JP3794993B2 - 一方向凝固翼成型用鋳型及びこの鋳型を用いた一方向凝固翼製造方法及び一方向凝固翼 - Google Patents

一方向凝固翼成型用鋳型及びこの鋳型を用いた一方向凝固翼製造方法及び一方向凝固翼 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン、ジェットエンジンなどのように、高温雰囲気で用いられるタービンに備えられるタービン翼及びその製造方法に関するもので、特に、柱状晶である結晶粒の成長方位が同一方向となる一方向凝固翼及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、タービンの入口ガス温度を高くすることで、タービンの性能向上を図ることができるので、このように入口ガス温度を高くしても使用可能なタービンが研究・開発されている。このような高温度雰囲気にて使用可能な強度を備えるように、タービン翼の材料には、Ni基超合金やCo基超合金などが用いられる。更に、高温強度の耐久性を向上させるために、応力の生じる方向に結晶成長を制御し、柱状晶が翼長手方向に並んだ一方向凝固翼となるタービン翼が使用される。
【0003】
この一方向凝固翼となるタービン翼の製造方法において、一般的に、図8のような装置が使用される。図8の装置では、その外周に誘導コイル102が巻き付けられた耐火物炉体101の内部に、翼成型用鋳型105が配置されている。この翼成型用鋳型105は、軸112によって不図示の昇降機からの動力が伝えられ、上下に移動させられる。又、翼成型用鋳型105の底部に、冷却セッターとしての水冷銅板108が取り付けられている。
【0004】
そして、翼成型用鋳型105が耐火物炉体101の最上部に位置するように昇降機によって移動させられると、耐火物炉体101の蓋部中央に開口している注湯口104を通じて、翼成型用鋳型105内に熔解炉106内の溶融金属107が供給される。このとき、耐火物炉体101の内面に設けられたサセプタ103から熱線が放射されて、翼成型用鋳型105が輻射エネルギーを受けて加熱される。
【0005】
そして、この溶融金属107が供給された翼成型用鋳型105が、所定の速度で下降されると、下方から柱状晶の結晶化が開始し、この柱状晶が下方から上方に徐々に成長する。そして、液相109と固相110との固液界面111が上昇して、一方向凝固柱状晶からなるタービン翼が形成される。即ち、図9のような構成のタービン翼が、チップ部1→プロファイル部2→プラットフォーム部3→セレーション部4の順に結晶化されることで形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8のような装置を用いて凝固させたとき、最初に凝固が開始するチップ部1においては、図10のように結晶粒の本数が多い。しかしながら、結晶の<001>方向が翼長手方向と平行でなく幾分ずれている一部の結晶粒122は、結晶の<001>方向と翼長手方向が平行である結晶粒121と比べて翼長手方向への結晶成長速度が遅くなるため、結晶粒121が優先的に成長し、結晶粒122は消失してしまう。よって、プロファイル部2から更にプラットフォーム部3になると、更に結晶粒の本数が減少してしまう。
【0007】
このように、結晶粒の本数が少ないと、タービン翼の強度が低下してしまう問題が生じる。特に、プラットフォーム部3においては、その形状が複雑となるため、最適な結晶粒の本数を保たせることが困難である。又、プラットフォーム部3は、チップ部1やプロファイル部2と比べて、その断面積が広いため、結晶粒の本数を多くする必要がある。このようなことより、大型であり且つ形状が複雑となるタービン翼全体において、最適な結晶本数となるものを製造することは困難であり、製造歩留まりが悪い。
【0008】
このような問題を鑑みて、本発明は、結晶粒の本数を最適な値に保たせることのできる一方向凝固翼を製造するための一方向凝固翼成型用鋳型を提供することを目的とする。又、この一方向凝固翼成型用鋳型を用いて一方向凝固翼を製造する一方向凝固翼製造方法及び製造された一方向凝固翼を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の一方向凝固翼成型用鋳型は、内面がヒータで覆われた耐火物炉体内部に設置されるとともにその底部に水冷銅板が取り付けられ、前記耐火物炉体の蓋部に設けられた注湯口より溶融金属が流し込まれた後、前記耐火物炉体の底部より前記耐火物炉体外部に出されることによって、翼部とプラットフォーム部とを備えるとともに高温雰囲気で使用される一方向凝固翼を成型する一方向凝固翼成型用鋳型において、前記翼部を成型する翼成型部の上部に設けられる前記プラットフォーム部を成型するプラットフォーム成型部の底部において、前記翼成型部の周囲に、前記一方向凝固翼を構成する複数の結晶粒の主な成長方向と同一方向に突起した結晶核生成部を複数備えることを特徴とする。
【0010】
このようにすることで、翼長手方向に結晶粒を成長させることによって一方向凝固翼を形成する際、翼長手方向に突起した結晶核生成部に結晶核が生成されて、この結晶核を起点として発生する結晶粒を翼長手方向に成長させることができる。よって、結晶粒の本数が減少するプラットフォーム部において、結晶粒の補充をすることができる。
【0011】
このとき、請求項2〜請求項4に記載するように、前記結晶核生成部の形状を柱状又は錘状又は半球状にする。前記結晶核生成部の形状を柱状又は球状としたとき、その底面を円又は多角形とする。尚、前記結晶核生成部の形状を四角柱としたときは、核結晶核生成部が辺同士で接することがないように形成される。
【0012】
又、請求項5に記載するように、前記結晶核生成部の内面に、多結晶生成を促進する接種材を塗布又は含浸して、結晶核が発生しやすくなるようにしても構わない。このとき、前記結晶核生成部が柱状のときは、請求項6のように、前記結晶核生成部における底部の内面に接種材を塗布又は含浸する。又は、前記結晶核生成部が錘状又は半球状のときは、請求項7のように、前記結晶核生成部の高さをhとするとき、その先端から1/3h〜1/2hまでの範囲における内面に接種材を塗布又は含浸する。
【0013】
請求項8に記載の一方向凝固翼製造方法は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の一方向凝固翼成型用鋳型を前記耐火物炉体内部に設置し、当該一方向凝固翼成型用鋳型に、前記溶融金属を流し込む工程と、当該一方向凝固翼成型用鋳型を、前記耐火物炉体の底部より前記耐火物炉体外部に出すことによって、前記一方向凝固翼を前記翼部から順に凝固して、前記一方向凝固翼を成型する工程と、成型した前記一方向凝固翼の前記プラットフォーム部表面に形成される前記結晶核生成部による複数の突起部を切断又は切削して除去する工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の一方向凝固翼は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の一方向凝固翼成型用鋳型によって成型された後、前記結晶核生成部によって成型された複数の突起部が除去されることで製造されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における一方向凝固翼となるタービン翼の製造時に利用する翼成型用鋳型の構成を示す外観斜視図である。
【0016】
図1の翼成型用鋳型10は、図9のタービン翼におけるチップ部1及びプロファイル部2による翼部を形成するための翼成型部11と、タービン翼におけるプラットフォーム部3を形成するためのプラットフォーム成型部12と、タービン翼におけるセレーション部4を形成するためのセレーション成型部13と、プラットフォーム成型部13の底部における翼成型部11が設けられた部分の周囲に設けられた複数の結晶核生成部14と、を有する。
【0017】
この翼成型用鋳型10は、従来と同様、図8と同様の装置に用いられる。即ち、図8における翼成型用鋳型105の代わりに、図1の翼成型用鋳型10が用いられる。このとき、図9のタービン翼のチップ部1から順に凝固させて形成するため、翼成型用鋳型10の各部分は、下から、翼成型部11、プラットフォーム成型部12、セレーション成型部13の順に構成される。
【0018】
又、翼成型用鋳型10の下方向から見た図2の下面図のように、プラットフォーム成型部12の底面の中心部分に、翼成型部11が設けられ、この翼成型部11の周囲全面に、複数の結晶核生成部14が設けられる。このプラットフォーム成型部12の底部に設けられる複数の結晶核生成部14は、その形状が円錐となるように構成されるとともに、その高さ方向が翼長手方向とされる。
【0019】
このように構成された翼成型用鋳型10が、図8の装置において、翼成型用鋳型105の代わりに用いられたとき、まず、翼成型用鋳型10が耐火物炉体101の最上部に配置されるとともに、注湯口104を通じて、溶解炉106内の溶融金属107が流し込まれる。このとき、翼成型用鋳型10は、耐火物炉体101内面のサセプタ103から放射された熱線によって加熱されている。
【0020】
そして、溶解金属107が注ぎ込まれた翼成型用鋳型10は、翼成型用鋳型10の底部より水冷銅板108によって冷却されるとともに、所定の速度で下降されると、翼成型用鋳型10の下方から耐火物炉体101の外部に出るため、耐火物炉体101の外部に出た部分が大気放冷する。よって、翼成型用鋳型10内に注ぎ込まれた溶解金属107は、下方から順に凝固して、翼長手方向の柱状晶の結晶化が開始して、柱状晶である結晶粒が下方から上方に徐々に成長し、液相109と固相110との固液界面111が上昇して、一方向凝固柱状晶からなるタービン翼が形成される。
【0021】
このように、下方から順に、翼長手方向に成長する結晶粒31が形成されるとき、図3のタービン翼の断面図のように、結晶の<001>方向と翼長手方向が平行でなく幾分ずれている結晶粒32も形成される。この結晶粒32は、結晶粒31と比べて、翼長手方向への成長速度が遅くなるため、プロファイル部2などで消滅する。このように、翼成型用鋳型10が下方に移動されると、結晶粒の結晶化が進むとともに、その本数が減少していく。
【0022】
このように、タービン翼の凝固が進むとともに結晶粒の本数が減少していくが、結晶核生成部14が耐火物炉体101の外部に出て大気放冷されると、結晶核生成部14の先端部14aにおいて、結晶核が形成されて、この形成された結晶核を起点とする結晶粒33,34の結晶化が開始する。このとき、結晶粒33の<001>方向が翼長手方向と平行であり、結晶粒34の<001>方向が翼長手方向と平行でなく幾分ずれているとする。よって、この結晶粒34については、結晶粒32と同様、結晶粒31,33と比べて、翼長手方向への成長速度が遅くなるため消滅する。
【0023】
このように、結晶核生成部14より新たに柱状晶が生成されるため、プラットフォーム部3においては、結晶粒の本数が増加することとなる。よって、プロファイル部2で粗となった結晶粒の本数を、結晶核生成部14によって、プラットフォーム部3において密とすることができる。
【0024】
このようにして、翼成型用鋳型10を用いてタービン翼が形成されるとき、その形成されたタービン翼が、図4のような構成となる。即ち、セレーション部4の上部に設置されたプラットフォーム部3の表面において、チップ部1を先端にするとともにチップ部1とプロファイル部2で構成される翼部の周囲全面に、円錐状の突起部5が形成される。この複数の突起部5は、切断又は切削されることによって除去し、図9と同一の構成のタービン翼が製造される。
【0025】
尚、本実施形態において、結晶核生成部14の形状を円錐状としたが、その底面が多角形となる多角錘状としても構わない。このように多角錘状とした場合においても、先端部を下方とし、多角形の底面をプラットフォーム部3の底部に接するように、結晶核生成部14が設置される。又、本実施形態において、結晶核生成部14が互いに接するように構成するようにしても構わない。このとき、プラットフォーム部3の底部に結晶核生成部14を多数形成することができるので、結晶粒を多く発生させることができ、製造されたタービン翼の強度を高めることができる。
【0026】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態における一方向凝固翼となるタービン翼の製造時に利用する翼成型用鋳型の構成を示す外観斜視図である。尚、図5の翼成型用鋳型において、図2と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0027】
図5の翼成型用鋳型10aは、第1の実施形態における翼成型用鋳型10(図1)と異なり、結晶核生成部15の形状が円柱とされる。この結晶核生成部15以外の部分については、第1の実施形態と同様である。又、この結晶核生成部15は、図2の結晶核生成部14と同様、結晶核生成部15が耐火物炉体101から外部に出たとき、結晶核生成部15の底面15aに結晶核が形成される。そして、この結晶核を起点に、柱状晶である結晶粒が発生するため、タービン翼のプラットフォーム部3において、結晶粒の本数を増やすことができる。
【0028】
このように、図5の翼成型用鋳型10aによって形成されたタービン翼には、プラットフォーム部3の表面において、チップ部1及びプロファイル部2による翼部の設置面以外の部分全面に、円柱状の突起部が形成される。よって、プラットフォーム部3の表面に形成された円柱状の突起部が切断又は切削されて除去されることで、図9と同一の構成のタービン翼が製造される。
【0029】
尚、本実施形態において、結晶核生成部15の形状を円柱状としたが、その底面が多角形となる多角柱状としても構わない。尚、多角柱のうち、四角柱としたとき、結晶核生成部15が互いに接することのないように形成するか、又は、頂点同士で接するようにして形成する。これは、辺同士が接するように形成した場合、プラットフォーム成型部12を厚くしたことと変わりがないためである。又、結晶核生成部15の形状を四角柱以外の多角柱及び円柱としたとき、結晶核生成部15が互いに接するように構成するようにしても構わない。
【0030】
本実施形態のように、結晶核生成部15を柱状とすることによって、結晶核が発生する底面15aの面積が、第1の実施形態の先端部14aに比べて広くなるので、結晶核生成部15で発生する結晶核が増加するとともに、この結晶核を起点とする結晶粒の本数を増加させることができる。よって、第1の実施形態と比べて、プラットフォーム部3における結晶粒の本数を増加させることができる。
【0031】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。図6は、本実施形態における一方向凝固翼となるタービン翼の製造時に利用する翼成型用鋳型の構成を示す外観斜視図である。尚、図6の翼成型用鋳型において、図2と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0032】
図6の翼成型用鋳型10bは、第1の実施形態における翼成型用鋳型10(図1)と異なり、結晶核生成部16の形状が半球とされる。この結晶核生成部16以外の部分については、第1の実施形態と同様である。又、この結晶核生成部16は、図2の結晶核生成部14と同様、結晶核生成部16が耐火物炉体101から外部に出たとき、結晶核生成部16の底面16aに結晶核が形成される。そして、この結晶核を起点に、柱状晶である結晶粒が発生するため、タービン翼のプラットフォーム部3において、結晶粒の本数を増やすことができる。
【0033】
このように、図6の翼成型用鋳型10bによって形成されたタービン翼には、プラットフォーム部3の表面において、チップ部1及びプロファイル部2による翼部の設置面以外の部分全面に、半球状の突起部が形成される。よって、プラットフォーム部3の表面に形成された半球状の突起部が切断又は切削されて除去されることで、図9と同一の構成のタービン翼が製造される。
【0034】
本実施形態のように、結晶核生成部16を半球状とすることによって、第1の実施形態のような錘状や第2の実施形態のような柱状と比べて、破損を抑えることができるとともに、鋳型作製を容易にすることができる。
【0035】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図7は、本実施形態における一方向凝固翼となるタービン翼の製造時に利用する翼成型用鋳型の構成を示す断面図である。尚、図7の翼成型用鋳型において、図2と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】
図7の翼成型用鋳型10cは、第1の実施形態における翼成型用鋳型10(図1)と異なり、結晶核生成部14内面に、アルミン酸コバルト等の多結晶生成の促進作用がある接種材17が塗布又は含浸される。このとき、結晶核生成部14の先端から底面までの高さをhとすると、結晶核生成部14の先端から1/3h〜1/2hまでの範囲dにおいて、接種材17が塗布又は含浸される。この結晶核生成部14の内面に塗布又は含浸された接種材17以外の部分については、第1の実施形態と同様である。
【0037】
そして、この結晶核生成部14は、第1の実施形態と同様、耐火物炉体101から外部に出たとき、先端部14aに結晶核が形成され、この結晶核を起点に、柱状晶である結晶粒が発生する。その後、図7の翼成型用鋳型10cによって形成されたタービン翼において、プラットフォーム部3の表面に形成された錘状の突起部が除去されて、図9と同一の構成のタービン翼が製造される。
【0038】
本実施形態のように、結晶核生成部14の内面に接種材17を塗布又は含浸することによって、結晶核の生成が促進されるため、結晶核生成部14で発生する結晶核が増加するとともに、この結晶核を起点とする結晶粒の本数を増加させることができる。よって、第1の実施形態と比べて、プラットフォーム部3における結晶粒の本数を増加させることができる。
【0039】
尚、本実施形態において、結晶核生成部の形状を第1の実施形態と同様の錘状としたが、第2又は第3の実施形態と同様、柱状又は半球状としても構わない。即ち、図5における柱状となる結晶核生成部15の場合、その底部の内面に、接種材17を塗布又は含浸する。又、図6における半球状となる結晶核生成部16の場合、その高さをhとすると、その先端から1/3h〜1/2hまでの範囲の内面に、接種材17を塗布又は含浸する。
【0040】
【発明の効果】
本発明によると、一方向凝固翼を構成する結晶粒の成長方向(翼長手方向)と同一の方向に突起した結晶核生成部がプラットフォーム成型部に設けられるため、この結晶核生成部で生成された結晶核を起点として発生する結晶粒を、一方向凝固翼を構成する結晶粒の成長方向と同一の方向に成長させることができる。よって、結晶粒の本数が減少するプラットフォーム部において、結晶粒の補充をすることができ、結晶粒の本数を増やすことができる。よって、製造された一方向凝固翼の強度を高めることができる。又、接種材を塗布又は含浸ことによって、結晶核の生成を促進することができるため、多くの結晶粒の発生を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態における翼成型用鋳型の構成を示す外観斜視図。
【図2】 第1の実施形態における翼成型用鋳型の構成を示す下面図。
【図3】 図1の翼成型用鋳型を用いて形成されたタービン翼における結晶粒の様子を示す断面図。
【図4】 図1の翼成型用鋳型を用いて形成されたタービン翼の外観斜視図。
【図5】 第2の実施形態における翼成型用鋳型の構成を示す外観斜視図。
【図6】 第3の実施形態における翼成型用鋳型の構成を示す外観斜視図。
【図7】 第4の実施形態における翼成型用鋳型の構成を示す断面図。
【図8】 一方向凝固翼の製造方法に用いる装置の概要を示す断面図。
【図9】 タービン翼の外観斜視図。
【図10】 従来の翼成型用鋳型を用いて形成されたタービン翼における結晶粒の様子を示す断面図。
【符号の説明】
1 チップ部
2 プロファイル部
3 プラットフォーム部
4 セレーション部
5 突起部
10 翼成型用鋳型
11 翼成型部
12 プラットフォーム成型部
13 セレーション成型部
14〜16 結晶核生成部
17 接種材

Claims (9)

  1. 内面がヒータで覆われた耐火物炉体内部に設置されるとともにその底部に水冷銅板が取り付けられ、前記耐火物炉体の蓋部に設けられた注湯口より溶融金属が流し込まれた後、前記耐火物炉体の底部より前記耐火物炉体外部に出されることによって、翼部とプラットフォーム部とを備えるとともに高温雰囲気で使用される一方向凝固翼を成型する一方向凝固翼成型用鋳型において、
    前記翼部を成型する翼成型部の上部に設けられる前記プラットフォーム部を成型するプラットフォーム成型部の底部において、前記翼成型部の周囲に、前記一方向凝固翼を構成する複数の結晶粒の主な成長方向と同一方向に突起した結晶核生成部を複数備えることを特徴とする一方向凝固翼成型用鋳型。
  2. 前記結晶核生成部の形状を柱状とすることを特徴とする請求項1に記載の一方向凝固翼成型用鋳型。
  3. 前記結晶核生成部の形状を錘状とすることを特徴とする請求項1に記載の一方向凝固翼成型用鋳型。
  4. 前記結晶核生成部の形状を半球状とすることを特徴とする請求項1に記載の一方向凝固翼成型用鋳型。
  5. 前記結晶核生成部の内面に、多結晶生成を促進する接種材を塗布又は含浸することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の一方向凝固翼成型用鋳型。
  6. 前記結晶核生成部における底部の内面に、多結晶生成を促進する接種材を塗布又は含浸することを特徴とする請求項2に記載の一方向凝固翼成型用鋳型。
  7. 前記結晶核生成部の高さをhとするとき、その先端から1/3h〜1/2hまでの範囲における内面に、多結晶生成を促進する接種材を塗布又は含浸することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の一方向凝固翼成型用鋳型。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の一方向凝固翼成型用鋳型を前記耐火物炉体内部に設置し、
    当該一方向凝固翼成型用鋳型に、前記溶融金属を流し込む工程と、
    当該一方向凝固翼成型用鋳型を、前記耐火物炉体の底部より前記耐火物炉体外部に出すことによって、前記一方向凝固翼を前記翼部から順に凝固して、前記一方向凝固翼を成型する工程と、
    成型した前記一方向凝固翼の前記プラットフォーム部表面に形成される前記結晶核生成部による複数の突起部を切断又は切削して除去する工程と、
    を備えることを特徴とする一方向凝固翼製造方法。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の一方向凝固翼成型用鋳型によって成型された後、前記結晶核生成部によって成型された複数の突起部が除去されることで製造されることを特徴とする一方向凝固翼。
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