JP2003311392A - 一方向凝固翼の製造方法及び一方向凝固翼 - Google Patents

一方向凝固翼の製造方法及び一方向凝固翼

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Kei Osawa
圭 大澤
Hideaki Kaneko
秀明 金子
Ikuo Okada
郁生 岡田
Koji Takahashi
孝二 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が高く、製造歩留まりに優れた一
方向凝固翼の製造方法及び一方向凝固翼を提供する。 【解決手段】 高温で運転されるエネルギ機関の翼材に
用いられる一方向凝固翼の製造方法であって、単結晶ブ
ロック組合せ種結晶または一方向凝固柱状種結晶を、結
晶方位<001>が翼の長手方向となるように、かつ翼
プロファイル部は結晶方位<100>が翼プロファイル
断面形状の接線に平行になるように、またプラットフォ
ーム部はプラットフォーム端面に平行になるように、鋳
型内で冷却セッターに支持されセレクタに連通するスタ
ータブロック内にセットする工程と、種結晶およびセレ
クタが所定の温度になるまで予熱するとともに、鋳型の
周囲雰囲気を真空排気する工程と、溶融金属を鋳型内に
供給し、引き続きセレクタの温度を調整しながら冷却セ
ッターを鋳型に対して相対的に下降させ、種結晶を起点
として凝固開始する柱状晶をセレクタによって案内しつ
つ所望の結晶方位に一方向凝固させる工程とを具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン、ス
チームタービン、ジェットエンジン等のエネルギ機関の
タービン翼に用いられる一方向凝固翼及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】タービンの性能向上を図るためには入口
ガス温度を高くすればするほど有効であるが、入口ガス
温度を高くするとタービン翼材を構成する超合金が強度
不足になり、使用に耐えられなくなり短期間で破断す
る。とくにタービンの動翼および静翼にはニッケル基超
合金やコバルト基超合金を用いているにもかかわらず、
高温ガスと直接接触して過酷な熱サイクルに曝されるの
で、熱疲労損傷を受けて破断する。そこで、タービン翼
材には機械的強度、とくに高温引張強度および高温クリ
ープ強度を向上させるために一方向凝固結晶成長法を用
いて結晶方位を一方向に揃えた一方向凝固翼が利用され
ている。
【0003】一方向凝固翼は、柱状晶がその成長方位<
001>に揃って並んでいるために、その方向のヤング
率が小さく、高温雰囲気に曝されたときに発生する熱応
力が小さくなり、等軸晶精密鋳造品に比べて熱疲労寿命
が10倍以上に延びることが各種文献で報告されてい
る。例えば特開平8−189304号公報には大型ガス
タービン機関の動翼又は静翼の熱負荷が大きい部分に一
方向凝固材を用いて熱疲労寿命を延長することが記載さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガスタ
ービン翼はサイズが大きく、その形状が複雑であるた
め、従来の製造方法では翼の細部にわたるまで強度上最
適な結晶方位とすることは容易ではなく、製造歩留まり
が低い。
【0005】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであり、機械的強度が高く、製造歩留まりに優
れた一方向凝固翼及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】ところで、翼チップ部は
結晶方位<001>が翼の長手方向に平行で、方位<1
00>が翼チップ部の断面形状の接線に平行となること
が強度上最適である。
【0007】また、プラットフォーム部は結晶方位<0
01>が翼の長手方向に平行で、結晶方位<100>が
プラットフォーム端面に平行になることが強度上最適で
ある。しかし、複雑な形状をもつガスタービン翼をその
ように製造することは容易ではない。
【0008】そこで、本発明者らは一方向凝固翼に関し
て鋭意研究した結果、翼プロファイル部の場合、予め翼
の長手方向を結晶方位<001>に、また結晶方位<1
00>が翼プロファイル断面形状の接線に平行になるよ
うに一方向凝固柱状晶用種結晶を初期凝固位置にセット
することにより、種結晶の結晶方位がそのまま翼に反映
され、強度上最適な方位をもつ翼を容易に製造すること
が可能になることを見出した。
【0009】本発明に係る一方向凝固翼の製造方法は、
高温で運転されるエネルギ機関の翼材に用いられる一方
向凝固翼の製造方法であって、(a)単結晶ブロック組
合せ種結晶または一方向凝固柱状種結晶を、結晶方位<
001>が翼の長手方向となるように、かつ結晶方位<
100>が翼プロファイル断面形状の接線に平行になる
ように、鋳型内で冷却セッターに支持されセレクタに連
通するスタータブロック内にセットする工程と、(b)
前記種結晶および前記セレクタが所定の温度になるまで
予熱するとともに、前記鋳型の周囲雰囲気を真空排気す
る工程と、(c)溶融金属を前記鋳型内に供給し、引き
続き前記セレクタの温度を調整しながら前記冷却セッタ
ーを前記鋳型に対して相対的に下降させ、前記種結晶を
起点として凝固開始する柱状晶を前記セレクタによって
案内しつつ所望の結晶方位に一方向凝固させる工程と、
を具備することを特徴とする。
【0010】本発明に係る一方向凝固翼は、高温で運転
されるエネルギ機関の翼材に用いられる一方向凝固翼で
あって、結晶方位<001>が翼の長手方向に平行で、
かつ翼プロファイル部では結晶方位<100>が翼プロ
ファイル断面形状の接線に平行であること、またプラッ
トフォーム部ではプラットフォーム端面に平行であるこ
とを特徴とする。
【0011】種結晶はセレクタに連通するスタータブロ
ックにより保持される。スタータブロックで保持された
種結晶は水冷構造の冷却セッター上にセットされる。ス
タータブロックは翼の一部又は全部の断面プロファイル
をかたどった部材であり、定形耐火物と不定形耐火物と
を用いてつくられる。セレクタは種結晶を起点として凝
固成長する柱状晶を所望の方位に導くためのガイド部材
である。
【0012】種結晶は、翼のチップ部にセットするか、
又は翼のプラットフォーム部にセットするか、又は翼の
チップ部およびプラットフォーム部の双方にセットす
る。翼プロファイル部において、あらかじめ翼の長手方
向が方位<001>になるように、方位<100>が翼
プロファイル断面形状の接線に平行になるように種結晶
をセットすることにより、種結晶の結晶方位がそのまま
翼に反映され、強度上最適な方位の一方向凝固柱状晶が
得られる。なお、複数又は単数の種結晶は翼の余肉部分
にセットすることが望ましい。鋳造後、種結晶を翼本体
から切り離して再度利用することができるからである。
【0013】種結晶のセッティング方式としては、翼断
面プロファイルを単結晶成長が容易なサイズに合わせた
複数の区域に区分し、各区域に種結晶をそれぞれ割り当
てる複数の単結晶を組合せる方式を採用してもよいし、
1つの種結晶で翼断面プロファイルの全体をまかなう単
一の一方向凝固柱状晶を用いる方式を採用してもよい。
【0014】単結晶ブロック組合せ種結晶を用いる場合
は、複数の種結晶をタービン翼の横断面形状(プロファ
イル)に応じた形状とし、これらの種結晶をセレクタの
拘束面に沿ってセットし、タービン翼の各部を一方向に
凝固させるので、結晶方位<001>が翼の長手方向に
平行で、かつ方位<100>が翼プロファイル断面形状
の接線に平行となる。これにより従来品よりもさらに高
強度の一方向凝固翼が得られる。
【0015】一方向凝固柱状晶種結晶を用いる場合は、
既に鋳造された翼の余肉部分より採取されたものなの
で、結晶方位<001>が翼の長手方向に平行で、かつ
方位<100>が翼プロファイル断面形状の接線に平行
となる。
【0016】一方向凝固法には結晶を垂直方向に成長さ
せる垂直凝固法と結晶を水平方向に成長させる水平凝固
法とがある。前者には垂直ブリッジマン法(VB法)、
垂直温度勾配凝固法(VGF法)、タンマン法(VB
法)、熱交換法(HE法)などがあり、後者には水平ブ
リッジマン法(HB法)、水平温度勾配凝固法(HG
F)、カピチャ法(HGF法)などがある。本発明には
VB法が適している。
【0017】ニッケル基合金には例えばCM186LC(Cr
6.0%,Co9.0%,Ti0.7, Al5.7%,W8.4%,M
o0.5%,Ta3.4%,C0.07%,B0.015%,Hf1.4%)
をあげることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の種々の好ましい実施の形態について説明する。先
ず、図6を参照して一方向凝固法に用いる装置の概要を
説明する。一方向凝固翼製造装置10の耐火物炉体11
の外周には誘導コイル12が巻き付けられ、炉体11の
内部には鋳型15が配置されている。炉体11を誘導加
熱すると、その内面に設けられたサセプタ13から熱線
が放射され、鋳型15が輻射エネルギを受けて加熱され
るようになっている。
【0019】炉体11には蓋14が被せられている。蓋
14のほぼ中央には注湯口14aが開口している。この
注湯口14aを介してヒータ17付き溶解炉16から鋳
型15内に溶融金属18が供給されるようになってい
る。鋳型15は図示しない昇降機構の軸33に昇降可能
に支持されている。
【0020】鋳型15の底部には冷却セッターとしての
水冷銅板31が取り付けられ、その上方に種結晶21が
セットされている。水冷銅板31の内部流路32には図
示しない冷却水供給源が連通し、冷却水が通流して水冷
銅板31を冷却するようになっている。水冷銅板31が
冷却されると、水冷銅板接地面より柱状晶の成長がはじ
まる。鋳型15を所定の速度でゆっくりと下降させる
と、柱状晶が下方から上方に向かって徐々に成長し、液
相18と固相20との固液界面19が上昇していき、一
方向凝固柱状晶からなる翼が形成される。
【0021】(実施例1)単結晶ブロック組合せ種結晶
方式 次に、実施例1として単結晶ブロック組合せ種結晶方式
を用いてNi基合金(CM186LC)からなる発電用
ガスタービン動翼の翼チップおよびプラットフォームを
同時に製造する場合について説明する。
【0022】図1に示すように、タービン動翼2は、半
径方向に延び出す翼プロファイル部部22と、翼プロフ
ァイル部22の内周側の基部に設けられたプラットフォ
ーム部24と、プラットフォーム部24の内周側に設け
られたセレーション部26とが一体化した精密鋳造品か
らなるものである。
【0023】翼プロファイル部22は所定の流線形プロ
ファイルをもつ中空構造体からなり、翼プロファイル部
22を表面側から裏面側に貫通して中空部に連通する多
数の孔(図示せず)を備えている。翼プロファイル部2
2は翼の長手方向に二列縦隊に並ぶ複数の柱状結晶粒2
3a,23bからなるものであり、これらの結晶粒23
a,23bは、図3に示すように流線形状の輪郭22
a,22bの接線にほぼ平行に方位<100>が揃って
いる。
【0024】プラットフォーム部24は所定断面形状の
プロファイルをもつブロック構造体からなり、翼プロフ
ァイル部22の基部に連続し、またセレーション部26
にも連続している。プラットフォーム部24は翼チップ
部22の基部を取り囲む部位に一列縦隊又は二列縦隊に
並ぶ複数の結晶粒25cからなるものであり、これらの
結晶粒25cは図4に示すようにプラットフォーム端面
24cに平行に方位<100>が揃っている。
【0025】次に、図2〜図7を参照して一方向凝固翼
の製造方法について説明する。
【0026】VB法によりタービン動翼の横断面形状
(プロファイル)に応じた形状となるように種結晶21
を製造し、これを所定サイズに切り出す(工程S1)。
【0027】図2および図7に示すように、小サイズの
種結晶21をスタータブロック34にそれぞれ装着し、
これらを冷却セッター31上の所定の位置にセットする
(工程S2)。種結晶21のスタータブロック34への
装着は単に嵌め込むだけでもよいが、接着剤で接着する
ようにしてもよい。セッター31の中央部分には複数の
種結晶21を図3に示すように配置する。また、セッタ
ー31の周辺部分には複数の種結晶21を図4に示すよ
うに配置する。前者は第1のセレクタ35にそれぞれ連
通し、後者は第2のセレクタ36にそれぞれ連通してい
る。両セレクタ35,36によりセレクタアッセンブリ
3が形成されている。セレクタアッセンブリ3はセレク
タ35,36が相互干渉しないようにレイアウトされて
いる。
【0028】中央セレクタ35の案内路38の拘束面は
翼プロファイル用種結晶21の輪郭22a,22bに連
続し、凝固成長する柱状晶23a,23bの結晶方位を
制御する機能を有し、周辺セレクタ36の案内路38の
拘束面は25cに連続し、凝固成長する柱状晶25cの
結晶方位を制御する機能を有している。
【0029】種結晶のセッティングが終了すると、セレ
クタ35,36を所定温度に予熱するとともに、鋳型1
5の周囲雰囲気を排気する(工程S3)。
【0030】ヒータ17付き溶解炉16から鋳型15内
に注湯し、鋳型15に連通するセレクタ35,36内を
溶融金属18で満たす(工程S4)。
【0031】ヒータ12への給電を制御して炉体11と
ともに鋳型15を加熱してセレクタ35,36の温度を
所望温度(例えば1400〜1600℃)に調整する
(工程S5)。
【0032】セレクタ35,36の温度勾配を安定化さ
せた後に、セッター31を所定の速度(例えば300m
m/hr)でゆっくりと下降させ、炉体11から鋳型1
5を徐々に引き抜く(工程S6)。これにより溶融金属
18は種結晶21を起点として一方向凝固し、所望の結
晶方位をもつ柱状晶が下方から上方に向けて成長する
(工程S7)。
【0033】次いで、完全凝固した一方向凝固翼を鋳型
15から引き抜き(工程S8)、室温近くまで温度降下
した後に種結晶21の部分を翼本体部分から切断する
(工程S9)。この切り離された種結晶21は次の一方
向凝固法の種結晶に再度使用される(工程S2)。
【0034】実施例1によれば従来品よりも熱疲労強度
が向上した一方向凝固翼チップおよびプラットフォーム
を得ることができた。
【0035】また、実施例1によれば従来よりも製造歩
留まりが向上した。
【0036】(実施例2);一方向凝固柱状晶方式 次に、実施例2として一方向凝固柱状晶方式を用いてN
i基合金(CM186LC)からなるガスタービン動翼
の翼チップを製造する場合について説明する。
【0037】VB法により種結晶となる一方向凝固柱状
晶を製造する(工程S1)。
【0038】一方向凝固柱状晶からなる種結晶を図示し
ないスタータブロックに装着し、これを冷却セッター上
の所定の位置にセットする(工程S2)。スタータブロ
ックにはセレクタはつけない。種結晶のスタータブロッ
クへの装着は単に嵌め込むだけでもよいが、接着剤で接
着するようにしてもよい。一方向凝固柱状種結晶が凝固
成長する柱状晶の結晶方位を制御する機能を有してい
る。
【0039】種結晶のセッティングが終了すると、鋳型
を所定温度に予熱するとともに、セレクタの周囲雰囲気
を排気する(工程S3)。
【0040】ヒータ付き溶解炉から鋳型内に注湯し、鋳
型に連通するセレクタ内を溶融金属で満たす(工程S
4)。
【0041】ヒータへの給電を制御して炉体とともに鋳
型を加熱してスタータブロックの温度を所望温度に調整
する(工程S5)。鋳型の温度勾配を安定化させた後
に、セッターを所定の速度(例えば300mm/分)で
ゆっくりと下降させ、炉体から鋳型を徐々に引き抜く
(工程S6)。これにより溶融金属は種結晶を起点とし
て一方向凝固し、所望の結晶方位をもつ柱状晶が下方か
ら上方に向けて成長する(工程S7)。
【0042】次いで、完全凝固した一方向凝固翼を鋳型
から引き抜き(工程S8)、室温近くまで温度降下した
後に種結晶の部分を翼本体部分から切断する(工程S
9)。この切り離された種結晶は次の一方向凝固法の種
結晶に再度使用される(工程S2)。
【0043】実施例2によれば従来品よりも熱疲労強度
が向上した一方向凝固翼チップが得られた。
【0044】また、実施例2によれば従来よりも製造歩
留まりが向上した。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、単
結晶ブロック組合せ種結晶または一方向凝固柱状種結晶
を利用することにより強度上最適となる方位に一方向凝
固させることができ、翼の強度が大幅に向上する。
【0046】また、本発明によれば、タービン翼の製造
歩留まりが飛躍的に向上し、その製造コストを大幅に低
減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶成長方位を説明するために本発明の一方向
凝固翼を模式的に示す斜視図。
【図2】本発明の一方向凝固翼の製造方法に用いる装置
の要部を示す部分模式図。
【図3】一方向凝固翼の翼本体の結晶方位を示す断面模
式図。
【図4】一方向凝固翼のプラットフォームの結晶方位を
示す断面模式図。
【図5】本発明の一方向凝固翼の製造方法を示すフロー
チャート。
【図6】本発明の一方向凝固翼の製造方法に用いる装置
の概要を示す断面模式図。
【図7】種結晶を保持するセレクタのスタータブロック
部分を示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
2…タービン翼、 21…種結晶、 22…翼チップ部、 22a,22b…輪郭面(拘束面)、 23a,23b…結晶粒、 24…プラットフォーム部、 24c…プラットフォーム端面、 25c…結晶粒、 26…セレーション部、 3…セレクタアッセンブリ、 31…冷却セッター(水冷銅板)、 32…冷却水流路、 33…昇降軸、 34…スタータブロック、 35,36…セレクタ、 37…凹所、 38…案内路、 10…一方向凝固翼製造装置、 11…炉体、 12…誘導コイル、 13…サセプタ、 14…蓋、14a…注湯口、 15…鋳型、 16…溶解炉、 17…ヒータ、 18…溶融金属(液相)、 19…固液界面、 20…固相。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01D 5/28 F01D 5/28 F02C 7/00 F02C 7/00 C D (72)発明者 岡田 郁生 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 高橋 孝二 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 Fターム(参考) 3G002 EA06 4E093 KA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温で運転されるエネルギ機関の翼材に
    用いられる一方向凝固翼の製造方法であって、 (a)単結晶ブロック組合せ種結晶または一方向凝固柱
    状種結晶を、結晶方位<001>が翼の長手方向となる
    ように、かつ翼プロファイル部は結晶方位<100>が
    翼プロファイル断面形状の接線に平行になるように、ま
    たプラットフォーム部は、プラットフォーム端面に平行
    になるように鋳型内で冷却セッターに支持されセレクタ
    に連通するスタータブロック内にセットする工程と、 (b)前記種結晶および前記セレクタが所定の温度にな
    るまで予熱するとともに、前記鋳型の内部を真空排気す
    る工程と、 (c)溶融金属を前記鋳型内に供給し、引き続き前記セ
    レクタの温度を調整しながら前記冷却セッターを前記鋳
    型に対して相対的に下降させ、前記種結晶を起点として
    凝固開始する柱状晶を前記セレクタによって案内しつつ
    所望の結晶方位に一方向凝固させる工程と、を具備する
    ことを特徴とする一方向凝固翼。
  2. 【請求項2】 ニッケル基合金またはコバルト基合金か
    らなる単結晶ブロック組合せ種結晶を用いることを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ニッケル基合金またはコバルト基合金か
    らなる一方向凝固柱状種結晶を用いることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記種結晶は、翼の余肉部分にセットさ
    れることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 前記種結晶は、翼のチップ部にセットさ
    れることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記種結晶は、翼のプラットフォーム部
    にセットされることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記種結晶は、翼のチップ部およびプラ
    ットフォーム部のそれぞれにセットされることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1記載の方法。
  8. 【請求項8】 高温で運転されるエネルギ機関の翼材に
    用いられる一方向凝固翼であって、結晶方位<001>
    が翼の長手方向に平行で、かつ翼プロファイル部は結晶
    方位<100>が翼プロファイル断面形状の接線に平行
    であること、またプラットフォーム部は、プラットフォ
    ーム端面に平行になることを特徴とする一方向凝固翼。
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