度に合わせることは困難である。
また、初期状態で受光面105a,105bの出力波形
のピーク位置が等しくなるように設定できれば信号処理
が容易になる。
【0070】そこで、第1実施形態では、図23に示す
ように、初期状態で例えモアレ縞35が右方に傾いて
も、ディレイ回路225,226を用いて受光面105
a,105bの出力波形のピーク位置が等しくなるよう
に電気的に処理して、合焦状態と見做すことができるよ
うにしている。すなわち、モアレ縞35が右方に傾いて
いると、図24に示すように、受光面105a,105
bの出力波形107a,107bの間にピーク位置のず
れが生じる。この時間差ΔT4をディレイ回路225,
226の遅延時間を調整して、出力波形107bのピー
ク位置を107aのピーク位置にずらして信号S4,S
8がフリップフロップ205,214に時間差なく入力
されるようにする。これにより、フリップフロップ20
5,214以降の信号は見掛け上合焦状態として処理す
ることができる。
【0071】また、走査光学装置の構成部品の寸法精度
や取り付けによって、図25に示すように、モアレ縞3
5の傾きにはバラツキが生じる。初期状態のモアレ縞3
5の目標の傾き(実線にて表示)に対して、実際のモア
レ縞35が点線に表示された傾きを有しているとき、目
標の出力波形107a(一点鎖線にて表示)に対して実
際の出力波形107a’(点線にて表示)は時間差ΔT
5を生じる。従って、この時間差ΔT5を、ディレイ回
路225,226の遅延時間を調整することによって、
出力波形107a’のピーク位置を107aのピーク位
置にずらせて0にすることができる。この結果、モアレ
縞35の傾きを、より精度良く検出することができる。
【0072】図27は、ディレイ回路225,226の
具体的構成例を示したものである。インダクタL1,L
2,L3,…が直列に接続され、それぞれ分枝された線
に接続されたスイッチ素子SW1,SW2,SW3,S
W4,…のいずれかをマイコン220によってオン、オ
フ制御することによって、ディレイ回路225,226
の遅延時間を調整することができる。例えば、走査光学
装置を出荷する時に、受光面105a,105bの出力
波形107a,107bをオシロスコープでモニタし、
時間差ΔT4やΔT5が0になるように各ディレイ回路
225,226のスイッチ素子SW1,SW2,…のオ
ン、オフを組み合わせる。
【0073】以上のように、ディレイ回路225,22
6を用いれば、出力波形107a,107bのピーク値
に大きな差がないので安定した制御が可能である。 (光電変換素子105の傾き調整)また、初期状態(ベ
ストフォーカス)で、受光面105a,105bのそれ
ぞれの出力波形のピーク位置が等しくなるようにする手
段としては、前記ディレイ回路225,226を用い
て、電気的に処理するものに限らない。例えば図28に
示す構造の調整治具400を用いて、モアレ縞35の傾
きに合わせて光電変換素子105の傾きを最適な角度に
変えて、受光面105a,105bの出力波形のピーク
位置が等しくなるように設定してもよい。
【0074】すなわち、光電変換素子105は、モアレ
縞の傾き回転方向に移動可能な状態で調整治具400に
取付けられている。調整治具400は、固定台401と
センサホルダ409にて構成されている。固定台401
はコ字形をしており、下部に一対の板ばね402,40
3が対向して設けられ、中央部に軸穴404が設けら
れ、上部にねじ穴405,406が設けられている。ね
じ穴405,406に、それぞれねじ407,408が
螺着される。センサホルダ409は、背面中央部に軸4
10が設けられており、この軸410が固定台401に
設けた軸穴404に嵌合する。センサホルダ409の正
面中央部には、光電変換素子105が、例えばねじ又は
接着剤等で固定されている。
【0075】図29に示すように、板ばね402,40
3はそれぞれセンサホルダ409の下面に弾性的に接触
してセンサホルダ409を支持し、ねじ407,408
はその先端部がセンサホルダ409の上面を押圧してい
る。そして、ねじ407,408の送り量で、軸410
を支点にしてモアレ縞の傾きに合わせて光電変換素子1
05の傾きを最適な角度に変えることができる。送り量
は、図示しないマイクロメータ等によって調整される。
【0076】以上の構成により、図30に示すようにビ
ーム検出器100の構成部品101〜105の寸法精度
を厳しく制限しなくても、モアレ縞の傾きに合わせて光
電変換素子105の傾きを最適な角度に設定することが
でき、初期状態の設定が容易となる。また、初期状態で
受光面105a,105bのそれぞれの出力波形のピー
ク位置が等しくなるように設定できるので、信号処理も
容易になる。
【0077】さらに、具体的に数値を用いて詳説する。
空間格子Aのピッチ寸法d1を125μm、空間格子B
のピッチ寸法d2を250μm、空間格子Bの微小傾き
角度αを4度、合焦位置から空間格子Aまでの距離l1
を40mm、合焦位置から空間格子Bまでの距離l2
80mmとした場合、モアレ縞の傾きは前記関係式
(5)から、 [cosα−{(l12)/(l21)}]/sinα
=−0.035 となる。従って、tanφ=−0.035となり、φ=
−2[度]となる。これにより、モアレ縞の傾きは、−
88度となる。
【0078】ここに、部品加工精度誤差により、空間格
子Bの微小傾き角度αが3.8度、合焦位置から空間格
子Aまでの距離l1が40.2mm、合焦位置から空間
格子Bまでの距離l2が79.8mmになったとする
と、モアレ縞の傾きは関係式(5)から、 [cosα−{(l12)/(l21)}]/sinα
=−0.147 となる。従って、tanφ=−0.147となり、φ=
−8.4[度]となる。設計値−2[度]に対して6.
4[度]も角度が変わることになり、仮に光電変換素子
105の傾きをモアレ縞の傾きに合わせて最適な角度に
変えることができなければ、受光面105a,105b
のそれぞれの出力波形のピーク位置が異なったものにな
り、初期状態の設定や信号処理が煩雑となる。
【0079】また、センサホルダ409の内部には、モ
アレ縞の位相差検出を行う出力信号処理回路の各電子部
品を載置した電装基板が保持されている。このように、
光電変換素子105と制御回路を載置した電装基板とを
一体で設けることにより、光電変換素子105から出力
される数多くの信号線を取り回す必要がなくなり、非常
に組み立て易いビーム検出器100を構成することがで
きる。
【0080】一方、光電変換素子105と、出力信号処
理回路の電装基板とを別体に構成してもよい。この場
合、光電変換素子105から出力する数多くの信号線を
センサホルダ409から取り回す必要があるが、光電変
換素子105の発熱から、電装基板上の電子部品を守る
ことができるというメリットがある。センサホルダ40
9の構成を採用する場合、使用する光電変換素子105
の発熱量と電子部品の耐熱性を考慮して、上記いずれか
の構成を採用すればよい。
【0081】(第2の位相差検出構成及びモアレ縞選択
手段)また、位相差検出構成及びモアレ縞選択手段は前
述のものに限定されるものではなく、図31〜図35に
示す第2の位相差検出構成及びモアレ縞選択手段であっ
てもよい。第2の位相差検出構成及びモアレ縞選択手段
において、レーザビームの焦点位置が前ピント状態か、
後ピント状態か、合焦状態かは、モアレ縞35が投影さ
れた受光面105aの出力波形と受光面105bの出力
波形の谷部(モアレ縞の暗部)の位相差から判定する。
合焦状態のモアレ縞35は主走査方向bに対して直交し
(図31参照)、前ピント状態のモアレ縞35は右回転
して右方に傾き(図32参照)、後ピント状態のモアレ
縞35は左回転して左方に傾く(図33参照)ようにビ
ーム検出器100を設定している。
【0082】図31〜図33において、モアレ縞が前記
いずれの状態であるかは、受光面105a,105bに
跨っているモアレ縞の暗部の位相差によって判別可能で
ある。つまり、受光面105aの出力波形107aと受
光面105bの出力波形107bの谷部の位相差が0で
ある場合(図31参照)は合焦状態、出力波形107b
が出力波形107aより位相差ΔT1だけ進んでいる場
合(図32参照)は前ピント状態、出力波形107aが
出力波形107bより位相差ΔT2だけ進んでいる場合
(図33参照)は後ピント状態と判別する。
【0083】さらに、図34に示した制御回路ブロック
図を参照して出力波形の処理方法を詳説する。図34に
示した電気回路は増幅器230,231、遅延増幅器2
03,212、比較器204,213、フリップフロッ
プ205,214,218、AND素子206,20
9,215、タイマ207,216、OR素子208、
比較器217、プログラマブルタイマ219及びマイコ
ン220にて構成されている。
【0084】受光面105aの出力波形S1は、増幅器
230及び遅延増幅器203により増幅された後、それ
ぞれの波形S2,S3は比較器204に入力される。比
較器204は波形S2とS3を比較し、その出力波形を
デジタル信号S4として出力する。同様にして、受光面
105bの出力波形S5は、増幅器231及び遅延増幅
器212により増幅された後、それぞれの波形S6,S
7は比較器213に入力される。比較器213は波形S
6とS7を比較し、その出力波形をデジタル信号S8と
して出力する。
【0085】次に、受光面105a,105bに投影さ
れた複数本のモアレ縞の中から傾きを検出するためのモ
アレ縞を選択するモアレ縞選択手段について説明する。
増幅器230から出力された増幅波形S2を、比較器2
17へ入力する。比較器217は、波形S2の電圧が比
較器217の基準電圧Vrefより大きくなると、Hレベ
ルとなるように設定されている。比較器217の出力波
形S9をフリップフロップ218に入力する。さらに、
フリップフロップ218の出力波形S10は、プログラ
マブルタイマ219に入力される。このプログラマブル
タイマ219は、マイコン220のデータバスS11に
よりカウント値をセットされている。
【0086】プログラマブルタイマ219は、前記出力
波形S10の立ち上がりエッジでカウントを開始し、マ
イコン220からのセット値に基づいてカウントアップ
し、その出力信号S12をフリップフロップ205,2
14,218のクリア入力に入力することにより、各フ
リップフロップをクリアし、Lレベルにする。クリアさ
れたフリップフロップ205,214,218は、それ
ぞれのクロック入力信号S4,S8,S9の立ち上がり
エッジにより、LレベルからHレベルに変わるようにセ
ットしておく。すなわち、プログラマブルタイマ219
のカウント値をマイコン220によって自在にセットす
ることによって、出力信号S12のパルス幅を変え、複
数本のモアレ縞の中から所望の検出用モアレ縞を選択す
ることができる。第1実施形態では、受光面105aに
投影されたモアレ縞35の左から2番目の暗部の縞の形
を判別する例を示した(図35参照)。
【0087】出力信号S12によりクリアされたフリッ
プフロップ205は、クロック入力信号S4の立ち上が
りエッジにより、Q出力から信号S13を出力する。同
様に、フリップフロップ214は、クロック入力信号S
8の立ち上がりエッジにより、Q出力から信号S14を
出力する。この信号S13と信号S14の立ち上がりの
時間差ΔTが正か、負か、または0かを判別することに
よって焦合状態を検出することができる。時間差ΔTが
正か、負か、または0かを判別する方法については、前
記第1の位相差検出機構において詳説しているため省略
する。
【0088】(光電変換素子及び縮小光学系の変形例)
なお、第1実施形態では光電変換素子として、受光面を
二つ有する2分割フォトダイオード105を用いたが、
必ずしもこれに限るものではなく、少なくとも2個の受
光面を確保することができれば、光電変換素子の数は任
意である。例えば、図36に示すように、受光面をそれ
ぞれ一つしか有さないフォトダイオード116a,11
6b,116cを組み合わせて用いてもよい。
【0089】また、図37に示すように、光電変換素子
として、二つのリニアラインセンサ116d,116e
をそれぞれモアレ縞の回転中心から副走査方向cに上方
及び下方に離れた位置に主走査方向bと平行に設置した
ものを用いてもよい。この場合、二つの格子フィルタ1
01,102を透過したレーザビームLはシリンドリカ
ルレンズ103,104によって集光された後、リニア
ラインセンサ116d,116eに跨っているモアレ縞
を形成する。そして、二つのリニアラインセンサ116
d,116eの出力波形のそれぞれのピーク値の間の距
離を検出することで、モアレ縞の傾きの変化を知ること
ができる。あるいは、図38に示すように、光電変換素
子として、エリアCCDを用いることによって、情報量
を多くし、集光位置ずれの検出誤差を少なくしてもよ
い。複数ラインでモアレ縞の明部のピッチ間隔を測定
し、得られた測定値の平均を求めることができるからで
ある。
【0090】また、縮小光学系としては、図39に示す
ように、正レンズ117を用いてもよい。正レンズ11
7は主走査方向b及び副走査方向cに集光作用をもつの
で、二つの格子フィルタ101,102を透過したレー
ザビームLは正レンズ117によって集光された後、光
電変換素子105の受光面105a,105bにモアレ
縞を形成する。正レンズ117は、主走査方向bと副走
査方向cで倍率が異なるアナモフィックレンズであって
もよい。
【0091】[第2実施形態、図40〜図45]前記第
1実施形態において説明したように、環境(温度、湿
度)等の変化によって、レーザビームの光路が副走査方
向にずれると、光電変換素子からの二つの出力波形のピ
ーク値が異なったものになり(図18、図19参照)、
位相差ΔTの検出が不安定になる心配がある。第1実施
形態では、可変増幅器とピークホールド回路と差分回路
等を用いることによって、二つの出力波形のピーク値を
略等しくする機構を採用している。
【0092】第2実施形態では、第1実施形態とは異な
る機構を採用して、レーザビームの光路が副走査方向に
ずれても、位相差ΔTを常に安定して検出することがで
きるレーザビーム走査光学装置について説明する。第2
実施形態のレーザビーム走査光学装置は、ビーム検出器
及び制御回路を残して前記第1実施形態の装置と同様の
構造を有しているので、その詳細な説明は省略する。
【0093】図40に示すように、ビーム検出器は4個
の光電変換素子118a,118b,118c,118
dを備えている。光電変換素子118a〜118dとし
ては、フォトダイオード等が用いられ、それぞれモアレ
縞の回転中心から副走査方向cに上方及び下方に離れた
位置に主走査方向bと平行に設置されている。このビー
ム検出器は、被走査面と光学的に略等価位置近傍に配置
され、レーザビームLの主走査方向bに対して、空間格
子Aは平行であり、空間格子Bは微小角度傾いている。
二つの格子フィルタ101,102を透過したレーザビ
ームLはシリンドリカルレンズ103,104によって
集光された後、光電変換素子118a〜118dに跨っ
ているモアレ縞を形成する。
【0094】図41に示すように、通常、初期状態(ベ
ストフォーカス)では、レーザビームLのビームスポッ
トLbは、その中心が光電変換素子118bと118c
の間に位置するように設定されている(図中Lb1
照)。この場合、図42に示すように、光電変換素子1
18b,118cのそれぞれの出力波形119b,11
9cのピーク値が高くかつ略等しい。一方、光電変換素
子118a,118dのそれぞれの出力波形119a,
119dのピーク値は低い。従って、ピーク値が高くか
つ略等しい出力波形119bと119cを選択すれば位
相差ΔTを安定して検出することができる。
【0095】そして、環境の変化によって、図41に示
すように、レーザビームLの光路が副走査方向にずれ、
ビームスポットがLb2の位置にずれたときには、図4
3に示すように、ピーク値が高くかつ略等しい出力波形
119aと119bを選択すれば、位相差ΔTを安定し
て検出することができる。また、図41に示すように、
ビームスポットがLb3の位置にずれたときには、図4
4に示すように、ピーク値が高くかつ略等しい出力波形
119cと119dを選択すれば、位相差ΔTを安定し
て検出することができる。
【0096】さらに、図45に示した制御回路ブロック
図を参照して出力波形119a〜119dの処理方法を
詳説する。図45に示した電気回路は、増幅器232,
233、ピークホールド回路235a,235b,23
5c,235d及びスイッチ素子群SW(SW5〜SW
10)等を備えている。
【0097】光電変換素子118a〜118dからの出
力波形119a〜119dは、それぞれピークホールド
回路235a〜235dに入力される。ピークホールド
回路235a〜235dは、出力波形119a〜119
dのそれぞれのピーク値(最大電圧値)を保持し、その
ピーク値はマイコン220に入力される。マイコン22
0は、ピーク値が高い隣接する光電変換素子を二つ選択
し、この二つの光電変換素子の出力波形のみが増幅器2
32,233及び遅延増幅器203,212に入力され
るように、制御信号S32を出力する。
【0098】制御信号S32はスイッチ素子群SWに入
力され、個々のスイッチ素子SW5〜SW10をオン、
オフ制御する。例えば、ビームスポットがLb2の位置
にずれたとき(図41参照)には、出力波形119aと
119bのピーク値が高い(図43参照)ので、マイコ
ン220は光電変換素子118aと118bを選択し、
制御信号S32によってスイッチ素子SW5,SW7を
オン、スイッチ素子SW6,SW8,SW9,SW10
をオフする。これによって、光電変換素子118aから
の出力波形119aが増幅器232及び遅延増幅器20
3に入力され、光電変換素子118bからの出力波形1
19bが増幅器233及び遅延増幅器212に入力され
る。その後、前記第1実施形態において説明したと同様
の処理によって、二つの出力波形119aと119bの
ピーク値の位相差ΔTが測定され、合焦ずれが検出され
る。
【0099】以上のように、たとえレーザビームLの光
路が副走査方向にずれても、光電変換素子118a〜1
18dの出力波形119a〜119dのうち、ピーク値
が高い出力波形を二つ選択することで、位相差ΔTの検
出を常に安定した状態で行うことができる。
【0100】なお、第2実施形態では、4個の光電変換
素子を用いたが、必ずしもこれに限るものではなく、少
なくとも3個の受光面を確保することができれば光電変
換素子の数は任意である。例えば、図46に示すよう
に、三つの受光面120a,120b,120cを有し
た3分割フォトダイオード120を用いてもよい。ある
いは、図47に示すように、4個のリニアラインセンサ
121a,121b,121c,121dを用いてもよ
い。この場合、4個のリニアラインセンサ121a〜1
21dのそれぞれの出力波形のうち、ピーク値が高い出
力波形を二つ選択し、その二つの出力波形のピーク値間
の距離を検出することでモアレ縞の傾きの変化を知るこ
とができる。
【0101】[第3実施形態、図48〜図50]第3実
施形態は、レーザビームの副走査方向cの焦点ずれを検
出することができるレーザビーム走査光学装置について
説明する。第3実施形態のレーザビーム走査光学装置
は、ビーム検出器150及び光源制御部を残して、前記
第1実施形態の装置(特に、第2の位相差検出機構及び
モアレ縞選択手段を備えたもの)と同様の構造を有して
いるので、その詳細な説明は省略する。
【0102】図48に示すように、ビーム検出器150
は被走査面と光学的に略等価位置近傍の画像エリア外に
設置され、光軸方向に配列された格子フィルタ151,
152とシリンドリカルレンズ153,154と光電変
換素子155とで構成されている。格子フィルタ15
1,152はそれぞれ縞状の空間格子A,Bを有し、副
走査方向cに対して、空間格子Aは平行であり、空間格
子Bは微小角度傾いている。さらに、空間格子Bのピッ
チ誤差については、前記第1実施形態の関係式(1
0),(11)を満足している。
【0103】縮小光学系をなすシリンドリカルレンズ1
53と154は、シリンドリカルレンズ153が主走査
方向bにのみ集光作用をもち、シリンドリカルレンズ1
54が副走査方向cにのみ集光作用をもつ。従って、二
つの格子フィルタ151,152を透過したレーザビー
ムLはシリンドリカルレンズ153,154によって集
光された後、光電変換素子155の受光面155a及び
155bにモアレ縞を形成する。
【0104】光電変換素子155は、副走査方向cに対
して平行に2分割された受光面155a及び155bを
有する2分割フォトダイオードである。ここで、仮に主
走査方向bに走査されたレーザビームLを連続して格子
フィルタ151,152に照射した場合を考える。レー
ザビームLが走査されると、前記第1実施形態において
説明したように、レーザビームLのシフトに合わせてモ
アレ縞が主走査方向bに微小シフトする(図4参照)。
このため、モアレ縞の傾きを精度良く検出するには、極
めて短時間のサンプリングが可能な光電変換素子155
が必要となる。しかしながら、このような機能を有する
光電変換素子155は高価な素子となり、レーザビーム
走査光学装置のコストアップを招く。
【0105】そこで、第3実施形態のレーザビーム走査
光学装置は、レーザダイオード1を1画素分だけ発光さ
せ、その1画素分のレーザビームLのみを格子フィルタ
151,152に照射させる定点発光方式を採用した。
1画素分しかレーザビームLを照射しないので、受光面
155a及び155bに形成されたモアレ縞は微小シフ
トせず、高価な光電変換素子を使用する必要がなくな
る。
【0106】さらに、図49及び図50を参照して定点
発光方式を詳説する。図49に示すように、光源制御部
はSOS検出回路271とレーザダイオード(LD)駆
動回路272を備えている。なお、図49に示した制御
回路ブロック図はSOS検出回路271とLD駆動回路
272を残して、第1実施形態の図34に示した制御回
路ブロック図と同様のものであるのでその詳細な説明は
省略する。SOS用光センサ17から出力されるビーム
検出信号(SOS信号)がSOS検出回路271を介し
てマイコン220に入力される。さらに、マイコン22
0からのLD制御信号がLD駆動回路272に入力され
る。LD駆動回路272のプログラマブルタイマ(図示
せず)は、前記LD制御信号によりカウントを開始す
る。このプログラマブルタイマは、ポリゴンミラー6の
回転速度を基にして導出された所定の発光タイミング時
間T1及び消灯タイミング時間T2がマイコンによりセ
ットされている。
【0107】ここに、発光タイミング時間T1と消灯タ
イミング時間T2の差は、1画素分のLD点灯時間に相
当するように設定されている。図50に示すように、プ
ログラマブルタイマがカウントアップして発光タイミン
グ時間T1になると、LD駆動回路272からオートフ
ォーカス用LDON信号がレーザダイオード1に送ら
れ、レーザダイオード1を点灯させる。そして、1画素
分のLD点灯時間経過後、すなわち消灯タイミング時間
T2になるとレーザダイオード1を消灯させる。すなわ
ち、レーザダイオード1はオートフォーカス用LDON
信号により、画像エリア外で1画素に相当する時間で発
光し、1ドット分のレーザビームをビーム検出器150
に照射させる。なお、図50において、画像エリア信号
は印字データに基づいてレーザダイオード1を変調(オ
ン、オフ)制御する信号であり、SOS周期とは、SO
S信号の周期である。
【0108】以上の構成において、受光面155a,1
55bは、それぞれ信号波形を出力する。この出力波形
から集光位置ずれの検出を行うことができる。すなわ
ち、出力波形のそれぞれのピーク値の位相差を検出する
ことで、モアレ縞の傾きの変化を知ることができ、その
結果、副走査方向cの集光位置のずれ量と集光位置のず
れが被走査面の前方か後方かを判別することができる。 [第4実施形態、図51〜図57]レーザビーム走査光
学装置において、集光位置のずれが、常に、前ピント状
態か後ピント状態のいずれか一方の状態になる場合に
は、集光位置が前ピント状態か後ピント状態かの判別を
することは不必要である。
【0109】そこで、第4実施形態では、集光位置のず
れが、常に、前ピント状態か後ピント状態のいずれか一
方になるレーザビーム走査光学装置において、前記第1
実施形態より簡易な方法で、レーザビームの合焦状態を
検出する構成について説明する。第4実施形態では集光
位置のずれが、常に、前ピント状態になるものを例にし
て説明する。第4実施形態のレーザビーム走査光学装置
は、ビーム検出器及び制御回路を残して前記第1実施形
態の装置と同様の構造をしているので、その詳細な説明
は省略する。
【0110】図51に示すように、ビーム検出器160
は、被走査面と光学的に略等価位置近傍に設置され、光
軸方向に配列された格子フィルタ161,162とシリ
ンドリカルレンズ163,164と光電変換素子165
とで構成されている。格子フィルタ161,162はそ
れぞれ縞状の空間格子A,Bを有し、レーザビームLの
主走査方向bに対して、空間格子Aは平行であり、空間
格子Bは微小角度傾いている。
【0111】縮小光学系をなすシリンドリカルレンズ1
63と164は、シリンドリカルレンズ163が主走査
方向bにのみ集光作用をもち、シリンドリカルレンズ1
64が副走査方向cにのみ集光作用をもつ。従って、二
つの格子フィルタ161,162を透過したレーザビー
ムLはシリンドリカルレンズ163,164によって集
光された後、光電変換素子165の受光面にモアレ縞を
形成する。光電変換素子165はエリアCCDであり、
多くの情報量によって集光位置ずれの検出誤差を少なく
することができる。複数ラインでモアレ縞の主走査方向
の明部のピッチ間隔を測定し、得られた測定値の平均を
求めることができるからである。
【0112】図52に示すように、合焦状態のモアレ縞
35の明部は主走査方向bに対して直交し、図53に示
すように、前ピント状態にデフォーカスすると、モアレ
縞35は右回転して右方に傾くようにビーム検出器16
0は設定される。デフォーカス状態のモアレ縞35の明
部のピッチ間隔Q2は、合焦状態のモアレ縞35の明部
のピッチ間隔Q1より大きくなるので、ピッチ間隔の差
2−Q1を求め、この差に応じてフォーカシングレンズ
3を光軸上で所定量移動させることにより、合焦状態に
することができる。そして、レーザビームが副走査方向
cにずれて、光電変換素子165の受光面に投影される
モアレ縞35が主走査方向bに移動しても、モアレ縞3
5のピッチ寸法Q2は維持されるので、誤検出の心配が
ない。
【0113】さらに、図54に示した制御回路ブロック
図を参照して処理方法を詳説する。図54に示した電気
回路は、CCDドライバ280、A/D変換器281、
信号処理回路282及びメモリ283にて構成されてい
る。CCDドライバ280及びA/D変換器281は周
知のものであり、その詳細な説明は省略する。光電変換
素子165の出力波形は、CCDドライバ280及びA
/D変換器281を介して、図55に示すように信号出
力としてシリアルに信号処理回路282に入力される。
信号処理回路282は、信号出力の1番目のモアレ縞の
明部(山)に対し、スレッシュレベルを最初に越えた番
地(M1番地)をメモリ283に格納する。次に、スレ
ッシュレベルを越えてから再びスレッシュレベルを下回
るまでの番地数mをカウントした後、1番目のモアレ縞
35の明部のピーク番地{M1+(m/2)番地}をメ
モリ283に格納する。
【0114】同様にして、2番目のモアレ縞35の明部
(山)に対し、スレッシュレベルを越えた番地(M2
地)をメモリ283に格納すると共に、スレッシュレベ
ルを越えてから再びスレッシュレベルを下回るまでの番
地数nをカウントした後、2番目のモアレ縞35の明部
のピーク番地{M2+(n/2)番地}をメモリ283
に格納する。
【0115】次に、{M1+(m/2)}−{M2+(n
/2)}を算出し、モアレ縞35の明部のピッチ間隔Q
2を求める。求めたピッチ間隔Q2と合焦状態のモアレ縞
35の明部のピッチ間隔Q1とを比較し、その差(Q2
1)を求める。算出した差(Q2−Q1)の正負に応じ
てステッピングモータ21の正転逆転信号を生成すると
共に、差(Q2−Q1)の絶対値に応じてステッピングモ
ータ21の回転量を決定する。次に、信号処理回路28
2はモータ正転逆転信号及びモータ回転量信号をフォー
カシングレンズ駆動制御部26を介してステッピングモ
ータ21に送り、フォーカシングレンズ3を光軸上で所
定量移動させて合焦状態にする。
【0116】さらに、具体的に数値を用いて詳説する。
空間格子Aのピッチ寸法d1を125μm、空間格子B
のピッチ寸法d2を250μm、空間格子Bの微小傾き
角度αを4度、合焦位置から空間格子Aまでの距離l1
を40mm、合焦位置から空間格子Bまでの距離l2
80mmとした場合、モアレ縞35の傾きは前記第1実
施形態で説明した関係式(5)から、以下の数値が得ら
れる。
【0117】[cosα−{(l12)/(l
21)}]/sinα=−0.035 従って、tanφ=−0.035となり、φ=−2度と
なる。これにより、モアレ縞35の傾きは、−88度と
なる。一方、合焦位置から光電変換素子105までの距
離l3を90mmとすると、モアレ縞のピッチ寸法Q
1は、f=l31/l1であるから、前記関係式(6)と
1=P1/cosφより、以下の数値が得られる。
【0118】 Q1=(f/cosφsinα)×cos(φ−α) =4.01[mm] ……(12) 次に、環境の変化等により、合焦位置がΔl=0.2m
mずれたとすると、前記関係式(7)よりφ=−4
[度]となるので、モアレ縞35の傾きは−86[度]
となる。そして、モアレ縞35のピッチ寸法Q2は、前
記関係式(6)とQ2=P2/cosφより、以下の数値
が得られる。
【0119】Q2=3.98[mm] ……(13) (12)式と(13)式より、合焦位置がΔl=0.2
mmずれたとすると、モアレ縞のピッチ寸法は0.03
mm変化する。この変化を検知してモータの正転逆転信
号を生成し、変化量に応じてフォーカシングレンズ3を
光軸上でレーザダイオード1から離れる方向に所定量移
動させることによって前ピント状態にずれた焦点を後方
に移動させ、合焦状態にする。
【0120】なお、モアレ縞35の明部のピッチ間隔Q
2を求める方法としては、ピークホールド回路を利用す
るものもある。すなわち、図55に示した信号出力をシ
リアルにピークホールド回路に入力し、1番目のモアレ
縞35の明部(山)のピーク値(最大電圧値)とその番
地を保持し、その番地(M3番地)をメモリ283に格
納する。次に、2番目のモアレ縞35の明部のピーク値
とその番地を保持し、その番地(M4番地)をメモリ2
83に格納する。次に、(M4−M3)を算出し、モアレ
縞35の明部のピッチ間隔Q2を求めることができる。
【0121】また、第4実施形態では、光電変換素子と
してエリアCCD165を用いたが、必ずしもこれに限
るものではなく、例えば、図56に示すように、リニア
ラインセンサ167であってもよい。この場合、リニア
ラインセンサ167の出力波形のピーク値間の距離を測
定して、合焦状態のときの出力波形のピーク値間の距離
との差を求め、この差に応じてフォーカシングレンズ3
を光軸上で所定量移動させて合焦状態にする。あるい
は、図57に示すように、フォトダイオード168であ
ってもよい。この場合、フォトダイオード168の出力
波形のピークからピークまでの時間を測定して、合焦状
態のときの出力波形のピークからピークまでの時間との
差を求め、この差に応じてフォーカシングレンズ3を光
軸上で所定量移動させて合焦状態にする。
【0122】[第5実施形態、図58〜図61]第5実
施形態のレーザビーム走査光学装置は、ビーム検出器1
70及び制御回路を残して前記第1実施形態の装置と同
様の構造を有しているので、その詳細な説明は省略す
る。
【0123】図58に示すように、ビーム検出器170
は、被走査面と光学的に略等価位置近傍の画像エリア外
に設置され、光軸方向に配列された格子フィルタ17
1,172と光電変換素子173とで構成されている。
格子フィルタ171,172はそれぞれ縞状の空間格子
A,Bを有し、レーザビームLの主走査方向bに対し
て、空間格子Aは平行であり、空間格子Bは微小角度傾
いている。さらに、空間格子Bのピッチ誤差について
は、前記第1実施形態の関係式(10),(11)を満
足している。光電変換素子173は、4分割された受光
面173a〜173dを有する4分割センサであり、そ
れぞれの受光面173a〜173dは受光量に比例した
電流を出力する。
【0124】二つの格子フィルタ171,172を透過
したレーザビームLは受光面173a〜173dに跨が
るモアレ縞35を形成する。合焦状態のモアレ縞35は
主走査方向bに対して直交し(図59参照)、これに対
して前ピント状態のモアレ縞35は右回転して右方に傾
き(図60参照)、後ピント状態のモアレ縞35は左回
転して左方に傾く(図61参照)ように設定されてい
る。。
【0125】そして、四つの受光面173a〜173d
のそれぞれの出力電流Ia,Ib,Ic,Idは以下の
関係を有する。 合焦状態の場合、(Ia+Ic)−(Ib+Id)=0 前ピント状態の場合、(Ia+Ic)−(Ib+Id)
<0 後ピント状態の場合、(Ia+Ic)−(Ib+Id)
>0 これらの出力電流Ia〜Idは図1に示した信号処理回
路24に転送され、それぞれに比例した電圧値Va,V
b,Vc,Vdに変換された後、(Va+Vc)の値と
(Vb+Vd)の値を信号処理回路24の差分回路で処
理し、(Va+Vc)−(Vb+Vd)の値を導出す
る。この結果は制御回路25に転送され、制御回路25
では転送された値に基づいてレーザビームの集光位置を
判定する。すなわち、(Va+Vc)−(Vb+Vd)
が0であれば合焦状態と判定し、負であれば前ピント状
態と判定し、正であれば後ピント状態と判定する。
【0126】[第6実施形態、図62〜図66]モアレ
縞を検出するビーム検出器は、レーザビームの副走査方
向の光路ずれが検出精度に大きく影響する。そこで第6
実施形態は、前記第5実施形態のレーザビーム走査光学
装置の作用効果に加え、さらに副走査方向の光路ずれを
原因とする焦点ずれ検出能力の低下を防止することがで
きるレーザビーム走査光学装置について説明する。第6
実施形態のレーザビーム走査光学装置は、ビーム検出器
180と光路ずれを補正するためのアクチュエータ等を
残して、前記第1実施形態の装置と同様の構造を有して
いるので、その詳細な説明は省略する。
【0127】図62に示すように、ビーム検出器180
は、被走査面と光学的にほぼ等価位置に設置され、光軸
方向に配列された格子フィルタ181,182と光電変
換素子183とで構成されている。格子フィルタ18
1,182はそれぞれ三角形状の縞状の空間格子Aと四
角形状の縞状の空間格子Bを有し、レーザビームLの主
走査方向bに対して、空間格子Aは平行であり、空間格
子Bは微小角度傾いている。
【0128】二つの空間格子A,Bを透過したレーザビ
ームLは光電変換素子183の受光面183aにモアレ
縞を形成する。光電変換素子183には、フォトダイオ
ードやCCD等が利用される。そして、レーザビームL
が副走査方向に光路ずれした場合には、空間格子Aの幅
が異なる位置をレーザビームLが走査するため、受光面
183aに形成されるモアレ縞35の本数が変化する。
このモアレ縞の本数変化を光電変換素子183にて検出
することで、レーザビームLの光路のずれ量と、光路の
ずれが副走査方向の上方か下方かを判別することができ
る。そこで、アクチュエータ(図示せず)等でビーム検
出器180を副走査方向に移動させて位置補正した後
で、再びビーム検出器180にてモアレ縞の傾きを精度
良く検出する。あるいは、予め副走査方向の光路ずれに
対するモアレ縞の補正テーブルを信号処理回路にメモリ
しておき、光電変換素子183にて検出されたモアレ縞
の本数変化の情報と傾き変化情報を信号処理回路にて処
理することによりモアレ縞の傾きを導出してもよい。
【0129】なお、副走査方向の光路ずれを原因とする
焦点ずれ検出能力の低下を防止する対策としては、他に
も種々の構成がある。例えば、図63に示すように、光
電変換素子として、二つのリニアセンサ184a,18
4bを、それぞれモアレ縞の回転中心から副走査方向に
上方及び下方に離れた位置に主走査方向bと平行に設置
したものを用いる。格子フィルタ171,172を透過
したレーザビームはリニアセンサ184a,184bに
跨がっているモアレ縞35を形成する。
【0130】以上の構成において、リニアセンサ184
a,184bは、それぞれ例えば、図64に示す信号波
形185a,185bを出力する。この出力波形185
a,185bから、集光位置ずれ及び光路ずれの検出を
行なうことができる。すなわち、集光位置ずれの場合に
は、出力波形185a,185bのそれぞれのピーク間
の距離Δの変化を検出することで、モアレ縞35の傾き
の変化を知ることができ、その結果、集光位置のずれ量
と集光位置のずれが被走査面の前方か後方かを判別する
ことができる。また、光路ずれの場合には、モアレ縞3
5の回転中心の位置から出力波形185aのピーク位置
までの距離とモアレ縞35の回転中心の位置から出力波
形185bのピーク位置までの距離を比較することで、
光路ずれが副走査方向の上方か下方かを判別することが
できると共に、そのずれ量を測定することができる。
【0131】また、図65に示すように、ベース板18
8上に格子フィルタ171,172、光電変換素子18
6及び走査位置検出器187を配置してもよい。走査位
置検出器187には、位置検出素子やCCD等が使用さ
れる。ベース板188にはラックが形成され、このラッ
クにステッピングモータの出力ピニオンが噛合させるこ
とにより、ビーム検出器は副走査方向に移動可能であ
る。
【0132】以上の構成において、走査位置検出器18
7によって、副走査方向のレーザビームLの走査位置を
検出し、この走査位置検出器187から得られる副走査
方向の光路ずれ量の情報に基づいてビーム検出器の移動
方向を決定し、ステッピングモータを正逆いずれかの方
向に回転させてビーム検出器を副走査方向に所定量移動
させる。この移動によってビーム検出器の副走査方向の
光路ずれを補正した後、ビーム検出器にてモアレ縞を検
出する。
【0133】あるいは、図66に示すように、光電変換
素子186の近傍に走査位置検出器190を配置し、走
査位置検出器190によって副走査方向のレーザビーム
Lの走査位置を検出し、この走査位置検出器190から
得られる副走査方向の光路ずれ量の情報に基づいて、予
めメモリしておいた副走査方向の光路ずれに対するモア
レ縞の補正テーブルによって、ビーム検出器にて検出さ
れたモアレ縞の角度を補正し、モアレ縞の角度検出を精
度アップすることができる。
【0134】[第7実施形態、図67〜図84] (レーザビーム走査光学装置の全体構成)図67に示す
ように、第7実施形態のレーザビーム走査光学装置は、
概略、レーザダイオード501と、コリメータレンズ5
02と、シリンドリカルレンズ503と、ポリゴンミラ
ー504と、トロイダルレンズ506と、fθレンズ5
07と、ビーム検出器600とで構成されている。
【0135】レーザダイオード501はレーザドライバ
525によって変調(オン、オフ)制御され、オン時に
レーザビームを射出する。レーザドライバ525は、フ
ラッシュメモリ522からプリンタ本体制御部524を
介して送られてきた印字データに基づいて駆動される。
レーザダイオード501から射出されたレーザビームは
コリメータレンズ502で略平行に収束され、さらに、
シリンドリカルレンズ503によって副走査方向に絞ら
れた後、ポリゴンミラー504に到達する。
【0136】ポリゴンミラー504はモータ505によ
って回転軸504aを中心として時計方向に一定速度で
回転駆動される。レーザビームはポリゴンミラー504
の回転に基づいて各偏向面で等角速度に偏向され、トロ
イダルレンズ506及びfθレンズ507に入射する。
ポリゴンミラー504の面倒れ補正光学系は、シリンド
リカルレンズ503及びトロイダルレンズ506にて構
成されている。fθレンズ507から出射したレーザビ
ームは感光体ドラム530上に集光され、感光体ドラム
530上を矢印b方向に走査する。fθレンズ507は
主に前記ポリゴンミラー504で等角速度で偏向された
レーザビームを被走査面(感光体ドラム530)上での
主走査速度を等速に補正、すなわち、歪曲収差を補正す
る機能を有している。
【0137】感光体ドラム530は矢印c方向に一定速
度で回転駆動され、ポリゴンミラー504による矢印b
方向への主走査とドラム530の矢印c方向への副走査
によってドラム530上に画像(静電潜像)が形成され
る。さらに、第7実施形態のレーザビーム走査光学装置
は、副走査方向のレーザビームの集光位置ずれを調整す
るために、シリンドリカルレンズ503を光軸方向に移
動させることができる移動手段509を設けている。移
動手段509は、ステッピングモータ518、移動用プ
レート519、台座520にて構成されている。ステッ
ピングモータ518のモータ軸518aはねじ軸であ
り、オートフォーカス(AF)制御部521によってモ
ータ軸518aを正転あるいは逆転させることによって
シリンドリカルレンズ503を乗せた台座520が移動
用プレート519上を移動する。これによって、シリン
ドリカルレンズ503は光軸上で前後方向に移動可能で
あり、この移動によってレーザビームの感光体ドラム5
30上での集光位置が調整される。
【0138】(第1のビーム検出器)合焦状態検出のた
めの第1のビーム検出器600は、レーザビーム走査線
の下流に被走査面と光学的に略等価位置近傍の画像エリ
ア外に設置され、被走査面上でのレーザビームの合焦状
態を検出する。詳しくは、図67及び図68に示すよう
に、光軸方向に配列された格子フィルタ601,602
及び光電変換素子603と、格子フィルタ601の近傍
に配置された走査位置検出器604とこれらの部品60
1〜604を収容したケース605と圧電アクチュエー
タ606とで構成されている。格子フィルタ601,6
02はそれぞれ縞状の空間格子A,Bを有し、レーザビ
ームLの主走査方向bに対して、空間格子Aは平行であ
り、空間格子Bは微小角度傾いている。
【0139】ここで、空間格子Aのピッチ寸法d1と空
間格子Bのピッチ寸法d2とを相互に異ならせることに
より、受光面603a,603bに投影されるモアレ縞
の本数を制御することができる。第7実施形態では、d
1≠d2とすることにより、ビーム検出器600にモアレ
縞の明部を一つ投影するようにしている。光電変換素子
603は、受光面603a,603bを有する2分割セ
ンサであり、それぞれの受光面603a,603bは受
光光量に比例した電流を出力する。受光面603a,6
03bの分割ラインは、副走査方向cに対して略平行で
ある。
【0140】二つの格子フィルタ601,602を透過
したレーザビームLは、受光面603a,603bにモ
アレ縞35を形成する。モアレ縞35はデフォーカスに
よって傾きが変化する。すなわち、前ピント状態のモア
レ縞35の明部は右回転して右方に傾き(図69参
照)、合焦状態のモアレ縞35の明部は主走査方向bに
対して直交し(図70参照)、後ピント状態のモアレ縞
35の明部は左回転して左方に傾いている(図71参
照)。
【0141】二つの受光面603a,603bから、入
射光量に比例してそれぞれの出力電流Ia,Ibが得られ
る。これらの出力電流Ia,Ibはオートフォーカス制御
部521に転送され、それぞれ電圧値Va,Vbに変換さ
れた後、Vaの値とVbの値を差分回路で処理し、(Va
−Vb)の値を導出する。この結果に基づいてレーザビ
ームの集光位置を判定する。すなわち、(Va−Vb)が
0であれば合焦状態と判定し(図70参照)、負であれ
ば前ピント状態と判定し(図69参照)、正であれば後
ピント状態と判定する(図71参照)。
【0142】この判定結果から、シリンドリカルレンズ
503の移動方向を決定し、制御信号をステッピングモ
ータ518に送信する。ステッピングモータ518は正
逆いずれかの方向に回転し、シリンドリカルレンズ50
3を光軸上で所定量移動させる。レンズ503がレーザ
ダイオード501から離れる方向に移動するときは焦点
が後方に調整され、近づく方向に移動するときは焦点が
前方に調整される。レンズ503の1回の移動量は焦点
が約0.01mm移動する所定の値に設定されており、
このような移動を合焦状態に達するため、即ち、(Va
−Vb)が0になるまで繰り返す。
【0143】さらに、図72に示したオートフォーカス
制御部521の電気回路図を参照してレーザビームの集
光位置を調整する手順を詳説する。2分割光センサ60
3の各受光面603a,603bからの出力は光電変換
され、入射光量に応じた電流として出力される。従っ
て、各受光面603a,603bにモアレ縞35の明部
が投影されると、受光面603aからの出力電流Ia
I−V(電流−電圧)変換回路705により電圧に変換
され、電圧出力vaとして、増幅回路709に入力され
る。増幅回路709は、電圧出力vaを増幅しVaとし、
ピークホールド回路715に出力する。
【0144】同様に、受光面603bからの出力電流I
bはI−V(電流−電圧)変換回路707により電圧に
変換され、電圧出力vbとして、増幅回路711に入力
される。増幅回路711は、電圧出力vbを増幅しVb
し、ピークホールド回路716に出力する。ピークホー
ルド回路715は、入力電圧Vaのピークをホールド
し、差分回路717へ出力V(A)する。また、ピーク
ホールド回路716は、入力電圧Vbのピークをホール
ドし、差分回路717へ出力V(B)する。差分回路7
17は、入力V(A)とV(B)の差分V(C)(V
(C)=V(A)−V(B))をウインドウコンパレー
タ回路718及びコンパレータ回路719へ出力する。
差分回路717は、2分割光センサ603の受光面60
3aに入射した光量と603bに入射した光量との差を
検出するものであって、この差により前記したようにモ
アレ縞の形状を知ることができる。
【0145】さらに、デジタル的な判定として、ウイン
ドウコンパレータ回路718及びコンパレータ回路71
9を用いる。ウインドウコンパレータ回路718は、差
分回路717の出力V(C)が基準電圧Vref1〜Vref2
の範囲内であれば、モアレ縞が縦縞であり、合焦してい
ると判定し、モータON信号をインアクティブとする。
基準電圧Vref1〜Vref2外であれば、合焦していないと
判定して、モータON信号をアクティブとする。このモ
ータON信号はモータ制御回路721へ出力される。コ
ンパレータ回路719は、基準電圧Vref3(主にVref1
とVref2の中間にセットされている)により、モアレ縞
の形状が右回転しているのか、左回転しているのかを、
Highレベル又はLowレベルの信号として出力す
る。これをモータ正転逆転信号とし、モータ制御回路7
21へ出力する。
【0146】モータ制御回路721はステッピングモー
タ518をモータON信号やモータ正転逆転信号に基づ
いて駆動し、シリンドリカルレンズ503を光軸上で前
後方向に移動させて、レーザビームの感光体ドラム53
0上での集光位置を調整する。モータON信号は、プリ
ンタ本体制御部524へも信号qとして送信されるとと
もに、プリンタ本体制御部524からの信号rによりA
ND素子720を利用してゲートがかけられ、プリンタ
本体制御部524に設けられたオートフォーカス解除ス
イッチ526(図67参照)のON−OFFによってオ
ートフォーカス制御を行なうかどうかがコントロールさ
れる。
【0147】さらに、オートフォーカス制御部521
は、感光体ドラム530に対するレーザビームスポット
の位置の同期取りのため、ビーム検出用フォトダイオー
ド512をレーザ走査上流側に配設している。そして、
フォトダイオード512からのビーム検出信号はビーム
検出回路523を介してプリンタ本体制御部524に送
られる。このビーム検出信号に基づいて、レーザビーム
が画像印字エリア外に配置されているビーム検出器60
0にも入射するように、レーザダイオード501を発光
させるようになっている。
【0148】次に、走査位置検出器604について説明
する。レーザビームLの光路が副走査方向にずれると、
受光面603a,603bに投影されるモアレ縞が主走
査方向に移動して、誤検出を招く。このために、光学ユ
ニットを熱変形に強いアルミニューム等の金属材料で構
成すること等が考えられるが、製造コストがアップする
という問題があった。
【0149】そこで、第1のビーム検出器600は、走
査位置検出器604を設けると共に、常に、レーザビー
ムLと格子フィルタ601,602と光電変換素子60
3の位置関係が一定になるように、走査位置検出器60
4の出力信号に応じて格子フィルタ601,602及び
光電変換素子603を副走査方向に上下に移動させる機
構を設けている。
【0150】走査位置検出器604は、受光面604
a,604bを有する2分割センサであり、それぞれの
受光面604a,604bは受光光量に比例した電流を
出力する。これらの出力電流Ia,Ibはオートフォーカ
ス制御部521に転送され、それぞれに電圧値Va,Vb
に変換された後、Vaの値とVbの値を差分回路で処理
し、(Va−Vb)の値を算出する。
【0151】通常、初期状態では、図73に示すよう
に、受光面604a,604bの分割ラインが、レーザ
ビームLのスポットLbの中心に合うように設定されて
いる。この場合、受光面604a,604bへの入射光
量が等しいので、受光面604a,604bから等しい
値の出力電流Ia,Ibが得られる。従って、(Va
b)の値は0になる。しかしながら、環境の変化によ
って、図74に示すように、レーザビームの光路が副走
査方向の上側にずれている場合は、(Va−Vb)が正と
なる。逆に、図75に示すように、レーザビームの光路
が副走査方向の下側にずれている場合は、(Va−Vb
が負となる。従って、この結果に基づいて、常に、(V
a−Vb)の値が0になるように、圧電アクチュエータ6
06を駆動してビーム検出器600を副走査方向に上下
に移動させて、レーザビームLと格子フィルタ601,
602と光電変換素子603の位置関係を一定に保つよ
うにする。
【0152】さらに、図76に示した走査位置検出器制
御部の電気回路図を参照してレーザビームの走査位置を
調整する手順を詳説する。2分割光センサ604の各受
光面604a,604bからの出力は光電変換され、入
射光量に応じた電流として出力される。従って、各受光
面604a,604bにレーザビームLが照射される
と、受光面604aからの出力電流IaはI−V(電流
−電圧)変換回路735により電圧に変換され、電圧出
力vaとして、増幅回路737に入力される。増幅回路
737は、電圧出力vaを増幅しVaとし、ピークホール
ド回路739に出力する。
【0153】同様に、受光面604bからの出力電流I
bはI−V(電流−電圧)変換回路736により電圧に
変換され、電圧出力vbとして、増幅回路738に入力
される。増幅回路738は、電圧出力vbを増幅しVb
し、ピークホールド回路740に出力する。ピークホー
ルド回路739,740は、それぞれ入力電圧Va,Vb
のピークをホールドした後、出力信号s,tとして、プ
リンタ本体制御部524内のマイコン(図示せず)の入
力ポートへ出力する。マイコンは、(Va−Vb)の差を
算出し、その結果に基づいて光路ずれがあると判定した
場合は、圧電アクチュエータ駆動信号uを圧電アクチュ
エータ駆動用電源529に出力し、圧電アクチュエータ
606を駆動させてビーム検出器600を副走査方向に
上下に移動させる。
【0154】さらに、図77及び図78に示したフロー
チャートを参照しながら、合焦状態検出と合焦調整の手
順を説明する。図77は、プリンタ本体制御部524の
制御手順を示したメインフローチャートである。プリン
タの電源がオンされると、ステップS101で制御プロ
グラムの初期設定が行われ、ステップS102でオート
フォーカス制御(後述)が行われる。次に、ステップS
103で、図示しない画像コントローラからシリアルデ
ータを受信し、例えばプリンタ中の場合は画像信号やタ
イミング信号等が入力される。さらに、ステップS10
4で、プリント要求がされているかがチェックされ、プ
リント要求がされていれば、ステップS105で画像信
号に基づいてレーザダイオード501が明滅され、プリ
ント処理が行われる。次に、ステップS106で、プリ
ント中及び待機中にかかわらず必要な各種フラグのチェ
ック等の通常処理が行われ、ステップS107で、プリ
ンタ本体制御部524のステータスを画像コントローラ
にシリアルデータとして送信する。そして、ステップS
108で、ルーチンタイマのカウントアップをチェック
して、カウントアップしていればステップS103に戻
る。
【0155】図78はオートフォーカス制御の手順を示
したフローチャートである。ステップS109で、ポリ
ゴンモータ505が駆動され、ステップS110でレー
ザダイオード501が発光状態にされる。次に、ステッ
プS111で、光路ずれが測定され、その結果、ステッ
プS112で光路ずれがあると判定された場合は、ステ
ップS113で圧電アクチュエータ606の駆動用電源
529の駆動電圧設定を行ない、再度、ステップS11
1に戻り、光路ずれ測定を繰り返す。
【0156】ステップS112で光路ずれがないと判定
された場合は、ステップS114で焦点状態を検出し、
ステップS115で合焦状態であるかどうかの判定がさ
れる。ステップS115で、合焦状態であると判定され
た場合は、そのまま次のステップS119に進む。ステ
ップS115で、合焦状態でないと判定された場合は、
ステップS116で前ピント状態かどうかを判定し、前
ピント状態であれば、ステップS117でステッピング
モータ518を正転させてシリンドリカルレンズ503
をレーザダイオード501から離れる方向に移動させて
焦点を後方に調整する。ステップS116で前ピント状
態でない(すなわち後ピント状態である)と判定された
場合は、ステップS118でステッピングモータ518
を逆転させてシリンドリカルレンズ503をレーザダイ
オード501に近づける方向に移動させて焦点を前方に
調整する。
【0157】焦点位置の調整を行った後、ステップS1
14に戻り、焦点状態を検出し、ステップS115で合
焦状態であるかどうかの判定がされる。合焦状態であれ
ば次のステップS119に進み、合焦状態でなければ、
再度、ステップS116からの処理を続ける。再び、ス
テップS115で、焦点状態検出を行ない、合焦状態で
あれば、直ちにステップS119でステッピングモータ
518が停止される。そして、ステップS120で、ポ
リゴンモータ505がオフされ、ステップS121で、
レーザダイオード501の発光が停止された後、図77
に示したメインフローチャートへ戻る。
【0158】以上のように、第7実施形態によれば、装
置に電源が投入された直後に、たとえ光路ずれがあった
としても、安定して合焦状態が検出され、かつ、合焦調
整がされるので、常に適正な状態でレーザビーム走査光
学装置を使用することができる。なお、前記装置はビー
ム検出器600全体を移動させているが、必ずしもこれ
に限る必要はなく、例えば、光電変換素子603のみを
圧電アクチュエータ等によって移動させてもよい。この
場合、レーザビームの光路が副走査方向の上側にずれた
とき(図74参照)には、光電変換素子603を主走査
方向bに平行に図68の左方向に移動させる。逆に、光
路が副走査方向の下側にずれたとき(図75参照)に
は、光電変換素子603を主走査方向bに平行に図68
の右方向に移動させる。
【0159】あるいは、格子フィルタ602のみを圧電
アクチュエータ等によって移動させてもよい。この場
合、光路が副走査方向の上側にずれたとき(図74参
照)には、格子フィルタ602を主走査方向bに平行に
図68の右方向に移動させる。逆に、光路が、副走査方
向の下側にずれたとき(図75参照)には、格子フィル
タ602を主走査方向bに平行に図68の左方向に移動
させる。
【0160】(第2のビーム検出器)また、ビーム検出
器は前述のものに限定されるものではなく、図79〜図
84に示す第2のビーム検出器であってもよい。なお、
第2のビーム検出器は、第1のビーム検出器600と異
なり、格子フィルタ及び光電変換素子が副走査方向に上
下に移動する機構を設けていない。
【0161】図79に示すように、ビーム検出器は光電
変換素子610を備え、この光電変換素子610は、4
分割された受光面610a,610b,610c,61
0dを有する4分割センサであり、それぞれの受光面6
10a〜610dは受光光量に比例した電流を出力す
る。受光面610aと610bが1組、受光面610c
と610dがさらに別の1組を構成している。そして、
受光面610aと610bがライン611に対して線対
称に、受光面610cと610dがライン611に対し
て線対称に設計されている。さらに、レーザビームの光
軸ずれが発生すると、受光面610a〜610dに投影
されるモアレ縞35の発生位置が主走査方向にずれるこ
とになるので、受光面610aと610b又は610c
と610dの線対称の基準となるライン611を主走査
方向に略一致させて光電変換素子610を配設する。
【0162】二つの格子フィルタ601,602を透過
したレーザビームLは、受光面610a〜610dに跨
って、モアレ縞35の明部を一つ形成する。モアレ縞3
5はデフォーカスによって傾きが変化する。すなわち、
前ピント状態のモアレ縞35の明部は右回転して右方に
傾き(図80参照)、合焦状態のモアレ縞35の明部は
主走査方向bに対して直交し(図81参照)、後ピント
状態のモアレ縞35の明部は左回転して左方に傾いてい
る(図82参照)。
【0163】そして、四つの受光面610a〜610d
から、入射光量に比例してそれぞれの出力電流Ia
b,Ic,Idが得られる。これらの出力電流Ia〜Id
はオートフォーカス制御部521に転送され、それぞれ
に電圧値Va,Vb,Vc,Vdに変換された後、(Va
c)の値と(Vb+Vd)の値を差分回路で処理し、
(Va+Vc)−(Vb+Vd)の値を導出する。この結果
に基づいてレーザビームの集光位置を判定する。すなわ
ち、(Va+Vc)−(Vb+Vd)が0であれば合焦状態
と判定し(図81参照)、正であれば前ピント状態と判
定し(図80参照)、負であれば後ピント状態と判定す
る(図82参照)。この関係は、レーザビームの副走査
方向の光路ずれが発生して、モアレ縞が主走査方向にず
れて移動したとしても変わらない。
【0164】さらに、図83に示したオートフォーカス
制御部521の電気回路図を参照してレーザビームの集
光位置を調整する手順を詳説する。4分割光センサ61
0の各受光面610a〜610dからの出力は光電変換
され、入射光量に応じた電流として出力される。従っ
て、各受光面610a〜610dにモアレ縞35の明部
が投影されると、受光面610aからの出力電流Ia
I−V(電流−電圧)変換回路750により電圧に変換
され、電圧出力vaとして、増幅回路754に入力され
る。増幅回路754は、電圧出力vaを増幅しVaとし、
加算回路758に出力する。
【0165】同様に、受光面610cからの出力電流I
cはI−V(電流−電圧)変換回路751により電圧に
変換され、電圧出力vcとして、増幅回路755に入力
される。増幅回路755は、電圧出力vcを増幅しVc
し、加算回路758に出力する。加算回路758は、電
圧出力VaとVcを加算し、ピークホールド回路760に
出力する。
【0166】同様に、受光面610bからの出力電流I
bはI−V(電流−電圧)変換回路752により電圧に
変換され、電圧出力vbとして、増幅回路756に入力
される。増幅回路756は、電圧出力vbを増幅しVb
し、加算回路759に出力する。受光面610dからの
出力電流IdはI−V(電流−電圧)変換回路753に
より電圧に変換され、電圧出力vdとして、増幅回路7
52に入力される。増幅回路757は、電圧出力vd
増幅しVdとし、加算回路759に出力する。加算回路
759は、電圧出力VbとVdを加算し、ピークホールド
回路761に出力する。
【0167】ピークホールド回路760は、入力電圧V
a+Vcのピークをホールドし、差分回路762へ出力V
(A)する。また、ピークホールド回路761は、入力
電圧Vb+Vdのピークをホールドし、差分回路762へ
出力V(B)する。差分回路762は、入力V(A)と
V(B)の差分V(C)(V(C)=V(A)−V
(B))をウインドウコンパレータ回路763及びコン
パレータ回路764へ出力する。差分回路762は、4
分割センサ610の受光面610aと610cに入射し
た光量と、受光面610bと610dに入射した光量の
差を検出するものであって、この差によりモアレ縞の形
状を知ることが出来る。
【0168】さらに、デジタル的な判定として、ウイン
ドウコンパレータ回路763及びコンパレータ回路76
4を用いる。ウインドウコンパレータ回路763は、差
分回路762の出力V(C)が基準電圧Vref1〜Vref2
の範囲内であれば、モアレ縞が縦縞であり、合焦してい
ると判定し、モータON信号をインアクティブとする。
基準電圧Vref1〜Vref2外であれば、合焦していないと
判定して、モータON信号をアクティブとする。このモ
ータON信号はモータ制御回路766へ出力される。コ
ンパレータ回路764は、基準電圧Vref3(主にVref1
とVref2の中間にセットされている)により、モアレ縞
の形状が右回転しているのか、左回転しているのかを、
Highレベル又はLowレベルの信号として出力す
る。これをモータ正転逆転信号とし、モータ制御回路7
66へ出力する。
【0169】モータ制御回路766はステッピングモー
タ518をモータON信号やモータ正転逆転信号に基づ
いて駆動し、シリンドリカルレンズ513を光軸上で前
後方向に移動させてレーザビームの感光体ドラム530
上での集光位置を調整する。モータON信号は、プリン
タ本体制御部524へも信号qとして送信されるととも
に、プリンタ本体制御部524からの信号rによりAN
D素子765を利用してゲートがかけられ、プリンタ本
体制御部524に設けられたオートフォーカス解除スイ
ッチ526(図67参照)のON−OFFによってオー
トフォーカス制御を行なうかどうかがコントロールされ
る。
【0170】以上のように、、光電変換素子610の受
光面610a〜610dの形状を三角形に設計したの
で、レーザビームの副走査方向の光路ずれが発生して
も、モアレ縞が主走査方向へずれても、モアレ縞の傾き
を検出することができる。この結果、被走査面上におけ
る副走査方向の集光位置のずれの方向と量を安定して精
度良く検出することができる。
【0171】なお、光電変換素子610の受光面の形状
は三角形に限る必要はなく、図84に示すように、台形
の受光面615a,615b,615c,615dを有
したものであってもよい。この受光面615aと615
bが1組、さらに受光面615cと615dが別の1組
を構成している。そして、受光面615aと615b。
主走査方向に平行なライン616に対して線対称に設計
され、かつ、受光面615cと615dがライン616
に対して線対称に設計されている。
【0172】また、光電変換素子610は4分割光セン
サに限るものではなく、例えば受光面610aと610
bを組み合わせた2分割センサ、あるいは受光面610
cと610dを組み合わせた2分割光センサであっても
よく、さらに、3分割光センサ、あるいは5分割以上の
光センサであってもよい。また、格子フィルタ601の
縞状の空間格子Aは、前述のようにレーザビームの主走
査方向に対して平行であってもよいし、あるいは、副走
査方向に対して平行であってもよい。
【0173】[第8実施形態、図85及び図86]前記
第1実施形態ないし第7実施形態は、ビーム検出器をレ
ーザビームLの合焦位置より後方に配置した装置を例に
して説明しているが、第8実施形態は、ビーム検出器を
レーザビームLの合焦位置より前方に配置した場合につ
いて説明する。図85及び図86に示すように、ビーム
検出器は、被走査面と光学的に略等価位置近傍の画像エ
リア外に設置され、光軸方向に配列された格子フィルタ
621,622と光電変換素子625とで構成されてい
る。格子フィルタ621,622はそれぞれ縞状の空間
格子A,Bを有し、レーザビームLの主走査方向bに対
して、空間格子Aは平行であり、空間格子Bは微小角度
傾いている。レーザビームLの合焦位置Z1はビーム検
出器の後方に配置されている。
【0174】二つの格子フィルタ621,622を透過
した収束光のレーザビームLは、光電変換素子625の
受光面625a,625bにてモアレ縞を形成する。こ
のモアレ縞は、前記第1実施形態の1次式(1)と同様
の1次式によって表示することができる。従って、合焦
状態でのモアレ縞の傾きは、前記関係式(4)を用い
て、
【0175】
【数6】
【0176】となる。図86に示すように、合焦位置Z
1がΔlずれてZ2に移動すると(図86中点線で表示
したレーザビームL’を参照)、前ピントの状態とな
り、そのときのモアレ縞の傾きは、
【0177】
【数7】
【0178】となる。後ピント状態のモアレ縞の傾き
は、
【0179】
【数8】
【0180】となる。(14),(15),(16)よ
り、デフォーカスによってモアレ縞の傾きが変化するこ
とがわかる。すなわち、前ピント状態のモアレ縞は左回
転して左方に傾き、後ピント状態のモアレ縞は右回転し
て右方に傾くことになる。このレーザビーム走査光学装
置は、レーザビームLを縮小光学系を用いなくても、集
束光の状態で受光面625a,625bに投影すること
ができ、モアレ縞の大きさが受光面625a,625b
と略同様の大きさになるようにできる。この結果、受光
面625a,625bに形成されるモアレ縞の明部及び
暗部の本数が多くなり、誤検出が生じにくいものとな
る。
【0181】さらに、具体的に数値を用いて詳説する。
格子フィルタ621の空間格子Aのピッチ寸法d1を1
20μm、格子フィルタ622の空間格子Bのピッチ寸
法d2を60μm、空間格子Bの微小傾き角度αを4
度、合焦位置Z1から格子フィルタ621までの距離l
1を80mm、合焦位置Z1から格子フィルタ622ま
での距離l2を40mm、合焦位置Z1から光電変換素
子625までの距離l3を30mmとした場合、モアレ
縞35の傾きは前記第1実施条件の関係式(5)から、
以下の数値が得られる。
【0182】[cosα−{(l12)/(l
21)}]/sinα=−0.035 従って、tanφ=−0.035となり、φ=−2
[度]となる。これにより、モアレ縞35の傾きは、−
88[度]となる。一方、モアレ縞35のピッチ寸法P
は、f=l31/l1であるから、前記第1実施形態の
関係式(6)より、以下の数値が得られる。
【0183】P=(f/sinα)×cos(φ−α)
=0.64[mm] ここに、光電変換素子625として、幅が3mm、高さ
が1mmの2分割フォトダイオードを用いた場合、それ
ぞれ約4本のモアレ縞35の明部及び暗部を光電変換素
子625で受光することができる。こうして、受光面6
25a,625bに複数本のモアレ縞35が投影され、
前記第1実施形態のように、受光面625a,625b
のそれぞれの出力波形のピーク値間の位相差ΔTを検出
することで、モアレ縞35の傾き変化を知ることができ
る。
【0184】以上のように、集束光のレーザビームLが
光電変換素子625に投影されるので、前記実施形態で
使用した縮小光学系(例えば第1実施形態のシリンドリ
カルレンズ103,104)を省略することができ、装
置を小型化することができる。 [第9実施形態、図87及び図88]焦点ずれの検出精
度を向上させるためには、デフォーカス量に対するモア
レ縞の傾き角度を大きくするとよい。ところが、合焦位
置が前記第1実施形態ないし第8実施形態のように、ビ
ーム検出器の2枚の格子フィルタの間の領域外に位置し
ていると、デフォーカスした際に受光面に投影される二
つの空間格子のそれぞれのピッチ寸法が両者拡大(又は
縮小)されるため、モアレ縞の傾き角度の変化量は少な
く、高い検出精度が得られない。
【0185】そこで、この不具合を解消するために、第
9実施形態では、ビーム検出器の2枚の格子フィルタの
間にレーザビームの合焦位置を配置している。図87及
び図88に示すように、ビーム検出器は、被走査面と光
学的に略等価位置近傍の画像エリア外に設置され、光軸
方向に配列された格子フィルタ621,622とシリン
ドリカルレンズ623,624と光電変換素子625と
で構成されている。レーザビームLの合焦位置Z1は格
子フィルタ621と622の中間に配置されている。
【0186】縮小光学系をなすシリンドリカルレンズ6
23,624は、シリンドリカルレンズ623が主走査
方向bにのみ集光作用をもち、シリンドリカルレンズ6
24が副走査方向cにのみ集光作用をもつ。従って、二
つの格子フィルタ621,622を透過したレーザビー
ムLはシリンドリカルレンズ623,624によって集
光された後、光電変換素子625の受光面625a,6
25bにモアレ縞を形成する。
【0187】このモアレ縞は、前記第1実施形態の1次
式(1)と同様の1次式によって表示することができ
る。従って、合焦状態でのモアレ縞の傾きは、前記関係
式(4)を用いて、
【0188】
【数9】
【0189】となる。f=l31/l1,g=l32
2であるから、図88に示すように、合焦位置Z1が
ΔlずれてZ2に移動すると(図88中点線で表示した
レーザビームL’を参照)、前ピントの状態となり、f
=(l3+Δl)d1/(l1−Δl),g=(l3+Δ
l)d2/(l2+Δl)となるから、そのときのモアレ
縞の傾きは、
【0190】
【数10】
【0191】となる。後ピント状態のモアレ縞の傾き
は、
【0192】
【数11】
【0193】となる。(17),(18),(19)よ
り、デフォーカスによってモアレ縞の傾きが変化するこ
とがわかる。このビーム検出器は、合焦位置Z1を2枚
の格子フィルタ621と622の間に配置しているの
で、小型化できる。しかも、デフォーカス量に対するモ
アレ縞の傾き角度が大きくなり、焦点ずれの検出精度が
向上できる。
【0194】さらに、具体的に数値を用いて詳説する。
空間格子A,Bのピッチ寸法d1,d2をそれぞれ125
μm(A,Bのピッチ寸法を必ずしも等しくする必要は
ないが、ピッチ寸法を等しくすることによって更に精度
が向上する。)、空間格子Bの微小傾き角度αを7度、
合焦位置Z1から空間格子Aまでの距離l1を20m
m、合焦位置Z1から空間格子Bまでの距離l2を20
mmとした場合、初期状態でのモアレ縞の傾きを、前記
関係式(16)から、φ=−3.5[度]となるように
設定した。次に、環境の変化等により、合焦位置がΔl
=0.2mmずれたとすると、前記関係式(18)よ
り、φ=5.8[度]となる。従って、−3.5−5.
8=−9.3[度]となる。
【0195】一方、比較のために、前記第1実施形態の
ように、ビーム検出器をレーザビームの合焦位置より後
方に配置した装置についてデフォーカス量に対するモア
レ縞の傾き角度の変化量を算出した。空間格子Aのピッ
チ寸法d1を125μm、空間格子Bのピッチ寸法d2
250μm、空間格子Bの微小傾き角度αを7度、合焦
位置Z1から空間格子Aまでの距離l1を40mm、合
焦位置Z1から空間格子Bまでの距離l2を80mmと
した場合、初期状態でのモアレ縞の傾きを、前記関係式
(5)からφ=−3.5[度]となるように設定した。
次に、合焦位置がΔl=0.2mmずれたとすると、前
記関係式(7)より、φ=−2.3[度]となる。従っ
て、デフォーカス量に対するモアレ縞の傾き角度の変化
量は、−3.5−(−2.3)=−1.2[度]とな
る。この値は、レーザビームの合焦位置を2枚の格子フ
ィルタ621,622の間に配置した場合と比較して、
極めて小さい。
【0196】[第10実施形態、図89〜図97]デフ
ォーカスによるモアレ縞の回転変化を検出する場合、環
境の変化(特に温度変化)によって格子フィルタを保持
しているホルダが熱膨張、熱収縮すると、合焦位置から
格子フィルタまでの距離が変動し、モアレ縞の回転変化
を誤検出する心配がある。
【0197】そこで、第10実施形態は環境(温度)変
化に対してモアレ縞の傾きが変動しにくい構造のレーザ
ビーム走査光学装置について説明する。(ビーム検出器
がレーザビームLの合焦位置より後方に配置されている
場合)図89に示すように、ビーム検出器630は、光
軸方向に配列された格子フィルタ631,632及び光
電変換素子633と、これら部品631〜633を保持
するためのホルダ641とで構成されている。ビーム検
出器630はレーザビームLの合焦位置Z1より後方に
配置されている。ホルダ641には、格子フィルタ63
1近傍に貫通穴641aが設けられている。一方、レー
ザビーム走査光学装置の本体フレーム645には、合焦
位置Z1の近傍にネジ穴645aが設けられている。ビ
ーム検出器630は、貫通穴641aに挿通されたネジ
642をネジ穴645aに螺着することによって、本体
フレーム645に固定されている。すなわち、ビーム検
出器630は格子フィルタ631近傍で本体フレーム6
45に固定されることになる。
【0198】二つの格子フィルタ631,632を透過
したレーザビームLは、光電変換素子623の受光面に
モアレ縞を形成する。このモアレ縞は前記第1実施形態
の1次式(1)と同様の1次式によって表示することが
できる。格子フィルタ631の空間格子Aのピッチ寸法
1を125μm、格子フィルタ632の空間格子Bの
ピッチ寸法d2を250μm、空間格子Bの微小傾き角
度αを4度、合焦位置Z1からから格子フィルタ631
までの距離l1を40mm、合焦位置Z1から格子フィ
ルタ632までの距離l2を80mmとした場合、初期
状態のモアレ縞の傾きは、前記第1実施形態の関係式
(5)から、以下の数値となる。
【0199】
【数12】
【0200】そして、温度が25度上昇した場合には、
ホルダ641がアルミニウム(線膨張係数:2.3×1
-5)からできているとすると、モアレ縞の傾きは、
【0201】
【数13】
【0202】となる。比較のため、仮に、ホルダ641
の貫通穴641aを格子フィルタ632近傍に設け、ビ
ーム検出器630を格子フィルタ632近傍で本体フレ
ーム645に固定した場合を考える。温度が25度上昇
すると、モアレ縞の傾きは、
【0203】
【数14】
【0204】となり、その変化量は、ビーム検出器63
0を格子フィルタ631近傍で本体フレーム645に固
定した場合と比較して大きくなる。また、仮に、ホルダ
641の貫通穴641aを格子フィルタ631と632
の中間に設け、ビーム検出器630を格子フィルタ63
1と632の中間位置で本体フレーム645に固定した
場合を考える。温度が25度上昇すると、モアレ縞の傾
きは、
【0205】
【数15】
【0206】となり、その変化量は、ビーム検出器63
0を格子フィルタ631近傍で本体フレーム645に固
定した場合と比較して大きくなる。以上のように、ビー
ム検出器630を格子フィルタ631近傍で本体フレー
ム645に固定する構造を採用することにより、温度変
化に対してモアレ縞の傾きの変動を少なくすることがで
き、合焦状態の検出精度が高い走査光学装置を得ること
ができる。
【0207】なお、ビーム検出器630を格子フィルタ
631近傍で本体フレーム645に固定する方法として
は、他にも種々ある。例えば、図90に示すように、接
着剤646をホルダ641の格子フィルタ631近傍に
塗布して本体フレーム645に固定してもよい。また、
図91に示すように、ネジ642にて本体フレーム64
5に固定されたホルダ641の他端部を、本体フレーム
645にネジ648にて固定されている弾性部材647
で押圧して、熱膨張や熱収縮による内部応力をホルダ6
41に発生させることなく、ホルダ641をより堅固に
本体フレーム645に固定してもよい。
【0208】(ビーム検出器がレーザビームLの合焦位
置より前方に配置されている場合)図92に示すよう
に、ビーム検出器649は、光軸方向に配列された格子
フィルタ631,632及び光電変換素子633と、こ
れら部品631〜633を保持するためのホルダ650
とで構成されている。ビーム検出器649はレーザビー
ムLの合焦位置Z1より前方に配置されている。ホルダ
650には、格子フィルタ632近傍に貫通穴650a
が設けられている。一方、レーザビーム走査光学装置の
本体フレーム645には、合焦位置Z1の近傍にネジ穴
645aが設けられている。ビーム検出器649は、貫
通穴650aに挿通されたネジ651をネジ穴645a
に螺着することによって、本体フレーム645に固定さ
れている。すなわち、ビーム検出器649は格子フィル
タ632近傍で本体フレーム645に固定されることに
なる。
【0209】二つの格子フィルタ631,632を透過
したレーザビームLは、光電変換素子633の受光面に
モアレ縞を形成する。このモアレ縞は前記第1実施形態
の1次式(1)と同様の1次式によって表示することが
できる。格子フィルタ631の空間格子Aのピッチ寸法
1を120μm、格子フィルタ632の空間格子Bの
ピッチ寸法d2を60μm、空間格子Bの微小傾き角度
αを4度、合焦位置Z1からから格子フィルタ631ま
での距離l1を80mm、合焦位置Z1から格子フィル
タ632までの距離l2を40mmとした場合、初期状
態のモアレ縞の傾きは、前記第1実施形態の関係式
(5)から、以下の数値となる。
【0210】
【数16】
【0211】そして、温度が25度上昇した場合には、
ホルダ650がアルミニウム(線膨張係数:2.3×1
-5)からできているとすると、モアレ縞の傾きは、
【0212】
【数17】
【0213】となる。比較のため、仮に、ホルダ650
のネジ用貫通穴650aを格子フィルタ631近傍に設
け、ビーム検出器649を格子フィルタ631近傍で本
体フレーム645に固定した場合を考える。温度が25
度上昇すると、モアレ縞の傾きは、
【0214】
【数18】
【0215】となり、その変化量は、ビーム検出器64
9を格子フィルタ632近傍で本体フレーム645に固
定した場合と比較して大きくなる。また、仮に、ホルダ
650の貫通穴650aを格子フィルタ631と632
の中間に設け、ビーム検出器649を格子フィルタ63
1と632の中間位置で本体フレーム645に固定した
場合を考える。温度が25度上昇すると、モアレ縞の傾
きは、
【0216】
【数19】
【0217】となり、その変化量は、ビーム検出器64
9を格子フィルタ632近傍で本体フレーム645に固
定した場合と比較して大きくなる。以上のように、ビー
ム検出器649を格子フィルタ632近傍で本体フレー
ム645に固定する構造を採用することにより、温度変
化に対してモアレ縞の傾きの変動を少なくすることがで
き、合焦状態の検出精度が高い走査光学装置を提供する
ことができる。
【0218】なお、ビーム検出器649を格子フィルタ
632近傍で本体フレーム645に固定する方法として
は、他にも種々ある。例えば、図93に示すように、接
着剤655をホルダ650の格子フィルタ632近傍に
設けている貫通穴650aを覆うように塗布して本体フ
レーム645に固定してもよい。また、図94に示すよ
うに、ネジ651にて本体フレーム645に固定された
ホルダ650の他端部を、本体フレーム645にネジ6
58にて固定されている弾性部材657で押圧して、熱
膨張や熱収縮による内部応力をホルダ650に発生させ
ることなく、ホルダ650をより堅固に本体フレーム6
45に固定してもよい。
【0219】(ビーム検出器の格子フィルタ631と6
32の間にレーザビームLの合焦位置が配置されている
場合)図95に示すように、ビーム検出器660は、光
軸方向に配列された格子フィルタ631,632及び光
電変換素子633と、これら部品631〜633を保持
するためのホルダ661とで構成されている。ビーム検
出器660は格子フィルタ631と632の間にレーザ
ビームLの合焦位置Z1が位置するように配置されてい
る。ホルダ661には、格子フィルタ631と632の
間に貫通穴661aが設けられている。一方、レーザビ
ーム走査光学装置の本体フレーム645には、合焦位置
Z1の近傍にネジ穴645aが設けられている。ビーム
検出器660は、貫通穴661aに挿通されたネジ66
2をネジ穴645aに螺着することによって、本体フレ
ーム645に固定されている。すなわち、ビーム検出器
660は格子フィルタ631と632の間の位置で本体
フレーム645に固定されることになる。
【0220】二つの格子フィルタ631,632を透過
したレーザビームLは、光電変換素子633の受光面に
モアレ縞を形成する。このモアレ縞は前記第1実施形態
の1次式(1)と同様の1次式によって表示することが
できる。格子フィルタ631の空間格子Aのピッチ寸法
1を125μm、格子フィルタ632の空間格子Bの
ピッチ寸法d2を125μm、空間格子Bの微小傾き角
度αを4度、合焦位置Z1からから格子フィルタ631
までの距離l1を40mm、合焦位置Z1から格子フィ
ルタ632までの距離l2を40mmとした場合、初期
状態のモアレ縞の傾きは、前記第1実施形態の関係式
(5)から、以下の数値となる。
【0221】
【数20】
【0222】そして、温度が25度上昇した場合には、
ホルダ661がアルミニウム(線膨張係数:2.3×1
-5)からできているとすると、モアレ縞の傾きは、
【0223】
【数21】
【0224】となり、初期状態と変わらない。比較のた
め、仮に、ホルダ661の貫通穴661aを格子フィル
タ631近傍に設け、ビーム検出器660を格子フィル
タ631近傍で本体フレーム645に固定した場合を考
える。温度が25度上昇すると、モアレ縞の傾きは、
【0225】
【数22】
【0226】となり、初期状態と変わる。また、仮に、
ホルダ661の貫通穴661aを格子フィルタ632の
近傍に設け、ビーム検出器660を格子フィルタ632
近傍で本体フレーム645に固定した場合を考える。温
度が25度上昇すると、モアレ縞の傾きは、
【0227】
【数23】
【0228】となり、初期状態と変わる。以上のよう
に、ビーム検出器660を格子フィルタ631と632
の間の位置で本体フレーム645に固定する構造を採用
することにより、温度変化に対してモアレ縞の傾きの変
動を少なくすることができ、合焦状態の検出精度が高い
走査光学装置を提供することができる。特に、格子フィ
ルタ631と632の中間の位置で、ビーム検出器66
0を本体フレーム645に固定する場合には、温度変化
による格子フィルタ631,632間の寸法変化量が相
殺されてモアレ縞の傾きに影響を及ぼさないようにする
ことができる。
【0229】なお、ビーム検出器660を格子フィルタ
631と632の間の位置で本体フレーム645に固定
する方法としては、他にも種々ある。例えば、図96に
示すように、接着剤665をホルダ661の格子フィル
タ631と632の間に設けている貫通穴661aを覆
うように塗布して本体フレーム645に固定してもよ
い。また、図97に示すように、ネジ662にて本体フ
レーム645に固定されたホルダ661の他端部を、本
体フレーム645にネジ668にて固定されている弾性
部材667で押圧して、熱膨張や熱収縮による内部応力
をホルダ661に発生させることなく、ホルダ661を
より堅固にフレーム本体645に固定してもよい。
【0230】[第11実施形態、図98〜図101]前
記第1実施形態で記載したように、2枚の格子フィルタ
を用いてモアレ縞を発生させるビーム検出器の場合、格
子フィルタのそれぞれの空間格子A,Bのピッチ誤差に
よってもモアレ縞の傾きが変化するため、誤検出の心配
がある。そのため、第1実施形態では、空間格子Bのピ
ッチ誤差Δd2を規制することによってこの問題を回避
している。また、ビーム検出器は、被走査面と光学的に
略等価位置近傍の画像エリア外に設置されるため、スペ
ースが限られている。ところが、2枚の格子フィルタを
備えたビーム検出器の場合、2枚の格子フィルタを一定
の距離を保って配置する必要があるため、小型化に限界
がある。
【0231】そこで、第11実施形態では、上記問題を
解決するために格子フィルタを1枚しか用いないビーム
検出器を備えたレーザビーム走査光学装置について説明
する。第11実施形態のレーザビーム走査光学装置は、
ビーム検出器700を残して前記第1実施形態の装置と
同様の構造を有しているので、その詳細な説明は省略す
る。
【0232】図98に示すように、ビーム検出器700
は、被走査面と光学的に略等価位置近傍の画像エリア外
に設置され光軸方向に配列されたハーフミラー701と
格子フィルタ702とミラー703並びに光電変換素子
704とで構成されている。格子フィルタ702は縞状
の空間格子Aを有し、この空間格子AはレーザビームL
の主走査方向bに対して平行である。光電変換素子70
4は、受光面704a,704bを有する2分割センサ
であり、それぞれの受光面704a,704bは光量に
比例した電流を出力する。ミラー703は、主走査方向
bに対して微小角度傾けて配置されている。
【0233】次に、以上の構成からなるビーム検出器7
00の作用効果について、図99を参照して説明する。
ハーフミラー701に入射したレーザビームLは、光量
の半分が透過して格子フィルタ702に達する。残りの
半分の光量はハーフミラー701で反射した後、例えば
SOS用光センサ17へ入射し、1走査ラインごとに印
字開始位置を決めるための垂直同期信号を発生させる。
格子フィルタ702に達したレーザビームLはフィルタ
702を透過する際に空間格子Aによってその一部が遮
られ、図100に示すような走査方向bに平行な縞状パ
ターン710となり、ミラー703に入射する。
【0234】 ミラー703は、レーザビームLを光軸に
対して微小角度回転させて(スキューさせて)、図10
1に示すような走査方向bに対して微小角度傾いた縞状
パターン711とし、反射させる。反射したレーザビー
ムLは、再び格子フィルタ702を透過し、このときモ
アレ縞を発生させる。格子フィルタ702を透過したレ
ーザビームLは、ハーフミラー701で光量の半分が反
射して集光され、光電変換素子704の受光面704
a,704bにモアレ縞を形成する。
【0235】このモアレ縞は前記第1実施形態の1次式
(1)と同様の1次式によって表示することができる。
ただし、αはミラー703での反射前の縞状パターン7
10に対する反射後の縞状パターン711の微小傾き角
度である。l1は光軸の上流側に位置する格子フィルタ
702から光路に沿って下流側に位置する合焦位置Z1
までの距離、l2は光軸の上流側に位置する合焦位置Z
1から光路に沿って下流側に位置する格子フィルタ70
2までの距離、l3は光軸の上流側に位置する合焦位置
Z1から光路に沿って下流側に位置する光電変換素子7
04までの距離である。従って、合焦状態でのモアレ縞
の傾きは、前記関係式(4)を用いて、
【0236】
【数24】
【0237】となる。ここで、d1=d2であるから、モ
アレ縞の傾き変化は合焦位置から空間格子Aまでの距離
の変化によって決まる。すなわち、f=l31/l1
g=l32/l2であるから、図99に示すように、合
焦位置Z1がΔlずれてZ2に移動すると(図99中点
線で表示したレーザビームL’を参照)、前ピントの状
態となり、f=(l3+Δl)d1/(l1−Δl),g
=(l3+Δl)d2/(l2+Δl),d1=d2となる
から、
【0238】
【数25】
【0239】となる。後ピント状態のモアレ縞の傾き
は、
【0240】
【数26】
【0241】となる。(20),(21),(22)よ
り、デフォーカスによってモアレ縞の傾きが変化するこ
とがわかる。以上のように、このビーム検出器700
は、1枚の格子フィルタ702でモアレ縞を発生させる
ことができるので、2枚の格子フィルタを用いたビーム
検出器で生じる2つの空間格子のピッチ誤差に起因する
モアレ縞の傾き変化を解消することができる。しかも、
格子フィルタが1枚であることから容易に小型化を図る
ことができる。
【0242】[第12実施形態、図102及び図10
3]2枚の格子フィルタを備えたビーム検出器の場合、
2枚の格子フィルタを一定の距離を保って配置する必要
があるため、小型化に限界がある。ところが、ビーム検
出器は、被走査面と光学的に略等価位置近傍の画像エリ
ア外に設置されるため、スペースが限られており、その
配置が困難な場合がある。
【0243】そこで、第12実施形態では、上記問題を
解決するために、格子フィルタを用いないビーム検出器
を備えたレーザビーム走査光学装置について説明する。
第12実施形態のレーザビーム走査光学装置は、ビーム
検出器720を残して前記第1実施形態の装置と同様の
構造を有しているので、その詳細な説明は省略する。図
102に示すように、ビーム検出器720は、被走査面
と光学的に略等価位置近傍の画像エリア外に設置され、
光軸方向に配列された折り返しミラー721,722と
光電変換素子723とで構成されている。折り返しミラ
ー721の反射面左側部には縞状の空間格子Aが形成さ
れ、この空間格子AはレーザビームLの主走査方向bに
対して平行である。同様に、折り返しミラー722の反
射面左側部には縞状の空間格子Bが形成され、この空間
格子Bは主走査方向bに対して微小角度傾いている。光
電変換素子723は、二つの受光面を有する2分割セン
サであり、それぞれの受光面は光量に比例した電流を出
力する。
【0244】次に、以上の構成からなるビーム検出器7
20の作用効果について説明する。空間格子Aが形成さ
れている部分の折り返しミラー721に入射したレーザ
ビームLは、空間格子Aによってその一部が遮られ、走
査方向bに平行な縞状パターンとされ、反射される。反
射されたレーザビームLは、空間格子Bが形成されてい
る部分の折り返しミラー722に入射する。折り返しミ
ラー722は、レーザビームLを、さらに空間格子Bに
よってその一部を遮り、このとき、レーザビームにモア
レ縞を発生させる。折り返しミラー722を反射したレ
ーザビームLは、光電変換素子723の受光面にモアレ
縞を形成する。このモアレ縞は前記第1実施形態の1次
式(1)と同様の1次式によって表示することができ、
デフォーカスによってモアレ縞の傾きが変化する。
【0245】一方、空間格子Aが形成されていない部分
の折り返しミラー721に入射したレーザビームLは、
空間格子Bが形成されていない部分の折り返しミラー7
22を介して、SOS用光センサ17へ入射し、1走査
ごとに印字開始位置を決めるための垂直同期信号を発生
させる。以上のように、このビーム検出器720は、格
子フィルタを用いず、SOS用光センサのための折り返
しミラー721,722にそれぞれ空間格子A,Bを形
成し、これら折り返しミラー721,722を格子フィ
ルタの代わりに兼用するので、配置が容易になり、部品
点数も削減することができる。
【0246】なお、格子フィルタを用いないビーム検出
器としては、他にも種々ある。例えば、図103に示す
ように、光軸方向に配列された折り返しミラー741と
ウインドウ742と光電変換素子743とで構成された
ビーム検出器740であってもよい。折り返しミラー7
41の反射面左側部には縞状の空間格子Aが形成され、
この空間格子AはレーザビームLの主走査方向bに対し
て平行である。同様に、ウインドウ742の表面左側部
には縞状の空間格子Bが形成され、この空間格子Bは主
走査方向bに対して微小角度傾いている。ウインドウ7
42には、透明なガラス板や透明フィルム等が用いられ
る。光電変換素子743は、二つの受光面743a,7
43bを有する2分割センサであり、それぞれの受光面
743a,743bは光量に比例した電流を出力する。
【0247】空間格子Aが形成されている部分の折り返
しミラー741に入射したレーザビームLは、折り返し
ミラー741によって反射された後、空間格子Bが形成
されている部分のウインドウ742を透過し、光電変換
素子743の受光面にモアレ縞を形成する。一方、空間
格子Aが形成されていない部分の折り返しミラー741
に入射したレーザビームLは空間格子Bが形成されてい
ない部分のウインドウ742を介してSOS用光センサ
17へ入射する。ただし、レーザビームLが、まずウイ
ンドウ742に入射し、透過した後、折り返しミラー7
41に到るような構成にしてもよいことは言うまでもな
い。 [他の実施形態]なお、本発明に係るレーザビーム走査
光学装置は前記実施形態に限定するものではなく、その
要旨の範囲内で種々に変更可能である。
【0248】fθレンズ等の光学素子の種類や配置は任
意である。また、縞状の空間格子を有する2枚のフィル
タのうち、光源側に配置されたフィルタが必ず主走査方
向に平行であったり、副走査方向に平行である必要はな
く、感光体ドラム側に配置されたフィルタが主走査方向
に平行であったり、副走査方向に平行であってもよい。
ただし、この場合、光電変換素子の受光量は若干少なく
なる。
【0249】
【実施例】図104に本発明者らが製作したレーザビー
ム走査光学装置を示す。前記第1実施形態の図1と同一
部品及び同一部分には同じ符号を付している。モータ9
3には、駆動するとモータ軸が直線移動するリニアステ
ップアクチュエータを使用した。モータ軸に連結された
レンズホルダ92を直接モータ軸にて移動させることに
より、レンズホルダ92に取り付けられたフォーカシン
グレンズ3は光軸上で前後方向に移動可能であり、この
移動によってレーザビームの感光体ドラム30上での集
光位置が調整される。なお、91はハウジングである。
【0250】さらに、以下のような条件で実験した結
果、焦点ずれの検出能力が高く、かつ、極めて短時間で
合焦調整が実行できた。すなわち、 光電変換素子105: 2分割センサ 空間格子Bの微小傾き角度α: 4度 空間格子Aのピッチ寸法d1: 125μm 空間格子Bのピッチ寸法d2: 250μm 合焦位置から空間格子Aまでの距離l1: 約40mm 合焦位置から空間格子Bまでの距離l2: 約80mm モータの1パルスのレンズ駆動距離: 25μm 温度が25度変化したときの合焦位置変化量: 約1.
5mm レンズ移動量:合焦位置移動量=2:1 以上の条件で、ページ間で温度が5度変化した場合に
は、図105に示すように、合焦動作が完了するまでに
モータ93は約20パルス駆動することを確認した。そ
して、このモータ駆動時間と、センシング及び信号処理
時間を合わせた時間、すなわち、オートフォーカス処理
時間は約70ミリ秒であった。一般に、複写速度が30
枚/分のデジタル複写機やプリンタのページ間非印字時
間は500ミリ秒程度であるため、更に高速の機械にも
対応することができる。
【0251】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、レーザ光源から放射されたレーザビームを変調
してモアレ縞パターンを発生させるモアレ縞発生手段
を、被走査面と光学的に略等価位置近傍に配置したの
で、被走査面上における集光位置のずれの方向と量が判
別でき、検出能力が極めて高く、短時間で合焦調整を行
なうことができる。
【0252】さらに、受光素子が、複数の受光面を有
し、この受光面のそれぞれに入射したレーザビームに応
じた電気信号を出力する光電変換素子であり、この光電
変換素子から出力される各電気信号の位相差を検出する
位相差検出手段を備えることにより、モアレ縞の傾きの
変化を容易に判別することができる。また、第1及び第
2のフィルタと光電変換素子との間に縮小光学系を配設
することにより、モアレ縞が縮小されて焦点ずれを安定
して検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第1
実施形態を示す斜視図。
【図2】図1に示したビーム検出器の分解斜視図。
【図3】図2に示したビーム検出器の比較例を示す分解
斜視図。
【図4】図3に示した比較例の説明図。
【図5】図2に示したビーム検出器の被走査面上に形成
されるモアレ縞の傾きを導くための説明図。
【図6】レーザビームの合焦位置とビーム検出器の位置
関係を示す側面図。
【図7】レーザビームのスポット径とモアレ縞の間隔と
の関係を示す説明図。
【図8】図7に示した場合のビーム検出器の出力波形を
示すグラフ。
【図9】レーザビームのスポット径とモアレ縞の間隔と
の関係を示す説明図。
【図10】図9に示した場合のビーム検出器の出力波形
を示すグラフ。
【図11】図2に示したビーム検出器の具体的な出力波
形を示すグラフ。
【図12】合焦状態のモアレ縞と光電変換素子の受光面
との関係を示す説明図。
【図13】前ピント状態のモアレ縞と光電変換素子の受
光面との関係を示す説明図。
【図14】後ピント状態のモアレ縞と光電変換素子の受
光面との関係を示す説明図。
【図15】図2に示したビーム検出器の制御回路ブロッ
ク図を示す電気回路図。
【図16】レーザビームのスポットと光電変換素子の受
光面の位置関係を示す説明図。
【図17】スポットの位置がLb1の場合のビーム検出
器の出力波形を示すグラフ。
【図18】スポットの位置がLb2の場合のビーム検出
器の出力波形を示すグラフ。
【図19】スポットの位置がLb3の場合のビーム検出
器の出力波形を示すグラフ。
【図20】第1のモアレ縞選択手段の変形例を示す分解
斜視図。
【図21】第1のモアレ縞選択手段の別の変形例を示す
分解斜視図。
【図22】図15に示した制御回路ブロックのタイミン
グチャート。
【図23】初期状態でモアレ縞が傾いているビーム検出
器の受光面を示す正面図。
【図24】図23に示したビーム検出器の出力波形を示
すグラフ。
【図25】モアレ縞の傾きのバラツキを示す正面図。
【図26】図25に示したビーム検出器の出力波形を示
すグラフ。
【図27】ディレイ回路を示す電気回路図。
【図28】光電変換素子をモアレ縞の傾き回転方向に移
動させる移動手段を示す斜視図。
【図29】図28に示した移動手段の正面図。
【図30】図28に示した移動手段によって光電変換素
子をモアレ縞の傾き回転方向に移動させた状態を示すビ
ーム検出器の分解斜視図。
【図31】合焦状態のモアレ縞と光電変換素子の受光面
との関係を示す説明図。
【図32】前ピント状態のモアレ縞と光電変換素子の受
光面との関係を示す説明図。
【図33】後ピント状態のモアレ縞と光電変換素子の受
光面との関係を示す説明図。
【図34】図2に示したビーム検出器の制御回路ブロッ
ク図を示す電気回路図。
【図35】図34に示した制御回路ブロックのタイミン
グチャート。
【図36】光電変換素子の変形例を示すビーム検出器の
分解斜視図。
【図37】光電変換素子の別の変形例を示すビーム検出
器の分解斜視図。
【図38】光電変換素子のさらに別の変形例を示すビー
ム検出器の分解斜視図。
【図39】縮小光学系の変形例を示すビーム検出器の分
解斜視図。
【図40】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
2実施形態を示すビーム検出器の分解斜視図。
【図41】レーザビームのスポットと光電変換素子の受
光面の位置関係を示す説明図。
【図42】スポットの位置がLb1の場合のビーム検出
器の出力波形を示すグラフ。
【図43】スポットの位置がLb2の場合のビーム検出
器の出力波形を示すグラフ。
【図44】スポットの位置がLb3の場合のビーム検出
器の出力波形を示すグラフ。
【図45】図40に示したビーム検出器の制御回路ブロ
ック図を示す電気回路図。
【図46】光電変換素子の変形例を示すビーム検出器の
分解斜視図。
【図47】光電変換素子の別の変形例を示すビーム検出
器の分解斜視図。
【図48】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
3実施形態を示すビーム検出器の分解斜視図。
【図49】図48に示したビーム検出器の制御回路ブロ
ック図を示す電気回路図。
【図50】図49に示した制御回路ブロックのタイミン
グチャート。
【図51】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
4実施形態を示すビーム検出器の分解斜視図。
【図52】合焦状態のモアレ縞のピッチ間隔を示す説明
図。
【図53】前ピント状態のモアレ縞のピッチ間隔を示す
説明図。
【図54】図51に示したビーム検出器の制御回路ブロ
ック図を示す電気回路図。
【図55】ビーム検出器の信号出力を示すグラフ。
【図56】光電変換素子の変形例を示すビーム検出器の
分解斜視図。
【図57】光電変換素子の別の変形例を示すビーム検出
器の分解斜視図。
【図58】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
5実施形態を示すビーム検出器の分解斜視図。
【図59】合焦状態のモアレ縞と光電変換素子の受光面
との関係を示す説明図。
【図60】前ピント状態のモアレ縞と光電変換素子の受
光面との関係を示す説明図。
【図61】後ピント状態のモアレ縞と光電変換素子の受
光面との関係を示す説明図。
【図62】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
6実施形態に使用されるビーム検出器の分解斜視図。
【図63】光電変換素子の変形例を示すビーム検出器の
分解斜視図。
【図64】図63に示したビーム検出器の出力波形を示
すグラフ。
【図65】ビーム検出器の変形例を示す斜視図。
【図66】ビーム検出器の別の変形例を示す斜視図。
【図67】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
7実施形態を示す斜視図。
【図68】図67に示したビーム検出器の斜視図。
【図69】前ピント状態のモアレ縞と光電変換素子の受
光面との関係を示す説明図。
【図70】合焦状態のモアレ縞と光電変換素子の受光面
との関係を示す説明図。
【図71】後ピント状態のモアレ縞と光電変換素子の受
光面との関係を示す説明図。
【図72】オートフォーカス制御回路ブロック図を示す
電気回路図。
【図73】レーザビームのスポットと光電変換素子の受
光面の位置関係を示す説明図。
【図74】レーザビームのスポットと光電変換素子の受
光面の位置関係を示す別の説明図。
【図75】レーザビームのスポットと光電変換素子の受
光面の位置関係を示す、さらに別の説明図。
【図76】走査位置検出器制御回路ブロック図を示す電
気回路図。
【図77】プリンタ本体制御部の制御手順を示したフロ
ーチャート。
【図78】オートフォーカス制御手順を示したフローチ
ャート。
【図79】第2のビーム検出器を示す分解斜視図。
【図80】前ピント状態のモアレ縞とビーム検出器の出
力波形の関係を示す説明図。
【図81】合焦状態のモアレ縞とビーム検出器の出力波
形の関係を示す説明図。
【図82】後ピント状態のモアレ縞とビーム検出器の出
力波形の関係を示す説明図。
【図83】オートフォーカス制御回路ブロック図を示す
電気回路図。
【図84】光電変換素子の変形例を示す正面図。
【図85】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
8実施形態に使用されるビーム検出器の分解斜視図。
【図86】レーザビームの合焦位置とビーム検出器の位
置関係を示す側面図。
【図87】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
9実施形態に使用されるビーム検出器の分解斜視図。
【図88】レーザビームの合焦位置とビーム検出器の位
置関係を示す側面図。
【図89】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
10実施形態に使用されるビーム検出器の取付け構造を
示す断面図。
【図90】図89に示した取付け構造の変形例を示す断
面図。
【図91】図89に示した取付け構造の別の変形例を示
す断面図。
【図92】図89と異なるレーザビームの合焦位置とビ
ーム検出器の位置関係の場合のビーム検出器の取付け構
造を示す断面図。
【図93】図92に示した取付け構造の変形例を示す断
面図。
【図94】図92に示した取付け構造の別の変形例を示
す断面図。
【図95】さらに図89と異なるレーザビームの合焦位
置とビーム検出器の位置関係の場合のビーム検出器の取
付け構造を示す断面図。
【図96】図95に示した取付け構造の変形例を示す断
面図。
【図97】図95に示した取付け構造の別の変形例を示
す断面図。
【図98】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の第
11実施形態に使用されるビーム検出器の分解斜視図。
【図99】レーザビームの合焦位置とビーム検出器の位
置関係を示す側面図。
【図100】ミラー反射前のレーザビームの縞状パター
ンを示す平面図。
【図101】ミラー反射後のレーザビームの縞状パター
ンを示す平面図。
【図102】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の
第12実施形態に使用されるビーム検出器の分解斜視
図。
【図103】図102に示したビーム検出器の変形例を
示す分解斜視図。
【図104】本発明に係るレーザビーム走査光学装置の
具体的実施例を示す平面図。
【図105】オートフォーカス処理時間を示す説明図。
【符号の説明】
1,501…レーザダイオード 3,503…フォーカシングレンズ 6,504…ポリゴンミラー 7,507…fθレンズ 24…信号処理回路 25…制御回路 26…フォーカシングレンズ駆動制御部 30,530…感光体ドラム 100,150,160,180,600,630,6
49,660…ビーム検出器 101,131,141,151,161,171,1
81,621,631…格子フィルタ(第1のフィル
タ) 102,132,142,152,162,172,1
82,622,632…格子フィルタ(第2のフィル
タ) 105,116a〜116f,118a〜118d,1
20,121,135,155,165,167,16
8,173,183,184,186,603,62
5,633…光電変換素子 105a,105b,120a〜120c,121a〜
121d,155a,155b,173a〜173d,
183a,184a,184b,603a,603b,
625a,625b…受光面 103,104,133,134,143,153,1
54,163,164,623,624…シリンドリカ
ルレンズ 117…正レンズ 204,213,217…比較器 205,214,218…フリップフロップ 206,209,215…AND素子 220…マイコン 219…プログラマブルタイマ 521…AF制御部 700,720,740…ビーム検出器 701…ハーフミラー 702…格子フィルタ 703…ミラー 704,723,743…光電変換素子 704a,704b,743a,743b…受光面 721,722,741…折り返しミラー 742…ウインドウ A,B…空間格子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 伸夫 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 竹下 健司 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 小江 啓司 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 長坂 泰志 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源から放射されたレーザビーム
    を、偏向器、光学素子を介して、微小な点に集光すると
    共に被走査面上を略等速度でライン状に走査するレーザ
    ビーム走査光学装置において、 前記レーザ光源から放射されたレーザビームの集光位置
    を調整するための調整手段と、 被走査面と光学的等価位置の近傍に配置され、前記レー
    ザ光源から放射されたレーザビームを変調してモアレ縞
    パターンを発生させるモアレ縞発生手段と、 前記モアレ縞発生手段により発生したモアレ縞パターン
    を受光する受光素子と、 前記受光素子の出力に基づいて前記調整手段を動作さ
    せ、被走査面上でのレーザビームの集光位置を補正する
    制御手段と、 を備えたことを特徴とするレーザビーム走査光学装置。
  2. 【請求項2】 前記モアレ縞発生手段が、前記レーザ光
    源側から順に、縞状の空間格子を有する第1のフィルタ
    と、該第1のフィルタの空間格子の方向に対して微小角
    度傾いている縞状の空間格子を有する第2のフィルタと
    を配置して構成されていることを特徴とする請求項1記
    載のレーザビーム走査光学装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のフィルタの縞状の空間格子が
    レーザビームの主走査方向に対して平行であることを特
    徴とする請求項2記載のレーザビーム走査光学装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光源を定点発光させる第2の
    制御手段を備えると共に、前記第1のフィルタの縞状の
    空間格子がレーザビームの副走査方向に対して平行であ
    ることを特徴とする請求項2記載のレーザビーム走査光
    学装置。
  5. 【請求項5】 前記受光素子が、複数の受光面を有し、
    該受光面のそれぞれに入射したレーザビームに応じた電
    気信号を出力する光電変換素子であり、この光電変換素
    子から出力される各電気信号の位相差を検出する位相差
    検出手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の
    レーザビーム走査光学装置。
  6. 【請求項6】 前記モアレ縞発生手段と前記受光素子と
    の間に、縮小光学系を配設したことを特徴とする請求項
    1記載のレーザビーム走査光学装置。
JP8205813A 1995-08-22 1996-08-05 レーザビーム走査光学装置 Pending JPH1090623A (ja)

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JP21375695 1995-08-22
JP3359596 1996-02-21
JP8-33595 1996-02-21
JP8-191713 1996-07-22
JP19171396 1996-07-22
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