JPH1084802A - ニンジン不定胚の大量培養方法 - Google Patents

ニンジン不定胚の大量培養方法

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JPH1084802A
JPH1084802A JP8240173A JP24017396A JPH1084802A JP H1084802 A JPH1084802 A JP H1084802A JP 8240173 A JP8240173 A JP 8240173A JP 24017396 A JP24017396 A JP 24017396A JP H1084802 A JPH1084802 A JP H1084802A
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ethanol
shaking
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JP8240173A
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Koichi Osuge
康一 大菅
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Science & Tech Agency
Agency of Industrial Science and Technology
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の技術では難しかった大型の装置による
ニンジンの不定胚分化の誘導を効率よく、しかも容易に
行うことのできる不定胚の大量培養方法を提供するこ
と。 【解決手段】 ニンジンの植物体から誘導、増殖したカ
ルスを培地中で培養して不定胚分化を誘導する方法にお
いて、酸素供給速度の定量的指標であり気相(空気)か
ら液相(培地)への酸素移動速度を示す酸素移動容量係
数(KLa)、培地中に蓄積した気体や揮発性物質の換気
能力を示すエタノールの換気速度(VEt)及び物理的な
ストレスの大きさを示す定量的指標でありβ−ナフトー
ル−水系で測定した物質溶解速度係数(K)の各々が、
それぞれ特定範囲内になるよう培養条件を設定・制御し
て培養することを特徴とするニンジン不定胚の大量培養
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニンジンの植物体の
大量増殖生産や人工種子作製のための材料となる不定胚
の大量培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニンジン(学名:Doucus carota )の
苗、特にF1 雑種などの優良品種の苗を大量に生産しよ
うとする場合には、種子由来の苗とは異なり遺伝的に均
一なクローン苗が得られることから不定胚の利用が有利
とされている。ニンジンの不定胚は植物ホルモンとして
2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)を含む
培地で植物体の一部からカルス(細胞塊)を誘導、増殖
し、このカルスを植物ホルモンを含まない培地に移して
培養することにより誘導できる。このときの培養は培養
容器として容量が100〜500ミリリットルの三角フ
ラスコを用い、30〜150ミリリットルの培地を入れ
てロータリ式やレシプロ式の振盪培養機で100rpm
前後の速度で回転させることによって行われることが多
く、こうした培養方法は公知である。さらに苗の増殖生
産のため不定胚を大量に必要とする場合には、用いるフ
ラスコの本数及び振盪培養機の数を増やして不定胚を誘
導することが必要とされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】F1 雑種など優良品種
の苗の大量増殖生産には、一度に大量の不定胚、特に最
も分化が進み成熟した魚雷型胚を得ることが重要であ
る。こうした大量培養では一般に培養容器としてジャー
ファーメンタが用いられるが、これまでニンジンの不定
胚誘導ではフラスコと同じ誘導効率をジャーファーメン
タで達成した例、すなわちスケールアップに成功した例
は見当たらない。フラスコを用いて不定胚を大量に誘導
しようとすると、一度に何十本ものフラスコを用いて不
定胚を誘導する必要があり、数多くの振盪培養機や多大
な労力も必要とした。さらに、魚雷型胚の誘導効率を高
めてゆくには、pHや溶存酸素濃度など培養環境のモニ
タや制御あるいは培地への栄養源の追加等の手段が必要
となってくるが、フラスコによる培養ではこれらが行え
ないか、もしくは極めて困難である。本発明の目的は、
従来の技術では難しかった大型の装置によるニンジンの
不定胚分化の誘導を効率よく、しかも容易に行うことの
できる不定胚の大量培養方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、細胞塊か
ら不定胚を誘導する方法について種々検討の結果、換気
速度、酸素供給速度、不定胚に与える物理的なストレス
の大きさが不定胚分化に影響し、特に換気速度の影響が
大きいこと、また大量培養に用いられる培養容器による
培養では、これらの大きさは通常不定胚の誘導で用いて
いるフラスコによる培養の場合とは異なることを見出し
た。そして換気速度、酸素供給速度、不定胚に与える物
理的なストレスの大きさをそれぞれ不定胚の誘導効率に
悪影響を与えない範囲に制御して培養することにより前
記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は次の(1)及び(2)の態様を有する
ものである。
【0005】(1)ニンジンの植物体から誘導、増殖し
たカルスを培地中で培養して不定胚分化を誘導する方法
において、酸素供給速度の定量的指標であり気相(空
気)から液相(培地)への酸素移動速度を示す下記式
(4)で定義される酸素移動容量係数(KLa)、培地中
に蓄積した気体や揮発性物質の換気能力を示す培地にエ
タノールを加えて不定胚誘導と同じ条件及び時間で振盪
し、この間のエタノールの減少量で表され下記式(5)
で定義されるエタノールの換気速度(VEt)及び物理的
なストレスの大きさを示す定量的指標でありβ−ナフト
ール−水系で測定した下記式(6)で定義される物質溶
解速度係数(K)の各々が、それぞれ下記式(1)〜
(3)の範囲になるよう培養条件を設定・制御して培養
することを特徴とするニンジン不定胚の大量培養方法。
【数3】 KLa≧15.0(1/h) (1) VEt≧2.0×10-3(mM/h) (2) K≦1.86×10-3(cm/sec) (3) dC/dt=KLa(C′−C) (4) VEt=(Etinit−Etfin )/T (5) dS/dt=K・(A/V)・(S′−S) (6) 〔ただし、式(4)中dC/dtは酸素移動速度(mg
2 /リットル・h)、Cは溶存酸素濃度(mgO2
リットル)、C′は飽和溶存酸素濃度(mgO2/リッ
トル)、tは時間(h)を表し、式(5)中Etinit
振盪開始時の培地中のエタノール濃度(mM)、Et
fin は振盪終了時の培地中のエタノール濃度(mM)、
Tは振盪した時間(h)を表し、式(6)中dS/dt
は物質溶解速度(mg/ミリリットル・sec)、Sは
時間t(sec)における溶解した固体の濃度(mg/
ミリリットル)、S′は固体の飽和濃度(mg/ミリリ
ットル)、Aは固体粒子の総表面積(cm2 )、Vは溶
液の液量(ミリリットル)を表す。〕
【0006】(2)ニンジンの植物体から誘導、増殖し
たカルスを培地中で培養して不定胚分化を誘導する方法
において、酸素供給速度の定量的指標であり気相(空
気)から液相(培地)への酸素移動速度を示す前記式
(4)で定義される酸素移動容量係数(KLa)、培地中
に蓄積した気体や揮発性物質の換気能力を示す培地にエ
タノールを加えて不定胚誘導と同じ条件及び時間で振盪
し、この間のエタノールの減少量で表され前記式(5)
で定義されるエタノールの換気速度(VEt)及び物理的
なストレスの大きさを示す定量的指標でありβ−ナフト
ール−水系で測定した前記式(6)で定義される物質溶
解速度係数(K)の各々が、それぞれ下記式(7)〜
(9)の範囲になるよう培養条件を設定・制御して培養
することを特徴とするニンジン不定胚の大量培養方法。
【数4】 KLa≧3.0(1/h) (7) VEt≧7.0×10-3(mM/h) (8) K≦1.86×10-3(cm/sec) (9) 〔ただし、式(4)ないし(9)中の各記号は前記と同
じ意味を表す。〕
【0007】大量培養で用いられるジャーファーメンタ
で培養する場合、フラスコでの培養と同じ条件で培養し
てもフラスコによる培養で得られるのと同じ誘導効率を
達成できない原因について種々探索した結果、培養条件
の中でも換気速度、酸素供給速度、不定胚に与える物理
的なストレスの大きさの影響が大きいこと、フラスコで
は植物の細胞培養一般に用いられている振盪速度(多く
が80〜100rpm)や培地の量(フラスコの容量の
約1/4〜1/5)に設定すれば上記三つの因子は最適
条件の範囲に入っていたが、ジャーファーメンタでは植
物細胞の培養で一般に用いられている条件に設定して
も、上記三つの因子は最適条件の範囲に入っておらず不
定胚分化が阻害されることを見出した。これまでフラス
コを用いて酸素供給速度が不定胚の誘導効率に与える影
響を調べた例はあるが、物理的なストレスの影響を調べ
た例はなく、不定胚以外の例えば植物細胞の増殖で調べ
られた例があるにすぎなかった。また、これら以外にど
のような因子が影響するかについて調べられておらず、
換気速度に着目した例はなかった。
【0008】
【発明の実施の形態】KLa、VEt及びKのそれぞれが上
記範囲内に入る条件で培養することにより、従来のフラ
スコによる培養で得られるのと同じ誘導効率で、大量の
不定胚を培養できることを、実験結果に基づいて以下に
説明する。
【0009】5×10-6(M)の2,4−Dを含むムラ
シゲ&スクーグの培地(Murashige& Skoog の培地、以
下、MS培地と記載する)を用いて誘導、増殖したニン
ジンの培養細胞の中で63〜37μmの大きさの細胞塊
を植物ホルモンを含まないMS培地に懸濁させ、細胞塊
の密度を培地1ミリリットル当たり500個(以下、5
00個/ミリリットルと記載する)に調整した。これを
容量300ミリリットルの三角フラスコに入れ、ロータ
リ式の振盪機で振盪して培養することにより不定胚を誘
導した。なお、フラスコでは通常振盪速度100rp
m、入れる培地の量80ミリリットルで不定胚を誘導し
ている(以下、この条件をコントロールの条件と記
載)。また、得られた結果は不定胚の誘導を開始してか
ら14日後に分化率を調べ、これにより評価した。分化
率は最初に用いた細胞塊数に対して得られた魚雷型胚数
の割合を示す。
【0010】先ず、酸素供給速度が不定胚分化に与える
影響を調べた。フラスコに入れる培地の量や振盪速度を
変えることにより酸素供給速度は変わるが、この大きさ
を示す定量的な指標としてKLaを用い、フラスコを用い
て振盪速度あるいはフラスコに入れる培地の量を変えた
各種培養条件それぞれでKLaがどのように変わるかを調
べた結果を図1に示した。そしてこれら培養条件を変え
ることにより設定した各種KLaの条件で不定胚を誘導
し、得られた結果を図2に示した。なお、KLaは一般に
行われているガッシングアウト法により測定した。すな
わち、フラスコあるいは各ジャーファーメンタに窒素ガ
スを供給して溶液中の溶存酸素を追い出し、溶存酸素濃
度を0にした後、不定胚誘導で設定している培養条件で
攪拌あるいは振盪し、この時の溶液中の溶存酸素濃度の
増加を溶存酸素電極を用いて測定し、前記(4)式から
Laを算出した。
【0011】図1、図2に示すようにフラスコに入れる
培地の量を80ミリリットルにして振盪速度を100r
pmから50rpmまで下げるとKLaが低下し(図1参
照)、それにつれて分化率は低下した(図2参照)。ま
た、振盪速度を100rpm、65rpmとそれぞれ一
定にした場合には、100rpmでは培地の量を80ミ
リリットルから120ミリリットルへ増やすとKLaが低
下し(図1参照)、それにつれて分化率は低下し(図2
参照)、65rpmでは培地の量を80ミリリットルか
ら40ミリリットルに減らすとKLaが向上し(図1参
照)、それにつれて分化率は向上した(図2参照)。
【0012】不定胚分化が酸素供給速度のみに影響を受
けるのであれば、フラスコを用いて撹拌速度あるいはフ
ラスコに入れる培地の量など培養条件を変えてもKLa
同じであれば、同じ分化率が得られることが予想され
る。図1及び図2から振盪速度を65rpmにして培地
の量をそれぞれ80、60、50、40ミリリットルと
した場合のKLaで得られた分化率と、培地の量を80ミ
リリットルと一定にして振盪速度を65、70、80、
90rpmとした場合のKLaで得られた分化率とはほぼ
同じである。しかし、振盪速度を100rpmにして培
地の量をそれぞれ110、120ミリリットルとした場
合のKLaで得られた分化率は、培地の量を80ミリリッ
トルと一定にして振盪速度を80、90rpmとした場
合のKLaや振盪速度を65rpmにして培地の量を40
ミリリットルとした場合のKLaで得られる分化率とは異
なっていた。
【0013】したがって、同じKLaになるように振盪速
度を変えることにより設定した場合と、フラスコに入れ
る培地の量を変えることにより設定した場合とでは得ら
れた分化率が異なったことから、フラスコに入れる培地
の量や振盪速度を変えることにより、酸素供給速度以外
にも変化する因子が存在し、この因子あるいは酸素供給
速度とこの因子の両方が不定胚分化を阻害・抑制するこ
とが考えられる。そこで酸素供給速度以外の因子として
酸素のように気相から培地への物質移動とは逆に、培地
から気相への換気が小さいため、不定胚が放出する気体
や揮発性物質が培地中へ蓄積し、これが不定胚分化を阻
害・抑制することが考えられ、この影響について調べ
た。
【0014】気体や揮発性物質の換気が不定胚分化に与
える影響を調べるため、フラスコを用いて振盪速度ある
いはフラスコに入れる培地の量を変えた各種培養条件そ
れぞれでエタノールを用いて測定した換気速度(VEt
がどのように変化するかを図3に示した。そしてこのよ
うに培養条件を変えることにより設定した各種VEtの条
件で不定胚を誘導し、得られた結果を図4に示した。培
地の量を80ミリリットルにして振盪速度を100rp
mから65rpmまで下げるとVEtが小さくなり(図3
参照)、それにつれて分化率も低下した(図4参照)。
また、振盪速度を100rpm又は65rpmとそれぞ
れ一定にした場合には、100rpmでは培地の量を8
0ミリリットルから120ミリリットルへ増やすとVEt
が低下し(図3参照)、それにつれて分化率も低下し
(図4参照)、65rpmでは培地の量を80ミリリッ
トルから40ミリリットルに減らすとVEtが増加し(図
3参照)、それにつれて分化率も向上した(図4参
照)。しかし、VEtが大きくなると分化率も向上すると
いう傾向はいずれも同じであったが、振盪速度を変えた
場合とフラスコに入れる培地の量を変えた場合とでは、
同じVEtでも分化率は必ずしも一致せず、先に示した酸
素供給速度の場合と同様の傾向であった。
【0015】そこでVEtのみの単独の影響ではなく、酸
素供給を含めた両方の影響を調べるため、KLaとVEt
の関係を図5に示した。なお、振盪速度100rpmや
65rpm以外の条件でも、振盪速度60rpmで培地
の量が40ミリリットル及び振盪速度70rpmで培地
の量が50ミリリットルについて測定した結果も併せて
示した。その結果、振盪速度を一定にしてフラスコに入
れる培地の量を変えた場合や、培地の量を一定にして振
盪速度を変えた場合、あるいはジャーファーメンタを用
いた場合では、それぞれKLaが同じでもVEtは異なる場
合があることがわかった。また、図5にはこれまで用い
てきているフラスコでのコントロール条件、すなわち振
盪速度100rpmで培地の量が80ミリリットルの培
養条件で得られたのとほぼ同程度の分化率が得られた場
合には黒く塗りつぶした記号で示した。
【0016】その結果、KLa≧15.0(1/h)ある
いはVEt≧7.0×10-3(mM/h)の範囲ではフラ
スコのコントロールの条件で得られたのと同様の分化率
が得られることがわかった。KLa≧15.0(1/h)
の領域では換気速度は小さくてもVEtは2.0×10-3
(mM/h)以上なので、前記(1)式及び(2)式を
満たせばフラスコのコントロールの条件で得られたのと
同様の分化率が得られる。また、VEt≧7.0×10-3
(mM/h)の範囲では次の理由からKLa≧3.0(1
/h)とした。すなわち、振盪あるいは撹拌をしないで
静置した場合には、不定胚はほとんど誘導されない。振
盪速度あるいは撹拌速度が50rpmを下回るような条
件では、KLa<3.0(1/h)で酸素の供給が極めて
少なくなるばかりでなく、培地もほとんど撹拌されずほ
とんど静止した状態で静置に近くなるためである。した
がって前記(7)式及び(8)式を満たせばフラスコの
コントロールの条件で得られたのと同様の分化率が得ら
れる。
【0017】次に、従来用いられているジャーファーメ
ンタを図6に示し、これらを使用した培養試験の培養条
件(通常これらのジャーファーメンタで行われている培
養条件)と不定胚の誘導結果をフラスコでの例も含めて
表1に示す。これらのジャーファーメンタの特徴とそれ
を使用した培養条件の概略を以下に示す。
【0018】 ローラ型回転式ジャーファーメンタ:
円筒形のローラ培養瓶を水平の状態で回転させる形式の
もの(以下、ローラ型回転式という)、撹拌など細胞に
与える物理的な影響が比較的小さいとされる。容量1リ
ットルの培養瓶に前記細胞塊を含む培地300ミリリッ
トルを入れ、1〜3rpmで回転させて培養した。な
お、この実験はローラ培養瓶の口はキャップにより密栓
した状態で行った。
【0019】 エアリフト型ジャーファーメンタ:容
器の下部から空気を通気して培地を循環させるタイプの
もの(以下、エアリフト型という)で、ローラ回転式と
同様に物理的な影響が小さいとされている。容量1リッ
トルの装置内に前記細胞塊を含む培地300ミリリット
ルを入れ、毎分150ミリリットルの空気を通気して培
養した。
【0020】 撹拌槽型ジャーファーメンタ:細胞に
対する損傷が少ないスピンナ型と呼ばれる撹拌羽を備え
たもの(以下、撹拌槽型という)。容量1リットルの装
置内に前記細胞塊を含む培地300ミリリットルを入
れ、槽内の気相部分は無菌的に外部と空気の出入りが可
能になるよう槽の口にシリコ栓を付け、100rpmで
撹拌して培養した。
【0021】これらのジャーファーメンタによる上記培
養条件でKLa及びVEtを測定した結果は表1のとおり
で、いずれも前記(1)、(2)式あるいは(7)、
(8)式を満たしておらず、これがスケールアップが困
難であった原因と考えられた。そこでKLa及びVEtが前
記(1)、(2)式あるいは(7)、(8)式を満たす
ような培養条件を調べた。なお、エアリフト型では前記
(1)、(2)、(3)式あるいは(7)、(8)、
(9)式を満たしているが、分化率はフラスコでの結果
と比べて著しく低かった。これは不定胚の誘導の初期か
ら用いた細胞塊のほとんどが底への沈降や壁面への付着
が激しかったためであり、特に用いる細胞塊は一般に細
胞質に富んだ細胞から構成されており、比重が大きい
(約1.065)ため、沈降しやすい。
【0022】
【表1】
【0023】なお、ジャーファーメンタでは撹拌や回転
速度あるいは撹拌羽根の形状や位置などを変えた場合
に、KLaやVEtが大きくなるような条件では細胞塊や不
定胚に及ぼす物理的なストレスもフラスコのコントロー
ルよりも大きくなると考えられる。物理的なストレスの
大きさを直接定量的に示す指標は知られていないが、物
質溶解速度係数K値を間接的な定量的指標として用いら
れることが報告されている(発酵工学,第63巻,第3
号,p247−257,1985)。このK値を指標に
物理的なストレスがフラスコのコントロールより著しく
大きくならないように考慮するためK値を測定し、
(3)式あるいは(9)式も満たす培養条件を調べた。
各ジャーファーメンタでの設定は下記のとおりである。
【0024】 ローラ回転式では、瓶の口をキャップ
で密閉していたがこれをシリコ栓に換え、回転速度は1
あるいは3rpmであったのを8rpmとした。 エアリフト型では、不定胚誘導の初期から出発材料
である細胞塊の沈降や壁面への付着が激しかった。そこ
でこれを防止するためK値が大きくなりすぎない程度に
撹拌を行うことにし、エアリフト型に撹拌棒を取り付け
た(以下スピンナ&エアリフト型という)。 撹拌槽型では、KLaは2.5(1/h)でフラスコ
より小さくK値は2.95×10-3(cm/sec)で
大きかった。撹拌槽では撹拌羽根の形状や撹拌速度がK
LaやK値に影響するため、これらを変えることによりK
Laの向上とK値の低減を試みた。スピンナと呼ばれる撹
拌羽根は上段は8の字型、下段は棒型の2段型である
が、ここでは撹拌羽根を下段のみの1段とし、これを培
地と気相の境界に近い位置に取り付けた(以下改変撹拌
槽型という)。
【0025】(1)〜(3)式あるいは(7)〜(9)
式を満たす培養条件を表2に示したが、この条件で不定
胚を誘導すると、フラスコのコントロールと同様の誘導
効率が得られた(表2)。これらの結果から、フラスコ
のコントロールで得られた結果をジャーファーメンタへ
スケールアップするためには(1)〜(3)式あるいは
(7)〜(9)式を満たす培養条件に設定することが必
要であることがわかる。
【0026】
【表2】
【0027】(作用)換気速度や酸素供給速度を変える
ことにより変化した因子の中で、どのような因子が不定
胚分化にどのように作用するのかは未だ解明されていな
いが、次のように考えられる。
【0028】不定胚分化に必要なエネルギはATP(ア
デノシン三リン酸)として生合成され、蓄えられるが、
このATPは酸素呼吸(好気的代謝)とエタノール発酵
(嫌気的代謝)による生合成経路があり、主にどちらに
よってATPが生合成されるかは溶存酸素濃度により変
わることが知られている。すなわち、溶存酸素濃度が高
い(飽和濃度に近い)と主に酸素呼吸により生合成さ
れ、エタノール発酵による生合成は少ない。一方、溶存
酸素濃度が低くなると(およそ5〜1ppm)酸素呼吸
とエタノール発酵の両方により生合成され、溶存酸素が
ほとんどない状態ではエタノール発酵により生合成され
る。KLa≧15.0(1/h)では十分に酸素が供給さ
れるので、主に酸素呼吸によりATPが生合成され、エ
タノール発酵による生合成は少ない。したがってエタノ
ール発酵のように嫌気的代謝の結果生じて不定胚分化を
阻害・抑制する可能性のある気体や揮発性物質は少量の
ため、VEtが小さくても(≧2.0×10-3(mM/
h))不定胚分化は阻害・抑制されない。
【0029】一方、15.0≧KLa≧3.0(1/h)
では酸素の供給は少なくなるので、ATPは酸素呼吸よ
りも主にエタノール発酵によって生合成され、培地中に
は気体や揮発性物質が蓄積する。VEtが大きいほど培地
中の気体あるいは揮発生物質はそれだけ気相へ換気さ
れ、培地中に蓄積する濃度は低くなり、不定胚分化への
影響は小さくなる。すなわち、VEt≧7.0×10
-3(mM/h)の条件とすれば不定胚分化に影響しない
気体や揮発性物質の濃度まで換気されるため、15.0
≧KLa≧3.0(1/h)の条件でもフラスコのコント
ロールと同様の不定胚の誘導効率が得られる。振盪ある
いは撹拌をしないで静置する場合には不定胚はほとんど
誘導されない。振盪速度あるいは撹拌速度が50rpm
を下回るような条件では、KLa<3.0(1/h)では
酸素の供給が少なくなるばかりでなく、培地もほとんど
攪拌されず止まった状態で静置に近くなり、VEtを大き
くしても不定胚分化が阻害・抑制される。そのためKLa
の下限を3.0(1/h)とした。
【0030】なお、換気される気体や揮発性物質の中で
不定胚分化を阻害・抑制する物質はまだ解明されていな
いが、エタノールのほか、植物ホルモンであるエチレン
は不定胚分化を阻害することが報告されており、これら
やこれらに関連した未解明の物質の可能性がある。
【0031】物質溶解速度係数が大きくなることによ
り、具体的にどのような因子が不定胚分化にどのように
作用するのかは未だ解明されていないが、次のように考
えられる。通常、培養では培養液の混合や培養液中へ酸
素を供給するため、振盪あるいは攪拌を行う。これによ
り培養液の流れによる剪断応力や不定胚と不定胚との接
触など物理的なストレスが生ずる。特に攪拌型のジャー
ファーメンタでは攪拌羽根や攪拌子で攪拌するため、こ
れらによる損傷などの物理的ストレスも加わり、物質溶
解速度係数Kも大きい値になる。植物細胞培養ではこう
した物理的なストレスが大きいと、その影響を受け増殖
量が低下することが知られている。特にこの影響は細胞
塊のサイズが大きいと受けやすいが、不定胚の誘導でも
分化の進行とともに200μmから数mmの大きさにな
るため、こうした影響を受けやすいことが考えられる。
したがって、物理的なストレスがフラスコに比べて大き
いジャーファーメンタでは、不定胚の誘導効率が低下す
るものと考えられる。
【0032】
【実施例】本発明の方法によりニンジンの不定胚誘導の
培養試験を行った。先ず、従来用いられている下記のジ
ャーファーメンタについてKLa、VEt及びK値を測定
し、(1)〜(3)式あるいは(7)〜(9)式を満た
すような培養条件を調べた(表1)。ここでKLaはガッ
シングアウト法により測定した。VEtは下記(5)式に
示すように定義し、不定胚誘導の培養で用いた培地に、
エタノールを加えて不定胚誘導と同じ条件・時間で振盪
し、この間のエタノールの減少量をガスクロマトグラフ
ィにより定量することにより測定した。
【数5】 VEt=(Etinit−Etfin )/T (5) ここで、VEtはエタノールの換気速度(mM/h)、E
initは振盪開始時の培地中のエタノール濃度(m
M)、Etfin は振盪終了時の培地中のエタノール濃度
(mM)、Tは振盪時間(h)である。
【0033】また、K値は固−液系の撹拌において固体
粒子の溶解速度を示す下記(6)式の物質溶解速度係数
(K)を示す。
【数6】 dS/dt=K・(A/V)・(S′−S) (6) ここで、dS/dtは物質溶解速度(mg/ミリリット
ル・sec)、Sは時間t(sec)における溶解した
固体の濃度(mg/ミリリットル)、S′は固体の用い
た溶液(溶媒)における飽和濃度(mg/ミリリット
ル)、Aは固体粒子の総表面積(cm2 )、Vは溶液
(溶媒)の液量(ミリリットル)である。
【0034】培地中の細胞塊や不定胚では直接K値を測
定できないため、これに代わる固−液モデルを用いた。
このモデル系としては固体粒子として不定胚と比重がほ
ぼ等しく水に難溶のβ−ナフトールを選定し、β−ナフ
トール−水系を用いてK値を測定した。このとき、β−
ナフトール粒子は不定胚を誘導した場合に最も多い球状
胚や心臓型胚に近い大きさの円筒型に成型し(直径1m
m、長さ1mm)、通常の不定胚誘導で用いる密度であ
る500個/ミリリットルに近い体積1g/リットルを
加えた。
【0035】各ジャーファーメンタについてKLa、VEt
及びK値が(1)〜(3)式あるいは(7)〜(9)式
を満たす培養条件が表2のように設定できたので、これ
らの条件でニンジンの不定胚を誘導した。用いたニンジ
ンの品種は「US春蒔五寸」であり、種子から暗所で無
菌的に発芽させて得られた芽生えの下胚軸から、5×1
-6(M)の2,4−D及び0.9%の寒天を含むMS
培地を用いてカルスを誘導した。カルスは寒天を含まな
いことを除き、同組成の液体培地で増殖、2週間毎に植
え換えた。なお、培養は300ミリリットルの三角フラ
スコに培地80ミリリットルを入れ、振盪速度100r
pm、暗黒下で温度は25℃であった(以下同じ)。増
殖した懸濁培養細胞をオープニングサイズ63μmと3
7μmのナイロン篩で濾過し、37μmの篩上に残った
細胞塊を集め、植物ホルモンを含まないMS培地に懸濁
した。この培地で低速の遠心分離(100×gで30s
ec)を6回ほど繰り返すことにより、細胞塊を洗浄し
た。
【0036】得られた細胞塊を用いて三角フラスコと各
種ジャーファーメンタを用いて不定胚の誘導を行った。
細胞塊は培地中の密度が500個/ミリリットルとなる
ように調整した。三角フラスコの場合は容量300ミリ
リットルの三角フラスコに前記細胞塊を含む培地を80
ミリリットルを入れ、100rpmの速度でロータリ式
の振盪機で振盪して培養することにより不定胚を誘導し
た。また、各種ジャーファーメンタの場合は、それぞれ
前記細胞塊を含む培地を300ミリリットル入れ、表2
の培養条件で不定胚を誘導した。なお、得られた結果は
不定胚の誘導を開始してから14日後に分化率を調べ、
これにより評価した。分化率はさいしょに用いた細胞塊
数に対して得られた魚雷型胚数の割合で示した。
【0037】不定胚の誘導結果を表2に示したが、培養
容器の種類にかかわりなく、フラスコのコントロールで
得られたのと同様の誘導効率が得られ、スケールアップ
を行うことができた。また、得られた魚雷型胚を0.9
%の寒天を含むMS培地に置床して16/8時間の明暗
周期のもと約3,000ルクスの光を照射すると、幼植
物体へ成長した。この幼植物体をフラスコ外へ出して順
化すると順調に生育した。
【0038】
【発明の効果】これまでのスケールアップではジャーフ
ァーメンタを用いて各種培養条件で不定胚を誘導してフ
ラスコのコントロールに近い結果が得られる条件を探す
ような試行錯誤による方法で行われてきた。しかし、本
発明では換気速度や酸素移動容量係数、物質溶解速度係
数が(1)〜(3)式あるいは(7)〜(9)式を満た
すような培養条件を設定すればフラスコのコントロール
と同様の結果が得られるので、これまでのように大量培
養を繰り返すことなく、しかも短期間でスケールアップ
が可能となった。ジャーファーメンタを用いることによ
り、ニンジンの不定胚をフラスコでの培養と同じ誘導効
率で大量に誘導できる。そのため、従来のように数多く
の振盪培養機や多大な労力を必要としない。さらに、不
定胚の誘導効率を高めるためには、培養中にpHや溶存
酸素濃度など培養環境の計測やこれらの制御あるいは栄
養源の追加等の手段が必要であるが、ジャーファーメン
タを用いることにより、これらの操作を容易に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラスコを用いて振盪速度あるいは培地量を変
えた場合のKLaの変化を示す図。
【図2】KLaが不定胚分化率に与える影響を示す図。
【図3】フラスコを用いて振盪速度あるいは培地量を変
えた場合のVEtの変化を示す図。
【図4】VEtが不定胚分化率に与える影響を示す図。
【図5】KLa及びVEtが不定胚分化率に与える影響を示
す図。
【図6】不定胚誘導に用いた各種ジャーファーメンタ及
び培養条件の概略を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニンジンの植物体から誘導、増殖したカ
    ルスを培地中で培養して不定胚分化を誘導する方法にお
    いて、酸素供給速度の定量的指標であり気相(空気)か
    ら液相(培地)への酸素移動速度を示す下記式(4)で
    定義される酸素移動容量係数(KLa)、培地中に蓄積し
    た気体や揮発性物質の換気能力を示す培地にエタノール
    を加えて不定胚誘導と同じ条件及び時間で振盪し、この
    間のエタノールの減少量で表され下記式(5)で定義さ
    れるエタノールの換気速度(V Et)及び物理的なストレ
    スの大きさを示す定量的指標でありβ−ナフトール−水
    系で測定した下記式(6)で定義される物質溶解速度係
    数(K)の各々が、それぞれ下記式(1)〜(3)の範
    囲になるよう培養条件を設定・制御して培養することを
    特徴とするニンジン不定胚の大量培養方法。 【数1】 KLa≧15.0(1/h) (1) VEt≧2.0×10-3(mM/h) (2) K≦1.86×10-3(cm/sec) (3) dC/dt=KLa(C′−C) (4) VEt=(Etinit−Etfin )/T (5) dS/dt=K・(A/V)・(S′−S) (6) 〔ただし、式(4)中dC/dtは酸素移動速度(mg
    2 /リットル・h)、Cは溶存酸素濃度(mgO2
    リットル)、C′は飽和溶存酸素濃度(mgO2/リッ
    トル)、tは時間(h)を表し、式(5)中Etinit
    振盪開始時の培地中のエタノール濃度(mM)、Et
    fin は振盪終了時の培地中のエタノール濃度(mM)、
    Tは振盪した時間(h)を表し、式(6)中dS/dt
    は物質溶解速度(mg/ミリリットル・sec)、Sは
    時間t(sec)における溶解した固体の濃度(mg/
    ミリリットル)、S′は固体の飽和濃度(mg/ミリリ
    ットル)、Aは固体粒子の総表面積(cm2 )、Vは溶
    液の液量(ミリリットル)を表す。〕
  2. 【請求項2】 ニンジンの植物体から誘導、増殖したカ
    ルスを培地中で培養して不定胚分化を誘導する方法にお
    いて、酸素供給速度の定量的指標であり気相(空気)か
    ら液相(培地)への酸素移動速度を示す前記式(4)で
    定義される酸素移動容量係数(KLa)、培地中に蓄積し
    た気体や揮発性物質の換気能力を示す培地にエタノール
    を加えて不定胚誘導と同じ条件及び時間で振盪し、この
    間のエタノールの減少量で表され前記式(5)で定義さ
    れるエタノールの換気速度(V Et)及び物理的なストレ
    スの大きさを示す定量的指標でありβ−ナフトール−水
    系で測定した前記式(6)で定義される物質溶解速度係
    数(K)の各々が、それぞれ下記式(7)〜(9)の範
    囲になるよう培養条件を設定・制御して培養することを
    特徴とするニンジン不定胚の大量培養方法。 【数2】 KLa≧3.0(1/h) (7) VEt≧7.0×10-3(mM/h) (8) K≦1.86×10-3(cm/sec) (9) 〔ただし、式(4)ないし(9)中の各記号は前記と同
    じ意味を表す。〕
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