JPH0875127A

JPH0875127A - 燃焼装置

Info

Publication number: JPH0875127A
Application number: JP21367594A
Authority: JP
Inventors: Shiro Takeshita; 志郎竹下; Yukiro Komai; 幸郎古米
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1994-09-07
Filing date: 1994-09-07
Publication date: 1996-03-19

Abstract

(57)【要約】【目的】振動燃焼を伴う燃焼騒音を低減する。【構成】炎口体１２の上流側の燃料と空気を混合する
混合室１３に空気を混合する複数の燃焼ファン１７を設
けている。これによって混合及び分布の均一化による低
圧損化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はガスや石油の給湯機や給
湯暖房機等に関し、燃焼騒音の低減及び振動燃焼抑制手
段に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の燃焼装置は、燃焼方式によ
りブンゼン方式と予混合燃焼方式があるが、図６に示す
予混合燃焼方式の給湯機で説明する。燃料量調節手段１
で調節され燃料ノズル２から噴出した燃料と、燃焼空気
を送る一個の燃焼ファン３から吐出した空気を、混合及
び分布の均一化を狙いとして複数の開口率を絞った整流
板４を混合室５に設けている。この混合室５で予混合し
た後、セラミックス製の多孔質プレートの炎口体６に供
給し、炎口体６下流において点火し、燃焼室７において
高負荷で燃焼させ短炎の火炎を形成している。完全予混
合火炎は、コンパクト、低ＮＯｘ等の長所がある一方、
課題は燃焼反応が急激なため炎口体６が赤熱して逆火
や、また振動燃焼が生じ易く、燃焼範囲がとれないこと
である。また、特公平３−６２９６９号公報に開示され
るように、ファンの吹き出し部に対して、混合気供給路
が急拡大されるため、炎口体までの短い混合気供給路に
整流板を配し、また振動燃焼を抑制するためにバーナの
孔径を異径にしたり、ファンの吸込側に遮蔽板を設けた
り、バーナ下流側の一部を開口するなどが行われてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、燃焼ファンの吹き出し面積に対して炎
口体面積が数倍有り、しかも炎口体までの距離が短いた
め、炎口体へ均一に燃焼空気を供給するためには炎口体
自体をセラミックス製の多孔質プレートのように、板厚
が厚くかつ開口率も小さいものを使用するか、複数の整
流板で調整するか、いずれにしても圧損をかなり大きく
つける必要があった。また、燃料と空気の混合に対して
も上記均一化と同様、圧損を混合室内に持たせることに
より行われていた。さらに振動燃焼に対してもファンの
吸込側や排気側に抵抗体や吸音体を設ける等が対策とし
て行われ、装置全体の圧損は３０ｍｍＡｑ以上の高圧損
になる場合が多く、その結果燃焼ファンに起因する騒音
の寄与率が大きくなり、燃焼騒音の低減ができなかっ
た。

【０００４】本発明は上記従来例の課題を解決し、燃焼
騒音の低騒音化や振動燃焼の抑制を実現する給湯装置を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の燃焼装置は下記構成とした。

【０００６】すなわち、炎口体と、炎口体の上流側に燃
料と空気とを混合する混合室を配し、混合室に空気を供
給する複数の燃焼ファンを設けた構成とした。

【０００７】また、流れ方向に混合室を分割する仕切板
を設け、仕切板で分割された各々の混合室に燃焼ファン
を設けた構成とした。

【０００８】また、混合室を分割する仕切りに燃料ノズ
ルを有するノズルホルダを設けた構成とした。

【０００９】また、分割された混合室の一方に位相可変
手段を設けた構成とした。

【００１０】

【作用】本発明は、上記した構成によって、炎口体投影
面積に対する燃焼ファンの吹き出し面積の占める割合が
大きくなり、燃焼ファンから燃焼用空気が、より均一化
され炎口体へ供給され、燃料との混合においても燃料が
各燃焼ファンで供給される燃焼用空気に分割されて混合
される。また、例えば燃焼ファンの数が２個の場合、燃
焼ファンの動作点の内、風量は一個の場合に対して１／
２で済み回転数が低下できる。

【００１１】また、各燃焼ファンを別々のモータで、別
々の回転数で駆動すると、風量の多い流れへ他方の流れ
が引き込まれ、任意に流れ方向が回転数により制御され
る。

【００１２】また、混合室を仕切板等により仕切ること
により、各々の燃焼ファンからの流れが混合室内で衝突
せずに炎口体へ供給される。

【００１３】また、分割されたいずれかの混合室に燃焼
時の圧力変動の位相を可変させる手段をこうじることに
より、他方の炎口体とで位相干渉が促進される。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面にもとづい
て説明する。なお、本実施例でも予混合燃焼方式の給湯
機に応用した場合を示す。

【００１５】図１は本発明の第１の実施例のガス給湯機
で、本体ケース（図示せず）内部にバーナ本体８、燃焼
室９、熱交換器１０、排気部１１が順次密接して納めら
れている。バーナ本体８は、炎口体１２と混合室１３で
構成され、混合室１３には燃料量調節手段１４で調整さ
れ複数の燃料ノズル１５を有するノズルホルダ１６と、
ノズルホルダ１６を炎口体１２と挟むように、燃焼ファ
ン１７ａ、１７ｂが取り付けられている。燃焼ファン１
７ａ、１７ｂは一個のモータ１８により駆動され、燃料
量調節手段１４とともに制御器１９によりガス量と空気
量で決まる燃焼状態が制御される。

【００１６】上記構成において、燃焼騒音低減にとって
重要な要素である燃焼空気の均一化や空気と燃料との混
合は、炎口体１２の上流側に二つの燃焼ファン１７ａ、
１７ｂが設けられるため、炎口体１２投影面積に対して
燃焼ファン１７ａ、１７ｂの吹き出し面積の占める割合
が大きくでき、短い混合気供給路の中で炎口体１２に供
給する燃焼空気の分布を均一化することができる。また
混合室１３での燃焼空気とガスとの混合も、各々の流体
が１／２に分割され混合されるので、混合がより促進さ
れ、狭い空間内でも充分混合される。その結果、従来必
要だった整流板等、均一化するための部品がいらなくな
ったり、必要な場合でも低圧損のもので済むようにな
り、バーナ本体８の圧損が低減できる。また各燃焼ファ
ン１７ａ、１７ｂの供給する風量が、一個で供給する場
合の半分で済むため、回転数の低減が図れ燃焼ファン自
体の低騒音化も実現できる。これは各種ファンの騒音指
標として一般化されている比騒音すなわち単位風量、単
位圧力の仕事をする時の騒音レベルを用いた（数１）の
上からも示される。

【００１７】ＳＰＬ＝Ｋｓ＋１０ｌｏｇＱＰ²・・・・・・・（１）ＳＰＬは騒音レベル、Ｋｓは比騒音、Ｑは風量、Ｐは圧
力である。従って、同一のファンを二個使うことによっ
て、風量が１／２となる場合の各々のファンで計算する
と各々６ｄＢ（Ａ）低減されることになる。しかし、音
源の数が２倍となるためデシベル加算すると３ｄＢ
（Ａ）増加し、結果的には３ｄＢ（Ａ）の低騒音化が得
られることとなる。また、（１）式に相似則を用いて風
量や圧力の使用条件が異なる動作点で使った場合の回転
数やファンの外径に置き換えて騒音レベルを推定する計
算式からも回転数低減による低騒音化が証明される。さ
らに、（１）式には表されないが回転数低下により、羽
根から吐出される周速成分の減少で、高速回転時に発生
する乱流騒音や振動による二次的な騒音低減も低騒音化
に寄与する。

【００１８】一方、上記バーナ本体８の圧損低下と燃焼
ファンを二つ用いることによる回転数の低減により、目
標とする騒音低減レベルによっては、燃焼ファン１７
ａ、１７ｂ自体の大きさをコンパクト化することも可能
となり、二個使用の課題である燃焼ファン自体の大きさ
の面でそれ程問題にならない。

【００１９】また、図２に示すように各燃焼ファン１７
ａ、１７ｂを別々のモータ２０ａ、２０ｂで駆動させる
ことにより、燃料量と燃焼空気量で決まる最大燃焼状態
から最小燃焼状態までを制御する際、例えば燃料量調節
手段１４からのノズルホルダ１６への接続を分割して、
片方の燃料ノズル１５ｂのみを使用する燃焼状態におい
て、燃焼させない方の燃焼ファン１７ａの回転数を低速
に制御でき、使用頻度の高い低燃焼時の節電と低騒音化
が図られる。また各モータ２０ａ、２０ｂの回転数と燃
料ノズル１５ａ、１５ｂからの燃料量を最適燃焼状態に
なるよう制御器１９で制御し、各々異なる条件で動作す
ることにより、燃焼後の排気流れ方向を任意に可変する
ことができ、下流側の熱交換器１０のフィン詰まりが防
止できる。

【００２０】また、炎口体１２の火炎形成状態が均一で
なくなるため、定在波等に起因する振動燃焼の発生も抑
制される。

【００２１】次に第３の実施例を図３にて説明する。燃
焼空気の流れ方向に混合室１３を仕切る仕切板２１を設
け混合室１３を分割し、各々の混合室１３ａ、１３ｂに
燃焼ファン１７ａ、１７ｂを設けている。これにより、
各々の燃焼ファン１７ａ、１７ｂからの燃焼空気の流れ
が混合室１３で衝突せず炎口体１２まで供給されるため
衝突による乱れ域の発生がなくなる。また、分割された
各々の燃料ノズル１５ａ、１５ｂから噴出する燃料も燃
焼空気の流れに影響されずより均一化と混合が促進され
る。さらに、炎口体１２自体も分割できる構成ができ、
例えば図３に示すように、炎口体１２を互いに対向させ
ることにより、バーナ本体８のコンパクト性や火炎安定
域を向上させたり混合気流速の低減が図れ、より低ＮＯ
ｘ化や低騒音化が実現できる。

【００２２】また、図４に示す第４の実施例は、混合室
１３の仕切りをノズルホルダ２２で構成し、各々の混合
室１３ａ、１３ｂに対称に燃料ノズル２３配している。
そのため燃料ノズル２３からの燃料噴出量の対称性が安
定して得られ、燃焼ファン１７、混合室１３等のバーナ
本体８上流側の各要素を分割した効果をより向上でき、
またノズルホルダ２３が一つで済み低コスト化も得られ
ることとなる。

【００２３】次に、図５に示す第５の実施例は、分割し
た炎口体１２ｂ、混合室１３ｂ側に位相可変手段２４を
設けてたものである。例えば、図５では位相可変手段２
４として音圧発生装置を取り付けているが、他部品を取
り付けるのではなく、混合室１３ｂ構成の一部として、
サイドブランチ型やヘルムホルツ型の共鳴器構成や、一
部材質を変えた、例えば膜を設ける等、要は炎口体１２
ｂからみた音響インピーダンスを可変する構成を設ける
ものである。本実施例は、予混合火炎が外部から加えら
れる音圧に応答性があることを利用するもので、炎口体
１２ａの系で生じる圧力変動に対して炎口体１２ｂの系
で生じる圧力変動の位相が反転するよう位相可変手段２
４により制御し、装置の上流側、下流側条件に拘らず振
動燃焼の発生を助長する圧力変動成分を減少させること
ができる。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の燃焼装置によれば以下の効果が得られる。

【００２５】（１）混合室に空気を供給する複数の燃焼
ファンを設けたため、炎口体の投影面積に対して燃焼フ
ァンの吹き出し面積の占める割合が大きくでき、燃焼空
気の分布をより均一化することができる。また燃料との
混合も燃焼ファンが分割されることにより混合が促進さ
れ、従来必要だった整流板が不要となったり、低圧損の
もので済むようになり、バーナ本体としての圧損が大幅
に低減できる。また、一個の燃焼ファンの供給する風量
も半分となるため、上記低圧損効果も含めて回転数が大
幅に低下し、その回転数低下による付加的な低騒音化効
果も加わり、全体として機器の燃焼騒音の低減が実現で
きる。

【００２６】（２）各燃焼ファンを別々のモータで駆動
することにより、給湯機として使用頻度の高い低燃焼時
の節電と低騒音化が得られる。また燃焼後の排気流れ方
向を任意に可変することができ、熱交換器のフィン詰ま
りを防止でき、さらに定在波等に起因する振動燃焼の発
生も抑制でき信頼性が向上する。

【００２７】（３）仕切板により、各々の燃焼ファンか
らの燃焼用空気の流れが混合室で衝突せず炎口体まで供
給されるため、衝突による乱れ域の発生が減少し、燃料
ノズルから噴出する燃料も燃焼空気の流れに影響されず
より均一化と混合が促進される。さらに、炎口体自体を
分割できるバーナ構成ができ、バーナ本体のコンパクト
化や低ＮＯｘ化、低騒音化が実現できる。

【００２８】（４）ノズルホルダを混合室の仕切りとし
て設けることにより、仕切板を別途設ける必要がなく、
バーナ本体の組立性が向上する。また、燃料ノズルから
の燃料噴出量の対称性が安定して得られ、各々の燃焼フ
ァンからの燃焼空気との混合比がより均一化できる。

【００２９】（５）炎口体上流側を仕切板により分割し
二つの独立した燃焼系を構成し、いずれかの混合室に位
相可変手段を設けることにより、燃焼時の圧力変動の位
相相殺が可能となり、簡単な部品で振動燃焼抑制が達成
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における燃焼装置を給湯
機に適用した場合の要部正面断面図

【図２】本発明の第２の実施例における燃焼装置の要部
の正面断面図

【図３】本発明の第３の実施例における燃焼装置を給湯
機に適用した場合の要部正面断面図

【図４】本発明の第４の実施例における燃焼装置を給湯
機に適用した場合の要部正面断面図

【図５】本発明の第５の実施例における燃焼装置を給湯
機に適用した場合の要部正面断面図

【図６】従来の実施例における燃焼装置の要部の正面断
面図

【符号の説明】

１２炎口体１３混合室１７ａ、１７ｂ燃焼ファン１８、２０ａ、２０ｂモータ２１仕切板２２ノズルホルダ２３燃料ノズル２４位相可変手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】炎口体と、前記炎口体の上流側に燃料と空
気とを混合する混合室を配し、前記混合室に空気を供給
する複数の燃焼ファンを設けた燃焼装置。
【請求項２】燃焼ファンを一個のモータで駆動する請求
項１記載の燃焼装置。
【請求項３】燃焼ファンを別々のモータで駆動する請求
項１記載の燃焼装置。
【請求項４】流れ方向に混合室を分割する仕切板を設
け、前記仕切板で分割された各々の混合室に燃焼ファン
を設けた請求項２または請求項３記載の燃焼装置。
【請求項５】混合室を分割する仕切りに燃料ノズルを有
するノズルホルダを設けた請求項４記載の燃焼装置。
【請求項６】混合室の一方に位相可変手段を設けた請求
項４または請求項５記載の燃焼装置。