JPH1087849A - 抗菌性フィルムおよび抗菌性二酸化珪素微粒子 - Google Patents

抗菌性フィルムおよび抗菌性二酸化珪素微粒子

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JPH1087849A
JPH1087849A JP24494996A JP24494996A JPH1087849A JP H1087849 A JPH1087849 A JP H1087849A JP 24494996 A JP24494996 A JP 24494996A JP 24494996 A JP24494996 A JP 24494996A JP H1087849 A JPH1087849 A JP H1087849A
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silicon dioxide
antibacterial
film
dioxide fine
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Hideki Kuwata
秀樹 桑田
Mikio Kusunoki
幹夫 楠
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性に優れた抗菌性フィルムとこれを得さ
せるための抗菌性二酸化珪素微粒子を提供する。 【解決手段】 二酸化珪素微粒子の表面に抗菌性金属微
粒子を付着させてなる抗菌性二酸化珪素微粒子と、透明
性を保った状態で二酸化珪素微粒子を分散含有し、前記
分散状態の二酸化珪素微粒子のうちの少なくとも一部は
その表面部分をフィルム基材の表面から露出させている
フィルムにおいて、二酸化珪素微粒子として前記の抗菌
性二酸化珪素微粒子が用いられていることを特徴とする
抗菌性フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性を有し、し
かも抗菌性をも有するフィルムに関する。特に、衣類、
食品包装、トイレタリー用途、建材用途、自動車用途、
電気電子等の用途に適したフィルムに関するものであ
る。本発明はまた、上記抗菌性を有するフィルムの製造
に用いる抗菌性二酸化珪素微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣類、台所用品、衛生用品などの
日用品、包装材料、水処理用フィルターなどの産業資材
などを対象に、抗菌性物質を練り込んだり、コーティン
グしたりして、有害微生物の生育を抑える技術が注目を
浴びている。古くから、銅や真鍮でできた吊り革やドア
ノブにほとんど細菌がいないことなどからわかるよう
に、銀、銅、亜鉛などの金属、およびそれらのイオンが
殺菌作用を示すことが知られている。このような抗菌性
金属の利用法として、メッキ処理によって抗菌性金属を
付着させて抗菌化する方法のほか、抗菌性金属粉末や抗
菌性金属置換ゼオライト(天然ゼオライトや合成ゼオラ
イトのイオン交換できる部分に、銀、銅、亜鉛などのイ
オンを特定の比率でイオン置換させたもの)を樹脂材料
に練り込んだりして抗菌効果を発揮させる方法などが一
般に行われている。
【0003】抗菌性金属の抗菌メカニズムについては、
銀粉末や銀メッキのように、金属状態にあってその抗菌
性金属の表面で発生する活性酸素が微生物体内に侵入し
て代謝系の種々の酵素の生育を阻害し抗菌性を発現する
メカニズムや、銀ゼオライトのように、銀イオンがイオ
ン状態で同様の働きをするメカニズムが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来法の
うち、銀ゼオライトのような銀イオンによる殺菌作用を
利用したものは、ゼオライト骨格内に銀イオンを保持し
ている間は抗菌力を持っているが、大部分の銀イオンが
溶出してしまった後は顕著に抗菌効果が低下するなどの
問題点があった。他方、銀粉末や銀メッキなどは、抗菌
効果が主として銀粒子や銀メッキ層の表面で発揮される
ことを考えると、使用した銀量に対して抗菌効果があま
り上がらないなどの問題点があった。さらに、抗菌性フ
ィルムを得ようとする場合において、抗菌効果を上げる
ために抗菌剤の添加量を増やすと、フィルムが本来有し
ている透明性に悪影響を与えるという問題点もあった。
【0005】前記使用量対効果の問題点を解決する方法
として、例えば、二酸化チタン粒子に銀微粒子を分散付
着させた抗菌剤が特開平8−99812号公報で知られ
ている。しかし、二酸化チタン粉末はこれを練り込んだ
樹脂材料の透明性を悪くするという欠点を有するため、
前述の抗菌剤は樹脂材料に含有させてフィルム化すると
きには透明性に優れたフィルムが得られないと言う問題
点がある。他方、特開平8−99383号公報は、フィ
ルム基材上に多孔性金属酸化物の薄膜をドライプロセス
などで形成し、この薄膜に抗菌性金属を含浸させてなる
抗菌性フィルムを開示している。しかし、このようにフ
ィルムの表面層に多孔性金属酸化物の薄膜を形成する場
合には、スリップ性の調整が難しく、仮に調整したとし
てもスリップ性が表面の場所間で不均一になりやすいと
いう問題点があり、このため、フィルム表面に印刷した
り、他のフィルムとラミネートしたりする工程における
加工適性に難がある。また、その製造工程がフィルム基
材の製造工程と多孔性金属酸化物薄膜形成工程との2工
程からなり、工程数が多くて煩雑であるという問題点が
ある。この公知の抗菌性フィルムは前記薄膜の上にさら
に多孔性樹脂層を形成することもあるから、この場合
も、表面スリップ性の調整、工程数の一層の増加や透明
性が問題となる。
【0006】以上の事情に鑑みて、本発明は、このよう
な従来技術の問題を解消し、持続性殺菌効果を持ち、安
価で透明性の高い抗菌性フィルムを提供することを課題
とするものである。本発明はまた、上記抗菌性フィルム
を製造するのに用いる抗菌性二酸化珪素微粒子を提供す
ることをも課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題を解決するために鋭意検討の結果、二酸化珪素微
粒子粉末はフィルム基材中に均一分散が可能であり、し
かも、二酸化珪素微粒子はそれ自体透明であるためこれ
を配合してもフィルム基材の透明性を損なう恐れがな
く、加えてフィルム表面の粗さの調節をも可能とするの
で、この二酸化珪素微粒子を担持体とすることにし、そ
の表面に抗菌性金属微粒子を分散付着させて、得られた
抗菌性二酸化珪素微粒子粉末をフィルム基材の原材料樹
脂に混ぜ合わせることにした。このとき、フィルム基材
の表面から抗菌性二酸化珪素微粒子の表面の一部を露出
させて二酸化珪素微粒子表面に付着した抗菌性金属微粒
子により殺菌効果を持続的に発現させるようにした。こ
のように、抗菌性金属微粒子を二酸化珪素微粒子表面に
分散付着させることで銀等の抗菌性金属の使用量を減ら
すことができ、安価で透明性の高い抗菌性フィルムを得
させるようにしたのである。また、二酸化珪素微粒子へ
の抗菌性の付与は抗菌性金属をイオンの状態ではなく金
属の状態で行っているため、得られた抗菌性二酸化珪素
微粒子の抗菌効果は持続する。
【0008】すなわち、本発明にかかる抗菌性フィルム
は、透明性を保った状態で二酸化珪素微粒子を分散含有
し、前記分散状態の二酸化珪素微粒子のうちの少なくと
も一部はその表面部分をフィルム基材の表面から露出さ
せているフィルムにおいて、前記二酸化珪素微粒子とし
て、二酸化珪素微粒子の表面に抗菌性金属微粒子を付着
させてなる抗菌性二酸化珪素微粒子が用いられているこ
とを特徴とする。
【0009】本発明においてフィルム基材とは、抗菌性
フィルムの本体そのものであって、樹脂を原材料の主成
分とする透明性を有した薄膜状の基材を言う。本発明に
おいて、フィルム基材はその引張強度や寸法安定性など
のフィルム特性を良くすることを考えると、二軸延伸フ
ィルム基材であることが好ましい。抗菌性金属微粒子と
しては、特に限定する訳ではないが、銀微粒子、銅微粒
子および亜鉛微粒子を挙げることができ、これらは1種
または2種以上を併用することができる。
【0010】二酸化珪素微粒子に対する抗菌性金属微粒
子の付着量は、二酸化珪素微粒子100重量部に対し抗
菌性金属微粒子1〜30重量部であることが好ましい。
抗菌効果の好適な発現、持続性、そしてフィルム表面粗
さ、透明性の維持などの観点から、抗菌性二酸化珪素微
粒子の含有量はフィルム基材の重量に対して0.001
〜5.0重量%であることが好ましく、抗菌性二酸化珪
素微粒子の平均粒子径は0.01〜5.0μmであるこ
とが好ましく、抗菌性二酸化珪素微粒子はその表面の頂
部がフィルム基材表面から0.001〜4.0μmの高
さで突出していることが好ましく、フィルム基材表面か
ら露出する抗菌性二酸化珪素微粒子の数は0.1mm2
あたり1〜200個であることが好ましい。
【0011】本発明にかかる抗菌性二酸化珪素微粒子
は、二酸化珪素微粒子の表面に抗菌性金属微粒子を付着
させてなるものである。この抗菌性二酸化珪素微粒子に
おいても、抗菌性金属微粒子が銀微粒子、銅微粒子およ
び亜鉛微粒子のうちの少なくとも1種であることが好ま
しく、二酸化珪素微粒子に対する抗菌性金属微粒子の付
着量が二酸化珪素微粒子100重量部に対し抗菌性金属
微粒子1〜30重量部であることが好ましく、抗菌性二
酸化珪素微粒子の平均粒子径は0.01〜5.0μmで
あることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を詳細に説明する。本発明におけるフィルム基材の原
材料樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ナイロン6、ポリプロピレン、ポリビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリエチレンなどを用いることができる。
【0013】上記樹脂には、フィルム基材の特性を損な
わない範囲において、タルク、アルミナ、マグネシア、
炭酸カルシウム、エチレンビスステアリルアミド、ステ
アリン酸カルシウムなどの滑剤や顔料、熱安定剤、酸化
防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、強化剤等を
配合することもできる。抗菌性二酸化珪素微粒子粉末の
混合比としては、フィルム基材の原材料樹脂に対して抗
菌性二酸化珪素微粒子粉末を0.001〜5.0重量%
添加することが好ましく、0.05〜0.60重量%添
加することが特に好ましい。
【0014】抗菌性金属微粒子を分散付着させる担持体
は二酸化珪素微粒子であるが、添加量に配慮する等して
フィルム基材の透明性を損なわないのであれば、二酸化
珪素微粒子の他に、二酸化チタン微粒子やチタン酸バリ
ウム微粒子なども、凝集性が少なく安定な担持体として
併用することができる。これら担持体微粒子の平均粒子
径としては、0.01〜5.0μmが好ましく、1.0
〜4.0μmがより好ましい。
【0015】本発明において担持体微粒子を抗菌性にす
るための抗菌性金属としては、銀が抗菌性が高く、安全
性が高く、比較的安定でもあるので最適であるが、場合
によっては銅、亜鉛などの抗菌性金属を用いることもで
きるし、これらを併用することもできる。二酸化珪素微
粒子等の担持体微粒子の表面に抗菌性金属微粒子を分散
付着させる方法としては、特に限定することはなく、公
知の製法を含めて種々の方法を採用することができる。
一例を挙げれば、二酸化珪素微粒子を水性溶媒中に分散
させ、これに抗菌性金属化合物の水溶液を加えて混合す
るか、抗菌性金属化合物の水溶液に二酸化珪素微粒子を
分散させ、このようにして得られた混合体に還元剤を添
加し、二酸化珪素微粒子の表面に抗菌性金属の微細粒子
を析出させると言う方法がある。
【0016】二酸化珪素微粒子に対する抗菌性金属微粒
子の付着量は、二酸化珪素微粒子100重量部に対し抗
菌性金属微粒子1〜30重量部であることが好ましい。
本発明の抗菌性フィルムは、例えば、フィルム原材料に
抗菌性二酸化珪素微粒子粉末を混ぜ合わせた後、得られ
た混合物をTダイからシート状に溶融押出しし、冷却ド
ラムで急冷し、続いて、得られた未延伸シートを逐次ま
たは同時に二軸延伸し、熱固定することによって製造す
ることができる。本発明の抗菌性フィルムはまた、チュ
ーブラ法を用いて製膜することも可能である。
【0017】この場合において、抗菌性二酸化珪素微粒
子は、その表面の一部がフィルム基材の表面から露出し
ておれば良いのであるが、その表面頂部の突出高さが
0.001〜4.0μmであることが好ましく、0.5
〜2.0μmであることがより好ましい。フィルム基材
の表面から一部が露出している抗菌性二酸化珪素微粒子
の数は、0.1mm2 あたり1〜200個が好ましく、
3〜100個がより好ましい。
【0018】このようにして得られた抗菌性フィルム
は、そのフィルム基材表面に抗菌性二酸化珪素微粒子の
一部が露出することによって持続性抗菌効果を発揮する
ことができ、かつ透明性に優れているので、肉、魚、野
菜、チーズの包装や、缶貼りなどの食品包装用途、靴下
などの衣類用途、壁紙、タイル貼りなどの建材、トイレ
タリー用途、自動車、電気電子用途などに用いることが
できる。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により、具体的に説明
するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されない。 〔抗菌性二酸化珪素微粒子の製造〕硝酸銀4.0gを9
0mlの水に溶解し、これにアンモニア水10mlを加
えて硝酸ジアミン銀溶液を生成させた。これに二酸化珪
素微粒子(平均粒子径2.0μm)粉末47.5gと水
250mlを加え、超音波により分散させた。この分散
液にブドウ糖5gを含むブドウ糖水溶液50mlを加
え、40〜60°Cで1時間攪拌し、二酸化珪素微粒子
の表面に金属銀を析出させた。得られた抗菌性二酸化珪
素微粒子(銀付着二酸化珪素微粒子)をデカンテーショ
ンにより分離し、洗浄、乾燥して50gの抗菌性二酸化
珪素微粒子(銀付着量5重量%)粉末を製造した。
【0020】〔実施例1、比較例1〕上記のようにして
得られた抗菌性二酸化珪素微粒子粉末を、ポリエチレン
テレフタレートに対して0.05重量%加えて混合した
後、280°CでTダイより溶融押出しし、30°Cの
ドラム上で冷却し、未延伸フィルムを得た。続いて、9
0°Cで縦方向3.5倍、110°Cで横方向3.5倍
に逐次二軸延伸した後、230°Cで5秒間熱セットを
施して、厚み25μmの抗菌性二酸化珪素微粒子練り込
み二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(抗菌
性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)を製
造した。得られた抗菌性二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルムで食パンを包装し、23°C、50%R
Hの条件で保存試験(抗菌性試験)をした。比較例1と
して、銀を付着させなかった二酸化珪素微粒子粉末0.
05重量%練り込み二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを製造し、実施例1と同様の試験をし、その
結果を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】なお、表1の抗菌効果の評価は、黴発生ま
での日数が12日目以降なら◎、7〜11日目なら○、
6日目以内なら×とした。得られた抗菌性二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルムと比較例1の二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムの三次元表面粗
さ、曇度を測定し、結果を表1に示した。
【0023】〔実施例2〜3〕実施例1において抗菌性
二酸化珪素微粒子粉末の添加量をそれぞれ0.10重量
%、0.60重量%に変更した以外は実施例1と同様に
して、厚み25μmの抗菌性二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを製造した。実施例1と同様にし
て、得られた抗菌性二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの抗菌性試験をし、三次元表面粗さ、曇度を
測定し、結果を表1に示した。
【0024】〔比較例2〕二酸化珪素微粒子粉末の代わ
りに二酸化チタン微粒子(平均粒子径2.0μm)粉末
を用いた以外は、抗菌性二酸化珪素微粒子の製造方法と
同様にして抗菌性二酸化チタン微粒子粉末を製造した。
これを用い、実施例1と同様にして、厚み25μmの銀
付着二酸化チタン微粒子練り込み二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルム(抗菌性ポリエチレンテレフタ
レートフィルム)を製造した。実施例1と同様に、得ら
れた抗菌性ポリエチレンテレフタレートフィルムの抗菌
性試験をし、三次元表面粗さ、曇度を測定し、結果を表
1に示した。
【0025】〔比較例3〕抗菌性二酸化珪素微粒子粉末
を添加しないで、実施例1と同様にして、厚み25μm
の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを製造
し、実施例1と同様にして、得られた二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムの抗菌性試験をし、三次元
表面粗さ、曇度を測定し、結果を表1に示した。
【0026】〔実施例4、比較例4〕実施例1に用いた
抗菌性二酸化珪素微粒子粉末を、ナイロン6に対して
0.05重量%加え混合した後、230°CでTダイよ
り溶融押出しし、20°Cのドラム上で冷却して未延伸
フィルムを得た。続いて、190°Cで縦方向3.0
倍、横方向3.3倍に逐次二軸延伸した後、200°C
で5秒間熱セットを施して、厚み25μmの抗菌性二酸
化珪素微粒子練り込み二軸延伸ナイロン6フィルム(抗
菌性二軸延伸ナイロン6フィルム)を製造した。得られ
た抗菌性二軸延伸ナイロン6フィルムで食パンを包装
し、23°C、50%RHの条件で抗菌性試験をした。
比較例4として、銀を付着させなかった二酸化珪素微粒
子粉末0.05重量%練り込み二軸延伸ナイロン6フィ
ルムを製造し、実施例4と同様の試験をし、その結果を
表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】なお、表2の抗菌効果の評価は、黴発生ま
での日数が12日目以降なら◎、7〜11日目なら○、
6日目以内なら×とした。得られた抗菌性二軸延伸ナイ
ロン6フィルムと比較例4の二軸延伸ナイロン6フィル
ムの三次元表面粗さ、曇度を測定し、結果を表2に示し
た。
【0029】〔実施例5〜6〕抗菌性二酸化珪素微粒子
粉末の添加量をそれぞれ0.10重量%、0.60重量
%に変更した以外は実施例4と同様にして、厚み25μ
mの抗菌性二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。実
施例4と同様にして、得られた抗菌性二軸延伸ナイロン
6フィルムの抗菌性試験をし、三次元表面粗さ、曇度を
測定し、結果を表2に示した。
【0030】〔比較例5〕比較例2で用いた抗菌性二酸
化チタン微粒子粉末を用いた以外は実施例4と同様にし
て、厚み25μmの抗菌性二酸化チタン微粒子練り込み
二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。実施例4と同
様にして、得られた抗菌性二軸延伸ナイロン6フィルム
の抗菌性試験をし、三次元表面粗さ、曇度を測定し、結
果を表2に示した。
【0031】〔比較例6〕抗菌性二酸化珪素微粒子粉末
を添加しなかった以外は実施例4と同様にして、厚み2
5μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを製造し、実施例
4と同様に、得られた二軸延伸ナイロン6フィルムの抗
菌性試験をし、三次元表面粗さ、曇度を測定し、結果を
表2に示した。
【0032】なお、実施例、比較例の評価に用いた評価
法は、次の通りである。 (1)三次元表面粗さ 添加した抗菌性または非抗菌性の微粒子のフィルム基材
表面からの突出高さと単位面積(0.1mm2 )あたり
の数を評価する試験である。JIS B−0601に準
じて、触針式表面粗さ計で、10点平均山高さSRz
単位面積あたりの山の数SPc を測定した。 (2)曇度 透明性を評価する試験である。ASTM D1003−
92に準じて、ヘーズメーターで、フィルムの曇度を測
定した。数字が小さいほど、透明性が高い。
【0033】
【発明の効果】本発明にかかる抗菌性フィルムは、抗菌
効果を持ち、しかも透明性に優れる。本発明にかかる抗
菌性フィルムを用いると、フィルム表面に付着した微生
物の生育を抑制殺菌できるので、食品の保存期間を延長
できたり、トイレタリーなどをクリーンな状態に保つこ
とができたりと、優れた抗菌効果が得られる。
【0034】本発明にかかる抗菌性フィルムは、抗菌性
を付与する手段として、二酸化珪素微粒子の表面に抗菌
性金属微粒子を付着させてなる抗菌性二酸化珪素微粒子
を用いているので、抗菌性金属をそのまま用いるのに比
較して安価であり、抗菌性も持続する。本発明にかかる
抗菌性フィルムは、その基本的構成は従来のフィルムと
変わらないのであって、従来のフィルムと同様にフィル
ム基材用樹脂に抗菌性二酸化珪素微粒子を練り込むよう
にしてなるものであるので、スリップ性の調整が容易で
あり、印刷加工やラミネート加工の場合の加工適正に優
れる。
【0035】本発明にかかる抗菌性フィルムは、以上の
効果を有するので、食品包装、衣類、トイレタリー、建
材、自動車、電気電子用途など各種の利用分野に汎用で
きる。本発明にかかる抗菌性二酸化珪素微粒子は、上記
の抗菌性フィルムを容易、安価に得させることができ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明性を保った状態で二酸化珪素微粒子を
    分散含有し、前記分散状態の二酸化珪素微粒子のうちの
    少なくとも一部はその表面部分をフィルム基材の表面か
    ら露出させているフィルムにおいて、前記二酸化珪素微
    粒子として、二酸化珪素微粒子の表面に抗菌性金属微粒
    子を付着させてなる抗菌性二酸化珪素微粒子が用いられ
    ていることを特徴とする抗菌性フィルム。
  2. 【請求項2】フィルム基材が二軸延伸フィルム基材であ
    る、請求項1記載の抗菌性フィルム。
  3. 【請求項3】抗菌性金属微粒子が銀微粒子、銅微粒子お
    よび亜鉛微粒子のうちの少なくとも1種である、請求項
    1または2記載の抗菌性フィルム。
  4. 【請求項4】二酸化珪素微粒子に対する抗菌性金属微粒
    子の付着量が、二酸化珪素微粒子100重量部に対し抗
    菌性金属微粒子1〜30重量部である、請求項1から3
    までのいずれかに記載の抗菌性フィルム。
  5. 【請求項5】抗菌性二酸化珪素微粒子の含有量が、フィ
    ルム基材の重量に対して0.001〜5.0重量%であ
    る、請求項1から4までのいずれかに記載の抗菌性フィ
    ルム。
  6. 【請求項6】抗菌性二酸化珪素微粒子の平均粒子径が
    0.01〜5.0μmである、請求項1から5までのい
    ずれかに記載の抗菌性フィルム。
  7. 【請求項7】抗菌性二酸化珪素微粒子表面の頂部がフィ
    ルム基材表面から0.001〜4.0μmの高さで突出
    している、請求項1から6までのいずれかに記載の抗菌
    性フィルム。
  8. 【請求項8】フィルム基材表面から露出する抗菌性二酸
    化珪素微粒子の数が0.1mm2 あたり1〜200個で
    ある、請求項1から7までのいずれかに記載の抗菌性フ
    ィルム。
  9. 【請求項9】二酸化珪素微粒子の表面に抗菌性金属微粒
    子を付着させてなる抗菌性二酸化珪素微粒子。
  10. 【請求項10】抗菌性金属微粒子が銀微粒子、銅微粒子
    および亜鉛微粒子のうちの少なくとも1種である、請求
    項9記載の抗菌性二酸化珪素微粒子。
  11. 【請求項11】二酸化珪素微粒子に対する抗菌性金属微
    粒子の付着量が、二酸化珪素微粒子100重量部に対し
    抗菌性金属微粒子1〜30重量部である、請求項9また
    は10記載の抗菌性二酸化珪素微粒子。
  12. 【請求項12】平均粒子径が0.01〜5.0μmであ
    る、請求項9から11までのいずれかに記載の抗菌性二
    酸化珪素微粒子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000044745A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Nippon Polystyrene Kk スチレン系樹脂組成物からなるインフレーションフィルム
CN102314995A (zh) * 2010-06-23 2012-01-11 Tdk株式会社 电子零件
JP2014040416A (ja) * 2012-08-10 2014-03-06 Tsukasa Sakurada 殺菌および脱臭剤およびその製造方法ならびにその使用方法
JP2016043961A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 積水化成品工業株式会社 収容トレイ及び収容トレイの製造方法

Cited By (4)

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