JPH1084149A - 炭酸ガスレーザ装置 - Google Patents

炭酸ガスレーザ装置

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JPH1084149A
JPH1084149A JP23644396A JP23644396A JPH1084149A JP H1084149 A JPH1084149 A JP H1084149A JP 23644396 A JP23644396 A JP 23644396A JP 23644396 A JP23644396 A JP 23644396A JP H1084149 A JPH1084149 A JP H1084149A
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JP
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laser
line
laser light
carbon dioxide
light
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JP23644396A
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Takeshi Sato
健 佐藤
Shigenori Fujiwara
重徳 藤原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、グレーティングを省略してリアミ
ラーの反射率を高め、かつ発振光軸上で10Pラインの
レーザ光を減衰させることにより、9Pラインのレーザ
光の生成効率の向上を図る。 【解決手段】 レーザ光を発振するレーザ媒質部(2)
を有し、レーザ媒質部の一端側に配置されてレーザ光を
レーザ媒質部に向けて反射するリアミラー(11)と、
レーザ媒質部の他端側に配置されて少なくともレーザ光
のうちの9Pラインのレーザ光を出射させる出力ミラー
(12)とを備えた炭酸ガスレーザ装置であって、出力
ミラーとしては、9P20ラインのレーザ光で50%乃
至95%の反射率を有し、かつ10P20ラインのレー
ザ光で30%以下の反射率を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、9Pラインのレー
ザ光を出射する炭酸ガスレーザ装置に係わり、特に、出
力ミラーの前段で10Pラインのレーザ光を低減させる
ことにより、9Pラインのレーザ光の取出し効率を向上
し得る炭酸ガスレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パルス励起の炭酸ガスレーザ装
置を用いる技術の例として、レーザ光によりギャップ間
にプラズマを発生させ、主放電を誘起してスイッチ作用
を行なわせるレーザトリガギャップ(LTSG)が知られてい
る。
【0003】この種のレーザトリガギャップは、例えば
SF6 等の絶縁ガスの雰囲気中に一対の放電電極を互い
に離間させて対向配置させた構造を有し、レーザ光の入
射によりプラズマを発生し、両電極間に絶縁破壊を生じ
させる。但し、絶縁ガスであるSF6 には10Pライン
のレーザ光を吸収する作用があるため、絶縁破壊には1
0Pライン以外のレーザ光を入射することが必要とされ
る。従ってレーザトリガギャップに適用される炭酸ガス
レーザ装置では、10Pライン以外の特定のラインを発
振させる観点からグレーティングが用いられる。
【0004】すなわち、この種の炭酸ガスレーザ装置で
は、グレーティングをレーザ共振器の発振光軸上に配置
し、かつこのグレーティングと出力ミラーとの角度を変
えることにより、10Pラインのレーザ光を発振光軸上
から除去すると共に、9Pラインのレーザ光を発振させ
ている。
【0005】図9は係る炭酸ガスレーザ装置の構成を示
す模式図である。この炭酸ガスレーザ装置は、レーザ媒
質としての炭酸ガスを両端のウインドウ1a,1bにて
封入したレーザ媒質部2を有し、このレーザ媒質部2の
一端のウインドウ1aに対向させてグレーティング3が
配置され、他端のウインドウ1bに対向させて出力ミラ
ー4が配置されている。
【0006】この種の炭酸ガスレーザ装置は、レーザ媒
質が励起されると、グレーティング3と出力ミラー4と
の間でレーザ媒質部2が発振状態となり、レーザ光が出
力ミラー4から出射される。
【0007】このとき、グレーティング3の角度を適切
に変えることにより、9Pライン等の特定の波長のレー
ザ光を出射可能としている。また、他の用途としてはグ
レーティング3により、波長を頻繁に変えることが可能
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような炭酸ガスレーザ装置は、グレーティング3を有す
るため、波長を頻繁に変える場合には有効であるが、必
要とする波長だけを得る場合、効率とコストとを低下さ
せる問題がある。
【0009】すなわち、グレーティング3は、発振する
ラインを選択的に出射させる場合には有効であるが、グ
レーティング自体のコストが高いことから、発振するラ
インを固定的に用いる場合には、かなり割高になってし
まう問題がある。
【0010】また、グレーティング3は、一般に使用さ
れるリアミラーに比べ、反射率が約20%低いため、レ
ーザ光の生成効率を低下させる問題がある。本発明は上
記実情を考慮してなされたもので、グレーティングを省
略してリアミラーの反射率を高め、かつ発振光軸上で1
0Pラインのレーザ光を減衰させることにより、9Pラ
インのレーザ光の生成効率を向上し得る炭酸ガスレーザ
装置を提供することを目的とする。また、本発明の第2
の目的は、グレーティングを不使用とした構成により、
低廉化を図り得る炭酸ガスレーザ装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、レーザ光を発振し、少なくとも前記レーザ光のうち
の9Pラインのレーザ光を出力ミラーを通して出射する
炭酸ガスレーザ装置であって、前記出力ミラーとして
は、前記9P20ラインのレーザ光で50%乃至95%
の反射率を有し、かつ10P20ラインのレーザ光で3
0%以下の反射率を有する炭酸ガスレーザ装置である。
【0012】また、請求項2に対応する発明は、レーザ
光を発振するレーザ媒質部を有し、前記レーザ媒質部の
一端側に配置されて前記レーザ光を前記レーザ媒質部に
向けて反射するリアミラーと、前記レーザ媒質部の他端
側に配置されて少なくとも前記レーザ光のうちの9Pラ
インのレーザ光を出射させる出力ミラーとを備えた炭酸
ガスレーザ装置であって、前記リアミラーとしては、前
記9P20ラインのレーザ光で90%以上の反射率を有
し、かつ10P20ラインのレーザ光で30%以下の反
射率を有する炭酸ガスレーザ装置である。
【0013】さらに、請求項3に対応する発明は、レー
ザ光を発振するレーザ媒質部を有し、前記レーザ媒質部
の一端側に配置されて少なくとも前記レーザ光のうちの
9Pラインのレーザ光を出射させる出力ミラーを備えた
炭酸ガスレーザ装置であって、前記レーザ媒質部と前記
出力ミラーとの間に配置され、前記レーザ光のうち、9
Pラインのレーザ光を透過させ、かつ10Pラインのレ
ーザ光を除去するフィルタ部材を備えた炭酸ガスレーザ
装置である。
【0014】また、請求項4に対応する発明は、請求項
3に対応する炭酸ガスレーザ装置において、前記フィル
タ部材としては、前記9Pラインのレーザ光を透過さ
せ、かつ前記10Pラインのレーザ光を反射するコンバ
インドミラーである炭酸ガスレーザ装置である。
【0015】さらに、請求項5に対応する発明は、請求
項3に対応する炭酸ガスレーザ装置において、前記フィ
ルタ部材としては、前記9Pラインのレーザ光を透過さ
せ、かつ前記10Pラインのレーザ光を吸収する光吸収
ガスの充填されてなるガスセルである炭酸ガスレーザ装
置である。
【0016】また、請求項6に対応する発明は、レーザ
光を発振するレーザ媒質部を有し、前記レーザ媒質部の
一端側に配置されて前記レーザ光を前記レーザ媒質部に
向けて反射するリアミラーと、前記レーザ媒質部の他端
側に配置されて少なくとも前記レーザ光のうちの9Pラ
インのレーザ光を透過させる出力ミラーとを備えた炭酸
ガスレーザ装置であって、少なくとも前記レーザ媒質部
及び前記リアミラーを収容するように設けられ、前記レ
ーザ光のうちの10Pラインのレーザ光を吸収する光吸
収ガスの充填された収容部材を備えた炭酸ガスレーザ装
置である。
【0017】さらに、請求項7に対応する発明は、レー
ザ光を発振するレーザ媒質部を有し、少なくとも前記レ
ーザ光のうちの9Pラインのレーザ光を出力ミラーを通
して出射する炭酸ガスレーザ装置であって、前記レーザ
媒質部としては、前記レーザ光のうちの10Pラインの
レーザ光を吸収する光吸収ガスが混入されている炭酸ガ
スレーザ装置である。 (補足説明)請求項1に対応する出力ミラー、請求項2
に対応するリアミラー、請求項4に対応するコンバイン
ドミラーの如き、波長を選択的に反射するミラーは、例
えば、ZnSe基板上にZn及びSeを交互に1層以上
コーティングして形成可能であり、具体的には、Znと
Seとの割合に対応させて光の反射率を波長毎に選択可
能としている。なお、ZnSe基板、Zn層及びSe層
からなる構造には限定されず、例えばGe基板上に波長
選択層を形成するといったように、他の光反射材料を用
いてもよい。
【0018】請求項5乃至請求項7のいずれか1項に対
応する光吸収ガスは、例えば、電気絶縁性を有し、且つ
9Pラインのレーザ光を透過させると共に、10Pライ
ンのレーザ光を吸収するSF6 が使用可能となってい
る。
【0019】(作用)従って、請求項1に対応する発明
は以上のような手段を講じたことにより、出力ミラー
が、9P20ラインのレーザ光を50%乃至95%の範
囲で反射し、10P20ラインのレーザ光を30%以下
反射するので、グレーティングを省略してリアミラーの
反射率を高め、かつ発振光軸上で10Pラインのレーザ
光を減衰させることにより、9Pラインのレーザ光の生
成効率を向上でき、また、グレーティングを不使用とし
た構成により、装置の低廉化を図ることができる。
【0020】また、請求項2に対応する発明は、リアミ
ラーが、9P20ラインのレーザ光を90%以上反射
し、10P20ラインのレーザ光を30%以下反射する
ので、前述同様に、9Pラインのレーザ光の生成効率を
向上でき、また、装置の低廉化を図ることができる。
【0021】さらに、請求項3に対応する発明は、フィ
ルタ部材が、レーザ光のうちの9Pラインを透過させ、
かつ10Pラインを除去するので、前述同様に、9Pラ
インのレーザ光の生成効率を向上でき、また、装置の低
廉化を図ることができる。
【0022】また、請求項4に対応する発明は、請求項
3に対応するフィルタ部材が、レーザ光のうちの9Pラ
インを透過させ、かつ10Pラインを反射するコンバイ
ンドミラーであるため、請求項3に対応する作用と同様
の作用を奏することができる。
【0023】さらに、請求項5に対応する発明は、請求
項3に対応するフィルタ部材が、レーザ光のうちの9P
ラインを透過させ、かつ10Pラインのレーザ光を吸収
する光吸収ガスの充填されてなるガスセルであるため、
請求項3に対応する作用と同様の作用を奏することがで
きる。
【0024】また、請求項6に対応する発明は、レーザ
媒質部を収容する収容部材に充填された光吸収ガスがレ
ーザ光のうちの10Pラインのレーザ光を吸収するの
で、前述同様に、9Pラインのレーザ光の生成効率を向
上でき、また、装置の低廉化を図ることができる。
【0025】さらに、請求項7に対応する発明によれ
ば、レーザ媒質部に混入された光吸収ガスが、レーザ光
のうちの10Pラインのレーザ光を吸収するので、前述
同様に、9Pラインのレーザ光の生成効率を向上でき、
また、装置の低廉化を図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。 (第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態
に係る炭酸ガスレーザ装置の構成を示す模式図であり、
図9と同一部分には同一符号を付して詳細に説明する。
この炭酸ガスレーザ装置は、両端に2つのウインドウ1
a,1bが互いに対向させて設けられ、内部に炭酸ガス
からなるレーザ媒質の封入されてなるレーザ媒質部2を
備えている。このレーザ媒質部2の両端側には、一方の
ウインドウ1aに対向してリアミラー11が配置され、
他方のウインドウ1bに対向して出力ミラー12が配置
されている。
【0027】ここで、リアミラー11は、9Pライン及
び10Pラインのいずれのレーザ光に関しても97%程
度以上の反射率をもつ銅ミラーが使用される。出力ミラ
ー12は、図2に示すように、波長9.6μmのレーザ
光に対して50%以上の反射率を有し、かつ波長10.
6μmのレーザ光に対して30%以下の反射率をもつよ
うに波長選択膜がコーティングされて形成される。な
お、波長9.6μmは9P20ラインに対応し、波長1
0.6μmは10P20ラインに対応している。
【0028】具体的には、出力ミラー12は、例えばZ
nSe基板上にZn及びSeが交互に1層以上コーティ
ングされて形成可能であり、ZnとSeとの割合にて光
の反射率を波長毎に選択可能となっている。
【0029】次に、このような炭酸ガスレーザ装置の動
作を説明する。レーザを発振する場合、通常は10P2
0ラインのレーザ光が発振される。レーザ媒質部2を励
起すると、出力ミラー12と、リアミラー11との間で
誘導放出が生じ、レーザ光が出力ミラー12から出射さ
れる。
【0030】このとき、出力ミラー12では、10Pラ
インよりも9Pラインのレーザ光の反射率が高くなるよ
うに形成されているので、レーザ媒質部3の中では10
Pラインの発振が抑制されて9Pラインがゲインを得
る。これにより、9Pラインの中でゲインの高い9P2
0ライン付近のレーザ光が優先的に出射される。
【0031】上述したように第1の実施の形態によれ
ば、出力ミラー12が、9P20ラインのレーザ光を5
0%以上反射し、10P20ラインのレーザ光を30%
以下反射するので、従来とは異なり、グレーティング3
を省略してリアミラー11の反射率を高め、かつ発振光
軸上で10Pラインのレーザ光を減衰させることによ
り、9Pラインのレーザ光の生成効率を向上させること
ができる。
【0032】また、グレーティング3を不使用とした構
成により、装置の低廉化を図ることができる。 (第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施の形態
に係る炭酸ガスレーザ装置について説明する。
【0033】図3はこの炭酸ガスレーザ装置の構成を示
す模式図であり、図9と同一部分には同一符号を付して
その詳しい説明は省略し、ここでは異なる部分について
のみ述べる。
【0034】すなわち、本実施の形態装置は、第1の実
施の形態と同様に、グレーティングを省略すると共に、
10Pラインの発振を抑制して9Pラインの発振を促進
するものであり、具体的には、図3に示すように、グレ
ーティング3に代えて、リアミラー13を備えている。
【0035】ここで、リアミラー13は、図4に示すよ
うに、波長9.6μmのレーザ光に対して90%以上の
反射率を有し、かつ波長10.6μmのレーザ光に対し
て30%以下の反射率をもつように前述同様に波長選択
膜がコーティングされて形成される。
【0036】なお、出力ミラー4は、図1に示したもの
とは異なり、一般的な従来の出力ミラー4が使用されて
いる。次に、このような構造としても、リアミラー13
と出力ミラー4との間の発振光軸上にてリアミラー13
が、10Pラインのレーザ光よりも9Pラインのレーザ
光を多く反射するので、レーザ媒質部2の中では10P
ラインの発振が抑制されて9Pラインがゲインを得る。
これにより、前述同様に、9Pラインの中でゲインの高
い9P20ライン付近のレーザ光が優先的に出射され
る。
【0037】上述したように第2の実施の形態によれ
ば、リアミラー13が、9P20ラインのレーザ光を9
0%以上反射し、10P20ラインのレーザ光を30%
以下反射するので、第1の実施の形態と同様に、9Pラ
インのレーザ光の生成効率を向上でき、また、装置の低
廉化を図ることができる。 (第3の実施の形態)次に、本発明の第3の実施の形態
に係る炭酸ガスレーザ装置について説明する。
【0038】図5はこの炭酸ガスレーザ装置の構成を示
す模式図であり、図1及び図9と同一部分には同一符号
を付してその詳しい説明は省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。
【0039】すなわち、本実施の形態装置は、第1の実
施の形態と同様に、グレーティング3を省略すると共
に、10Pラインの発振を抑制して9Pラインの発振を
促進するものであり、具体的には、図5に示すように、
グレーティング3に代えて、リアミラー11を備え、か
つ、従来の出力ミラー4とレーザ媒質部2との間にコン
バインドミラー14を設けている。
【0040】ここで、リアミラー11は、第1の実施の
形態と同様の銅ミラーが使用される。コンバインドミラ
ー14は、9Pラインのレーザ光を透過させ、10Pラ
インのレーザ光を反射させるようにコーティングが施さ
れており、かつ、反射光軸を発振光軸から外すようにレ
ーザ媒質部2及び出力ミラー4に対してわずかに斜めを
向いて対向配置されている。
【0041】このような構造としても、リアミラー11
と出力ミラー4との間の発振光軸上にてコンバインドミ
ラー14が9Pラインのレーザ光を透過させると共に、
10Pラインのレーザ光を発振光軸から外すように反射
するので、レーザ媒質部2の中では10Pラインの発振
が抑制されて9Pラインがゲインを得る。これにより、
前述同様に、9Pラインの中でゲインの高い9P20ラ
イン付近のレーザ光が優先的に出射される。
【0042】上述したように第3の実施の形態によれ
ば、発振光軸上のコンバインドミラー14が、レーザ光
のうちの9Pラインを透過させ、かつ10Pラインを除
去するので、第1の実施の形態と同様に、9Pラインの
レーザ光の生成効率を向上でき、また、装置の低廉化を
図ることができる。 (第4の実施の形態)次に、本発明の第4の実施の形態
に係る炭酸ガスレーザ装置について説明する。
【0043】図6はこの炭酸ガスレーザ装置の構成を示
す模式図であり、図1及び図9と同一部分には同一符号
を付してその詳しい説明は省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。
【0044】すなわち、本実施の形態装置は、第1の実
施の形態と同様に、グレーティングを省略すると共に、
10Pラインの発振を抑制して9Pラインの発振を促進
するものであり、具体的には、図6に示すように、グレ
ーティング3に代えて、リアミラー11を備え、かつ、
出力ミラー4とレーザ媒質部2との間にガスセル20を
設けている。
【0045】ここで、リアミラー11は、第1の実施の
形態と同様の銅ミラーが使用される。ガスセル20は、
9Pラインのレーザ光を透過させ、10Pラインのレー
ザ光を吸収する光吸収ガスが封入された容器であり、か
つ、発振光軸上の容器側壁にはウインドウ21a,21
bが取付けられている。なお、光吸収ガスは、ここでは
SF6 ガスが使用されている。
【0046】このような構造としても、リアミラー11
と出力ミラー4との間の発振光軸上にてガスセル20が
9Pラインのレーザ光を透過させると共に、10Pライ
ンのレーザ光を吸収するので、前述同様に、レーザ媒質
部2の中では10Pラインの発振が抑制される一方、9
Pラインがゲインを得る。これにより、9Pラインの中
でゲインの高い9P20ライン付近のレーザ光が優先的
に出射される。
【0047】上述したように第4の実施の形態によれ
ば、ガスセル20に充填された光吸収ガスがレーザ光の
うちの9Pラインを透過させ、かつ10Pラインのレー
ザ光を吸収するので、第3の実施の形態と同様に、9P
ラインのレーザ光の生成効率を向上でき、また、装置の
低廉化を図ることができる。 (第5の実施の形態)次に、本発明の第5の実施の形態
に係る炭酸ガスレーザ装置について説明する。
【0048】図7はこの炭酸ガスレーザ装置の構成を示
す模式図であり、図1及び図9と同一部分には同一符号
を付してその詳しい説明は省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。
【0049】すなわち、本実施の形態装置は、第1の実
施の形態と同様に、グレーティング3を省略すると共
に、10Pラインの発振を抑制して9Pラインの発振を
促進するものであり、具体的には、図7に示すように、
グレーティング3に代えて、リアミラー11を備え、か
つ、レーザ媒質部2及びリアミラー11を収容するよう
に収容部材22が設けられている。
【0050】ここで、収容部材22は、リアミラー11
から見てレーザ媒質部2を通過した延長線上(発振光軸
上)に出力ミラー4を有しており、かつ、レーザ光のう
ちの10Pラインのレーザ光を吸収する光吸収ガスとし
てのSF6 ガス23が封入されている。なお、SF6
ス23は、10Pラインの光吸収作用に加え、電気絶縁
作用を有する。
【0051】このような構造としても、リアミラー11
と出力ミラー4との間の発振光軸上にてSF6 ガス23
が9Pラインのレーザ光を透過させると共に、10Pラ
インのレーザ光を吸収するので、前述同様に、レーザ媒
質部2の中では10Pラインの発振が抑制される一方、
9Pラインがゲインを得る。これにより、9Pラインの
中でゲインの高い9P20ライン付近のレーザ光が優先
的に出射される。
【0052】また、SF6 ガス23にてレーザ媒質部2
を覆っているので、レーザ媒質部2内の放電部に電圧を
供給するための電源部の絶縁性を向上させることができ
る。上述したように第5の実施の形態によれば、レーザ
媒質部2を収容する収容部材22に充填されたSF6
スがレーザ光のうちの10Pラインのレーザ光を吸収す
るので、第4の実施の形態と同様に、9Pラインのレー
ザ光の生成効率を向上でき、また、装置の低廉化を図る
ことができることに加え、さらに、SF6 ガスが良好な
電気絶縁性を有することにより、信頼性の向上を図るこ
とができる。 (第6の実施の形態)次に、本発明の第6の実施の形態
に係る炭酸ガスレーザ装置について説明する。
【0053】図8はこの炭酸ガスレーザ装置の構成を示
す模式図であり、図1及び図9と同一部分には同一符号
を付してその詳しい説明は省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。
【0054】すなわち、本実施の形態装置は、第1の実
施の形態と同様に、グレーティング3を省略すると共
に、10Pラインの発振を抑制して9Pラインの発振を
促進するものであり、具体的には、図8に示すように、
グレーティング3に代えて、リアミラー11を備え、か
つ、炭酸ガスの封入されてなるレーザ媒質部2に、前述
した光吸収ガスとしてのSF6 ガス23が一部混入され
ている。
【0055】このような構造としても、レーザ媒質部2
の中では一部混入されたSF6 ガス23が9Pラインの
レーザ光を透過させると共に、10Pラインのレーザ光
を吸収するので、レーザ媒質部2の中では10Pライン
の発振が抑制される一方、9Pラインがゲインを得る。
これにより、9Pラインの中でゲインの高い9P20ラ
イン付近のレーザ光が優先的に出射される。
【0056】上述したように第6の実施の形態によれ
ば、レーザ媒質部2に混入されたSF6 ガスが、レーザ
光のうちの10Pラインのレーザ光を吸収するので、第
4の実施の形態と同様に、9Pラインのレーザ光の生成
効率を向上でき、また、装置の低廉化を図ることができ
る。 (他の実施の形態)なお、上記第1乃至第3の実施の形
態では、出力ミラー12、リアミラー13及びコンバイ
ンドミラー14の構造としてZnSe基板上にZnとS
eとを交互に積層させる場合を説明したが、これに限ら
ず、Ge基板の如き、他の光反射材料を用いた構成とし
ても、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることが
できる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で
種々変形して実施できる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、出力ミラーが、9P20ラインのレーザ光を50
%乃至95%の範囲で反射し、10P20ラインのレー
ザ光を30%以下反射するので、グレーティングを省略
してリアミラーの反射率を高め、かつ発振光軸上で10
Pラインのレーザ光を減衰させることにより、9Pライ
ンのレーザ光の生成効率を向上でき、また、グレーティ
ングを不使用とした構成により、装置の低廉化を図り得
る炭酸ガスレーザ装置を提供できる。
【0058】また、請求項2の発明によれば、リアミラ
ーが、9P20ラインのレーザ光を90%以上反射し、
10P20ラインのレーザ光を30%以下反射するの
で、前述同様に、9Pラインのレーザ光の生成効率を向
上でき、また、装置の低廉化を図り得る炭酸ガスレーザ
装置を提供できる。
【0059】さらに、請求項3の発明によれば、フィル
タ部材が、レーザ光のうち、9Pラインのレーザ光を透
過させ、10Pラインのレーザ光を除去するので、前述
同様に、9Pラインのレーザ光の生成効率を向上でき、
また、装置の低廉化を図り得る炭酸ガスレーザ装置を提
供できる。
【0060】また、請求項4の発明によれば、請求項3
に対応するフィルタ部材が、9Pラインのレーザ光を透
過させ、10Pラインのレーザ光を反射するコンバイン
ドミラーであるため、請求項3と同様の効果を奏する炭
酸ガスレーザ装置を提供できる。
【0061】さらに、請求項5の発明によれば、請求項
3に対応するフィルタ部材が、9Pラインのレーザ光を
透過させ、10Pラインのレーザ光を吸収する光吸収ガ
スの充填されてなるガスセルであるため、請求項3と同
様の効果を奏する炭酸ガスレーザ装置を提供できる。
【0062】また、請求項6の発明によれば、レーザ媒
質部を収容する収容部材に充填された光吸収ガスがレー
ザ光のうちの10Pラインのレーザ光を吸収するので、
前述同様に、9Pラインのレーザ光の生成効率を向上で
き、また、装置の低廉化を図り得る炭酸ガスレーザ装置
を提供できる。
【0063】さらに、請求項7に対応する発明によれ
ば、レーザ媒質部に混入された光吸収ガスが、レーザ光
のうちの10Pラインのレーザ光を吸収するので、前述
同様に、9Pラインのレーザ光の生成効率を向上でき、
また、装置の低廉化を図り得る炭酸ガスレーザ装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る炭酸ガスレー
ザ装置の構成を示す模式図。
【図2】同実施の形態における出力ミラーの反射率の波
長依存性を示す特性図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る炭酸ガスレー
ザ装置の構成を示す模式図。
【図4】同実施の形態におけるリアミラーの反射率の波
長依存性を示す特性図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る炭酸ガスレー
ザ装置の構成を示す模式図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る炭酸ガスレー
ザ装置の構成を示す模式図。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る炭酸ガスレー
ザ装置の構成を示す模式図。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る炭酸ガスレー
ザ装置の構成を示す模式図。
【図9】従来の炭酸ガスレーザ装置の構成を示す模式
図。
【符号の説明】
1a,1b,21a,21b…ウインドウ。 2…レーザ媒質部。 11,13…リアミラー 12…出力ミラー。 14…コンバインドミラー。 20…ガスセル。 22…収容部材。 23…SF6 ガス。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を発振し、少なくとも前記レー
    ザ光のうちの9Pラインのレーザ光を出力ミラーを通し
    て出射する炭酸ガスレーザ装置であって、 前記出力ミラーは、前記9P20ラインのレーザ光で5
    0%乃至95%の反射率を有し、かつ10P20ライン
    のレーザ光で30%以下の反射率を有することを特徴と
    する炭酸ガスレーザ装置。
  2. 【請求項2】 レーザ光を発振するレーザ媒質部を有
    し、前記レーザ媒質部の一端側に配置されて前記レーザ
    光を前記レーザ媒質部に向けて反射するリアミラーと、
    前記レーザ媒質部の他端側に配置されて少なくとも前記
    レーザ光のうちの9Pラインのレーザ光を出射させる出
    力ミラーとを備えた炭酸ガスレーザ装置であって、 前記リアミラーは、前記9P20ラインのレーザ光で9
    0%以上の反射率を有し、かつ10P20ラインのレー
    ザ光で30%以下の反射率を有することを特徴とする炭
    酸ガスレーザ装置。
  3. 【請求項3】 レーザ光を発振するレーザ媒質部を有
    し、前記レーザ媒質部の一端側に配置されて少なくとも
    前記レーザ光のうちの9Pラインのレーザ光を出射させ
    る出力ミラーを備えた炭酸ガスレーザ装置であって、 前記レーザ媒質部と前記出力ミラーとの間に配置され、
    前記レーザ光のうち、9Pラインのレーザ光を透過さ
    せ、かつ10Pラインのレーザ光を除去するフィルタ部
    材を備えたことを特徴とする炭酸ガスレーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の炭酸ガスレーザ装置に
    おいて、 前記フィルタ部材は、前記9Pラインのレーザ光を透過
    させ、かつ前記10Pラインのレーザ光を反射するコン
    バインドミラーであることを特徴とする炭酸ガスレーザ
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の炭酸ガスレーザ装置に
    おいて、 前記フィルタ部材は、前記9Pラインのレーザ光を透過
    させ、かつ前記10Pラインのレーザ光を吸収する光吸
    収ガスの充填されてなるガスセルであることを特徴とす
    る炭酸ガスレーザ装置。
  6. 【請求項6】 レーザ光を発振するレーザ媒質部を有
    し、前記レーザ媒質部の一端側に配置されて前記レーザ
    光を前記レーザ媒質部に向けて反射するリアミラーと、
    前記レーザ媒質部の他端側に配置されて少なくとも前記
    レーザ光のうちの9Pラインのレーザ光を透過させる出
    力ミラーとを備えた炭酸ガスレーザ装置であって、 少なくとも前記レーザ媒質部及び前記リアミラーを収容
    するように設けられ、前記レーザ光のうちの10Pライ
    ンのレーザ光を吸収する光吸収ガスの充填された収容部
    材を備えたことを特徴とする炭酸ガスレーザ装置。
  7. 【請求項7】 レーザ光を発振するレーザ媒質部を有
    し、少なくとも前記レーザ光のうちの9Pラインのレー
    ザ光を出力ミラーを通して出射する炭酸ガスレーザ装置
    であって、 前記レーザ媒質部は、前記レーザ光のうちの10Pライ
    ンのレーザ光を吸収する光吸収ガスが混入されているこ
    とを特徴とする炭酸ガスレーザ装置。
JP23644396A 1996-09-06 1996-09-06 炭酸ガスレーザ装置 Pending JPH1084149A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016520994A (ja) * 2013-03-15 2016-07-14 シンラッド,インコーポレイテッド レーザの光学部品の保護

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