JPH1088367A - アルミニウム系材料の表面処理方法 - Google Patents
アルミニウム系材料の表面処理方法Info
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Abstract
対する親和性を付与し、液体を接触させた場合の分散、
蒸発を促進させるとともに、伝熱性及び耐食性を向上さ
せるためのアルミニウム系材料の表面処理方法を提供す
る。 【解決手段】 フッ素化剤含有水溶液中にアルミニウム
系材料を浸漬し、その表面にフッ化アルミニウム皮膜を
形成させることにより、アルミニウム系材料の表面を処
理する。
Description
料の表面に蒸気又は液体に対する親和性を付与し、液体
を接触させた場合の分散、蒸発を促進させるとともに、
伝熱性及び耐食性を向上させるためのアルミニウム系材
料の新規な表面処理方法に関するものである。
耐食性に優れ、電気・熱伝導性が良好な金属材料であ
り、またアルミニウムにマグネシウム、亜鉛、ケイ素、
リチウム、銅、クロム、ニッケル、マンガン、ジルコニ
ウムなどを加えて合金化したものは、固溶体硬化、加工
硬化、時効硬化などによって、機械的性質が著しく向上
し、さらに耐食性、耐磨耗性、低熱膨張係数などの特性
も付加されることから多くの分野において幅広く用いら
れている。
フィンなどに用いられる熱交換器用伝熱材料において
は、その表面において、液体物質が液滴状にならずに、
均一かつ薄膜状に拡散することが要求される。これは、
伝熱性を高め、熱交換特性を向上させるためであり、ま
た、凝縮水が薄膜状になると、上記伝熱フィンの間隔を
極端に狭くすることができ、熱交換器形状を小型化しう
るからであり、この小型化に伴って、空調機器の冷媒充
填容積が減少し、冷媒充填量の低減が可能となり、その
結果、オゾン層破壊や温暖化現象の原因物質であるフロ
ンの消費量を削減することができる。このように、材料
表面において液体物質が液滴状にならずに、均一な薄膜
状に拡散するには、材料表面が蒸気や液体に対する親和
性を有することが必要である。
は、壁面で気−液接触型熱交換が行われるため、その壁
面が十分な濡れ性を有していれば、熱交換が効率よく行
われ、装置の小型化が可能である。壁面が十分な濡れ性
を有するには、壁面に用いる材料表面が蒸気や液体に対
する親和性を有することが必要である。
着氷により電線表面上に形成される水滴が原因となっ
て、コロナ放電を生じ、その結果発光、騒音発生、電波
障害、太陽光反射障害などのトラブルを生じる。このよ
うなトラブルを防止するには、電線表面上での水滴の形
成を抑制して、薄膜状に拡散させればよく、このように
して電線表面に薄膜状に拡散して滞留する水分は、高電
圧高電流下で発生するジュール熱によって容易に蒸発し
て逸散するため、コロナ放電の発生が抑制される。
ム系材料を用いる場合には、それに表面処理を施し、蒸
気又は液体に対する親和性を付与するのが望ましい。従
来、アルミニウム系材料に表面処理を施し、親水性を付
与する方法としては、例えばクロメート系化学皮膜処理
法やベーマイト皮膜処理法などが用いられてきたが、こ
れらの方法は、いずれも処理が煩雑であったり、多大の
設備費を要したり、電力消費が多いなど、経済的に不利
である上、水滴との接触角を小さくすることができず、
しかも親水性を長期間にわたって持続することが困難で
あるなどの欠点を有している。
理として、例えば親水性ポリマーで処理する方法、水ガ
ラスで処理する方法、カルボキシル基含有化合物で処理
する方法、アクリル系塗膜とセルロース系塗膜を施す方
法などが試みられているが、これらの方法は処理工程が
増える上、効果が不十分であり、また操作が煩雑である
ため、実用上必ずしも適当なものとはいえない。
事情のもとで、アルミニウム系材料の表面に蒸気又は液
体に対する親和性を付与し、液体を接触させた場合の分
散、蒸発を促進させるとともに、伝熱性及び耐食性を向
上させるためのアルミニウム系材料の表面処理方法を提
供することを目的としてなされたものである。
ムの表面特性を改善する方法について鋭意研究を重ねた
結果、アルミニウム系材料の表面にフッ化アルミニウム
皮膜を形成させることにより、その目的を達成しうるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
液中にアルミニウム系材料を浸漬し、その表面にフッ化
アルミニウム皮膜を形成させることを特徴とするアルミ
ニウム系材料の表面処理方法を提供するものである。
ルミニウム系材料としては、アルミニウム及びアルミニ
ウム合金が挙げられる。アルミニウムとしては、純度9
9.99%より高い高純度アルミニウムや、1%までの
不純物と少量の他の元素を含む工業用純アルミニウムな
ど、いずれも用いることができる。また、アルミニウム
合金としては、例えばAl−Mg系、Al−Si系、A
l−Mn系、Al−Mn−Mg系、Al−Cu系、Al
−Cu−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−M
g系、Al−Li系などの合金が用いられる。
材料の表面処理に用いられるフッ素化剤含有水溶液は、
アルミニウム系材料の表面にフッ化アルミニウム皮膜を
形成しうるものであればよく、これまで各種金属のフッ
化処理用として使用されているものの中から任意に選ぶ
ことができる。このようなものとしては、例えばフッ化
水素又はフッ化水素とフッ化アルカリを含有する水溶液
及び六フッ化金属化合物の水溶液などがある。
ルカリを含有する水溶液としては、例えばフッ化アルカ
リ0.2〜10.0重量%を含む水溶液を、フッ化水素
によりpH2.0〜6.5に調整した処理液を挙げるこ
とができる。この際のフッ化アルカリとしては、フッ化
ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウムなど
が用いられるが、特にフッ化カリウムが好ましい。これ
らのフッ化アルカリは、0.2〜10.0重量%の範囲
の濃度で水に溶解して用いられる。特に好ましい濃度
は、フッ化ナトリウムの場合0.3〜3.0重量%、フ
ッ化カリウムの場合0.5〜5.0重量%、フッ化アン
モニウムの場合0.5〜8.0重量%の範囲である。
は、例えば六フッ化金属化合物を重量/容積比(w/
v)で0.01〜0.5程度になるように水に溶解して
得られるF-イオン、HF2-イオンとともに、H+イオン
を含むpH4.5〜6.0程度のフッ化物水溶液を挙げ
ることができる。この際用いられる六フッ化金属化合物
としては、例えば六フッ化アルミニウムカリウム、六フ
ッ化アルミニウムナトリウム、六フッ化アルミニウムア
ンモニウムなどが挙げられるが、これらの中で、特に六
フッ化アルミニウムカリウム(K3AlF6)が好適であ
る。
剤含有水溶液中に、アルミニウム系材料を浸漬して表面
処理を行う。この処理は通常、常圧下において0〜60
℃、、好ましくは15〜40℃の温度で5分ないし5時
間程度行われる。
料の表面に、通常存在する酸化アルミニウム皮膜が除去
され、フッ化アルミニウム皮膜が形成される。このよう
にして表面処理が施されたアルミニウム系材料は、その
表面にフッ化アルミニウム皮膜を有するため、蒸気又は
液体に対する親和性が改善され、伝熱性や耐食性が向上
する。
ニウム系材料の表面に、液体を接触させた場合の分散、
蒸発を促進させるとともに、伝熱性及び耐食性を向上さ
せる、蒸気又は液体に対する親和性が優れたフッ化アル
ミニウム皮膜を容易に形成させることができる。
に、均一かつ薄膜状に表面に拡散し、伝熱性に優れてい
ることから、空調機器の熱交換器部分の伝熱フィン材料
として、蒸気や液体に対する親和性に優れていることか
ら、濡れ壁式ガス吸収装置などの気−液接触型熱交換の
表面材料として、また高電圧送電線用として有用であ
る。さらに、このようにして表面処理したアルミニウム
系材料を高電圧送電線に用いた場合、電線表面上に、降
雨や着氷による水滴が形成されにくいので、コロナ放電
の発生を抑制することができる。しかも、このアルミニ
ウム系材料の表面に形成されているフッ化アルミニウム
皮膜は、細かい網目状の三次元構造を有し、太陽光の吸
収・分散効果をもつため、太陽光反射障害も防止するこ
とができる。
する。
い、表面処理を行った。フッ化カリウム0.5重量%を
含有し、フッ化水素によりpH4.5に調整した温度2
5℃の水溶液中に、上記アルミニウム合金板を15分間
浸漬して、その表面にフッ化アルミニウムの皮膜を形成
させた。この表面処理アルミニウム合金板の表面を水洗
処理し、初期、24時間水洗処理後、72時間水洗処理
後、144時間水洗処理後、240時間水洗処理後の水
滴接触角を求めた。結果を表1に示す。
用いた以外は、実施例1と同様にして表面処理を行い、
水滴接触角を求めた。結果を表1に示す。
様のAl−Mg系合金板を用い、表面処理を行った。六
フッ化アルミニウムカリウム2.5重量%を含有するp
H5.0、温度25℃の水溶液中に、上記アルミニウム
合金板を10分間浸漬して、その表面にフッ化アルミニ
ウムの皮膜を形成させた。この表面処理アルミニウム合
金板について、実施例1と同様にして、水滴接触角を求
めた。結果を表1に示す。
じ工業用純アルミニウム板を用いた以外は、実施例3と
同様にして表面処理を行い、水滴接触角を求めた。結果
を表1に示す。
の水滴接触角は80度、表面無処理の工業用純アルミニ
ウム板の水滴接触角は80度である。
ウム系材料は、無処理のものに比べて、水滴接触角がは
るかに小さく、かつ親水性の持続性に優れている。
りpH4.5に調整した温度25℃の水溶液中に、2k
Wの小型空調機のアルミニウム系材料からなるフィン
(材質Al−Mg−Si)を10分間浸漬して、その表
面にフッ化アルミニウム皮膜を形成させた。次に、この
表面処理フィンを2kW小型空調機に装着し、性能を評
価した。その結果、500時間の連続水噴霧試験におい
て、5度以下の水滴接触角を保持することができた。ま
た、接触角は、むしろ時間の経過とともに、低下する傾
向にあり、耐久性も十分であることが分かった。
縮器温度が40℃以下の低温状態では10%程度、40
℃以上の高温状態では20%程度向上した。この場合、
凝縮器サイズは既存の70%近くまで小型化できること
が分った。
フィンを表面処理することにより、冷凍空調機器の小型
化を拒む要因であった水滴付着時のブリッジング現象が
防止でき、付着水分の分散と効果的な蒸発により、冷却
能力の向上及び圧縮動力の低減によるシステムの高性能
化が可能となる。また、恒常的な水蒸発式を採用する場
合、空冷式に比較して外気温度の影響を受けずに、サイ
ズも数分の1程度まで小型化できる可能性があり、実用
化の可能性が高い。
暖房時やデフロスト時に、室外機のフィン表面に結露が
起こり、外気の状態によっては氷結現象にまで至ること
があるが、本発明方法を適用することにより、このよう
な現象を回避することが可能となる。
Claims (4)
- 【請求項1】 フッ素化剤含有水溶液中にアルミニウム
系材料を浸漬し、その表面にフッ化アルミニウム皮膜を
形成させることを特徴とするアルミニウム系材料の表面
処理方法。 - 【請求項2】 フッ素化剤含有水溶液がフッ化水素又は
フッ化水素とフッ化アルカリを含有する水溶液である請
求項1記載の表面処理方法。 - 【請求項3】 フッ素化剤含有水溶液が六フッ化金属化
合物の水溶液である請求項1記載の表面処理方法。 - 【請求項4】 六フッ化金属化合物が六フッ化アルミニ
ウムカリウム(K3AlF6)である請求項3記載の表面
処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24074496A JP3971811B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | アルミニウム又はアルミニウム−マグネシウム系合金からなる材料の表面親水化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24074496A JP3971811B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | アルミニウム又はアルミニウム−マグネシウム系合金からなる材料の表面親水化処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1088367A true JPH1088367A (ja) | 1998-04-07 |
JP3971811B2 JP3971811B2 (ja) | 2007-09-05 |
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JP24074496A Expired - Fee Related JP3971811B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | アルミニウム又はアルミニウム−マグネシウム系合金からなる材料の表面親水化処理方法 |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005513274A (ja) * | 2001-12-24 | 2005-05-12 | ユニベルジテット ハノーバー | マグネシウムワークピース、およびマグネシウムワークピースの防蝕性被覆層を形成する方法 |
JP2006522218A (ja) * | 2003-03-31 | 2006-09-28 | ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー | 表面改質された工作物を形成する方法 |
-
1996
- 1996-09-11 JP JP24074496A patent/JP3971811B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005513274A (ja) * | 2001-12-24 | 2005-05-12 | ユニベルジテット ハノーバー | マグネシウムワークピース、およびマグネシウムワークピースの防蝕性被覆層を形成する方法 |
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US7829151B2 (en) | 2003-03-31 | 2010-11-09 | Behr Gmbh & Co. Kg | Method for producing pieces having a modified surface |
US9677166B2 (en) | 2003-03-31 | 2017-06-13 | Mahle International Gmbh | Method for producing pieces having a modified surface |
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