JPH1089146A - ２サイクルエンジン - Google Patents
２サイクルエンジンInfo
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- JPH1089146A JPH1089146A JP24454796A JP24454796A JPH1089146A JP H1089146 A JPH1089146 A JP H1089146A JP 24454796 A JP24454796 A JP 24454796A JP 24454796 A JP24454796 A JP 24454796A JP H1089146 A JPH1089146 A JP H1089146A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scavenging
- peripheral wall
- inclined side
- outer peripheral
- face
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/18—Other cylinders
- F02F1/22—Other cylinders characterised by having ports in cylinder wall for scavenging or charging
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/02—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
- F02B2075/022—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
- F02B2075/025—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 傾斜形成した掃気孔での抵抗を小さくし、掃
気圧の上昇を抑制しながら掃気期間を短縮し、排気開の
タイミングを遅らせ、燃費率の向上や、軽負荷でのＨＣ
のトータル排出量の低下を達成する。 【解決手段】 傾斜形成した掃気孔４の傾斜側面４ａ〜
４ｄと周壁２の外周面２ａの角部を円弧面２０ａ、２０
ｂに形成し、かつ傾斜側面と周壁２の外周面２ａの成す
角度が鈍角の角部の円弧面２０ａの曲率半径Ｒ1 を、傾
斜側面と周壁２外周面２ａの成す角度が鋭角の角部の円
弧面２０ｂの曲率半径Ｒ2 よりも大きくし、新気の流通
抵抗を小さくし、かつ傾斜形成した掃気孔４における平
坦に傾斜した側面の長さｌ1 〜ｌ4 を十分に確保し、ス
ワール形成性能を十分に確保するようにしている。
気圧の上昇を抑制しながら掃気期間を短縮し、排気開の
タイミングを遅らせ、燃費率の向上や、軽負荷でのＨＣ
のトータル排出量の低下を達成する。 【解決手段】 傾斜形成した掃気孔４の傾斜側面４ａ〜
４ｄと周壁２の外周面２ａの角部を円弧面２０ａ、２０
ｂに形成し、かつ傾斜側面と周壁２の外周面２ａの成す
角度が鈍角の角部の円弧面２０ａの曲率半径Ｒ1 を、傾
斜側面と周壁２外周面２ａの成す角度が鋭角の角部の円
弧面２０ｂの曲率半径Ｒ2 よりも大きくし、新気の流通
抵抗を小さくし、かつ傾斜形成した掃気孔４における平
坦に傾斜した側面の長さｌ1 〜ｌ4 を十分に確保し、ス
ワール形成性能を十分に確保するようにしている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は２サイクルエンジン
に関し、特にその掃気孔の形状に関するものである。
に関し、特にその掃気孔の形状に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】２サイクルエンジンの掃気方式として、
ユニフロー掃気方式がある。このユニフロー掃気方式の
２サイクルエンジンの基本構造は、図６に示すように構
成されている。すなわち、気筒２１のシリンダライナか
ら成る周壁２２におけるピストン２３の下死点近傍の中
間高さ位置に複数の掃気孔２４を形成し、掃気ポンプ
（図示せず）で加圧された新気を掃気孔２４から気筒２
１内に導入し、燃焼ガスを気筒２１上部の開口状態にあ
る排気バルブ２５から排気口２６に排出するように構成
されている。そして、各掃気孔２４は、気筒２１内でス
ワール流を形成して燃焼効率を向上するために、気筒２
１の半径方向の軸線に対して接線方向に同じ向きに適当
な角度傾斜させて形成されている。
ユニフロー掃気方式がある。このユニフロー掃気方式の
２サイクルエンジンの基本構造は、図６に示すように構
成されている。すなわち、気筒２１のシリンダライナか
ら成る周壁２２におけるピストン２３の下死点近傍の中
間高さ位置に複数の掃気孔２４を形成し、掃気ポンプ
（図示せず）で加圧された新気を掃気孔２４から気筒２
１内に導入し、燃焼ガスを気筒２１上部の開口状態にあ
る排気バルブ２５から排気口２６に排出するように構成
されている。そして、各掃気孔２４は、気筒２１内でス
ワール流を形成して燃焼効率を向上するために、気筒２
１の半径方向の軸線に対して接線方向に同じ向きに適当
な角度傾斜させて形成されている。
【０００３】また、図６に示した構成では強いスワール
を形成することにより気筒中心部に掃気されない部分２
７が残り、掃気効率が低下するという問題があるため、
その問題を解消できる構成として、図７に示すように、
気筒２１の周壁２２に、気筒２１の半径方向の軸線に対
して気筒２１内のスワール方向と順方向に傾斜させた第
１の掃気孔２８と、気筒２１の半径方向の軸線に沿う第
２の掃気孔２９とを周方向に交互に形成するとともに、
第１の掃気孔２８は軸芯方向に斜め下方に傾斜させ、第
２の掃気孔２９は逆に斜め上方に傾斜させて形成し、十
分に強いスワール流を形成しながら掃気効率を向上する
ようにしたものも考えられている。
を形成することにより気筒中心部に掃気されない部分２
７が残り、掃気効率が低下するという問題があるため、
その問題を解消できる構成として、図７に示すように、
気筒２１の周壁２２に、気筒２１の半径方向の軸線に対
して気筒２１内のスワール方向と順方向に傾斜させた第
１の掃気孔２８と、気筒２１の半径方向の軸線に沿う第
２の掃気孔２９とを周方向に交互に形成するとともに、
第１の掃気孔２８は軸芯方向に斜め下方に傾斜させ、第
２の掃気孔２９は逆に斜め上方に傾斜させて形成し、十
分に強いスワール流を形成しながら掃気効率を向上する
ようにしたものも考えられている。
【０００４】なお、この種の掃気方式の２サイクルエン
ジンは、例えば特開平６−１０７５８号公報等にも開示
されている。この公報では、上部掃気孔列と下部掃気孔
列を設け、上部掃気孔列の全部又は一部を俯角を持つよ
うに形成し、ピストン上面の窪みに沿って新気を導入す
るようにしたものが開示されている。
ジンは、例えば特開平６−１０７５８号公報等にも開示
されている。この公報では、上部掃気孔列と下部掃気孔
列を設け、上部掃気孔列の全部又は一部を俯角を持つよ
うに形成し、ピストン上面の窪みに沿って新気を導入す
るようにしたものが開示されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な２サイクルエンジンにおける燃焼ガスの掃・排気タイ
ミングは、図８に示すように、例えばピストン２３の下
死点（ＢＤＣ）からクランク角で７０〜８０度程度手前
位置でまず排気バルブ２５を開き、３５〜４５度程度手
前位置で掃気孔２４、２８、２９を開き、下死点（ＢＤ
Ｃ）から３５〜４５度程度進んだ位置でそれらを閉じる
ように設定されているが、燃費率を向上し、軽負荷での
ＨＣのトータル排出量を下げるには排気バルブ２５を開
くタイミングを遅らせることが有効である。しかし、最
大出力性能を確保するには、排気バルブ２５の開タイミ
ングから掃気孔２４、２８、２９の開タイミングまでの
期間（ブローダウン期間）をある程度確保する必要があ
るため、掃気期間の短縮が要求されることになる。そう
すると、掃気圧の上昇を伴い、掃気ポンプのメカニカル
ロスの増大を招き、結局出力低下するという問題があっ
た。この掃気圧が高くなる主な要因としては、掃気孔２
４、２８、２９での流通抵抗があり、特に傾斜させて形
成した掃気孔２４、２８、２９での流通抵抗が大きいこ
とが主要な要因となっている。
な２サイクルエンジンにおける燃焼ガスの掃・排気タイ
ミングは、図８に示すように、例えばピストン２３の下
死点（ＢＤＣ）からクランク角で７０〜８０度程度手前
位置でまず排気バルブ２５を開き、３５〜４５度程度手
前位置で掃気孔２４、２８、２９を開き、下死点（ＢＤ
Ｃ）から３５〜４５度程度進んだ位置でそれらを閉じる
ように設定されているが、燃費率を向上し、軽負荷での
ＨＣのトータル排出量を下げるには排気バルブ２５を開
くタイミングを遅らせることが有効である。しかし、最
大出力性能を確保するには、排気バルブ２５の開タイミ
ングから掃気孔２４、２８、２９の開タイミングまでの
期間（ブローダウン期間）をある程度確保する必要があ
るため、掃気期間の短縮が要求されることになる。そう
すると、掃気圧の上昇を伴い、掃気ポンプのメカニカル
ロスの増大を招き、結局出力低下するという問題があっ
た。この掃気圧が高くなる主な要因としては、掃気孔２
４、２８、２９での流通抵抗があり、特に傾斜させて形
成した掃気孔２４、２８、２９での流通抵抗が大きいこ
とが主要な要因となっている。
【０００６】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、掃気
孔での抵抗、特に抵抗の大きい傾斜形成した掃気孔での
抵抗を小さくすることにより掃気期間を短縮しても掃気
圧の上昇を抑制できる２サイクルエンジンを提供するこ
とを目的とする。
孔での抵抗、特に抵抗の大きい傾斜形成した掃気孔での
抵抗を小さくすることにより掃気期間を短縮しても掃気
圧の上昇を抑制できる２サイクルエンジンを提供するこ
とを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、気筒内に新気
を導入する複数の掃気孔を気筒周壁のピストン下死点近
傍位置に形成するとともに、少なくとも一部の掃気孔を
周壁の周方向又は軸芯方向又はその両方に傾斜させて形
成した２サイクルエンジンにおいて、傾斜形成した掃気
孔の傾斜側面と周壁外周面との角部の内、少なくとも傾
斜側面と周壁外周面の成す角度が鈍角の角部を円弧面に
形成し、かつ傾斜側面と周壁外周面の成す角度が鈍角の
角部の円弧面の曲率半径を、傾斜側面と周壁外周面の成
す角度が鋭角の角部の円弧面の曲率半径よりも大きくし
ており、傾斜形成した掃気孔での新気の流通抵抗を、特
に鈍角の角部に大きな曲率半径の円弧面を形成すること
によって小さくし、かつ鋭角な角部の円弧面の曲率半径
は０又は小さくすることにより、傾斜形成した掃気孔に
おける平坦な傾斜側面の長さを十分に確保してスワール
形成性能を十分に確保するようにしている。これによ
り、十分強いスワールを形成しながら傾斜形成した掃気
孔での新気の流通抵抗を小さくし、掃気圧の上昇を抑制
して全開出力性能を保持しながら掃気期間を短縮できる
ようにし、それに伴って排気開のタイミングを遅らせ、
燃費率の向上や、軽負荷でのＨＣのトータルな排出量の
低下を達成できるようにしている。
を導入する複数の掃気孔を気筒周壁のピストン下死点近
傍位置に形成するとともに、少なくとも一部の掃気孔を
周壁の周方向又は軸芯方向又はその両方に傾斜させて形
成した２サイクルエンジンにおいて、傾斜形成した掃気
孔の傾斜側面と周壁外周面との角部の内、少なくとも傾
斜側面と周壁外周面の成す角度が鈍角の角部を円弧面に
形成し、かつ傾斜側面と周壁外周面の成す角度が鈍角の
角部の円弧面の曲率半径を、傾斜側面と周壁外周面の成
す角度が鋭角の角部の円弧面の曲率半径よりも大きくし
ており、傾斜形成した掃気孔での新気の流通抵抗を、特
に鈍角の角部に大きな曲率半径の円弧面を形成すること
によって小さくし、かつ鋭角な角部の円弧面の曲率半径
は０又は小さくすることにより、傾斜形成した掃気孔に
おける平坦な傾斜側面の長さを十分に確保してスワール
形成性能を十分に確保するようにしている。これによ
り、十分強いスワールを形成しながら傾斜形成した掃気
孔での新気の流通抵抗を小さくし、掃気圧の上昇を抑制
して全開出力性能を保持しながら掃気期間を短縮できる
ようにし、それに伴って排気開のタイミングを遅らせ、
燃費率の向上や、軽負荷でのＨＣのトータルな排出量の
低下を達成できるようにしている。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図１
〜図５を参照して説明する。
〜図５を参照して説明する。
【０００９】図１において、１は気筒で、その周壁２は
シリンダライナにて構成されている。気筒１の周壁２に
はピストン３の下死点近傍の中間高さ位置に周方向に適
当間隔置きに複数の第１の掃気孔４と第２の掃気孔５が
交互に形成されている。第１の掃気孔４は、所謂スワー
ルポートで、周壁２外周から気筒１内に向けて斜め下向
きにかつ気筒１の半径方向の軸線に対して接線方向に傾
斜させて形成されている。この第１の掃気孔４の周方向
の傾斜角は、この第１の掃気孔４の内側の側壁の延長線
が直径ｄ（気筒１の内径をＤとしてｄ＝（１／３〜３／
５）×Ｄ）の仮想円に接するように設定され、また下向
きの傾斜角は２０°程度に設定されている。一方、第２
の掃気孔５は、周壁２外周から気筒１内に斜め上向きに
かつ気筒１の半径方向の軸線に沿って形成され、その上
向きの傾斜角は３０°程度に設定されている。図１にお
いて、６はシリンダヘッド、７は排気口、８は排気バル
ブ、９は排気ポートである。
シリンダライナにて構成されている。気筒１の周壁２に
はピストン３の下死点近傍の中間高さ位置に周方向に適
当間隔置きに複数の第１の掃気孔４と第２の掃気孔５が
交互に形成されている。第１の掃気孔４は、所謂スワー
ルポートで、周壁２外周から気筒１内に向けて斜め下向
きにかつ気筒１の半径方向の軸線に対して接線方向に傾
斜させて形成されている。この第１の掃気孔４の周方向
の傾斜角は、この第１の掃気孔４の内側の側壁の延長線
が直径ｄ（気筒１の内径をＤとしてｄ＝（１／３〜３／
５）×Ｄ）の仮想円に接するように設定され、また下向
きの傾斜角は２０°程度に設定されている。一方、第２
の掃気孔５は、周壁２外周から気筒１内に斜め上向きに
かつ気筒１の半径方向の軸線に沿って形成され、その上
向きの傾斜角は３０°程度に設定されている。図１にお
いて、６はシリンダヘッド、７は排気口、８は排気バル
ブ、９は排気ポートである。
【００１０】そして、上記傾斜形成した第１の掃気孔４
及び第２の掃気孔５における傾斜側面と周壁２の外周面
２ａとの角部を適当な曲率半径の円弧面２０ａ、２０ｂ
に形成している。第１の掃気孔４の例を、図２を参照し
て説明すると、この掃気孔４の場合はその４つの側面の
全てが傾斜しており、上側の側面４ａと周壁２の外周面
２ａとの角部、及び左右に対向する側面の中で内側の側
面４ｃと周壁２の外周面２ａとの角部は鈍角となってい
るので、その円弧面２０ａの曲率半径Ｒ1 は、例えば周
壁２の厚さをＴとして（２／３〜１／３）Ｔ、好適には
Ｔ／２程度、具体数値例を示すと、周壁の厚さが１０ｍ
ｍで、Ｒ1 ＝５ｍｍに設定している。一方、下側の側面
４ｂと周壁２の外周面２ａとの角部、及び左右に対向す
る側面の中で外側の４ｄと周壁２の外周面２ａとの角部
は鋭角となっているので、その円弧面２０ｂの曲率半径
Ｒ2 はＲ1 より小さく、例えば周壁２の厚さをＴとして
（１／１０〜１／４）Ｔ、好適にはＴ／５程度、具体数
値例を示すと、周壁の厚さが１０ｍｍで、Ｒ2 ＝２ｍｍ
に設定している。なお、詳細な説明は省略するが、第２
の掃気孔５についても、その傾斜側面と周壁２の外周面
２ａとの角部に同様の円弧面が形成されている。
及び第２の掃気孔５における傾斜側面と周壁２の外周面
２ａとの角部を適当な曲率半径の円弧面２０ａ、２０ｂ
に形成している。第１の掃気孔４の例を、図２を参照し
て説明すると、この掃気孔４の場合はその４つの側面の
全てが傾斜しており、上側の側面４ａと周壁２の外周面
２ａとの角部、及び左右に対向する側面の中で内側の側
面４ｃと周壁２の外周面２ａとの角部は鈍角となってい
るので、その円弧面２０ａの曲率半径Ｒ1 は、例えば周
壁２の厚さをＴとして（２／３〜１／３）Ｔ、好適には
Ｔ／２程度、具体数値例を示すと、周壁の厚さが１０ｍ
ｍで、Ｒ1 ＝５ｍｍに設定している。一方、下側の側面
４ｂと周壁２の外周面２ａとの角部、及び左右に対向す
る側面の中で外側の４ｄと周壁２の外周面２ａとの角部
は鋭角となっているので、その円弧面２０ｂの曲率半径
Ｒ2 はＲ1 より小さく、例えば周壁２の厚さをＴとして
（１／１０〜１／４）Ｔ、好適にはＴ／５程度、具体数
値例を示すと、周壁の厚さが１０ｍｍで、Ｒ2 ＝２ｍｍ
に設定している。なお、詳細な説明は省略するが、第２
の掃気孔５についても、その傾斜側面と周壁２の外周面
２ａとの角部に同様の円弧面が形成されている。
【００１１】これら円弧面２０ａ、２０ｂの曲率半径Ｒ
1 、Ｒ2 の値は、上記範囲より大きくするのに伴って掃
気孔４、５の流通抵抗は小さくなるが、その効果があま
り大きくない割りに、平坦な傾斜側面の長さｌ1 〜ｌ4
を十分に確保できないためにスワール形成性能が著しく
低下することになり、上記範囲より小さくすると、流通
抵抗低下効果が十分に得られない。特にＲ2 の大きさ
は、効果又は弊害が敏感に現れるため、最適な数値は実
験によって精度良く求めるのが好ましい。
1 、Ｒ2 の値は、上記範囲より大きくするのに伴って掃
気孔４、５の流通抵抗は小さくなるが、その効果があま
り大きくない割りに、平坦な傾斜側面の長さｌ1 〜ｌ4
を十分に確保できないためにスワール形成性能が著しく
低下することになり、上記範囲より小さくすると、流通
抵抗低下効果が十分に得られない。特にＲ2 の大きさ
は、効果又は弊害が敏感に現れるため、最適な数値は実
験によって精度良く求めるのが好ましい。
【００１２】図３に、上記構成要素及びそれらの周囲の
構成要素の具体構成を示す。図３において、第１と第２
の掃気孔４、５の外周には掃気室１０が配設され、掃気
ポンプ１１で加圧された新気が送給されている。１２は
クランク室、１３はクランク軸、１４はピストン３とク
ランク軸１３を連結するコネクチングロッド、１５は掃
気室１０の上部の気筒１外周やシリンダヘッド６に形成
された冷却水ジャケット、１６はインジェクタ、１７は
排気バルブ８を開閉制御するカム、１８はシリンダヘッ
ドカバーである。
構成要素の具体構成を示す。図３において、第１と第２
の掃気孔４、５の外周には掃気室１０が配設され、掃気
ポンプ１１で加圧された新気が送給されている。１２は
クランク室、１３はクランク軸、１４はピストン３とク
ランク軸１３を連結するコネクチングロッド、１５は掃
気室１０の上部の気筒１外周やシリンダヘッド６に形成
された冷却水ジャケット、１６はインジェクタ、１７は
排気バルブ８を開閉制御するカム、１８はシリンダヘッ
ドカバーである。
【００１３】以上の構成において、傾斜形成した第１及
び第２の掃気孔４、５の傾斜側面と周壁２の外周面２ａ
の角部を円弧面２０ａ、２０ｂとしたことにより、これ
ら掃気孔４、５を通過する新気の流通抵抗を小さくする
ことができ、かつ鋭角な角部の円弧面２０ｂの曲率半径
Ｒ2 を小さく設定したことにより、これら傾斜形成した
掃気孔４、５における平坦な傾斜側面の長さｌ1 〜
ｌ4 、特にｌ2 とｌ4 を十分に確保でき、スワール形成
性能を十分に確保することができる。
び第２の掃気孔４、５の傾斜側面と周壁２の外周面２ａ
の角部を円弧面２０ａ、２０ｂとしたことにより、これ
ら掃気孔４、５を通過する新気の流通抵抗を小さくする
ことができ、かつ鋭角な角部の円弧面２０ｂの曲率半径
Ｒ2 を小さく設定したことにより、これら傾斜形成した
掃気孔４、５における平坦な傾斜側面の長さｌ1 〜
ｌ4 、特にｌ2 とｌ4 を十分に確保でき、スワール形成
性能を十分に確保することができる。
【００１４】次に、実験例について、図４、図５を参照
して説明する。実験では、本発明として上記のようにＲ
1 ＝５ｍｍ、Ｒ2 ＝２ｍｍとし、従来例又は比較例とし
て、角部をすべてエッジのままにしたものと、Ｒ1 、Ｒ
2 をともに３ｍｍにしたものについて、同一の掃気条件
で気筒１内への新気の流入抵抗と気筒１内に形成される
スワール強度を求めた。流入抵抗は、エッジのままのも
のに比して本発明と全て一定Ｒにしたものは共に大幅に
改善されている。一方、スワール強度は、エッジのまま
のものに対して、全て一定Ｒのしたものはかなり低下し
てしまうが、本発明ではスワール強度の低下を抑制でき
ている。したがって本発明によれば、スワール強度の大
幅な低下を来すことなく、効果的に流入抵抗を低下する
ことができる。
して説明する。実験では、本発明として上記のようにＲ
1 ＝５ｍｍ、Ｒ2 ＝２ｍｍとし、従来例又は比較例とし
て、角部をすべてエッジのままにしたものと、Ｒ1 、Ｒ
2 をともに３ｍｍにしたものについて、同一の掃気条件
で気筒１内への新気の流入抵抗と気筒１内に形成される
スワール強度を求めた。流入抵抗は、エッジのままのも
のに比して本発明と全て一定Ｒにしたものは共に大幅に
改善されている。一方、スワール強度は、エッジのまま
のものに対して、全て一定Ｒのしたものはかなり低下し
てしまうが、本発明ではスワール強度の低下を抑制でき
ている。したがって本発明によれば、スワール強度の大
幅な低下を来すことなく、効果的に流入抵抗を低下する
ことができる。
【００１５】かくして、本実施形態によれば、十分強い
スワールを形成しながら傾斜形成した掃気孔４、５での
新気の流通抵抗を小さくし、掃気圧の上昇を抑制して全
開出力性能を保持しながら掃気期間を短縮することがで
き、それに伴って排気開のタイミングを遅らせ、燃費率
の向上や、軽負荷でのＨＣのトータルな排出量の低下を
達成できる。
スワールを形成しながら傾斜形成した掃気孔４、５での
新気の流通抵抗を小さくし、掃気圧の上昇を抑制して全
開出力性能を保持しながら掃気期間を短縮することがで
き、それに伴って排気開のタイミングを遅らせ、燃費率
の向上や、軽負荷でのＨＣのトータルな排出量の低下を
達成できる。
【００１６】なお、上記実施形態では、鋭角な角部の円
弧面２０ｂの曲率半径Ｒ2 を周壁２の厚さをＴとして
（１／１０〜１／４）Ｔに設定した例を示したが、場合
によっては０であってもよい。
弧面２０ｂの曲率半径Ｒ2 を周壁２の厚さをＴとして
（１／１０〜１／４）Ｔに設定した例を示したが、場合
によっては０であってもよい。
【００１７】
【発明の効果】本発明の２サイクルエンジンによれば、
以上のように傾斜形成した掃気孔の傾斜側面と周壁外周
面との角部の内、少なくとも傾斜側面と周壁外周面の成
す角度が鈍角の角部を円弧面に形成し、かつ傾斜側面と
周壁外周面の成す角度が鈍角の角部の円弧面の曲率半径
を、傾斜側面と周壁外周面の成す角度が鋭角の角部の円
弧面の曲率半径よりも大きくしているので、傾斜形成し
た掃気孔での新気の流通抵抗を、特に鈍角の角部に大き
な曲率半径の円弧面を形成することによって小さくで
き、かつ鋭角な角部の円弧面の曲率半径は０又は小さく
したことにより、傾斜形成した掃気孔における平坦な傾
斜側面の長さを十分に確保できてスワール形成性能を十
分に確保することができる。従って、十分強いスワール
を形成しながら傾斜形成した掃気孔での新気の流通抵抗
を小さくし、掃気圧の上昇を抑制して全開出力性能を保
持しながら掃気期間を短縮でき、それに伴って排気開の
タイミングを遅らせることにより、燃費率を向上し、軽
負荷でのＨＣのトータル排出量を達成することができ
る。
以上のように傾斜形成した掃気孔の傾斜側面と周壁外周
面との角部の内、少なくとも傾斜側面と周壁外周面の成
す角度が鈍角の角部を円弧面に形成し、かつ傾斜側面と
周壁外周面の成す角度が鈍角の角部の円弧面の曲率半径
を、傾斜側面と周壁外周面の成す角度が鋭角の角部の円
弧面の曲率半径よりも大きくしているので、傾斜形成し
た掃気孔での新気の流通抵抗を、特に鈍角の角部に大き
な曲率半径の円弧面を形成することによって小さくで
き、かつ鋭角な角部の円弧面の曲率半径は０又は小さく
したことにより、傾斜形成した掃気孔における平坦な傾
斜側面の長さを十分に確保できてスワール形成性能を十
分に確保することができる。従って、十分強いスワール
を形成しながら傾斜形成した掃気孔での新気の流通抵抗
を小さくし、掃気圧の上昇を抑制して全開出力性能を保
持しながら掃気期間を短縮でき、それに伴って排気開の
タイミングを遅らせることにより、燃費率を向上し、軽
負荷でのＨＣのトータル排出量を達成することができ
る。
【図１】本発明の一実施形態の２サイクルエンジンの概
略構成を示し、（ａ）は（ｂ）のＩ−Ｉ矢視縦断面図、
（ｂ）は掃気孔位置での横断面図である。
略構成を示し、（ａ）は（ｂ）のＩ−Ｉ矢視縦断面図、
（ｂ）は掃気孔位置での横断面図である。
【図２】同実施形態の掃気孔の詳細を示し、（ａ）は縦
断面図、（ｂ）は横断面図である。
断面図、（ｂ）は横断面図である。
【図３】同実施形態の２サイクルエンジンの具体構成を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図４】掃気孔の傾斜側面と周壁外周面との角部に形状
による流入抵抗の変化を示すグラフである。
による流入抵抗の変化を示すグラフである。
【図５】掃気孔の傾斜側面と周壁外周面との角部に形状
によるスワール強度の変化を示すグラフである。
によるスワール強度の変化を示すグラフである。
【図６】従来例の２サイクルエンジンの概略構成を示
し、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は掃気孔位置での横断面
図である。
し、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は掃気孔位置での横断面
図である。
【図７】他の従来例の２サイクルエンジンの概略構成を
示し、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は掃気孔位置での横断
面図である。
示し、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は掃気孔位置での横断
面図である。
【図８】２サイクルエンジンにおける排気・掃気タイミ
ングの説明図である。
ングの説明図である。
１ 気筒 ２ 周壁 ２ａ 外周面 ３ ピストン ４ 第１の掃気孔 ５ 第２の掃気孔 ２０ａ 円弧面 ２０ｂ 円弧面
Claims (1)
- 【請求項１】 気筒内に新気を導入する複数の掃気孔を
気筒周壁のピストン下死点近傍位置に形成するととも
に、少なくとも一部の掃気孔を周壁の周方向又は軸芯方
向又はその両方に傾斜させて形成した２サイクルエンジ
ンにおいて、傾斜形成した掃気孔の傾斜側面と周壁外周
面との角部の内、少なくとも傾斜側面と周壁外周面の成
す角度が鈍角の角部を円弧面に形成し、かつ傾斜側面と
周壁外周面の成す角度が鈍角の角部の円弧面の曲率半径
を、傾斜側面と周壁外周面の成す角度が鋭角の角部の円
弧面の曲率半径よりも大きくしたことを特徴とする２サ
イクルエンジン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24454796A JPH1089146A (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | ２サイクルエンジン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24454796A JPH1089146A (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | ２サイクルエンジン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1089146A true JPH1089146A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17120332
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24454796A Pending JPH1089146A (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | ２サイクルエンジン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1089146A (ja) |
-
1996
- 1996-09-17 JP JP24454796A patent/JPH1089146A/ja active Pending
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