JPH1085982A - 局部シールド水中レーザ光照射装置 - Google Patents

局部シールド水中レーザ光照射装置

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JPH1085982A
JPH1085982A JP8247437A JP24743796A JPH1085982A JP H1085982 A JPH1085982 A JP H1085982A JP 8247437 A JP8247437 A JP 8247437A JP 24743796 A JP24743796 A JP 24743796A JP H1085982 A JPH1085982 A JP H1085982A
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JP
Japan
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laser beam
shield gas
injection nozzle
water
irradiated
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JP8247437A
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English (en)
Inventor
Hiroo Koide
宏夫 小出
Masayuki Kurihara
正之 栗原
Yasukata Tamai
康方 玉井
Takao Funamoto
孝雄 舟本
Tsutomu Konuma
勉 小沼
Akira Konuma
昭 小沼
Mitsuo Nakamura
満夫 中村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水中環境下でのレーザ加工装置において、水排
除と浸水防止をしつつ被照射表面の異物除去を可能とす
る。 【解決手段】シールドガス導入とガス圧制御が可能な装
置と、被照射表面の水排除および水浸入を防止するため
のレーザ光照射筒に連なるシールドガス噴射ノズルの先
端の外周に配置され、かつシールドガス噴射ノズル外側
に末広がりの角度をつけ、互いに上下方向に摺動が可能
な金属または非金属繊維状の細線と、その細線にシール
ドガス噴射ノズル内部で接続した羽根車を設け、シール
ドガス流量により羽根車を回転させ、その細線を回転さ
せ、飛び出した細線が被照射表面に接触、および回転す
ることによりノズルと被照射表面との隙間を遮断し、水
排除と水浸入を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ光照射装置、
特に水中環境下で、レーザ光照射ノズルと被照射表面間
の局部的な水排除および水侵入防止を図るためのノズル
構造を備えた局部シールド水中レーザ光照射装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水中環境下でレーザ光を被照射表面に照
射して加熱、溶融するレーザ加工装置は、その熱エネル
ギー源などでは違いはあるが、アーク溶接等で用いられ
る局部水排除技術を応用することができる。従来の局部
水排除技術では、水排除ノズルと施工表面間に隙間があ
ると水が浸入してくるため、常に機械的に荷重を水排除
ノズルにかけながら、施工表面に接触させることにより
局部気中空間を得て、水中環境下での施工を可能として
いる。
【0003】さらに、水排除ノズルの周囲に流体もしく
は気体を噴射することにより局部的に気中空間と水中と
を遮断し、水排除ノズルと被加工表面との間に隙間があ
っても施工が可能な装置も採用されている。
【0004】特開昭49−98746は、溶接心線を指
示する案内筒の外側全周に、隣接する部材が液密にかつ
互いに上下方向に摺動可能に配列され、各部材の個々の
自重または上部からの加圧力により独立して上下する多
数の部材で形成されたカーテン状隔壁を有するノズルに
より水の浸入を防止している。
【0005】この方式はカーテン状隔壁を形成する部材
が被加工表面に垂直に位置されており、トーチの移動に
より部材と施工表面が擦れ部材が曲がることを考慮して
いない。また、部材の曲がりにより部材と施工面に隙間
が発生し水が浸入すること、およびトーチの進行方向側
の部材が内側に曲がることによりアークとの短絡が懸念
されることも考慮していない。さらに、この装置では下
向き姿勢では自重により被加工表面に密着するが、下向
き姿勢以外の施工姿勢では加圧力により押しつけておく
必要があり、加圧機構が必要である。
【0006】特開昭49−023133は、シールドガ
スのノズルの外周に機械的駆動源により高速回転するプ
ロペラを設けた溶接トーチにより溶接直下と施工表面間
の水を排除し、気相層領域を形成させることにより水中
溶接を可能としている。
【0007】この方式はノズル外周の水およびプロペラ
と施工表面との間の隙間の水に回転力を与えて水排除を
行なうもので、隙間と回転力の関係を常に適切に維持し
ていないと水が浸入すること、プロペラが施工表面と接
触することにより施工表面が損傷することが懸念され、
常に隙間を許容値内に管理する必要がある。また、施工
面の凹凸によりその直下の隙間のバランスが壊れて水が
浸入すること、縦向き、横向き姿勢の場合は重力の影響
でプロペラ上部の隙間から水が浸入することも懸念され
る。
【0008】特開平7−100673は、水中レーザ光
照射に関するもので、ヘッドの環状縁部に環状気体を噴
射する気体噴射口を設けたものであり、前述の公知例と
同様に被加熱表面間の隙間の管理が必要となるが、磁化
した状態で転動するマグネット車輪を設置することによ
って隙間を制御している。この場合、被照射表面は磁性
を有するものが対象となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】水中環境下でのレーザ
光照射ノズルによる施工において、施工面の凹凸などの
表面状態や施工姿勢に左右されずに容易に水排除ができ
ることが要求される。しかも、施工中は任意の速度で移
動し、水排除ノズルによる水排除範囲も常に移動するこ
とになるため、被照射面表面の凹凸などの表面形状が水
排除に大きな影響を与え、表面形状に対応した水排除お
よび浸水防止技術が大きな課題である。
【0010】特に、溶接構造物の既溶接部の補修および
熱影響部の表面改質等を目的としたレーザ光照射の場
合、既溶接部は、製作段階での溶接部の食違いによる段
差、溶接時の角変形、溶接部の余盛形状または溶接部の
余盛部除去による凹凸等があり、均一した表面ではな
い。したがって、凹凸に対応した水排除浸水防止が必要
である。
【0011】ノズルを施工面へ押し付ける方式は、押し
付ける機構、凹凸に合わせた押し付け力の制御やノズル
先端の押し付け部材の柔軟性が要求され、ノズルの移動
速度と押し付け部材とのバランスも必要である。押し付
け力が大きいとの凸部の摩擦抵抗が大となり、押し付け
部材がめくれる事象が発生したり、押し付け部材が固い
と押し付けても凹み部に接触しない事象が発生する。
【0012】ノズルと施工表面との間に間隙がある方式
は、シールドガスにより強制的に水浸入を防止する方法
が主であり、表面の凹凸状態に合わせた隙間の管理が必
要で、隙間に対応したシールドガス流量の調整が必要で
ある。したがって、本発明の目的は、施工表面状態や施
工姿勢に影響を受けずに常に水排除が可能である水排除
ノズル機構を提供するものである。
【0013】また、水中環境下での被照射表面には、酸
化物等のレーザ光照射に影響を及ぼす付着物があり、レ
ーザ光照射前にワイヤブラシ等を用いて機械的に被照射
表面から付着物を除去する必要がある。例えば、原子炉
プラントにおける原子炉の内部構造物は、プラント運転
により表面に酸化スケールが付着するため、レーザ光照
射を施工する場合はレーザ光照射前に表面の酸化スケー
ル等の異物を除去する必要があり、その労力は多大なも
のである。したがって、本発明の他の目的は、照射前の
被照射表面の付着物除去をなくし、レーザ光照射施工と
同時に付着物の除去を可能とする水排除ノズル機構を提
供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、水中環境下でレーザ光を被照射表面に照射
して加熱、溶融するレーザ光照射装置において、シール
ドガス導入系とガス圧制御が可能な機構と、被照射面の
水排除および水浸入を防止するレーザ光照射筒に連なる
シールドガス噴射ノズル先端の外周に配置され、かつシ
ールドガス噴射ノズル外側に末広がりの角度をつけ、互
いに上下方向に摺動が可能な金属または非金属繊維状の
細線と、その細線とシールドガス噴射ノズル内部で接続
した羽根車を備えた機構を用いて、シールドガス流量に
より羽根車を回転させその細線を回転させ、飛び出した
細線が被照射表面に接触、および回転することによりシ
ールドガス噴射ノズルと被照射表面との隙間を遮断し、
水排除と水浸入を防止する。さらに細線の被照射表面へ
の接触、および回転により被照射表面の異物を除去す
る。
【0015】上述のように構成された本発明の照射装置
においては、レーザ光照射筒に連なるシールドガス噴射
ノズルに取り付いた細線の回転による細線が被照射面に
接触することおよび回転により、細線がシールドガス噴
射ノズルと被照射表面の隙間の遮蔽となり、水を排除し
かつ水の浸入を防止し、水中環境下でのレーザ照射が可
能となる。また、羽根車の回転によりシールドガスが周
方法に強制的に噴射されるため、横向き姿勢でのレーザ
光照射時は、ノズル上部からの水侵入を防止でき、レー
ザ照射姿勢の影響を受けずに施工が可能である。
【0016】発明者は、回転による遠心力の発生、およ
びレーザ光照射の場合は、過大なシールドガス流量にお
いても適正な施工が可能であり、このシールドガスによ
る回転効果に着目した。図10は、本発明のシールドガ
ス噴射ノズル構造の原理図を示す。細線1を保持し外側
にθ°傾かせたフレーム2をモータ27等で回転させる
と、細線1は回転し遠心力により拡がろうとする動きを
する。
【0017】細線1はフレーム2を溝構造とし、その溝
3に細線1が入り、溝3からの飛び出し防止のため端部
に突起物4、さらにその反対側端部にも突起物5をつけ
る。この構造により細線1が回転軸方向および回転軸と
直角な方向に飛び出す。細線1の長さを任意に選択する
ことにより、飛び出す方向に被照射表面6を設置すれ
ば、細線1は常に被照射表面6に接触することになる。
【0018】さらにこの細線1を円周上に配列させ回転
させれば、複数の細線1が被照射表面6に接触すること
により、被照射表面6の形状に追従して隙間の遮蔽が可
能となる。さらに、複数の細線1が回転することにより
細線1自身が水との遮蔽となり水の侵入を防止する。し
たがって、被照射表面6の形状に左右されずに遮蔽が可
能となる。
【0019】細線1を保持するフレーム2の回転はモー
タ等により可能だが、水排除および水浸入防止のために
噴射するシールドガスを利用することが可能である。図
1は、水中環境下で使用するシールドガス噴射ノズルを
有するレーザ光照射装置図である。レーザ照射光学部品
12はアーム22に固定され、そのアーム22は走行台
車13に取り付けられる。
【0020】レーザ照射光学部品12は集光レンズ14
を内包するレーザ光照射筒11、シールドガス噴射ノズ
ル8から構成されている。シールドガスは、ガス供給装
置17から圧力制御装置18を通じてガス供給ライン1
9より供給され、シールドガス供給口16より噴射ノズ
ル8内に噴射される。また、同様にセンターガスもガス
供給装置17およびガス圧力制御装置18よりセンター
ガス供給口15から円錐筒内に供給される。
【0021】レーザ光26は、レーザ光発振器19から
光ファイバー20によって伝送され、ファイバー接続体
30を介してレーザ光照射筒に入る。走行台車13が走
行することによりレーザ光照射部品12は水槽25内に
設置された被照射材表面6を移動し、レーザ光照射が可
能となる。図2にシールドガス噴射ノズル8の構造を示
す。シールドガス噴射ノズル8はフレーム2を保持、お
よび回転させるためのベアリング9が固定させる。
【0022】フレーム2の内側にフレーム2と接続した
羽根車7を設置し、フレーム2をベアリング9を介して
噴射ノズル8に固定する構造とする。シールドガス供給
口16よりシールドガスを供給することにより羽根車7
は、シールドガスの流速により回転力が発生し、羽根車
7に接続したフレーム2が回転し細線1が遠心力を得る
ことができる。
【0023】この方式により回転機構が簡素化でき、さ
らにシールドガスも螺旋上に噴射されるため、シールド
ガス噴射ノズルの全周に均一に水排除および浸水防止が
可能である。また、遠心力による細線1のを被照射表面
6への接触および回転により、被照射表面6上の酸化ス
ケール等の異物除去が可能であり、かつシールドガスが
全周にわたり均一に噴射することにより、シールドガス
噴射ノズル8直下の被照射表面6への異物侵入が防止で
きる。
【0024】さらに、シールドガス噴射ノズル8先端に
羽根車7を設置し、その羽根車7の先端に細線1を取付
け、シールドガスを噴射し回転させるノズル構造でも有
効である。羽根車7の先端への細線1は前述と同様に互
いに、上下方向に摺動が可能で、かつシールドガス噴射
ノズルの外側に角度をつけた金属または非金属繊維状で
あり、細線1が羽根車7から飛び出さないよう、また、
遠心力による細線の飛び出しが容易になるように細線の
両端部に突起4、5を付けておく。羽根車7の回転とと
もに細線1が遠心力作用で飛び出し、ノズルと非照射表
面6の間隙を常にふさぐことにより水の排除および浸入
を防止する。
【0025】さらに、細線1の回転による被照射表面6
への接触する本機構により、照射姿勢に影響されること
が無く、縦向き、横向き等の全姿勢の照射が可能であ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】水中環境下で使用するレーザ光照
射装置は、図1に示したものと同じである。図3は、レ
ーザ光照射光学部品構造図である。レーザ光照射光学部
品12は、集光レンズ14を内包するレーザ光照射筒1
1、レーザ光26が集光する円錐筒10およびシールド
ガス噴射ノズル8から構成される。
【0027】光ファイバー21から鏡筒11に伝送され
たレーザ光26は、集光レンズ14で集束され円錐筒1
0を通り非照射面6に照射される。保護ガラス13は、
円錐筒10内部とレーザ光照射筒11を遮断する。局部
シールドの場合は、レーザ照射光学ヘッド12を水槽2
5の非照射面6に設置するまで水が浸入してくる。この
保護ガラス13によりレーザ光照射筒11内の集光レン
ズと水を遮断し、レンズに水滴が付着するのを防止す
る。
【0028】水中設置後、センターガスおよびシールド
ガスを流すことにより円錐筒10内の水を排除する。セ
ンターガス供給口15を保護ガラス13面に当たるよう
に設置することにより、センターガスにより保護ガラス
13の水滴除去および乾燥が可能である。また、気中時
からシールドガスおよびセンターガスを噴射しながら、
レーザ照射光学部品12を水中に設置することによって
も、円錐筒10内への水侵入を防止することが可能であ
る。
【0029】シールドガス噴射ノズル8は、シールドガ
ス供給口16、細線1を保持するフレーム2、ベアリン
グ9および羽根車7から構成される。細線1を保持する
フレーム2は、外側に末広がりの角度20°の傾斜をつ
けている。この傾斜により遠心力による被照射表面方向
への細線1の飛び出しが可能となり、さらに噴射ノズル
8が走行しても細線1がシールドガス噴射ノズル8内側
に入り込まないようにしている。
【0030】フレーム2は、フレーム2上部でベアリン
グ9と接続し、ベアリング9を介してシールドガス噴射
ノズル8に保持される。羽根車7は、円錐筒10外側面
と回転に支障のない間隙をつけ、フレーム2内側とは間
隙がないように接触させる構造になっている。シールド
ガス供給口16から供給されたシールドガスにより羽根
車7が回転し、細線1を保持したフレーム2のみが回転
する。
【0031】細線1は、0.4mmの金属ワイヤを使用
し、細線1の両端に球状突起物4、5を付けている。フ
レーム側の突起物4はフレーム2から飛び出さないよう
にするもので形状を重視し、反対側の被照射表面6側の
突起物5は、突起物4よりも重くなる構造とした。突起
物5を突起物4よりも重くすることで、細線の遠心力に
よる飛び出しを助長し、球状形状にすることにより被照
射表面6との接触を柔軟にすること、および酸化スケー
ル等の異物除去を円滑に行うことが可能である。
【0032】図4に細線1の周方向の配列構造を示す。
周方向の配列は、細線1が回転されるため、回転による
細線1の偏りを防止する必要がある。そこでフレーム2
の両側に個々の細線1が入る溝3を付け、かつ突起物4
の形状を四面体にし、細線1全体が周方向に振り回され
ないようにした。溝3をつけることにより非照射面6の
形状に追従して上下する際の突起物4同士の干渉がなく
なり、円滑に細線1が上下する。
【0033】図2に被照射表面6が凹凸な場合の細線1
の動きを示す。個々に細線1が配列されているため、凹
凸形状にならって接触ができる。
【0034】本発明においては、シールドガスにより羽
根車7を回転させるためシールドカス流量が多くなる。
図5にセンターガス流量と円錐筒10先端でのセンター
ガス流速およびレーザ光照射ビード表面状態の関係を示
す。円錐筒10先端の口径が小さいほどセンターガスの
流量の増加とともに流速が高くなるが、先端の口径が大
きくなればガス流量が増加しても流速はあまり増加しな
い。
【0035】先端の口径が5mmおよび7mmにおいて
は、ガス流量60l/minまでは正常なレーザ照射ビ
ードが得られるが、ガス流量80l/mimでレーザ光
照射ビードは飛散し正常なビードが得られない。先端の
口径が12mmではガス流量80l/minでも正常な
レーザ照射ビードが得られることを把握した。したがっ
て、センターガスの外側のシールドガス流量もセンター
ガス流量の限界流量を越えなければ、正常なレーザ照射
ビードが得られるため、シールドガス流量を60l/m
in以下とした。
【0036】図6にセンターガスを一定量にした状態で
のシールドガス流量と水排除状況を確認する装置を示
す。透明な材質で作られた水槽25内にシールドガス噴
射ノズル8を取り付けたレーザ光照射光学部品 12お
よび、その前面に透明な板28を被照射面として設置し
する。透明な板28を使用することにより、レーザ光照
射光学部品の反対側の水槽25外側よりカメラ29で水
排除および水侵入状況を観察することができる。
【0037】カメラ29およびレーザ光照射光学部品1
2を固定とし、透明な板28を台車23により移動させ
ることにより、レーザ光照射光学部品12の走行状態が
模擬できる。透明な板28表面の凹凸を模擬するため十
字の溝を付け、その溝をヘッドが通過する際の水排除状
況を確認した。
【0038】図7に透明な板28表面を用いての噴射ノ
ズル8と非照射面6との隙間Lと細線1の接触状況を示
す。透明な板28の移動速度はレーザ照射の最適速度と
して一定とし、隙間Lとシールドガス流量をパラメータ
とした。試験は7図に示した試験装置を使用し、シール
ドガス噴射ノズル8の位置を変えることにより隙間Lを
設定し、透明な板28表面への細線の接触状況および水
排除状況を確認した。
【0039】シールドガス流量5l/minでは羽根車7は
回転せず、10l/min以上のシールドガス流量で羽根車
7は回転を始めるが細線1が被照射表面に接触するほど
の飛び出しは得られない。シールドガス流量20l/min
以上の流量で細線1が遠心力で透明な板28表面に飛び
出し接触し、水排除および水侵入防止が可能であるが、
隙間Lが3mm以上では、水は浸入し完全なシールドは
得られない。
【0040】隙間Lは1mmから5mmをパラメータと
し、いずれの隙間においてもシールドガス流量50l/m
in以上水排除および水侵入防止が可能であり、溶湯飛散
するシールドガス流量(60l/min)以下での水排
除および水浸入防止が可能であり正常なレーザ光照射ビ
ードが得られる。同様にノズル姿勢を変えて試験しても
シールドガス流量に差はあるが、許容値のガス流量を供
給すれば水排除および水進入防止が可能である。
【0041】図8にセンターガスを一定量にした状態で
の被照射表面6の凹みとシールドガス流量の関係におけ
る水排除状況を示す。透明な板28の移動速度はレーザ
照射の最適速度として一定とし、凹みの模擬として幅1
0mmの溝を透明な板28表面につけ、溝の深さDとシ
ールドガス流量をパラメータとした。シールドガス噴射
ノズル8は溝の中心に設置し、溝上を移動し十字溝を通
過するまで間に水の浸入があるか否かを確認した。
【0042】シールドガス流量30l/min以上で溝
深さ2mmまで水排除が可能であり、溝深さ4mmまで
の水排除および浸水防止はシールドガス流量50l/m
inで可能である。シールドガス60l/minでは溝
深さ4mm以上で十字溝の通過時に浸水が生じる。した
がって、適用するシールドガス流量は50l/minと
した。
【0043】図9は、本発明の他の実施の形態を示す図
で、水中環境下で使用するレーザ光照射装置は、図1に
示したものと同じである。図9は、レーザ光照射筒先端
のシールドガス噴射ノズル構造図である。レーザ光照射
光学部品12は、集光レンズ14を内包するレーザ光照
射筒11、レーザ光26が集光する円錐筒10およびシ
ールドガス噴射ノズル8から構成される。
【0044】光ファイバー21から鏡筒11に伝送され
たレーザ光26は、集光レンズ14で集束され円錐筒1
0を通り非照射面6に照射される。保護ガラス13は円
錐筒10内部とレーザ光照射筒11を遮断する。局部シ
ールドの場合はレーザ照射光学ヘッド12を水槽25の
非照射面6に設置するまで水が浸入してくる。この保護
ガラス13によりレーザ光照射筒11内の集光レンズと
水を遮断し、レンズに水滴が付着するのを防止する。
【0045】水中設置後、センターガスおよびシールド
ガスを流すことにより円錐筒10内の水を排除する。セ
ンターガス供給口を保護ガラス13面に当たるように設
置することにより、センターガスにより保護ガラス13
の水滴除去および乾燥が可能である。また、気中時から
シールドガスおよびセンターガスを噴射しながらレーザ
照射光学部品12を水中に設置することによっても円錐
筒10内への水侵入を防止することが可能である。
【0046】鏡筒10の内部には、集光レンズ20があ
り保護ガラス21で外部と鏡筒10を遮断する。鏡筒1
0の先端はレーザ光が集束するため、円錐形状をしてお
り、その先端にシールドガス噴射ノズル8が取付けてあ
る。シールドガス噴射ノズル8は、シールドガス供給口
16、細線1を保持する羽根車7、ベアリング9から構
成される。
【0047】細線1を保持する羽根車は、図4、および
図5の構造を有し、回転により細線1が飛び出る構造と
する。羽根車7は、ベアリング9により、シールドガス
噴射ノズル8に保持される。シールドガスにより羽根車
7が回転し細線1が遠心力を得ることにより、被照射表
面6に押し付けられるとともに羽根車7と一緒に回転す
るため、シールドガス噴射ノズル8と被照射表面6の隙
間を遮断することが可能である。また細線1を羽根車7
に付けたことにより各羽根車間は遮断されないが、シー
ルドガスが流れるため水の浸入はない。
【0048】図11は、本発明を原子炉炉内構造物へ適
用する一例として、シュラウドに実施する実施の形態を
示す。図11は、運転を停止して圧力容器上蓋を外し、
燃料棒を取り外した状態でのレーザー光照射施工中の圧
力容器31の内部の断面図である。ガス供給装置17、
圧力制御装置18、レーザ光発振器19は、オペレーシ
ョンフロアに設置する。
【0049】レーザ光照射光学部品12を搭載したアー
ム22は、シュラウド32内壁にアクセスできるよう関
節機構33をもち、シュラウド32中心にを設置する。
上部格子板34通過後、関節機構33により90度折
れ、シュラウド内壁の施工部へ接近する。レーザ光照射
光学部品12の走行は、アーム22上部の回転モータ2
7によりアーム22を回転させ、回転角度とアームの距
離によりレーザ光照射速度を制御する。レーザ光照射光
学部品12がシュラウド内壁の溶接部35に近接したこ
とを確認して、シールドガスを噴射する。
【0050】近接したシュラウド内壁表面は酸化スケー
ルが付着した状態であるため、シールドガス噴射し任意
の時間静止した後、レーザー光照射方向とは反対方向に
細線配置の径の1/2寸法以上の距離を移動させ、レー
ザー光照射スタート部の酸化スケールを除去した後、再
度初期の位置に移動させレーザー光照射を開始する。こ
のレーザー光照射スタート部の酸化スケール除去の時間
は、ノズル内の水排除を行う時間ともなる。または、予
めレーザー光照射スタート部より細線配置の径の1/2
寸法以上の距離ずらした位置にノズルを設置させ、酸化
スケールを除去することも可能である。
【0051】
【発明の効果】レーザ光照射鏡筒に連なるシールドガス
噴射ノズルに取り付いた細線の回転による細線の飛び出
しにより、細線がシールドガス噴射ノズルと被照射表面
の間隙の遮蔽となり水を排除しかつ水の浸入を防止し、
水中環境下でのレーザ照射が可能となる。さらに細線が
常時飛び出すことにより非照射面の凹凸に習って接触す
ることが可能であり、被照射表面形状に関係なく安定し
た水排除環境下でのレーザー光照射が可能である。
【0052】また、細線の回転および接触により施工と
同時に被照射表面の酸化スケール等の異物除去が可能で
あり、施工の合理および化照射部の信頼性向上に寄与す
る。さらに、レーザ光照射光学部品自身を被照射面に押
し付ける荷重および荷重制御機構が不要であり、装置の
小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水中環境下で使用するシールドガス噴射ノズル
を有するレーザ光照射装置を示す図である。
【図2】シールドガス噴射ノズルの構想図である。
【図3】レーザ光照射光学部品の構造図である。
【図4】シールドガス噴射ノズルの細線の周方向の配列
を示す構成図である。
【図5】シールドガス流量および流速レーザ光照射ビー
ド表面状態の関係を表した図である。
【図6】水中環境下での水排除状況を確認用試験装置の
構成図である。
【図7】シールドガス噴射ノズルと被照射面との間隙と
水排除状態の関係を表した図である。
【図8】凹凸を有した被照射表面におけるシールドガス
噴射ノズルの水排除状態を表した図である。
【図9】レーザ光照射筒先端のシールドガス噴射ノズル
の構造図である。
【図10】シールドガス噴射ノズルの原理図である。
【図11】運転を停止して圧力容器上蓋を外し、燃料棒
を取り外した状態でのレーザー光照射施工中の圧力容器
の内部の断面図である。
【符号の説明】
1…細線、2…フレーム、3…溝、4…保持用突起物、
5…球状突起物、6…被照射表面、7…羽根車、8…シ
ールドガス噴射ノズル、9…ベアリング、10…円錐
筒、11…レーザ光照射筒、12…レーザ光照射光学部
品、13…保護ガラス、14…集光レンズ、15…セン
ターガス供給口、16…シールドガス供給口、17…ガ
ス供給装置、18…ガス圧力制御装置、19…ガス供給
ライン、20…レーザ光発振器、21…光ファイバー、
22…アーム、23…台車、24…台車レール、25…
水槽、26…レーザ光、27…回転モータ、28…透明
板、29…カメラ、30…ファイバー接続体、31…圧
力容器、32…シュラウド、33…関節機構、34…上
部格子板34、35…シュラウド溶接部35。
フロントページの続き (72)発明者 舟本 孝雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小沼 勉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小沼 昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 中村 満夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中環境下でレーザ光を被照射表面に照
    射して加熱、溶融する局部シールド水中レーザ光照射装
    置において、シールドガス導入しそのガス圧制御が可能
    な装置と、レーザ光照射筒に連なりその表面の水排除お
    よび水浸入を防止するシールドガス噴射ノズルの先端外
    周を取り囲んで配置され、かつ前記シールドガス噴射ノ
    ズルの外側に末広がりに角度をつけ、互いに上下方向に
    摺動が可能な複数の繊維状の細線と、前記細線を回転さ
    せる回転装置とを備え、前記回転装置により前記細線が
    回転し、その回転により得られる遠心力によりその細線
    が常に被照射表面側に飛び出し、かつ接触することによ
    り、被照射表面の凹凸の影響を受けずに常にシールドガ
    ス噴射ノズル直下の被照射表面の水排除および浸水防止
    することを特徴とする局部シールド水中レーザ光照射装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1の局部シールド水中レーザ光照
    射装置において、前記回転装置は、前記シールドガス噴
    射ノズル内部に設けられ、前記シールドガスにより回転
    する局部シールド水中レーザ光照射装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の局部シールド水中レーザ光照
    射装置において、前記細線の先端部には球状突起物を設
    けた局部シールド水中レーザ光照射装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、または、請求項2の局部シー
    ルド水中レーザ光照射装置において、前記細線の回転に
    より得られた遠心力により被照射表面への接触および押
    しつけおよび細線の回転により、被照射表面に付着して
    いる異物等を除去するとともに、噴射されたシールドガ
    スによりシールドガス噴射ノズル直下の被照射表面内へ
    の水の侵入を防止する局部シールド水中レーザ光照射装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1、または、請求項2のシールド
    ガス噴射ノズル内に浸水を監視するセンサ装置を設け、
    前記シールドガス噴射ノズル直下の被照射表面の水排除
    および浸水を確認することにより、被照射部の品質を保
    証する局部シールド水中レーザ光照射装置。
JP8247437A 1995-11-24 1996-09-19 局部シールド水中レーザ光照射装置 Pending JPH1085982A (ja)

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