JPH1085572A - 濾過膜及び濾過膜の製造方法 - Google Patents
濾過膜及び濾過膜の製造方法Info
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- JPH1085572A JPH1085572A JP24296296A JP24296296A JPH1085572A JP H1085572 A JPH1085572 A JP H1085572A JP 24296296 A JP24296296 A JP 24296296A JP 24296296 A JP24296296 A JP 24296296A JP H1085572 A JPH1085572 A JP H1085572A
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- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリオレフィン又はオレフィンとハロゲン化
オレフィンの共重合体から成る多孔質基材にグリシジル
メタクリレートがグラフト重合され、イミノジ酢酸基が
固定された濾過膜であって、水溶液中の金属イオンを効
率良く除去することができ、且つ十分な引張強度を有す
る濾過膜を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン又はオレフィンとハロゲ
ン化オレフィンの共重合体から成る多孔質基材に、13
0%以下のグラフト率でグリシジルメタクリレートがグ
ラフト重合され、1.3mmol/g膜以上の濃度でイ
ミノジ酢酸基が固定されている。
オレフィンの共重合体から成る多孔質基材にグリシジル
メタクリレートがグラフト重合され、イミノジ酢酸基が
固定された濾過膜であって、水溶液中の金属イオンを効
率良く除去することができ、且つ十分な引張強度を有す
る濾過膜を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン又はオレフィンとハロゲ
ン化オレフィンの共重合体から成る多孔質基材に、13
0%以下のグラフト率でグリシジルメタクリレートがグ
ラフト重合され、1.3mmol/g膜以上の濃度でイ
ミノジ酢酸基が固定されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属イオンの吸着
性能に優れ、且つ高強度の濾過膜に関するものである。
性能に優れ、且つ高強度の濾過膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平2−187136号公報、特開平
2−187143号公報に、ポリオレフィン又はオレフ
ィンとハロゲン化オレフィンの共重合体から成る多孔質
基材にグリシジルメタクリレートをグラフト重合し、次
いでイミノジ酢酸基を固定することを特徴とする濾過膜
の製造方法が開示されている。上記方法によって製造さ
れた濾過膜は、水溶液中の金属イオンを効率良く除去す
ることができる。
2−187143号公報に、ポリオレフィン又はオレフ
ィンとハロゲン化オレフィンの共重合体から成る多孔質
基材にグリシジルメタクリレートをグラフト重合し、次
いでイミノジ酢酸基を固定することを特徴とする濾過膜
の製造方法が開示されている。上記方法によって製造さ
れた濾過膜は、水溶液中の金属イオンを効率良く除去す
ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】大量高速の液処理に使
用される濾過膜は、水流から受ける力に耐えるのに十分
な引張強度を有する必要がある。特開平2−18713
6号公報、特開平2−187143号公報には、製造さ
れた濾過膜の機械的強度に関する記載が無く、製造され
た濾過膜に十分な引張強度を持たせるための条件は不明
である。本発明は上記問題に鑑みてなされたものであ
り、ポリオレフィン又はオレフィンとハロゲン化オレフ
ィンの共重合体から成る多孔質基材にグリシジルメタク
リレートがグラフト重合され、イミノジ酢酸基が固定さ
れた濾過膜であって、水溶液中の金属イオンを効率良く
除去することができ、且つ十分な引張強度を有する濾過
膜を提供することを目的とする。
用される濾過膜は、水流から受ける力に耐えるのに十分
な引張強度を有する必要がある。特開平2−18713
6号公報、特開平2−187143号公報には、製造さ
れた濾過膜の機械的強度に関する記載が無く、製造され
た濾過膜に十分な引張強度を持たせるための条件は不明
である。本発明は上記問題に鑑みてなされたものであ
り、ポリオレフィン又はオレフィンとハロゲン化オレフ
ィンの共重合体から成る多孔質基材にグリシジルメタク
リレートがグラフト重合され、イミノジ酢酸基が固定さ
れた濾過膜であって、水溶液中の金属イオンを効率良く
除去することができ、且つ十分な引張強度を有する濾過
膜を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、ポリオレフィン又はオレフィン
とハロゲン化オレフィンの共重合体から成る多孔質基材
に、130%以下のグラフト率でグリシジルメタクリレ
ートがグラフト重合され、1.3mmol/g膜以上の
濃度でイミノジ酢酸基が固定されていることを特徴とす
る濾過膜を提供する。グリシジルメタクリレートのグラ
フト率を130%以下とすることにより、十分な引張強
度を有する濾過膜が得られる。イミノジ酢酸基の固定濃
度を1.3mmol/g膜以上とすることにより、優れ
た金属イオン除去性能を有する濾過膜が得られる。多孔
質基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、またはエチレン、プ
ロピレン、ブテン、ヘキセン、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレンの単独又は共重合体か
ら選択される。多孔質基材の形状は、繊維、不織布繊
維、織布等の繊維状の諸形状から選択される。共存下に
ある多孔質基材とグリシジルメタクリレートとに電離性
放射線を照射し、或いは多孔質基材のみに電離性放射線
を照射した後多孔質基材をグリシジルメタクリレートに
接触させて、多孔質基材にグリシジルメタクリレートを
グラフト重合させる。照射する電離性放射線は、α線、
β線、γ線、加速電子線、X線、紫外線等である。グラ
フト重合の際に、多孔質基材を液状のグリシジルメタク
リレートに接触させても良く、多孔質基材をグリシジル
メタクリレートの蒸気に接触させても良い。
に、本発明においては、ポリオレフィン又はオレフィン
とハロゲン化オレフィンの共重合体から成る多孔質基材
に、130%以下のグラフト率でグリシジルメタクリレ
ートがグラフト重合され、1.3mmol/g膜以上の
濃度でイミノジ酢酸基が固定されていることを特徴とす
る濾過膜を提供する。グリシジルメタクリレートのグラ
フト率を130%以下とすることにより、十分な引張強
度を有する濾過膜が得られる。イミノジ酢酸基の固定濃
度を1.3mmol/g膜以上とすることにより、優れ
た金属イオン除去性能を有する濾過膜が得られる。多孔
質基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、またはエチレン、プ
ロピレン、ブテン、ヘキセン、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレンの単独又は共重合体か
ら選択される。多孔質基材の形状は、繊維、不織布繊
維、織布等の繊維状の諸形状から選択される。共存下に
ある多孔質基材とグリシジルメタクリレートとに電離性
放射線を照射し、或いは多孔質基材のみに電離性放射線
を照射した後多孔質基材をグリシジルメタクリレートに
接触させて、多孔質基材にグリシジルメタクリレートを
グラフト重合させる。照射する電離性放射線は、α線、
β線、γ線、加速電子線、X線、紫外線等である。グラ
フト重合の際に、多孔質基材を液状のグリシジルメタク
リレートに接触させても良く、多孔質基材をグリシジル
メタクリレートの蒸気に接触させても良い。
【0005】本発明の好ましい態様においては、多孔質
基材は50kGy以下の照射線量で電離性放射線が照射
された基材である。多孔質基材の引張強度の低下と脆性
化とを防止するために、電離性放射線の照射線量は50
kGy以下とするのが望ましい。
基材は50kGy以下の照射線量で電離性放射線が照射
された基材である。多孔質基材の引張強度の低下と脆性
化とを防止するために、電離性放射線の照射線量は50
kGy以下とするのが望ましい。
【0006】本発明の好ましい態様においては、濾過膜
は中空糸膜である。本発明の好ましい態様においては、
中空糸膜の外径は1mm以下である。外径が1mm以下
の中空糸濾過膜は、浄水器等で常用されている。本発明
に係る外径が1mm以下の中空糸濾過膜を浄水器に使用
することにより、大量高速の液処理に耐える機械的強度
を有し、且つ優れた金属イオン除去性能を有する浄水器
が得られる。
は中空糸膜である。本発明の好ましい態様においては、
中空糸膜の外径は1mm以下である。外径が1mm以下
の中空糸濾過膜は、浄水器等で常用されている。本発明
に係る外径が1mm以下の中空糸濾過膜を浄水器に使用
することにより、大量高速の液処理に耐える機械的強度
を有し、且つ優れた金属イオン除去性能を有する浄水器
が得られる。
【0007】また本発明においては、ポリオレフィン又
はオレフィンとハロゲン化オレフィンの共重合体から成
る多孔質基材に、50kGy以下の照射線量で電離性放
射線を照射し、次いで130%以下のグラフト率でグリ
シジルメタクリレートをグラフト重合させ、次いで1.
3mmol/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基を固定す
ることを特徴とする濾過膜の製造方法を提供する。本発
明に係る製造方法により、十分な引っ張り強度と、優れ
た金属イオン除去性能とを有する濾過膜が得られる。
はオレフィンとハロゲン化オレフィンの共重合体から成
る多孔質基材に、50kGy以下の照射線量で電離性放
射線を照射し、次いで130%以下のグラフト率でグリ
シジルメタクリレートをグラフト重合させ、次いで1.
3mmol/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基を固定す
ることを特徴とする濾過膜の製造方法を提供する。本発
明に係る製造方法により、十分な引っ張り強度と、優れ
た金属イオン除去性能とを有する濾過膜が得られる。
【0008】本発明の好ましい態様においては、70℃
以上に加熱した、ジメチルスルホキシドを10体積%以
上含むイミノジ酢酸水溶液とジメチルスルホキシドの混
合液に、多孔質基材を浸漬して、多孔質基材にイミノジ
酢酸基を固定する。70℃以上に加熱した、ジメチルス
ルホキシドを10体積%以上含むイミノジ酢酸水溶液と
ジメチルスルホキシドの混合液に、グリシジルメタクリ
レートをグラフト重合させた多孔質基材を浸漬すること
により、多孔質基材に1.3mmol/g膜以上の濃度
でイミノジ酢酸基を固定することができる。
以上に加熱した、ジメチルスルホキシドを10体積%以
上含むイミノジ酢酸水溶液とジメチルスルホキシドの混
合液に、多孔質基材を浸漬して、多孔質基材にイミノジ
酢酸基を固定する。70℃以上に加熱した、ジメチルス
ルホキシドを10体積%以上含むイミノジ酢酸水溶液と
ジメチルスルホキシドの混合液に、グリシジルメタクリ
レートをグラフト重合させた多孔質基材を浸漬すること
により、多孔質基材に1.3mmol/g膜以上の濃度
でイミノジ酢酸基を固定することができる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、前記混
合液中のイミノジ酢酸の濃度を調整してイミノジ酢酸基
の多孔質基材への固定濃度を調整する。混合液中のイミ
ノジ酢酸の濃度を調整することにより、イミノジ酢酸基
の多孔質基材への固定濃度を調整できる。
合液中のイミノジ酢酸の濃度を調整してイミノジ酢酸基
の多孔質基材への固定濃度を調整する。混合液中のイミ
ノジ酢酸の濃度を調整することにより、イミノジ酢酸基
の多孔質基材への固定濃度を調整できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を以下に説明す
る。 (1)グリシジルメタクリレートのグラフト重合 外径0.38mm、内径0.27mm、平均孔径0.1
μmのポリエチレン多孔質中空糸膜に、30〜200k
Gyの照射線量で電子線を照射し、次いで、40℃のグ
リシジルメタクリレートの10体積%メタノール溶液
(グリシジルメタクリレートが10体積%、メタノール
が90体積%)と反応させて、多孔質中空糸膜にグリシ
ジルメタクリレートをグラフト重合させた。グラフト重
合反応後、多孔質中空糸膜を40℃のジメチルホルムア
ミドで洗浄して余分のグリシジルメタクリレートを除去
し、次いでメタノールで洗浄してジメチルホルムアミド
を除去し、次いで真空乾燥してメタノールを除去した。
る。 (1)グリシジルメタクリレートのグラフト重合 外径0.38mm、内径0.27mm、平均孔径0.1
μmのポリエチレン多孔質中空糸膜に、30〜200k
Gyの照射線量で電子線を照射し、次いで、40℃のグ
リシジルメタクリレートの10体積%メタノール溶液
(グリシジルメタクリレートが10体積%、メタノール
が90体積%)と反応させて、多孔質中空糸膜にグリシ
ジルメタクリレートをグラフト重合させた。グラフト重
合反応後、多孔質中空糸膜を40℃のジメチルホルムア
ミドで洗浄して余分のグリシジルメタクリレートを除去
し、次いでメタノールで洗浄してジメチルホルムアミド
を除去し、次いで真空乾燥してメタノールを除去した。
【0011】図1に、次式で求められるグリシジルメタ
クリレートのグラフト率Gと電子線の照射線量、グラフ
ト重合反応時間の関係を示す。 G= [( W1 − W0)/W0]×100(%) 上式において、W0 はグラフト重合反応前の中空糸膜乾
燥質量(g)を示し、W1 はグラフト重合反応後の中空
糸膜乾燥質量(g)を示す。図1から、電子線の照射線
量の調整、グラフト重合反応時間の調整によって、グリ
シジルメタクリレートのグラフト率を調整できることが
分かる。また、5〜300%の範囲でグリシジルメタク
リレートのグラフト率を調整できることが分かる。
クリレートのグラフト率Gと電子線の照射線量、グラフ
ト重合反応時間の関係を示す。 G= [( W1 − W0)/W0]×100(%) 上式において、W0 はグラフト重合反応前の中空糸膜乾
燥質量(g)を示し、W1 はグラフト重合反応後の中空
糸膜乾燥質量(g)を示す。図1から、電子線の照射線
量の調整、グラフト重合反応時間の調整によって、グリ
シジルメタクリレートのグラフト率を調整できることが
分かる。また、5〜300%の範囲でグリシジルメタク
リレートのグラフト率を調整できることが分かる。
【0012】(2)イミノジ酢酸基の固定 (1)の処理によって得られたグリシジルメタクリレー
トをグラフト重合させた中空糸膜を、70〜80℃、p
H=11.5〜13.0の、ジメチルスルホキシドとイ
ミノジ酢酸水溶液の混合液に、24〜48時間浸漬し、
グリシジルメタクリレートのエポキシ基をイミノジ酢酸
基に転化した。イミノジ酢酸基への転化後、中空糸膜を
80℃の0.5mol/dm3 濃度の硫酸に2時間浸漬
して残存エポキシ基をジオール化した。残存エポキシ基
のジオール化後、中空糸膜を水洗浄し、真空乾燥した。
上記の手順で中空糸膜にイミノジ酢酸基を固定した時、
グリシジルメタクリレートのエポキシ基がイミノジ酢酸
基に転化された割合である転化率Xは次式で与えられ
る。 X= (1/115)[142(W2 − W0)/(W1 −
W0)−160] ×100(%) 上式において、W2 はイミノジ酢酸基固定後の中空糸膜
乾燥質量(g)を示す。
トをグラフト重合させた中空糸膜を、70〜80℃、p
H=11.5〜13.0の、ジメチルスルホキシドとイ
ミノジ酢酸水溶液の混合液に、24〜48時間浸漬し、
グリシジルメタクリレートのエポキシ基をイミノジ酢酸
基に転化した。イミノジ酢酸基への転化後、中空糸膜を
80℃の0.5mol/dm3 濃度の硫酸に2時間浸漬
して残存エポキシ基をジオール化した。残存エポキシ基
のジオール化後、中空糸膜を水洗浄し、真空乾燥した。
上記の手順で中空糸膜にイミノジ酢酸基を固定した時、
グリシジルメタクリレートのエポキシ基がイミノジ酢酸
基に転化された割合である転化率Xは次式で与えられ
る。 X= (1/115)[142(W2 − W0)/(W1 −
W0)−160] ×100(%) 上式において、W2 はイミノジ酢酸基固定後の中空糸膜
乾燥質量(g)を示す。
【0013】図2に、電子線の照射線量が50kGy
で、グラフト率が約90〜約150%の中空糸膜の、転
化率Xと、ジメチルスルホキシドとイミノジ酢酸水溶液
の混合液中のイミノジ酢酸のモル濃度、ジメチルスルホ
キシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスル
ホキシドの体積%、転化反応温度との関係を示す。図2
から、転化反応温度が一定であり、且つジメチルスルホ
キシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスル
ホキシドの体積%が一定であれば、グリシジルメタクリ
レートのグラフト率に係わりなく、転化率Xとジメチル
スルホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のイミノ
ジ酢酸のモル濃度 (mol/dm3)との間に一定の相関
関係が成立することが分かる。尚、図2の各相関線の右
端が途切れているのは、ジメチルスルホキシドとイミノ
ジ酢酸水溶液の混合液中のイミノジ酢酸のモル濃度が溶
解上限値に達するためである。
で、グラフト率が約90〜約150%の中空糸膜の、転
化率Xと、ジメチルスルホキシドとイミノジ酢酸水溶液
の混合液中のイミノジ酢酸のモル濃度、ジメチルスルホ
キシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスル
ホキシドの体積%、転化反応温度との関係を示す。図2
から、転化反応温度が一定であり、且つジメチルスルホ
キシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスル
ホキシドの体積%が一定であれば、グリシジルメタクリ
レートのグラフト率に係わりなく、転化率Xとジメチル
スルホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のイミノ
ジ酢酸のモル濃度 (mol/dm3)との間に一定の相関
関係が成立することが分かる。尚、図2の各相関線の右
端が途切れているのは、ジメチルスルホキシドとイミノ
ジ酢酸水溶液の混合液中のイミノジ酢酸のモル濃度が溶
解上限値に達するためである。
【0014】図2から、ジメチルスルホキシドとイミノ
ジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスルホキシドの体積
%が一定であれば、転化反応温度が高い程転化率Xが高
いことが分かる。図2から、ジメチルスルホキシドとイ
ミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスルホキシドの
体積%が減少するにつれて転化率Xの最大値は増加し、
次いで減少することが分かる。
ジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスルホキシドの体積
%が一定であれば、転化反応温度が高い程転化率Xが高
いことが分かる。図2から、ジメチルスルホキシドとイ
ミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスルホキシドの
体積%が減少するにつれて転化率Xの最大値は増加し、
次いで減少することが分かる。
【0015】イミノジ酢酸基固定後の中空糸膜の単位乾
燥質量当たりどれだけの量のイミノジ酢酸基が固定され
ているかを示すイミノジ酢酸基濃度Yは、グラフト率G
と転化率Xの関数として次式で表される。 Y= [115+16000/X+1420000/(X
G) ]-1×1000(mmol/g膜) 図3に、図2の転化率Xをイミノジ酢酸基濃度Yに置換
した図を示す。尚図2において、転化率Xはグリシジル
メタクリレートのグラフト率に依存しないことが判明し
たので、図3においては、転化反応温度と、ジメチルス
ルホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチル
スルホキシドの体積%のみをパラメータとして、イミノ
ジ酢酸基濃度Yとジメチルスルホキシドとイミノジ酢酸
水溶液の混合液中のイミノジ酢酸のモル濃度 (mol/
dm3)との相関を示している。図3から、ジメチルスル
ホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルス
ルホキシドの体積%と、転化反応温度と、ジメチルスル
ホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のイミノジ酢
酸のモル濃度 (mol/dm3)とを調整することによ
り、イミノジ酢酸基濃度Yを調整できることが分かる。
燥質量当たりどれだけの量のイミノジ酢酸基が固定され
ているかを示すイミノジ酢酸基濃度Yは、グラフト率G
と転化率Xの関数として次式で表される。 Y= [115+16000/X+1420000/(X
G) ]-1×1000(mmol/g膜) 図3に、図2の転化率Xをイミノジ酢酸基濃度Yに置換
した図を示す。尚図2において、転化率Xはグリシジル
メタクリレートのグラフト率に依存しないことが判明し
たので、図3においては、転化反応温度と、ジメチルス
ルホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチル
スルホキシドの体積%のみをパラメータとして、イミノ
ジ酢酸基濃度Yとジメチルスルホキシドとイミノジ酢酸
水溶液の混合液中のイミノジ酢酸のモル濃度 (mol/
dm3)との相関を示している。図3から、ジメチルスル
ホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルス
ルホキシドの体積%と、転化反応温度と、ジメチルスル
ホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のイミノジ酢
酸のモル濃度 (mol/dm3)とを調整することによ
り、イミノジ酢酸基濃度Yを調整できることが分かる。
【0016】(3)透過試験 (1)、(2)の処理によって得られたイミノジ酢酸基
固定後の中空糸膜の透過試験を行った。透過試験の前処
理として、イミノジ酢酸基固定後の中空糸膜に、2重量
%NaOH水溶液、5重量%CaCl2 水溶液を順次透
過させ、イミノジ酢酸基をH型からCa型に変換した。
微量でも人体に有害な鉛の除去性能を透過試験によって
確認した。鉛、カルシウム、マグネシウムの水溶性の塩
を超純水に溶解させ、鉛、カルシウム、マグネシウムを
それぞれ150μg/dm3 、40mg/dm3 、20
mg/dm3 含有するpHが5.6〜6.8、液温が3
0℃の試験液を調製した。電離性放射線の照射線量が5
0〜200kGy、グラフト率Gが約90〜約220
%、転化率Xが約40〜70%(イミノジ酢酸基濃度Y
が約0.9〜2.0mmol/g膜)の中空糸膜に、鉛
とカルシウムとマグネシウムとを含有する上記試験液
を、LV=0.24〜0.96m/hの流速で透過させ
た。ポーラログラフ法により液中の鉛濃度を測定した。
固定後の中空糸膜の透過試験を行った。透過試験の前処
理として、イミノジ酢酸基固定後の中空糸膜に、2重量
%NaOH水溶液、5重量%CaCl2 水溶液を順次透
過させ、イミノジ酢酸基をH型からCa型に変換した。
微量でも人体に有害な鉛の除去性能を透過試験によって
確認した。鉛、カルシウム、マグネシウムの水溶性の塩
を超純水に溶解させ、鉛、カルシウム、マグネシウムを
それぞれ150μg/dm3 、40mg/dm3 、20
mg/dm3 含有するpHが5.6〜6.8、液温が3
0℃の試験液を調製した。電離性放射線の照射線量が5
0〜200kGy、グラフト率Gが約90〜約220
%、転化率Xが約40〜70%(イミノジ酢酸基濃度Y
が約0.9〜2.0mmol/g膜)の中空糸膜に、鉛
とカルシウムとマグネシウムとを含有する上記試験液
を、LV=0.24〜0.96m/hの流速で透過させ
た。ポーラログラフ法により液中の鉛濃度を測定した。
【0017】透過試験によって得られた、初流50cm
3 の透過液鉛濃度Cと試験液鉛濃度C0 との比C/C0
とイミノジ酢酸基濃度Yとの関係を図4に示す。図4か
ら、イミノジ酢酸基濃度Yが1.3mmol/g膜以上
であれば、吸着剤としての性能の目安であるC/C0 ≦
0.1を達成できることが分かる。尚、図4中のイミノ
ジ酢酸基濃度Yが1.3mmol/g膜以上の試験点に
おいては、透過量が50cm3 を越えて増大しても、C
/C0 >0.1にはならなかった。図3から、80℃に
加熱した、ジメチルスルホキシドを10体積%以上含む
イミノジ酢酸水溶液とジメチルスルホキシドの混合液
に、グリシジルメタクリレートをグラフト重合させた多
孔質基材を浸漬することにより、多孔質基材に1.3m
mol/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基を固定できる
ことが分かる。また、図3から判断して、70℃に加熱
した、ジメチルスルホキシドを10体積%以上含むイミ
ノジ酢酸水溶液とジメチルスルホキシドの混合液に、グ
リシジルメタクリレートをグラフト重合させた多孔質基
材を浸漬することにより、多孔質基材に1.3mmol
/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基を固定できると考え
られる。
3 の透過液鉛濃度Cと試験液鉛濃度C0 との比C/C0
とイミノジ酢酸基濃度Yとの関係を図4に示す。図4か
ら、イミノジ酢酸基濃度Yが1.3mmol/g膜以上
であれば、吸着剤としての性能の目安であるC/C0 ≦
0.1を達成できることが分かる。尚、図4中のイミノ
ジ酢酸基濃度Yが1.3mmol/g膜以上の試験点に
おいては、透過量が50cm3 を越えて増大しても、C
/C0 >0.1にはならなかった。図3から、80℃に
加熱した、ジメチルスルホキシドを10体積%以上含む
イミノジ酢酸水溶液とジメチルスルホキシドの混合液
に、グリシジルメタクリレートをグラフト重合させた多
孔質基材を浸漬することにより、多孔質基材に1.3m
mol/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基を固定できる
ことが分かる。また、図3から判断して、70℃に加熱
した、ジメチルスルホキシドを10体積%以上含むイミ
ノジ酢酸水溶液とジメチルスルホキシドの混合液に、グ
リシジルメタクリレートをグラフト重合させた多孔質基
材を浸漬することにより、多孔質基材に1.3mmol
/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基を固定できると考え
られる。
【0018】各種金属の除去性能を調べた。銀、アルミ
ニウム、カドミウム、銅、鉄、水銀、マンガン、ニッケ
ル、亜鉛、鉛の水溶性の塩をそれぞれ超純水に10mg
/dm3 溶解させ、pHが5.1〜6.7、液温が25
℃の試験液を調製した。電離性放射線の照射線量が50
kGy、グラフト率Gが107%、転化率Xが47.2
%(イミノジ酢酸基濃度Yが1.36mmol/g膜)
の中空糸膜に、LV=0.2〜0.8m/hの流速で上
記各試験液を透過させた。ICP発光分析法により液中
のアルミニウム濃度、カドミウム濃度、水銀濃度を測定
した。原子吸光分析法により液中の銀濃度、銅濃度、鉄
濃度、マンガン濃度、ニッケル濃度、亜鉛濃度を測定し
た。ポーラログラフ法により液中の鉛濃度を測定した。
各金属の除去率(1−C/C0 )を図5に示す。図5に
は、図5から、カドミウムと水銀以外の金属の除去率は
高いことが分かる。上記の透過試験から、本実施例に係
る中空糸濾過膜が優れた金属イオン吸着性能を有するこ
とが確認された。
ニウム、カドミウム、銅、鉄、水銀、マンガン、ニッケ
ル、亜鉛、鉛の水溶性の塩をそれぞれ超純水に10mg
/dm3 溶解させ、pHが5.1〜6.7、液温が25
℃の試験液を調製した。電離性放射線の照射線量が50
kGy、グラフト率Gが107%、転化率Xが47.2
%(イミノジ酢酸基濃度Yが1.36mmol/g膜)
の中空糸膜に、LV=0.2〜0.8m/hの流速で上
記各試験液を透過させた。ICP発光分析法により液中
のアルミニウム濃度、カドミウム濃度、水銀濃度を測定
した。原子吸光分析法により液中の銀濃度、銅濃度、鉄
濃度、マンガン濃度、ニッケル濃度、亜鉛濃度を測定し
た。ポーラログラフ法により液中の鉛濃度を測定した。
各金属の除去率(1−C/C0 )を図5に示す。図5に
は、図5から、カドミウムと水銀以外の金属の除去率は
高いことが分かる。上記の透過試験から、本実施例に係
る中空糸濾過膜が優れた金属イオン吸着性能を有するこ
とが確認された。
【0019】(4)引張試験 島津製作所(株)製オートグラフDCS−M型試験機を
用い、標点間距離を25mmに設定し、クロスヘッドス
ピードを2.5mm/分に設定して、(1)の処理を施
した中空糸膜の引張試験と、(1)、(2)の処理を施
した中空糸膜の引張試験とを行った。同一処理の中空糸
膜5本を1本ずつ試験し、平均値を求めた。図6に、グ
ラフト率Gが80〜107%の中空糸膜(エポキシ基の
イミノジ酢酸基への転化処理前)の破断強さと電子線の
照射線量との関係と、グラフト率Gが80〜107%、
転化率Xが39〜47%の中空糸膜(エポキシ基のイミ
ノジ酢酸基への転化処理後)の破断強さと電子線の照射
線量との関係とを示す。図6から、電子線の照射線量が
100kGy以下の範囲では、転化処理前の中空糸膜の
破断強さと転化処理後の中空糸膜の破断強さとの間に大
差無いことが分かる。従って、電子線の照射線量が10
0kGy以下の範囲では、電子線の照射線量が中空糸膜
の強度を決定し、転化処理は中空糸膜の強度に殆ど影響
を与え無いと考えられる。図6から、電子線の照射線量
が70〜90kGyを超えると中空糸膜の破断強さが原
糸の80%未満となることが分かる。転化処理後の中空
糸膜の引張試験の際に、中空糸膜の表面を観察した結
果、電子線の照射線量が30kGy、50kGyの中空
糸膜は全体が不透明で延性であるのに対し、電子線の照
射線量が100kGyの中空糸膜は一部が透明になって
脆性化しており、電子線の照射線量が200kGyの中
空糸膜は全体が透明になって脆性化していた。以上よ
り、中空糸膜の引張強度、脆性の観点から、電子線の照
射線量は50kGy以下とするのが望ましいと考えられ
る。
用い、標点間距離を25mmに設定し、クロスヘッドス
ピードを2.5mm/分に設定して、(1)の処理を施
した中空糸膜の引張試験と、(1)、(2)の処理を施
した中空糸膜の引張試験とを行った。同一処理の中空糸
膜5本を1本ずつ試験し、平均値を求めた。図6に、グ
ラフト率Gが80〜107%の中空糸膜(エポキシ基の
イミノジ酢酸基への転化処理前)の破断強さと電子線の
照射線量との関係と、グラフト率Gが80〜107%、
転化率Xが39〜47%の中空糸膜(エポキシ基のイミ
ノジ酢酸基への転化処理後)の破断強さと電子線の照射
線量との関係とを示す。図6から、電子線の照射線量が
100kGy以下の範囲では、転化処理前の中空糸膜の
破断強さと転化処理後の中空糸膜の破断強さとの間に大
差無いことが分かる。従って、電子線の照射線量が10
0kGy以下の範囲では、電子線の照射線量が中空糸膜
の強度を決定し、転化処理は中空糸膜の強度に殆ど影響
を与え無いと考えられる。図6から、電子線の照射線量
が70〜90kGyを超えると中空糸膜の破断強さが原
糸の80%未満となることが分かる。転化処理後の中空
糸膜の引張試験の際に、中空糸膜の表面を観察した結
果、電子線の照射線量が30kGy、50kGyの中空
糸膜は全体が不透明で延性であるのに対し、電子線の照
射線量が100kGyの中空糸膜は一部が透明になって
脆性化しており、電子線の照射線量が200kGyの中
空糸膜は全体が透明になって脆性化していた。以上よ
り、中空糸膜の引張強度、脆性の観点から、電子線の照
射線量は50kGy以下とするのが望ましいと考えられ
る。
【0020】図7に、電子線の照射線量が50kGyの
転化処理後の中空糸膜の破断強さと、グラフト率G、転
化率Xとの関係を示す。図7から、グラフト率Gが14
6%の場合には転化率Xが増加すると中空糸膜の破断強
さが急激に低下し、1.3mmol/g膜以上の濃度で
イミノジ酢酸基が固定され且つ十分な引張強度を有する
中空糸膜を製造するのが困難であるのに対し、グラフト
率Gが128%、107%の場合には転化率Xが増加し
ても中空糸膜の破断強さは急激には低下せず、1.3m
mol/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基が固定され且
つ原糸強度の80%以上の引張強度を有する十分に強い
中空糸膜を製造するのが可能であることが分かる。従っ
て、中空糸膜の引張強度の観点から、グラフト率Gは1
30%以下とするのが望ましいと考えられる。
転化処理後の中空糸膜の破断強さと、グラフト率G、転
化率Xとの関係を示す。図7から、グラフト率Gが14
6%の場合には転化率Xが増加すると中空糸膜の破断強
さが急激に低下し、1.3mmol/g膜以上の濃度で
イミノジ酢酸基が固定され且つ十分な引張強度を有する
中空糸膜を製造するのが困難であるのに対し、グラフト
率Gが128%、107%の場合には転化率Xが増加し
ても中空糸膜の破断強さは急激には低下せず、1.3m
mol/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基が固定され且
つ原糸強度の80%以上の引張強度を有する十分に強い
中空糸膜を製造するのが可能であることが分かる。従っ
て、中空糸膜の引張強度の観点から、グラフト率Gは1
30%以下とするのが望ましいと考えられる。
【0021】以上本発明の実施例に係る中空糸濾過膜を
説明した。外径が1mm以下の中空糸濾過膜が浄水器等
で常用されている。本発明を適用して得られた外径が1
mm以下の中空糸濾過膜を浄水器に使用することによ
り、大量高速の液処理に耐える機械的強度を有し、且つ
優れた金属イオン除去性能を有する浄水器が得られる。
説明した。外径が1mm以下の中空糸濾過膜が浄水器等
で常用されている。本発明を適用して得られた外径が1
mm以下の中空糸濾過膜を浄水器に使用することによ
り、大量高速の液処理に耐える機械的強度を有し、且つ
優れた金属イオン除去性能を有する浄水器が得られる。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る濾過膜は、ポリオレフィン
又はオレフィンとハロゲン化オレフィンの共重合体から
成る多孔質基材に、130%以下のグラフト率でグリシ
ジルメタクリレートがグラフト重合され、1.3mmo
l/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基が固定された膜な
ので、十分な引張強度と優れた金属イオン除去性能を備
えている。多孔質基材の引張強度の低下と脆性化とを防
止するために、電離性放射線の照射線量は50kGy以
下とするのが望ましい。外径が1mm以下の中空糸濾過
膜が、浄水器等で常用されている。本発明に係る外径が
1mm以下の中空糸濾過膜を浄水器に使用することによ
り、大量高速の液処理に耐える機械的強度を有し、且つ
優れた金属イオン除去性能を有する浄水器が得られる。
又はオレフィンとハロゲン化オレフィンの共重合体から
成る多孔質基材に、130%以下のグラフト率でグリシ
ジルメタクリレートがグラフト重合され、1.3mmo
l/g膜以上の濃度でイミノジ酢酸基が固定された膜な
ので、十分な引張強度と優れた金属イオン除去性能を備
えている。多孔質基材の引張強度の低下と脆性化とを防
止するために、電離性放射線の照射線量は50kGy以
下とするのが望ましい。外径が1mm以下の中空糸濾過
膜が、浄水器等で常用されている。本発明に係る外径が
1mm以下の中空糸濾過膜を浄水器に使用することによ
り、大量高速の液処理に耐える機械的強度を有し、且つ
優れた金属イオン除去性能を有する浄水器が得られる。
【0023】また本発明に係る濾過膜の製造方法におい
ては、ポリオレフィン又はオレフィンとハロゲン化オレ
フィンの共重合体から成る多孔質基材に、50kGy以
下の照射線量で電離性放射線を照射し、次いで130%
以下のグラフト率でグリシジルメタクリレートをグラフ
ト重合させ、次いで1.3mmol/g膜以上の濃度で
イミノジ酢酸基を固定するので、十分な引っ張り強度
と、優れた金属イオン除去性能とを有する濾過膜を得る
ことができる。70℃以上に加熱した、ジメチルスルホ
キシドを10体積%以上含むイミノジ酢酸水溶液とジメ
チルスルホキシドの混合液に、グリシジルメタクリレー
トをグラフト重合させた多孔質基材を浸漬することによ
り、多孔質基材に1.3mmol/g膜以上の濃度でイ
ミノジ酢酸基を固定することができる。混合液中のイミ
ノジ酢酸の濃度を調整することにより、イミノジ酢酸基
の多孔質基材への固定濃度を調整できる。
ては、ポリオレフィン又はオレフィンとハロゲン化オレ
フィンの共重合体から成る多孔質基材に、50kGy以
下の照射線量で電離性放射線を照射し、次いで130%
以下のグラフト率でグリシジルメタクリレートをグラフ
ト重合させ、次いで1.3mmol/g膜以上の濃度で
イミノジ酢酸基を固定するので、十分な引っ張り強度
と、優れた金属イオン除去性能とを有する濾過膜を得る
ことができる。70℃以上に加熱した、ジメチルスルホ
キシドを10体積%以上含むイミノジ酢酸水溶液とジメ
チルスルホキシドの混合液に、グリシジルメタクリレー
トをグラフト重合させた多孔質基材を浸漬することによ
り、多孔質基材に1.3mmol/g膜以上の濃度でイ
ミノジ酢酸基を固定することができる。混合液中のイミ
ノジ酢酸の濃度を調整することにより、イミノジ酢酸基
の多孔質基材への固定濃度を調整できる。
【図1】グラフト率Gと電子線の照射線量、グラフト重
合反応時間の関係を示す図である。
合反応時間の関係を示す図である。
【図2】電子線の照射線量が50kGyで、グラフト率
が約90〜約150%の中空糸膜の、転化率Xと、ジメ
チルスルホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のイ
ミノジ酢酸のモル濃度、ジメチルスルホキシドとイミノ
ジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスルホキシドの体積
%、転化反応温度との関係を示す図である。
が約90〜約150%の中空糸膜の、転化率Xと、ジメ
チルスルホキシドとイミノジ酢酸水溶液の混合液中のイ
ミノジ酢酸のモル濃度、ジメチルスルホキシドとイミノ
ジ酢酸水溶液の混合液中のジメチルスルホキシドの体積
%、転化反応温度との関係を示す図である。
【図3】図2の転化率Xをイミノジ酢酸基濃度Yに置換
した図である。
した図である。
【図4】透過試験によって得られた、初流50cm3 の
透過液鉛濃度Cと試験液鉛濃度C0 との比C/C0 とイ
ミノジ酢酸基濃度Yとの関係を示す図である。
透過液鉛濃度Cと試験液鉛濃度C0 との比C/C0 とイ
ミノジ酢酸基濃度Yとの関係を示す図である。
【図5】各種金属の除去率(1−C/C0 )を示す図で
ある。
ある。
【図6】グラフト率Gが80〜107%の中空糸膜(転
化処理前)の破断強さと電子線の照射線量との関係と、
グラフト率Gが80〜107%、転化率Xが39〜47
%の中空糸膜(転化処理後)の破断強さと電子線の照射
線量との関係とを示す図である。
化処理前)の破断強さと電子線の照射線量との関係と、
グラフト率Gが80〜107%、転化率Xが39〜47
%の中空糸膜(転化処理後)の破断強さと電子線の照射
線量との関係とを示す図である。
【図7】電子線の照射線量が50kGyの転化処理後の
中空糸膜の破断強さと、グラフト率G、転化率Xとの関
係を示す図である。
中空糸膜の破断強さと、グラフト率G、転化率Xとの関
係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年10月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 2/46 C08F 2/46 C08J 9/36 C08J 9/36 C08L 51/06 C08L 51/06 G21F 9/06 G21F 9/06 // C08F 255/00 C08F 255/00 259/00 259/00 (72)発明者 船本 明士 北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東 陶機器株式会社内 (72)発明者 高塩 稔 北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東 陶機器株式会社内 (72)発明者 北村 正樹 北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東 陶機器株式会社内 (72)発明者 須揶 高信 群馬県高崎市綿貫町1233番地 日本原子力 研究所高崎研究所内 (72)発明者 斎藤 恭一 群馬県高崎市綿貫町1233番地 日本原子力 研究所高崎研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】 ポリオレフィン又はオレフィンとハロゲ
ン化オレフィンの共重合体から成る多孔質基材に、13
0%以下のグラフト率でグリシジルメタクリレートがグ
ラフト重合され、1.3mmol/g膜以上の濃度でイ
ミノジ酢酸基が固定されていることを特徴とする濾過
膜。 - 【請求項2】 多孔質基材は50kGy以下の照射線量
で電離性放射線が照射された基材であることを特徴とす
る請求項1に記載の濾過膜。 - 【請求項3】 濾過膜は中空糸膜であることを特徴とす
る請求項1又は2に記載の濾過膜。 - 【請求項4】 中空糸膜の外径は1mm以下であること
を特徴とする請求項3に記載の濾過膜。 - 【請求項5】 ポリオレフィン又はオレフィンとハロゲ
ン化オレフィンの共重合体から成る多孔質基材に、50
kGy以下の照射線量で電離性放射線を照射し、次いで
130%以下のグラフト率でグリシジルメタクリレート
をグラフト重合させ、次いで1.3mmol/g膜以上
の濃度でイミノジ酢酸基を固定することを特徴とする濾
過膜の製造方法。 - 【請求項6】 70℃以上に加熱した、ジメチルスルホ
キシドを10体積%以上含むイミノジ酢酸水溶液とジメ
チルスルホキシドの混合液に、多孔質基材を浸漬して、
多孔質基材にイミノジ酢酸基を固定することを特徴とす
る請求項5に記載の濾過膜の製造方法。 - 【請求項7】 前記混合液中のイミノジ酢酸の濃度を調
整してイミノジ酢酸基の多孔質基材への固定濃度を調整
することを特徴とする請求項6に記載の濾過膜の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24296296A JPH1085572A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 濾過膜及び濾過膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24296296A JPH1085572A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 濾過膜及び濾過膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1085572A true JPH1085572A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17096828
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24296296A Pending JPH1085572A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 濾過膜及び濾過膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1085572A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100855663B1 (ko) | 2007-02-15 | 2008-09-03 | 웅진케미칼 주식회사 | 고유량 특성을 갖는 폴리비닐리덴 플루오라이드 멤브레인의표면개질방법 |
EP1968792A1 (en) * | 2005-12-30 | 2008-09-17 | 3M Innovative Properties Company | Functionalized substrates |
US8846203B2 (en) | 2008-05-30 | 2014-09-30 | 3M Innovative Properties Company | Method of making ligand functionalized substrates |
US8945896B2 (en) | 2010-02-18 | 2015-02-03 | 3M Innovative Properties Company | Ligand functionalized polymers |
JP2015087369A (ja) * | 2013-10-30 | 2015-05-07 | 株式会社 環境浄化研究所 | イミノジ酢酸基をグラフト鎖に導入した繊維によるストロンチウム除去方法 |
US9259689B2 (en) | 2009-06-23 | 2016-02-16 | 3M Innovative Properties Company | Functionalized nonwoven article |
US9758547B2 (en) | 2010-03-03 | 2017-09-12 | 3M Innovative Properties Company | Ligand functionalized polymers |
CN114288878A (zh) * | 2021-12-07 | 2022-04-08 | 武汉工程大学 | 一种亲水改性pvdf膜及其绿色原位共价亲水改性方法 |
-
1996
- 1996-09-13 JP JP24296296A patent/JPH1085572A/ja active Pending
Cited By (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP1973738A4 (en) * | 2005-12-30 | 2009-04-29 | 3M Innovative Properties Co | METHOD FOR MANUFACTURING FUNCTIONALIZED SUBSTRATES |
EP1968792A4 (en) * | 2005-12-30 | 2009-04-29 | 3M Innovative Properties Co | FUNCTIONALIZED SUBSTRATES |
JP2009522404A (ja) * | 2005-12-30 | 2009-06-11 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 官能化基材 |
KR100855663B1 (ko) | 2007-02-15 | 2008-09-03 | 웅진케미칼 주식회사 | 고유량 특성을 갖는 폴리비닐리덴 플루오라이드 멤브레인의표면개질방법 |
US8846203B2 (en) | 2008-05-30 | 2014-09-30 | 3M Innovative Properties Company | Method of making ligand functionalized substrates |
US10017461B2 (en) | 2008-05-30 | 2018-07-10 | 3M Innovative Properties Company | Method of making ligand functionalized substrates |
US9650470B2 (en) | 2008-05-30 | 2017-05-16 | 3M Innovative Properties Company | Method of making ligand functionalized substrates |
US9259689B2 (en) | 2009-06-23 | 2016-02-16 | 3M Innovative Properties Company | Functionalized nonwoven article |
US8945896B2 (en) | 2010-02-18 | 2015-02-03 | 3M Innovative Properties Company | Ligand functionalized polymers |
US9296847B2 (en) | 2010-02-18 | 2016-03-29 | 3M Innovative Properties Company | Ligand functionalized polymers |
US9758547B2 (en) | 2010-03-03 | 2017-09-12 | 3M Innovative Properties Company | Ligand functionalized polymers |
US10005814B2 (en) | 2010-03-03 | 2018-06-26 | 3M Innovative Properties Company | Ligand functionalized polymers |
US10526366B2 (en) | 2010-03-03 | 2020-01-07 | 3M Innovative Properties Company | Ligand functionalized polymers |
JP2015087369A (ja) * | 2013-10-30 | 2015-05-07 | 株式会社 環境浄化研究所 | イミノジ酢酸基をグラフト鎖に導入した繊維によるストロンチウム除去方法 |
CN114288878A (zh) * | 2021-12-07 | 2022-04-08 | 武汉工程大学 | 一种亲水改性pvdf膜及其绿色原位共价亲水改性方法 |
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