JPH1088861A - 鉄塔の構築方法 - Google Patents

鉄塔の構築方法

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JPH1088861A
JPH1088861A JP24156796A JP24156796A JPH1088861A JP H1088861 A JPH1088861 A JP H1088861A JP 24156796 A JP24156796 A JP 24156796A JP 24156796 A JP24156796 A JP 24156796A JP H1088861 A JPH1088861 A JP H1088861A
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行正 荻原
Hiroshi Koshida
洋 越田
Shiyouji Shimamura
象二 島村
Taketoshi Takahashi
壮年 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄塔組立のための高所での作業を無くし安全
性を確保し、鉄塔からの荷重を支持する構造大梁や支持
フレームが不要で仮設材料や本設材料の低減を図ること
ができ、さらに、建物の構築工事と同時進行で鉄塔の構
築が行えて工期短縮を図れる。 【解決手段】 建屋1の屋上に設置する鉄塔8の構築方
法で、鉄塔8の設置位置の直下に位置させて建設中の建
屋1内に鉄塔組立用の空間5を設け、この空間5内で構
築した鉄塔8をジャッキなどで引き上げまたは押し上げ
することにより屋上にスライドさせて移動し該鉄塔8の
下部を建屋1内に差し込んだ状態で建屋に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の屋上に設置
する鉄塔の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、無線通信の需要が増加しており、
市街地にも通信鉄塔を建設する必要が生じている。この
場合、敷地の確保、有効活用、鉄塔高さの確保などの観
点から市街地ではビルの屋上に通信鉄塔を建設するのが
有効である。
【0003】このようにビル屋上に通信鉄塔を構築する
場合、従来は、鉄塔からの荷重を支持し、さらに地震時
や強風時に鉄塔から伝達される転倒モーメントを支える
手段として、ビル建物の完成後に、屋上に大型の梁(ウ
ォールガータ)をまず設置し、その後に鉄塔の構築工事
を開始していた。
【0004】従来行われている鉄塔の構築には、一例と
して、鉄塔建設用のクレーンを屋上等に設置して、この
クレーンにより完成した部分の鉄塔の上部で部材を接合
してながら順次上方へとさらに組み上げていく方法があ
る。また、他の方法として、一定の単位(節)の部材を
屋上で組み立て、これを接合しながら油圧ジャッキや、
モータとギヤを使用して屋上から押し上げていくプッシ
ュアップ工法、またはステップロッドのような吊り材を
使用し、この吊り材によって引っ張り上げるリフトアッ
プ工法などによっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記クレーンにより組
み立てる方法は、高所作業が多くなり危険であり、資材
などの落下による第三者への障害発生を防止するための
養生も必要となる。
【0006】これに対して、プッシュアップ工法やリフ
トアップ工法の場合は、屋上の足場のよい場所で鉄塔部
材を節単位で組み立て、組み立ての完成した部分をジャ
ッキなどを使用して押し上げ、または引っ張り上げるも
のであることから、クレーンによる方法の場合における
ような高所での危険作業はないが、徐々に伸びていく鉄
塔を支えるために仮設(場合によっては本設)の支持フ
レームを設置する必要があり、工事が大掛かりなものと
なる。
【0007】また、従来行われているいずれの方法でも
鉄塔構築は、建物が完成し屋上に鉄塔を恒久的に支持す
るための大梁が完成した後でないと工事を開始できず、
さらに鉄塔完成後にアンテナ設置、配線工事を行うこと
になり、鉄塔使用までに時間を要した。
【0008】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、鉄塔組立のための高所での作業を無くし安全性を確
保し、鉄塔からの荷重を支持する構造大梁や支持フレー
ムが不要で仮設材料や本設材料の低減を図ることがで
き、さらに、建物の構築工事と同時進行で鉄塔の構築が
行えて工期短縮を図れる鉄塔の構築方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、建屋の屋上に設置する鉄塔の構築方
法で、鉄塔の設置位置の直下に位置させて建設中の建屋
内に鉄塔組立用の空間を設け、この空間内で構築した鉄
塔をジャッキなどで引き上げまたは押し上げすることに
より屋上にスライドさせて移動し該鉄塔の下部を建屋内
に差し込んだ状態で建屋に固定することを要旨とするも
のである。
【0010】第2に、建屋の屋上で通信アンテナ、パラ
ボラアンテナ、制震装置などの鉄塔付属物を鉄塔頂部に
設置することを要旨とするものである。
【0011】第3に、建屋頂部と鉄塔構造体との間に相
対変位を利用して機能する制震装置を設置することを要
旨とするものである。
【0012】第4に、鉄塔構築時の荷重は建屋本体架構
で支持することを要旨とするものである。
【0013】第5に、鉄塔は、建屋躯体の構築と同時進
行で構築中の建屋内に鉄塔組立用の空間を確保しながら
この空間内で組み立てを完成し、完成した鉄塔をジャッ
キなどの引き上げ装置で屋上に引き上げ設置することを
要旨とするものである。
【0014】第6に、鉄塔は、建屋躯体内に形成した鉄
塔組立用の空間内で鉄塔の最終固定位置にプッシュアッ
プ装置を設置し、鉄塔フレームの1節分ずつを前記空間
内で組み立てて組立が完了している鉄塔フレームの下部
に接合して継ぎ足し、継ぎ足し後、鉄塔フレームをプッ
シュアップ装置で屋上から1節分ずつ上方に押し上げる
ことを要旨とするものである。
【0015】第7に、鉄塔は、建屋躯体内に形成した鉄
塔組立用の空間内の上部に組立作業場を設け、ここで1
節ずつ組み立てた鉄塔フレームを組立が完了した鉄塔フ
レームの頂部に継ぎ足しながら前記空間内に吊り下げ、
全長の完成後に鉄塔をジャッキなどの引き上げ装置で屋
上に引き上げ設置することを要旨とするものである。
【0016】請求項1、請求項5から請求項7記載の本
発明によれば、鉄塔の設置位置の直下に位置させて設け
た建設中の建屋内の鉄塔組立用の空間で鉄塔の構築工事
を行うから、鉄塔の組立、仕上げ、塗装などの作業を低
所で行うことができ、安全であるとともに、足場のよい
場所で作業できるから品質を確保でき、また、風雨など
の影響を受けずに作業でき、建屋部から出ていく鉄塔の
部分は完成した部分であるから、落下物が発生するおそ
れがなく、市街地で施工する場合も安全である。
【0017】さらに建設中の建屋内で鉄塔構築工事を行
うことにより、建屋の建設工事と同時進行で施工でき、
全体の工期短縮となる。
【0018】また、空間内で構築した完成後の鉄塔は屋
上にスライドさせて移動し該鉄塔の下部を建物内に差し
込んだ状態で建物に固定しここで支持することで、建屋
との接合部分を多くとることができ、鉄塔からの軸力、
転倒モーメントなどの荷重を建屋内の本体架構の多くの
支持点で支持でき、屋上にウォールガータなどをの大型
の支持架構を設置する必要がない。
【0019】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、建屋の屋上で通信アンテナ、パラボラアンテ
ナ、制震装置などの鉄塔付属物を鉄塔頂部に設置するこ
とで、これらの取付工事を建物本体の工事用のクレーン
を使用して行うことができ、安全で容易である。
【0020】請求項3記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、建屋頂部と鉄塔構造体との間に構造的に緊結
しない部分を確保できるから、この間に相対変位を利用
して機能する制震装置を設置することができ、建物の居
住性を向上できる。
【0021】請求項4記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、鉄塔構築時の地震荷重や風荷重を建屋本体架
構で支持できるから、安全であり、大規模な建設用の仮
設構造物も不要となり、仮設資材も低減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1から図4は本発明の鉄塔
の構築方法の実施形態を示す工程図で、第1実施形態と
して建設中の建屋内で鉄塔を完成させ、その後、完成し
た鉄塔を屋上に引き上げる方法について説明する。
【0023】図1は、建屋1の地下部分1aについて
は、逆打ち工法で地下1階を構築中であり、また、地上
部分1bについては5階までの躯体鉄骨17の組立が完了
している状態であり、図中、2は山留壁としての地中連
続壁、3は構真柱、4は現場造成杭を示す。なお、地下
部分1aの施工法は図示の逆打ち工法に限定されるもの
ではない。
【0024】構築途中の建屋1には、鉄塔の最終的な設
置位置の直下に位置させて建屋1の内部に鉄塔組立用の
空間5を設けておき、この空間5内で鉄塔の基礎部6と
なる部分を組み立てる。この基礎部6の組立は建屋1の
躯体鉄骨17の組立と同時進行で行い、建屋本体工事用の
大型タワークレーン7を使用して行う。
【0025】この状態から図2に示すように建屋1の地
上部分1bの上層階の躯体鉄骨17をさらに組み上げてい
くが、このときも建屋1内に鉄塔組立用の空間5を確保
する。そして、建屋1の躯体鉄骨17の構築と同時進行で
建屋本体構築のために使用する大型タワークレーン7を
使用してこの空間5内の足場のよい場所で鉄塔8の上部
である本体鉄骨9を組み立てる。
【0026】鉄塔8の本体鉄骨9の組立は、溶接、接
合、塗装などの作業によるが、組み立てが完了した部分
の鉄塔8の頂部に全天候型の仮設の屋根10を設置するこ
とにより、天候による影響を排除し、安定した室内環境
状態での作業空間を確保できる。
【0027】また、かかる構築中の鉄塔8の荷重は建屋
1の本体架構で支持する。
【0028】このとき、地下部分1aは前記のように逆
打ち工法により地下2階部分までの躯体構築が同時進行
で施工され、鉄骨組立が完了する。
【0029】以上のようにして建屋1の躯体鉄骨17の構
築と同時進行で建屋1の内部に形成した鉄塔組立用の空
間5内で鉄塔8の本体鉄骨9を上方に順次組み上げてい
く。そして、図3に示すように所定長の鉄塔8の組立が
完了し、鉄塔8の頂部が建屋1の屋上から上方に突出し
た状態になれば、鉄塔8の頂部に付属物として通信アン
テナ11、パラボラアンテナ12、制震装置13を取り付け
る。
【0030】制震装置13は例えば重錘駆動型のもので相
当の重量物を含むが、かかる付属物の取付も建屋1の本
体工事用の大型タワークレーン7を使用して行うから、
安全で簡単に行える。
【0031】また、この工程では組立が完成した鉄塔8
を屋上に引き上げるための装置としてセンターホール式
の鉛直ジャッキ14、ステップロッド15を鉄塔組立用の空
間5に臨ませて建屋1の躯体鉄骨17に設置する。
【0032】図8、図9はセンターホール式の鉛直ジャ
ッキ14、ステップロッド15の取り付け構造を示し、躯体
鉄骨17の上部に梁受け架台18を介して仮設桁19を設け、
この仮設桁19でジヤッキ受梁20を介して鉛直ジヤッキ14
を支持する。また、躯体鉄骨17の鉄塔組立用の空間5に
面する側の鉄骨柱17aの側面に鉛直方向にガイドレール
21を設ける。
【0033】他方、鉄塔8側には本体鉄骨9の柱9aの
側面で前記ガイドレール21と対向する側にブラケット22
を設け、該ブラケット22を滑り沓23を介してガイドレー
ル21にスライド自在に係合する。図中9bは本体鉄骨9
の梁を示す。
【0034】そして,前記ステップロッド15の下部をブ
ラケット22に係合し、鉄塔8を引き上げるには、図4の
ように鉛直ジャッキ14を縮めステップロッド15を上昇さ
せることにより本体鉄骨9に設けたブラケット22を介し
鉄塔8を上方にさせる。このとき、ブラケット22は滑り
沓23を介してガイドレール21にそってスムーズに上方へ
とスライドする。
【0035】鉛直ジャッキ14の1ストローク分だけ鉄塔
8を引き上げたならば、ステップロッド15を保持したま
ま鉛直ジャッキ14のストロークを縮め、次いで前記と同
様にしてステップロッド15を引き上げて鉄塔8を上方に
再度スライドさせる。これを繰り返し、尺取り虫のよう
にして鉄塔8を屋上の上方に引き上げる。鉄塔8の下部
には駄目工事用のホイストクレーン24を設けておく。
【0036】このようにして引き上げられる鉄塔8は、
建屋1から上方に出ていく部分は既に完成しているか
ら、落下物が発生するおそれはなく、市街地などで構築
する場合にも十分安全である。
【0037】鉄塔8を引き上げる期間は、図4に示した
ような例えば23階建て、高さ106 mの建屋1の内部で構
築した場合に、約2日間である。
【0038】図10は鉛直ジャッキ14やステップロッド15
などの引き上げのための装置の配置と引き上げ階の建屋
の平面を示し、一例として鉄塔8の組立用の空間5に面
して対向位置に鉛直ジャッキ14をそれぞれ4基ずつ配設
し、鉛直ジャッキ14を配設しない側の空間5には建屋1
の鉄骨柱17aにガイドレール21を設けた。
【0039】図5は鉄塔8の引き上げが完了した状態で
あり、図6に示すように鉄塔8の基礎部6(図6におい
て破線で囲んだ部分)は建屋1の躯体鉄骨17の内部(図
6において一点鎖線で囲んだ部分)に差し込まれた状態
となり、鉄塔8からの荷重は鉄塔8の下部のフレームを
介して建屋1に伝搬される。
【0040】また、建屋1の頂部と鉄塔8の本体鉄骨9
との間には構造的に緊結しない部分が確保されるから、
この間に相対変位を利用して鉄塔8と建屋1に減衰力を
与えるよう機能する制震装置26を設置する。この制震装
置26は一例として建屋1の躯体鉄骨17と一体化させた超
耐久型のオイルダンパが地震や強風による振動を吸収す
るハイダンピングシステムを採用することが可能であ
る。
【0041】そして、図5に示した鉄塔8の基礎部6と
建屋1の上部の躯体鉄骨17との接合部は、柱が多く、ま
た梁も大きく突出しているため、一般的な居室としては
使用が困難であるが、鉄塔8の建設後に床を設けること
により、無線用導破管、ケーブル処理室、パイプスペー
ス、倉庫等に使用可能な空間となる。
【0042】鉄塔8の直下に位置する下部の空間5は、
鉄塔8の下部に設けておいた駄目工事用のホイストクレ
ーン24を使用して床25、壁、梁を設ける工事及び内装工
事を行い、パイプスペース、倉庫等の他に一般居室とし
ての使用の可能となる。なお、鉄塔8の直下に位置する
柱27は図示の例では設けたが、構造設計により所定の強
度を確保できれば不要とすることもできる。
【0043】図11、図12は第2実施形態を示し、鉄塔8
を引き上げる方法として完成した建屋1の鉄塔8の最終
固定位置にプッシュアップ装置を設置し、鉄塔の建屋1
内の上層階で組み立て、組立が完了した分を継ぎ足しな
がら順次押し上げる方法である。
【0044】構築した建屋1内で鉄塔8の最終固定位置
となる上層階に鉄塔8の押し上げ用の空間30を設け、こ
の空間30にプッシュアップ装置28を設置する。このプッ
シュアップ装置28としては、例えば油圧式の装置やAM
URAD工法で使用するモータとネジによる装置などが
考えられる。
【0045】プッシュアップ装置28の設置場所に連接し
て鉄塔1の組立場29を設け、ここで鉄塔8を1節分ずつ
組み立て、塗装し、完成した1節分を押し上げ用の空間
30に移動し、既に完成して押し上げ用の空間30内で仮置
き架台31で支持されている鉄塔8の下部に接合する。
【0046】接合が完了し、既に完成している部分と一
体化されたならば鉄塔8の全体を1節分だけプッシュア
ップ装置28で押し上げる。押し上げが完了すれば、鉄塔
8の荷重を仮置き架台31で支持し、下部に継ぎ足す鉄塔
8の1節分を組み立て、組み立ての完了後、前記と同様
にして鉄塔8の下部に接合して再度1節分を押し上げ、
これを繰り返し、所定の高さに鉄塔を設置する。
【0047】鉄塔8の頂部に取り付けパラボラアンテナ
12など、鉄塔8の平面からはみ出す付属物や制震装置13
は、鉄塔8の頂部が建屋1の屋上に突出した時点で、建
屋本体工事用の大型タワークレーン7を使用して取付工
事する。
【0048】図中32は、鉄塔8の構築中に転倒モーメン
トを建屋1に伝達すると同時に、押し上げ時にガイドと
なるローラ、滑り支承などの部材を示す。また、図12に
おいて33は第1実施形態と同様の相対変位利用型の制震
装置を示す。
【0049】図13、図14は第3実施形態を示し、組み上
がった建屋1の躯体鉄骨17の内部に高さ方向に鉄塔8の
引き上げ用の空間35を設けるとともに、この空間35に連
接して上層階に鉄塔の組立場34を設けた。鉄塔8を引き
上げる装置は第1実施形態と同様、センターホール式の
鉛直ジャッキ14、ステップロッド15などを使用する。
【0050】この場合は、建屋1の上層階に設けた組立
場34で鉄塔8の基礎部6及び本体鉄骨9を1節分ずつ組
み立て、組み立てが完了した分から屋上に設置の天井ク
レーン36で引き上げ用の空間35に吊り下ろし、構築が終
了している分の鉄塔8の上部に接合する。
【0051】接合終了後、鉄塔8を鉛直ジャッキ14、ス
テップロッド15を使用して1節分だけ空間35内で下降さ
せる。これを繰り返して所定長の鉄塔を空間35で組み立
てる。
【0052】鉄塔8が所定長に達して頂部が建屋1の屋
上に突出したならば、前記実施形態と同様にして建屋本
体工事用の大型タワークレーン7を使用してパラボラア
ンテナ12、制震装置13などの付属物を鉄塔8の頂部に取
り付ける。
【0053】図中10は第1実施形態と同様の全天候型の
仮設の屋根、32は第2実施形態と同様の鉄塔8の構築中
に転倒モーメントを建屋1に伝達すると同時に、押し上
げ時にガイドとなるローラ、滑り支承などの部材を示
す。
【0054】鉄塔8の頂部への付属物の取付が終了した
ならば、第1実施形態と同様にして鉛直ジャッキ14、ス
テップロッド15を使用して所定の高さまで引き上げ設置
する。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明の鉄塔の構築方
法は、第1に、鉄塔の設置位置の直下に位置させて設け
た建設中の建屋内の鉄塔組立用の空間で鉄塔の構築工事
を行うから、鉄塔の組立、仕上げ、塗装などの作業を低
所で行うことができ、安全であるとともに、足場のよい
場所で作業できるから品質を確保でき、また、風雨など
の影響を受けずに作業でき、建屋部から出ていく鉄塔の
部分は完成した部分であるから、落下物が発生するおそ
れがなく、市街地で施工する場合も安全である。
【0056】さらに建設中の建屋内で鉄塔構築工事を行
うことにより、建屋の建設工事と同時進行で施工でき、
全体の工期短縮となる。
【0057】空間内で構築した完成後の鉄塔は屋上にス
ライドさせて移動し該鉄塔の下部を建物内に差し込んだ
状態で建物に固定しここで支持することで、建屋との接
合部分を多くとることができ、鉄塔からの軸力、転倒モ
ーメントなどの荷重を建屋内の本体架構の多くの支持点
で支持でき、屋上にウォールガータなどをの大型の支持
架構を設置する必要がない。
【0058】第2に、建屋の屋上で通信アンテナ、パラ
ボラアンテナ、制震装置などの鉄塔付属物を鉄塔頂部に
設置することで、これらの取付工事を建物本体の工事用
のクレーンを使用して行うことができ、安全で容易であ
る。
【0059】第3に、建屋頂部と鉄塔構造体との間に構
造的に緊結しない部分を確保できるから、この間に相対
変位を利用して機能する制震装置を設置することがで
き、建物の居住性を向上できる。
【0060】第4に、鉄塔構築時の地震荷重や風荷重を
建屋本体架構で支持できるから、安全であり、大規模な
建設用の仮設構造物も不要となり、仮設資材も低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示す
第1工程図である。
【図2】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示す
第2工程図である。
【図3】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示す
第3工程図である。
【図4】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示す
第4工程図である。
【図5】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示す
第5工程図である。
【図6】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示す
鉄塔設置位置の建屋の平面図である。
【図7】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示す
鉄塔設置位置の下方部の建屋の平面図である。
【図8】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示す
引き上げ装置の縦断正面図である。
【図9】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示す
引き上げ装置の平面図である。
【図10】本発明の鉄塔の構築方法の第1実施形態を示
す引き上げ装置の配置図である。
【図11】本発明の鉄塔の構築方法の第2実施形態を示
す鉄塔構築途中の説明図である。
【図12】本発明の鉄塔の構築方法の第2実施形態を示
す鉄塔構築完了状態の説明図である。
【図13】本発明の鉄塔の構築方法の第3実施形態を示
す鉄塔構築途中の説明図である。
【図14】本発明の鉄塔の構築方法の第3実施形態を示
す鉄塔引き上げ途中の説明図である。
【符号の説明】
1…建屋 1a…地下部分 1b…地上部分 2…地中連続壁 3…構真柱 4…現場造成杭 5…空間 6…基礎部 7…大型タワークレーン 8…鉄塔 9…本体鉄骨 9a…柱 9b…梁 10…屋根 11…通信アンテナ 12…パラボラアンテ
ナ 13…制震装置 14…鉛直ジャッキ 15…ステップロッド 17…躯体鉄骨 17a…鉄骨柱 18…梁受け架台 19…仮設桁 20…ジヤッキ受梁 21…ガイドレール 22…ブラケット 23…滑り沓 24…ホイストクレーン 25…床 26…制震装置 27…柱 28…プッシュアップ装置 29…組立場 30…空間 31…仮置き架台 32…部材 33…制震装置 34…組立場 35…空間 36…天井クレーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 壮年 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建屋の屋上に設置する鉄塔の構築方法
    で、鉄塔の設置位置の直下に位置させて建設中の建屋内
    に鉄塔組立用の空間を設け、この空間内で構築した鉄塔
    をジャッキなどで引き上げまたは押し上げすることによ
    り屋上にスライドさせて移動し該鉄塔の下部を建屋内に
    差し込んだ状態で建屋に固定することを特徴とした鉄塔
    の構築方法。
  2. 【請求項2】 建屋の屋上で通信アンテナ、パラボラア
    ンテナ、制震装置などの鉄塔付属物を鉄塔頂部に設置す
    る請求項1記載の鉄塔の構築方法。
  3. 【請求項3】 建屋頂部と鉄塔構造体との間に相対変位
    を利用して機能する制震装置を設置する請求項1または
    請求項2に記載の鉄塔の構築方法。
  4. 【請求項4】 鉄塔構築時の荷重は建屋本体架構で支持
    する請求項1から請求項3のいずれかに記載の鉄塔の構
    築方法。
  5. 【請求項5】 鉄塔は、建屋躯体の構築と同時進行で構
    築中の建屋内に鉄塔組立用の空間を確保しながらこの空
    間内で組み立てを完成し、完成した鉄塔をジャッキなど
    の引き上げ装置で屋上に引き上げ設置する請求項1から
    請求項4のいずれかに記載の鉄塔の構築方法。
  6. 【請求項6】 鉄塔は、建屋躯体内に形成した鉄塔組立
    用の空間内で鉄塔の最終固定位置にプッシュアップ装置
    を設置し、鉄塔フレームの1節分ずつを前記空間内で組
    み立てて組立が完了している鉄塔フレームの下部に接合
    して継ぎ足し、継ぎ足し後、鉄塔フレームをプッシュア
    ップ装置で屋上から1節分ずつ上方に押し上げる請求項
    1から請求項4のいずれかに記載の鉄塔の構築方法。
  7. 【請求項7】 鉄塔は、建屋躯体内に形成した鉄塔組立
    用の空間内の上部に組立作業場を設け、ここで1節ずつ
    組み立てた鉄塔フレームを組立が完了した鉄頭フレーム
    に継ぎ足しながら前記空間内に吊り下げ、全長の完成後
    に鉄塔をジャッキなどの引き上げ装置で屋上に引き上げ
    設置する請求項1から請求項4のいずれかに記載の鉄塔
    の構築方法。
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