JPH1089635A - 自然混合式ガスバーナーにおけるガスと空気の混合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端にガス噴射口を有するノズルと混合管と
を備え、前記ガス噴射口から噴射されるガス流によって
空気が自然吸入され、かつ、両者が混合管内で混合され
る自然混合式ガスバーナーにおけるガスと空気の混合装
置において、混合管の長さを短くできるとともに、高い
燃焼熱量を得る。 【解決手段】 ノズル２４のガス噴射口２４ａの形状
を、偏平なスリット形状とする。このためガス流も横断
面偏平状となり、ガス流の周りの空気とガスとの接触面
積が大きくなり、速やかに混合される。望ましくは、混
合管１の内部横断面形状を、ガス噴射口２４ａの形状に
対応して、長さ方向に長く厚さ方向に短い偏平形状とす
るのが良い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、噴射されるガス
流によって空気を自然吸入し、これらガスと空気を混合
してバーナーヘッドに混合ガスを供給する自然混合式ガ
スバーナーにおけるガスと空気の混合装置に関し、特に
高い燃焼熱量が要求されるバーナーに好適に組み込まれ
る混合装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自然混合式ガスバーナーにおいて、従来
から用いられているガスと空気の混合装置は、一般に、
先端にガス噴射口を有するノズルと混合管とを備えてい
る。そして、混合管の一端側は、内部形状が鼓形をした
ベンチュリ部となされるとともに、混合管の他端側は混
合部となされ、前記ベンチュリ部の一端にノズルが取付
けられている。

【０００３】このような自然混合式ガスバーナーにおい
て、ガスと空気の混合は以下のように行われる。即ち、
ノズルの先端に設けられたガス噴射口からガスを噴射さ
せ、ベンチュリ部の内部を通過させると、ベンチュリ部
の性質上、前記ガス流の上流側は負圧となるため、ベン
チュリ部一端の開口部から空気が吸入される。この吸入
された空気と噴射されたガスは、一体となってスロート
部を通過し、混合管内で自然に混合される。

【０００４】ところで、ガス流によって吸入される空気
は、ガス流との界面接触部分でガス流に巻き込まれて拡
散されるが、従来の混合装置は、ノズルのガス噴射口の
形状が円形であったため、次のような欠点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】即ち、ノズルのガス噴
射口の形状が円形である場合、ガス流も横断面円形で噴
出されるが、空気吸入時には、横断面円形ガス流の主と
して表面部分において空気が拡散し、ガス流の内部は非
混合状態のままとなっている。このため、ガス流全体と
空気とを十分に混合させるために、混合管の全長を長く
設定しなければならず、その分装置が大型化していた。

【０００６】また、ガス噴射口の開口面積を大きくして
ガスの流量を増加させることにより、ガスと空気の混合
量を増大して燃焼熱量を大きくすることも行われてい
る。しかし、ガス噴射口の形状が円形である場合、ガス
噴射口の開口面積を大きくすると、ガスの体積の増加に
比べてガス流と空気との接触面積の増加量が小さく、従
って空気とガスとの適正混合比を逸脱してガスが多くな
ることから、ガス噴射口の開口面積の増大には限界があ
り、ひいては燃焼量の増大には限界があった。具体的に
は約１２，０００ｋｃａｌ／ｈ程度が最高燃焼熱量の限
界とされていた。

【０００７】この発明は、前記課題に鑑みてなされたも
のであり、混合管の長さを短くできるとともに、高い燃
焼熱量を得ることのできる自然混合式ガスバーナーにお
けるガスと空気の混合装置の提供を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、ノズルのガス噴射口を断面円形にする
のではなく、偏平なスリット形状に形成したものであ
る。

【０００９】即ち、この発明は、先端にガス噴射口を有
するノズルと混合管とを備え、前記ガス噴射口から噴射
されるガス流によって空気が自然吸入され、かつ、両者
が混合管内で混合される自然混合式ガスバーナーにおけ
るガスと空気の混合装置において、前記ノズルのガス噴
射口の形状が、偏平なスリット形状であることを特徴と
するものである。

【００１０】このように、ノズルのガス噴射口の形状
が、偏平なスリット形状となされていることにより、ガ
ス流も該スリット形状に対応した横断面偏平状となる。
このため、断面円形のガス噴射口から噴射された場合と
比べて、ガス流と空気との接触面積が大きくなり、空気
と接触しないガスの量は少なくなる。このため、混合管
の長さが短くても、迅速にガスと空気が混合される。

【００１１】また、ガス噴射口がスリット形状であるか
ら、噴射口の幅や長さを調節することによりガスと空気
との接触面積を大きく確保しつつガス流量を増大するこ
とができる。従って、多量の空気とガスを十分に混合す
ることができ、高い燃焼熱量を得ることができる。

【００１２】また、混合管の内部横断面形状が、前記ガ
ス噴射口の形状に対応して、長さ方向に長く厚さ方向に
短い偏平形状であることが望ましい。

【００１３】このような構造にすることで、混合管を流
れるガスの形状に対応して、空気が吸入されることにな
り、空気がスムーズに流入してガスに均等に拡散し、さ
らに効率良く両者が混合される。

【００１４】

【発明の実施の形態】次にこの発明の実施形態につい
て、添付図を参照しつつ説明する。

【００１５】この実施形態は、自然混合式ガスバーナー
であるブンゼン式バーナーに本願発明を適用したもので
ある。

【００１６】図１〜図６において、（Ａ）は混合装置で
あり、該混合装置（Ａ）は混合管（１）と該混合管
（１）の基端部に取付けられるノズル取付ユニット
（２）とで構成されている。そして、混合管（１）の先
端部がバーナーヘッド（Ｂ）に連通接続されて、ブンゼ
ン式バーナーが構成されている。

【００１７】前記混合管（１）は、その基端側にベンチ
ュリ部（１１）が形成される一方、ベンチュリ部（１
１）に連続して混合部（１２）が形成されている。かか
る混合管（１）の横断面形状は、全長に渡って、横方向
を長軸とし縦方向を短軸とする楕円形状に形成されてい
る。かつ、前記ベンチュリ部（１１）は、その基端部に
空気吸入用の楕円形開口部（１１ａ）が形成されると共
に、該開口部（１１ａ）から混合部（１２）へと向かう
に従って中空内部の横断面積が連続的に減少したのち逆
に拡大する鼓形をなしており、横断面積の最も減少した
部分がスロート部（１３）となされている。一方、混合
部（１２）は、ベンチュリ部（１１）との連接部分から
バーナーヘッド（Ｂ）側に近付くにつれ内部横断面積が
連続的に増加したテーパー管に形成されている。

【００１８】また、ベンチュリ部（１１）の基端部外周
面には、前記ノズル取付ユニット（２）を取り付けるた
めの外径一定のフランジ部（１４）が形成されるととも
に、フランジ部（１４）の前方位置には、ノズル取付ユ
ニット（２）の位置決め用の円形鍔部（１５）が突出形
成されている。

【００１９】前記ノズル取付ユニット（２）は、楕円状
の取付枠部（２１）と、該取付枠部（２１）の軸線上後
方に設けられた円形のノズル支持部（２２）と、取付枠
部（２１）及びノズル支持部（２２）の外周部を一体に
連結するとともに、後述するノズル（２４）のガス噴出
口（２４ａ）の長さ方向の両側に位置するように、取付
枠部（２１）の長軸方向両端部において相互に１８０度
位置をずらして設けられた１対の内向きＬ字形の連結リ
ブ（２３）を備えている。

【００２０】前記取付枠部（２１）は、前記混合管
（１）のフランジ部（１４）に外嵌め状態に嵌合される
ものであり、その内径はフランジ部（１４）の外径より
もわずかに大きく設定されている。また、前記ノズル支
持部（２２）は、ガス供給ノズル（２４）を固定支持す
るためのものであり、その中心部に、ノズル（２４）の
外径よりも大きな内径のノズル挿通孔（２８）を有して
いる。さらに、ノズル（２４）の後端部には方形の取付
フランジ（２４ｅ）がノズル（２４）と一体に突出形成
されるとともに、フランジ（２４ｅ）の四隅部にねじ挿
通孔が形成されている。一方、ノズル取付ユニット
（２）のノズル支持部（２２）の背面には、前記ねじ挿
通孔に対応する位置に４個のねじ孔が形成されている。
そして、前記ノズル挿通孔（２８）に円柱状のノズル
（２４）が嵌め通されるとともに、ノズル（２４）の取
付フランジ（２４ｅ）がノズル支持部（２２）の背面に
当接され、この状態で４本のねじ（２９）が取付フラン
ジ（２４ｅ）を貫通してノズル支持部（２２）にねじ込
まれることにより、ノズル（２４）が取付ユニット
（２）に取付けられている。。なお、（２５）は取付枠
部（２１）を径方向に貫通する止めねじである。

【００２１】前記ノズル（２４）には、長さ方向におけ
る混合管（１）側の端面に、ガス噴出口（２４ａ）が開
口するとともに、該噴出口（２４ａ）に連通しノズル
（２４）を軸線方向に貫通するガス流通孔（２４ｂ）が
形成されている。また、前記ガス噴出口（２４ａ）は、
横方向（長さ方向）に長く縦方向（厚さ方向）に短い細
長のスリット状に形成され、ガスをこのスリット形状に
対応して偏平状に噴出させるものとなされている。な
お、ガス噴出口（２４ａ）の大きさは、要求される燃焼
熱量との関係で設定すれば良い。

【００２２】また、ノズル（２４）が取付ユニット
（２）に取付けられた状態において、ガス噴出口（２４
ａ）の長さ方向が楕円状取付枠部（２１）の長軸方向
に、厚さ方向が取付枠部（２１）の短軸方向に合致する
ように、ノズル（２４）における取付フランジ（２４
ｅ）のねじ挿通孔とノズル支持部（２２）のねじ孔の形
成位置が予め設定されている。

【００２３】さらに、この実施形態では、ノズル（２
４）における取付枠部（２１）側への突出部分の外周面
にねじ部（２４ｃ）が形成されるとともに、このねじ部
（２４ｃ）に、混合管（１）の空気吸入用開口部（１１
ａ）とほぼ同じ大きさの楕円板状のダンパー（２６）が
進退自在に螺合されている。該ダンパー（２６）は、そ
の取付位置をノズル（２４）の長さ方向に調節しておく
ことにより、混合管（１）におけるベンチュリ部（１
１）側の空気吸入用開口部（１１ａ）の開度を調節し
て、空気の流入量を調節する役割を果たす。さらに、ノ
ズル支持部（２２）とダンパー（２６）との間には、ノ
ズル（２４）に挿通された圧縮状態のコイルばね（２
７）が介在配置されており、ダンパー（２６）に常時押
圧力を付勢しておくことにより、ダンパー（２６）の不
本意な回転による空気流入量の変化を防止するものとな
されている。なお、ノズル（２４）の後方突出部外周面
にもねじ部（２４ｄ）が形成され、これに図示しないガ
ス供給管が接続されるものとなされている。

【００２４】而して、前記ノズル取付ユニット（２）の
取付枠部（２１）が混合管（１）のフランジ部（１４）
に外嵌め状態に装着され、止めねじ（２５）をその先端
がフランジ部（１４）に当接するまでねじ込まれること
により、ノズル取付ユニット（２）が混合管（１）に取
付けられ、もって混合装置（Ａ）が形成されている。か
かるノズル取付ユニット（２）の混合管（１）への装着
状態においては、ノズル（２４）は、その先端部が混合
管（１）におけるベンチュリ部（１１）の空気吸入用開
口部（１１ａ）からやや前方に突出した位置に臨んで、
混合管（１）と同一軸線上に配置されるとともに、ダン
パー（２６）が空気吸入用開口部（１１ａ）の後方に所
定距離を隔てて対向状態に配置されている。かつ、ノズ
ル（２４）のガス噴出口（２４ａ）は、その長さ方向が
混合管（１）の断面楕円形状の長軸方向に、厚さ方向が
短軸方向に合致して配置されている。

【００２５】図示実施形態に係る混合装置（Ａ）には、
ノズル（２４）の後端部に図示しないガス供給管が接続
される。そして、このガス供給管からノズル（２４）に
ガスが供給される。供給されたガスは、ノズル先端のガ
ス噴射口（２４ａ）からベンチュリ部（１１）内に軸線
方向に噴射される。ガス噴射口（２４ａ）は横長スリッ
ト状に形成されているから、噴射されたガスも該スリッ
ト形状に対応して横断面横長偏平状のガス流となってス
ロート部（１３）を通過し、混合部（１２）へと流入す
る。一方、ガスの噴射によって、ベンチュリ部（１１）
は負圧となり、吸入用開口部（１１ａ）からガス流の周
りに空気が吸入され、該空気とガスが一体となってスロ
ート部（１３）を通過し、混合部（１２）内に流入す
る。なお、空気は、ダンパー（２６）とノズル取付ユニ
ット（２）における取付枠部（２１）の間の空間から吸
入されるが、ノズル取付ユニットの連結リブ（２３）
（２３）は、ノズルのガス噴出口（２４ａ）の長さ方向
の両側に位置しているから、この連結リブ（２３）（２
３）が吸入空気に対する抵抗になることはなく、空気が
スムーズに吸入される。

【００２６】こうしてガス流の周りの空気は、ガス流に
巻き込まれつつ拡散作用によりガスと混合される。前述
のように、前記ガス流は偏平状であるから、ガス流量に
対してベンチュリ部（１１）に吸入される空気とガスと
の接触面積は大きい。換言すれば、空気と接触しないガ
スの量は少ない。従って、混合部（１２）に流入したガ
スと空気は短時間のうちに迅速に混合されるから、混合
部（１２）の長さひいては混合管（１）の長さは短くて
済む。

【００２７】また、この実施形態では、混合管（１）の
横断面形状がガス噴射口（２４ａ）に対応して横方向に
長く縦方向に短い楕円形に形成されているから、混合管
（１）の軸中心に流れるガスの偏平形状に対応して空気
が吸入される。従って、空気をスムーズに流入させるこ
とができ、ガスと空気をむらなく均等に拡散混合するこ
とができる。

【００２８】さらにこの実施形態では、ダンパー（２
６）のノズル長さ方向における位置を調節することによ
り、ダンパー（２６）と混合管（１）の空気吸入用開口
部（１１ａ）との距離を調節できるから、空気吸入用開
口部（１１ａ）から吸入される空気量を調節でき、ガス
流量を絞った場合でも最適なガスと空気の混合比を設定
することができる。

【００２９】さらには、取付枠部（２１）、ノズル支持
部（２２）、ノズル（２４）、ダンパー（２６）が一体
となってノズル取付ユニット（２）となされ、このノズ
ル取付ユニット（２）を混合管（１）の一端部に装着す
ることによりノズル（２４）を適正位置にセットするか
ら、ノズル（２４）の取付操作を極めて容易に行うこと
ができ、ひいては混合装置（Ａ）の製作が容易となる。
しかも、ノズルの取付フランジ（２４ｅ）とノズル支持
部（２２）とを固定することにより、ノズル（２４）を
取付ユニット（２）に装着する構成としているから、ガ
ス噴出口（２４ａ）の向きをノズル取付ユニット（２）
ひいては混合管（１）の断面形状に対して適正状態に、
容易にかつ一義的に位置決めすることができる。

【００３０】なお、図示実施形態では、ガス噴射口（２
４ａ）の形状を細長いスリット形状に形成したが、長円
形あるいは楕円形の偏平なスリット形状としても良い。
また、混合管（１）の内部横断面形状を楕円形に形成し
たが、長方形または長円形に形成しても良い。また、混
合管（１）等の製造方法や材質も任意のものを採用すれ
ば良い。

【００３１】

【発明の効果】この発明は、上述の次第で、ガス噴射口
が偏平なスリット形状となされたものであるから、ガス
流も該スリット形状に対応した横断面偏平状となる。こ
のため、断面円形のガス噴射口から噴射された場合と比
べて、ガス流とその周りに吸入される空気との接触面積
を大きく確保し得て空気と接触しないガスの量を少なく
できる。従って、混合管の長さが短くても、迅速にガス
と空気を混合することができるから、混合管の短縮によ
る混合装置の小型化及び使用材料の低減を図り得る。

【００３２】しかも、ガス噴射口がスリット形状である
から、噴射口の幅や長さを調節することによりガスと空
気との接触面積を大きく確保しつつガス流量を増大する
ことができる。従って、多量の空気とガスを十分に混合
することができ、高い燃焼熱量を得ることができ、１
２，０００ｋｃａｌ／ｈを超える燃焼熱量も可能とな
る。

【００３３】また、請求項２に記載の発明は、混合管の
内部横断面形状が、前記ガス噴射口の形状に対応して、
長さ方向に長く厚さ方向に短い偏平形状であるから、上
記効果に加えて、混合管を流れるガスの形状に対応して
空気を吸入させることができ、空気をスムーズに流入さ
せてガスに均等に拡散させることができ、さらに効率良
く両者を混合することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態に係る混合装置を示すも
ので、ノズル取付ユニットを取り外した状態を示す斜視
図である。

【図２】ノズル取付ユニットを示すもので（イ）は正面
図、（ロ）は背面図である。

【図３】図１に示した混合装置を備えたガスバーナー
を、その一部を切り欠いて示す垂直断面図である。

【図４】図３のIV−IV線断面図である。

【図５】図３のＶ−Ｖ線断面図である。

【図６】図３に示したガスバーナーにおけるノズル取付
ユニットと混合管との連結部位近傍を示す水平断面図で
ある。

【符号の説明】

Ａ…混合装置 １…混合管 ２…ノズル取付ユニット １１…ベンチュリ部 １２…混合部 ２４…ノズル ２４ａ…ガス噴射口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端にガス噴射口（２４ａ）を有するノ
   ズル（２４）と混合管（１）とを備え、前記ガス噴射口
   （２４ａ）から噴射されるガス流によって空気が自然吸
   入され、かつ、両者が混合管（１）内で混合される自然
   混合式ガスバーナーにおけるガスと空気の混合装置にお
   いて、 前記ノズル（２４）のガス噴射口（２４ａ）の形状が、
   偏平なスリット形状であることを特徴とする自然混合式
   ガスバーナーにおけるガスと空気の混合装置。
2. 【請求項２】 混合管（１）の内部横断面形状が、前記
   ガス噴射口（２４ａ）の形状に対応して、長さ方向に長
   く厚さ方向に短い偏平形状であることを特徴とする請求
   項１に記載の自然混合式ガスバーナーにおけるガスと空
   気の混合装置。