JPS5857656B2 - ガスタ−ビンエンジン用燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガスタービンエンジンのための燃焼装置に関す
るものである。

近年、燃焼装置の設計は燃料圧カシエツト原理を用いる
燃料バーナーを使用するタイプから空気に助けられる原
理を用いる燃料バーナーに変化して来ている。

この変化の第一の動機はガスタービンの高圧スプール内
の圧力レベルが増加した際に煙の生成を減じなければな
らないという要求であった。

通常、空気で助けられるバーナーの特徴は、高速空気流
が流れている円形又は環状の空気通路に接線方向に燃料
を噴射することにある。

そのため、空気通路の壁に隣接して円筒状の液体シート
が作られ、その結果、ガスタービンエンジンの燃焼室で
燃料は中空の円錐形の形態を浸しているのが普通である
。

燃料と空気との混合物は、燃料シートの所で極めて濃厚
であり、多量の煙が発生する。

エンジン出力が低い時、噴霧には広範囲の寸法の小液滴
を有し、その寸法は空気流中の燃料シートの厚さに関係
している。

本発明の一目的は極めて細かく霧化された均一な燃料噴
霧を作る燃料バーナーを有するガスタービンエンジン用
燃焼装置を提供するにある。

本発明のもう一つの目的は、排気中の有害物質例えば窒
素酸化物の量を減じる燃焼装置を提供するにある。

窒素酸化物の生成は幾つかの互に関連する因子により決
り、この因子には 燃料温度（温度が高い程、窒素酸化
物が多い）、燃料・空気混合物中の窒素および酸素の濃
度、お−よび燃焼室内に燃焼生成物が滞留する時間が含
渣れる。

この滞留時間について言えば、滞留時間を短かくして燃
焼効率を高くするか、又は滞留時間を長くして燃焼効率
を低くシ、温度を低し維持し相当な量の窒素酸化物を生
成するには温度が低すぎるようにすることによって排気
中の窒素酸化物を少くすることができる。

ガスタービンエンジンの通常の運転範囲で、空気流量と
燃料流量が変化し、圧力釦よび温度が変化するから燃焼
装置内の条件が著しく変化し、従って、エンジン回転数
の全範囲にわたり窒素酸化物の生成を減じることは非常
に困難である。

英国特許第１４２７１４６号では、燃焼噴射装置を備え
た管状の一次空気取入口は焔管の上流壁に設けられてい
る。

管状の一次空気取入口の下流端に配置された端蓋は管状
の該空気取入口の端との間に環状の半径方向に向いた間
隙を画成している。

この間隙は、燃料、空気混合物を半径方向に焔管の中へ
導き、該間隙の路上流に第１のトロイド形渦流を作り、
該間隙の略下流には反対方向の第２のトロイド形渦流を
生じる。

この構成は、高回転数にかける性能を害することなく地
上のアイドリンク回転数に釦いて、高燃焼効率を得るこ
とができる。

本発明のガスタービンエンジン用燃焼装置は、燃料バー
ナーが、空気流を貫流させる中空ダクト、該中空ダクト
の上流端に隣接配置され該中空ダクトと共軸の旋回流を
生じる第１の旋回流手段、上記中空ダクトを少くとも部
分的に包囲して空気流を貫流させる環状の外側ダクト、
ムよび該外側ダクトの上流端に隣接配置され該外側ダク
トと共軸の旋回流を生じる環状の第２の旋回流手段から
成り、上記第１旋回流手段の下流で上記中空ダクトに適
量の燃料を噴射するための第１の燃料噴射手段と、上記
第２旋回流手段の下流で上記外側ダクトに適量の燃料を
噴射するための第２の燃料噴射手段とを備えていること
を特徴とするものである。

燃料はダクトの軸線に対し垂直又は鋭角の方向で各ダク
トに噴射することができる。

燃料は中空ダクトの外側の壁から半径方向内方へ噴射し
て中空ダクト中へ噴射し、又半径方向外方へ環状ダクト
の中へ噴射することができる。

代替的又は付加的に、燃料噴射装置を中空ダクトの中心
に設けることができる。

代替的に外側ダクトの外側壁から該外側ダクトへ燃料を
噴射するための手段を付加してもよい。

ダクトに燃料を噴射するための手段は、種々のエンジン
パラメータ、例えばエンジン回転数ち・よび出力の要求
に従って、同時にダクトの片方又は両方に燃料を噴射す
るよう制御するのが好ましい。

燃料を両方のダクトに噴射する場合、各ダクトに噴射さ
れる燃料の容量の新は種々のエンジンパラメータに従っ
て変化する。

従って、エンジン出力が低い時は、燃料の大部分又は全
部は外側ダクトへ噴射し、エンジン出力が高い時は、燃
料の大部分又は全部は中空ダクトの中へ噴射する。

中空ダクトの下流端の壁は末広がりとなり、中空ダクト
から出る燃料・空気混合物の流れの方向に半径方向の成
分を与えることが好ましい。

環状の外側ダクトの下流端の壁も末広がりとして該外側
ダクトから出る燃料空気混合物の流れに半径方向の成分
を与えることができる。

以下図面を参照しつつ本発明の実施例を詳細に説明する
。

第１図に示すガスタービンエンジン１０は軸方向の流れ
に沿って、空気取入口１１、圧縮機１２、燃焼装置１３
、タービン１４および排気ノズル１５を有するものであ
る。

燃焼装置１３は、エンジン１０の軸線の豊わりの円周上
に並んだ多数の略円筒状の燃焼室１６゛（その１つを第
２図に示す）を有している。

この様な燃焼室は缶状と呼ばれるものである。

各燃焼室は円筒状の壁１８と上流端壁（底板）２０とか
ら成っている。

円筒壁１８と端壁２０とは小孔２２を設け、空気が該小
孔から燃焼室に入り両壁を冷却するようにし、又大きな
孔２４を円筒壁１８に設け、燃焼空気が該孔２４から入
るようにしている。

円筒壁１８には、又、冷却空気又は希釈空気の孔２６が
設けられ、該孔２６から燃焼室に入る空気は燃焼ガスを
、燃焼室１６の下流に配置されたタービン翼が受入れる
ことのできる温度筐で冷却する。

端壁２０の中央には燃料バーナー２８が設けられ、該燃
料バーナーは基本的に２つの共軸の管３０．３２から成
り、外側管３２は中空ダクトを画成する内側管３０を取
囲み、該内側管３０より少し長さが短く、両管の間に環
状の外側ダクト３４が画成されている。

内側管３０の上流端に中空ダクトと共軸の旋回流を生じ
る一組の旋回流羽根３６が配置され、外側管３２の上流
端に外側ダクトと共軸の旋回流を生じる一組の旋回流羽
根３８が環状に配置され、この羽根３８は内側管３０を
支持するためにも役立っている。

両旋回流羽根３６．３８は同じ方向の旋回流を作るよう
にしてもよいし、互に反対方向の旋回流を作るようにし
てもよい。

内側管３０は上流端に２個の環状燃料マニホールド４０
．４２を有し、孔４４がマニホールド４０を内側管３０
の内部に、又孔４６がマニホールド４２を通路３４に連
結している。

孔４４はバーナー２８の軸線に対し略垂直である。

内側管３０釦よび外側管３２の下流端に外方へ拡がり、
外側管３２は内側管の少し上流で終り外側ダクト３４の
端に半径方向の向いた環状隙間４７を形成している。

２個のマニホールド４０．４２に対する燃料の供給は燃
料スケジュール装置５０により制御される。

燃料スケジュール装置５０は供給源５２から燃料を受け
、エンジンのパラメータ５４例えばエンジン回転数、圧
縮機出口圧力等に従ってマニホールドに燃料を分配する
が詳細は後述のと釦りである。

バーナー作動時に、空気は通路３４ち・よび内側管３０
の内部に旋回流羽根３８および３６をそれぞれ通って入
り、該旋回流羽根は空気は中空ダクトおよび外側ダクト
と共軸の強い旋回を与える。

空気は矢印の方向に間隙４７釦よび内側管３０の端から
流出し間隙４６の上流に第１のトロイド形渦流１００を
、又間隙４６の下流に第２のトロイド形渦流２００を生
じる。

これらの渦流は端壁板２０の孔２２から入る空気釦よび
孔２４から燃焼室に入る空気により助長される。

エンジン出力が低い時は、燃料スケジュール装置５０は
燃料の大部分又は全部をマニホールド４２へ送り、そこ
から外側ダクト３４に燃料が噴射され更に第１トロイド
形渦１００へ入る。

燃焼室の設計により、第１むよび第２のトロイド形渦流
の相当比 ［空燃比（実際） ］ 空燃比（理論値） をエンジンのアイドリンク回転数にむいて最大燃焼効率
を得るよう最適のものとすることができる。

孔４６から出る燃料の射角度は旋回空気流に対し垂直と
なっているから、空気と燃料との間の相対速度が非常に
大きく、最大限に霧化が行われる。

燃料流量即ち出力が増すと、燃料スケジュール装置は燃
料の半分以上をマニホールド４０へ配分し、燃料はマニ
ホールド４０から内側管３０へ噴射され、次で第２渦流
２００へ直接送られる。

出力が大きい時には、燃料の一部のみが第１渦流１００
へ向けられるから、その相当比は、煙生成物が多い相当
比より低く維持される。

高出力時にかける第２搗流２００の相当比は、アイドリ
ンク回転数にかいて最適の一酸化炭素消費率を与えるの
に必要なだけ空気流を比例させることによりかなりの程
度調節されるが、一般に、第２渦流２００の空燃比は在
来の燃料バーナーの空燃比と同じである。

しかし、内側管３０の燃料は予め空気と混合されるから
、第２渦流に釦ける煙の生成は非常に少い。

２つの渦流の燃料供給に差があるため、第１の渦流では
燃料が比較的濃厚に維持され、窒素酸化物の生成の可能
性が低い。

最大出力時には、上記の両渦流の上記相当比は非常に大
きく、従って孔２６から流入する空気によって迅速に希
釈し、相当比を例えば０．７以下にした時、それに窒素
酸化物の生成が伴うことはない。

従って、燃焼装置は燃焼室内の局部的な相当比を著しく
制御することができ、従って、種々の工ンジシ出力にむ
いて、窒素酸化物むよび煙の生成を低レベルに維持する
ことができる。

本発明の燃焼装置は缶状の燃焼室に用い得るばかりでな
く管環状又は環状の燃焼室にも用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の燃焼装置を設けたガスタービンエンジ
ンの一部を断面で示す側面図。 第２図は第１図の燃焼装置の拡大断面図。 １３・・・燃焼装置、１６・・・燃焼室、２８・・・燃
料バーナー、３０・・・内側管、３２・・・外側管、３
６゜３８・・・旋回流羽根、４０，４２・・・マニホー
ルド、５０・・・燃料スケジュール装置、５２・・・燃
料供給装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガスタービンエンジン用燃焼装置において、燃料バ
   ーナーが、空気流を貫通させる中空ダクト、該中空ダク
   トの上流端に隣接配置され該中空ダクトと共軸の旋回流
   を生じる第１の旋回流手段、上記中空ダクトを少くとも
   部分的に包囲して空気流を貫流させる環状の外側ダクト
   、および該外側ダクトの上流端に隣接配置され該外側ダ
   クトと共軸の旋回流を生じる環状の第２の旋回流手段か
   ら成り、上記第１旋回流手段の下流で上記中空ダクトに
   適量の熱料を噴射するための第１の燃料噴射手段と、上
   記第２旋回流手段の下流で上記外側ダクトに適量の燃料
   を噴射するための第２の燃料噴射手段とを備えているこ
   とを特徴とする燃焼装置。 ２、特許請求の範囲第１項の燃焼装置に釦いて、各ダク
   トへ燃料を噴射する燃料噴射手段は、各ダクトへの燃料
   供給手段と、燃料の供給を受けそれを上記燃料供給手段
   へガスタービンのパラメータに従って分配するようにし
   た燃料スケジュール手段とを含むもの。 ３ 特許請求の範囲第２項の燃焼装置に釦いて、上記ダ
   クト燃料供給手段は中空ダクトの上流端に設けた２個の
   燃料マニホールドを有し、該燃料マニホールドが多数の
   燃料出口を対応するダクトに有しているもの。 ４ 特許請求の範囲第１項の燃焼装置において、上記中
   空ダクトの下流端壁が外方へ末広がりとなり中空ダクト
   から出る燃料空気混合物に半径方向運動成分を与えるよ
   うにしたもの。 ５ 特許請求の範囲第１項の燃焼装置において、環状の
   外側ダクトの下流端壁が外方へ末広がりであり、外側ダ
   クトから出る燃料空気混合物に半径方向の運動成分を与
   えるようにしたもの。