JPH1087540A - 二価フェノール単位含有熱可塑性ポリマーからビスフェノールaを回収する方法 - Google Patents

二価フェノール単位含有熱可塑性ポリマーからビスフェノールaを回収する方法

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JPH1087540A
JPH1087540A JP17506997A JP17506997A JPH1087540A JP H1087540 A JPH1087540 A JP H1087540A JP 17506997 A JP17506997 A JP 17506997A JP 17506997 A JP17506997 A JP 17506997A JP H1087540 A JPH1087540 A JP H1087540A
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phenol
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ジョス・デ・ヒーア
Gabrie Hoogland
ガブリエ・フーグランド
Srikanth Nanguneri
スリカンス・ナングネリ
Wit Gert De
ゲート・デ・ウィット
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二価フェノール、特にビスフェノールA単位
の反応残基を含む組成物からビスフェノールAを回収す
る。 【解決手段】 ビスフェノールA含有ポリマーを粗砕
し、その粗砕粒子をアルコールその他の水と相溶性でし
かも水溶液から容易に留出できる有機膨潤溶媒で上記粒
子を膨潤するに十分な時間処理し、この膨潤粗砕粒子を
ビスフェノールA残基単位のエステル結合を選択的に切
断するためのアンモニア性水溶液と25℃以上の温度で
接触させて液相と固相を生じさせ、固相から液相を分離
し、該液相からアンモニアと有機膨潤溶媒を蒸留して、
溶解尿素と部分的に沈殿したビスフェノールAを含む水
溶液を得、これに十分量の水を加えてビスフェノールA
を沈殿させて液相と固相とを生じさせ、固相のビスフェ
ノールAを回収し、ビスフェノールAを乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、ポリマー構造中
に二価フェノール単位の反応残基を有する熱可塑性ポリ
マー、特にポリエステル(他の材料とのブレンドを含
む)を含んだ組成物から二価フェノールを回収する方法
に関する。より詳細には、本発明は、ビスフェノールA
を原料とする合成品の製造に再利用するための、有効か
つ有望な商業的回収プロセスによるポリエステルからの
ビスフェノールAの回収に関する。
【0002】
【従来の技術】大量生産材、特に熱可塑性材料の出現に
伴って、熱可塑性樹脂製品及び熱可塑性材料の廃棄物の
処理の問題が益々問題となってきている。多くのプラス
チックは実質的に生分解性ではない。プラスチック製品
をリサイクルするには何段階もの処置を取る必要があっ
たが、これは現在も同様である。残念ながら、リサイク
ル処理は熱可塑性プラスチックの熱処理を伴っており、
そのままでは一般に熱可塑性プラスチックの化学的性質
及び物理的性質が共に損なわれる結果となり、新品に比
べて性能に影響がでることになる。プラスチックを熱処
理に曝露するごとに、耐衝撃性、荷重及び温度変形、引
張強さ、曲げ強さ、伸び、流動性などの性質の低下を招
くおそれがある。消費製品の製造に益々大量の熱可塑性
樹脂が使用されるようになっているので、こうした屑プ
ラスチックのジレンマは前にも増して大きくなってい
る。明らかに、屑プラスチックを回収してそれらを有用
な化学成分に変換する方法があれば社会にもプラスチッ
ク産業にも有益であろう。
【0003】米国特許第4885407号には、ポリカ
ーボネートのような芳香族ポリエステルのスクラップも
しくは廃棄物から二価フェノールを回収する方法が記載
されている。この方法では、ポリカーボネートをアンモ
ニア性水溶液及び塩化メチレンのようなポリカーボネー
トに対する溶媒と接触させて、上層の水性相と下層の塩
化メチレン相との2つの液相を形成する。これら2つの
液相を分離して塩化メチレンを液相から蒸発させる。塩
化メチレンが環境上問題となるのは明らかである。
【0004】
【発明の概要】今回、驚くべきことに、ポリカーボネー
トやコポリエステルカーボネートやポリアリーレートな
どの芳香族ポリエステルのエステル結合を効率的に分離
し選択的に切断する方法が発見され、本発明によって開
発された。簡単に述べると、このプロセスでは例えば芳
香族ポリカーボネートをメタノールのような膨潤溶媒と
しばらくの間接触させ、次いでアンモニア性水溶液を加
える。アンモニア性水溶液は、ポリカーボネートのエス
テル結合を選択的に切断して水性相に可溶性のビスフェ
ノールAのアンモニウム塩(アンモニウムフェノラー
ト)を形成するに十分な強度のものである。二相系、す
なわち液相と固相が生成し、その液相には尿素とビスフ
ェノールAのアンモニウム塩が含まれている。相の分離
は濾過で達成される。固相にはその他の物質、例えば充
填材、顔料、強化材、さらにアクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン(ABS)やポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)のような他の高分子材料などが含まれてい
る。この液相から、低沸点のメタノールと過剰アンモニ
アを留出させる。この蒸留操作で、水に溶解した尿素と
沈殿によって部分的に分離したビスフェノールAとが残
留する。十分な量の水を加えて溶液からビスフェノール
Aをすべて析出させ、濾過により取り除く。この固体ビ
スフェノールAを乾燥し、適宜精製すれば各種化学反応
における中間体としてすぐに使用できる状態になる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリマー構造中に二価
フェノール単位の反応残基を有する熱可塑性ポリマーを
含んだ組成物から二価フェノール、特にビスフェノール
Aを回収する新規方法に関する。このような熱可塑性樹
脂には好ましくはポリマー構造中に二価フェノール単位
の反応残基を含むポリエステル又はかかるポリエステル
と他の物質のブレンドが含まれる。本発明の方法は、下
記の段階: (a)ポリマー構造中に二価フェノール単位の反応残基
を有する熱可塑性ポリマーを含んだ組成物を粗砕する段
階、(b)粗砕した粒子を、水と相溶性でしかも水溶液
から容易に留出できる有機膨潤溶媒で上記粒子を膨潤す
るに十分な時間処理する段階、(c)膨潤した粒子を、
上記熱可塑性ポリマー中の二価フェノール単位のエステ
ル結合を選択的に切断するに十分な強度のアンモニア性
水溶液と25℃以上の温度で接触させて、液相と固相と
を生じさせる段階、(d)固相から液相を分離する段
階、(e)液相からアンモニアと有機膨潤溶媒を蒸留す
る段階、(f)溶解尿素と部分的に沈殿した二価フェノ
ールとを含む段階(e)の残留物に十分量の水を加えて
二価フェノールを沈殿させ、液相と二価フェノールの固
相とを生じさせる段階、(g)固相を液相から分離する
段階、及び(h)段階(g)の二価フェノール沈殿を乾
燥する段階を含んでなる。
【0006】本発明におけるポリマー粒子の膨潤は該粒
子の溶解を基本的に伴わずに該粒子の自由体積を増大さ
せる。例えば、アルコールはポリカーボネートのような
二価フェノールを溶解しない。上記のようにして回収さ
れた二価フェノールは、蒸留、溶媒中での再結晶、真空
蒸留、活性炭吸着或いはその他の精製プロセスなどの手
段によってさらに精製してもよい。
【0007】本発明の実施において、段階(f)の水性
液相は溶解尿素を含んでいるが、この尿素は後で水溶液
から回収することができる。別法として、回収された尿
素はその構成要素、すなわちアンモニアと二酸化炭素に
精製又は分離することもでき、これらのアンモニアと二
酸化炭素及び尿素自体も化学工業において商業用途をも
つ。
【0008】熱可塑性樹脂製品をどの程度の粒度に粗砕
するかは本発明の加アンモニア分解化学においては重要
でない。ただし、粗砕物の平均粒度は、本発明の膨潤段
階における有機膨潤溶媒への曝露表面積が大きくなるよ
うに、約0.2〜約10mmであるのが好ましい。一般
に、粗砕が細かいほど、膨潤時間は短く、後段における
所望の収率の二価フェノールを得るための反応時間も短
くなる。熱可塑性材料を粗砕する際の粒子の好ましい大
きさは、組成によっても左右される。ポリカーボネート
から主としてなる組成物であっても、粒度は膨潤及び反
応時間に好ましい影響を与える。明らかに、粒度が小さ
いほど、膨潤現象及び反応時間はより効率的になる。た
だし、組成物がポリカーボネートと別の二価フェノール
単位の反応残基を含んでいないポリマーのような他の物
質とのブレンドである場合には、細かな粗砕は膨潤時間
と反応時間に影響を与えるだけでなく、より細かな粗砕
のために表面積が増大することによって反応の効率にも
影響を与えるであろう。
【0009】本発明のプロセスの膨潤段階における有機
膨潤溶媒での粒子の処理時間は、熱可塑性材料の粒度及
び組成に応じて変わる。膨潤時間は粒子を膨潤させるに
十分な時間であるべきであり、好ましくは約10分もし
くはそれ未満から約60分もしくはそれ以上までであ
る。有機膨潤溶媒は、水と相溶性でしかも水溶液から蒸
留によって容易に除去できる有機膨潤溶媒であればどん
なものでもよい。好ましくは、有機膨潤溶媒はアルコー
ル又はケトンのいずれかであり、それらが相溶性であれ
ばその混合物でもよい。アルコールは熱可塑性樹脂粒子
を膨潤するアルコールであればどんなものでもよいが、
好ましくは炭素数C1 〜C10のアルコールであり、好ま
しいアルコールはメタノールである。これ以外のアルコ
ールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、ブタノールなどが挙げられるが、他の有機アル
コールも含まれる。さらに、もう一つの好ましい有機膨
潤溶媒はケトンであり、その種類を問わないが、好まし
くはアセトン、メチルエチルケトン、イソプロピルケト
ンなどである。
【0010】膨潤段階に続いて、二価フェノール単位の
エステル結合(例えば熱可塑性材料中のポリカーボネー
ト結合)を好ましくは比較的短時間で切断するため、十
分なアンモニア性水溶液を加える。アンモニア性水溶液
(すなわち、水酸化アンモニウム)の強度は一般にモル
濃度18程度の濃水酸化アンモニウムであるが、約7以
下のような低いモル濃度のものであってもよい。ただ
し、アンモニア性溶液の濃度が低いほど、所望の収率の
二価フェノールに要する接触時間が長くなる。好ましく
は、水酸化アンモニウムの熱可塑性ポリマーに対する好
適なモル範囲は、約4.0〜約25倍、さらに好ましく
は約5〜約25倍である。ただし、もっと高モル濃度或
いは低モル濃度の水酸化アンモニウムも使用できると理
解すべきである。このプロセス段階において、固相と液
相の2つの相が形成される。
【0011】次いで、液相から固相を分離する。この液
相には、尿素、水、メタノール及びビスフェノールAの
アンモニウム塩(二価フェノラートアンモニウム塩)が
含まれている。次いで、この液相を蒸留してメタノール
と過剰のアンモニアを除去する。アンモニアの蒸留の際
に、ビスフェノールA(BPA)のアンモニウム塩はB
PAへと移行もしくは転化する。こうして、尿素と部分
的に沈殿したビスフェノールAが残る。次に、ビスフェ
ノールAの沈殿を最大にするため上記水溶液に十分な水
を加える。2つの相の分離は簡単な濾過で達成される。
固体ビスフェノールAを乾燥して、通常は粉末状にす
る。回収されたビスフェノールAは精製してもよく、各
種化学反応、特に芳香族ポリカーボネート、エポキシ
ド、ポリアリーレートその他のビスフェノールAを反応
体とする合成反応における反応体として利用できる。
【0012】図1は、本発明のプロセスの流れ図であ
り、固体BPAを得るための手順を示す。BPAは粗B
PAとして回収されるが、精製を行うことができる。こ
の回収プロセスで用いることのできる高分子材料はポリ
マーを合成するための反応体の一つとして二価フェノー
ルを用いて製造された高分子材料であり、限定するわけ
ではないが、芳香族ポリカーボネート、芳香族コポリエ
ステルカーボネート、ポリアリーレート又はこれらの混
合物、或いはこれらと他の材料及び/又はポリマーとの
混合物が含まれる。かかる他の材料には、ナイロン、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンエーテル、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン(ABS)などのようなポリマーも含
まれるし、その他の材料には、充填材(ガラス、炭素、
無機など)、顔料、ゴム(天然ゴム又は合成ゴム)、耐
衝撃性改良剤、強化材、充填材以外のものなどが含まれ
る。これらの材料はこのプロセスにおいて二価フェノー
ル残基含有ポリマーから分離可能である。
【0013】液相中における二価フェノールの形態は、
該溶液がイオン導電性を示すことから、水酸化アンモニ
ウムとビスフェノールAのイオン結合型錯塩であると考
えられる。これは、反応時間の関数としてイオン伝導度
の測定値が増加することで裏付けられる。また、ビスフ
ェノールAのアンモニウム塩の形成は赤外分析によって
さらに確認された。
【0014】二価フェノール残基単位を含む「スクラッ
プポリエステル」という用語は、いわゆるスクラップ材
料だけに限定されるものではない。これには、未使用樹
脂で成形しないまま廃棄されたもののような「スクラッ
プ」以外の材料で本発明のプロセスに付すことができて
その解重合によって回収ビスフェノールAの得られるも
のも含まれる。
【0015】本発明の実施において、材料のその他の成
分(ポリマーなど)もリサイクル用に回収することがで
きる。例えば、ポリカーボネートとPBTのブレンドを
本発明のプロセスに付すとリサイクル用のPBTが回収
される。これはその他の二価フェノール単位が含まれる
ブレンドにも当てはまり、そのエステル単位については
本発明のプロセスで選択的に切断することができ、ブレ
ンドの残りの部分は回収可能である。
【0016】以下の実施例は本発明を例示するためのも
のであり、本明細書に開示した技術的思想を限定もしく
は縮減するものではない。
【0017】
【実施例】実施例1 ポリカーボネートシートの透明部分(基本的に99重量
%のポリカーボネート)を実験室粉砕機で粗砕した。粗
砕材料は約3mmの平均粒度を有していた。実験用ビー
カーに入れた粗砕ポリカーボネート約10.5gに、4
5mlのメタノール(100%)を加えた。この混合物
を室温で約60分間撹拌した。ポリカーボネート粒子が
メタノール中で効果的に膨潤するのが観察された。25
重量%水性水酸化アンモニウム溶液(重量比50:50
の水酸化アンモニウムとメタノール)約45mlを上記
膨潤粒子−メタノール混合物に加えて、約40℃の温度
で約1時間かきまぜた。固相と液相からなる2つの相が
生成した。これらの相を濾過により分離して、固相を乾
燥して秤量した。固相は全ポリカーボネート試料の重量
の約1重量%(0.1g)であった。
【0018】液相を蒸留してアンモニアとメタノールを
除去し、この蒸留操作の間に二価フェノラートのアンモ
ニウム塩が二価フェノール形のビスフェノールAに転化
された。蒸留に際してビスフェノールAのアンモニウム
塩がビスフェノールAへと移行もしくは転化したので、
残留物は尿素とビスフェノールAからなる固体であっ
た。この溶解尿素と部分的に析出したビスフェノールA
の水溶液に十分量の水を加えて、尿素液相からビスフェ
ノールAを完全に分離した。尿素は水に溶解性であるの
で2つの相が生じた。固相は水に不溶性のビスフェノー
ルAであり、液相は尿素の水溶液であった。ビスフェノ
ールAを濾過により回収し、乾燥し、秤量し、活性炭吸
着で精製した。
【0019】ビスフェノールAの目視による色は白色で
あった。回収されたビスフェノールA(9.3g)は元
のポリカーボネート試料中のビスフェノールAの約99
重量%であった。尿素の収率が約96重量%であること
も確認された。実施例2 実施例1で用いた試料の代わりに約69重量%のポリカ
ーボネートと約31重量%のポリブチレンテレフタレー
トとその他の添加剤のブレンド約11.2gを用いたこ
と並びに反応時間(すなわちメタノール処理試料の水性
水酸化アンモニウムメタノール溶液との混合時間)が約
6時間であったことを除いては、実施例1を繰り返し
た。反応から回収された固相(3.62g)は最初の試
料の約33重量%であった。
【0020】回収精製したビスフェノールAの目視によ
る色は白色であった。回収されたビスフェノールAは元
の試料中のビスフェノールAの約99重量%であった。
水酸化アンモニウムとの反応及び分離後の固体から回収
されたポリブチレンテレフタレートは、最初の試料中の
ポリブチレンテレフタレートの約99重量%であった。
また、尿素の収率が約86.5重量%であることも確認
された。
【0021】実施例3 実施例1で用いた試料の代わりに約59重量%のポリカ
ーボネートと約11重量%のABSとその他の添加剤の
ブレンドを用いて、実施例1を繰り返した。反応時間
(すなわちメタノール処理試料の水性水酸化アンモニウ
ムメタノール溶液との混合時間)は約3時間であった。
反応から回収された固相は最初の試料の約42重量%で
あった。
【0022】回収ビスフェノールA試料の目視による色
は白っぽい茶色であった。回収されたビスフェノールA
は最初の試料中のビスフェノールAの約95重量%であ
った。回収されたABSは最初の試料中のABSの約9
9重量%であった。尿素の収率は約87重量%であっ
た。本発明を特定の好ましい実施形態との関連で説明し
例示してきたが、本発明がそれらに限定されないことは
当業者には自明であろう。したがって、特許請求の範囲
は本発明の思想及び範囲に含まれるすべての変更に及ぶ
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二価フェノール回収プロセスの流れ
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョス・デ・ヒーア オランダ、4691、エルエル・ソーレン、パ ーゴラ、17番 (72)発明者 ガブリエ・フーグランド オランダ、4611、エヌエス・バーゲン・オ ーピー・ズーム、グロウテ・マークト、16 エー(番地なし) (72)発明者 スリカンス・ナングネリ アメリカ合衆国、ニューヨーク州、クリフ トン・パーク、ホーランデイル・アパート メンツ、4−エー(番地なし) (72)発明者 ゲート・デ・ウィット オランダ、4641、アールエックス・オッセ ンドレクト、ビンネンウェグ、23番

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー構造中に二価フェノール単位の
    反応残基を有する熱可塑性ポリマーを含んだ組成物から
    二価フェノールを回収する方法であって、下記の段階: a.ポリマー構造中に二価フェノール単位の反応残基を
    有する熱可塑性ポリマーを含んだ組成物を粗砕する段
    階、 b.上記熱可塑性組成物の粗砕粒子を、水と相溶性でし
    かも水溶液から容易に留出できる有機膨潤溶媒で上記粒
    子を膨潤するに十分な時間処理する段階、 c.上記膨潤粗砕粒子を、上記熱可塑性ポリマー中の二
    価フェノール単位の反応残基のエステル結合を選択的に
    切断するに十分なモル強度のアンモニア性水溶液と25
    ℃以上の温度で接触させて、液相と固相を生じさせる段
    階、 d.固相から液相を分離する段階、 e.液相からアンモニアと有機膨潤溶媒を蒸留する段
    階、 f.溶解尿素と部分的に沈殿した二価フェノールとを含
    む段階eの残留物に十分量の水を加えて二価フェノール
    を沈殿させ、液相と二価フェノールの固相とを生じさせ
    る段階、及び g.不溶性固体二価フェノール部分を液相から分離する
    段階を含んでなる方法。
  2. 【請求項2】 前記粗砕粒子が約2〜約25mmの平均
    粒度を有する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記有機膨潤溶媒がC1 〜C10アルコー
    ル及びケトンから選択される、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記有機膨潤溶媒がメタノールである、
    請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記有機膨潤溶媒がアセトンである、請
    求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記膨潤粗砕粒子とアンモニア性水溶液
    との接触を約30℃〜約50℃の温度で行う、請求項1
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記段階fの液相が尿素の溶液である、
    請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 水を除去するための真空蒸留プロセスに
    よって前記溶液から尿素を回収する、請求項7記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 回収された二価フェノールを活性炭吸着
    によって精製する、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記組成物が、ポリカーボネート、コ
    ポリエステルカーボネート、ポリアリーレート、これら
    のブレンド及びこれらと他のポリマーとのブレンドから
    基本的になる群から選択されるポリマーを含む、請求項
    1記載の方法。
JP17506997A 1996-07-01 1997-07-01 二価フェノール単位含有熱可塑性ポリマーからビスフェノールaを回収する方法 Withdrawn JPH1087540A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/673990 1996-07-01
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