JPH1087564A - 酢酸ベンジルの製造方法 - Google Patents

酢酸ベンジルの製造方法

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JPH1087564A
JPH1087564A JP8323194A JP32319496A JPH1087564A JP H1087564 A JPH1087564 A JP H1087564A JP 8323194 A JP8323194 A JP 8323194A JP 32319496 A JP32319496 A JP 32319496A JP H1087564 A JPH1087564 A JP H1087564A
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誠 花谷
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隆志 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酢酸ベンジルを効率よく分離・精製して、高
純度の酢酸ベンジルを経済的に製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 トルエン、酢酸及び酸素をオキシアセト
キシル化反応器に供給し反応させて反応器流出物を得、
反応器流出物を気液分離器に供給して、酸素と窒素を主
成分とする気相部と、トルエン、酢酸及び酢酸ベンジル
を主成分とする液相部に分離し、気液分離器から取り出
した液相部を原料回収塔に供給して蒸留し、トルエン及
び酢酸を主成分とする塔頂留分と酢酸ベンジルを主成分
とする塔底液とに分離し、原料回収塔の塔頂留分をオキ
シアセトキシル化反応器に循環させ、原料回収塔の塔底
液を低沸物除去塔に供給して蒸留し、ベンズアルデヒド
を主成分とする塔頂液と酢酸ベンジルを主成分とする塔
底液とに分離し、低沸物除去塔の塔底液を高沸物除去塔
に供給して蒸留し、塔頂より酢酸ベンジルを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酢酸ベンジルの製造
方法に関するものである。さらに詳しく言えば、本発明
は、オキシアセトキシル化能を有する触媒を用い、トル
エンと酢酸及び酸素を液相でオキシアセトキシル化して
高純度の酢酸ベンジルを工業的に効率よく、経済的に製
造する方法に関するものである。酢酸ベンジルは、それ
自身、溶剤や香料として有用であり、更に酢酸ベンジル
を加水分解して得られるベンジルアルコールは、溶解性
に優れた溶剤、無毒性のため医薬用添加物、農薬や医薬
等の中間体としても極めて重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、酢酸ベンジルの工業的製造方法と
しては、トルエンの塩素化で得られるベンジルクロライ
ドをアルカリを用い加水分解し、得られたベンジルアル
コールを酢酸とエステル化反応して製造する方法が知ら
れている。
【0003】この方法は、多段反応であるため各々の反
応に関わる分離・精製工程数が多く非常に複雑なものと
なり、経済的に決して有利であるとは言えない。
【0004】さらに、二段目の加水分解反応では苛性ソ
ーダ等のアルカリがベンジルクロライドと等量以上必要
であり、その際反応後には有機物を含んだ多量の塩が副
生しその処理が問題である。
【0005】一方、工業的に実施されていない製造方法
として、トルエンと酢酸及び酸素をオキシアセトキシル
化能を有する触媒の存在下反応させ酢酸ベンジルを製造
する方法が報告されており、この製造方法ならば、一段
の反応で酢酸ベンジルを製造でき塩の副生も無く、経済
的に有利であり環境にも低負荷となる可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法については、例えば、特公昭42−13081号公
報、特開昭52−151135号公報、特開昭52−1
51136号公報、特公昭50−28947号公報、特
公昭52−16101号公報、及び特開昭63−174
950号公報等、多くの報告がなされているものの、実
際の工業化を考えた場合、酢酸ベンジルを得るための詳
細な分離・精製工程を含めた製造方法については検討さ
れておらず、高純度酢酸ベンジルの製造方法としては満
足できるものではない。
【0007】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、オキシアセトキシル化能を有する
触媒の存在下、トルエンと酢酸及び酸素を液相でオキシ
アセトキシル化して酢酸ベンジルを製造する方法におい
て、酢酸ベンジルを効率よく分離・精製して、高純度の
酢酸ベンジルを経済的に製造する方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、トルエンと酢
酸及び酸素のオキシアセトキシル化反応生成物である酢
酸ベンジルと水、そして未反応のトルエン及び酢酸の各
成分の沸点、溶解度及び共沸関係等を考慮し、さらに各
工程留分を特定な工程に循環することにより、蒸留によ
る酢酸ベンジルの分離・精製プロセスを構築し、これに
より一段の反応でしかも合理的な分離・精製工程を経て
高純度の酢酸ベンジルを経済的に製造することができる
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、オキシアセトキシル
化能を有する触媒の存在下に、トルエンと酢酸及び酸素
を液相でオキシアセトキシル化して酢酸ベンジルを製造
する方法において、 a)トルエン、酢酸及び酸素をオキシアセトキシル化能
を有する触媒を充填したオキシアセトキシル化反応器に
供給して反応させて反応器流出物を得、反応器流出物を
気液分離器に供給して、酸素と窒素を主成分とする気相
部と、トルエン、酢酸及び酢酸ベンジルを主成分とする
液相部に分離し、気液分離器から取り出した液相部を原
料回収塔に供給して蒸留し、トルエン及び酢酸を主成分
とする塔頂留分と酢酸ベンジルを主成分とする塔底液と
に分離し、原料回収塔の塔頂留分をオキシアセトキシル
化反応器に循環させ、 b)原料回収塔の塔底液を低沸物除去塔に供給して蒸留
し、ベンズアルデヒドを主成分とする塔頂液と酢酸ベン
ジルを主成分とする塔底液とに分離し、低沸物除去塔の
塔底液を高沸物除去塔に供給して蒸留し、塔頂より酢酸
ベンジルを得ることを特徴とする酢酸ベンジルの製造方
法である。
【0010】本発明の方法においては、原料としてトル
エンと酢酸を使用する。
【0011】原料として用いられるトルエン及び酢酸は
どのような製法によって製造されたものでも使用可能で
ある。例えば、トルエンは、石油留分から分離されたも
の、石油留分を分解して得られる分解油から分離された
もの等を使用することができ、また酢酸は、アセトアル
デヒドの酸化によって製造されたもの、炭化水素の酸化
によって製造されたもの、メタノールと一酸化炭素から
合成されたもの等のいずれでも用いることができる。
【0012】本発明の方法においては、トルエンと酢酸
及び酸素をオキシアセトキシル化して酢酸ベンジルを得
るために、オキシアセトキシル化反応器にオキシアセト
キシル化能を有する触媒を充填して用いる。
【0013】オキシアセトキシル化能を有する触媒とし
ては、所望のオキシアセトキシル化反応成績を得ること
ができる触媒が特に制限なく使用できる。例えば、オキ
シアセトキシル化活性を持つパラジウムを主成分とする
触媒が好適なものとして挙げられる。具体的には、例え
ば、特公昭42−13081号公報には、アルミナにパ
ラジウムを担持した触媒とアルカリ金属の酢酸塩からな
る触媒系が開示されている。また、特開昭52−151
135号公報及び特開昭52−151136号公報には
シリカに担持したビスマス、モリブデン、マンガン、バ
ナジウム及びタングステンから選ばれる一つをパラジウ
ムと組み合わせた触媒が開示されている。また、特公昭
50−28947号公報には、シリカに担持したビスマ
ス、コバルト及び鉄から選ばれる一成分とパラジウムか
らなる触媒と酢酸カリウムからなる触媒系が開示されて
いる。また、特公昭52−16101号公報には、シリ
カにパラジウム、ビスマス及びクロムを担持した触媒と
アルカリ金属の酢酸塩からなる触媒系が開示されてい
る。さらに、特開昭63−174950号公報には、シ
リカにパラジウムとビスマス又は鉛を担持した触媒と反
応系に可溶なビスマス化合物又は鉛化合物の両方からな
る触媒系が開示されている。本発明においては、これら
の触媒を特に支障なく使用することができる。
【0014】これらの触媒は反応器中に固定床として使
用する。使用する触媒量は、触媒の性能等により一律に
は規定できないが、経済性を勘案すると、単位触媒体積
当たり、単位時間当たりのトルエンと酢酸の合計供給量
(LHSV)として、0.1〜30h-1の範囲となる触
媒量が好ましい。また、反応器の材質は、充分な耐腐食
性を備えておれば特に限定するものではない。例えば、
経済性を考慮してステンレス鋼を用いる場合は、SUS
316以上の耐腐食性に優れた鋼を用いることが好まし
い。
【0015】オキシアセトキシル化反応の形式として
は、例えば、原料液のトルエン、酢酸と所定濃度の酸素
を固定床触媒に連続的に供給し接触させる固定床連続流
通反応方式が用いられる。オキシアセトキシル化反応器
の形式は、特に限定されるものではなく、例えば、単管
式又は多管式の反応器形式でよい。また、この反応は酸
化反応であり発熱を伴う反応であるが、熱の制御方法に
ついても、特に制限はなく、断熱形式、多管式反応器を
用いて反応熱を除熱する形式、又は、原料の分割供給形
式等を採用することが可能である。
【0016】原料液の組成は、トルエンを基準にして酢
酸が0.1〜10(モル比)の範囲で任意の混合比で反
応を行うことができる。
【0017】本発明の方法においては、酸素を酸化剤と
して用いる。酸素は、窒素等の不活性ガスで希釈されて
いてもよく、実用性を考慮すると空気を用いることが好
ましい。
【0018】酸素の供給量は、反応条件、触媒量等によ
って最適量が変わるため一概に限定できないが、オキシ
アセトキシル化反応器の少なくとも出口部分においてガ
ス組成中のトルエン、酢酸及び酢酸ベンジルを合計した
濃度が爆発範囲から外れるような供給量であればかまわ
ない。また、単位触媒体積、単位時間当たりの酸素供給
量(GHSV)は、0℃、1気圧体積換算で5000h
-1以下が好ましい。
【0019】本発明の方法による反応は、通常、加温、
加圧下で実施される。反応温度は、80〜230℃、好
ましくは120〜200℃が選ばれる。これより高くし
ても副反応の進行が増すだけであり、低くすると反応速
度の点で不利になる。また、圧力は、反応温度で触媒表
面が液相に保たれていればよく、3〜100kg/cm
2G、好ましくは5〜50kg/cm2Gが選ばれる。ま
た、反応時間は、反応器内の液の滞留時間として通常
0.03〜10時間が好ましい。
【0020】オキシアセトキシル化反応器からの流出物
は、気液分離装置である気液分離器に供給される。
【0021】気液分離装置としては、独立した気液分離
器の他、オキシアセトキシル化反応器出口での流出物の
取り出し方法によっては気液分離操作が可能であり、こ
の場合は反応器と一体型の気液分離装置及び操作と見な
すことができ、このような形態を使用してもかまわな
い。
【0022】気液分離器からの液相部は、トルエン、酢
酸及び酢酸ベンジルを主成分とする混合液であり、それ
らは原料回収塔に供給される。原料回収塔では蒸留が行
われ、塔頂からは未反応原料であるトルエンと酢酸を主
成分とする混合液が留分として回収され、塔底からは目
的生成物である酢酸ベンジルを主成分とする混合液が得
られる。原料回収塔で回収されたトルエンと酢酸を主成
分とする塔頂留分は、オキシアセトキシル化反応器に循
環される。
【0023】原料回収塔で回収された酢酸ベンジルを主
成分とする塔底液は、そのまま又は温度及び圧力を調整
して低沸物除去塔に供給される。低沸物除去塔では蒸留
が行われ、ベンズアルデヒドを主成分とする塔頂液と酢
酸ベンジルを主成分とする塔底液とに分離される。低沸
物除去塔の蒸留条件は、ベンズアルデヒド等の酢酸ベン
ジルよりも沸点の低い成分を塔頂から除去できれば特に
限定されるものではない。
【0024】低沸物除去塔で回収された酢酸ベンジルを
主成分とする塔底液は、そのまま又は温度及び圧力を調
整して高沸物除去塔に供給される。高沸物除去塔では蒸
留が行われ、塔頂より製品純度の酢酸ベンジルを得る。
また、高沸物除去塔の塔底からは安息香酸や安息香酸ベ
ンジル等の酢酸ベンジルよりも沸点の高い成分が除去さ
れる。高沸物除去塔の蒸留条件は特に限定されるもので
はなく、製品酢酸ベンジルの純度に応じた任意の蒸留条
件が選ばれる。さらに高品質の酢酸ベンジルを製造する
場合は、別の蒸留塔を用いて酢酸ベンジルを蒸留・精製
することも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】図面を使って、本発明の実施態様
を説明する。なお、本発明の実施態様は各種考えられ、
図面に示される実施態様の一例に限定されるものではな
い。
【0026】図1において、オキシアセトキシル化反応
器1には、原料として供給されるトルエンと酢酸及び空
気、また、原料回収塔3及び水除去塔7から循環される
トルエンと酢酸を主成分とする循環液相部、さらに、凝
縮器6から少なくとも一部循環される酸素と窒素を主成
分とする循環気相部が供給される。
【0027】原料の供給方法については特に限定される
ものではないが、反応を液相で行うため触媒の表面が原
料液で覆われていればよく、気液並流又は向流であって
もかまわないし、気液の流れ方向が下向流又は上向流で
あってもかまわない。また、原料液及び/又は空気は、
オキシアセトキシル化反応器1に分割供給してもかまわ
ない。
【0028】オキシアセトキシル化反応器1の気液混相
流となった反応器流出物は、気液分離器2に供給され
る。
【0029】気液分離器2から取り出された気相部は、
凝縮装置である凝縮器6に供給され、トルエン、酢酸、
水及び酢酸ベンジルを主成分とする液相部と、酸素と窒
素を主成分とする気相部に分離される。
【0030】凝縮器6で分離された液相部の少なくとも
一部は、気液分離器2からの液相部に混合して原料回収
塔3に供給され、残りの液相部は水除去塔7に供給され
る。また、凝縮器6で分離された気相部の少なくとも一
部はオキシアセトキシル化反応器1に循環され、残りの
気相部は系外にパージされる。このオキシアセトキシル
化反応器1に少なくとも一部循環される気相部の循環量
は、オキシアセトキシル化反応器1に供給される空気と
混合したときの全気相部中の酸素濃度が所望の濃度にな
るように制御される。
【0031】凝縮装置及び操作は公知であり、本発明に
おいても各種の凝縮装置及び操作を使用できる。また、
凝縮操作を複数回実施することも可能である。例えば、
一回目の凝縮操作により沸点の高いベンズアルデヒドや
酢酸ベンジルをより多く含む凝縮液を取り出し、それら
を原料回収塔3に供給した後で、二回目の凝縮操作によ
り残りの気相部分からトルエン、酢酸及び水を主成分と
する凝縮液を取り出し、それらを水除去塔7に供給する
こともできる。
【0032】この方法を採用すれば、原料回収塔3の負
荷を低減できるとともに、オキシアセトキシル化反応器
1に循環される酢酸ベンジルの循環量が減少するため目
的生成物である酢酸ベンジルの反応収率が向上し、さら
に副反応生成物であるベンズアルデヒドのオキシアセト
キシル化反応器1への循環量を低減する効果もある。水
除去塔7に供給される凝縮器6からの大部分の液相部
は、トルエン、酢酸及び水を主成分とするもので、水除
去塔7で蒸留され、水除去塔7の塔頂からはトルエンと
水が主留分として得られる。このトルエンと水を主成分
とする塔頂留分は静定槽8で液液二相分離され、トルエ
ンを主体とした上相はそのままオキシアセトキシル化反
応器1に循環され、水を主体とした下相は除去される。
また、水除去塔7の塔底からは酢酸が得られそのままオ
キシアセトキシル化反応器1に循環される。
【0033】気液分離器2からの液相部は、凝縮器6で
分離された少なくとも一部の液相部と混合して原料回収
塔3に供給される。この気液分離器2からの液相部と凝
縮器6で分離された少なくとも一部の液相部との混合液
には、酸素及び窒素等の非凝縮ガス成分が溶存してお
り、原料回収塔3に供給する前にフラッシュ蒸発器、真
空脱気器等の公知の装置及び操作によって溶存した非凝
縮ガス成分を取り除くことが好ましい。この方法を採用
すれば、原料回収塔3を小型化できるとともに、非凝縮
ガス成分と同時に系外へ放出される有効成分の損失を抑
制するための原料回収塔3に付属させる凝縮装置等の特
別な装置及び操作が不必要となる。
【0034】原料回収塔3の塔頂留分は、トルエン、酢
酸を主成分とするものでそのままオキシアセトキシル化
反応器1に循環される。
【0035】本発明の方法によれば、オキシアセトキシ
ル化反応器1に循環される未反応原料であるトルエン及
び酢酸を主成分とする循環液相部は少量の水を含む。水
の濃度が高くなった場合、触媒の活性、選択性に悪影響
を及ぼすことがあるため、この場合、オキシアセトキシ
ル化反応器1に供給される原料トルエン及び酢酸と、循
環されたトルエンと酢酸を主成分とする循環液相部との
全混合液中の水の濃度が5重量%以下となるように、気
液分離器2の気液分離条件、凝縮器6の凝縮条件、及び
原料回収塔3又は水除去塔7の蒸留条件を制御すること
が好ましい。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
オキシアセトキシル化能を有する触媒の存在下、トルエ
ンと酢酸及び酸素をオキシアセトキシル化し、この一段
の反応で得られる酢酸ベンジル及び水等の反応生成物と
未反応のトルエン及び酢酸との混合液中から高純度の酢
酸ベンジルを経済的に製造することができる。
【0037】また、気液分離操作と凝縮操作を効率的に
組み合わせることによって、気液混相の反応器流出物か
らの未反応原料の回収・精製が容易に行え、原料回収塔
の負荷を低減することができ、機器コスト削減及び省エ
ネルギー化が可能となり経済的にも工業的にも極めて有
用である。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳しく説明す
るが、本発明が以下の実施例のみに限定されるものでは
ないことは言うまでもない。また、本実施例中では重量
%をすべて%と省略する。
【0039】実施例1 図1を使って実施例を説明する。
【0040】オキシアセトキシル化反応器1に、触媒と
して球状のシリカ担持パラジウム−ビスマス触媒100
ミリリットルを充填した。この反応器1に、トルエン、
酢酸及び原料回収塔3と水除去塔7の蒸留分離操作で回
収された循環液からなる液原料200.5g/h(トル
エン:59.7%、酢酸:39.0%、水:1.2%)
と、空気14.4g/hと循環ガス9.9g/h(酸
素:3.9%、窒素:92.6%)からなるガス原料を
供給し、触媒層入口温度170℃、圧力14kg/cm
2Gで反応させた。
【0041】その結果、次の組成からなる気液混相流出
物224.8g/h(トルエン:47.4%、酢酸:3
1.4%、酢酸ベンジル:8.3%、水:2.2%、ベ
ンズアルデヒド:0.3%、安息香酸:0.6%、安息
香酸ベンジル:0.2%、酸素:0.3%、窒素:9.
0%)を得た。この時の反応器の出口の温度は190℃
であった。
【0042】この気液混相流出物を気液分離器2に供給
し気液分離操作を行った後、気相部を一部凝縮し、この
凝縮液を液相部と混合した。得られた液相部を、常圧化
でフラッシュ蒸発させ、その時発生する気相部を98℃
に冷却して凝縮液を得、フラッシュ蒸発後の液相部と混
合し、117.2g/h(トルエン:46.2%、酢
酸:36.1%、酢酸ベンジル:15.2%、水:0.
3%、ベンズアルデヒド:0.6%、安息香酸:1.1
%、安息香酸ベンジル:0.4%)の流出液を得た。
【0043】この流出液を塔頂圧130Torrの原料
回収塔3に連続的に供給したところ、塔頂からは95.
6g/h(トルエン:56.1%、酢酸:43.6%、
水:0.4%)、塔底からは21.6g/h(酢酸:
1.4%、酢酸ベンジル:86.0%、ベンズアルデヒ
ド:3.2%、安息香酸:6.5%、安息香酸ベンジ
ル:2.3%)の各留分を得た。
【0044】この原料回収塔3の塔底液を一時容器内に
溜め、塔頂圧40Torrの低沸物除去塔4に連続的に
107.9g/hを供給したところ、塔頂から4.3g
/h(トルエン:1.7%、酢酸:20.9%、ベンズ
アルデヒド:77.3%)、塔底から103.6g/h
(酢酸ベンジル:90.2%、安息香酸:6.8%、安
息香酸ベンジル:2.4%)の各留分を得た。
【0045】さらに、この低沸物除去塔4の塔底液を塔
頂圧20Torrの高沸物除去塔5に連続的に供給した
ところ、塔頂から純度99.8%の酢酸ベンジル93.
3g/hを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する際の一例を具体的に示
した工程図である。
【符号の説明】
1 オキシアセトキシル化反応器 2 気液分離器 3 原料回収塔 4 低沸物除去塔 5 高沸物除去塔 6 凝縮器 7 水除去塔 8 静定槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 孝典 三重県四日市市別名5丁目4−10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキシアセトキシル化能を有する触媒の
    存在下に、トルエンと酢酸及び酸素を液相でオキシアセ
    トキシル化して酢酸ベンジルを製造する方法において、 a)トルエン、酢酸及び酸素を、オキシアセトキシル化
    能を有する触媒を充填したオキシアセトキシル化反応器
    に供給し反応させて反応器流出物を得、反応器流出物を
    気液分離器に供給して、酸素と窒素を主成分とする気相
    部と、トルエン、酢酸及び酢酸ベンジルを主成分とする
    液相部に分離し、気液分離器から取り出した液相部を原
    料回収塔に供給して蒸留し、トルエン及び酢酸を主成分
    とする塔頂留分と酢酸ベンジルを主成分とする塔底液と
    に分離し、原料回収塔の塔頂留分をオキシアセトキシル
    化反応器に循環させ、 b)原料回収塔の塔底液を低沸物除去塔に供給して蒸留
    し、ベンズアルデヒドを主成分とする塔頂液と酢酸ベン
    ジルを主成分とする塔底液とに分離し、低沸物除去塔の
    塔底液を高沸物除去塔に供給して蒸留し、塔頂より酢酸
    ベンジルを得ることを特徴とする酢酸ベンジルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法において、酸
    素として空気を、オキシアセトキシル化反応器として固
    定床のオキシアセトキシル化反応器を使用することを特
    徴とする酢酸ベンジルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の製造方法
    において、 c)気液分離器から取り出した気相部を凝縮器に供給
    し、トルエン、酢酸、水及び酢酸ベンジルを主成分とす
    る液相部と酸素と窒素を主成分とする気相部に分離した
    後、少なくとも一部の液相部は原料回収塔に供給し、少
    なくとも一部の気相部はオキシアセトキシル化反応器に
    循環させることを特徴とする酢酸ベンジルの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造方法において、 d)凝縮器から取り出した液相部は水除去塔に供給して
    蒸留し、大部分の水を除去した後、オキシアセトキシル
    化反応器に循環させることを特徴とする酢酸ベンジルの
    製造方法。
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