JPH1086704A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

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JPH1086704A
JPH1086704A JP24221896A JP24221896A JPH1086704A JP H1086704 A JPH1086704 A JP H1086704A JP 24221896 A JP24221896 A JP 24221896A JP 24221896 A JP24221896 A JP 24221896A JP H1086704 A JPH1086704 A JP H1086704A
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combustion engine
vehicle
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宏 田代
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豊児 八木
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    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
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    • B60K6/50Architecture of the driveline characterised by arrangement or kind of transmission units
    • B60K6/54Transmission for changing ratio
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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関とは別に設けたトルク付加手段によ
り内燃機関の出力軸にトルクを付加している時に、運転
者がアクセルペダルを戻してしまうことによる内燃機関
のポンピングロスの増加を抑制して、省燃費効果を十分
に発揮することのできる車両制御装置を提供する。 【解決手段】 車両が加速状態で(S120及びS13
0:YES)、且つ、バッテリの充電量が十分である場
合に(S170:YES)、電動機と発電機との両機能
を備えた電動発電機を電動機として作動させて(S26
0)、内燃機関の出力軸に正回転トルクを付加する装置
において、このようなトルク付加時には、無段変速機の
減速比Iを決めるための内燃機関の目標回転数(暫定目
標回転数Nepo)を電動発電機の出力トルクに応じて
減少補正して(S300,S240)、出力が非トルク
付加時と変わらぬように無段変速機の減速比Iを低下さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関とは別に
設けられたトルク付加手段により内燃機関の出力軸に正
回転方向のトルクを付加することで、内燃機関の燃料消
費量や排気エミッションを低減する動力補助機能を備え
た車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両加速時における内燃機関
の燃料消費量や排気エミッションを低減するための技術
として、特公平4−36253号公報に開示されている
ようなものがある。
【0003】即ち、上記公報に開示の技術は、内燃機関
の回転加速度が規定値を越えた場合に、内燃機関の出力
軸に対し出力授受可能に設けられた電動発電機を電動機
(電動モータ)として作動させて、内燃機関の出力軸に
正回転方向のトルク(正回転トルク)を付加するもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術を適用した車両では、トルク付加手段としての
電動機が正回転トルクを付加した時に、通常、車両の運
転者はトルクが増加した分、アクセルペダルを戻してし
まうため、内燃機関のポンピングロスが増加して、省燃
費効果を十分に発揮することができなかった。
【0005】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、トルク付加手段がトルクを付加している時
に、運転者がアクセルペダルを戻してしまうことによる
内燃機関のポンピングロスの増加を抑制して、省燃費効
果を十分に発揮することのできる車両制御装置を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記目
的を達成するためになされた請求項1に記載の車両制御
装置においては、トルク付加制御手段が車両の運転状態
に応じてトルク付加手段を作動させると、そのトルク付
加手段が内燃機関の出力軸に正回転方向のトルクを付加
する。また、減速比制御手段が車両の運転状態に応じて
変速手段の減速比を制御し、この変速手段が、内燃機関
の出力軸に生じた回転動力を、減速比制御手段により制
御された減速比で、車両の駆動輪に伝達する。
【0007】そして特に、請求項1に記載の車両制御装
置では、トルク付加手段が内燃機関の出力軸に正回転方
向のトルクを付加している時に、減速比補正手段が、減
速比制御手段により制御される変速手段の減速比を低下
させる。このような車両制御装置によれば、トルク付加
手段により内燃機関の出力軸に正回転方向のトルク(以
下、正回転トルクともいう)が付加された時に、変速手
段の減速比が小さくなるように補正されて、内燃機関の
回転数(即ち、内燃機関の出力軸の回転速度)が低下す
るため、その出力軸の出力(詳しくは、出力軸のトルク
と回転数との積によって決まる仕事率であり、延いては
駆動輪に伝達される駆動力)がトルク付加手段によって
付加された正回転トルク分だけ増加することが抑制され
る。よって、車両の走行中にてトルク付加手段が作動さ
れた場合に、車両運転者がアクセルペダルを戻してしま
うことがなくなり、この結果、内燃機関のポンピングロ
スの増加を抑制して、正回転トルクを付加することによ
る省燃費効果を十分に発揮することができるようにな
る。
【0008】次に、請求項2に記載の車両制御装置で
は、請求項1に記載の車両制御装置において、減速比補
正手段は、トルク付加手段が内燃機関の出力軸に付加し
ている正回転方向のトルクを検出し、該検出したトルク
に応じて、その値が大きい場合ほど変速手段の減速比を
大きく低下させるように構成されている。
【0009】このような請求項2に記載の車両制御装置
によれば、トルク付加手段によって付加される正回転ト
ルクの大きさが一定ではなく変化する場合でも、その付
加される正回転トルクに応じて変速手段の減速比が低下
されるため、運転者はアクセルペダルの踏込み量をほぼ
一定にして車両を走行させることができ、良好なドライ
ブフィーリングを維持しつつ、前述した効果を得ること
ができる。
【0010】次に、請求項3に記載の車両制御装置で
は、請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置におい
て、減速比補正手段は、トルク付加手段により内燃機関
の出力軸に付加されている正回転方向のトルクが所定値
以上の場合に、前述した減速比の補正を実施する。
【0011】そして、このような請求項3に記載の車両
制御装置によれば、所定値以上の正回転トルクが付加さ
れた場合にだけ変速手段の減速比を低下させる、といっ
た制御を行うことができ、減速比の制御を最適化するの
に有利である。一方、請求項1ないし請求項3の何れか
に記載の車両制御装置において、トルク付加手段として
は、電動機と発電機の両方の機能を併せ持つと共に、内
燃機関の出力軸に対し出力授受可能に設けられた電動発
電機を用いることができる。
【0012】そして、このような電動発電機をトルク付
加手段として用いる場合には、トルク付加制御手段を請
求項4に記載の如く構成することができる。即ち、請求
項4に記載の車両制御装置では、トルク付加制御手段
が、車両が加速状態であるか否かを判定する加速判定手
段と、車両に搭載されたバッテリの充電量が所定量以上
であるか否かを判定する充電量判定手段とを備えてい
る。そして、トルク付加制御手段は、加速判定手段及び
充電量判定手段の両方により肯定判定された場合(つま
り、車両が加速状態で、且つ、バッテリの充電量が所定
量以上である場合)に、電動発電機をバッテリからの電
力により電動機として作動させて、内燃機関の出力軸に
正回転方向のトルクを付加させ、加速判定手段及び充電
量判定手段の少なくとも一方により否定判定された場合
(つまり、車両が加速状態でないか、或いは、バッテリ
の充電量が所定量以上でない場合)に、電動発電機を発
電機として作動させて、その発電電力をバッテリに蓄積
させる。
【0013】このような請求項4に記載の車両制御装置
によれば、バッテリの充電量が十分であり、且つ、車両
が加速状態の場合にだけ、バッテリの電力を用いて内燃
機関に正回転トルクを付加し、それ以外の場合には、内
燃機関が発生する回転動力によりバッテリが充電される
ため、トルク付加手段として特別な動力源を用いる必要
が無い上に、バッテリの充電状態を常に適切に保ちつ
つ、請求項1〜3に記載の車両制御装置による効果を得
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例
について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形
態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明
の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ること
は言うまでもない。
【0015】「第1実施例」まず図1は、第1実施例の
車両制御装置を表す概略構成図である。図1に示すよう
に、本実施例の車両制御装置は、ガソリンや軽油等の燃
料の燃焼によって得られたエネルギーにより回転動力を
発生する内燃機関1と、内燃機関1の出力軸に生じた回
転動力を、減速比を可変して車両の駆動輪に伝達する変
速手段としての電子制御式の無段変速機3と、電動機
(電動モータ)と発電機の両方の機能を併せ持つトルク
付加手段としての電動発電機5と、無段変速機3と電動
発電機5を制御する電子制御装置7と、この電子制御装
置7からの指令に応じて、電動発電機5の動作を電動機
と発電機の何れか一方に切り替える電力制御部9とを備
えている。
【0016】ここで、電動発電機5は、その動作が電動
機に切り替えられると、車両に搭載されたバッテリ11
からの電力を受けて回転動力を発生し、その回転動力に
より内燃機関1の出力軸に正回転方向のトルクを付加す
る。また、電動発電機5は、その動作が発電機に切り替
えられると、内燃機関1の出力軸により駆動されて電力
を発生し、その発生した電力は、電力制御部9を介して
バッテリ11に蓄えられる。
【0017】電動発電機5及び電力制御部9について具
体的に説明すると、電動発電機5は、例えば三相同期機
であり、内燃機関1の出力軸と一体に回転する励磁コイ
ルと、ハウジングに固定された三相アーマチュアコイル
とを備える。上記励磁コイルは、電力制御部9に設けら
れたトランジスタを介してバッテリ11に接続され、上
記三相アーマチュアコイルは、電力制御部9に設けられ
た周知のインバータを介してバッテリ11に接続され
る。
【0018】そして、電力制御部9は、電子制御装置7
から電動発電機5を電動機として作動させる指令を受け
ると、上記インバータを制御して、バッテリ11から電
動発電機5の三相アーマチュアコイルに駆動電流を流す
ことにより、電動発電機5を電動機として作動させ、ま
た、電子制御装置7から電動発電機5を電動機として作
動させる指令を受けていない場合には、上記トランジス
タをオン/オフ駆動して、電動発電機5の励磁コイルに
流れる励磁電流のデューティ比を制御することにより、
電動発電機5を発電機として作動させ、その発電電力を
バッテリ11に充電する。尚、電動発電機5の発電電圧
は、上記トランジスタのオン時間とオフ時間の比(即
ち、電動発電機5の励磁コイルに流れる励磁電流のデュ
ーティ比)を制御することにより調整可能であり、電力
制御部9は、電子制御装置7からの制御信号に従って発
電電圧を調整する。
【0019】一方、電子制御装置7は、CPU7aやR
OM7bを備えた周知のマイクロコンピュータを中心に
構成されている。そして、電子制御装置7には、無段変
速機3及び電動発電機5を制御するための情報を得るた
めに、バッテリ11の端子電圧(以下、バッテリ電圧と
いう)Ebを検出するバッテリ電圧センサ13と、バッ
テリ11の端子に流れる電流(即ち、バッテリ11の充
放電電流であり、以下、バッテリ電流という)Cb、及
び電動発電機5が電動機として動作している時にバッテ
リ11から電動発電機5へ流れる駆動電流(以下、電動
発電機5の入力電流という)Imを検出するバッテリ電
流センサ15と、内燃機関回転数(詳しくは、内燃機関
1の出力軸の回転速度)Neを検出する内燃機関回転数
センサ17と、運転者により操作されるアクセルペダル
の開度(以下、アクセル開度という)Adを検出するア
クセル開度センサ19と、車速Vを検出する車速センサ
21とが接続されている。
【0020】また、電子制御装置7のROM7bには、
図4に示すように、バッテリ電圧センサ13によって検
出されるバッテリ電圧Ebと、バッテリ11の充電量が
電動発電機5を電動機として作動させるのに十分である
か否かを判定するための判定値である基準バッテリ電流
Cbsとの関係を表す「基準バッテリ電流マップ」が記
憶されている。
【0021】基準バッテリ電流Cbsは、後述するよう
に、バッテリ電流センサ15によって検出される現在の
バッテリ電流(バッテリ11の充放電電流)Cbと大小
比較されて、この基準バッテリ電流Cbsよりもバッテ
リ電流Cbの方が大きい時に、バッテリ11の充電量が
電動発電機5を電動機として作動させるのに足りる所定
量以上であると判定されるものである。そして、図4に
示すように、基準バッテリ電流Cbsは、バッテリ電圧
Ebが低い場合ほど大きな値となるように設定されてい
る。
【0022】尚、バッテリ電流Cb及び基準バッテリ電
流Cbsの値は、バッテリ11が放電している状態を正
とし、バッテリ11が充電されている状態を負としてい
る。また、本実施例では、バッテリ11として、定格1
2Vの鉛バッテリを4個直列に接続したものを想定して
おり、バッテリ電圧Ebの通常値は約48Vである。そ
して、図4の縦軸において、「C」は、バッテリ11の
5時間容量値を表しており、例えば50Ah(アンペア
アワー)のバッテリであれば、「1C」=50A(アン
ペア)となり、「2C」=100Aとなる。
【0023】ここで、バッテリ11の充電量の判定につ
いて具体的に説明する。まず、バッテリ11が放電して
いる場合を考えると、バッテリ11の充電量が多けれ
ば、放電電流を多く取り出せるため、バッテリ電流Cb
は基準バッテリ電流Cbsよりも大きくなって、充電量
が十分であると判定される。逆に、バッテリ11の充電
量が少なければ、放電電流を多く取り出せないため、バ
ッテリ電流Cbは基準バッテリ電流Cbsよりも小さく
なって、充電量が不十分であると判定される。
【0024】次に、バッテリ11が充電されている場合
を考えると、バッテリ11の充電量が多ければ、充電さ
れる電流は少ないため、バッテリ電流Cbは基準バッテ
リ電流Cbsよりも大きくなって(バッテリ電流Cbの
絶対値は基準バッテリ電流Cbsの絶対値よりも小さく
なって)、充電量が十分であると判定される。逆に、バ
ッテリ11の充電量が少なければ、充電される電流は多
いため、バッテリ電流Cbは基準バッテリ電流Cbsよ
りも小さくなって(バッテリ電流Cbの絶対値は基準バ
ッテリ電流Cbsの絶対値よりも大きくなって)、充電
量が不十分であると判定される。
【0025】そして、前述したように、基準バッテリ電
流Cbsは、バッテリ電圧Ebが低い場合ほど大きな値
となるように設定されているため、バッテリ11の充電
量が少なくてバッテリ電圧Ebが低い場合には、バッテ
リ11の充電量が十分であると判定され難くなる。
【0026】一方更に、電子制御装置7のROM7bに
は、無段変速機3の減速比Iを決定するためのデータマ
ップとして、図5に示すように、車速センサ21によっ
て検出される車速Vと、アクセル開度センサ19によっ
て検出されるアクセル開度Adとに応じて、内燃機関回
転数Neの目標値を算出するための「目標回転数マッ
プ」が記憶されている。そして、電子制御装置7は、内
燃機関回転数センサ17によって検出される実際の内燃
機関回転数Neが、この目標回転数マップを用いて算出
した目標回転数となるように、無段変速機3の減速比I
を制御する。よって、上記目標回転数の値が小さい場合
ほど減速比Iが小さい値に設定されて、実際の内燃機関
回転数Neが低下される。
【0027】尚、図5に示すように、内燃機関回転数N
eの目標値(目標回転数)は、アクセル開度Adが大き
い場合ほど大きな値に設定され、車速Vに対しては概ね
一定値となるように設定されている。また、電子制御装
置7のROM7bには、図6に示すように、電動発電機
5の出力トルク(即ち、電動発電機5によって内燃機関
1の出力軸に付加される正回転トルク)Tmを算出する
ための「電動発電機出力トルクマップ」も記憶されてい
る。
【0028】この電動発電機出力トルクマップは、電動
発電機5の出力トルクTmと、電動発電機5の回転数と
等価である内燃機関回転数Neとの関係を、電動発電機
5の入力電流(電動発電機5が電動機として動作してい
る時の駆動電流)Imをパラメータとして表すものであ
り、バッテリ電圧Eb毎に夫々設けられている。そし
て、出力トルクTmは、回転数Neにほぼ反比例すると
共に、入力電流Imにほぼ比例する関係となっている。
また、回転数Neと入力電流Imが同一であれば、出力
トルクTmは、バッテリ電圧Ebにほぼ比例する関係と
なっている。
【0029】尚、図4〜図6は、各データマップのイメ
ージを示すものであって、実際のデータマップは、これ
らの図の関係を数値データ化したものである。また更
に、図示はしないが、電子制御装置7のROM7bに
は、内燃機関回転数センサ17によって検出される内燃
機関回転数Neと、アクセル開度センサ19によって検
出されるアクセル開度Adとから、内燃機関1の出力ト
ルクTeを算出するための「内燃機関出力トルクマッ
プ」も記憶されている。
【0030】次に、上記のように構成された本実施例の
車両制御装置において、無段変速機3及び電動発電機5
を制御するために電子制御装置7で実行される制御処理
について、図2及び図3に示すフローチャートに沿って
説明する。まず図2は、制御処理の全体を表すフローチ
ャートである。尚、この制御処理は、車両のイグニッシ
ョンスイッチがオンされると、所定時間毎に繰り返して
実行される。また、電子制御装置7は、この制御処理と
並行して、上記各センサ13〜21からの信号に基づ
き、対応する情報を常時検出しており、その検出結果は
図示しないRAMに逐次更新して格納されるようになっ
ている。
【0031】図2に示すように、電子制御装置7が制御
処理の実行を開始すると、まずステップ(以下、単に
「S」と記す)110にて、車速センサ21により検出
した車速Vとアクセル開度センサ19により検出したア
クセル開度Adを読み込む。そして、続くS120に
て、車速Vの時間微分値(即ち、上記S110で今回読
み込んだ車速Vn と前回読み込んだ車速Vn-1 との差)
△Vが、規定値△Va以上であるか否かを判定し、規定
値△Va以上であれば、更に続くS130にて、S11
0で読み込んだアクセル開度Adが、規定値Ada以上
であるか否かを判定する。そして、アクセル開度Adが
規定値Ada以上であれば、車両が加速状態であると判
断して、S140に進む。
【0032】S140では、バッテリ電圧センサ13に
より検出したバッテリ電圧Ebを読み込み、続くS15
0にて、その読み込んだバッテリ電圧Ebに基づき、図
4に示した基準バッテリ電流マップを用いて、前述した
基準バッテリ電流Cbsを算出する。そして、続くS1
60にて、バッテリ電流センサ15により検出したバッ
テリ電流Cbを読み込み、続くS170にて、S160
で読み込んだバッテリ電流Cbが、S150で算出した
基準バッテリ電流Cbsよりも大きいか否かを判定す
る。そして、バッテリ電流Cbが基準バッテリ電流Cb
sよりも大きくなければ、バッテリ11の充電量が電動
発電機5を電動機として作動させるのに不十分であると
判断してS180へ進み、S180〜S220の非トル
ク付加モードの処理を実行する。
【0033】一方、前述したS120にて、車速Vの時
間微分値△Vが規定値△Va以上ではないと判定した場
合、或いは、前述したS130にて、アクセル開度Ad
が規定値Ada以上ではないと判定した場合にも、車両
が加速状態でないことから、S180〜S220の非ト
ルク付加モードの処理を実行する。
【0034】この非トルク付加モードの処理では、まず
S180にて、S110で読み込んだアクセル開度Ad
が0であるか否か(即ち、アクセルペダルが全閉である
か否か)を判定し、アクセル開度Adが0であれば、更
に続くS190にて、S110で読み込んだ車速Vが1
0km/hよりも大きいか否かを判定する。そして、車
速Vが10km/hよりも大きければ、車両が減速状態
であると判断して、S200に進み、電動発電機5を発
電機として作動させると共に、その発電電圧を通常値E
lよりも高い値Ehに制御する。つまり、車両が減速し
ている場合には、電動発電機5の発電電圧を高めて、よ
り多くの電力をバッテリ11に蓄えるのである。
【0035】また、前述したS180にて、アクセル開
度Adが0ではない(即ち、アクセルペダルが全閉では
ない)と判定した場合、或いは、前述したS190に
て、車速Vが10km/hよりも大きくないと判定した
場合には、S210に移行して、電動発電機5を発電機
として作動させると共に、その発電電圧を通常値El
(<Eh)に制御する。
【0036】そして、S200及びS210の何れか一
方の処理を実行すると、S220に移行して、補正回転
数△Neの値を0に設定し、その後S230に進んで、
S230〜S250の無段変速機3に対する変速制御の
処理を実行する。尚、補正回転数△Neは、後述するよ
うに、図5の目標回転数マップに基づき算出した内燃機
関回転数Neの目標回転数(詳しくは、暫定目標回転数
Nepo)を減少補正して、無段変速機3の減速比Iを
通常時の値よりも低下させるための補正値である。
【0037】無段変速機3に対する変速制御の処理(S
230〜S250)では、まずS230にて、S110
で読み込んだ車速Vとアクセル開度Adとに基づき、図
5に示した目標回転数マップを用いて、内燃機関回転数
Neの暫定目標回転数Nepoを算出し、続くS240
にて、S230で算出した暫定目標回転数Nepoから
補正回転数△Neを減じることにより、内燃機関回転数
Neの真の目標回転数Nep(=Nepo−△Ne)を
算出する。尚、S180〜S220の非トルク付加モー
ドの処理が実行された場合には、S220で補正回転数
△Neが0に設定されるため、図5の目標回転数マップ
に基づく暫定目標回転数Nepoが、そのまま目標回転
数Nepとなる。
【0038】そして、続くS250にて、内燃機関回転
数センサ17によって検出された実際の内燃機関回転数
Neを読み込むと共に、その実際の内燃機関回転数Ne
をS230で算出した目標回転数Nepとするための無
段変速機3の減速比Iを算出し、無段変速機3の減速比
を上記算出した減速比Iに制御する。そして、このS2
50の処理を実行した後、当該制御処理を一旦終了す
る。
【0039】一方、前述したS170にて、バッテリ電
流Cbが基準バッテリ電流Cbsよりも大きいと判定し
た場合には、バッテリ11の充電量が電動発電機5を電
動機として作動させるのに十分であると判断して、S2
60に移行し、このS260にて、電動発電機5を電動
機として作動させる。すると、電動発電機5の回転動力
により、内燃機関1の出力軸に正回転方向のトルクが付
加される。
【0040】そして、続くS300にて、補正回転数△
Neを電動発電機5の出力トルクTmに応じて算出する
ための補正値算出処理を実行する。即ち、図3に示す如
く、この補正値算出処理の実行が開始されると、まずS
310にて、バッテリ電圧センサ13により検出したバ
ッテリ電圧Ebと、バッテリ電流センサ15により検出
した電動発電機5の入力電流Imと、内燃機関回転数セ
ンサ17により検出した内燃機関回転数Neとを読み込
む。
【0041】そして、続くS320にて、S310で読
み込んだバッテリ電圧Eb,電動発電機5の入力電流I
m,及び内燃機関回転数Neに基づき、図6に示した電
動発電機出力トルクマップを用いて、電動発電機5の出
力トルクTmを算出し、続くS330にて、S310で
読み込んだ内燃機関回転数NeとS110で読み込んだ
アクセル開度Adとに基づき、前述した内燃機関出力ト
ルクマップ(図示省略)を用いて、内燃機関1の出力ト
ルクTeを算出する。
【0042】そして更に、続くS340にて、S110
で読み込んだ車速Vとアクセル開度Adとに基づき、図
5に示した目標回転数マップを用いて、内燃機関回転数
Neの暫定目標回転数Nepoを算出し、続く350に
て、その暫定目標回転数Nepoと、S320で算出し
た電動発電機5の出力トルクTmと、S330で算出し
た内燃機関1の出力トルクTeとから、下記の式1に基
づき、補正回転数△Neを算出し、その後、当該補正値
算出処理を終了して、前述した図2のS230へ進む。
【0043】
【数1】 △Ne=Nepo×Tm/(Tm+Te) …式1 よって、前述したS260で電動発電機5が電動機とし
て作動された場合には、S240の処理により、図5の
矢印で示すように、目標回転数マップに基づく暫定目標
回転数Nepoから、上記式1に基づき算出した補正回
転数△Ne(>0)が減じられて、内燃機関回転数Ne
の真の目標回転数Nepが求められ、次のS250に
て、その目標回転数Nepに基づき無段変速機3の減速
比Iが算出されるため、減速比Iは、電動発電機5が電
動機として作動されない場合(発電機として作動される
場合)よりも小さい値に補正されることとなる。
【0044】ここで、補正回転数△Neを上記式1によ
って求める理由について説明する。まず、一般的に、内
燃機関1の出力(出力軸の出力)は、内燃機関1の出力
トルクTe(延いてはアクセル開度Ad)と内燃機関回
転数Neとで決定される。そして、電動発電機5が発電
機として作動し、内燃機関1の出力軸に正回転トルクが
付加されない場合(以下、非トルク付加時という)と、
電動発電機5が電動機として作動し、内燃機関1の出力
軸に正回転トルクが付加された場合(以下、トルク付加
時という)とで、内燃機関回転数Neが同じであれば、
トルク付加時においては、出力軸の出力が電動発電機5
の出力トルクTm分だけ増加するため、車両の加速状態
を一定に保つために、車両運転者はアクセルペダルを戻
して内燃機関1の出力トルクTeを下げる必要があっ
た。そして、このようにアクセルペダルが戻されると、
内燃機関1のポンピングロスが増加してしまう。
【0045】そこで、この問題を解決するためには、非
トルク付加時の内燃機関回転数Ne1よりもトルク付加
時の内燃機関回転数Ne2が所定値Nsだけ低くなるよ
うにして、非トルク付加時とトルク付加時とで、出力軸
の出力を同じにすれば良く、このためには、下記の式2
を成立させれば良い。尚、式2において、Te1は、非
トルク付加時における内燃機関1の出力トルクであり、
Te2は、トルク付加時における内燃機関1の出力トル
クである。また、Tmは、電動発電機5の出力トルクで
あって、内燃機関1の出力軸に付加される正回転トルク
である。
【0046】
【数2】 Ne1×(2π/60)×Te1 =Ne2×(2π/60)×(Te2+Tm) =(Ne1−Ns)×(2π/60)×(Te2+Tm) …式2 ここで、非トルク付加時とトルク付加時とで、アクセル
開度がほぼ一定であれば、上記式2において、Te1=
Te2とすることができ、また、一般的に、内燃機関1
の出力トルクTeは、アクセル開度が一定であれば、内
燃機関回転数Neに拘らずほぼ一定(フラットトルク)
に設定されているため、上記式2において、Te1=T
e2=Te(Te:内燃機関1の実際の出力トルク)と
することができる。よって、式2は、下記の式3の如く
変形することができる。
【0047】
【数3】Ns=Ne1×Tm/(Tm+Te) …式3 そして、式3により表される所定値Nsが、補正回転数
△Neであり、式3における非トルク付加時の内燃機関
回転数Ne1は、図5の目標回転数マップに基づき算出
される暫定目標回転数Nepoであるため、上記式1が
得られるのである。
【0048】そして、補正回転数△Neは、上記式1に
より、電動発電機5の出力トルクTmが大きい場合ほど
大きな値に設定され、この結果、無段変速機3の減速比
Iは、上記出力トルクTmが大きい場合ほど大きく低下
されるのである。以上のように、電子制御装置7で実行
される制御処理では、車両が加速状態であり(S120
及びS130:YES)、且つ、バッテリ11の充電量
が電動発電機5を電動機として作動させるのに十分であ
る場合に(S170:YES)、電動発電機5を電動機
として作動させて内燃機関1の出力軸に正回転トルクを
付加するようにしている(S260)。
【0049】また、車両が加速状態でないか(S12
0:NO又はS130:NO)、或いは、バッテリ11
の充電量が電動発電機5を電動機として作動させるのに
不十分である場合には(S170:NO)、電動発電機
5を発電機として作動させてバッテリ11を充電するよ
うにしており、特に車両が減速状態である場合には、発
電電圧を通常値よりも高い値に制御して、より多くの電
力をバッテリ11に蓄えるようにしている(S180〜
S220)。
【0050】そして特に、電動発電機5を電動機として
作動させてトルクを付加している時には、無段変速機3
の減速比Iを決めるためのパラメータである内燃機関回
転数Neの目標回転数(暫定目標回転数Nepo)を電
動発電機5の出力トルクTmに応じて減少補正して、内
燃機関1の出力軸の出力が非トルク付加時の出力と変わ
らないように、無段変速機3の減速比Iを低下させるよ
うにしている(S300,S310〜S350,S24
0)。
【0051】尚、本第1実施例においては、S110〜
S210及びS260の処理がトルク付加制御手段に相
当しており、そのうちのS110〜S130の処理が加
速判定手段に相当し、S140〜S170の処理が充電
量判定手段に相当している。そして、S220〜S25
0の処理が減速比制御手段に相当しており、S300で
実行される補正値算出処理(S310〜S350)が減
速比補正手段に相当している。
【0052】次に、このような本第1実施例の作用につ
いて、図7に示すタイムチャートを用いて説明する。ま
ず、停車状態である状態では、アクセル開度Adは全
閉で、内燃機関回転数Neは所定のアイドル回転数(約
650rpm)であり、無段変速機3の減速比Iは無限
大となる。そして、バッテリ電流Cbは、発電電圧が通
常値Elに設定されることにより弱い充電状態となる。
【0053】車両が加速状態である状態になると、ア
クセル開度Adは大きく開き、内燃機関回転数Neも上
昇し、減速比Iは無限大から低下し始める。そして、電
動発電機5が電動機として作動して内燃機関1の出力軸
に正回転トルクが付加され、これにより、バッテリ電流
Cbは放電状態となる。
【0054】ここで、図7の点線で示すように、仮に減
速比Iが低下補正されない場合には、内燃機関回転数N
eが低下せず、車両運転者は、車両の加速状態を一定に
保つために、アクセルペダルを戻して内燃機関1の出力
を抑制しようとするため、アクセル開度Adは小さくな
る。
【0055】これに対し、本実施例では、減速比Iが低
下補正されるため、内燃機関回転数Neが低下して、内
燃機関1の出力が低下する。よって、車両運転者は、ア
クセルペダルの操作により内燃機関1の出力を低下させ
る必要がないため、アクセル開度Adは開いたままとな
る。
【0056】一方、車両が一定速度状態である状態で
は、アクセル開度Ad、内燃機関回転数Ne、及び減速
比Iは略一定となり、また、バッテリ電流Cbは、発電
電圧が通常値Elに設定されることにより弱い充電状態
となる。そして、状態に示すように、アクセル開度A
dが全閉となって車両が減速状態になると、内燃機関回
転数Neと減速比Iとが所定値に制御され、車速Vが1
0km/hよりも大きい間は、発電電圧が通常値Elよ
りも高い値Ehに設定されることにより、充電方向のバ
ッテリ電流Cbが多くなる。
【0057】以上のように本第1実施例の車両制御装置
によれば、電動発電機5が電動機として作動されて、内
燃機関1の出力軸に正回転トルクが付加されている時
に、無段変速機3の減速比Iが小さい値に補正されて内
燃機関回転数Neが低下するため、出力(詳しくは、内
燃機関1の出力軸の仕事率)が電動発電機5により付加
された正回転トルク分だけ増加することが抑制される。
よって、車両運転者がアクセルペダルを戻してしまうこ
とがなくなり、この結果、内燃機関1のポンピングロス
の増加を抑制して、正回転トルクを付加することによる
省燃費効果を十分に発揮することができるようになる。
【0058】そして更に、本第1実施例では、電動発電
機5の出力トルクTmを検出し、その出力トルクTmが
大きい場合ほど無段変速機3の減速比Iを大きく低下さ
せるようにして、トルク付加時と非トルク付加時とで出
力が変わらないようにしている。よって、電動発電機5
の出力トルクTmが変化しても、車両運転者はアクセル
ペダルの踏込み量を常に一定にして車両を走行させるこ
とができ、良好なドライブフィーリングを維持しつつ、
前述した効果を得ることができる。
【0059】また、本第1実施例の車両制御装置では、
車両が加速状態であり、且つ、バッテリ11の充電量が
十分である場合にだけ、電動発電機5を電動機として作
動させて内燃機関1に正回転トルクを付加し、それ以外
の場合には、内燃機関1が発生する回転動力によりバッ
テリ11を充電するようにしているため、バッテリ11
の充電状態を常に適切に保つことができる。
【0060】「第2実施例」ところで、上記第1実施例
の車両制御装置は、変速手段として電子制御式の無段変
速機3を備えたものであったが、次に第2実施例とし
て、変速手段として電子制御式の有段変速機を備えた車
両制御装置について説明する。
【0061】第2実施例の車両制御装置は、第1実施例
に対して、無段変速機3に代えて有段変速機を備える以
外に、下記の(1)〜(3)の3点が主に異なってい
る。 (1)まず、電子制御装置7のROM7bには、図5に
示した目標回転数マップに代えて、図10に示すよう
に、車速Vとアクセル開度Adとに応じて、有段変速機
の減速比(即ち、ギア)を算出・決定するための「ギア
決定マップ」が記憶されている。尚、本実施例の有段変
速機は、減速比が最も高い1速から減速比が最も低い4
速(所謂オーバードライブ:OD)までの4速自動変速
機であり、図10に示すようにギア決定マップは、1速
ギアから2速ギアへの変速タイミングと、2速ギアから
3速ギアへの変速タイミングと、3速ギアから4速(O
D)ギアへの変速タイミングとを、夫々規定するもので
ある。
【0062】(2)また、電子制御装置7のROM7b
には、図11に示すように、電動発電機5の出力トルク
Tmと、有段変速機のギアを決定する際のパラメータで
あるアクセル開度Adを補正するための補正アクセル開
度△Adとの関係を表す「補正アクセル開度マップ」が
記憶されている。尚、図11に示す如く、補正アクセル
開度△Adは、0以上の値であり、電動発電機5の出力
トルクTmが大きい場合ほど大きな値となる。
【0063】ところで、図10及び図11は、各データ
マップのイメージを示すものであって、実際のデータマ
ップは、これらの図の関係を数値データ化したものであ
る。 (3)そして、電子制御装置7では、有段変速機及び電
動発電機5を制御するために、図2に示した制御処理に
代えて、図8に示す制御処理が実行されると共に、図3
に示した補正値算出処理に代えて、図9に示す補正値算
出処理が実行される。
【0064】次に、本第2実施例における電子制御装置
7で実行される処理について、図8及び図9に示すフロ
ーチャートに沿って説明する。まず図8は、制御処理の
全体を表すフローチャートである。尚、図8において、
S110〜S210及びS260の処理は、図2に示し
た第1実施例の制御処理におけるS110〜S210及
びS260と全く同一であるため、説明は省略する。
【0065】図8に示すように、第2実施例の制御処理
では、S200及びS210の何れか一方の処理を実行
して、電動発電機5を発電機として作動させると、S4
20に移行して、補正アクセル開度△Adを0に設定
し、その後S430に進んで、S430及びS440の
有段変速機に対する変速制御の処理を実行する。
【0066】即ち、有段変速機に対する変速制御の処理
では、まずS430にて、S110で読み込んだ実際の
アクセル開度Adから補正アクセル開度△Adを減じる
ことにより、有段変速機のギアを決定するための基準ア
クセル開度Adsを算出する。尚、電動発電機5が発電
機として作動された場合には、前述したようにS420
で補正アクセル開度△Adが0に設定されるため、基準
アクセル開度Adsは、アクセル開度センサ19によっ
て検出される実際のアクセル開度Adとなる。
【0067】そして、続くS440にて、S110で読
み込んだ車速VとS430で算出した基準アクセル開度
Adsとに基づき、図10のギア決定マップを用いて、
有段変速機のギア(減速比)を算出・決定し、有段変速
機の変速ギアを上記決定したギアに制御する。そして、
このS440の処理を実行した後、当該制御処理を一旦
終了する。
【0068】一方、本第2実施例の制御処理では、S2
60の処理を実行して、電動発電機5を電動機として作
動させると(即ち、内燃機関1の出力軸に正回転トルク
を付加すると)、S500に進んで、補正アクセル開度
△Adを電動発電機5の出力トルクTmに応じて算出す
るための図9に示す補正値算出処理を実行する。
【0069】そして、図9に示すように、この補正値算
出処理の実行が開始されると、まずS510及びS52
0にて、図3に示した第1実施例における補正値算出処
理のS310及びS320と全く同様に、図6の電動発
電機出力トルクマップを用いて、電動発電機5の出力ト
ルクTmを算出する。
【0070】そして、続くS530にて、上記算出した
電動発電機5の出力トルクTmに基づき、図11に示し
た補正アクセル開度マップを用いて、補正アクセル開度
△Adを算出し、その後、当該補正値算出処理を終了し
て、前述した図9のS430へ進む。
【0071】よって、電動発電機5が電動機として作動
された場合には、S430の処理により、図10の下向
きの矢印で示すように、実際のアクセル開度AdからS
530で算出した補正アクセル開度△Ad(>0)が減
じられて、基準アクセル開度Adsが求められ、次のS
440にて、その基準アクセル開度Adsに基づき有段
変速機のギアが決定される。そして、これにより、有段
変速機にて減速比の低いギアへの変速タイミング(即
ち、シフトアップタイミング)が、非トルク付加時(電
動発電機5が発電機として作動される場合)よりも早ま
り、この結果、有段変速機の平均減速比が小さい値に補
正されることとなる。
【0072】つまり、第1実施例では、無段変速機3の
制御パラメータである内燃機関回転数Neの目標値を補
正して、減速比を低下させるようにしたが、本第2実施
例では、有段変速機の制御パラメータであるアクセル開
度Adを補正して、減速比を低下させるようにしてい
る。尚、本第2実施例では、S420〜S440の処理
が減速比制御手段に相当しており、S500で実行され
る補正値算出処理(S510〜S530)が減速比補正
手段に相当している。
【0073】次に、このような本第2実施例の作用につ
いて、図12に示すタイムチャートを用いて説明する。
図12に示すように、車両が停車状態(状態)、一定
速度状態(状態)、及び減速状態(状態)にある場
合には、第1実施例と同様である。
【0074】そして、車両が加速状態(状態)になっ
て、電動発電機5により内燃機関1の出力軸に正回転ト
ルクが付加されると、有段変速機のギアを決定するため
のアクセル開度Adが少開度方向に補正されるため、図
12にて点線で示す補正を行わない場合に比べて、有段
変速機におけるギアのシフトアップタイミングが全体的
に早まり、内燃機関回転数Neの平均回転数が低くな
る。この結果、内燃機関1の出力が低下して、車両運転
者はアクセルペダルを戻さなくても車両の加速状態を一
定に保つことができる。
【0075】従って、このような第2実施例の車両制御
装置によっても、第1実施例のものと同様に、車両運転
者がアクセルペダルを戻してしまうことによる内燃機関
1のポンピングロスの増加を抑制して、正回転トルクを
付加することによる省燃費効果を十分に発揮することが
できる。
【0076】また、この第2実施例においても、図11
に示したように、電動発電機5の出力トルクTmが大き
い場合ほど、補正アクセル開度△Adが大きな値に設定
されて、有段変速機の減速比が大きく低下される(シフ
トアップタイミングがより早まる)ため、電動発電機5
の出力トルクTmが変化しても、車両運転者はアクセル
ペダルの踏込み量をほぼ一定にして車両を走行させるこ
とができ、良好なドライブフィーリングを維持しつつ、
前述した効果を得ることができる。
【0077】尚、前述した第1及び第2実施例におい
て、電動発電機5の出力トルクTmが所定値以上の場合
にのみ、無段変速機3或いは有段変速機の減速比を低下
させるようにしても良い。例えば、第1実施例について
説明すると、図3の補正値算出処理において、S320
で電動発電機5の出力トルクTmを算出した後、その算
出した出力トルクTmが所定値以上であるか否かを判定
し、所定値以上でなければ、S330〜S350の処理
を実行することなく、補正回転数△Neを0に設定する
ように構成しても良い。
【0078】そして、このように構成すれば、内燃機関
1の出力軸に所定値以上の正回転トルクが付加された場
合にだけ減速比を低下させる、といった制御を行うこと
ができ、減速比の制御を最適化するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の車両制御装置を表す概略構成図
である。
【図2】 第1実施例の電子制御装置にて実行される制
御処理を表すフローチャートである。
【図3】 図2の制御処理中で実行される補正値算出処
理を表すフローチャートである。
【図4】 図2の制御処理で用いる基準バッテリ電流マ
ップの説明図である。
【図5】 図2の制御処理で用いる目標回転数マップの
説明図である。
【図6】 図3の補正値算出処理で用いる電動発電機出
力トルクマップを説明する説明図である。
【図7】 第1実施例の車両制御装置の作用を説明する
タイムチャートである。
【図8】 第2実施例の電子制御装置にて実行される制
御処理を表すフローチャートである。
【図9】 図8の制御処理中で実行される補正値算出処
理を表すフローチャートである。
【図10】 図8の制御処理で用いるギア決定マップの
説明図である。
【図11】 図9の補正値算出処理で用いる補正アクセ
ル開度マップを説明する説明図である。
【図12】 第2実施例の車両制御装置の作用を説明す
るタイムチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関 3…無段変速機 5…電動発電機
7…電子制御装置 7a…CPU 7b…ROM 9…電力制御部
11…バッテリ 13…バッテリ電圧センサ 15…バッテリ電流セン
サ 17…内燃機関回転数センサ 19…アクセル開度セ
ンサ 21…車速センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された内燃機関の出力軸に正
    回転方向のトルクを付加するためのトルク付加手段と、 前記車両の運転状態に応じて前記トルク付加手段を作動
    させるトルク付加制御手段と、 前記内燃機関の出力軸に生じた回転動力を前記車両の駆
    動輪に伝達する変速手段と、 前記車両の運転状態に応じて前記変速手段の減速比を制
    御する減速比制御手段と、 を備えた車両制御装置において、 前記トルク付加手段が前記出力軸に正回転方向のトルク
    を付加している時に、前記減速比制御手段により制御さ
    れる前記変速手段の減速比を低下させる減速比補正手段
    を設けたこと、 を特徴とする車両制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両制御装置におい
    て、 前記減速比補正手段は、 前記トルク付加手段が前記出力軸に付加している正回転
    方向のトルクを検出し、該検出したトルクに応じて、そ
    の値が大きい場合ほど前記変速手段の減速比を大きく低
    下させるように構成されていること、 を特徴とする車両制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の車両制御
    装置において、 前記減速比補正手段は、 前記トルク付加手段により前記出力軸に付加されている
    正回転方向のトルクが所定値以上の場合に、前記減速比
    の補正を実施すること、 を特徴とする車両制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    の車両制御装置において、 前記トルク付加手段として、 電動機と発電機の両方の機能を併せ持つと共に、前記内
    燃機関の出力軸に対し出力授受可能に設けられた電動発
    電機を備え、 前記トルク付加制御手段は、 前記車両が加速状態であるか否かを判定する加速判定手
    段と、 前記車両に搭載されたバッテリの充電量が所定量以上で
    あるか否かを判定する充電量判定手段と、 を備えると共に、前記加速判定手段及び前記充電量判定
    手段の両方により肯定判定された場合に、前記電動発電
    機を前記バッテリからの電力により電動機として作動さ
    せて、前記内燃機関の出力軸に正回転方向のトルクを付
    加させ、前記加速判定手段及び前記充電量判定手段の少
    なくとも一方により否定判定された場合に、前記電動発
    電機を発電機として作動させて、その発電電力を前記バ
    ッテリに蓄積させるように構成されていること、 を特徴とする車両制御装置。
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