JPH1087592A - 一酸化窒素発生剤 - Google Patents

一酸化窒素発生剤

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JPH1087592A
JPH1087592A JP24057396A JP24057396A JPH1087592A JP H1087592 A JPH1087592 A JP H1087592A JP 24057396 A JP24057396 A JP 24057396A JP 24057396 A JP24057396 A JP 24057396A JP H1087592 A JPH1087592 A JP H1087592A
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JP
Japan
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nitric oxide
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compound
present
alkyl group
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JP24057396A
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English (en)
Inventor
Ken Fujimori
憲 藤森
Shigeyuki Namiki
繁行 並木
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DOUJIN KAGAKU KENKYUSHO KK
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DOUJIN KAGAKU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記式〔R1及びR2は水素原子又はC1-6
ルキル基(該アルキル基は水酸基等で置換されていても
よい)を示し;R3、R4、R5、及びR6は水素原子若しくは
C1-6アルキル基を示すか、又は、R5及びR6は結合してそ
れらが結合するフェニル基上の炭素原子とともにベンゼ
ン環を示す〕で表される化合物及びその塩を含む一酸化
窒素発生剤。 【化1】 【効果】 光照射により試験系内で一酸化窒素を簡便に
発生できるので、生化学等の研究用試薬として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光照射により一酸
化窒素を発生する性質を有する新規なN-ニトロソアミン
化合物、及び該化合物の一酸化窒素発生剤として用途に
関する。
【0002】
【従来の技術】一酸化窒素は、平滑筋の弛緩及び血小板
凝集・粘着抑制作用などの生理作用のほか、免疫系の標
的細胞障害機構への関与や、神経情報伝達二次メッセン
ジャーとしての作用を有しており、極めて重要な生理活
性物質であることが明らかにされつつある。しかしなが
ら、一酸化窒素は非常に反応性の高い不安定フリーラジ
カルであり、一酸化窒素合成酵素(NO synthase) により
アルギニンのグアニジノ窒素と酸素とから生合成された
後、非常に複雑な反応カスケードを伴って速やかに多く
の生体内物質と反応してしまう。従って、生体内におけ
る一酸化窒素の作用を正確に解明することは極めて困難
であり、その生理作用について相反する報告も多い(例
えば、虚血−再潅流系において、一酸化窒素が組織障害
を起こすという説、障害から保護するという説、全く無
関係であるとする説がある)。
【0003】実験系中での一酸化窒素の作用を調べるに
際して、一酸化窒素の水溶液を系に添加する方法が一般
的に採用されている。しかしながら、一酸化窒素自体は
不安定な気体であるために、水溶液を作成することが煩
雑であるうえ、調製中に揮発するので正確な希釈を行う
ことは事実上不可能である。さらに、水溶液を系中に加
えたとしても、一酸化窒素の濃度は急速に減少していく
ので、持続的に一定濃度の一酸化窒素が存在する生理的
環境を再現することは不可能である。
【0004】このような理由から、実験系における一酸
化窒素発生源として、系中で一酸化窒素を放出すること
のできる一酸化窒素発生剤(一酸化窒素供与体、あるい
は一酸化窒素ドナーとも呼ばれる場合がある)が用いら
れてきた。この様な一酸化窒素発生剤として、従来、ニ
トログリセリン(GTN) や硝酸イソソルビド(ISDN)などの
有機硝酸エステル類や、ニトロプルシッドナトリウム(S
NP) 、N-ニトロソアセチルペニシルアミン(SNAP)などの
ニトロソチオール類などが知られている。
【0005】しかしながら、これらの試薬は、いずれも
自発的に一酸化窒素を放出するものではなく、チオール
化合物との反応により一酸化窒素を生成するので、利用
可能な一酸化窒素発生量が少ないという問題がある。ま
た、試薬を使用できる系が限られたり、試薬が一酸化窒
素以外の代謝系に影響を与えたり、一酸化窒素発生プロ
フィールが変化してしまうという問題も生じることが指
摘されていた。従って、一酸化窒素発生量と発生場所を
コントロールでき、その他の代謝系に実質的に関与しな
い一酸化窒素発生剤の開発が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、一酸化窒素発生剤であって、一酸化窒素の発生量と
発生場所を外部因子によりコントロールできる発生剤を
提供することにある。また、本発明の課題は、上記の特
徴を有する一酸化窒素発生剤であって、生体内の一酸化
窒素代謝系以外の代謝系に対して実質的に影響を与えな
い発生剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意努力した結果、特定の新規ニトロソアミ
ン化合物に紫外領域ないし可視領域の光を照射すると、
一酸化窒素が速やかに発生することを見いだした。ま
た、該化合物を用いると、試料中の所望の部位において
効率的に大量の一酸化窒素を供給でき、かつ、該化合物
が一酸化窒素代謝系以外の代謝系に対して実質的に影響
を与えないことを見いだした。本発明はこれらの知見を
基にして完成されたものである。
【0008】すなわち本発明は、下記の式(I):
【化2】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はC1-6
ルキル基(該アルキル基は水酸基、カルボキシル基、若
しくはC1-6アルコキシカルボニル基で置換されていても
よい)を示し;R3、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立に水
素原子若しくはC1-6アルキル基を示すか、又は、R3及び
R4はそれぞれ独立に水素原子若しくはC1-6アルキル基を
示し、かつ、R5及びR6は結合してそれらが結合するフェ
ニル基上の炭素原子とともにベンゼン環(該ベンゼン環
は置換基を有していてもよい)を示す〕で表される化合
物及びその塩を提供するものである。
【0009】本発明の別の態様によれば、上記化合物又
はその塩を含む一酸化窒素発生剤;好ましくは、光照射
により一酸化窒素を発生する上記一酸化窒素発生剤が提
供される。また、上記化合物又はその塩を含む生理的環
境の系において光照射により該系内で一酸化窒素を発生
させる方法;及び、その好ましい態様として、波長が20
0〜700 nm程度の単色光を照射する工程を含む上記の方
法が提供される。さらに、上記一酸化窒素発生剤を含む
生体組織又は生体試料中の微小部位に光ファイバーを用
いて光照射し、該照射部位において限局的に一酸化窒素
を発生させる方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】上記式(I) 中、R1及びR2は、それ
ぞれ独立に、水素原子又はC1-6(炭素数 1〜6 個の)ア
ルキル基、好ましくは水素原子又はC1-4アルキル基を示
す。R1及びR2は同一であっても異なっていてもよいが、
本発明の化合物の製造の観点からは、両者が同一である
ことが好ましい。アルキル基は直鎖又は分枝鎖のいずれ
でもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、
sec-ブチル基、tert- ブチル基、n-ペンチル基、又はn-
ヘキシル基などを用いることができ、好適には、メチル
基、エチル基、特に好ましくはメチル基を用いることが
できる。
【0011】R1及びR2がそれぞれ示すC1-6アルキル基
は、それぞれ、水酸基、カルボキシル基、及びC1-6アル
コキシカルボニル基からなる群から選ばれる1個又は2
個以上、好ましくは1個の官能基を有していてもよい。
C1-6アルコキシカルボニル基を構成するアルコキシ基と
しては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキ
シ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ
基、tert- ブトキシ基、n-ペントキシ基、又はn-ヘキソ
キシ基などを用いることができる。アルコキシカルボニ
ル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基などが好適である。R1及びR2がそれぞれ
示すC1-6アルキル基上の上記官能基の結合位置は特に限
定されず、例えば、アルキル鎖末端の炭素原子、又は窒
素原子に結合した炭素原子など任意の炭素原子に結合す
ることができる。
【0012】R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に水
素原子又はC1-6アルキル基を示す。C1-6アルキル基とし
ては上記のものを用いることができ、例えば、メチル
基、エチル基などが好ましい。R3、R4、R5、及びR6は、
それらの全て又は一部が同一であってもよいが、全て異
なっていてもよい。例えば、R3、R4、R5、及びR6が全て
メチル基である化合物、又はR3、R4、R5、及びR6が全て
水素原子である化合物は本発明の好ましい化合物であ
る。
【0013】また、上記の式(I) において、R3及びR4
それぞれ独立に水素原子若しくはC1-6アルキル基を示
し、かつ、R5及びR6は結合してそれらが結合するフェニ
ル基上の炭素原子とともにベンゼン環を示す。この場
合、本発明の化合物の母核は、1,4-ジニトロソアミノナ
フタレンを構成する。R3及びR4は同一でも異なっていて
もよい。C1-6アルキル基としては上記のものを用いるこ
とができ、例えば、メチル基、エチル基などが好まし
い。R5及びR6並びにそれらが結合するフェニル基上の2
個の炭素原子により構成されるベンゼン環は、無置換の
ベンゼン環であってもよいが、その環上に、例えば1個
又は2個以上、好ましくは1個又は2個の置換基が存在
していてもよい。例えば、2個のC1-6アルキル基、好ま
しくは2個のメチル基が存在していてもよい。これらの
うち、R3及びR4が同時に水素原子であり、かつ、R5及び
R6並びにそれらが結合するフェニル基上の2個の炭素原
子が無置換のベンゼン環を構成する場合は本発明の化合
物の好ましい態様である。
【0014】本発明の化合物の好ましい例を以下の表1
に示すが、本発明の化合物はこれらに限定されることは
ない。表中、 Me 及び Et はそれぞれメチル基及びエチ
ル基を示し、R5及びR6について-CH=CH-CH=CH- と記載し
てあるのは、それらが結合するフェニル基上の炭素原子
とともに無置換のベンゼン環を形成していることを示
す。
【0015】
【表1】 ──────────────────────── No. R1 R2 R3 R4 R5 R6 ──────────────────────── 1 -H -H -H -H -H -H 2 -Me -Me -H -H -H -H 3 -Me -Et -H -H -H -H 4 -Me -Me -Me -Me -H -H 5 -Me -Me -Me -Me -Me -Me 6 -Me -Me -Et -Et -Me -Me 7 -Me -Me -H -H -CH=CH-CH=CH- 8 -Me -Me -Me -Me -CH=CH-CH=CH- 9 -CH2COOH -CH2COOH -H -H -H -H 10 -CH2COOH -Me -H -H -H -H 11 -CH2COOH -CH2COOH -Me -Me -H -H 12 -CH2COOMe -CH2COOMe -H -H -H -H 13 -CH2COOEt -CH2COOEt -H -H -H -H 14 -CH2COOMe -CH2COOMe -H -H -CH=CH-CH=CH- 15 -CH2OH -CH2OH -H -H -H -H ────────────────────────
【0016】本発明の化合物のうち、特に好ましいもの
を以下に示すが、本発明の化合物はこれらに限定される
ことはない。
【化3】
【0017】本発明の化合物は、R1〜R6の種類に応じて
塩の形態をとりうるが、このような塩も本発明の範囲に
包含される。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸
塩、硝酸塩などの鉱酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、
メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機
酸塩を用いることができ、塩基付加塩としては、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩、アン
モニウム塩、メチルアミン塩などの有機アミン塩を用い
ることができる。また、任意の水和物、溶媒和物も本発
明の範囲に包含される。さらに、本発明の化合物は、R1
〜R6の種類に応じて1個又は2個以上の不斉炭素を有す
る場合があるが、このような1又は2以上の不斉炭素に
基づく任意の光学活性体及び任意のジアステレオ異性体
も本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。
【0018】本発明の化合物は、一般的には、対応の1,
4-ジアミノベンゼン (パラフェニレンジアミン) 又は1,
4-ジアミノナフタレンを原料化合物として用い、必要に
応じてアミノ基を修飾した後、亜硝酸ナトリウムなどを
用いてN-ニトロソ化することにより容易に製造すること
ができる。代表的な化合物について、本明細書の実施例
に具体的な製造方法を示したが、本発明の化合物の製造
方法はこれらの製造方法に限定されることはない。な
お、対応の1,4-ジアミノベンゼンの多くは市販されてお
り容易に入手可能である。また、1,4-ジアミノナフタレ
ン化合物については、ドイツ特許公報 DE2555515 (1975
年12月10日発行)、特開昭51-133237 号公報 (1976年11
月18日発行)などに記載された1,4-ジアミノベンゼン誘
導体の製造方法に従って製造することができる。
【0019】本発明の化合物は、紫外領域ないし可視領
域の光を照射することにより、一酸化窒素を放出する性
質を有している。従って、本発明の化合物は光応答性の
一酸化窒素発生剤として用いることができ、生化学や生
理学の分野における研究用の試薬として有用である。本
発明の化合物の活性化に用いる光源としては、紫外領域
ないし可視領域の光、例えば、200 〜700 nm程度、好ま
しくは 280〜400 nm程度の波長の光を発生できるものな
らば特に限定されないが、例えば、フラッシュランプや
レーザーなどを使用できる。例えば、キセノンランプの
光源からモノクロメーターを通して余分な光を除いた後
に、先端の直径が 3〜800 μm 程度の任意の大きさの合
成石英光ファイバーに導き、マイクロマニピュレータな
どで操作して非破壊実験動物の極めて微小部位に光を照
射することによれば、本発明の化合物から極めて限局さ
れた特定の部位に対して一酸化窒素を供給することが可
能になる。
【0020】本発明の化合物は、一分子あたり2分子の
一酸化窒素を放出できるので、所望の系内に効率的に大
量の一酸化窒素を供給できるという特徴がある。また、
いかなる特定の理論に拘泥するわけではないが、本発明
の化合物は、2分子の一酸化窒素を放出した後に、分子
内に2個のフリーラジカルを有するが、これらのラジカ
ルは分子内で速やかに再結合し、p-ベンゾキノンジイミ
ン型の化合物となって安定化する。その反応式を以下に
示すが、本発明の範囲をいかなる面においても限定する
ものと解釈すべきではない。
【0021】
【化4】
【0022】このため、本発明の化合物を用いて一酸化
窒素を放出させると、長寿命のフリーラジカル化合物が
系内に残存することがなく、一酸化窒素代謝系以外の代
謝系がフリーラジカルによって実質的な影響を受けるこ
ともない。従って、本発明の化合物を一酸化窒素発生剤
として試験研究用に用いると、試験系における一酸化窒
素の作用を正確に観察することができる。
【0023】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定さ
れることはない。 例1:本発明化合物 (表1中の化合物 No.2: R1=R2=Me;
R3=R4=R5=R6=Hの化合物)の製造
【化5】
【0024】200 mlナスフラスコにp-フェニレンジアミ
ン(1) 5.4 g (0.05 mol)とピリジン8.3 g (0.12 mol)
の80 ml ジクロロメタン溶液を入れ、クロロ炭酸エチル
1.1g (0.102 mol)をゆっくり滴下し、滴下終了後に一
晩撹拌した。生じた沈殿を濾取し、水とジクロロメタン
でよく洗浄した。デシケーター中で減圧乾燥し、11.5g
の結晶を得た。また、濾液を希硫酸で洗浄した後に溶媒
を留去し、0.66 gの結晶を得た。これらの結晶を合わせ
てメタノール/酢酸エチル混合溶媒から再結晶して中間
体(2) を得た。収量 9.2 g(収率 73%)
【0025】ジムロート冷却管を付けた300 ml三頚フラ
スコに乾燥テトラヒドロフランを入れ、窒素雰囲気下で
LiAlH4 1.5 g (0.039 g)を素早く添加して懸濁させた。
この懸濁液に中間体(2) を撹拌しながら徐々添加し、結
晶が溶解した状態で二晩反応を継続した。反応液に 30%
NaOH 水溶液を加えて無機物をろ別し、ろ液を濃縮して
結晶を得た。得られた結晶に 1N の塩酸を加えて塩酸塩
とし、溶媒を留去した。残査の結晶をメタノールから再
結晶して中間体(3) を得た。収量 0.51g(収率21%)
【0026】以下の操作は、すべて暗室中赤色光下で行
った。100ml ナスフラスコに 0.34g (1.6 mmol)の中間
体(3), 1N 塩酸 3.5 ml 及び水 15 mlを入れ、氷冷しな
がら亜硝酸ナトリウム 0.24 g (3.4 mol) の水溶液 3.5
ml を滴下した。反応液にジクロロメタンを加えて目的
物を抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、シ
リカゲルカラム(直径 2 cm ×長さ 6 cm)を通した。溶
媒を留去した後、得られた結晶をメタノール/アセトン
混合溶媒から再結晶して本発明の化合物を得た。収量
0.12 g (収率40% )1 H-MNR (CDCl3), δ ppm: 3.50(s, 6H), 7.69(s, 4H) IR (ν, cm-1), 1396 (N-N=O) 元素分析 計算値 C ; 49.57 H ; 5.18 N ; 28.83 測定値 C ; 49.29 H ; 5.20 N ; 28.63 m.p. 120〜121 ℃ λmax =299 nm (ε=14,000)
【0027】例2:本発明化合物 (表1中の化合物 No.
9: R1=R2=-CH2COOH; R3=R4=R5=R6=Hの化合物)の製造
【化6】
【0028】p-フェニレンジアミン(1) 25.4 g (0.235
mol)を400 mlのジクロロメタンに溶解し、この溶液に無
水酢酸 50.0 g (0.49 mol)を滴下した。滴下終了後、反
応液をさらに30分間撹拌し、冷蔵庫中に静置して結晶化
させた。結晶を濾取し、蒸留水でよく洗浄した後、デシ
ケーター中で減圧乾燥して中間体(5) を得た。収量45.0
g(収率100%)
【0029】乾燥ジメチルホルムアミド 450 ml に上記
中間体(5) 20.0 g (0.104 mol)を1リットル三頚フラス
コ中で80℃に加熱しながら溶解した。三頚フラスコにジ
ムロート冷却管、滴下ロート、及びL字ガラス管を付
け、窒素雰囲気下で、水素化ナトリウム 5.8 g (0.242
mol)を80℃で少しづつ加えた。30分間撹拌した後、反応
液を50℃まで放冷し、クロロ酢酸エチル 26.4 g (0.215
mol) を加えた。この混合物を50℃で10時間加熱した
後、溶媒を減圧留去した。残査を50 ml の酢酸エチルに
溶解して不溶物を濾去し、濾液を濃縮した。残査をベン
ゼンに溶解してアルミナカラム(直径4 cm×長さ 7 cm
)を通し、溶出液の溶媒を留去して残査を酢酸エチ
ル:ヘキサン=1 :1 の溶液で結晶化させた。得られた
結晶をろ取し、酢酸エチルで洗浄後、デシケーター中で
減圧乾燥して中間体(6) を得た。収量15.4g1 H-NMR, δ ppm: 7.42(s, ArH, 6H), 4.37(s, O-CH2,
4H), 4.21(q, CH2, 4H),1.96(s, CH3-CO, 6H), 1.28(t,
CH3, 6H) m.p. 143〜144 ℃
【0030】以下の操作は、すべて暗室中赤色光下で行
った。15.4 g (0.0422 mol) の中間体(6) を10% 塩酸水
溶液に溶解し、120 ℃で5 時間加熱還流した。反応液を
室温まで放冷した後に氷冷し、亜硝酸ナトリウム 6.0 g
(0.087 mol)を少しづつ加えて、添加終了後30分間撹拌
した。生じた結晶を濾取し、冷水で洗浄した。デシケー
ター中で減圧乾燥し、得られた粗成物 3.9 gをメタノー
ルから再結晶して本発明の化合物を得た。収量3.0 g
(収率 25.2%)1 H-NMR (D2O, NaOD), δ ppm: 4.69(s, 4H), 7.77(s, 4
H) IR (ν, cm-1), 1421 (N-N=O), 1717 (C=O) 元素分析 計算値 C ; 42.55 H ; 3.55 N ; 19.86 測定値 C ; 42.41 H ; 3.62 N ; 19.24 m.p. 145-146℃ (分解) λmax =300 nm (ε=13,500)
【0031】例3:本発明化合物 (表1中の化合物 No.
12: R1=R2=-CH2COOCH3; R3=R4=R5=R6=H の化合物)の製
造 上記例2で得られた本発明の化合物の粗結晶 420 mg
(1.49 mmol) をメタノールに溶解し、ジアゾメタンエー
テル溶液を少量づつ滴下した。滴下終了後、反応液をさ
らに30分間撹拌し、溶媒を留去した。残留物をジクロロ
メタンに溶解し、アルミナのカラム(直径1.7 cm×長さ
2 cm)を通し、得られた黄色溶出液の溶媒を留去した。
残査をメタノール/酢酸エチル混合溶媒から再結晶し、
減圧乾燥して本発明の化合物を得た。収量 350 mg (収
率76%)1 H-NMR (CDCl3), δ ppm: 3.81(s, 6H), 4.71(s, 4H),
7.27(s, 4H) IR (ν, cm-1, nujol), 1738 (C=O), 1520, 1143, 111
6 m.p. 144-145℃ (分解) λmax =264 nm (ε=13,700)
【0032】例4:本発明化合物(表1中の化合物 No.
5: R1=R2=R3=R4=R5=R6=CH3の化合物)の製造 例1と同様にして、2,3,5,6-テトラメチル−p-フェニレ
ンジアミンから本発明の化合物を製造した。1 H-NMR (CDCl3), δ ppm: 2.05(s, 12H), 3.37(s, 6H) IR (ν, cm-1), 1410 (N-N=O) 元素分析 計算値 C ; 48.00 H ; 4.03 N ; 22.39 測定値 C ; 48.17 H ; 4.00 N ; 22.41 m.p. 214〜215 ℃ λmax =364 nm (ε=186)
【0033】例5:本発明化合物の一酸化窒素放出作用 例1及び例2の化合物をテトラヒドロフラン中で光照射
し、放出された一酸化窒素を一酸化窒素消去剤 PTIO を
用いてトラップし、反応前後の PTIO の吸光度の減少を
基にして放出された一酸化窒素の量を求めた。キセノン
ランプを光源とする日本分光製 CT-10強力単色光照射装
置を用い、照射時間を5分として 300 nm の単色光を照
射した。この波長の単色光は、生体に対して実質的に光
化学反応を惹起することがないので、光応答性の一酸化
窒素発生剤の光源として好適である。なお、テトラヒド
ロフランはLiAlH4の存在下で蒸留したものを用い、光量
計としてシュウ酸鉄(II)水溶液を用い、文献記載の方法
(Murov, S.L., Handbookof Photochemistry, pp.119-1
23, Marcel Dekker Inc., New York, 1973)に従って光
量を求めた。
【0034】測定は、光量計溶液の前に PTIO (4.49 ×
10-4M)と例1及び例2の化合物 (各1.81×10-4M)との反
応液を置き、上記文献に記載の方法に従って調製した溶
液の5分間照射前後の 510 nm の吸光度変化を調べた。
また、PTIOの 629 nm(ε: 449)の吸光度変化も調べた。
この結果、例1の化合物及び例2の化合物は光照射によ
り直ちに一酸化窒素を放出することが認められ、それぞ
れの量子収率はφ= 2.02±0.03 (εφ=28,200)及びφ=
1.87±0.08 (εφ=30,400)であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の化合物は光照射により一酸化窒
素を発生することができ、生体内の一酸化窒素代謝系以
外の代謝系に対して実質的に影響を与えないので、一酸
化窒素発生剤などの用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 41/00 A61K 41/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式: 【化1】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はC1-6
    ルキル基(該アルキル基は水酸基、カルボキシル基、若
    しくはC1-6アルコキシカルボニル基で置換されていても
    よい)を示し;R3、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立に水
    素原子若しくはC1-6アルキル基を示すか、又は、R3及び
    R4はそれぞれ独立に水素原子若しくはC1-6アルキル基を
    示し、かつ、R5及びR6は結合してそれらが結合するフェ
    ニル基上の炭素原子とともにベンゼン環(該ベンゼン環
    は置換基を有していてもよい)を示す〕で表される化合
    物及びその塩。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物又はその塩を含
    む一酸化窒素発生剤。
  3. 【請求項3】 光照射により一酸化窒素を発生する請求
    項2に記載の一酸化窒素発生剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の化合物又はその塩を含
    む生理的環境の系において光照射により該系内で一酸化
    窒素を発生させる方法。
  5. 【請求項5】 波長が 200〜700 nm程度の単色光を照射
    する工程を含む請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の化合物又はその塩を含
    む生体組織又は生体試料中の微小部位に光ファイバーを
    用いて光照射し、該照射部位において限局的に一酸化窒
    素を発生させる方法。
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