JPH1085927A - 精密鋳造方法及び精密鋳造装置 - Google Patents

精密鋳造方法及び精密鋳造装置

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JPH1085927A
JPH1085927A JP24525696A JP24525696A JPH1085927A JP H1085927 A JPH1085927 A JP H1085927A JP 24525696 A JP24525696 A JP 24525696A JP 24525696 A JP24525696 A JP 24525696A JP H1085927 A JPH1085927 A JP H1085927A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶粒を微細化できると共に、引巣が生じ難い
精密鋳造方法及びかかる方法を実現することができる精
密鋳造装置を提供する。 【手段】鋳型の一端側から他端側に向かって鋳型中の溶
湯を順次凝固させる一方向凝固による精密鋳造方法であ
って、該鋳型の一端側から他端側に向かって順次溶湯を
凝固させる際に、溶湯を攪拌する。また、鋳型20を設
置するプレート2と、鋳型20の周囲を包囲する加熱炉
4と、プレート2に設置された鋳型20中の溶湯30を
攪拌する溶湯攪拌装置とを具備し、加熱炉4を上昇させ
るか、又はプレート2を下降させることにより、加熱炉
4から鋳型20を徐々に抜き出して、鋳型20中の溶湯
30を鋳型の下端側から上方に向かって順次凝固させる
ように構成した装置1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機エンジンの
タービンエキゾーストケース等の大型の耐熱性合金等を
鋳造する精密鋳造方法及び精密鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】航空機
エンジンのタービンエキゾーストケース等の高温強度部
材の大型鋳物の精密鋳造では、ジェットエンジンの高温
高圧化に伴い、ますます高温強度を要求されている。高
温での機械的強度を向上させるために、結晶粒を微細化
することが有効である。
【0003】図5に示すような航空機エンジンのタービ
ンエキゾーストケースの一般的な精密鋳造方法では、例
えばロストワックス法により製造されたセラミック鋳型
に溶融した溶湯を鋳込み、押湯から凝固に伴う収縮分を
給湯しながら溶湯を凝固させ、製品たる鋳物を得る。溶
湯が凝固した後、鋳型を壊して鋳物を取り出す。
【0004】このような一般的な鋳造法では、鋳型に注
入された溶湯全体が短時間で凝固するので、図6(a)
又は図6(b)に示すように、融液内の鋳型内面全体に
樹脂状晶(デンドライト)が生じ、樹脂状晶が発達して
凝固する。この方法による結晶粒は大きく、高温での機
械的強度に問題がある。
【0005】この一般的な精密鋳造法に対して、より結
晶粒を微細化する方法としては、鋳型を振動させながら
凝固させる振動鋳造法や、回転の向きを変えたり、回転
を止めたり進めたりしながら溶湯に揺動を加える回転鋳
造法がある。これらの鋳造法は、振動又は回転を与えて
溶湯を攪拌し、デンドライトが大きく成長しない前にデ
ンドライトを壊して結晶粒を微細化するものである。
【0006】また、凝固温度をコントロールしてスーパ
ーヒートを極力小さくして凝固させる方法がある。更
に、この方法と上記の振動鋳造法又は回転鋳造法とを組
み合わせた鋳造法がある。しかし、このような振動鋳造
法や回転鋳造法では、図7(a)に示すように、凝固初
期にデンドライトが鋳型壁面に発生し、このときに溶湯
を攪拌すると、図7(b)に示すように、デンドライト
が鋳型内壁から分断されて脱落し、脱落したデンドライ
トが融液中に分散して密集し、鋳型内を閉塞する状態と
なり、図8(c)に示すように、押湯からの連続的な融
液の供給が途絶え、十分な押湯効果が得られないため、
その結果発生する凝固収縮による空隙欠陥、いわゆる、
引巣が鋳物内部に多量に発生する。上記凝固温度を制御
する鋳造法でも、同様に引巣が発生する。引巣が形成さ
れた鋳物は、疲労強度の低下、高温強度の低下等が生
じ、実用的な強度が得られないため、上記振動鋳造法、
回転鋳造法は実用化に至っていない。
【0007】一方、一方向凝固法と呼ばれる鋳造法が実
用化されている。この方法は、工業的には引き出し法が
定着しており、底面が解放された鋳型をチルプレートの
上に設置し、鋳型のみを加熱炉で加熱して鋳込み金属の
融点以上の温度に鋳型を保持し、溶湯を鋳込む。チルプ
レートと接触した面から凝固が垂直方向に上に向かって
進行し、柱状晶が成長していく。鋳込んだ後、チルプレ
ートを徐々に引き下げることによって鋳型を加熱炉から
引き出し、鋳型の下端部から上方に向かって徐々に融液
を凝固させていくものである。
【0008】このような一方向凝固法で得られる鋳物の
組織は、図8に示すように、一方向凝固柱状晶組織にな
り、一般的な鋳造法に比べると高温のクリープ破断強度
は格段に向上するが引張強度及び疲労強度の向上は期待
出来ない。しかしながら、現在では、航空機エンジンの
タービンエキゾーストケース等の鋳物においては、この
ような一方向凝固柱状晶組織よりも更に強度が向上した
鋳物が要望されているのが現状である。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、結晶粒を微細化できると共に、引巣が生じ難い精密
鋳造方法及びかかる方法を実現することができる精密鋳
造装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、鋳型の一端側から他端側に向かって鋳型中
の溶湯を順次凝固させる一方向凝固による精密鋳造方法
であって、該鋳型の一端側から他端側に向かって順次溶
湯を凝固させる際に、溶湯を攪拌することを特徴とする
精密鋳造方法を提供する。
【0011】また、かかる方法を実現するために、本発
明は、鋳型を設置するプレートと、該鋳型の周囲を包囲
する加熱炉と、該プレートに設置された鋳型中の溶湯を
攪拌する溶湯攪拌装置とを具備し、上記加熱炉を上昇さ
せるか、又はプレートを下降させることにより、加熱炉
から鋳型を徐々に抜き出して、鋳型中の溶湯を鋳型の下
端側から上方に向かって順次凝固させるように構成され
ていることを特徴とする精密鋳造装置を提供する。
【0012】本発明の精密鋳造方法は、鋳型の一端側か
ら他端側に向かって融液を一方向凝固させるに際し、融
液を攪拌することにより、成長中のデンドライトを分
断、微細化する。この場合、デンドライトが生じるのは
融液部と既に凝固した部分との境界の固液共存領域であ
るから、この部分でデンドライトを微細化しても、融液
部からこの固液共存部分に給湯が十分になされるため、
引巣が生じ難い。
【0013】また、本発明の精密鋳造装置は、鋳型を固
定して加熱炉を鋳型に対して上方に上昇させるか、又
は、加熱炉を固定して鋳型を設置したプレートを下降さ
せることにより、鋳型を加熱炉から徐々に抜き出し、プ
レートに設置された鋳型内の融液を下端側から上部側へ
凝固させる一方向凝固装置であり、これに加えて鋳型内
の融液に振動や揺動を加えて融液を攪拌する装置を組み
込んでいる。そのため、上記の一方向凝固に際して溶湯
を攪拌する鋳造方法を実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明するが、本発明は、下記の形
態に制限されるものではない。図1は、本発明の精密鋳
造装置の一形態を示す概略構成図であり、鋳造途中を示
している。この精密鋳造装置1は真空中又は不活性雰囲
気とすることが可能な図示しないチャンバ内に設置され
ている。この精密鋳造装置1は、鋳型20を設置するチ
ルプレート2が早送り、微細送りで昇降可能なエレベー
ターシャフト3の先端に取り付けられており、エレベー
ターシャフト3の上昇、下降により、チルプレート2が
上昇、下降するようになっている。チルプレート2には
エレベーターシャフト3を通る図示しない水冷コイルが
内蔵され、鋳型20と接触する面から鋳型20を冷却す
るようになっている。鋳型20の周囲を包囲して鋳型2
0内の融液(溶湯)を溶融状態に保つ円筒状の加熱炉4
がチルプレート2の移動空間を覆うように設けられてい
る。加熱炉4の加熱機構は、抵抗炉又は誘導炉のいずれ
でもよい。誘導炉の場合、例えば内方から外方に円筒状
のカーボンサセプタ、断熱材、高周波誘導コイルの順に
配置し、サセプタを高周波誘導コイルで加熱するように
構成する。加熱炉4の上端には耐熱カバー5が設けられ
ている。一方、加熱炉4の下端には、熱を遮断するつば
状のバッフル6が加熱炉4より内方にやや突出して取り
付けられており、これらの加熱炉4、耐熱カバー5、バ
ッフルは保持板7で支持されている。また、バッフルの
直下には水冷コイル(鋳型冷却装置)8がチルプレート
2の移動空間を囲むようにリング状に設けられ、加熱炉
4で加熱されている融液を急激に凝固させることができ
るようになっている。加熱炉による加熱温度と水冷コイ
ルによる冷却温度との温度勾配が大きいほど性能の良好
な鋳造炉であり、生産性が良好になる。そのため、水冷
コイル8は、なるべく加熱炉4に近接させることが好ま
しい。
【0015】なお、一方向凝固法を実現するためには、
加熱炉4を固定してチルプレート2を下降させるか、又
はチルプレート2を固定して加熱炉4を上昇させる方法
がある。加熱炉を上昇させる場合、加熱炉4、耐熱カバ
ー5、バッフル6、保持板7、及び水冷コイル8は、一
体に構成し、一体に所定の速度で上昇下降できる構造と
する。
【0016】また、エレベータシャフト3には、図示し
ない回転機構が設けられ、チルプレート2を回転、停
止、反転できるようになっており、チルプレート2に設
置された鋳型内部の融液を攪拌できるようになってい
る。なお、融液を攪拌する機構としては、その他に加振
機を挙げることができ、例えば電動型加振機、電気−油
圧式加振機が適用可能であり、エレベーターシャフト3
又はチルプレート2に取り付けて、鋳型に振動を与える
ようにしてもよい。その他の溶湯を攪拌する手段として
は、特公平6−61604号公報に記載されているよう
な偏心遠心揺動法でも良く、また、誘導攪拌法を採用す
ることも可能である。
【0017】この精密鋳造装置1は、ガスタービンのタ
ービンケース、ディスク、ブレード、ベーン等の高温強
度部材その他あらゆる分野に使用される鋳物に適用する
ことが可能である。また、対象となる金属としては、す
べての金属、合金に適用可能であるが、とりわけ硬度が
高く、難加工性で鍛造や切削加工が困難なINCONEL 718
(Ni-19Cr-3Mo-0.55Al-0.9Ti-5Nb)のようなNi基超耐熱
合金やCo基超耐熱合金等に有効である。そのため、こ
のような超耐熱合金の鋳造に適したショウプロセス、イ
ンベストメント法(ロストワックス法)、シェルモール
ド法等を採用することができる。
【0018】次に、このような精密鋳造装置を用いて、
精密鋳造品を製造する工程について説明する。まず、エ
レベーターシャフト2を下降させ、図2に示すように、
例えば湯口21、押湯部22、底面が解放されてスター
ターブロック23を有するセラミックシェル鋳型20を
チルプレート2上に設置する。なお、図2の鋳型内部
は、最終的な鋳物(製品)を得た状態を示している。次
に、エレベータシャフト3を上昇させて鋳型20全体を
加熱炉4中に配置し、鋳型20を加熱炉4で加熱して鋳
込み金属の融点以上の温度に保持する。
【0019】次に、金属を溶解した図示しない溶融炉か
ら溶湯を鋳型20の湯口21から鋳型20内に注入す
る。融液30は、スターターブロック23のチルプレー
ト2と接触した面から凝固が始まり、柱状晶が発生し成
長する。そして、エレベーターシャフト3を徐々に下降
させて、鋳型20を加熱炉4から下方に徐々に抜き出
し、一方向凝固を行う。このときの下降速度(鋳型の抜
き出し速度)は、50mm/h〜500mm/h程度と
することが好ましい。鋳型を徐々に加熱炉から下方に引
き抜くことにより、加熱炉4で加熱されている部分は徐
々に上方に移動し、同時に水冷コイル8が鋳型のスター
ターブロック21から鋳型の上方に移りながら融液を鋳
型下端部から徐々に凝固させる。
【0020】鋳型20を加熱炉4から引き下げる際に、
本発明では、鋳型20内の融液30に攪拌流を生じさせ
る。融液30を攪拌する方法として、回転法により融液
に揺動を与える場合、同一方向に回転させる方法、交互
に逆方向に回転させる方法、回転と停止を繰り返す方法
などがある。この場合、同一方向に回転させるときは、
例えば10〜100rpmの回転速度で回転させ、逆方
向に交互に回転させるときは、例えば10〜100rp
mの回転速度で10〜360°回転させたときに回転を
停止し、次に10〜100rpmの回転速度で逆転させ
る動作を繰り返すことができる。回転と停止を交互に繰
り返すときは、例えば10〜100rpmの速度で10
〜360°回転させたときに回転を停止させる動作を繰
り返す。加振機により融液に振動を与える場合、振動数
は10〜300Hz、振幅(ストローク)は0.01〜
3mm程度で十分である。また、誘導攪拌法により融液
を攪拌するときは、例えば、3kHz以上の高周波誘導
加熱の条件を採用することができる。
【0021】また、融液を攪拌する時期には、種種の形
態がある。図3は、時間に対するチルプレートの位置を
示すグラフである。(a)は通常の一方向凝固法である
が、本発明では、この一方向凝固法に際し溶湯を攪拌す
る。例えば(b)に示すように、チルプレートを連続的
に下降させ、その間連続的に攪拌する形態、(c)に示
すように、チルプレートを間欠的に下降させ、下降が停
止中に攪拌する形態、あるいは、(d)に示すように、
連続的に下降させ、間欠的に攪拌する形態などがある。
【0022】このように、チルプレート2を下降させな
がら融液の凝固を行うと、加熱炉4で加熱されている鋳
型の部分は、鋳込み金属の融点以上の温度になっている
ため、融液状態を維持し、一方、バッフル6直下の冷却
コイル8に接近している鋳型の下部は、凝固している。
そして、上方の融液30と下方の凝固部31の境界に
は、マッシーゾーンと呼ばれる固液共存部分32が形成
される。図1には、鋳造工程の初期段階が示されてお
り、鋳型20上部の融液30と、下端部のスターターブ
ロック21から少し上部まで形成された凝固部31と、
その中間のバッフル近傍に形成されるマッシーゾーン
(固液共存領域)32とが形成されている状態を示す。
融液30の凝固により収縮した分は、押湯23により給
湯される。
【0023】このような一方向凝固中に融液を攪拌する
と、図4に示すように、凝固部31と融液30との境
界の固液共存領域32では、デンドライト32aが発生
する。この状態で融液を攪拌すると、残存融液に攪拌流
が発生し、図3に示すように、既に核生成し成長しつ
つあるデンドライト32aが攪拌流で折損し、デンドラ
イト32aが微細化する。これが再び核となり、等軸晶
に成長する。この急激な凝固は固液共存領域32で起こ
っているため、必要な給湯は固液共存領域32の上にあ
る融液30から供給される。つまり、押湯効果が十分に
働くため、引巣が生じることはなく、微細な結晶粒から
なり、かつ等軸晶の鋳物を確実に得ることができる。鋳
型を加熱炉から引き下げるに伴い、固液共存領域32は
徐々に上方に移動し、図4に示すように、次の固液共
存領域32でデンドライト32aの発生、折損、成長の
操作が繰り返される。
【0024】本形態の精密鋳造法では、微細な結晶粒か
らなる鋳物を得ることができる。そのため、本発明方法
による鋳造品の結晶粒径は、ASTM粒径が約3(平均
粒径、約0.127mm)以下、特にASTM粒径が約
5(平均粒径、約0.064mm)以下と非常に微細で
ある。
【0025】このようにして加熱炉4が製品31aより
上部の押湯23より上方を加熱するところまでチルプレ
ート2を引き下げた後、全体の融液を凝固させる。その
後、鋳型20を取り出し、鋳型を壊して鋳物を取り出
し、スターターブロック23等を切断除去し、更に付着
している鋳型を化学処理などで取り除き、検査等を経て
鋳型製品を得る。
【0026】上記形態では、チルプレートを加熱炉に対
して下降させる例を説明したが、その逆に、チルプレー
トを固定して、加熱炉と冷却装置とを一体に鋳型から引
き上げるようにしても良く、要するに、鋳型と加熱炉と
を相対的に動かして鋳型の一方から他方に向かって融液
を凝固させるようにできればよい。 [実施例]20φ×70の丸棒を6本組み立てたワック
スアッセンブリーから精密鋳造鋳型を作成し、図3に示
した(d)のモード(連続的に引き下げながら間欠的に
攪拌する態様)による鋳造法により、IN−718(19
Cr-3Mo-5.1Nb-0.5Al-0.9Ti-0.04C-0.01B-0.052Zr-18.5F
e-Ni残部)の試験片素材を鋳造した。このときの条件は
下記の通りである。
【0027】 引き下げ速度:200mm/h 攪拌方法:振動法 攪拌時間:10秒/サイクル 攪拌条件:振動数:150Hz、ストローク:0.3m
m [比較例1]実施例と同じ鋳型を作成し、鋳型に注湯
後、冷却する普通の精密鋳造法により、試験片素材を鋳
造した。 [比較例2]実施例と同じ鋳型を作成し、鋳型に注湯
後、振動を与えない以外は実施例と同様の条件で一方向
凝固法により試験片素材を鋳造した。 [比較例3]実施例と同じ鋳型を作成し、鋳型に注湯
後、振動数200Hz、ストローク0.2mmの単純な
振動鋳造法により試験片を鋳造した。
【0028】以上の実施例、比較例1〜3で得られた試
験片素材から引っ張り試験片と疲労試験片を作成し、常
温引張り特性と高サイクル疲労強度をそれぞれ試験し
た。高サイクル疲労強度試験の条件は、480℃,R=
−1.0、最大応力40kg/mm2 である。常温引っ
張り特性の結果を表1に、高サイクル疲労強度の結果を
表2にそれぞれ示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】また、比較例1の普通鋳造法による凝固組
織は図6(a)又は(b)に示したものであり、その平
均結晶粒径は2.62mmであった。比較例2の一方向
鋳造法による凝固組織は図8に示したものであり、比較
例3の振動鋳造法による凝固組織は図7(c)に示した
もので、平均結晶粒径は0.28mmであった。本発明
鋳造法による凝固組織は図4に示したようなものであ
り、その平均結晶粒径は、0.087mmであった。
【0032】これらの結果より、本発明の溶湯攪拌一方
向凝固法と呼ぶべき鋳造法により鋳造した鋳物は、組織
が密で凝固収縮欠陥が無く、その結果、常温引っ張り特
性、高サイクル疲労強度が、他の鋳造法と比較して優れ
ていることが認められる。
【0033】
【発明の効果】本発明の精密鋳造法によれば、微細な結
晶粒からなると共に、凝固収縮欠陥がない凝固組織の精
密鋳造品を得ることができる。また、本発明の精密鋳造
装置は、かかる精密鋳造法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精密鋳造装置の概略の構成を示す断面
図である。
【図2】チルプレートに鋳型を設置した状態を示す断面
図である。
【図3】一方向凝固中の溶湯の攪拌時期の態様を示すグ
ラフである。
【図4】本発明の鋳造法による凝固形態を示す概念図で
あり、は引き下げ中の凝固形態、は振動中の凝固形
態、はの後の引き下げ中の凝固形態を示す。
【図5】精密鋳造法により鋳造される航空機エンジンの
タービンエキゾーストケースを示す斜視図である。
【図6】(a)、(b)は、従来の一般的な鋳造法によ
り鋳造された鋳型の組織を示す概念図である。
【図7】一方向凝固法により鋳造された鋳型の組織を示
す概念図である。
【図8】従来の溶湯に振動又は揺動を与える鋳造法によ
る凝固形態を示す概念図であり、(a)は凝固初期、
(b)は凝固中期、(c)は凝固終了時を示す。
【符号の説明】
1…精密鋳造装置、2…チルプレート、3…エレベータ
ーシャフト、4…加熱炉、5…耐熱カバー、6…バッフ
ル、7…保持板、8…冷却コイル(冷却装置)、20…
鋳型、30…溶湯、31…凝固部、32…固液共存領域
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精密鋳造装置の概略の構成を示す断面
図である。
【図2】チルプレートに鋳型を設置した状態を示す断面
図である。
【図3】一方向凝固中の溶湯の攪拌時期の態様を示すグ
ラフである。
【図4】本発明の鋳造法による凝固形態を示す概念図で
あり、は引き下げ中の凝固形態、は振動中の凝固形
態、はの後の引き下げ中の凝固形態を示す。
【図5】精密鋳造法により鋳造される航空機エンジンの
タービンエキゾーストケースを示す斜視図である。
【図6】(a)、(b)は、従来の一般的な鋳造法によ
り鋳造された鋳型の組織を示す概念図である。
【図7】従来の溶湯に振動又は揺動を与える鋳造法によ
る凝固形態を示す概念図であり、(a)は凝固初期、
(b)は凝固中期、(c)は凝固終了時を示す。
【図8】一方向凝固法により鋳造された鋳型の組織を示
す概念図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型の一端側から他端側に向かって鋳型中
    の溶湯を順次凝固させる一方向凝固による精密鋳造方法
    であって、 該鋳型の一端側から他端側に向かって順次溶湯を凝固さ
    せる際に、溶湯を攪拌することを特徴とする精密鋳造方
    法。
  2. 【請求項2】鋳型に振動又は揺動を間欠的又は連続的に
    加えることにより溶湯を攪拌する請求項1記載の精密鋳
    造方法。
  3. 【請求項3】鋳型を加熱する加熱炉とその加熱炉の下方
    の冷却部とを一体に徐々に上昇させることにより鋳型の
    下端側から上方に向かって溶湯を凝固させる請求項1記
    載の精密鋳造方法。
  4. 【請求項4】鋳型を加熱する加熱炉とその加熱炉の下方
    の冷却部に対して鋳型を徐々に下降させることにより鋳
    型の下端側から上方に向かって溶湯を凝固させる請求項
    1記載の精密鋳造方法。
  5. 【請求項5】鋳型を設置するプレートと、 該鋳型の周囲を包囲する加熱炉と、 該プレートに設置された鋳型中の溶湯を攪拌する溶湯攪
    拌装置とを具備し、 上記加熱炉を上昇させるか、又はプレートを下降させる
    ことにより、加熱炉から鋳型を徐々に抜き出して、鋳型
    中の溶湯を鋳型の下端側から上方に向かって順次凝固さ
    せるように構成されていることを特徴とする精密鋳造装
    置。
  6. 【請求項6】加熱炉の直下に鋳型の冷却装置を具備する
    請求項5記載の精密鋳造装置。
  7. 【請求項7】上記溶湯攪拌装置が、上記プレートを回転
    させる回転機構である請求項5記載の精密鋳造装置。
  8. 【請求項8】上記溶湯攪拌装置が、上記プレートに振動
    を与える加振機である請求項5記載の精密鋳造装置。
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