JP2002523722A - バーナ装置 - Google Patents

バーナ装置

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Abstract

(57)【要約】 燃焼器（１１）内に開口部（１３）で開口しているバーナ（３）を有するバーナ装置（１）に関し、その開口部（１３）は少なくとも部分的に、燃焼器（１１）内に突出する流れ案内要素（１７）によって形成されている。これによって、燃焼振動が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、燃焼器内に開口部で開口するバーナを備えたバーナ装置に関する。
これは、特にガスタービンのバーナ装置である。
【０００２】 ドイツ特許出願公開第４３３９０９４号明細書に、ガスタービンの燃焼器にお
ける熱音響振動を減衰する方法が記載されている。定置形ガスタービン、航空機
エンジンなどの燃焼器での燃料の燃焼中、燃焼過程に基づいて、不安定あるいは
変動が生ずることがある。これは不利な状態において燃焼振動とも呼ばれる熱音
響振動を励起する。これは、不利な騒音源となるばかりでなく、燃焼器に許容で
きない不利に大きな機械的負荷を生じさせる。そのような熱音響振動は、燃焼に
伴う発熱変動場所を流体の注入により制御することで、積極的に減衰される。
【０００３】 本発明の課題は、特に熱音響振動の防止に関し良好な特性を有するバーナ装置
を提供することにある。
【０００４】 この課題は本発明に基づき、燃焼器内に開口部で開口しているバーナを備えた
バーナ装置において、開口を少なくとも部分的に、バーナから燃焼器に流出する
燃料ガス流を案内するための燃焼器の中に突出する流れ案内要素により形成する
ことによって解決される。
【０００５】 燃料ガスは、燃焼空気と、例えば燃料油あるいは天然ガスとの混合気である。
流れ案内要素は開口から流出する燃料ガス流を案内するために使われる。
【０００６】 これにより、燃料ガス流の燃焼領域が燃焼器の中に深く変位する。更に、燃焼
中の火炎形状が影響される。バーナ装置、即ちバーナと燃焼器とから成るシステ
ムは、燃焼の形状および場所への影響によって、音響的に離調する。この音響的
な離調は燃焼振動を防止し、あるいは少なくとも弱める。更に燃焼器内に突出す
る流れ案内要素によって、燃料ガス流からの渦流の引き離れ縁が生ずる。その渦
流によって、燃料ガス流の少なくとも一部に対する逆流領域が生ずる。これは、
火炎の安定化および窒素酸化物発生の減少に良好に作用する。窒素酸化物発生の
減少は、混合渦による火炎温度の均一化によって生ずる。
【０００７】 流れ案内要素を、その流れ案内要素軸線に沿って延びる中空円筒状体あるいは
中空裁頭円錐体とすると有利である。更に、中空円筒体あるいは中空裁頭円錐状
体が、その流れ案内要素軸線に対して傾斜した仮想端面で終えていると有利であ
る。その端面は流れ案内要素に対して直角に延びていない。換言すれば、中空円
筒体あるいは中空裁頭円錐状体は傾斜した端面で終えている。従って、燃料ガス
流は、中空円筒体あるいは中空裁頭円錐体の長い側面において、それと反対側の
短い側面よりも長い距離にわたって案内される。
【０００８】 流れ案内要素が開口のほぼ半分の周りに配置されていると有利である。これに
よって、燃料ガス流の片側に接触面が形成される。これによって、燃焼の形状へ
の影響に加えて、燃料ガス流の一部が開放面に向けて大きく転向される。この結
果、燃焼場所の変位を生ずる。これによって、特に効果的に、音響的な狂いおよ
びこれに伴う燃焼振動の抑制が達成される。
【０００９】 流れ案内要素が耐熱金属、特に耐熱鋼から成る板金であることが有利である。
【００１０】 好適には、バーナ装置は共通の燃焼器に多数のバーナを備える。この燃焼器に
おける多数のバーナにおいて、燃焼振動は予見できず、従って特に制御が困難で
ある。１つあるいは複数のバーナに流れ案内要素を採用することによって、燃焼
器における多数のバーナから成る複雑な系統は、燃焼振動がせいぜい小さな振幅
でしか生じないように、簡単に且つ効果的に音響的に離調する。
【００１１】 燃焼器がガスタービンの環状燃焼器であることが有利である。ガスタービン特
に定置形ガスタービンは、燃焼の際に非常に大きな出力を発生する。ここで、燃
焼振動は音響的に支障を生ずるだけでなく、機械的に損傷させてしまう。従って
ここでは、燃焼振動の抑制は特に重要である。
【００１２】 開口が開口直径を有し、流れ案内要素がその流れ案内要素軸線に沿って最長距
離を有し、この最長距離が開口直径の１／６〜１／２であると有利である。特に
その最長距離の値は１〜１０ｃｍである。
【００１３】 以下図に示した実施例を参照して本発明を詳細に説明する。各図において、同
一部分には同一符号が付されている
【００１４】 図１はバーナ装置１の一部を縦断面図で示す。詳細に図示しない燃焼器１１の
燃焼器壁９にバーナ３が配置されている。このバーナ３はハイブリッドバーナで
あり、拡散バーナあるいは予混合バーナとして運転される。バーナ３は予混合段
としての環状通路５を有する。この環状通路５は、パイロットバーナ７を同心的
に包囲している。環状通路５内を燃料・空気混合気１４ａが案内される。この混
合気１４ａはパイロットバーナ７からの燃料・空気混合気１４ｂと合流し、燃料
ガス流１４を形成する。燃料ガス流１４はバーナ３から注入方向１５に沿って開
口１３から流出する。開口１３は中空円筒状流れ案内要素１７によって包囲され
ている。流れ案内要素１７は仮想端面１６で終えている。流れ案内要素１７は流
れ案内要素軸線１７ｂに沿って延びている。端面１６は流れ案内要素軸線１７ｂ
に対して直角に延びていない。即ち流れ案内要素１７は傾斜した端面１６で終え
ている。従って流れ案内要素１７は長い側面１７ｃと短い側面１７ｄとを有して
いる。燃料ガス流１４は長い側面１７ｃにおいて短い側面１７ｄよりも幾分長い
距離にわたって案内される。これによって、燃料ガス流１４は短い側面１７ｄの
方向に開口している。この結果、注入方向１５に対して直角に燃焼領域が変位さ
れる。開口１３を包囲する流れ案内要素１７によって、注入方向１５に沿って燃
焼領域の変位も生ずる。更に、流れ案内要素１７によって、燃焼領域の形状が影
響される。燃焼領域の変位および燃焼領域の形状への影響の結果、バーナ３と燃
焼器１１とから成る音響系統が音響的に離調する。これに伴い、燃焼振動が防止
されあるいは少なくとも弱められる。
【００１５】 流れ案内要素１７は引き離れ縁１８で終えている。この引き離れ縁１８におい
て、燃料ガス流１４から渦流２０が引き離される。これによって、燃料ガスの逆
流領域が発生する。そのような逆流領域によって、燃焼が安定化され、燃焼の一
様化によって窒素酸化物の発生が減少する。
【００１６】 図２は、図１と異なるバーナ装置１を図１に応じた縦断面図で示す。流れ案内
要素１７は、図１と異なり中空裁頭円錐体として形成されている。即ち流れ案内
要素１７は燃料ガス流１４の方向に広がっている。流れ案内要素１７によって、
燃料ガス流１４の燃焼場所が変位される。燃焼の形状も流れ案内要素１７によっ
て影響される。ここでも、バーナ３と燃焼器１１とから成る音響系統が音響的に
離調する。その結果、上述したように、燃焼振動が抑制される。
【００１７】 図３は、ガスタービンの環状燃焼器が一部破断斜視図で示す。燃焼器１１は燃
焼器中心線２５を中心として回転対称な形状を持ち、外側壁２１および内側壁２
３を有している。外側壁２１および内側壁２３は環状燃焼室２４を包囲している
。外側壁２１の内側面および内側壁２３の外側面に耐火内張り２７が設けられて
いる。燃焼器１１内には、円周方向に多数のバーナ３が分布配置されている。幾
つかのバーナ３に流れ案内要素１７が配置されている。その流れ案内要素１７の
適当な方向づけおよび配置によって、バーナ３と燃焼器１１とから成る音響系統
は音響的に、燃焼振動の抑制が生ずるように離調せしめられる。これは特に、多
数のバーナを備えた環状燃焼器の幾何学形状が非常に複雑である場合、そのよう
な環状燃焼器１１の音響特性が実際に予見できないことから必要である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に基づくバーナ装置の一部縦断面図。
【図２】 本発明に基づくバーナ装置の異なった実施例の一部縦断面図。
【図３】 ガスタービンの環状燃焼器の一部破断斜視図。
【符号の説明】
１ バーナ装置 ３ バーナ １１ 燃焼器 １３ 開口 １７ 流れ案内要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レンツ、マンフレート ドイツ連邦共和国 デー‐91054 エルラ ンゲン ラーツベルガー シュトラーセ 11アー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 燃焼器（１１）内に開口部（１３）で開口するバーナ（３）
    を備えたバーナ装置（１）において、開口部（１３）が少なくとも部分的に、バ
    ーナ（３）から燃焼器（１１）内に流出する燃料ガス流（１４）を案内するため
    の、燃焼器（１１）内に突出する流れ案内要素（１７）によって形成されている
    ことを特徴とするバーナ装置。
  2. 【請求項２】 流れ案内要素（１７）がその流れ案内要素軸線（１７ｂ）に
    沿って延び、開口部（１３）を包囲する中空円筒体あるいは中空裁頭円錐体であ
    ることを特徴とする請求項１記載のバーナ装置。
  3. 【請求項３】 中空円筒体（１７）あるいは中空裁頭円錐状体（１７）が、
    その流れ案内要素軸線（１７ｂ）に対して傾斜した仮想端面（１６）で終えてい
    ることを特徴とする請求項２記載のバーナ装置。
  4. 【請求項４】 流れ案内要素（１７）が、開口部（１３）の周りを部分的に
    、特にほぼ開口部（１３）の周りを半分だけ囲む壁要素であることを特徴とする
    請求項１記載のバーナ装置。
  5. 【請求項５】 流れ案内要素（１７）が耐熱金属、特に耐熱鋼から成る板金
    であることを特徴とする請求項１記載のバーナ装置。
  6. 【請求項６】 共通の燃焼器（１１）内に多数のバーナ（３）が設けられて
    いることを特徴とする請求項１ないし５の１つに記載のバーナ装置。
  7. 【請求項７】 燃焼器（１１）がガスタービンの環状燃焼器であることを特
    徴とする請求項１ないし６の１つに記載のバーナ装置。
  8. 【請求項８】 開口部（１３）の直径とｄとし、流れ案内要素（１７）の流
    れ案内要素軸線（１７ｂ）に沿う最長距離をlとしたとき、l／ｄが１／６〜１／
    ２であることを特徴とするバーナ装置。
JP2000567886A 1998-08-31 1999-08-13 バーナ装置 Expired - Lifetime JP4472181B2 (ja)

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