JPH108493A - 建設機械のフロント制御装置 - Google Patents

建設機械のフロント制御装置

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JPH108493A
JPH108493A JP8166424A JP16642496A JPH108493A JP H108493 A JPH108493 A JP H108493A JP 8166424 A JP8166424 A JP 8166424A JP 16642496 A JP16642496 A JP 16642496A JP H108493 A JPH108493 A JP H108493A
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建設機械のフロント制御装置において、フロン
ト制御の一時解除をオペレータが操作レバーから手を離
さずに速やかに行うことができ、また一時解除後、速や
かにフロント制御に復帰できるようにする。 【解決手段】ブーム用操作レバー装置4aの操作レバー
40aのグリップ70上に領域設定スイッチ7bと一次
解除スイッチ7cを設ける。領域設定スイッチ7bを押
すことにより領域設定信号を制御ユニット9に出力し、
掘削領域の設定・更新を指示する。一次解除スイッチ7
cを押している間は領域制限掘削制御を一時的に中断
し、通常の掘削状態にする。また、この2つのスイッチ
7b,7cは、その表面形状が異なり、オペレータが指
で触れただけで、その差が分かるような表面形状をして
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多関節型のフロント
装置を備えた建設機械、特にアーム、ブーム、バケット
等のフロント部材からなるフロント装置を備えた油圧シ
ョベル等の建設機械において、フロント装置の動き得る
領域を制限した掘削を行う領域制限掘削制御等、フロン
ト制御を行うフロント制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の代表例に油圧ショベルがあ
る。油圧ショベルではオペレータがフロント装置を構成
するブーム、アームなどのフロント部材をそれぞれの手
動操作レバーによって操作している。これらフロント部
材はそれぞれが関節部によって連結され回動運動を行う
ものであるため、これらフロント部材を操作して所定の
領域を掘削したり、所定の平面を掘削することは、非常
に困難な作業である。
【0003】そこで、掘削作業を容易にするための種々
の提案がなされている。
【0004】例えば、特開平4−136324号公報で
は、侵入不可領域の手前に減速領域を設定し、フロント
装置の一部、例えばバケットが減速領域に侵入すると、
操作レバーの操作信号を小さくしてフロント装置を減速
し、バケットが侵入不可領域の境界に達すると停止する
ようにしている。
【0005】また、国際公開公報WO95/30059
号公報では、掘削可能領域を設定し、フロント装置の一
部、例えばバケットが掘削可能領域の境界に近づくとバ
ケットの当該境界に向かう方向の動きのみを減速し、バ
ケットが掘削可能領域の境界に達するとバケットは掘削
可能領域の外には出ないが掘削可能領域の境界に沿って
は動けるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に領域を設定してフロント制御を行っている最中に一時
的に制御を中断したい場合がある。例えば土中に水道管
等を埋設するような作業の場合、ある程度の所定の溝を
掘削した後、今度は油圧ショベルによって管を吊り上
げ、管を所定の位置に設置した後、また溝を掘削する。
すなわち、溝掘削と管埋設を交互に繰り返す。このよう
な作業の溝掘削に例えば領域制限掘削制御を用いる場
合、所定の溝を掘削した後に操作パネル上の制御開始ス
イッチをOFFにして、領域制限掘削制御を終了させて
所望のクレーン作業を行った後、再び制御開始スイッチ
をONにして、領域を再設定して溝掘削作業を行うこと
になるため、操作が煩雑になり、オペレターに焦燥感が
生じる。
【0007】本発明の第1の目的は、フロント制御の一
時解除を行うことができ、また一時解除後、簡単にフロ
ント制御に復帰できる建設機械のフロント制御装置を提
供することである。
【0008】本発明の第2の目的は、フロント制御の一
時解除をオペレータが操作レバーから手を離さずに速や
かに行うことができ、また一時解除後、速やかにフロン
ト制御に復帰できる建設機械のフロント制御装置を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】 (1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、上
下方向に回動可能な複数のフロント部材により構成され
る多関節型のフロント装置と、前記複数のフロント部材
を駆動する複数の油圧アクチュエータと、複数の操作レ
バー手段からの操作信号により駆動され、前記複数の油
圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する複
数の油圧制御弁とを有する建設機械に備えられ、前記フ
ロント装置が予め設定された領域内で動くよう前記操作
信号を補正し、フロント装置の動作を制御する建設機械
のフロント制御装置において、一時解除スイッチと、前
記一時解除スイッチが押されると前記フロント装置の制
御を一時的に解除する制御解除手段とを備えるものとす
る。
【0010】このように一次解除スイッチを設けてフロ
ント制御の一次的解除を可能とすることにより、通常の
掘削と領域制限制御による掘削を簡単に切り替えること
ができ、領域制限制御による掘削が便利な溝掘削と通常
の掘削が便利な管埋設とを交互に繰り返して行う土中に
水道管等を埋設する作業のように、通常の掘削と領域制
限制御による掘削と併用する掘削作業を迅速かつスムー
ズに行うことができる。
【0011】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記一次解除スイッチを前記複数の操作レバー手段の1
つのもののレバーグリップ上に設ける。
【0012】このように一次解除スイッチを操作レバー
手段のレバーグリップ上に設け留ことにより、通常の掘
削と領域制限制御による掘削をオペレータは操作レバー
から手を離さずに素早く切り替えることができる。
【0013】(3)また、上記(1)又は(2)におい
て、好ましくは、前記制御解除手段は、前記一時解除ス
イッチが押されると、前記操作信号の補正を中断する手
段である。
【0014】このように操作信号の補正を中断すること
により、フロント装置の制御が一時的に解除される。
【0015】(4)更に、上記(1)又は(2)におい
て、前記制御解除手段は、前記一時解除スイッチが押さ
れると、前記領域の境界の設定を前記フロント装置が届
き得ない位置に一時的に変更する手段であってもよい。
【0016】このように領域の境界の設定を一時的に変
更することにより、その間フロント装置の制御が実質的
に無効になり、フロント装置の制御が一時的に解除され
る。
【0017】(5)また、上記(2)において、本発明
のフロント制御装置は、前記レバーグリップ上に前記フ
ロント装置が動き得る領域の設定を指示する領域設定ス
イッチを更に備える。
【0018】このように操作レバー手段のレバーグリッ
プ上に一次解除スイッチだけでなく、領域設定スイッチ
も設けることにより、領域を設定する場合も、オペレー
タは操作レバーから手を離さずに、迅速に領域を設定す
ることができ、領域の設定が煩わしくない。
【0019】(6)上記(5)において、好ましくは、
前記一時解除スイッチと領域設定スイッチは表面の形状
が互いに異なるものとする。
【0020】これにより、領域設定スイッチと一次解除
スイッチが同じ操作レバーに設けられていても、オペレ
ータはスイッチを目視しなくても、スイッチに触れるだ
けでそのスイッチの役目がわかるので、作業を迅速かつ
スムーズに行える。
【0021】(7)また、上記(5)において、好まし
くは、前記一時解除スイッチ及び領域設定スイッチが設
けられる操作レバー手段は、油圧ショベルのブーム用の
操作レバー手段でとする。
【0022】このように領域設定スイッチをフロント装
置の上下方向の動きを支配するブームの操作レバー手段
の操作レバーに設けることにより、操作レバーを操作し
てブームを動かしながら同じ手で領域設定スイッチを押
して領域を設定できるので、領域を設定する高さ調節が
容易に行え、微妙な設定を容易に行える。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルの領
域制限掘削制御装置に適用した場合の実施形態を図面を
用いて説明する。まず、本発明の第1の実施形態を図1
〜図9により説明する。図1において、本発明が適用さ
れる油圧ショベルは、油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ
2からの圧油により駆動されるブームシリンダ3a、ア
ームシリンダ3b、バケットシリンダ3c、旋回モータ
3d及び左右の走行モータ3e,3fを含む複数の油圧
アクチュエータと、これら油圧アクチュエータ3a〜3
fのそれぞれに対応して設けられた複数の操作レバー装
置4a〜4fと、油圧ポンプ2と複数の油圧アクチュエ
ータ3a〜3f間に接続され、操作レバー装置4a〜4
fの操作信号によって制御され、油圧アクチュエータ3
a〜3fに供給される圧油の流量を制御する複数の流量
制御弁5a〜5fと、油圧ポンプ2と流量制御弁5a〜
5fの間の圧力が設定値以上になった場合に開くリリー
フ弁6とを有し、これらは油圧ショベルの被駆動部材を
駆動する油圧駆動装置を構成している。
【0024】油圧ショベルは、図2に示すように、垂直
方向にそれぞれ回動するブーム1a、アーム1b及びバ
ケット1cからなる多関節型のフロント装置1Aと、上
部旋回体1d及び下部走行体1eからなる車体1Bとで
構成され、フロント装置1Aのブーム1aの基端は上部
旋回体1dの前部に支持されている。ブーム1a、アー
ム1b、バケット1c、上部旋回体1d及び下部走行体
1eはそれぞれブームシリンダ3a、アームシリンダ3
b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の
走行モータ3e,3fによりそれぞれ駆動される被駆動
部材を構成し、それらの動作は上記操作レバー装置4a
〜4fにより指示される。
【0025】また、操作レバー装置4a〜4fは油圧パ
イロット方式であり、それぞれオペレータにより操作さ
れる操作レバー40a〜40fの操作量と操作方向に応
じたパイロット圧を、パイロットライン44a〜49b
を介して対応する流量制御弁5a〜5fの油圧駆動部5
0a〜55bに供給し、これら流量制御弁を駆動する。
【0026】ここで、操作レバー装置4a〜4dについ
ては、ブーム、アーム、バケット、旋回に対応して別々
の符号を付したが、実際には、ブーム用操作レバー装置
4aとバケット用操作レバー装置4c、アーム用操作レ
バー装置4bと旋回用操作レバー装置4dは、それぞ
れ、1つの操作レバー装置で構成され、1つの操作レバ
ーを二次元的に動かすことにより、ブームかつ/又はバ
ケット、アームかつ/又は旋回用としての操作信号(パ
イロット圧)を出力するものである。
【0027】以上のような油圧ショベルに本実施形態に
よる領域制限掘削制御装置が設けられている。この制御
装置は、領域制限掘削制御の開始を指示する制御開始ス
イッチ7aと、領域制限掘削制御で予め作業に応じてフ
ロント装置の所定部位、例えばバケット1cの先端が動
き得る掘削可能領域の設定を指示する領域設定スイッチ
7bと、領域制限掘削制御の一時解除を指示する一時解
除スイッチ7cと、ブーム1a、アーム1b及びバケッ
ト1cのそれぞれの回動支点に設けられ、フロント装置
1Aの位置と姿勢に関する状態量としてそれぞれの回動
角を検出する角度検出器8a,8b,8cと、車体1B
の前後方向の傾斜角を検出する傾斜角検出器8dと、ア
ーム用の操作レバー装置4bのパイロットライン45
a,45bに設けられ、操作レバー装置4bの操作量と
してパイロット圧を検出する圧力検出器61a,61b
と、一次ポート側がパイロットポンプ43に接続され電
気信号に応じてパイロットポンプ43からのパイロット
圧を減圧して出力する比例電磁弁10aと、ブーム用の
操作レバー装置4aのパイロットライン44aと比例電
磁弁10aの二次ポート側に接続され、パイロットライ
ン44a内のパイロット圧と比例電磁弁10aから出力
される制御圧の高圧側を選択し、流量制御弁5aの油圧
駆動部50aに導くシャトル弁12と、ブーム用の操作
レバー装置4aのパイロットライン44bに設置され、
電気信号に応じてパイロットライン44b内のパイロッ
ト圧を減圧して出力する比例電磁弁10bと、操作レバ
ー装置4a〜4fの操作信号、制御開始スイッチ7aと
領域設定スイッチ7bと一時解除スイッチ7cのそれぞ
れの信号、角度検出器8a,8b,8cと傾斜角検出器
8dの検出信号、圧力検出器61a,61bの検出信号
をそれぞれ入力し、バケット1cの先端が動き得る掘削
可能領域を設定すると共に、領域を制限した掘削制御を
行うための操作信号の補正を行う電気信号を比例電磁弁
10a、10bに出力する制御ユニット9とから構成さ
れている。
【0028】制御開始スイッチ7aは、例えば運転室内
に設置される操作パネル上に設けられ、これを押すと領
域制限掘削制御の開始を指示する信号が制御ユニット9
に出力される。
【0029】領域設定スイッチ7bと一次解除スイッチ
7cは、図3に示すように、ブーム用操作レバー装置4
aの操作レバー40aのグリップ70上に設置されてい
る。領域設定スイッチ7bはオペレータが押している間
のみONになるモーメンタリ作動のスイッチであり、領
域設定スイッチ7bを押すことにより領域設定信号を制
御ユニット9に出力し、掘削領域の設定・更新を指示す
る。一次解除スイッチ7cもオペレータが押している間
のみONになるモーメンタリ作動のスイッチであり、一
次解除スイッチ7cを押している間は領域制限掘削制御
を一時的に解除し、通常の掘削状態にする。また、この
2つのスイッチ7b,7cは、その表面形状が異なり、
オペレータが指で触れただけで、その差が分かるような
表面形状をしている。
【0030】制御ユニット9の制御機能を図4に示す。
制御ユニット9は、フロント姿勢演算部9a、領域設定
演算部9b、バケット先端速度の制限値演算部9c、ア
ームシリンダ速度演算部9d、アームによるバケット先
端速度演算部9e、ブームによるバケット先端速度の制
限値演算部9f、ブームシリンダ速度の制限値演算部9
g、ブームパイロット圧の制限値演算部9h、領域制限
制御の切り換え演算部9r、ブーム用バルブ指令演算部
9iの各機能を有している。
【0031】フロント姿勢演算部9aでは、角度検出器
8a〜8c及び傾斜角検出器8dで検出したブーム、ア
ーム、バケットの回動角及び車体1Bの前後の傾斜角に
基づきフロント装置1Aの位置と姿勢を演算する。その
一例を図5により説明する。この例はフロント装置1A
のバケットの爪先(先端)P1の位置を計算する場合の
ものであり、説明の簡略化のため傾斜角検出器8dの検
出値は省略する。
【0032】図5において、制御ユニット9の記憶装置
にはフロント装置1A及び車体1Bの各部寸法が記憶さ
れており、フロント姿勢演算部9aではこれらのデータ
と、角度検出器8a,8b,8cで検出した回動角α,
β,γの各値を用いてバケット先端P1の位置を計算す
る。このときP1の位置は、例えばブーム1aの回動支
点を原点としたXY座標系の座標値(X,Y)として求
める。XY座標系は本体1Bに固定した垂直面内にある
直行座標系である。ブーム1aの回動支点とアーム1b
の回動支点との距離をL1、アーム1bの回動支点とバ
ケット1cの回動支点の距離をL2、バケット1cの回
動支点とバケット1cの先端との距離をL3とすれば、
回動角α,β,γからXY座標系の座標値(X,Y)
は、下記の式より求まる。
【0033】X=L1sinα+L2sin(α+β)+
3sin(α+β+γ) Y=L1cosα+L2con(α+β)+L3cos(α
+β+γ) 領域設定演算部9bでは、制御開始スイッチ7aがON
すると(押されると)、掘削可能領域の境界Lの初期値
として、バケットが届かないくらい深い位置の値を設定
する。これにより、制御開始スイッチ7aをONした直
後では、フロント装置1Aはそれが動作し得る範囲で自
由に動くことができ、その動作範囲内でダイレクトティ
ーチにより掘削可能領域を自由に設定することができ
る。一例として、初期値はY=−20mとしておく。
【0034】また、領域設定演算部9bでは、領域設定
スイッチ7bからの指示で、ダイレクトティーチによ
り、バケット1cの先端が動き得る掘削可能領域の設定
演算を行う。その一例を図5を用いて説明する。この例
は、掘削可能領域の境界Lを深さh1のX軸に平行な直
線として設定する場合のものである。
【0035】図5において、オペレータの操作でバケッ
ト1cの先端点P1を目的位置に動かした後、領域設定
スイッチ7bを押す。領域設定演算部9bは、領域設定
スイッチ7bが押されると、その時のフロント姿勢演算
部9aで計算されたバケット先端P1のY座標値の値Y
=Y1を用いて、 設定値=Y座標値Y1 と掘削可能領域の境界Lを設定する。そして、このよう
に掘削可能領域の境界Lを設定した後、設定した掘削可
能領域の境界Lの直線式を立て、当該直線上に原点を持
ち当該直線を一軸とする直交座標系XaYa座標系を立
て、XY座標系からXaYa座標系への変換データを求
める。
【0036】バケット先端速度の制限値演算部9cで
は、バケット先端の境界Lからの距離Dに基づき、バケ
ット先端速度の境界Lに垂直な成分の制限値aを計算す
る。これは制御ユニット9の記憶装置に図6に示すよう
な関係を記憶しておき、この関係を読み出して行う。
【0037】図6において、横軸はバケット先端の境界
Lからの距離Dを示し、縦軸はバケット先端速度の境界
Lに垂直な成分の制限値aを示し、横軸の距離D及び縦
軸の速度制限値aはXaYa座標系と同じくそれぞれ設
定領域外から設定領域内に向かう方向を(+)方向とし
ている。この距離Dと制限値aの関係は、バケット先端
が設定領域内にあるときには、その距離Dに比例した
(−)方向の速度をバケット先端速度の境界Lに垂直な
成分の制限値aとし、バケット先端が領域外にあるとき
には、その距離Dに比例した(+)方向の速度をバケッ
ト先端速度の境界Lに垂直な成分の制限値aとするよう
に定められている。したがって、設定領域内では、バケ
ット先端速度の境界Lに垂直な成分が(−)方向で制限
値を越えた場合だけ減速され、設定領域外では、バケッ
ト先端が(+)方向に増速されるようになる。
【0038】アームシリンダ速度演算部9dでは、圧力
検出器61a,61bで検出した流量制御弁5bへの指
令値(パイロット圧)と、アームの流量制御弁5bの流
量特性により、制御用のアームシリンダ速度を推定す
る。
【0039】アームによるバケット先端速度演算部9e
では、アームシリンダ速度とフロント姿勢演算部9aで
求めたフロント装置1Aの位置と姿勢によりアームによ
るバケット先端速度bを演算する。
【0040】ブームによるバケット先端速度の制限値演
算部9fでは、演算部9eで求めたアームによるバケッ
ト先端速度bを領域設定演算部9bで求めた変換データ
を用いてXY座標系からXaYa座標系へ変換し、アー
ムによるバケット先端速度(bx,by)を演算し、演
算部9cで求めたバケット先端速度の境界Lに垂直な成
分の制限値aとそのアームによるバケット先端速度の境
界Lに垂直な成分byにより、ブームによるバケット先
端速度の境界Lに垂直な成分の制限値cを演算する。こ
れを図7を用いて説明する。
【0041】図7において、バケット先端速度の制限値
演算部9cで求められるバケット先端速度の境界Lに垂
直な成分の制限値aとアームによるバケット先端速度演
算部9eで求められるアームによるバケット先端速度b
の境界Lに垂直な成分byの差(a−by)がブームに
よるバケット先端速度の境界Lに垂直な成分の制限値c
であり、ブームによるバケット先端速度の制限値演算部
9fではc=a−byの式より制限値cを計算する。
【0042】制限値cの意味について、バケット先端が
設定領域内にある場合、境界上にある場合、設定領域外
にある場合に分けて説明する。
【0043】バケット先端が設定領域内の場合には、バ
ケット先端速度は、バケット先端の境界Lからの距離D
に比例してバケット先端速度の境界Lに垂直な成分の制
限値aに制限され、これよりブームによるバケット先端
速度の境界Lに垂直な成分はc(=a−by)に制限さ
れ、バケット先端速度bの境界Lに垂直な成分byがこ
れを越えた場合にはcに減速される。
【0044】バケット先端が設定領域の境界L上にある
場合には、バケット先端速度の境界Lに垂直な成分の制
限値aは0となり、設定領域外に向かうアームによるバ
ケット先端速度bは速度cのブーム上げによる補正動作
によってキャンセルされ、バケット先端速度の境界Lに
垂直な成分byも0となる。
【0045】バケット先端が領域外の場合には、バケッ
ト先端速度の境界Lに垂直な成分はバケット先端の境界
Lからの距離Dに比例した上向きの速度aに制限される
ことにより、常に設定領域内に復元するように速度cの
ブーム上げによる補正動作が行われる。
【0046】ブームシリンダ速度の制限値演算部9gで
は、ブームによるバケット先端速度の境界Lに垂直な成
分の制限値cとフロント装置1Aの位置と姿勢に基づ
き、上記変換データを用いた座標変換によりブームシリ
ンダ速度の制限値を演算する。
【0047】ブームパイロット圧の制限演算部9hで
は、ブームの流量制御弁5aの流量特性に基づき、演算
部9gで求めたブームシリンダ速度の制限値に対応する
ブームパイロット圧の制限値を求める。
【0048】領域制限制御の切り換え演算部9rでは、
制御開始スイッチ7a及び一次解除スイッチ7cからの
信号のON・OFFに応じて演算部9hで計算した値を
切り換え出力する。この詳細を図8にフローチャートで
示す。
【0049】図8において、制御開始スイッチ7aがO
Nで(押されており)領域制限掘削制御の開始が指示さ
れておりかつ一次解除スイッチ7cがOFFで(押され
ていない)制御の一時的解除が指示されていない場合
は、ブームパイロット圧の制限値として演算部9hで計
算した値をそのまま出力し(スッテプ100→110→
120)、制御開始スイッチ7aがOFFで(押されて
おらず)領域制限掘削制御の開始が指示されていない場
合又は一次解除スイッチ7cがONで(押されており)
制御の一時的解除が指示されている場合は、ブームパイ
ロット圧の制限値として最大値を出力する(スッテプ1
00→120又は→110→130)。
【0050】ブーム用バルブ指令演算部9iでは、演算
部9rからのパイロット圧の制限値を入力し、この値が
正の場合には、ブーム上げ側の比例電磁弁10aに制限
値に対応する電圧を出力し、流量制御弁5aの油圧駆動
部50aのパイロット圧を当該制限値にし、ブーム下げ
側の比例電磁弁10bに0の電圧を出力して流量制御弁
5aの油圧駆動部50bのパイロット圧を0にする。ま
た、制限値が負の場合には、ブーム下げ側の流量制御弁
の油圧駆動部50bのパイロット圧を制限するように制
限値に対応する電圧を比例電磁弁10bに出力し、ブー
ム上げ側の比例電磁弁10aには0の電圧を出力し流量
制御弁5aの油圧駆動部50aのパイロット圧を0にす
る。
【0051】以上のように構成した本実施形態の動作を
説明する。
【0052】まず、制御開始スイッチ7aをONにし、
一次解除スイッチ7cをOFFにし、領域制限掘削制御
を行う場合の動作を説明する。作業例として、バケット
先端の位置決めを行おうとしてブーム用操作レバー装置
4aの操作レバーをブーム下げ方向に操作してブームを
下げる場合(ブーム下げ動作)と、手前方向に掘削しよ
うとしてアーム用操作レバー装置4bの操作レバーをア
ームクラウド方向に操作してアームクラウドする場合
(アームクラウド操作)について説明する。
【0053】バケット先端の位置決めを行おうとしてブ
ーム用操作レバー装置4aの操作レバーをブーム下げ方
向に操作するとその操作レバー装置4aの指令値である
パイロット圧がパイロットライン44bを介して流量制
御弁5aのブーム下げ側の油圧駆動部50bに与えられ
る。一方、これと同時に、演算部9cでは図6に示す関
係からバケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに
比例したバケット先端速度の制限値a(<0)が計算さ
れ、演算部9fではブームによるバケット先端速度の制
限値c=a(<0)が計算され、ブームパイロット圧の
制限値演算部9hでは制限値cに応じた負のブーム指令
の制限値が計算され、バルブ指令演算部9iではブーム
下げ側の流量制御弁の油圧駆動部50bのパイロット圧
を制限するように制限値に対応する電圧を比例電磁弁1
0bに出力し、ブーム上げ側の比例電磁弁10aには0
の電圧を出力し流量制御弁5aの油圧駆動部50aのパ
イロット圧を0にする。このとき、バケット先端が設定
領域の境界Lから遠いときは演算部9hで求めたブーム
パイロット圧の制限値の絶対値は大きく、これより操作
レバー装置4aのパイロット圧の方が小さいので、比例
電磁弁10bは操作レバー装置4aのパイロット圧をそ
のまま出力し、これにより操作レバー装置4aのパイロ
ット圧に応じてブームが下がって行く。
【0054】上記のようにブームが下がり、バケット先
端が設定領域の境界Lに近づくにつれて演算部9fで計
算されるブームによるバケット先端速度の制限値c=a
(<0)は大きくなり(|a|又|c|は小さくな
り)、演算部9hで求めた対応するブーム指令の制限値
(<0)の絶対値は小さくなる。そして、この制限値の
絶対値が操作レバー装置4aの指令値よりも小さくな
り、バルブ指令演算部9iから比例電磁弁10bに出力
される電圧がそれに応じて小さくなると、比例電磁弁1
0bは操作レバー装置4aのパイロット圧を減圧して出
力し、流量制御弁5aのブーム下げ側の油圧駆動部50
bに与えられるパイロット圧を制限値cに応じて徐々に
制限する。これにより、設定領域の境界Lに近づくにつ
れてブーム下げ速度が徐々に制限され、バケット先端が
設定領域の境界Lに到達するとブームは停止する。した
がって、バケット先端の位置決めが簡単に滑らかにでき
る。
【0055】また、バケット先端が設定領域の境界Lか
らはみ出した場合は、演算部9cでは図6に示す関係か
らバケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例
したバケット先端速度の制限値a(=c)が正の値とし
て計算され、バルブ指令演算部9iでは制限値cに応じ
た電圧を比例電磁弁10aに出力し、ブーム上げ側の流
量制御弁5aの油圧駆動部50aに制限値aに応じたパ
イロット圧を与える。これにより、ブームは距離Dに比
例した速度で領域内に復元するように上げ方向に動かさ
れ、バケット先端が設定領域の境界Lまで戻ると停止す
る。したがって、バケット先端の位置決めが更に滑らか
に行える。
【0056】また、手前方向に掘削しようとしてアーム
用操作レバー装置4bの操作レバーをアームクラウド方
向に操作するとその操作レバー装置4bの指令値である
パイロット圧が流量制御弁5bのアームクラウド側の油
圧駆動部51aに与えられ、アームは手前方向に下がる
よう動かされる。一方、これと同時に、操作レバー装置
4bのパイロット圧が圧力検出器61aで検出され、演
算部9dに入力されてアームシリンダ速度が計算され、
演算部eでアームによるバケット先端速度bが演算され
る。また、演算部9cでは図6に示す関係からバケット
先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例したバケッ
ト先端速度の制限値a(<0)が計算され、演算部9f
ではブームによるバケット先端速度の制限値c=a−b
yが計算される。このとき、バケット先端が設定領域の
境界Lから遠く、a<by(|a|>|by|)のとき
は制限値cは負の値として計算され、バルブ指令演算部
9iではブーム下げ側の流量制御弁の油圧駆動部50b
のパイロット圧を制限するように制限値に対応する電圧
を比例電磁弁10bに出力し、ブーム上げ側の比例電磁
弁10aには0の電圧を出力し流量制御弁5aの油圧駆
動部50aのパイロット圧を0にする。このとき、操作
レバー装置4aは操作されていないので、流量制御弁5
aの油圧駆動部50bにはパイロット圧は出力されな
い。これにより操作レバー装置4bのパイロット圧に応
じてアームが手前方向に動かされる。
【0057】上記のようにアームが手前方向に動かさ
れ、バケット先端が設定領域の境界Lに近づくにつれて
演算部9cで計算されるバケット先端速度の制限値aは
大きくなり(|a|は小さくなり)、この制限値aが演
算部9eで計算されるアームによるバケット先端速度b
の境界Lに垂直な成分byよりも大きくなると、演算部
9fで計算されるブームによるバケット先端速度の制限
値c=a−byは正の値となり、バルブ指令演算部9i
ではブーム上げ側の比例電磁弁10aに制限値に対応す
る電圧を出力し、流量制御弁5aの油圧駆動部50aの
パイロット圧を当該制限値にし、ブーム下げ側の比例電
磁弁10bに0の電圧を出力して流量制御弁5aの油圧
駆動部50bのパイロット圧を0にする。これにより、
バケット先端速度の境界Lに垂直な成分がバケット先端
と境界Lからの距離Dに比例して徐々に制限されるよう
に、ブーム上げによる補正動作が行われ、アームによる
バケット先端速度の補正されていない境界Lに平行な成
分bxとこの制限値cによる補正された速度により、図
9に示すような方向変換制御が行われ、設定領域の境界
Lに沿った掘削が行える。
【0058】また、バケット先端が設定領域の境界から
はみ出した場合は、演算部9cでは図6に示す関係から
バケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例し
たバケット先端速度の制限値aが正の値として計算さ
れ、演算部9fで計算されるブームによるバケット先端
速度の制限値c=a−by(>0)は制限値aに比例し
て大きくなり、バルブ指令演算部9iからブーム上げ側
の比例電磁弁10aに出力される電圧は制限値cに応じ
て増大する。これにより、設定領域外では距離Dに比例
したバケット先端速度で領域内に復元するように、ブー
ム上げによる補正動作が行われ、アームによるバケット
先端速度の補正されていない境界Lに平行な成分bxと
この制限値cにより補正された速度により、図10に示
すように設定領域の境界Lに沿って徐々に戻りながらの
掘削が行える。したがって、アームをクラウドするだけ
で滑らかに設定領域の境界Lに沿った掘削が行える。
【0059】以上は、制御開始スイッチ7aをONに
し、一次解除スイッチ7cをOFFにした場合のもので
あるが、以上の動作中に領域制限掘削制御を一時的に解
除したい場合は、オペレータはブーム用操作レバー装置
4aの操作レバー40aのグリップ70上に設けられた
一次解除スイッチ7cをONにする(押す)。このよう
に一次解除スイッチ7cが押されると、領域制限制御の
切り換え演算部9rでは、その間、上記のようにブーム
パイロット圧の制限値として演算部9hで計算した値で
はなく最大値をバルブ指令演算部9iに出力する。この
ため、演算部9a〜9hで計算された領域制限掘削制御
のための処理が無効化され、当該制御が中断される。そ
して、その後一次解除スイッチ7cから指を離せば、一
次解除スイッチ7cは再びOFFになり、領域制限制御
の切り換え演算部9rからはブームパイロット圧の制限
値として演算部9hで計算した値が出力され、掘削可能
領域を再設定しなくても領域制限掘削制御に簡単に戻れ
る。
【0060】以上のように本実施形態によれば、バケッ
ト先端が設定領域内にある場合は、バケット先端速度の
設定領域の境界Lに垂直な成分は、バケット先端の境界
Lからの距離Dに比例して制限値aにより制限されるの
で、ブーム下げ動作ではバケット先端の位置決めが簡単
に滑らかにでき、アームクラウド操作では、設定領域の
境界に沿ってバケット先端を動かすことができ、領域を
制限した掘削を能率良く円滑に行うことができる。
【0061】また、バケット先端が設定領域外では、バ
ケット先端の境界Lからの距離Dに比例して制限値aに
よりフロント装置が設定領域に戻るように制御されるの
で、フロント装置を速く動かしたときでも設定領域の境
界に沿ってフロント装置を動かすことができ、領域を制
限した掘削を正確に行うことができる。
【0062】また、このとき、上記のように予め方向変
換制御で減速されているので、設定領域外への侵入量は
少なくなり、設定領域に戻るときのショックは大幅に緩
和される。このため、フロント装置を速く動かしたとき
でも領域を制限した掘削を滑らかに行うことができ、領
域を制限した掘削を円滑に行うことができる。
【0063】また、本実施形態では、一次解除スイッチ
7cを設けたので、通常の掘削と領域制限制御による掘
削を簡単に切り替えることができ、領域制限制御による
掘削が便利な溝掘削と通常の掘削が便利な管埋設とを交
互に繰り返して行う土中に水道管等を埋設する作業のよ
うに、通常の掘削と領域制限制御による掘削と併用する
掘削作業を迅速かつスムーズに行うことができる。
【0064】また、一次解除スイッチ7cをブーム用操
作レバー装置4aの操作レバー40aのグリップ70上
に設けたので、通常の掘削と領域制限制御による掘削を
オペレータは操作レバーから手を離さずに素早く切り替
えることができる。
【0065】更に、ブーム用操作レバー装置4aの操作
レバー40aのグリップ70上に一次解除スイッチ7c
だけでなく、領域設定スイッチ7bも設けたので、領域
を設定する場合も、オペレータは操作レバーから手を離
さずに、迅速に領域を設定することができ、領域の設定
が煩わしくない。
【0066】また、領域設定スイッチ7bをフロント装
置1Aの上下方向の動きを支配するブームの操作レバー
装置4aの操作レバー40aに設けたので、操作レバー
40aを操作してブームを動かしながら同じ手で領域設
定スイッチ7bを押して領域を設定できるので、領域を
設定する高さ調節が容易に行え、微妙な設定を容易に行
える。
【0067】更に、領域設定スイッチ7bと一次解除ス
イッチ7cが同じ操作レバーに設けられていても、スイ
ッチの表面の形状が異なるため、オペレータはスイッチ
を目視しなくても、スイッチに触れるだけでそのスイッ
チの役目がわかるので、作業を迅速かつスムーズに行え
る。
【0068】本発明の第2の実施形態を図11及び図1
2により説明する。本実施形態は、一次解除スイッチを
押したとき、第1の実施形態と別の方法で制御を中断す
るものである。図中、図4に示すものと同等の機能には
同じ符号を付している。
【0069】図11において、領域設定演算部9Abで
は、制御開始スイッチ7a又は一次解除スイッチ7cが
押されると、領域の設定を初期化し、領域設定スイッチ
7bが押されると、バケット1cの先端が動き得る掘削
可能領域の設定演算を行う。この詳細を図12にフロー
チャートで示す。
【0070】図12において、まず、制御開始スイッチ
7aがONする(押す)と、掘削可能領域の境界L(深
さh1)の初期値として、バケットが届かないくらい深
い位置の値を、例えば前述したようにY=−20mと設
定する(スッテプ200→210)。次に、領域設定ス
イッチ7b及び一次解除スイッチ7cのいずれが押され
たかにより、以下のように掘削可能領域の境界Lを設定
する。
【0071】(a)領域設定スイッチ7bが押された場
合 オペレータの操作でバケット1cの先端点P1を目的位
置に動かした後、領域設定スイッチ7bを押すと、その
時のフロント姿勢演算部9aで計算されたバケット先端
P1のY座標値の値、Y=Yを用いて、 設定値=Y座標値Y1 と掘削可能領域の境界Lを設定する(スッテプ220→
230→250→220→250)。
【0072】(b)一次解除スイッチ7cが押された場
合 一次解除スイッチ7cが押されると、掘削可能領域の境
界Lとして、制御開始スイッチ7aが押された場合の初
期値と同じ値、即ちバケットが届かないくらい深い位置
の値(−20m)を設定する(スッテプ220→240
→25→220→250)。
【0073】領域制限掘削制御を終了する場合は、制御
開始スイッチ7aをもう一度押すと当該スイッチがOF
Fし(スッテプ250)、安全のため再び掘削可能領域
の境界Lの設定値を初期値のY=−20mにリセットし
た後(スッテプ260)、制御を終了する(スッテプ2
70)。
【0074】以上のように、一次解除スイッチ7cが押
されたとき、掘削可能領域の境界Lとして、バケットが
届かないくらい深い位置の値−20mを設定し、初期化
することによっても、領域制限掘削制御を実質的に無効
化でき、当該制御を一次的に解除できる。
【0075】領域制限制御の切り換え演算部9Arで
は、制御開始スイッチ7aがONで(押されており)領
域制限掘削制御の開始が指示されている場合は、ブーム
パイロット圧の制限値として演算部9hで計算した値を
そのまま出力し、制御開始スイッチ7aがOFFで(押
されておらず)領域制限掘削制御の開始が指示されてい
ない場合は、ブームパイロット圧の制限値として最大値
を出力する。
【0076】本実施形態によっても第1の実施形態と同
様の効果が得られる。
【0077】以上、本発明の代表的な実施形態をいくつ
か説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の変形
が可能である。
【0078】例えば、上記実施形態では、一次解除スイ
ッチ7cとして、押している間だけONとなるモーメン
タリ作動のスイッチを用いたが、一度押したらON位置
を保持し制御が中断し続け、もう一度押したらOFFと
なり再び制御が開始されるオルタネート作動のスイッチ
を用いてもよい。
【0079】また、一次解除スイッチはブーム用の操作
レバーに設けたが、アーム用の操作レバーに設けてもよ
い。
【0080】また、上記実施形態は、操作レバー装置と
して油圧パイロット方式を用いたが、電気式の操作レバ
ー装置であってもよい。
【0081】また、領域制限掘削制御を行うための設定
領域の境界Lに対する距離Dとしてバケットの先端につ
いて述べたが、簡易的に実施するならばアーム先端ピン
からの距離をとってもよい。また、フロント装置との干
渉を防止し安全性を図るために領域を設定する場合は、
その干渉が起こり得る他の部位であってもよい。
【0082】更に、適用される油圧駆動装置はクローズ
ドセンタタイプの流量制御弁を有するクローズドセンタ
システムとしたが、オープンセンタータイプの流量制御
弁を用いたオープンセンターシステムであってもよい。
【0083】また、油圧ショベルのフロント制御として
領域制限掘削制御の例を示したが、フロントと周囲物体
との干渉を防止する干渉防止制御等のその他のフロント
制御に本発明を適用しても良い。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、一次解除スイッチを設
けたので、フロント制御の一時解除を行うことができ、
また一時解除後、簡単にフロント制御に復帰できる。
【0085】また、本発明によれば、一次解除スイッチ
を操作レバー装置のレバーグリップに設けたので、フロ
ント制御の一時解除をオペレータが操作レバーから手を
離さずに速やかに行うことができ、また一時解除後、速
やかにフロント制御に復帰できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による建設機械のフロ
ント制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図である。
【図2】本発明が適用される油圧ショベルの外観を示す
図である。
【図3】領域設定スイッチ及び一次解除スイッチが設け
られた操作レバーのグリップ部分の外観を示す図であ
る。
【図4】制御ユニットの制御機能を示す機能ブロック図
である。
【図5】本実施形態の領域制限掘削制御における掘削可
能領域の設定方法を示す図である。
【図6】バケット先端速度の制限値を求めるときの設定
領域の境界からの距離との関係を示す図である。
【図7】バケット先端が設定領域内にある場合と、設定
領域の境界上にある場合と、設定領域外にある場合のブ
ームによるバケット先端速度の補正動作の違いを示す図
である。
【図8】領域制限制御切り換え演算部の処理内容を示す
フローチャートである。
【図9】バケット先端が設定領域内にあるときの補正動
作軌跡の一例を示す図である。
【図10】バケット先端が設定領域外にあるときの補正
動作軌跡の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による建設機械のフ
ロント制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図であ
る。
【図12】領域設定演算部の処理内容を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1A フロント装置 1B 車体 1a ブーム 1b アーム 1c バケット 2 油圧ポンプ 3a ブームシリンダ 3b アームシリンダ 4a〜4f;14a〜14f 操作レバー装置 5a〜5f;15a〜15f 流量制御弁 7a 制御開始スイッチ 7b 領域設定スイッチ 7c 一次解除スイッチ 8a〜8c 角度検出器 8d 傾斜角度検出器 9 制御ユニット 9a フロント姿勢演算部 9b 領域設定演算部 9c バケット先端速度の制限値演算部 9d アームシリンダ速度演算部 9e アームによるバケット先端速度演算部 9f ブームによるバケット先端速度の制限値演算部 9g ブームシリンダ速度の制限値演算部 9h ブームパイロット圧の演算部 9i バルブ指令演算部 9r 領域制限制御の切り換え演算部 10a,10b 比例電磁弁 12 シャトル弁 50a〜55b 油圧駆動部 61a,61b 圧力検出器
フロントページの続き (72)発明者 中川 高志 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下方向に回動可能な複数のフロント部材
    により構成される多関節型のフロント装置と、前記複数
    のフロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエータ
    と、複数の操作レバー手段からの操作信号により駆動さ
    れ、前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の
    流量を制御する複数の油圧制御弁とを有する建設機械に
    備えられ、前記フロント装置が予め設定された領域内で
    動くよう前記操作信号を補正し、フロント装置の動作を
    制御する建設機械のフロント制御装置において、 一時解除スイッチと、 前記一時解除スイッチが押されると前記フロント装置の
    制御を一時的に解除する制御解除手段とを備えることを
    特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記一次解除スイッチを前記複数の操作レ
    バー手段の1つのもののレバーグリップ上に設けたこと
    を特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の建設機械のフロント
    制御装置において、前記制御解除手段は、前記一時解除
    スイッチが押されると、前記操作信号の補正を中断する
    手段であることを特徴とする建設機械のフロント制御装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の建設機械のフロント
    制御装置において、前記制御解除手段は、前記一時解除
    スイッチが押されると、前記領域の境界の設定を前記フ
    ロント装置が届き得ない位置に一時的に変更する手段で
    あることを特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  5. 【請求項5】請求項2記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記レバーグリップ上に前記フロント装置
    が動き得る領域の設定を指示する領域設定スイッチを更
    に備えることを特徴とする建設機械のフロント制御装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記一時解除スイッチと領域設定スイッチ
    は表面の形状が互いに異なることを特徴とする建設機械
    のフロント制御装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記一時解除スイッチ及び領域設定スイッ
    チが設けられる操作レバー手段は、油圧ショベルのブー
    ム用の操作レバー手段であることを特徴とする建設機械
    のフロント制御装置。
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