JPH1084247A - 弾性境界波デバイス - Google Patents
弾性境界波デバイスInfo
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- JPH1084247A JPH1084247A JP23787796A JP23787796A JPH1084247A JP H1084247 A JPH1084247 A JP H1084247A JP 23787796 A JP23787796 A JP 23787796A JP 23787796 A JP23787796 A JP 23787796A JP H1084247 A JPH1084247 A JP H1084247A
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Abstract
が容易でかつコストダウンが容易な弾性境界波デバイス
の提供。 【解決手段】 弾性境界波デバイス1は、[001]カ
ットかつ<110>方位伝搬のSi基板2の主面上にく
し歯状の溝3を有する誘電体膜4を形成すると共にその
溝3に導電性材料を埋め込んでくし歯状電極5を形成
し、その上に175°回転YカットかつX方位伝搬のL
iNbO3 基板6を張り合わせて構成される。
Description
を張り合わせ、これらの境界面に伝搬する弾性境界波を
応用したデバイスに係り、一方の固体に圧電性材料、も
う一方の固体にSi基板を用いた弾性境界波デバイスに
関する。
弾性表面波デバイス(SAWデバイス:Surface
Acoustic Wave Device)が以前
よりよく知られている。このSAWデバイスは、例えば
45MHz〜2GHzの周波数帯域における無線信号を
処理する装置における各種回路、例えば送信用バンドパ
スフィルタ、受信用バンドパスフィルタ、局発フィル
タ、アンテナ共用器、IFフィルタ、FM変調器等に用
いられる。
を示す。同図に示すようにSAWデバイスは、LiNb
O3 等の圧電性基板100上にAl薄膜等の金属材料を
エッチング等により加工したくし歯状電極(IDT:I
nterdigital Transducer)10
1、102を設けて構成される。そして、IDT101
に高周波の電気信号が印加されると圧電性基板100表
面にSAW103が励振される。励振されたSAW10
3は、圧電性基板100表面を伝搬してIDT102に
達し、IDT102において再び電気信号に変換され
る。
イスは、固体表面と真空または気体の境界面、すなわち
固体表面を伝搬する弾性波を利用するために伝搬媒体で
ある圧電性基板の表面を自由表面とする必要がある。従
って、SAWデバイスにおいては、例えば半導体のパッ
ケージに使用されるようなプラスチックモールドでチッ
プを覆うことができず、パッケージ内部に自由表面を確
保するための中空部を設ける必要がある。しかしなが
ら、パッケージ内部に中空部を設けた構造にすると、デ
バイスが比較的高価かつ大型になるという問題がある。
バイスと同等の機能を有し、小型化及びコストダウンが
容易な弾性境界波デバイスを提供することを目的として
いる。
め、本発明の弾性境界波デバイスは、2枚の基板を張り
合わせ、これらの境界面に弾性波が伝搬するものであっ
て、一方の基板をSi基板とし、他方の基板をLiNb
O3 基板とし、かつこれらの基板を以下のカット面と伝
搬方位を有する組み合わせとした。
弾性波であり、この弾性境界波の存在に関する理論的な
検討は、例えば清水、入野等の「ZnOとガラスの境界
面を伝搬するストンリー波の理論的検討」学信論
(C),J65-C,11,pp.883-890 により取り扱われてい
る。この論文では、2種の固体の一方は圧電材料である
ZnO、もう一方はガラスの組み合わせの場合が取り扱
われているが、2種の固体のうち少なくともどちらか一
方に弾性波を励振するために圧電性があり2種の固体の
境界面に弾性波のエネルギーが集中して伝搬する波が存
在すれば弾性境界波デバイスを実現することができる。
O3 基板を張り合わせた界面に弾性境界波が存在するこ
とを弾性波の伝搬解析により見出だした。
す。
トを用い、境界波の伝搬方位がSi基板の<100>も
しくは<110>とLiNbΟ3 基板のΧ軸が一致する
場合についてLiNbΟ3 基板のカット方位をパラメー
タとして弾性境界波の位相速度、伝搬損失及び電気機械
結合係数(k2 :電気信号から弾性境界波への変換効
率)を数値解析により求めた。図4は位相速度、図5は
伝搬損失、図6は電気機械結合係数の解析結果である。
<110>伝搬/ 175°Y−Χ LiNbO3 の組み合
わせで伝搬損失がほぼ0でk2 も11.6%と大きい弾性境
界波が得られることが分かる。
搬/ 125°Y−X LiNbO3 、Si[001]カッ
ト<100>伝搬/ 133°Y−Χ LiNbO3 、Si
[001]カット<100>伝搬/ 175°Y−X Li
NbO3 の組み合わせでも伝搬損失がほぼ0となること
も分かった。
ト<110>伝搬/19°Y−X LiNbO 3の組み合
わせで位相速度が 4.615m/s、損失がほぼ0でK2 が
9.8%となる弾性境界波が得られることが分かった。
み合わせのSi基板とLiNbO3とを用いることで、
これらの境界面での弾性境界波の伝搬を可能とするもの
である。これにより、SAWデバイスと同等の機能を有
し、プラスチックモールド等でチップを直接覆うことが
可能で、さらに半導体プロセスをそのまま適用して製造
することが可能でかつアクティブ素子等の他の素子を搭
載することも可能な弾性境界波デバイスを実現できる。
づいて説明する。
性境界波デバイスの構成を示す図であって、図1は分解
斜視図、図2は正面図、図3は図2のA−A矢視平面図
である。
デバイス1は、Si基板2の主面上にくし歯状の溝3を
有する誘電体膜4を形成すると共にその溝3に導電性材
料を埋め込んでくし歯状電極5を形成し、その上にLi
NbO3 基板6を張り合わせて構成される。
られているように意図的にn−型、p−型として比抵抗
を下げたものではなく、くし歯状電極5による直流的な
漏れを防ぐために10Ωcm以上の高抵抗であることが
好ましい。
基板2の主面の面積より小さい。例えば、LiNbO3
基板6の主面は、最低限弾性境界波が伝搬するために必
要な有効な領域のみに張り付ければよい。これによりS
i基板2の主面のうち露出面7に、後述するアクティブ
素子等の他の素子を搭載することが可能である。また、
LiNbO3 基板6はSi基板2と比べ比較的高価であ
ることから、圧電体基板材料を少なくできコストダウン
を図ることができる。しかし、LiNbO3 基板6の主
面の面積とSi基板2の主面の面積とを同じものとする
ことも可能であるし、LiNbO3 基板6の主面の面積
をSi基板2の主面の面積より大きくすることも可能で
ある。
O3 基板6は以下のカット面と伝搬方位を有する組み合
わせのうちいずれかが採用される。
りSi基板2の主面を酸化処理するだけでSiO2 を形
成することが可能となる。しかし、他の誘電体膜4を敢
えて形成するようにしてもよい。
る。しかし、他の導電性材料を用いることも可能であ
る。くし歯状電極5は、例えば励振用の対向する一対の
くし歯状電極8と受信用の対向する一対のくし歯状電極
9とにより構成される。しかし、これらの電極をそれぞ
れ複数設けてもよい。また、くし歯状電極5の他に例え
ばこれらの電極を挟むように反射電極を設けてもよい。
さらに、こうした電極ばかりでなく、例えばこれらの電
極を挟むように吸音材を形成するようにしてもよい。要
するに、本発明に係る弾性境界波デバイスは、例えば従
来のSAWデバイスに代えて用いられるものであって、
すなわちフィルタ、遅延線、共振器、発振器、アナログ
信号処理用回路、増幅器、コンバルバメモリ等に用いら
れるが、くし歯状電極5等の構成はこれらの用途、仕様
等に応じて適宜設計変更される。
について説明する。
明するための図である。
により 0.1〜 2μm程度のSiO2膜71を形成する
(図7(a))。
Ε(Cemical Dry Ecthing)によりくし歯状の溝72をパ
ターニングする(図7(b))。
ばスパッタ法によりAl膜73を成形する(図7
(c))。
るまで研磨する(図7(d))。
lを埋め込んだ電極(くし歯状電極74)が構成され
る。
が形成されたSi基板70の主面及びLiNbO3 基板
75の主面を例えば過酸化アンモニア水により表面処理
することにより、両者の表面を水酸基化する(図7
(e))。
基板75の主面とを対接させ、約 300℃で1〜2時間程
度加熱する(図7(f))。
OH基同士が結合しH2 Oが遊離し、異種材料であるS
i基板70とLiNbO3 基板75とを直接接合するこ
とができる。なお、加熱温度は、好ましくは約 300℃で
あるが、 100〜1000℃の間とすることができる。 100℃
以下ではOH基同士が結合する反応を生じないし、1000
℃以上では要素部材に熱的悪影響を及ぼす可能性がある
からである。
あることは江田等:「圧電材料の直接接合」信学技報US
95-24.ΕMD95-20,CPM95-32.(1995-07),pp.31-38に
も報告されている。Si基板とLiNbO3 基板とは上
記以外の方法でも前記江田等の報告にあるように容易に
接合することが可能である。
波デバイスでは、境界波を励振するためのくし歯型電極
74をSi基板70上に形成することができるため通常
の半導体デバイスの製造技術をそのまま転用することが
できる。
とくし歯状電極74を予めSi基板70に形成する例を
示したが、SiO2 膜71とくし歯状電極74をLiN
bO3 基板75上に予め形成し、Si基板70と直接張
り付ける方法でも同様の構造の弾性境界波デバイスを製
造することができる。
るくし歯型電極のその他の構成方法を図8に示す。
の加工により 0.1〜 2μm程度のくし歯状の溝81を形
成する(図8(a))。
にAl膜82を例えばスパッタ法により形成する(図8
(b))。
面が現れるまで研磨する(図8(c))。
Αlを埋め込んだ電極(くし歯状電極83)が構成され
る。
素子を搭載した例を示す。
20主面の第1の領域121には、くし歯状電極(図示
せず)が形成され、これを覆うようにLiNbO3 基板
122が張り合わされている。Si基板120主面の露
出領域である第2の領域123には、集積回路124が
形成されている。これにより、例えばプログラマブルな
フィルタ回路素子等の機能的なデバイスを1チップで構
成することができるようになる。
波デバイスをプリント配線板上に実装した例をそれぞれ
示している。
131のSi基板132主面の第2の領域133には、
ボンディングパッド134が形成されている。プリント
配線板135上の所定の位置にこの弾性境界波デバイス
131が搭載され、弾性境界波デバイス131のボンデ
ィングパッド134とプリント配線板135上の所定の
位置に設けられたボンディングパッド136とがボンデ
ィングワイヤ137により接続されている。そして、こ
れらを覆うようにポリイミドやエポキシ樹脂等により樹
脂封止138がされている。
ように、弾性境界波デバイス141のSi基板142に
は主面回路部より裏面のパッド143に通じるスルーホ
ール144が形成されている。プリント配線板145上
の所定の位置にこの弾性境界波デバイス141が搭載さ
れ、弾性境界波デバイス141のパッド143とプリン
ト配線板145上の所定の位置に設けられたパッド14
6とがバンプ147により接続されている。そして、こ
れらを覆うようにポリイミドやエポキシ樹脂等により樹
脂封止148がされている。
ばフィルタ、遅延線、共振器、発振器、アナログ信号処
理用回路、増幅器、コンバルバメモリ等に用いられる。
そして、これらの弾性境界波デバイスを備えたフィル
タ、遅延線、共振器等は、携帯電話、PHS、TV等に
用いられる。
装置の構成を示すブロック図である。 同図に示すよう
に、アンテナ151を介して受信した受信波は、アンテ
ナ共用器152により受信系に分離される。分離された
受信信号は、アンプ153により増幅された後、受信用
バンドパスフィルタ154により所望の帯域が抽出さ
れ、ミキサ155に入力される。ミキサ155には、P
LL発振器156により発振された局発信号が局発フィ
ルタ157を介して入力されている。ミキサ155の出
力は、IFフィルタ158、FM復調器159を介して
スピーカ160より受信音として出力される。一方、マ
イク161より入力された送話音は、FM変調器162
を介してミキサ163に入力される。ミキサ163に
は、PLL発振器164により発振された局発信号が入
力されている。ミキサ163の出力は、送信用バンドパ
スフィルタ165、パワーアンプ166及びアンテナ共
用器152を介してアンテナ151より送信波として出
力される。
移動通信装置の各部に使用することができる。例えば、
送信用バンドパスフィルタ165、受信用バンドパスフ
ィルタ154、局発フィルタ157及びアンテナ共用器
152には、本発明に係る弾性境界波デバイスがRF段
のフィルタとして使われる。IFフィルタ158には、
本発明に係る弾性境界波デバイスがチャネル選局に不可
欠な狭帯域のIF段のフィルタとして使われる。FM変
調器162には、本発明に係る弾性境界波デバイスが音
声のFM変調における共振子として使われる。
RやCATVに用いられるRFモジュレータの発振回路
等にも用いることができる。その回路構成を図13に示
す。図9に示したSi基板120主面の第1の領域12
1にくし歯状電極167を形成し、第2の領域123に
回路部168を形成することで、この発振回路を1チッ
プで構成することができる。
波デバイスによれば、SAWデバイスと同等の機能を有
し、プラスチックモールド等でチップを直接覆うことが
可能で、さらに半導体プロセスをそのまま適用して製造
することが可能でかつアクティブ素子等の他の素子を搭
載することも可能となり、小型化及びコストダウンが容
易となる。
の構成を示す分解斜視図である。
を示す図である。
を示す図である。
解析結果を示す図である。
一実施形態を説明するための工程図である。
電極の他の構成方法を示す工程図である。本発明の弾性
境界波デバイスの他の実施形態を示す正面図である。
示す斜視図である。
板上に実装した例を示す正面図である。
板上に実装した他の例を示す正面図である。
動体通信装置の構成を示すブロック図である。
Fモジュレータの発振回路の回路図である。
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 2枚の基板を張り合わせ、これらの境界
面に弾性波が伝搬する弾性境界波デバイスであって、 一方の基板が、[001]カットかつ<110>方位伝
搬のSi基板であり、 他方の基板が、175°回転YカットかつX方位伝搬の
LiNbO3 基板であることを特徴とする弾性境界波デ
バイス。 - 【請求項2】 2枚の基板を張り合わせ、これらの境界
面に弾性波が伝搬する弾性境界波デバイスであって、 一方の基板が、[001]カットかつ<110>方位伝
搬のSi基板であり、 他方の基板が、125°回転YカットかつX方位伝搬の
LiNbO3 基板であることを特徴とする弾性境界波デ
バイス。 - 【請求項3】 2枚の基板を張り合わせ、これらの境界
面に弾性波が伝搬する弾性境界波デバイスであって、 一方の基板が、[001]カットかつ<100>方位伝
搬のSi基板であり、 他方の基板が、133°回転YカットかつX方位伝搬の
LiNbO3 基板であることを特徴とする弾性境界波デ
バイス。 - 【請求項4】 2枚の基板を張り合わせ、これらの境界
面に弾性波が伝搬する弾性境界波デバイスであって、 一方の基板が、[001]カットかつ<100>方位伝
搬のSi基板であり、 他方の基板が、175°回転YカットかつX方位伝搬の
LiNbO3 基板であることを特徴とする弾性境界波デ
バイス。 - 【請求項5】 2枚の基板を張り合わせ、これらの境界
面に弾性波が伝搬する弾性境界波デバイスであって、 一方の基板が、[110]カットかつ<110>方位伝
搬のSi基板であり、 他方の基板が、19°回転YカットかつX方位伝搬のL
iNbO3 基板であることを特徴とする弾性境界波デバ
イス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23787796A JP3702050B2 (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 弾性境界波デバイス |
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Family
ID=17021752
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JP23787796A Expired - Lifetime JP3702050B2 (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 弾性境界波デバイス |
Country Status (1)
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