JPH1086357A - 印字装置 - Google Patents

印字装置

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JPH1086357A
JPH1086357A JP26552296A JP26552296A JPH1086357A JP H1086357 A JPH1086357 A JP H1086357A JP 26552296 A JP26552296 A JP 26552296A JP 26552296 A JP26552296 A JP 26552296A JP H1086357 A JPH1086357 A JP H1086357A
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Koji Imai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字装置において、インクカートリッジから
印字ヘッドへのインク供給時にインク漏れが生じた場合
でも、印字ヘッドユニットへ電源を供給する電極間での
ショート、発煙を防止する。 【解決手段】 キャリッジ側に設けられたFPC25上
には、信号送信用接点23a及び電源供給用接点24a
が設けられると共に、インク供給口に近い位置に通常時
オープン状態となっているインク漏れ検出用電極26が
設けられている。インク漏れが発生すると、インク漏れ
検出用電極26の電極間が導通して電極間の抵抗値が下
がるため、インク漏れ検出回路によりこの抵抗値を検出
することでインク漏れを検出でき、インク漏れ検出時に
へッドドライバへの電源供給を停止して電源供給用接点
24a間でのショート発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印字装置に関し、特
に、インク漏れが発生した場合に、印字ヘッドユニット
側への電源供給を遮断する機能を備えた印字装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、インクジェット式の印字装置
においては、インクが充填されたインクカートリッジが
印字ヘッドに取り付けられ、このインクカートリッジか
ら印字ヘッドにインクが供給される。そして、印字ヘッ
ドに設けられた複数のノズルから記録媒体に対してイン
ク液滴が噴射されることにより印字が行われる。印字機
構部においては、印字ヘッドユニット側に、ドライバ回
路が搭載されたドライバIC基板(ドライバ・インテグ
レイティッド・サーキット基板)、キャリッジ側に、印
字装置本体の制御部及び電源と接続されたフレキシブル
基板が、互いに対向する位置に設けられている。各基板
の互いに対向する面には、それぞれ印字制御信号送信用
の電極及びドライバ回路駆動電源用の電極が設けられ、
これら各基板上の電極同士が電気接続することで、印字
装置本体から印字ヘッドユニットへ印字制御信号及びド
ライバ回路駆動電源が伝達される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の印字装置によれば、インクカートリッジか
ら印字ヘッドにインクが供給される過程でインク漏れが
発生した場合、図9に示すように、インクiがフレキシ
ブル基板(又はドライバIC基板)25上のドライバ駆
動電源用電極24aに達して該電極間でショートする
と、この電極間には高圧が印加されているために発煙す
ることがあった。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、インクカートリッジから印字ヘ
ッドへのインク供給時のインク漏れを検出し、高圧電極
間におけるショート及び発煙を未然に防止可能な印字装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明に係る印字装置は、インクを噴
射して記録媒体上に印字を行う印字ヘッドユニットが、
印字動作のために往復動されるキャリッジ上に搭載さ
れ、この印字ヘッドユニットとキャリッジにそれぞれ設
けられた基板上に形成された電極と、この両基板上の電
極同士が電気接続されることにより、装置本体側の制御
手段及び電源回路から印字ヘッドユニット側に印字ヘッ
ド駆動用信号及び電源を供給するように構成された印字
装置であって、キャリッジ側の基板上に、通常時にオー
プン状態にあるインク漏れ検出用の一対の電極を設ける
と共に、この電極間の抵抗値を検出する検出手段とを設
け、検出手段によりインク漏れ検出用の電極間の抵抗値
が所定値よりも小さくなったことが検出された時、制御
手段は印字ヘッドユニット側への電源供給を遮断するも
のである。
【0006】上記構成においては、検出手段によって、
通常時にオープン状態にあるキャリッジ側の基板上のイ
ンク漏れ検出用電極間の抵抗値が所定値よりも小さくな
ったことが検出された時に、制御手段が印字ヘッドユニ
ット側への電源供給を遮断するので、インクカートリッ
ジからインクが漏れ、インク漏れ検出用電極間に達して
該電極間が導通し、電極間の抵抗値が小さくなった場合
は、印字ヘッドユニット側への電源供給が中止される。
よって、インク漏れを検出でき、印字ヘッドユニットへ
の電源供給用の高圧電極間でのショートの発生、発煙等
を防止することが可能となる。
【0007】また、請求項2に記載の発明に係る印字装
置は、請求項1に記載の印字装置であって、制御手段
は、印字ヘッドユニット側への電源供給を遮断するとき
に、印字ヘッドへ供給される電源電圧を平滑するための
コンデンサの電荷を放電させるものである。
【0008】上記構成においては、制御手段は、印字ヘ
ッドユニット側への電源供給を遮断するときに、印字ヘ
ッドへ供給される電源電圧を平滑するためのコンデンサ
の電荷を放電させるので、請求項1に記載の印字装置よ
りも確実かつ短時間で印字ヘッドユニットへの電源の供
給を停止することができ、電源供給用の高圧電極間での
ショートの発生、発煙等を確実に防止することが可能と
なる。
【0009】また、請求項3に記載の発明に係る印字装
置は、請求項1に記載の印字装置であって、検出手段に
より電極間の抵抗値が所定値よりも小さくなったことが
検出された時に、ユーザに対して警告を行う警告手段を
さらに備えたものである。
【0010】上記構成においては、警告手段によりイン
ク漏れの発生がユーザに対して警告されるので、ユーザ
に印字装置の状態を認識させることができるため、確実
に印字装置の故障等を防止することができる。
【0011】また、請求項4に記載の発明に係る印字装
置は、請求項1に記載の印字装置であって、インク漏れ
検出用電極は、キャリッジ側の基板上において電源用電
極よりもインク漏れを検出しやすい位置に設けられてい
るものである。
【0012】上記構成においては、インク漏れ検出用電
極は電源用電極よりもインク漏れを検出しやすい位置に
設けられているので、ドライバ回路駆動電源供給用の電
極間でショートや発煙が発生する前に、インク漏れを検
出でき、電源の供給を停止することができる。よって、
より確実に印字装置の故障を防止することができる。
【0013】また、請求項5に記載の発明に係る印字装
置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の印字装
置であって、印字手段をインクジェット式としたもので
ある。
【0014】上記構成においては、印字手段をインクジ
ェット式としたので、印字リボン等を使用したワイヤド
ット方式等の印字ヘッドに比してその構成を簡単である
ため、装置を小型化でき、さらに、印字をより鮮明に行
うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態に係
る手動型印字装置について図面を参照して説明する。図
1は本発明の実施の一形態であるプリンタ1の内部機構
を示した斜視図であり、印字機構、紙送り機構、及びパ
ージ装置等が示されている。印字機構2は、インクジェ
ット式の印字ヘッド5を備える印字ヘッドユニット(以
下、ヘッドユニットという)6と、印字ヘッド5にイン
クを供給するインクカートリッジ7等からなり、ヘッド
ユニット6とインクカートリッジ7は、キャリッジ8に
搭載されている。ここで、キャリッジ8は、ベルト9を
介してキャリッジモータ10により駆動されており、キ
ャリッジ軸11に沿って水平移動するようになってい
る。なお、印字ヘッド5は複数個のノズルを有してお
り、キャリッジ8の移動に対応してノズルからインクを
噴射する。印字ヘッド5への印字データ、印字クロック
等の各種制御信号の送信、及び印字ヘッド5を制御する
ヘッドドライバ(後述)を駆動するための電源供給は、
フレキシブルケーブル18によって行われる。
【0016】紙送り機構3は、給紙カセット又は手差給
紙部から供給された印刷用紙を印字ヘッド5に対面させ
ながら移動させるものであり、プラテンローラ12、圧
ローラ13、及び図示しないラインフィード(LF)モ
ータ等で構成されている。給紙カセット等から供給され
た印刷用紙は、プラテンローラ12と圧ローラ13に圧
接されて保持され、ラインフィードモータの回転に合わ
せて移動される。
【0017】パージ装置(吸引手段)4は、印字ヘッド
5の使用中に内部に気泡が発生したり、吐出面上にイン
クの液滴が付着することにより吐出不良を起こすことを
解消し、良好な吐出状態に回復させるための装置であ
る。パージ装置4の先端には、キャップ14が設けられ
ていて、このキャップ14に印字ヘッド5が覆われてい
るときにポンプにより負圧を発生させて、印字ヘッド5
の内部の不良インクを吸引して印字ヘッド5を回復させ
ている。また、フラッシング用吐出インク吸収体15
は、印字ヘッド5のノズルを良好な状態に保つために行
われるフラッシングによって吐出されるインクを吸収す
るためのものである。
【0018】上記の印字機構2について図2を参照して
説明する。図2は印字機構2を示す概略側面図である。
キャリッジ8には、上述のように、印字ヘッド5を備え
たヘッドユニット6と、インクカートリッジ7が搭載さ
れている。インクカートリッジ7は、ヘッドユニット6
に固定されており、ヘッドユニット6にはパッキン17
を介して固定されている。インクカートリッジ7から印
字ヘッド5へのインクの供給はインク供給口16を通じ
て行われる。ヘッドユニット6の下部には、印字ヘッド
5の動作制御を行うためのドライバIC基板19が配設
され、ドライバIC基板19に対向する位置のキャリッ
ジ8上部には、ディンプル接点付きのFPC25(フレ
キシブル・プリンティング・サーキット、図3参照)が
設けられている。
【0019】また、FPCの電源ラインとグランドライ
ンの間には、平滑用のコンデンサ21が接続され、キャ
リッジ8の中央部に固定されている。キャリッジ8下部
の記録媒体側には、キャリッジ8をキャリッジ軸(図1
参照)11に支持させるためのガイド軸穴8aが設けら
れており、反対側のキャリッジ8下部は、キャリッジ8
の姿勢を一定に保つのキャリッジ支持プレート22(図
1参照)によって支持されている。
【0020】ヘッドユニット6下部の基板部について図
3及び図4を参照して説明する。図3はヘッドユニット
6下部の基板部の断面図、図4はキャリッジ8に設けら
れたFPCのヘッドユニット6側の面を示す平面図であ
る。ドライバIC基板19上には、印字ヘッド5を駆動
するための回路を有したヘッドドライバ40(後述、図
5参照)、複数の信号送信用電極23、及びヘッドドラ
イバ駆動電源用電極24が設けられている。また、キャ
リッジ8側のFPC25上には、ドライバIC基板19
上の信号送信用電極23及びヘッドドライバ駆動電源用
電極24のそれぞれに対向して、信号送信用接点(電
極)23a、及び電源供給用接点24aが設けられ、さ
らに、通常時オープン状態となっている一対のインク漏
れ検出用電極26が設けられている。キャリッジ8に
は、これら信号送信用接点23a,電源供給用24aを
ドライバIC基板19の信号送信用電極23,ヘッドド
ライバ駆動電源用電極24と接触させるためのバックア
ップゴム27が設けられている。尚、図3では、信号送
信用電極23等と信号送信用接点23a等が非接触の状
態で示されているが、実際には上記のように接触させて
使用される。
【0021】ドライバIC基板19と印字ヘッド5はフ
レキシブルケーブルによって接続され、FPC25はフ
レキシブルケーブル18によってプリンタ1本体と接続
されており、信号送信用電極23及びヘッドドライバ駆
動電源用電極24と信号送信用接点23a,電源供給用
接点24aを介して、プリンタ1本体からの印字制御信
号がヘッドドライバに送信され、印字ヘッド5が駆動さ
れる。また、インク漏れ検出用電極26は、後述するイ
ンク漏れ検出回路(検出手段)によって両電極間の抵抗
値が検出され、プリンタ1本体の制御部は、インク漏れ
検出回路によって検出された抵抗値に応じてヘッドドラ
イバ40への電源供給を制御する。FPC25におい
て、インク漏れ検出用電極26は、信号送信用接点23
a,電源供給用接点24aよりもインク供給口16(図
2参照)に近い位置に配置される。
【0022】次に、プリンタ1の制御系の構成について
図5を用いて説明する。図5はプリンタ1の制御系のブ
ロック図である。プリンタ1には、印字データ処理等の
印字動作の制御を行うG/A(ゲート・アレイ)回路3
1、及びその他のプリンタ1全体の制御を行うCPU
(制御手段)32が備えられている。G/A回路31に
は、インターフェイス部33を介してホストコンピュー
タ34が接続され、ホストコンピュータ34から受信し
た印字データを格納するイメージメモリ35も接続され
ている。また、キャリッジ8の駆動機構、記録媒体Pの
搬送機構等を制御するプログラムを格納するROM3
6、各機能ブロック毎の制御データを格納するRAM3
7が、G/A回路31及びCPU32に接続されてい
る。CPU32には、操作スイッチ等で構成される操作
パネル(SWパネル)38、並びにキャリッジ8駆動用
のモータ10及び記録媒体P搬送用のモータ等からなる
駆動系39が接続されている。G/A回路31にはヘッ
ドドライバ40が接続されており、G/A回路31から
ヘッドドライバ40には、印字データ、転送クロック、
印字クロック、及びラッチ信号といった印字制御信号が
送信される。
【0023】また、CPU32には、インクカートリッ
ジ7からのインク漏れを検出するために、インク漏れ検
出用電極26の両電極間の抵抗値を検出するインク漏れ
検出回路41が接続されている。インクカートリッジ7
からインクが漏れ、インク漏れ検出用電極26に達した
場合、オープン状態となっているインク漏れ検出用電極
26がインクによって導通し、抵抗値が下がるので、イ
ンク漏れ検出回路41がインク漏れ検出用電極26の両
電極間の抵抗値を検出することでインク漏れを検出する
ことが可能となる。ヘッドドライバ40には、ドライバ
電源制御回路42を介して電源43が接続され、ドライ
バ電源制御回路42はCPU32によって制御れるよう
に構成されている。インク漏れ検出回路41からその検
出結果がCPU32に出力されると、CPU32はこの
インク漏れ検出回路41からの信号に基づいて、ドライ
バ電源制御回路42へ出力する信号を操作してヘッドド
ライバ40への電源供給を制御する。尚、ドライバ電源
制御回路42の詳細は後述する。更に、CPU32に
は、ユーザに対してインク漏れの発生等を警告するため
のLED(ライト・エミッティング・ダイオード、警告
手段)44が接続されている。
【0024】次に、上記ドライバ電源制御回路42につ
いて図6を参照して説明する。図6はドライバ電源制御
回路42の概略構成を示す図である。ドライバ電源制御
回路42は、ヘッドドライバ40と電源43との間に介
在され、さらに、ヘッドドライバ40へ供給される電源
を平滑するためのコンデンサ21と並列に接続されてい
る。ドライバ電源制御回路42は、制御信号入力端61
から入力される制御信号に応じてヘッドドライバ40へ
の電源供給を制御すると共に、この電源供給停止時には
内蔵された放電用抵抗Rを介してコンデンサ21に充電
されている電荷を放電させるように制御するものであ
る。
【0025】ドライバ電源制御回路42は、電源43か
らヘッドドライバ40への電源供給を制御するトランジ
スタTr1と、このトランジスタTr1の導通を制御す
るトランジスタTr3と、放電用抵抗Rと直列に接続さ
れ、コンデンサ21の電荷放電を制御するトランジスタ
Tr2と、このトランジスタTr2の導通を制御するト
ランジスタTr4と、上記放電用抵抗Rとからなる。上
記トランジスタTr3のベースは制御信号入力端61に
接続され、また、トランジスタTr4のベースはNOT
回路63を介して制御信号入力端61に接続されてい
る。この制御信号入力端61にはCPU32から制御信
号が入力されるようになっている。
【0026】上記構成でなるドライバ電源制御回路42
の動作について説明する。プリンタ1全体の電源がオン
となっている状態において、ヘッドドライバ40に電源
を供給する場合、CPU32は制御信号入力端61に電
源供給信号=“1”を与える、即ち、Hiの電圧を印加
する。これにより、トランジスタTr3がオンし、それ
によりトランジスタTr1がオンとなり、電源43から
ヘッドドライバ40に電源が供給される。このとき、ト
ランジスタTr4は、CPU32から電源供給信号=
“1”が与えられても、NOT回路63が配設されてい
るためにオフとなり、それによりトランジスタTr2が
オフとなり、放電用抵抗Rとコンデンサ21とは非接続
状態となる。
【0027】次に、印字機構2において、インク漏れが
生じた場合のドライバ電源制御回路42の動作について
説明する。図7はインク漏れが生じた場合のFPC25
を示す図である。プリンタ1全体の電源スイッチがオフ
であるとき、又はインク漏れ検出回路41が検出したイ
ンク漏れ検出用電極26の両電極間の抵抗値が所定値
(0.5V)よりも小さくなった場合、即ち、図7に示
すように、インク漏れが生じてインク漏れ検出用電極2
6の両電極間にインクiが流れ込み、両電極が導通して
抵抗値が下がった場合、この検出結果を示す信号がイン
ク漏れ検出回路41からCPU32に送られる。この信
号に基づいて、CPU32は制御信号入力端61に電源
供給信号=“0”を与える、即ち、Lowの電圧を印加
する。これにより、トランジスタTr3がオフし、それ
によりトランジスタTr1がオフとなり、電源43から
ヘッドドライバ40への電源の供給が停止される。この
とき、トランジスタTr4には、CPU32から制御信
号入力端61に電源供給信号=“0”が与えられてお
り、NOT回路63によってオンとなり、それによりト
ランジスタTr2がオンとなり、放電用抵抗Rとコンデ
ンサ21とは接続された状態となる。従って、コンデン
サ21に充電されている電荷が放電用抵抗Rによって短
時間で放電されることになる。
【0028】この放電の終了後、インク漏れ検出回路4
1により抵抗値が所定値に復帰したことが検出され、そ
の検出結果を示す信号がCPU32に送られると、CP
U32はこの信号に従って、制御信号入力端61に電源
供給信号=“1”を与え、即ち、Hiの電圧を印加し、
電源43からヘッドドライバ40への電源の供給を再開
すると共に、コンデンサ21と放電用抵抗Rとを非接続
状態にする。
【0029】上記のようなプリンタ1におけるインク漏
れ検出時の処理について図8のフローチャートを参照し
て説明する。インク漏れ検出用電極26の両電極間の抵
抗値は常にインク漏れ検出回路41によって検出され
(S1)、その抵抗値が所定値(0.5V)以上である
場合は(S1でNO)、処理を終了して通常の印字処理
が行われる。上記抵抗値が所定値(0.5V)よりも小
さくなったことが検出された場合(S1でYES)、印
字中であるか否かを調べて(S2)、印字中であれば
(S2でYES)、印字を中止するためにキャリッジ8
の駆動を停止させ(S6)、次いで、ドライバ電源制御
回路42に制御信号を送ることにより、ヘッドドライバ
40への電源供給を停止すると共に、コンデンサ21の
チャージ電荷を放出させる(S3)。S2で印字中でな
いときは(S2でNO)、S6の処理を行うことなく直
ちにS3に進む。その後、印字処理禁止フラグをセット
し(S4)、さらにLED44を点灯させてユーザに対
してインク漏れを警告し(S5)、処理を終了する。
【0030】このように、本実施形態のプリンタ1によ
れば、印字機構2においてインク漏れが生じた場合、イ
ンク漏れ検出用電極26の両電極間が導通し、電極間の
抵抗値が小さくなる。この抵抗値の変化はインク漏れ検
出回路41によって検出され、抵抗値が所定値よりも小
さくなった場合、CPU32はインク漏れ検出回路41
からの信号に基づいてドライバ電源制御回路42にヘッ
ドドライバ40への電源の供給を停止させ、コンデンサ
21のチャージ電荷を放出させる。これにより、インク
漏れが生じた場合でも、電源供給用接点24a間でショ
ートを起こして発煙を生じるようなことがない。また、
インク漏れ検出用電極26は、信号送信用接点23a及
び電源供給用接点24aよりもインク供給口16に近い
位置に配置され、インクiが電源供給用接点24aに到
達する前にインク漏れを検出することができるので、高
圧の電源供給用接点24a間でショートが発生する前に
ヘッドドライバ40への電源供給を停止することができ
る。
【0031】なお、本発明は上記実施の形態の構成に限
られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形
態では、CPU32は、ヘッドドライバ40への電源供
給の制御、及びコンデンサ21と放電用抵抗Rとの接続
状態の制御を同一の制御信号によって制御しているが、
これらの制御は各々別個の制御信号によって行われるも
のであってもよい。この場合は、各々の制御信号用の制
御信号入力端を必要とするが、NOT回路63は不要と
なる。また、上記実施の形態では、印字動作を停止させ
るか否かを判断するための、インク漏れ検出用電極26
の両電極間の抵抗値の所定値を0.5Vとしているが、
必ずしもこの値に限定されるものではなく、印字ヘッド
5等の適正、使用するインクの電気的特性、周囲環境等
によって適宜変更されるものである。
【0032】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明に係
る印字装置によれば、インクカートリッジからインクが
漏れ、インクがインク漏れ検出用電極間に達して該電極
間が導通し、電極間の抵抗値が小さくなった時に、これ
を検出して印字ヘッドユニット側への電源供給を中止す
るようにしているので、インク漏れを検出でき、印字ヘ
ッドユニットへの電源供給用の高圧電極間でのショー
ト、発煙等を生じることを防止することが可能となる。
【0033】また、請求項2に記載の発明に係るに印字
装置によれば、印字ヘッドユニット側への電源供給を遮
断するときに、平滑用コンデンサの電荷を放電させるの
で、確実に電源供給用の高圧電極間でのショートの発生
を防止することが可能となる。
【0034】また、請求項3に記載の発明に係る印字装
置によれば、インク漏れの発生がユーザに対して警告さ
れるので、ユーザに印字装置の状態を認識させることが
できる。
【0035】また、請求項4に記載の発明に係る印字装
置によれば、インク漏れ検出用電極は電源用電極よりも
インク漏れを検出しやすい位置に設けられているので、
ドライバ回路駆動電源供給用の電極間でショートや発煙
が発生する前に、確実にインク漏れを検出でき、電源の
供給を停止することができる。
【0036】また、請求項5に記載の発明に係る印字装
置によれば、印字手段をインクジェット式としたので、
印字リボン等を使用したワイヤドット方式等の印字ヘッ
ドに比してその構成を簡単であるため、装置を小型化で
き、さらに、印字をより鮮明に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの内部機構
を示した斜視図である。
【図2】プリンタのキャリッジ及びヘッドユニット部分
の概略側断面図である。
【図3】プリンタのヘッドユニット下部の基板部の断面
図である。
【図4】キャリッジに設けられたFPCのヘッドユニッ
トに対向する面の平面図である。
【図5】プリンタの制御系のブロック図である。
【図6】プリンタに備えられるドライバ電源制御回路の
回路図である。
【図7】インク漏れが生じた場合のFPCを示す図であ
る。
【図8】インク漏れ検出時の処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図9】従来のFPCにおいてインク漏れが生じた場合
の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 プリンタ(印字装置) 5 印字ヘッド 6 印字ヘッドユニット 8 キャリッジ 21 コンデンサ 23a 信号送信用接点(電極) 24a 電源供給用接点(電源用電極) 25 FPC(基板) 26 インク漏れ検出用電極 32 CPU(制御手段) 41 インク漏れ検出回路(検出手段) 44 LED(警告手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを噴射して記録媒体上に印字を行
    う印字ヘッドユニットが、印字動作のために往復動され
    るキャリッジ上に搭載され、この印字ヘッドユニットと
    キャリッジにそれぞれ設けられた基板上に形成された電
    極と、この両基板上の電極同士が電気接続されることに
    より、装置本体側の制御手段及び電源回路から印字ヘッ
    ドユニット側に印字ヘッド駆動用信号及び電源を供給す
    るように構成された印字装置において、 前記キャリッジ側の基板上に、通常時にオープン状態に
    あるインク漏れ検出用の一対の電極を設けると共に、こ
    の電極間の抵抗値を検出する検出手段を設け、 前記検出手段によりインク漏れ検出用の電極間の抵抗値
    が所定値よりも小さくなったことが検出された時、前記
    制御手段は前記印字ヘッドユニット側への電源供給を遮
    断することを特徴とする印字装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記印字ヘッドユニッ
    ト側への電源供給を遮断するときに、印字ヘッドへ供給
    される電源電圧を平滑するためのコンデンサの電荷を放
    電させることを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段により前記電極間の抵抗値
    が所定値よりも小さくなったことが検出された時に、ユ
    ーザに対して警告を行う警告手段をさらに備えたことを
    特徴とする請求項1に記載の印字装置。
  4. 【請求項4】 前記インク漏れ検出用電極は、前記キャ
    リッジ側の基板上において前記電源用電極よりもインク
    漏れを検出しやすい位置に設けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の印字装置。
  5. 【請求項5】 前記印字手段をインクジェット式の印字
    手段としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のい
    ずれかに記載の印字装置。
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