JPH1083134A - 給紙搬送システム - Google Patents

給紙搬送システム

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Publication number
JPH1083134A
JPH1083134A JP9130790A JP13079097A JPH1083134A JP H1083134 A JPH1083134 A JP H1083134A JP 9130790 A JP9130790 A JP 9130790A JP 13079097 A JP13079097 A JP 13079097A JP H1083134 A JPH1083134 A JP H1083134A
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JP
Japan
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unit
sequence
actuator
paper
control sequence
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Pending
Application number
JP9130790A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiki Shimomura
芳樹 下村
Sadao Tanigawa
貞夫 谷川
Kazuhiro Ogawa
和博 小川
Hirobumi Nishino
博文 西野
Kenji Katsuhara
健二 勝原
Toshimitsu Takakura
利充 高倉
Tetsuo Tomiyama
哲男 冨山
Yasushi Umeda
靖 梅田
Tomohiko Sakao
知彦 坂尾
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mita Industrial Co Ltd filed Critical Mita Industrial Co Ltd
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  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Controlling Sheets Or Webs (AREA)
  • Handling Of Sheets (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】画像形成装置の給紙搬送系は、使用環境変化等
の外的な影響や、部品劣化等の系の経時変化によって不
具合が発生する。不具合に対して、現状では、清掃もし
くは部品交換等が行われているだけである。 【解決手段】給紙搬送システムに、自己診断および自己
修復の機能を持たせる。そのため、給紙搬送系を、複数
のユニット8で構成する。各ユニット8に対しては、シ
ステム本体10から給紙搬送動作のための制御シーケン
スが与えられる。各ユニット8は、その制御シーケンス
を実行して、給紙搬送を行う。また、各ユニット8は、
自律動作が可能な構成を有している。そしてこの構成に
より、各ユニットは、自律的に故障診断および故障修復
を行う。故障診断および故障修復は、給紙搬送制御と並
列になされる。 【効果】信頼性が高く保守点検の手間を少なくした給紙
搬送システムを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像形成装置の
ための給紙搬送装置に関し、特に、給紙,搬送状態を自
己診断し、自己修復することのできる機能を備えた給紙
搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機等の画像形成装置の分野で
は、装置の保全自動化のために、人工知能(Artificial
Intelligence:いわゆるAI)技術を利用した自己診断
および自己修復の研究,開発が行われている。そして本
願出願人は、形成される画像の質を良好に維持でき、画
質が劣化する場合には自己診断および自己修復を行える
ようにしたシステムを提案した(たとえば特開平4−1
30331号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、画像形成装置
全体の保全を考えると、形成される画像の画質維持に関
する保全のみでは不十分であり、さらなる保全対象範囲
の拡大が望まれる。一方、近年の複写機の高速化に伴っ
て、多数枚の用紙を連続的に供給することが求められる
ようになってきた。多数枚の用紙の連続供給を実現する
ためには、給紙搬送系の性能向上と安定性が不可欠であ
る。
【0004】しかし、残念なことに既存の給紙搬送シス
テムまたは給紙搬送機構においては、そのほとんどが用
紙のマテリアルを指定したものであったり、環境変化に
対する性能の不安定さから、使用環境を限定しているの
が実情である。また、給紙搬送系では、部品の劣化等の
系の機構自体の経時変化によって発生する不具合(たと
えば重送,無給紙,ジャム)も多く、かかる不具合に対
して、現状では、清掃もしくは部品交換によって、その
機能を維持するといった方法が採られているだけであ
る。
【0005】この発明はかかる背景のもとになされたも
ので、その目的は、給紙搬送装置において、給紙状況お
よび搬送状況を自己診断し、用紙マテリアルや使用環境
変化等の外乱に起因する不具合や、機構自体の経時変化
等による不具合に対して、予防保全および事後保全を図
れるシステムを提供することである。具体的には、自己
修復を行い、系の機能を維持するようにした給紙搬送シ
ステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数のユニットによって所望の給紙搬送系が構成された
給紙搬送システムであって、各ユニットは、アクチュエ
ータおよびアクチュエータにより動作され、または状態
が変化される作用デバイスを含む複数の構成要素と、予
め定める構成要素の状態を検出するセンサと、構成要素
を物理パラメータの因果関係で表わしたパラメータモデ
ル知識、および予め定めるアクチュエータの操作に関す
る知識が記憶された知識記憶手段と、給紙搬送系を構成
する他のユニットと関連付けられた給紙搬送実現のため
の制御シーケンスを実行するシーケンス実行手段と、セ
ンサの出力を監視し、センサの出力から故障を判定する
手段と、故障が判定されたことに応答して、知識記憶手
段に記憶された知識から故障原因および修復計画を求
め、他のユニットとは独立に、そのユニットにおいて自
律的に故障修復を実行する自己診断修復手段と、を含む
ことを特徴とするものである。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の給
紙搬送システムにおいて、自己診断修復手段の修復は、
制御型自己修復を含み、それは、構成要素の構造変更や
再構成を行わずにアクチュエータの制御により修復を行
うものであり、故障による損失機能に関係するパラメー
タをパラメータモデル知識から探索し、そのパラメータ
値を変化させるためのアクチュエータを選択する処理を
含むことを特徴とするものである。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の給紙搬送システムにおいて、さらにシステム本体
を含み、システム本体は、給紙搬送系全体の制御シーケ
ンスを立案するシーケンス立案部と、立案された制御シ
ーケンスを基に用紙の挙動をシミュレーションするシミ
ュレーション部と、シミュレーション部でシミュレーシ
ョンされた結果等を評価するための評価部とを含み、シ
ミュレーション結果が良好であると評価された制御シー
ケンスが、各ユニットに与えられることを特徴とするも
のである。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項3記載の給
紙搬送システムにおいて、システム本体から各ユニット
に与えられる制御シーケンスは、システム本体によって
生成された制御シーケンスが各ユニット毎のシーケンス
に分割されて与えられることを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の給紙搬
送システムにおいて、各ユニットは、与えられる制御シ
ーケンスを、知識記憶手段に記憶された知識に基づいて
ユニットが実行可能な定量的なシーケンスに翻訳するた
めの翻訳手段を含むことを特徴とするものである。
【0010】請求項1記載の構成によれば、給紙搬送系
を構成する各ユニットにおいて、他のユニットと関連付
けられた給紙搬送実現のための動作が行われる。たとえ
ば、搬送速度を400mm/sに維持するための制御が
行われる。とともに、各ユニットにおいて、自律的に、
各ユニットに特定の故障が生じているか否かの自己診断
が行われ、また特定の故障、たとえば「斜め搬送」「無
給紙」「重送」などが生じている場合には、それが自律
的に自己修復される。
【0011】自己診断および自己修復は、請求項2記載
のように、制御型自己修復を含む。制御型自己修復で
は、故障による損失機能に関連するパラメータが探索さ
れて、そのパラメータ値を変化させるようにアクチュエ
ータが駆動される。たとえば、用紙搬送速度が遅い場合
は、モータの速度が上昇されるように操作されるという
具合である。
【0012】この自己診断および自己修復により、その
ユニットは、正常状態に戻されてその結果給紙搬送系全
体の動作が良好な状態に維持される。請求項3に記載の
ように、給紙搬送システムにシステム本体が備えられて
いる場合は、システム本体で給紙搬送系全体の動作を制
御する制御シーケンスが生成される。
【0013】生成された制御シーケンスは、請求項4の
ように、各ユニット単位に分割されて各ユニットに与え
られる。各ユニットに与えられる制御シーケンスは、シ
ステム本体で生成されたいわば汎用的な制御シーケンス
である。そこで、各ユニットでは、請求項5記載のよう
に、与えられる汎用的な制御シーケンスを、そのユニッ
トに固有の知識に基づいて翻訳し、そのユニットで処理
可能なシーケンスに直す。
【0014】このようにすると、システム本体で汎用的
な給紙搬送系全体の制御シーケンスを生成でき、かつ、
各ユニットはその制御シーケンスを翻訳して制御を実行
する。それゆえ各ユニットを交換したり、各ユニットの
能力を変更したりした場合にも、柔軟に対応することの
できるシステムとすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
1.システムの構成 図1に給紙搬送システムの概念図を示す。給紙搬送シス
テムには、システム本体10、複数のユニット8および
各ユニットに対応して設けられた複数のデータテーブル
21が含まれている。
【0016】システム本体10には、制御シーケンスを
立案するための制御シーケンス立案部23、立案された
制御シーケンスを基に用紙の挙動をシミュレーションす
るシミュレーション部26およびシミュレーション部2
6でシミュレーションされた結果等を評価するための評
価部22が含まれている。システム本体10で立案さ
れ、シミュレーション結果が良好であると評価された制
御シーケンスは、ユニット8に与えられる。このとき、
システム本体10で生成された制御シーケンスは、ユニ
ット単位に分割され、複数のユニット8に対してそれぞ
れ対応する制御シーケンスが与えられる。
【0017】複数のユニット8の中には、給紙作業を行
うための給紙ユニット、搬送作業を行うための用紙搬送
ユニット、搬送されてきた用紙を所定の場所へ排出する
ための排紙ユニット等が含まれている。この発明では、
給紙搬送系を、給紙,搬送および排紙を行う一体的なハ
ードウェア構成とはせず、小さな単位ユニットに分割
し、その単位ユニットが複数個集まって給紙搬送系が構
成されるというハードウェア構成を採用している。そし
て各ユニットに、後述するように、自律動作が可能な構
成を付与することによって、各ユニット単位で自己修復
が可能で、故障に柔軟に対応できるシステムが実現され
ている。
【0018】以下にユニット8の概要について説明す
る。一例として給紙ユニットを取り上げて述べる。給紙
ユニット8にはシステム本体10によって制御されるCO
NTROLLED AREA と、システム本体10に直接制御されな
い、いわば自律的にユニットの制御を実行するUNCONTRO
LLED AREA とが含まれている。CONTROLLED AREA では、
給紙ローラの周速の制御(給紙速度の制御)や給紙タイ
ミングの制御が行われる。それら制御は、システム本体
10で生成された制御シーケンスに基づいて実行され
る。また、使用に伴う劣化等により、給紙速度が変化し
たときは、後述する制御型自己修復の手法により、給紙
速度が一定に保たれる。
【0019】UNCONTROLLED AREA では、重送や無給紙等
の給紙故障の修復が自律的に実行される。ここに自律的
とは、ハードウェア的に独立したという意味ではなく、
後述する制御型自己修復の手法により、給紙ユニット8
に特有のパラメータモデルに基づいて、ユニット内のア
クチュエータが選択的に操作されることによって行われ
るという意味である。
【0020】これら各AREAは、マイクロコンピュータ等
の小型計算機によって実現されている。各ユニット8に
は、さらに、図示しないが、用紙に搬送力を付与するた
めのローラ、ローラを回転させるためのモータ、モータ
の駆動力をローラに与えたり与えなかったりするための
クラッチ等が含まれている。つまり、各ユニット8に
は、モータ、ソレノイドなどのアクチュエータおよびア
クチュエータと連動する作用デバイス(アクチュエータ
により動作され、または状態が変化されるクラッチ、ロ
ーラなどのデバイス)を含む複数の構成要素が備えられ
ている。さらに、各ユニット8には、複数の構成要素の
うちの予め定める構成要素の状態、たとえばローラの回
転状態、ローラが用紙に圧接される際の圧接力、モータ
の回転数や回転方向等を検出するための複数のセンサ等
が含まれている。
【0021】さらに、各ユニット8には、それぞれ、後
述するパラメータモデル、アクチュエータ操作知識等の
そのユニットに特有の知識が記憶された知識メモリが備
えられている。データテーブル21は、ユニット8とシ
ステム本体10とで共有されている。データテーブル2
1には、対応するユニット8におけるアクチュエータ情
報やセンサ情報等が書込まれている。またこれらアクチ
ュエータ情報およびセンサ情報は、ユニット8に備えら
れたセンサの出力に基づいて書換えられ、更新される。
このデータテーブル21は、図1の説明ではシステム本
体10の外側に備えられた構成にしたが、システム本体
10内に含まれる構成としてもよい。
【0022】また、ユニット8のパラメータモデル、ア
クチュエータ操作に関する知識等が記憶された知識メモ
リは、このデータテーブル21内に設けてもよい。 2.システム全体の動作の流れ 図2に、給紙搬送システム全体の動作の流れを示す。シ
ステム本体10は、系全体を常に監視し、用紙速度の変
化やジャムが起こりそうな状況が発生した場合に、系全
体の機能を維持するために系全体の制御シーケンスを新
たに生成する。システム本体10によって生成された制
御シーケンス(系全体のシーケンス)は、各ユニット8
ごとのシーケンスに分割されて、各ユニット8に与えら
れる。
【0023】各ユニット8では、分割されて与えられた
制御シーケンスを、ユニットが実行可能な定量的なシー
ケンスに翻訳し、そのシーケンスを実行する。たとえ
ば、与えられた制御シーケンスにおいて、用紙搬送速度
が400mm/sに設定されており、センサで検出され
る用紙搬送速度が380mm/sのとき、後述する制御
型自己修復の手法を用いて、用紙搬送速度がシーケンス
で設定されている速度に修復される。
【0024】また、各ユニット8では、システム本体か
ら与えられる制御シーケンスを実行するのと並行して、
重送や無給紙等の給紙故障を検出すると、各ユニット8
が、自律的に故障修復を実行する。この自律的な故障修
復も、後述するように、制御型自己修復の手法を用いて
行われる。 3.システム本体を中心とする詳細な全体構成 図3は、システム本体10の内部構成を中心に示すシス
テム全体の機能ブロック図である。システム本体10に
は、制御データ管理部20が備えられている。制御デー
タ管理部20は、各ユニット8に備えられたセンサ9か
らの信号に基づいて、予め定める更新周期毎に、各ユニ
ット8に関する情報をデータテーブル21に書込む。よ
ってデータテーブル21には、各ユニット8の現在の状
態(最新の状態)が書込まれていることになる。
【0025】システム本体10には、また、評価部22
が備えられている。評価部22は、データテーブル21
に書込まれている各ユニット8に関する情報に基づい
て、各ユニット8ごとの現在の状態を診断している。具
体的には、たとえばいずれかのユニット8が破損してい
るか否か、いずれかのユニット8の機能が低下している
か否か、用紙ジャムが発生するおそれがあるか否か、ま
たは用紙ジャムが既に発生しているか否か、等を判断す
る。
【0026】診断の結果、故障が発生するおそれがあ
る、または故障が発生していると判断した場合(NO GOO
D)には、当該故障に対する修復を実現するために、シー
ケンス立案部23に制御シーケンスの立案を要求する。
そしてシーケンス立案部23で立案された制御シーケン
スは、シミュレーション部26でシミュレーションさ
れ、その結果はさらに評価部22で評価される。評価が
「GOOD」となった制御シーケンスは、分割部27で各ユ
ニット8ごとに分割されて、各ユニット8へ与えられ
る。
【0027】簡単に言えば、システム本体10は複数の
ユニット8で構成される給紙搬送系全体を常に監視し、
用紙速度の低下やジャムが起こりそうな状態が発生した
場合に、系全体の機能を維持するために、改良された全
体の制御シーケンスを新たに生成して各ユニット8へ与
えるのである。シーケンス立案部23は、評価部22か
ら制御シーケンスの立案が要求されたことに応答して、
制御シーケンスの立案処理を実行する。このとき、シス
テム本体10に備えられている知識ベース24に書込ま
れている知識を参照する。
【0028】知識ベース24には、故障修復に必要な仮
想モデルが知識として書込まれている。具体的には、用
紙経路モデル、ユニットモデル、用紙モデル、搬送路モ
デル、センサモデルが書込まれている。このうち用紙経
路モデル、用紙モデル、搬送路モデルおよびセンサモデ
ルは、予め設定されている。一方、ユニットモデルは、
システム本体10で予期されているユニット8の状態と
実際のユニット8の状態(たとえばユニット8に含まれ
る部品(搬送ローラ等)の劣化等)との差異に相当する
知識である。ユニットモデルは、データテーブル21か
ら状況導出部25によって読出されたデータによって更
新される。ユニットモデルはモデル8の挙動の経時的変
化に相当する情報であるともいえる。
【0029】さらに具体的に説明すると、状況導出部2
5には、ユニット8が現在実行している制御シーケンス
の理想的な挙動情報がシミュレーション部26から与え
られる。状況導出部25は、データテーブル21に書込
まれている実際のユニット8の挙動情報と上記理想的な
挙動情報との差異を求め、この求めた差異に関する情報
を知識ベース24へユニットモデルとして書込む。
【0030】シーケンス立案部23は、このようなユニ
ットモデルを含む知識を利用することによって、制御シ
ーケンスを立案する。これにより、ユニット8の現在の
状態を加味した制御シーケンスの立案を図ることができ
る。なお、シーケンス立案部23で立案される制御シー
ケンスはいわば骨格に相当する大まかなもので、最終的
な制御シーケンスを得るには、搬送シミュレーションを
行う必要がある。
【0031】また、シーケンス立案部23には、評価部
22からの要求の他に、搬送手順の変更等の制御仕様の
変更があった場合にも、外部から制御シーケンスの立案
要求が与えられる。シーケンス立案部は、この場合に
も、上述と同様に、制御シーケンスを立案する。シーケ
ンス立案部23で立案された制御シーケンスは、前述し
たように、シミュレーション部26に与えられる。
【0032】シミュレーション部26は、用紙の搬送を
シーケンス立案部から与えられる制御シーケンスに従っ
て仮想的にシミュレーションする。より具体的には、知
識ベース24に書込まれている用紙経路モデルおよび用
紙モデルに基づいて搬送経路および用紙を仮想的に設定
し、この仮想用紙を与えられた制御シーケンスに従って
仮想搬送経路上で搬送させる。そして、この時の仮想用
紙の振る舞いを認識する。また、ユニット8における用
紙速度等の定量情報を求め、当該定量情報を制御シーケ
ンスに反映させる。これにより、制御シーケンスが完成
する。
【0033】シミュレーション部26での搬送シミュレ
ーションの結果は、評価部22に与えられる。評価部2
2は、シミュレーション部26から与えられるシミュレ
ーション結果に基づいて、シーケンス立案部23で立案
された制御シーケンスが有効か否かを評価する。この評
価の結果、生成された制御シーケンスでは良好に用紙搬
送ができず、故障修復が達成できないと判断された場合
(NO GOOD)には、シーケンス立案部23に対して制御シ
ーケンスの立案が再度要求される。一方、生成された制
御シーケンスならば用紙搬送が良好にできて故障修復が
達成できると判断された場合(GOOD)には、当該制御シー
ケンスは分割部27に与えられる。
【0034】分割部27は、与えられる制御シーケンス
をタスク分割し、この分割された各制御シーケンスをそ
れぞれ対応するユニット8に与える。すなわち、制御シ
ーケンスは時系列的なプログラムであるから、制御シー
ケンスの実行には複数のユニット8が絡むことが予想さ
れる。したがって、制御シーケンスの実行を担当すべき
各ユニット8に対してそれぞれ適切な制御シーケンスが
与えられる。
【0035】以上のように、システム本体10における
制御シーケンスの生成では、制御シーケンスの有効性
が、計算機(システム本体10)内に生成された仮想的
な搬送系においてシミュレーションされ、評価されてい
る。よって実際の搬送系である複数のユニット8の動作
を中断することなく、故障の予防および故障の修復を実
現することができる。
【0036】4.ユニットが参照する知識 前述したようにシステム本体10で生成された制御シー
ケンスは、各ユニット8毎の制御シーケンスに分割され
て各ユニット8へ与えられる。各ユニット8は、与えら
れる制御シーケンスを翻訳して実行する。ここで、シス
テム本体10で生成された制御シーケンスとは、用紙の
挙動を意識したシーケンス(ユニットの発現する用紙状
態への指示として記述されたシーケンス)であり、たと
えば「用紙を400mm/sで搬送する」といったものであ
る。そこで、この用紙の挙動に着目した制御シーケンス
を各ユニット8で実行するためには、各ユニット8の物
理的行動を意識したユニット8ごとの制御シーケンス
(定量的なシーケンス)に翻訳する必要がある。たとえ
ばユニット8が用紙を400mm/sで搬送するために必要
な動作、つまり搬送ローラの周速を400mm/sに保つた
めに必要なモータの回転速度への指示、一対の搬送ロー
ラの間のニップ圧への指示、クラッチの動作状態への指
示等を導出する必要がある。
【0037】各ユニット8は、システム本体10から与
えられる制御シーケンスを、ユニット8が実行可能なシ
ーケンスに翻訳する際に、各ユニット8に特有の知識を
参照する。この知識は、上述したように、各ユニット8
毎に備えられた知識メモリに記憶されており、場合によ
ってはデータテーブル21に記憶されていてもよい。以
下に、給紙ユニット8を例にとり、参照する知識につい
て具体的に説明する。
【0038】給紙ユニット8の知識には、給紙ユニット
8内に存在する物理パラメータ間の因果関係をネットワ
ーク化したパラメータモデルと、給紙ユニット8が持つ
アクチュエータの操作に関する知識(アクチュエータ操
作において、その制御目標値に到達するまでに要する時
間およびアクチュエータの操作幅)とがある。 4−1−1.パラメータモデル 図4,図5および図6に、給紙ユニット8のパラメータ
モデルを示す。ここで、図4は、図5と図6とのレイア
ウト関係を示し、図5および図6は、それぞれ、低精度
制御系および高精度制御系を示している。
【0039】給紙ユニット8のパラメータモデルには、
従来の物理パラメータ間の定性的因果関係を表わしたパ
ラメータモデル(かかるパラメータモデルは、たとえば
本願出願人の先願:特開平4−130330号公報に詳
述されている。)に定量情報を付加したモデルを使用し
ている。したがって、図5,6に示すパラメータモデル
には、定量的に制御可能なパラメータと、定性的に操作
可能なパラメータの両方が存在する。
【0040】ここで、図5,6中の符号の意味は、以下
のとおりである。 Fv: Transportation speed Pd: Sheet transportation force Vf: Sheet feeding speed Pp: sheet supply pressure Sp: Sheet separating force Vg: Speed difference between two rollers Vl: Circumferential speed of lower roller Vu: Circumferential speed of upper roller G : Gap between two rollers γ: Gear ratio ω: Angular velocity θ: Angle ε: Weight coefficient また、パラメータモデル中のパラメータには、直接操作
可能なパラメータおよび間接的に操作可能なパラメータ
が存在する。直接操作可能なパラメータとは、給紙ユニ
ット8が持つアクチュエータを制御することにより操作
可能なパラメータである。また、間接的に操作可能なパ
ラメータとは、直接操作可能なパラメータを操作するこ
とにより間接的に操作可能なパラメータである。間接的
に操作可能なパラメータと直接操作可能なパラメータと
は定量的もしくは定性的な関係にある。
【0041】図5,6に示すパラメータモデルにおい
て、直接操作可能なパラメータと定量的な関係にあるパ
ラメータ群(パラメータの集まり)は、定量的かつ高精
度に操作可能であることから、このパラメータ群を高精
度制御系と呼ぶ。また、高精度制御系のパラメータと定
性的な関係にあるパラメータ群は、定性的にしか操作で
きないことから低精度制御系と呼ぶ。
【0042】また、図5,6において、Q+は、定性的
比例関係を意味しており、Q−は、定性的反比例関係を
示している。さらに枠で囲ったパラメータが直接操作可
能なパラメータである。 4−1−2.操作パラメータの探索 図4〜6を参照しながら、操作すべきパラメータの探索
の仕方について説明する。 給紙ユニット8のパラメー
タモデルを用いて最終的に(操作目的として)操作する
パラメータは、パラメータモデルの最上位に位置するF
v(搬送速度)である。
【0043】ここで、たとえばパラメータFvを上昇さ
せるための一方法を考える。図5,6のパラメータモデ
ルにより、Fvを上昇させるには、Fvと定性的比例の
関係にあるPdまたはVfを上げればよいことがわか
る。ここではPdを上げる方法を考える。Pdを上げる
にはPdと定性的比例関係にあるPpを上げるか、定性
的反比例関係にあるSpを下げるかの方法がある。ここ
ではPpを上げる方法を考える。Ppを上げるにはPp
と定性的比例関係にあるPmotor3を上げればよいことが
わかる。よって結果的にはPmotor3との定量的な関係か
ら、ωmotor3をPmotor3が上がる方向に操作すればよい
ことがわかる。
【0044】他のパラメータを操作する場合も同様にパ
ラメータモデル上で操作すべきパラメータと操作の仕方
を得ればよい。また、同時に2以上のパラメータを操作
することもできる。このように、システム本体で生成さ
れた制御シーケンスを、各ユニット8で使用する制御シ
ーケンスに翻訳する際には、パラメータモデルを参照す
ることによって、操作すべきパラメータまたはアクチュ
エータを決定することが可能である。
【0045】なお、図5,6に示すパラメータモデルの
中で示されている条件式は、その条件が成立しない間
は、条件式のアークでつながれている両者は因果関係を
持たないことを意味している。たとえば高精度制御系に
おいて、(clutch 2 = on)という条件が成立しない間
は、その左の構造と右の構造とは構造が切り離されてい
ると言える。このことから、給紙ユニット8では、ユニ
ットの条件によって、その構造状況が変化すると捉える
ことができる。
【0046】4−1−3.定性量空間とランドマーク 図4〜6のパラメータモデル中に示したパラメータに
は、図7A,7Bに例示するような定性量空間が存在す
る。定性量空間は、図7Aのパラメータωmotor1を例に
とると、パラメータ値0を境にしてそれ以上値が小さか
ったらマイナス方向へ回転し、それ以上値が大きければ
プラス方向へ回転することを意味している。また、マイ
ナス側からプラス側へ状態を変化させるには、必ず0を
経ないと実現できないことも意味している。
【0047】またパラメータFvでは、パラメータ値が
0を境にして、それ以上の値ではプラスになる、つまり
速度が生じるということを意味している。この定性量空
間は、そのパラメータの状態の切換わりを示すいくつか
のランドマークを持っている。ランドマークは個々のパ
ラメータで独立して存在しているとは限らず、モデルの
構造上、図7A,7Bのように一定条件に従って複数の
パラメータでランドマークが一致する場合がある。図7
Aは、(G>p.t.& clutch 1 = on) の条件が満たされ
ている場合に、ランドマークが一致する複数のパラメー
タの定性量空間を示している。
【0048】また、図7Bは、(G≦p.t.& clutch 1
= on) の条件が満たされている場合に、ランドマークが
一致する複数のパラメータの定性量空間を示している。
この定性量空間とランドマークに関する知識も、前述の
パラメータモデルの付加知識として知識メモリに記憶さ
れており、制御シーケンスの翻訳時や制御シーケンス実
行時に使用される。
【0049】定性量空間におけるランドマークの一致条
件を監視すると、あり得ないユニット状態を生成するこ
とを抑止することができる。 4−2.アクチュエータ操作知識 各ユニット8の知識メモリには、アクチュエータ操作に
関連する知識も記憶されている。
【0050】次に、給紙ユニット8が持つアクチュエー
タの操作に関する知識について説明する。この知識に
は、アクチュエータ操作に要する時間、アクチュエータ
制御幅および用紙状態とアクチュエータ状態との関係が
含まれる。 4−2−1.アクチュエータ操作に要する時間 アクチュエータを目標の制御値にするためには、各アク
チュエータの性能(ハードウェア)に依存したアクチュ
エータの操作に要する時間を考慮しなければならない。
【0051】図8にアクチュエータ操作に要する時間の
一例を示す。図8の説明をする。Parameter とは給紙ユ
ニット8の各アクチュエータが持つパラメータであり、
パラメータモデルでいうところの直接操作可能なパラメ
ータである。Operation とはアクチュエータの操作方向
であり、定性的(up, down)もしくは二値的(on, off)
に表現される。Timeとはアクチュエータを目的の制御値
にするために要する時間を示し、たとえばωmotor1を1
0回 up するには(20+3×10)ミリ秒の時間がか
かることがわかる。
【0052】このように、アクチュエータを操作するた
めに要する時間等を知識として持つことにより、システ
ム本体から与えられる制御シーケンスを、各ユニット毎
の定量的なシーケンスに翻訳する際に、そのユニットの
物理的な構造や能力を考慮したシーケンスに変えること
ができる。 4−2−2.アクチュエータ制御幅 アクチュエータの操作は、各アクチュエータの操作幅内
で実行される。図9は、アクチュエータの操作幅を示す
知識の一例である。
【0053】図9を説明する。Parameter, Operationに
関しては図8と同じである。「制御値0からの制御幅」
とは、アクチュエータがモータの場合、モータの回転数
が0からどれだけの回転数まで制御可能であるかを示す
値である。ωmotor1の場合はup の操作方向に127段
階,downの操作方向に127段階操作可能であることを
意味している。
【0054】4−2−3.用紙状態とアクチュエータ状
態との関係 システム本体10から受渡されるシーケンスと、ユニッ
ト8の挙動との対応関係も、各ユニットにおいて知識と
して記憶されている。その例を図10に示す。図10に
おいて、Paper State は、用紙状態のことであり、FREE
は用紙に力が作用していない状態、F-DRIVE は用紙が前
方向へ搬送されている状態、FIX は用紙がローラ等で捕
まえられている状態、B-DRIVE は用紙が後方向へ搬送さ
れている状態を表わす。また、Parameter State は、パ
ラメータの状態であり、それぞれパラメータの状態がど
のような状態であるかが示されている。なお、前述した
ように、Pdは用紙搬送力(Sheet transportation forc
e), Vf は用紙搬送速度(Sheet feeding speed) であ
る。
【0055】5.修復動作 各ユニット8における修復動作には、これまでに述べて
きたシステム本体10が系全体の機能を維持するために
制御シーケンスを変更し、その変更した制御シーケンス
を各ユニット8が実行することにより行われる修復動作
と、システム本体10から独立して、各ユニット8が自
律的に行う修復動作とがある。いずれの修復動作も、制
御型自己修復の手法により行われる。
【0056】5−1.制御型自己修復の手法 制御型自己修復の手法とは、機械の構造変更や再構成を
行わずに、アクチュエータの制御により、自己修復を実
現するものである。この手法では、故障による損失機能
に関係するパラメータ値を制御することで修復が行われ
る。具体的には、前述したパラメータモデルにおいて操
作すべきパラメータが探索され、そのパラメータ値を変
化するためのアクチュエータが選ばれる。
【0057】制御型自己修復の手法では、前述した知識
メモリに記憶されている各知識が参照される。すなわ
ち、図5,6に示すパラメータモデル、図7A,7Bに
示す各パラメータの定性量空間およびランドマークの一
致条件、図8に示すアクチュエータ操作時間、図9に示
すアクチュエータの操作幅、図10に示す用紙状態とア
クチュエータ状態との関係等である。
【0058】5−2.制御型自己修復のアルゴリズム 図11に、制御型自己修復のアルゴリズムの一例をフロ
ーチャートで示す。図11を参照して、アルゴリズムの
各段階の動作について説明をする。 ステップS1:故障判定 故障検知用のセンサの値を監視し、センサ値から故障状
況を判定する。給紙動作中は常に故障判定を実行してい
る。
【0059】故障の判断は、具体的には、ユニットにお
いて制御シーケンスが実行された結果得られるたとえば
用紙搬送速度が、制御シーケンスで設定されている用紙
搬送速度に達していない場合に、故障であると判定され
る。あるいは、斜め搬送の場合のように、予め知識とし
て設定されている搬送形態に対して、実際の搬送状態が
ずれた場合等に故障と判定される。
【0060】ステップS2:故障診断 故障の状況およびパラメータモデルから故障の原因を推
論し、故障原因の候補を決定する。 ステップS3:アクチュエータリミットチェック 知識メモリのアクチュエータ制御幅(図9参照)を参照
し、アクチュエータの操作余裕度を確認する。操作余裕
度のないアクチュエータは、修復時の操作アクチュエー
タから除外される。
【0061】ステップS4:修復計画 故障状況と故障原因の候補から修復の際に操作するパラ
メータをパラメータモデル上から探索する。操作するパ
ラメータが複数ある場合、操作の優先順位または操作の
順序を決定する。操作するパラメータが決定すると最後
に修復動作のシーケンスを決定する。この際には、操作
するパラメータに相当するアクチュエータの操作に関す
る知識が参照される。
【0062】ステップS5:修復実行 修復計画で決定されたシーケンスに基づき修復動作を実
行する。以上が修復立案部において行われる。次に修復
後の動作を説明する。 ステップS6:故障判定 上述のステップS1〜S5における動作が実行された結
果、センサ値から得られる値が正常範囲に復旧したか否
かが判別される。その結果、復旧していなければ、再び
ステップS2の故障診断がされる。
【0063】ステップS7:故障修復成功 ステップS6における故障判定の結果が正常であれば、
修復成功とする。そしてその状態で給紙動作を継続させ
る。 ステップS8:修復失敗 ステップS3において、故障が発生した際に、修復用の
アクチュエータが操作不可能な状態にあるときを、修復
失敗とする。 5−3.給紙ユニットにおける修復動作 図12に、給紙ユニットにおける自己修復動作に関する
構成・作用の図を示す。
【0064】給紙ユニットには、システム本体で生成さ
れたシーケンスをユニットが実行可能なシーケンスに翻
訳する翻訳部、翻訳されたシーケンスを実行するシーケ
ンス実行部、シーケンス実行部とは別にユニット自身が
自律的に制御型自己修復の手法を用いて故障修復を行う
自律動作部、およびアクチュエータ操作部が含まれてい
る。
【0065】シーケンス実行部は、その内部に、シーケ
ンスを実行した結果を常に監視し、実行結果がシステム
本体が生成した制御シーケンスと異なっていた場合に、
制御型自己修復の手法を用いてこれを調整する制御型自
己修復部が備えられている。また、自律動作部にも、修
復対象故障である「重送」および「無給紙」に対する制
御型自己修復部が備えられている。
【0066】システム本体で生成された制御シーケン
ス、たとえば用紙搬送速度400mm/sは、翻訳部で
ユニット8が実現可能なシーケンス、たとえば搬送モー
タ回転数100rpmに書換えられる。書換えられたシ
ーケンスは、シーケンス実行部を経てアクチュエータ操
作部へ与えられ、実行される。また、アクチュエータ操
作部がシーケンスを実行した結果は、シーケンス実行部
の制御型自己修復部により常に監視されている。制御型
自己修復部は、シーケンスの実行がシステム本体が生成
した制御シーケンスの内容と異なっている(たとえば用
紙搬送速度380mm/s)と判断した場合、制御型自
己修復の手法を用い、この差(すなわち400−380
=20mm/s)を調整するための修復、たとえば搬送
モータの周速アップという計画を立てる。そしてそれを
アクチュエータ操作部に与えて、アクチュエータ操作部
により修復を実行させる。
【0067】一方、自律動作部では、シーケンス実行部
の制御とは別に、「無給紙」「重送」を監視し、かかる
故障が生じないように制御型自己修復を行っている。具
体的には、故障が無給紙であった場合の修復動作は次の
ようになる。まず現状の給紙時間が取得され、これが正
常給紙開始−終了時間と比較される。たとえば、現状給
紙時間が13秒、正常給紙開始−終了時間が10秒とす
れば、その差が3秒ある。
【0068】この場合、故障判定において「無給紙」と
判定される。次に故障診断がされる。故障診断では、故
障の状況、データテーブルの内容、パラメータモデル等
を参照し、故障の原因をたとえばこの場合「給紙圧の減
少」と判断する。ここに、給紙圧とは、給紙ユニットが
用紙を給紙方向へ押し出すために必要な力をいう。
【0069】次に、アクチュエータリミットチェックが
され、アクチュエータの操作余裕度が確認される。操作
余裕度がなければ修復は失敗となる。操作余裕度がある
場合、パラメータモデルから「無給紙」を修復するため
の計画が立てられる。たとえばこの場合「給紙圧を上げ
る」という計画が立てられる。
【0070】この計画は、アクチュエータ操作部に与え
られて、アクチュエータ操作部により実際に給紙圧を上
げるためのアクチュエータ操作、具体的には給紙圧モー
タのアップ、が行われる。無給紙のための制御型自己修
復部では、その後再び故障判定を行い、その結果が正常
であればそのまま給紙動作を継続する。修復の結果が、
引き続き異常(無給紙)であれば、再度アクチュエータ
リミットチェック以下の動作が繰返される。
【0071】「重送」のための制御型自己修復部におい
ても、同様の制御型自己修復手法による修復動作が行わ
れ、重送が修復される。 5−4.搬送ユニットにおける修復動作 図13は、搬送ユニットにおける自己修復動作に関する
構成・作用を説明する図である。
【0072】搬送ユニットには、システム本体で生成さ
れたシーケンスをユニットが実行可能なシーケンスに翻
訳する翻訳部、翻訳されたシーケンスを実行するシーケ
ンス制御部、シーケンス制御部とは別にユニット自身が
自律的に制御型自己修復の手法を用いて故障修復を行う
自律動作部、およびアクチュエータ操作部が含まれてい
る。
【0073】シーケンス実行部には、その内部に、実行
した結果を常に監視し、実行結果がシステム本体が生成
した制御シーケンスと異なっていた場合に、制御型自己
修復の手法を用いてこれを調整する制御型自己修復部が
含まれている。また、自律動作部は、「斜め搬送」に対
して故障修復を行うべく、斜め搬送に対する制御型自己
修復部を有している。
【0074】システム本体で生成された制御シーケンス
(たとえば用紙搬送速度400mm/s)は、翻訳部で
ユニットが実現可能なシーケンス(たとえば搬送モータ
回転数100rpm)に書換えられる。書換えられたシ
ーケンスは、シーケンス実行部を経由してアクチュエー
タ操作部で実行される。アクチュエータ操作部がシーケ
ンスを実行した結果は、シーケンス実行部の制御型自己
修復部により常に監視されている。制御型自己修復部
は、シーケンスの実行結果がシステム本体が生成した制
御シーケンスの内容と異なっている(たとえば用紙搬送
速度380mm/s)と判断した場合、制御型自己修復
の手法を用いて、この差(400−380=20mm/
s)を調整するための修復(たとえば搬送モータ修復ア
ップ)計画を立てる。立てられた計画は、アクチュエー
タ操作部に与えられて修復が実行される。
【0075】また、上述の制御シーケンス動作とは別
に、自律動作部の制御型自己修復部では、用紙搬送中
は、常に、斜め搬送が生じているか否かの監視を行って
いる。斜め搬送の制御型自己修復部が監視した結果、斜
め搬送が発生していた場合(たとえば斜め搬送量+2m
m)には、制御型自己修復の手法を用いて、斜め搬送を
矯正する修復計画を立てる(たとえばニップ圧アッ
プ)。そしてその修復計画はアクチュエータ操作部に与
えられ、修復が実行される。
【0076】5−4.相互影響の確認 たとえば用紙搬送速度の自己修復および斜め搬送の自己
修復が並列的に行われる際には、一方の修復動作のため
のパラメータ操作が、もう一方の修復動作に影響を及ぼ
す可能性がある。ところが、パラメータモデルを用いる
と、両者の相互作用や影響をパラメータモデル上で予測
することが可能であるから、修復動作もそれを考慮して
行うことが可能である。
【0077】6.その他 この発明にかかる給紙搬送ユニットの構成および制御シ
ステムは、たとえば複写機、プリンタ、ファクシミリ装
置等の画像形成装置のための給紙搬送システムに広く用
いることができる。またその場合に、給紙搬送システム
の制御装置は、画像形成装置本体に備えられた制御装置
の中に組み込んでもよい。
【0078】
【発明の効果】画像形成装置のための給紙搬送系におい
て、使用する用紙のマテリアルや使用環境の変化等の外
乱に対して、給紙搬送系が柔軟に対応でき、常に良好な
給紙搬送が実現できる。また給紙搬送系のハードウェア
機構自体の経時変化により発生する可能性のある不具合
や、給紙故障に対しても、予防保全を図ることができる
とともに、故障が発生した場合には、故障を自己修復す
ることが可能である。
【0079】したがって、信頼性が高く保守点検の手間
を少なくした画像形成装置のための給紙搬送システムを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる給紙搬送システ
ムの構成の概念図である。
【図2】この給紙搬送システムの全体の流れを説明する
ためのブロック図である。
【図3】給紙搬送システムにおけるシステム本体10を
中心とした機能ブロック図である。
【図4】給紙ユニットにおける修復知識の1つであるパ
ラメータモデルを示す図であり、特に、低精度制御系と
高精度制御系とのレイアウト関係を示す。
【図5】給紙ユニットにおける修復知識の1つであるパ
ラメータモデルを示す図であり、低精度制御系の内容を
示す。
【図6】給紙ユニットにおける修復知識の1つであるパ
ラメータモデルを示す図であり、高精度制御系の内容を
示す。
【図7】パラメータモデルに付属した知識であるパラメ
ータの定性量空間の一例と、ランドマークの例を示す図
である。
【図8】給紙ユニットおける自己修復のための知識の1
つとしてのアクチュエータ操作時間の例を示す図であ
る。
【図9】同じくアクチュエータの操作幅の例を示す図で
ある。
【図10】同じく用紙状態とアクチュエータ状態との関
係例を示す図である。
【図11】制御型自己修復の手法のアルゴリズムの例を
示すフローチャートである。
【図12】給紙ユニットにおける自己修復動作に関する
構成・作用の図である。
【図13】搬送ユニットにおける自己修復動作に関する
構成・作用の図である。
【符号の説明】
8 給紙ユニット,搬送ユニット等のユニット 9 センサ 10 システム本体 21 データテーブル 22 評価部 23 制御シーケンス立案部 26 シミュレーション部 27 分割部 28 翻訳部 29 制御部 30 シーケンス実行部 31 自律動作部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西野 博文 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 勝原 健二 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 高倉 利充 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 冨山 哲男 東京都台東区谷中3−21−5 メゾンドー ル大黒201 (72)発明者 梅田 靖 東京都多摩市永山1−3−3 プラザ永山 215 (72)発明者 坂尾 知彦 東京都足立区梅田1−31−9 いずみハイ ツ204

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のユニットによって所望の給紙搬送系
    が構成された給紙搬送システムであって、 各ユニットは、 アクチュエータおよびアクチュエータにより動作され、
    または状態が変化される作用デバイスを含む複数の構成
    要素と、 予め定める構成要素の状態を検出するセンサと、 構成要素を物理パラメータの因果関係で表わしたパラメ
    ータモデル知識、および予め定めるアクチュエータの操
    作に関する知識が記憶された知識記憶手段と、 給紙搬送系を構成する他のユニットと関連付けられた給
    紙搬送実現のための制御シーケンスを実行するシーケン
    ス実行手段と、 センサの出力を監視し、センサの出力から故障を判定す
    る手段と、 故障が判定されたことに応答して、知識記憶手段に記憶
    された知識から故障原因および修復計画を求め、他のユ
    ニットとは独立に、そのユニットにおいて自律的に故障
    修復を実行する自己診断修復手段と、を含むことを特徴
    とする給紙搬送システム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の給紙搬送システムにおい
    て、 自己診断修復手段の修復は、制御型自己修復の手法によ
    って行われ、それは、構成要素の構造変更や再構成を行
    わずにアクチュエータの制御により修復を行うものであ
    り、故障による損失機能に関係するパラメータをパラメ
    ータモデル知識から探索し、そのパラメータ値を変化さ
    せるためのアクチュエータを選択する処理を含むことを
    特徴とする、給紙搬送システム。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の給紙搬送システム
    において、 さらにシステム本体を含み、システム本体は、 給紙搬送系全体の制御シーケンスを立案するシーケンス
    立案部と、 立案された制御シーケンスを基に用紙の挙動をシミュレ
    ーションするシミュレーション部と、 シミュレーション部でシミュレーションされた結果等を
    評価するための評価部とを含み、 シミュレーション結果が良好であると評価された制御シ
    ーケンスが、各ユニットに与えられることを特徴とす
    る、給紙搬送システム。
  4. 【請求項4】請求項3記載の給紙搬送システムにおい
    て、 システム本体から各ユニットに与えられる制御シーケン
    スは、システム本体によって生成された制御シーケンス
    が各ユニット毎のシーケンスに分割されて与えられるこ
    とを特徴とする、給紙搬送システム。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の給紙搬送システム
    において、 各ユニットは、与えられる制御シーケンスを、知識記憶
    手段に記憶された知識に基づいてユニットが実行可能な
    定量的なシーケンスに翻訳するための翻訳手段を含むこ
    とを特徴とする、給紙搬送システム。
JP9130790A 1996-05-21 1997-05-21 給紙搬送システム Pending JPH1083134A (ja)

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JP12616096 1996-05-21
JP8-126160 1996-05-21
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6892317B1 (en) * 1999-12-16 2005-05-10 Xerox Corporation Systems and methods for failure prediction, diagnosis and remediation using data acquisition and feedback for a distributed electronic system
JP2005309077A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Fuji Xerox Co Ltd 故障診断方法および故障診断装置、並びに搬送装置および画像形成装置、並びにプログラムおよび記憶媒体
US20100152894A1 (en) * 2008-12-15 2010-06-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Robot and recovery method thereof

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