JPH1089376A - トルクリミッタ - Google Patents

トルクリミッタ

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JPH1089376A
JPH1089376A JP26551796A JP26551796A JPH1089376A JP H1089376 A JPH1089376 A JP H1089376A JP 26551796 A JP26551796 A JP 26551796A JP 26551796 A JP26551796 A JP 26551796A JP H1089376 A JPH1089376 A JP H1089376A
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JP
Japan
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shaft
torque
outer shaft
peripheral surface
outer peripheral
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JP26551796A
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English (en)
Inventor
Hirosumi Sasa
弘純 佐々
Takeaki Kobori
剛明 小堀
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TOTSUKU BEARING KK
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TOTSUKU BEARING KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写機のローラの紙詰まりを除去し、ローラ
に過剰な負荷がかかった場合にはトルクの伝達を解除す
るトルクリミッタを提供する。 【解決手段】 外周面に凸条を備える内軸と、外周壁に
設けたスリットに第一のニードルローラ備える中空円筒
状の外軸と、外軸の外周面に設けられるばね手段とから
なり、内軸と外軸は相対的に回転可能で、内軸と外軸の
一方が回転すると、凸条と第一のニードルローラとが係
合することにより内軸と外軸の他方に回転トルクが伝達
される。ばね手段の付勢力は、一方の軸に過剰なトルク
が作用すると、凸条とニードルローラの一方が他方を乗
り越えることを許容するように設定されており、過剰ト
ルクが他方の軸へ伝達されないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、複写機の
紙送りローラ、転写ローラ、定着ローラなどのローラに
取付けられ、これらローラが関与する箇所で紙詰まりが
生じた際に、紙詰まりを除去するためにローラが無理に
廻され、ローラに過剰なトルクがかかった場合に、この
過剰トルクの伝達を解除するように機能するトルクリミ
ッタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、第一の部材から第二の部材へトル
クを伝達し、伝達トルクが一定値を越えるとスリップし
てトルクの伝達が解除されるようなトルクリミッタが提
案されている。特開平2―300520号公報には、第
一の部材として中間部に半径方向外方へ突出した鍔状部
を有し軸回りに回転可能な中空軸を用い、第二の部材と
して第一の部材と同軸回りに回転可能であって前記鍔状
部を収容可能な内径を有する中空円筒体を用いたトルク
リミッタが示されている。
【0003】このトルクリミッタでは、第一の部材と係
合して一体に回転する第一のプレートと第二の部材と係
合して一体に回転する第二のプレートとを交互に複数
枚、鍔状部の両側において、中空軸の軸方向に沿って配
設し、これらのプレート群を鍔状部に向けて両側からば
ねで付勢している。第一の部材にトルクが作用してこれ
を回転させると、第一のプレートも回転し、第一のプレ
ートと第二のプレートとの接触面を介してトルクが第二
のプレートへと伝達されて第二の部材も第一の部材と同
方向に回転する。そして、第一の部材に過剰トルクが作
用した場合には、第一のプレートと第二のプレートとの
接触による摩擦力よりもこの過剰トルクの方が大きいた
め、二つのプレートはスリップしてトルクの伝達が解除
される。
【0004】このようなトルクリミッタでは、第一のプ
レート面に形成された同心円状の凸条と、第二のプレー
ト面に形成された放射状の凸条とが線接触するようにな
っている。このような線接触による摩擦手段を採用した
ことにより、第一のプレートと第二のプレートがスリッ
プを始める最小トルク値(以下、「設定トルク値」と記
す)の変動を小さくできるなどの利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなトルクリミッタでは、設定トルク値を大きくするに
はプレートの枚数を増加しなければならず、その結果、
装置が大型になるという問題点があった。また、設定ト
ルク値を変更する際には装置を分解して、第一のプレー
ト及び第二のプレートを第一の部材と第二の部材にそれ
ぞれ係合させたり、又はこれらのプレートを取外したり
するなどの手間がかかるという問題点もあった。本発明
は上記問題点を解決すべくなされたものであり、装置自
体は小型ながらも設定トルク値を大きくすることがで
き、また簡単な操作によって設定トルク値を変更でき、
過剰負荷を解除するトルクリミッタを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明のトルクリミッタは、請求項1において、軸方向
に延びる凸条を外周面に対し少なくとも一つ設けた内軸
と、前記内軸を内部に収容した中空円筒状の壁を備え、
該円筒状の壁の内外を貫通し、軸方向に延びるスリット
を少なくとも一つ備えた外軸と、前記スリットに遊嵌さ
れ径方向に移動可能な棒状の第一のニードルローラと、
前記スリットを覆うようにして前記外軸の外周面に被せ
られ、径方向内方に向かう付勢力を有するばね手段とか
らなり、前記内軸と外軸は相対的に回転可能であって、
内軸と外軸の一方が回転すると、前記凸条と第一のニー
ドルローラとが係合することにより内軸と外軸の他方に
回転トルクが伝達されるように配置され、前記ばね手段
の付勢力は、前記一方の軸に過剰なトルクが作用する
と、前記ばね手段の付勢力に抗して、前記内軸の凸条が
第一のニードルローラの一部を外軸の外周面から外方に
突出させ、内軸の凸条と第一のニードルローラが相互に
乗り越えることを許容する大きさに設定され、前記過剰
なトルクが前記他方の軸に伝達されないようにした。
【0007】このように、一方の軸から他方の軸へのト
ルク伝達は、一方の軸に支持された凸条及びニードルロ
ーラの一方が、他方の軸に支持された凸条及びニードル
ローラの他方に係合することによって行うことができ、
また設定トルクの大きさは用いるばね手段の付勢力の大
きさによって決定できる。また、請求項2では、前記凸
条を内軸と一体に製造できるようにした。
【0008】請求項3では、内軸の外周面に軸方向に延
びる溝を設けてこの溝に一部が外周面から突出するよう
に棒状の第二のニードルローラを嵌入して、前記凸条を
構成した。このように凸条をニードルローラによって構
成することにより、第一のニードルローラとの係合によ
る摩擦を低減できる。
【0009】また請求項4では、ばね手段に開放端を設
けるとともに外軸の外周面に軸方向に延びる突起を設
け、この開放端が突起と対向するようにばね手段を外軸
に被せるようにしたため、ばね手段が外軸の外周面に沿
って移動しないようにできる。
【0010】また請求項5では、外軸を内部に収容する
とともに外軸と一体に回転可能なキャップを設けたこと
により、このキャップを回転させることによって外軸に
トルクを作用させるようにできる。
【0011】さらに請求項6では、ばね手段をリング状
の板ばねとしたことにより、このばね手段を交換するこ
とによって設定トルクを簡単に変更可能となり、またこ
のリング状の板状ばねを開放端に向けて板幅が狭くなる
ようにしたことにより、この開放端が外方に拡開される
際に開放端の動きの支点として作用するリング状の板ば
ねの長手方向の中央部に対する応力集中を分散できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例につい
て添付の図面に基づき説明する。ここで、図1は本発明
のトルクリミッタの分解斜視図、図2は同右側面図、図
3は図2のA―A線断面図、図4は図3のB―B線断面
図で本トルクリミッタの作用説明図である。このような
過剰負荷を防止するトルクリミッタは、例えば複写機の
紙送りローラに取付けられて用いられる。本発明のトル
クリミッタは、図1に示すように、外周面に板状リング
ばね5を備える中空の外軸2の内部に内軸1を収容し、
更にこれを一端を閉じたキャップ6内に収容し、外軸2
をキャップ6に固定してこれらを一体に回転するように
したものである。以下、詳細に説明する。
【0013】図1に示すように、内軸1は円柱状をなし
外周面には円周方向に帯状の浅い凹部11が形成されて
いる。この凹部の底面11aには軸方向に沿って延びる
溝11bが等間隔に4個設けられている。この溝11b
は断面が円弧状であり、それぞれに円柱棒状の第二のニ
ードルローラ31〜34が嵌め込まれる。図4(a)〜
(d)に示すように、溝11bに嵌め込まれた状態の第
二のニードルローラ31〜34は、ほぼ半部が凹部の底
面11aよりも外方に突出している。なお、内軸1の軸
中心には回り止め12aを備える軸穴12が形成されて
おり、図には示していないが、この軸穴12には複写機
の紙送りローラのローラ軸が差込まれる。
【0014】上記のような第二のニードルローラを用い
る代りに、これらニードルローラの上記半部に相当する
凸条を、内軸の外周面に等間隔に4つ形成してもよい。
このような構造では、凸条を内軸と一体に成形可能なた
め製造コストの低減が図られる。
【0015】一方、外軸2は中空の円筒状であり外周面
には円周の約3分の2にわたり、底面21aを有する凹
部21が形成されている。すなわち、凹部の部分では外
周壁の厚みが薄くなっている。そして、この凹部の壁の
内外を貫通して軸方向に延びるスリット21bが、軸心
を間にして半径方向において対向するように2個設けら
れている。このスリット21bのそれぞれには円柱棒状
の第一のニードルローラ41,42が遊嵌されており、
これらのニードルローラは、スリット21b中で径方向
に移動できる。
【0016】凹部21には、底面21aを覆うようにし
てリング状の板ばね5が設けられる。このリング状の板
ばね5は全体としてC形状をなすように開放部を有して
おり、長手方向の略中央部を支点51として内方に付勢
された一対の弾性片52,53からなり、これらは開放
端52a,53aに向けて軸方向の板幅が狭くなってい
る。なお、このように板幅を狭くするのは、後述するよ
うに板ばねの耐久性を向上させるためであるが、板幅を
一定にしてもばね手段としての機能が損なわれるもので
はない。また、図4(a)〜(d)に示すように、リン
グ状の板ばね5の円周方向の長さは、底面21aの同長
さより若干短くなっている。なお、外軸2の外周面のう
ち周方向に凹部が形成されていない肉厚部分が突起を形
成し、リング状の板ばね5が外軸2の外周方向に移動し
ないための廻り止の役割を果たす。
【0017】一方、外軸2は、図5に示すような中空円
筒状の構造としてもよい。すなわち、図1に示す外軸2
に比べて外周壁の肉厚を薄くし、この外周面の円周の約
3分の1にわたりリブ22を突起として形成する。リブ
22が形成されていない外周面には軸方向に延びるスリ
ット21bが図1と同様に2個設けられ、このスリット
21bに第一のニードルローラ41,42が遊嵌され
る。リング状の板ばね5は図1に示すものと同様に、開
放部を有し長手方向の略中央部を支点51として内方に
付勢された一対の弾性片52,53からなり、開放端5
2a,53aに向けて軸方向の板幅が狭くなっている。
但し、図1に示すものより全体の板幅が広くなってい
る。そして、このリング状の板ばね5は、開放端52
a、53aがそれぞれリブ22の両端と対向するよう
に、リブ22が形成されていない肉薄の外周壁面全体を
覆うように取付けられる。リブ22は、リング状の板ば
ね5が外軸2の外周方向に移動しないための廻り止の役
割を果たす。外軸2をこのような構造とすることによ
り、例えば外軸をプラスチックの射出成型によって成形
する際の、肉厚部分の成型歪を低減できる。また、外周
壁の肉厚を薄くすることにより、用いるプラスチック量
の低減も図れる。
【0018】図1に示す構成を組立てる際には、まず第
二のニードルローラ31〜34を内軸1の溝11bにそ
れぞれ嵌入し、この状態で内軸1を外軸2内に収める。
図4(a)〜(d)に示すように、第二のニードルロー
ラ31〜34を溝11bに嵌入した状態で内軸1を外軸
2内に収容したとき、第二のニードルローラ31〜34
の外方突出部の頂部が外軸2の内周面に接するようにな
っている。次に、第一のニードルローラ41,42をス
リット21bにそれぞれ遊挿し、凹部21にリング状の
板ばね5を嵌め込む。リング状の板ばね5の内面は凹部
21の底面21aとほぼ全面にわたり接し、第一のニー
ドルローラ41,42の頂部とも接している。リング状
の板ばね5により第一のニードルローラ41,42が径
方向内方に付勢されており、これら第一のニードルロー
ラ41,42の径方向内方突出部の頂部が外軸2の内周
面より突出していることが必要である。
【0019】このようにして組立てた部材は、図2に示
すように一端を閉じたキャップ6内に収容する。図3に
示すように、外軸2全体がキャップ6内に嵌め込まれる
ようになっているが、外軸2のフランジ部分をキャップ
6の開口部分に熔着することによって、外軸2をキャッ
プ6に固定するようになっている。熔着部分をMで示
す。熔着方法としては、通常の超音波による熔着方法が
用いられる。なお、熔着による方法以外に、係合突起と
係合溝とによって嵌着する方法、螺合する方法や、外軸
2を取外し自在に単なる廻り止めを設けてキャップ6に
ねじ止めする方法などを用いてもよい。また、図3では
外軸2の外周面と図中左側の側面は、キャップ6の内周
面と底面にそれぞれ接触しているが、これらの全体また
は一部を接触しないようにして両者を熔着等してもよ
い。
【0020】なお、ばね手段としては開放部のないリン
グ状のものを用いてもよい。例えば、幅広の輪ゴムや樹
脂性バンドを外軸の外周面の円周方向に取付けるように
してもよい。以上のようにして組立たトルクリミッタ
は、内軸1の軸穴12にローラ軸を差込んで複写機の紙
送りローラ等に取付けられる。
【0021】複写機の紙送りローラに紙詰まりが生じた
場合は、キャップ6を手で回して手回しローラの要領で
詰まった紙を取除くわけであるが、上記のようにして紙
送りローラに取付けた本発明のトルクリミッタの作用等
について、図4(a)〜(d)に基づいて説明する。な
お、複写機の前面パネルを開いた際に、通常、キャップ
6は手前側に位置するように配置される。
【0022】紙送りローラ間に紙詰まりが発生し、図4
(a)の状態で紙送りローラが停止したときは、次のよ
うにして紙詰まりを取除く。外軸2はキャップ6に熔着
されているので、キャップ6を図中時計りに回すと外軸
2もこれと一体に回転する。そこで、まず第一のニード
ルローラ41,42と第二のニードルローラ31,33
とがそれぞれ接触するまでキャップ6を手で回転する。
図4(b)に示すように、第一のニードルローラのうち
径方向内方に突出する半部が、第二のニードルローラ3
1,33の内軸外周面から突出する部分と係合する。図
4(a)〜(b)の間では、第一のニードルローラ4
1,42は内軸1の外周面と接し、外軸2は内周面が第
二のニードルローラ31〜34と接しながら回転する。
これらの接触は、手で外軸2を回すトルクを内軸1へ伝
達するほど強固ではないので外軸2から内軸1へのトル
ク伝達は生じない。
【0023】次に、図4(b)の状態からキャップ6を
図中時計りに更に回転しようとすると、第一のニードル
ローラ41,42と第二のニードルローラ31,33と
がそれぞれ係合しているため、外軸2を回転しようとす
るトルクTwがこれらの係合を介して内軸1へと伝達さ
れる。一方、リング状の板ばね5は、第一のニードルロ
ーラ41,42がスリット21bから外方へ移動するこ
とを押さえる付勢力によるトルクTsを発生させる。こ
こで、紙送りローラ間に詰まった状態の紙を強制的に排
出するためにローラ送りするのに必要なトルクをTfと
すると、Tf<Tsの場合には、Twを次第に増加して
いきTf≦Tw<Tsの範囲になると、第一のニードル
ローラ41,42と第二のニードルローラ31,33と
がそれぞれ係合した状態で、外軸2が内軸1を引き連れ
るようにして図中時計回りに回転する。その結果、紙送
りローラ間に詰まった紙は強制的にローラ送りされて、
紙詰まりが除去されることになる。
【0024】一方、図4(b)の状態においてTf≧T
sの場合には、TwがTf≧Ts>Twの範囲にあると
きは、キャップ6を回転しようとしても動かない。そし
て、Twを次第に増加していきTf≧Tw>Tsの範囲
となるような過剰トルクまで増大させると、図4(c)
に示すように、キャップ6は僅かに回転して第一のニー
ドルローラ41,42は、リング状の板ばね5の付勢力
に抗して第二のニードルローラ31,33にそれぞれ乗
り上がるようにして、外軸2の外周面からその略半部を
突出させる。そうすると、第一のニードルローラ41,
42に内面を接するリング状の板ばね5は、一対の片5
2,53をその付勢力に抗して支点51を中心として径
方向外方に拡開して変形する。片52,53は開放端5
2a,53aに向かうにしたがって軸方向の板幅を狭く
しているので、支点51への応力集中が分散緩和される
ことになり、その結果、リング状の板ばね5の耐久性が
向上する。
【0025】図4(c)の状態からキャップ6を更に時
計方向に回転させると、図4(d)に示すように、第一
のニードルローラ41,42は第二のニードルローラ3
1,33をそれぞれ乗り越え、リング状の板ばね5の径
方向内方に向かう付勢力によって、内軸1の外周面と接
触するように内方に押される。この時点では、第一のニ
ードルローラ41,42が第二のニードルローラ32,
34にそれぞれ接触するまでは、外軸2に作用するトル
クTwの内軸1への伝達が解除され、キャップ6を回転
させるトルクは内軸1に伝達されない。
【0026】以上のように、外軸2に過剰なトルクが作
用した場合には、第一のニードルローラ41,42が第
二のニードルローラ31,33をそれぞれ乗り越え外軸
2を空回りさせるようにして、この過剰トルクが紙送り
ローラに直接作用しないようになっている。Tf≧Ts
で表されるように、紙送りローラの間に紙が強固に詰ま
ってしまった場合には、紙送りローラ間を隔離するよう
な別途手段により詰まった紙を取除くことになる。
【0027】以上述べた例は、外軸を回転して第一のニ
ードルローラを第二のニードルローラに係合させ、外軸
と内軸を一体的に回転することにより、内軸が取付けら
れているローラに詰まった紙を取除き、過剰なトルクが
外軸に作用した際には、第一のニードルローラが第二の
ニードルローラを乗り越えるようにして過剰トルクを内
軸に伝達しないようにしたものである。これに対して、
内軸を回転して第二のニードルローラを第一のニードル
ローラに係合させてもよい。この場合には、内軸の軸穴
に差込まれたノブ等を手回しすることによって外軸を一
緒に連れ回すようにして内軸と一体的に回転させ、例え
ば外軸に取付けられた紙送りローラに詰まった紙を送り
出して取除く。そして、内軸に過剰なトルクが作用した
際には、ばね手段の付勢力に抗して第二のニードルロー
ラが第一のニードルローラを外方に押しつつこれを乗り
越えることにより、過剰トルクを外軸に伝達しないよう
にする。
【0028】以上は複写機における紙送り機構を例に本
発明を説明したが、本発明は内軸、外軸をそれぞれ駆動
軸、従動軸として着目すれば、過剰なトルクが作用した
際にこの過剰トルクを他の部材に伝達させないための機
構として種々の用途に用いることができる。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明のトルクリミッタ
は、請求1項において、軸方向に延びる凸条を外周面に
対し少なくとも一つ設けた内軸と、前記内軸を内部に収
容した中空円筒状の壁を備え、該円筒状の壁の内外を貫
通し、軸方向に延びるスリットを少なくとも一つ備えた
外軸と、前記スリットに遊嵌され径方向に移動可能な棒
状の第一のニードルローラと、前記スリットを覆うよう
にして前記外軸の外周面に被せられ、径方向内方に向か
う付勢力を有するばね手段とからなり、前記内軸と外軸
は相対的に回転可能であって、内軸と外軸の一方が回転
すると、前記凸条と第一のニードルローラとが係合する
ことにより内軸と外軸の他方に回転トルクが伝達される
ように配置され、前記ばね手段の付勢力は、前記一方の
軸に過剰なトルクが作用すると、前記ばね手段の付勢力
に抗して、前記内軸の凸条が第一のニードルローラの一
部を外軸の外周面から外方に突出させ、内軸の凸条と第
一のニードルローラが相互に乗り越えることを許容する
大きさに設定され、前記過剰なトルクが前記他方の軸に
伝達されないようにした。
【0030】一方の軸に支持された凸条及びニードルロ
ーラの一方が、他方の軸に支持された凸条及びニードル
ローラの他方に係合することによって、一方の軸から他
方の軸へのトルク伝達が可能となり、作用トルクがばね
手段の付勢力よりも小さい場合には、これら二つの軸は
一体的に回転できるため、例えば内軸に複写機の紙送り
ローラのローラ軸を取付けて、ローラ間の紙詰まりを除
去することができる。一方、作用トルクがばね手段の付
勢力よりも大きい場合には、凸条及びニードルローラの
一方が、凸条及びニードルローラの他方を乗り越え、一
方の軸が空回りし、一方の軸から他方の軸へ伝達される
この過剰トルクが解除されるため、過剰負荷が他方の軸
に直接作用するのを防止できる。
【0031】また、請求項2では、前記凸条を内軸と一
体成形するようにしたため、製造工程が簡略化でき製造
コストの低減が図られる。
【0032】請求項3では、内軸の外周面に軸方向に延
びる溝を設けてこの溝に一部が外周面から突出するよう
に棒状の第二のニードルローラを嵌入して、前記凸条を
構成した。このように凸条としてニードルローラを用い
てニードルローラ同士が係合するようにしたため、係合
による摩擦を低減でき両ニードルローラの耐久性を向上
できる。
【0033】また請求項4では、ばね手段に開放端を設
けるとともに外軸の外周面に軸方向に延びる突起を設
け、この開放端が突起と対向するようにばね手段を外軸
に被せるようにした。これにより、ばね手段が外軸の外
周面を移動して、第一のニードルローラとの接触が外れ
るのを防止できるため、ばね手段によって第一のニード
ルローラを径方向内方に確実に付勢できる。
【0034】請求項5では、外軸を内部に収容するとと
もに外軸と一体に回転可能なキャップを設け、このキャ
ップをノブのように回転させることによって、外軸から
内軸へ容易にトルク伝達可能となる。したがって、例え
ば、内軸を複写機の紙送りローラ等に取付けることによ
って、ローラ間の紙詰まりを除去できる。
【0035】さらに請求項6では、ばね手段を開放端に
向けて幅が狭くなっているリング状の板ばねにより構成
したことにより、このばねの開放端が外方に拡開される
際に、開放端の動きの支点として作用するばねの長手方
向中央部に対する応力集中を分散緩和でき、リング状の
板ばねの耐久性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本トルクリミッタの分解斜視図
【図2】本トルクリミッタの右側面図
【図3】図2のA―A線断面図
【図4】図3のB―B線断面図で本トルクリミッタの作
用を示す説明図
【図5】外軸とばね手段の他の例を示す斜視図
【符号の説明】
1・・内軸、11b・・溝、2・・外軸、21b・・ス
リット、22・・突起、31,32,33,34・・第
二のニードルローラ、41,42・・第位置一のニード
ルローラ、5・・ばね手段(リング状の板ばね)、52
a,53a・・開放端、6・・キャップ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に延びる凸条を外周面に対し少な
    くとも一つ設けた内軸と、 前記内軸を内部に収容した中空円筒状の壁を備え、該円
    筒状の壁の内外を貫通し、軸方向に延びるスリットを少
    なくとも一つ備えた外軸と、 前記スリットに遊嵌され径方向に移動可能な棒状の第一
    のニードルローラと、 前記スリットを覆うようにして前記外軸の外周面に被せ
    られ、径方向内方に向かう付勢力を有するばね手段とか
    らなり、 前記内軸と外軸は相対的に回転可能であって、内軸と外
    軸の一方が回転すると、前記凸条と第一のニードルロー
    ラとが係合することにより内軸と外軸の他方に回転トル
    クが伝達されるように配置され、前記ばね手段の付勢力
    は、前記一方の軸に過剰なトルクが作用すると、前記ば
    ね手段の付勢力に抗して、前記内軸の凸条が第一のニー
    ドルローラの一部を外軸の外周面から外方に突出させ、
    内軸の凸条と第一のニードルローラが相互に乗り越える
    ことを許容する大きさに設定され、前記過剰なトルクが
    前記他方の軸に伝達しないようにしたこと特徴とするト
    ルクリミッタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトルクリミッタにおい
    て、前記凸条は、内軸と一体に成形されてなることを特
    徴とするトルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のトルクリミッタにおい
    て、前記凸条は、内軸の外周面に軸方向に延びる溝を設
    け、該溝に一部が外周面から突出するように棒状の第二
    のニードルローラを嵌入して設けたこと特徴とするトル
    クリミッタ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1項に
    記載のトルクリミッタにおいて、前記ばね手段は開放端
    を備え、前記外軸は外周面に軸方向に延びる突起を備
    え、前記開放端が前記突起と対向するように前記ばね手
    段を外軸に被せ、前記ばね手段が外軸の外周面に沿って
    移動しないようにしたこと特徴とするトルクリミッタ。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1項に
    記載のトルクリミッタにおいて、前記外軸を内部に収容
    するとともに該外軸と一体に回転可能なキャップを設
    け、該キャップを回転させることによって外軸にトルク
    を作用させるようにしたことを特徴とするトルクリミッ
    タ。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか1項に
    記載のトルクリミッタにおいて、前記ばね手段は両端間
    を開放したリング状の板ばねからなるとともに、前記開
    放端に向けて板幅が狭くなっていることを特徴とするト
    ルクリミッタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002009489A (ja) * 2000-06-26 2002-01-11 Sanyo Electric Co Ltd 電子部品供給装置のカバーテープ巻取り機構
JP2018009654A (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 日本電産サンキョー株式会社 トルクリミッタおよび開閉部材駆動装置

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