JPH1086371A - インクジェットプリントヘッド - Google Patents

インクジェットプリントヘッド

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Publication number
JPH1086371A
JPH1086371A JP24675096A JP24675096A JPH1086371A JP H1086371 A JPH1086371 A JP H1086371A JP 24675096 A JP24675096 A JP 24675096A JP 24675096 A JP24675096 A JP 24675096A JP H1086371 A JPH1086371 A JP H1086371A
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JP
Japan
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ink
flow path
heating element
joint
heater chip
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Application number
JP24675096A
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English (en)
Inventor
Masaki Kataoka
雅樹 片岡
Tatsumi Imoto
達美 井本
Yukihisa Koizumi
幸久 小泉
Masahiko Fujii
雅彦 藤井
Atsushi Takagi
淳 高木
Nobuo Kenmochi
伸夫 釼持
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂性の流路基板を用いたヘッドにおける組
立性を改善し、より安価で小型、高性能、高品質のイン
クジェットプリントヘッドを提供する。 【解決手段】 ヒーターチップ1上には複数の発熱体1
1と、発熱体11に接続された電極12,13が形成さ
れ、発熱体11を覆い、発熱体11よりインク吐出方向
に延在する発熱体用保護層14を形成する。この延在部
で放熱を促進する。さらに、発熱体11よりインク吐出
方向に対して後方と、流路形成部材2の流路溝壁22と
接合する部分に樹脂層15を形成する。樹脂製の流路形
成部材2と圧接すると、樹脂層15との接合が行なわれ
るため、小さな押圧力でよく、容易に接合することがで
きる。また、発熱体11よりインク吐出方向に樹脂層1
5がないので、発生する気泡による圧力は噴射口22へ
向かい、効率よくインクを吐出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱素子の発熱に
よってインク中にバブルを発生させ、そのバブルの圧力
によってインクを飛翔させて記録を行なうサーマル方式
のインクジェットプリントヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマル方式のインクジェットプ
リントヘッドとしてサイドシュータ型が開発されてい
る。このサイドシュータ型は、インク流路の途中に発熱
素子を設け、発熱素子の面と概略平行する方向にインク
を吐出する型のヘッドである。たとえば、特開昭61−
230954号公報や、特公平6−98758号公報、
特公平6−98763号公報などに記述されているよう
に、Si基板を用い、異方性エッチングによって流路溝
を形成するものや、特開平2−121843号公報等に
記述されているように樹脂成形によって流路溝を形成す
るものなどが代表的である。
【0003】樹脂成形によって流路溝を形成する方法
は、流路の設計自由度が高く、部品単価が安価である。
一方で、ヒーターチップと熱膨張に差があるため、長尺
化と組立工程に問題がある。また、ヘッド単位での微細
な組立が必要であり組立方法に多くの課題があった。こ
れらの改善策として、例えば、特開平5−84622号
公報では、天板とヒーターチップの仮り止め後にバネ部
材で押圧する方法が提案されている。この方法は接着剤
を使用する方法に対して加熱する工程を要せず、熱膨張
差に起因した位置ズレが発生しない。しかし、ヒーター
チップ上には配線などがパターニングされており、その
表面には微小な凹凸が存在する。このような凹凸のある
ヒーターチップ面に天板を確実に接合させるためには、
バネ部材は大きな加圧力を発生させる必要があり、その
ため取付作業等に課題を有している。また、ヒーターチ
ップの表面と天板の材質が硬い場合にも同様の課題を有
することになる。
【0004】また、例えば、特開平7−89073号公
報に提案されているように、ヒーターチップ側に流路壁
に対応する凹部を設け、その凹部に壁部材を嵌合させる
方法もある。しかし、この方法では、凹部を形成するた
めのプロセスが必要となり、プロセスの複雑化と、さら
には高密度化達成への課題となる。
【0005】サイドシュータ型のヘッドは、噴射効率が
ルーフシュータ型に比べて低いため、噴射効率を向上さ
せるための試みもなされている。例えば、上述の特公平
6−98758号公報や特公平6−98763号公報に
記載されているインクジェットプリントヘッドでは、発
熱素子の上部のみ厚膜絶縁層を除去して凹部を形成して
いる。このような凹部によって発熱素子上に発生する気
泡の形状が安定し、噴射効率を向上させることができ
る。しかし、駆動周波数を高くすると、発熱素子で発生
する熱が十分に放熱されずに蓄熱され、記録ドット径が
安定しなかったり、あるいは気泡が噴射口から抜けて記
録できない等の不具合が発生していた。
【0006】また、サイドシュータ型のインクジェット
プリントヘッドでは、一般に各発熱素子に対応して個別
の流路を形成するとともに、その個別の流路を共通イン
ク室に連通させ、この共通インク室にインクを外部から
供給している。このとき、各発熱素子に電気信号を供給
するための配線が、共通インク室の後部に引き出される
ため、共通インク室へのインクの供給は、発熱素子の配
列方向側からか、あるいは、発熱素子の配列方向および
インクの吐出方向に直交する側から行なわれている。イ
ンクの流れは共通インク室内で90゜曲がるため、イン
クの流路抵抗が大きく、個別流路へのインクのリフィル
が効率よく行なえないことがある。また、インクの流れ
が一様でないため、共通インク室内に気泡が滞留して成
長し、個別流路を閉塞して印字不良を引き起こすという
問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、インクジェットヘッドにお
ける組立性を改善し、より安価で小型、高性能、高品質
のインクジェットプリントヘッドを提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数の発熱素子を有するヒーターチップと、該発熱
素子に対応する流路溝を設けた流路形成部材とを圧接し
たインクジェットプリントヘッドにおいて、前記ヒータ
ーチップは、インク吐出方向に対して少なくとも前記発
熱素子より後方部分および隣接する前記流路溝を隔てる
流路溝壁との接合領域が樹脂層で覆われていることを特
徴とするものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、インクジェット
プリントヘッドにおいて、複数の発熱素子を有するヒー
ターチップと、該ヒーターチップに圧接する流路形成部
材と、インクを供給するためのジョイント部材を有し、
前記流路形成部材は、前記発熱素子に対応しインクを噴
射する複数のノズル噴射口と、該ノズル噴射口に対応す
る複数の個別流路溝と、該複数の個別流路溝が連通する
共通インク室用溝と、該共通インク室用溝に連通し前記
ジョイント部材との接合を行なうインク供給管から構成
され、該インク供給管はインク吐出方向に対して鈍角の
角度をもって形成されており、前記ヒーターチップは、
インク吐出方向に対して少なくとも前記発熱素子より後
方部分および隣接する前記流路溝を隔てる流路溝壁との
接合領域が樹脂層で覆われていることを特徴とするもの
である。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のインクジェットプリントヘッドにおいて、前
記発熱素子を覆う発熱素子保護層を有しており、該発熱
素子保護層は、前記発熱素子の上部からインク吐出方向
に対して前方へ延在していることを特徴とするものであ
る。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
のインクジェットプリントヘッドにおいて、前記ジョイ
ント部材は、前記インク供給管と接合を行なう側では前
記インク供給管の中心と一致し前記インク供給管の内径
とほぼ同一断面の流路を有し、該流路はジョイント部内
で一か所のみでかつ鈍角で屈曲し、該屈曲した部分の前
記インク供給管と接合を行なう側とは反対の側には前記
流路の断面が拡大される領域を有し、該反対の側の流路
端にはフィルタが取り付けられることを特徴とするもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、本発明のイン
クジェットプリントヘッドの実施の一形態を示す概略構
成図である。図中、1はヒーターチップ、2は流路形成
部材、11は発熱体、12,13は電極、14は発熱体
用保護層、15は樹脂層、21は流路溝、22は流路溝
壁、23は噴射口、24は共通液室、31は気泡であ
る。各図とも、発熱体近傍の構成を示している。図3
は、ヒーターチップ1上の発熱体11とそれに接続され
る電極12のパターンを示している。図4は、樹脂層1
5のパターンを、図3に示した発熱体11と電極12の
パターンに重ねて示している。図1は、図4におけるY
1断面図、図2は同じくY2断面図、図5は同じくX断
面図である。
【0013】ヒーターチップ1上には、図3に示すよう
に発熱体11が配列され、インクの吐出方向に対して後
方に個別の電極12がそれぞれ接続され、前方には複数
の発熱体11に共通の電極13が接続されている。発熱
体11上には、図1に示すように、発熱体用保護層14
が成膜されている。この発熱体用保護層14は、発熱体
11を覆うとともに、噴射口23の方向へ延在するよう
に設けられている。発熱体用保護層14としては、Ta
等の熱伝導性に優れた金属などが用いられる。もちろ
ん、直接インクと接するので、耐インク性を有すること
が必要である。あるいは、耐インク性膜を別に施しても
よい。
【0014】ヒーターチップ1上にはさらに発熱体11
のインクの吐出方向に対して後方と、流路形成部材2の
流路溝壁22との接合部分に樹脂層15が設けられてい
る。すなわち、発熱体11上から吐出口23に至るイン
クの流路には、樹脂層15が設けられていない。図1に
示すように、発熱体11上で発生した気泡31は、発熱
体11の後方の樹脂層15の側壁によってその成長が規
制され、吐出口23へ向かう方向に気泡31の膨張時の
圧力が良好に働くので、熱エネルギーがインクの吐出に
効果的に使用される。また、上述のように発熱体用保護
層14が吐出口23の方向に延在しているので、インク
に接する面積が大きく、暖められたヒーターチップの熱
を吐出するインクに良好に逃がすことができる。そのた
め、高速印字を行なっても蓄熱しにくく、蓄熱による印
字欠陥が発生しにくいヘッドが得られる。さらに、樹脂
層15によって覆われている部分では、樹脂層15によ
ってインクと遮断されるので、インクによる腐食を防ぐ
ことができる。
【0015】また、図2に示すように、流路溝壁22と
の接合面に存在する電極13の凹凸を樹脂層15で吸収
することで、接合面の平坦性が良好となる。さらに、樹
脂層15に軟らかい材料を選択することで弱い加圧力で
充分な接合状態を得ることができる。これにより、ヒー
ターチップ上の平坦性を向上するための研磨やエッチン
グ工程などを追加することなく、流路間での圧力伝搬に
よる印字欠陥が起こらない信頼性の高いヘッドが容易に
作製できる。
【0016】さらには、図5に示すように、流路溝21
が浅くても、樹脂層15の厚みの分だけ大きな流路断面
積が確保できるので、後述する流路形成部材2で最も成
形が困難な流路溝21の部分を浅い溝でかつ壁部の角度
を大きくとれるため、流路形成部材2の作製が容易とな
る。
【0017】図6は、本発明のインクジェットプリント
ヘッドの実施の一形態における流路形成部材2のヒータ
ーチップ接合面から見た斜視図、図7は、同じく流路形
成部材2のインク噴射側より見た斜視図である。図中、
図1ないし図5と同様の部分には同じ符号を付してあ
る。25はインク供給管、26は接合面、27は溝、2
8は逃げ部、29は側方板状部である。
【0018】この流路形成部材2は、樹脂によって成型
される。流路形成部材2には、複数の流路溝21と共通
液室24が設けられており、複数の流路溝21は共通液
室24と連通している。図1にも示したように、流路溝
21と共通液室24の間には凸部を設けて流路を狭め、
発熱体11で発生した気泡31の成長による圧力を共通
液室24へなるべく伝播させないようにしている。流路
溝21の共通液室24との連通部と反対側には、それぞ
れの流路溝21に対応して図7に示す噴射口23が設け
られている。共通液室24内は、各流路溝21に速やか
にインクを供給し、かつ共通液室24内に気泡が停滞し
ないように、略扇状の形状となっている。
【0019】共通液室24には、インク供給管25がイ
ンク吐出方向に対して鈍角をなすように直管状に設けら
れている。図8は、ヒーターチップ1と流路溝形成部材
2との概略断面図である。ここで、図8(B)には、従
来のヘッドと同様にインク供給管25をインク吐出方向
に対して直角に設けた場合を示している。インク供給管
25には、図示しないジョイントが接合されるが、この
ジョイントとの接合空間を確保するため、図中dで表さ
れる距離が必要である。図8(B)に示す場合には、結
果として共通液室24が大きくなり、必然的にヒーター
チップ1との接合領域L1も大きく取らなければならな
い。しかし、図8(A)に示すようにインク供給管25
をインク吐出方向に対して鈍角となるように設けた構成
では、ジョイントと接合するための同一の空間dを確保
しつつ、ヒーターチップ1との接合領域L2を小さくで
きる。そのため、ヒーターチップ1およびヘッド全体を
小型化できる。また、インク供給管25をインク吐出方
向に対して鈍角となるように設けた方が、インクの流れ
はスムースになり、流路抵抗が減少して流路溝21への
インクのリフィルを円滑に行なうことができる。
【0020】ヒーターチップ1は、流路溝21および共
通液室24を覆うように接合される。流路形成部材2に
は、ヒーターチップ1との接合面26が、流路溝21が
形成されている以外の3方に設けられている。接合面2
6には、インク流路溝21よりも断面積が大きな溝27
が設けられている。この溝27は、ヒーターチップ1と
の接合時にインク噴射方向とその逆方向で大気と連通す
るように構成されており、封止剤が毛管力により充填さ
れるようになっている。もちろん、上述のように流路溝
21の間の流路溝壁22の頂部もヒーターチップ1との
接合面となる。
【0021】逃げ部28は、ヒーターチップ1と外部と
の電気的接続に流路形成部材2が当接しないようにする
ための領域である。また、側方板状部29は、ヒーター
チップ1の側面をカバーするものである。
【0022】図9、図10は、本発明のインクジェット
プリントヘッドの実施の一形態の作製方法の一例を示す
工程図である。図中、3はジョイント、4はヒートシン
ク、41は発熱素子基板、42は切断位置、43は洗浄
液、44は電気的接続線、45は仮止め接着剤、51は
ジョイント固定穴、52は封止剤注入穴、53は外部配
線中継基板、61は封止剤注入穴である。
【0023】図9(A)において、シリコンウエハ上に
図示しない複数の発熱体11、および発熱体11に接続
される電極12,13を例えば図3に示すようにLSI
作製プロセスで形成する。同時に、駆動回路も形成す
る。これを、発熱素子基板41とする。図9(B)にお
いて、発熱素子基板41の表面に、ポリイミドなどの薄
い樹脂層15を塗布し、パターニングする。これにより
樹脂層15が形成されるのは、発熱素子基板41上に形
成される複数のヒーターチップ1のそれぞれについて、
例えば図4に示すように、発熱体11の後方部分と流路
形成部材2の流路溝壁22と接合する部分である。
【0024】図9(C),(D)において、発熱素子基
板41は切断位置42において例えばダイシング等によ
って切断され、個別のヒーターチップ1となる。切断さ
れたヒーターチップ1は、ダイシング時のダイシング粉
や樹脂層のバリを除去するために、洗浄液43等によっ
て洗浄され、またバリを除去する工程が実施される。
【0025】一方、チップ固定用の基板として、チップ
と外部との電気的接続用である外部配線中継基板53が
Alの表面に形成された一体部品としてヒートシンク4
が作製される。もちろん、ヒートシンク4と外部配線中
継基板53とが別体であってもよい。ヒートシンク4に
は、ジョイント3を固定するためのジョイント固定穴5
1および封止剤を注入するための封止剤注入穴52が設
けられている。
【0026】図10(A)において、このヒートシンク
4に洗浄されたヒーターチップ1が位置決めされ、銀エ
ポキシ等の熱伝導の良好な接着剤で接合される。図10
(B)において、ヒーターチップ1と外部配線中継基板
53がワイヤボンディングまたはTAB方法または異方
性導電膜などの電気的接続線44により接続される。
【0027】図10(C)において、流路形成部材2が
チップ上部と端面に突き当てられた状態で、噴射口側よ
り位置合わせ用マークを観察しながら流路形成部材2を
発熱体11の並び方向に微小移動させ、発熱体11と流
路溝21を位置合わせする。位置合わせした状態で流路
形成部材2をヒーターチップ1に押圧し、その状態で流
路形成部材2の側方板状部29とヒートシンク4とのす
き間に、例えば瞬間接着剤、UV接着剤などの仮止め接
着剤45を塗布し、流路形成部材2をヒートシンク4に
仮止めする。このとき、流路形成部材2が接合するヒー
ターチップ1の面は、樹脂層15が形成されているので
樹脂同士の接合となり、また、樹脂層15によってヒー
ターチップ1の表面は平坦になっているので、小さな押
圧力によって十分な接合を得ることができる。
【0028】図10(D)において、流路形成部材2に
インクを供給するためのジョイント3が装着される。こ
のとき、ジョイント3の図示しないピンをヒートシンク
4に設けられたジョイント固定穴51に挿入し、流路形
成部材2のインク供給管25に対して突き当てにより位
置決めする。位置決め後、ジョイント3のピンはヒート
シンク4の裏面より熱かしめや接着剤により固定され
る。
【0029】最後に、ジョイント3のインク噴射口側に
設けられた封止剤注入穴61およびヒートシンク4の電
気的接続線44の近傍に設けられた封止剤注入穴52よ
り、例えばシリコンまたは変性エポキシ樹脂などの封止
剤を注入し、硬化させる。封止剤は封止剤注入穴52,
61のいずれか一方からでもよい。注入された封止剤
は、電気的接続線44の周囲に充填されてこれらを固定
するとともに、図6に示したヒーターチップ1と流路形
成部材2の接合面26に設けられた溝27にも侵入し、
インクが漏れ出さないように封止される。封止剤の硬化
によって、流路形成部材2はヒーターチップ1に位置決
めされたまま固定される。このようにして、インクジェ
ットプリントヘッドのアッセンブリが完成する。
【0030】図11、図12は、本発明のインクジェッ
トプリントヘッドの実施の別の形態を示す分解斜視図、
図13、図14は、同じく組立斜視図、図15は、同じ
く断面図である。図中、図1ないし図10と同様の部分
には同じ符号を付して説明を省略する。5はバネ材、6
2はインク流路、63はフィルタ、64は接続部材、7
1は流路形成部材押圧部、72は爪部、73は穴部であ
る。
【0031】バネ材5は、発熱体11の並び方向に延在
し、流路形成部材2をヒートシンク4へ向けて押圧する
ための流路形成部材押圧部71と、両側に設けられ、ヒ
ートシンク4の裏側に係止される爪部72を有してい
る。上述の図10(C)の工程において、流路形成部材
2を位置決め後、バネ材5の爪部72が流路形成部材2
の両側およびヒートシンク4の両側を通過してヒートシ
ンク4の裏側にその弾性力によって係止させる。流路形
成部材押圧部71は、流路形成部材2に当接し、バネ材
5の弾性力によって流路形成部材2を押圧する。これに
よって、流路形成部材2とヒートシンク4とでヒーター
チップ1を挟むようにして押圧固定する。
【0032】また、バネ材5の中央部付近には、流路形
成部材2のインク供給管25とジョイント3との結合を
図るための穴部73が設けられており、ジョイント3が
装着された状態でこの穴部73を貫通してインクの供給
路が形成される。もちろん、このバネ材5の形状によっ
ては穴部73を設ける必要はない。
【0033】上述の2つの実施の形態に共通したジョイ
ント3の構成について、主に図15を用いて説明する。
図15ではバネ材5を用いたインクジェットプリントヘ
ッドを示しているが、先の例のようにバネ材5を用いな
い構成であってもジョイント3として同様の構成とする
ことができる。
【0034】インク流路62は、流路形成部材2のイン
ク供給管25の断面積とほぼ一致しており、その中心線
もジョイント3の装着時にはインク供給管25の中心線
と略一致するように形成されている。このインク流路6
2は、図示しないインクタンクとのジョイント位置高さ
で鈍角に屈曲されており、その後フィルタ63の取付位
置前から取付位置までに流路の断面が10倍以上20倍
以下に拡大されている。この構成により、インクタンク
とのジョイント部から1回だけ鈍角に屈曲するだけで共
通液室24へインクを供給することができ、シンプルで
短い流路を構成しているので、インクの流路抵抗を減少
させるとともに、気泡などの滞留しやすい箇所を減少さ
せることができる。また、インク流路62の断面積をイ
ンク供給管25の断面積とほぼ同じとし、フィルタ63
通過後の流路断面積を必要最低限とすることによって、
インク流路62内のインクの流速が早く、流路内の気泡
が抜けやすくなる。そのため、気泡などによる印字不良
を低減し、印字信頼性の高いインクジェットプリントヘ
ッドを得ることができる。
【0035】フィルタ63は、インクタンクが取り外さ
れた状態で大気と接するが、フィルタ63のメッシュに
形成されるインクのメニスカスによって大気がインク流
路62内に侵入するのを防ぐ。また、インクタンク装着
時にも、ジョイント部に滞留する空気の侵入を防ぐ。さ
らにインク消費時にも、インクタンクから供給されるイ
ンク中の気泡をトラップしてインク流路62内への侵入
を防ぐ。しかし、このような空気の侵入を防止するため
には、メッシュの小さなフィルタを用いる必要がある
が、フィルタ63の取付位置でインク流路62の断面積
を大きくしているので、メッシュの小さなフィルタを用
いても印字に必要なインク量を供給することが可能とな
る。
【0036】接続部材64は、インクタンクと接続され
る部分であり、フィルタ63の面と鋭角に突出する環状
部を有している。少なくともこの環状部は弾性体によっ
て構成されており、インクタンクの装着によってこの環
状部がインクタンクに当接し、さらに押圧されて弾性変
形し、密閉されたインクタンクからジョイント3へのイ
ンクの供給路を形成する。
【0037】フィルタ63および接続部材64は、ジョ
イント3をヒートシンク4に取り付ける前に、ジョイン
ト部材3に取り付けられている。
【0038】なお、上述の例では、インクタンクとイン
クジェットプリントヘッドが分離可能な構成を示した
が、両者が一体の構成であってもよい。その場合には接
続部材64は不要であり、フィルタ63を介して、ある
いは直接インク流路62が、インクタンクに連通してい
ればよい。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、ヒーターチップのインク吐出
方向に対して発熱体より後方および流路形成部材の流路
溝壁との接合領域で、ヒーターチップが樹脂層で覆われ
ているので、流路形成部材と接合する材質が比較的柔ら
かな樹脂であるため、接合を容易に行なうことができ、
インクジェットプリントヘッドの組立性を改善すること
ができる。また、発熱体のインク吐出方向に対して前方
は樹脂層で覆われていないため、この方向に気泡を成長
させて圧力を有効に利用することができる。さらに、樹
脂層によってインクによる腐食を防ぐことができる。
【0040】さらに、請求項3に記載の発明のように、
この樹脂層で覆われていない部分まで発熱体の保護層を
延在させることによって、樹脂層で覆われていない部分
が発熱体の放熱領域ともなり、蓄熱を抑えることができ
る。
【0041】請求項2に記載の発明によれば、さらに共
通液室に連通するインク供給管がインク吐出方向に対し
て鈍角の角度をもって形成されているので、共通液室を
必要最低限に小さくできるので、ヒーターチップを小型
化でき、インクジェットプリントヘッドのコストを安価
にできる。また、ジョイント部を含めたヘッド全体のイ
ンク吐出方向および発熱体の並び方向に直交するキャリ
ッジのスキャン方向の寸法を小さくできるので、特に多
ヘッドを並べた場合にキャリッジスキャン方向で装置全
体の小型化が図れる。さらに、インク供給経路において
インクの流れ方向の変化が少なくなるため、気泡のトラ
ップによる印字欠陥などが発生しにくくなり、信頼性の
高いインクジェットプリントヘッドが得られる。
【0042】請求項4に記載の発明によれば、さらに、
ジョイント部材内での流路をインク供給管と直線状に配
し、屈曲部を極力減少させて1カ所のみとし、その屈曲
部も鈍角に屈曲するだけとしたので、インクの流速を速
くし、ジョイント部材内の流路での気泡のトラップの発
生しやすい箇所を減少させることができるので、気泡に
よる印字抜けなどの発生しにくいヘッドが得られるとと
もに、請求項2に記載の発明と同様にインクジェットプ
リントヘッド全体の小型化を実現できる。さらに、流路
の断面を拡大してフィルタを取り付け可能に構成したの
で、高密度のフィルタを用いても圧力損失がなく、良好
なインクの供給を行なうことができる。
【0043】このように、本発明によれば、樹脂製の流
路基板を用いたヘッドにおける組立性を改善し、より安
価で小型、高性能、高信頼性を有するインクジェットプ
リントヘッドを提供することが可能となるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェットプリントヘッドの実
施の一形態における流路溝部分を含む概略構成断面図で
ある。
【図2】 本発明のインクジェットプリントヘッドの実
施の一形態における流路溝壁部分を含む概略構成断面図
である。
【図3】 本発明のインクジェットプリントヘッドの実
施の一形態における発熱体および電極のパターンを示す
概略構成平面図である。
【図4】 本発明のインクジェットプリントヘッドの実
施の一形態における樹脂層のパターンを示す概略構成平
面図である。
【図5】 本発明のインクジェットプリントヘッドの実
施の一形態における発熱体配列方向の概略構成断面図で
ある。
【図6】 本発明のインクジェットプリントヘッドの実
施の一形態における流路形成部材2のヒーターチップ接
合面から見た斜視図である。
【図7】 本発明のインクジェットプリントヘッドの実
施の一形態における流路形成部材2のインク噴射側より
見た斜視図である。
【図8】 ヒーターチップ1と流路溝形成部材2との概
略断面図である。
【図9】 本発明のインクジェットプリントヘッドの実
施の一形態の作製方法の一例を示す工程図である。
【図10】 本発明のインクジェットプリントヘッドの
実施の一形態の作製方法の一例を示す工程図(続き)で
ある。
【図11】 本発明のインクジェットプリントヘッドの
実施の別の形態を示す分解斜視図である。
【図12】 本発明のインクジェットプリントヘッドの
実施の別の形態を示す分解斜視図である。
【図13】 本発明のインクジェットプリントヘッドの
実施の別の形態を示す組立斜視図である。
【図14】 本発明のインクジェットプリントヘッドの
実施の別の形態を示す組立斜視図である。
【図15】 本発明のインクジェットプリントヘッドの
実施の別の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ヒーターチップ、2…流路形成部材、3…ジョイン
ト、4…ヒートシンク、5…バネ材、11…発熱体、1
2,13…電極、14…発熱体用保護層、15…樹脂
層、21…流路溝、22…流路溝壁、23…噴射口、2
4…共通液室、25…インク供給管、26…接合面、2
7…溝、28…逃げ部、29…側方板状部、31…気
泡、41…発熱素子基板、42…切断位置、43…洗浄
液、44…電気的接続、45…仮止め接着剤、51…ジ
ョイント固定穴、52…封止剤注入穴、53…外部配線
中継基板、61…封止剤注入穴、62…インク流路、6
3…フィルタ、64…接続部材、71…流路形成部材押
圧部、72…爪部、73…穴部。
フロントページの続き (72)発明者 藤井 雅彦 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 高木 淳 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 釼持 伸夫 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発熱素子を有するヒーターチップ
    と、該発熱素子に対応する流路溝を設けた流路形成部材
    とを圧接したインクジェットプリントヘッドにおいて、
    前記ヒーターチップは、インク吐出方向に対して少なく
    とも前記発熱素子より後方部分および隣接する前記流路
    溝を隔てる流路溝壁との接合領域が樹脂層で覆われてい
    ることを特徴とするインクジェットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 複数の発熱素子を有するヒーターチップ
    と、該ヒーターチップに圧接する流路形成部材と、イン
    クを供給するためのジョイント部材を有し、前記流路形
    成部材は、前記発熱素子に対応しインクを噴射する複数
    のノズル噴射口と、該ノズル噴射口に対応する複数の個
    別流路溝と、該複数の個別流路溝が連通する共通インク
    室用溝と、該共通インク室用溝に連通し前記ジョイント
    部材との接合を行なうインク供給管から構成され、該イ
    ンク供給管はインク吐出方向に対して鈍角の角度をもっ
    て形成されており、前記ヒーターチップは、インク吐出
    方向に対して少なくとも前記発熱素子より後方部分およ
    び隣接する前記流路溝を隔てる流路溝壁との接合領域が
    樹脂層で覆われていることを特徴とするインクジェット
    プリントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記発熱素子を覆う発熱素子保護層を有
    しており、該発熱素子保護層は、前記発熱素子の上部か
    らインク吐出方向に対して前方へ延在していることを特
    徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリ
    ントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ジョイント部材は、前記インク供給
    管と接合を行なう側では前記インク供給管の中心と一致
    し前記インク供給管の内径とほぼ同一断面の流路を有
    し、該流路はジョイント部内で一か所のみでかつ鈍角で
    屈曲し、該屈曲した部分の前記インク供給管と接合を行
    なう側とは反対の側には前記流路の断面が拡大される領
    域を有し、該反対の側の流路端にはフィルタが取り付け
    られることを特徴とする請求項2に記載のインクジェッ
    トプリントヘッド。
JP24675096A 1996-09-18 1996-09-18 インクジェットプリントヘッド Pending JPH1086371A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502023A (ja) * 2002-10-10 2006-01-19 オリベッティ・アイ−ジェット・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 並行インクジェット印刷装置とその製造方法

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JP2006502023A (ja) * 2002-10-10 2006-01-19 オリベッティ・アイ−ジェット・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 並行インクジェット印刷装置とその製造方法

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