JPH108288A - めっき用原版とそれを用いた金属薄膜の形成方法、及びめっき用原版の製造方法 - Google Patents
めっき用原版とそれを用いた金属薄膜の形成方法、及びめっき用原版の製造方法Info
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- JPH108288A JPH108288A JP17436896A JP17436896A JPH108288A JP H108288 A JPH108288 A JP H108288A JP 17436896 A JP17436896 A JP 17436896A JP 17436896 A JP17436896 A JP 17436896A JP H108288 A JPH108288 A JP H108288A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 工程が短かく、生産性が有利で、歩留りの向
上が見込まれる、めっきによる多段形状の金属薄膜の形
成方法と、これに用いられるめっき用原版を提供する。
同時に、該原版の製造方法を提供する。 【解決手段】 めっきにより、多段形状の金属薄膜を形
成するための原版であって、導電性基板と、導電性基板
の表面部に形成された凹部に埋め込まれ、導電性基板の
面にその露出面を揃えた絶縁性材料による絶縁部と、絶
縁部の表面部に形成された凹部に埋め込まれて絶縁部に
より導電性基板から電気的に絶縁され、導電性基板の面
にその露出面を揃えた導電性材料からなる電気的に孤立
した導電部とを有し、孤立した導電部と隣接する導電性
基板の表面の絶縁部の幅が、原版を陰極としてめっきを
行った際に、めっきを開始してから、導電性基板の表面
に析出されるめっき部が導電性基板の表面に沿う方向に
も成長して、絶縁部を乗り越え、隣接する導電部まで達
し、導電部と導電性基板とが電気的に接続するまでの時
間を、調整できるように設けてある。
上が見込まれる、めっきによる多段形状の金属薄膜の形
成方法と、これに用いられるめっき用原版を提供する。
同時に、該原版の製造方法を提供する。 【解決手段】 めっきにより、多段形状の金属薄膜を形
成するための原版であって、導電性基板と、導電性基板
の表面部に形成された凹部に埋め込まれ、導電性基板の
面にその露出面を揃えた絶縁性材料による絶縁部と、絶
縁部の表面部に形成された凹部に埋め込まれて絶縁部に
より導電性基板から電気的に絶縁され、導電性基板の面
にその露出面を揃えた導電性材料からなる電気的に孤立
した導電部とを有し、孤立した導電部と隣接する導電性
基板の表面の絶縁部の幅が、原版を陰極としてめっきを
行った際に、めっきを開始してから、導電性基板の表面
に析出されるめっき部が導電性基板の表面に沿う方向に
も成長して、絶縁部を乗り越え、隣接する導電部まで達
し、導電部と導電性基板とが電気的に接続するまでの時
間を、調整できるように設けてある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,めっきに関するもの
で、特に、めっきにより多段形状の金属薄膜を形成する
ための原版、めっきにより多段形状の金属薄膜を形成す
る方法に関する。
で、特に、めっきにより多段形状の金属薄膜を形成する
ための原版、めっきにより多段形状の金属薄膜を形成す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、めっきにより多段形状の金属薄膜
を形成する場合は、レジスト製版後にめっき行う工程
を、段数に応じた数だけ繰り返して行う方法が採られて
いた。この方法の1例を図6に基づいて簡単に説明して
おく。先ず、導電性基板610上にネガレジスト層62
0を形成し、これの所定領域のみを電離放射線630に
より露光描画し、露光描画された部分のみを硬化させた
(図6(a))後、現像処理、乾燥等を経て、所定の絵
柄をもつレジスト層620からなるレジストパターン6
20Aのみを導電性基板610上に残す。(図6
(b)) 次いで、導電性基板610を陰極として、電気めっきを
行い、導電性基板の露出した面にめっき層641を形成
する。(図6(c)) この後、レジストパターン620Aを剥離して(図6
(d))、再度レジスト層620を塗布し(6
(e))、これの所定領域のみを電離放射線630によ
り露光描画し、露光描画された部分のみを硬化させた
(図6(f))後、現像処理、乾燥等を経て、所望の絵
柄をもつレジスト層620からなるレジストパターン6
20Bのみを導電性基板610上直接ないし第一のめっ
き層641を介してに残す。(図6(g)) 次いで、再度、導電性基板610を陰極として、電気め
っきを行い、導電性基板610の露出した面に第二のめ
っき層642を形成する。(図6(h)) この後、レジストパターン620Bを剥離することによ
り、導電性基板610の上にめっきにより形成された金
属にからなる厚肉部650、薄肉部660およびめっき
が施されない部分670を形成することができる。(図
6(i)) 厚肉部650は第一のめっき層641と第二のめっき層
642から形成され、薄肉部660は第一のめっき層6
41のみで形成されている。このようにして、2回のレ
ジスト製版と2回の電気めっきにより、めっきが施され
ない部分670を含めて、厚肉部650、薄肉部660
の3状態を導電性基板610上に形成することができ
る。即ち、図6に示す例の場合は、めっきが施されない
部分670を含めて、3段形状の金属薄膜が形成され
る。さらに、図6に示す例に、引続き製版、電気めっき
を繰り返すことにより、更に多段の金属薄膜が形成でき
る。従来はこのようにして、多段形状の金属薄膜を形成
していた。
を形成する場合は、レジスト製版後にめっき行う工程
を、段数に応じた数だけ繰り返して行う方法が採られて
いた。この方法の1例を図6に基づいて簡単に説明して
おく。先ず、導電性基板610上にネガレジスト層62
0を形成し、これの所定領域のみを電離放射線630に
より露光描画し、露光描画された部分のみを硬化させた
(図6(a))後、現像処理、乾燥等を経て、所定の絵
柄をもつレジスト層620からなるレジストパターン6
20Aのみを導電性基板610上に残す。(図6
(b)) 次いで、導電性基板610を陰極として、電気めっきを
行い、導電性基板の露出した面にめっき層641を形成
する。(図6(c)) この後、レジストパターン620Aを剥離して(図6
(d))、再度レジスト層620を塗布し(6
(e))、これの所定領域のみを電離放射線630によ
り露光描画し、露光描画された部分のみを硬化させた
(図6(f))後、現像処理、乾燥等を経て、所望の絵
柄をもつレジスト層620からなるレジストパターン6
20Bのみを導電性基板610上直接ないし第一のめっ
き層641を介してに残す。(図6(g)) 次いで、再度、導電性基板610を陰極として、電気め
っきを行い、導電性基板610の露出した面に第二のめ
っき層642を形成する。(図6(h)) この後、レジストパターン620Bを剥離することによ
り、導電性基板610の上にめっきにより形成された金
属にからなる厚肉部650、薄肉部660およびめっき
が施されない部分670を形成することができる。(図
6(i)) 厚肉部650は第一のめっき層641と第二のめっき層
642から形成され、薄肉部660は第一のめっき層6
41のみで形成されている。このようにして、2回のレ
ジスト製版と2回の電気めっきにより、めっきが施され
ない部分670を含めて、厚肉部650、薄肉部660
の3状態を導電性基板610上に形成することができ
る。即ち、図6に示す例の場合は、めっきが施されない
部分670を含めて、3段形状の金属薄膜が形成され
る。さらに、図6に示す例に、引続き製版、電気めっき
を繰り返すことにより、更に多段の金属薄膜が形成でき
る。従来はこのようにして、多段形状の金属薄膜を形成
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、図6に
示す従来のめっきによる多段形状の金属薄膜の形成方法
の場合は、レジスト製版後にめっき行う工程を、段数に
応じた数だけ繰り返すため、工程が長く生産性に劣り、
歩留りが低くなるという問題があった。本発明は、この
ような状況のもと、工程が短かく、生産性が有利で、歩
留りの向上が見込まれる、めっきによる多段形状の金属
薄膜の形成方法を提供しようとするものである。同時
に、これに用いられるめっき用原版と該原版の製造方法
を提供しようとするものである。
示す従来のめっきによる多段形状の金属薄膜の形成方法
の場合は、レジスト製版後にめっき行う工程を、段数に
応じた数だけ繰り返すため、工程が長く生産性に劣り、
歩留りが低くなるという問題があった。本発明は、この
ような状況のもと、工程が短かく、生産性が有利で、歩
留りの向上が見込まれる、めっきによる多段形状の金属
薄膜の形成方法を提供しようとするものである。同時
に、これに用いられるめっき用原版と該原版の製造方法
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のめっき用原板
は、めっきにより、多段形状の金属薄膜を形成するため
の原版であって、導電性基板と、導電性基板の表面部に
形成された凹部に埋め込まれ、導電性基板の面にその露
出面を揃えた絶縁性材料による絶縁部と、絶縁部の表面
部に形成された凹部に埋め込まれて絶縁部により導電性
基板から電気的に絶縁され、導電性基板の面にその露出
面を揃えた導電性材料からなる電気的に孤立した導電部
とを有し、孤立した導電部と隣接する導電性基板の表面
の絶縁部の幅が、原版を陰極としてめっきを行った際
に、めっきを開始してから、導電性基板の表面に析出さ
れるめっき部が導電性基板の表面に沿う方向にも成長し
て、絶縁部を乗り越え、隣接する導電部まで達し、導電
部と導電性基板とが電気的に接続するまでの時間を、調
整できるように設けてあることを特徴とするものであ
る。本発明のめっきによる金属薄膜の形成方法は、導電
性基板と、導電性基板の表面部に形成された凹部に埋め
込まれ、導電性基板の面にその露出面を揃えた絶縁性材
料による絶縁部と、絶縁部の表面部に形成された凹部に
埋め込まれて絶縁部により導電性基板から電気的に絶縁
され、導電性基板の面にその露出面を揃えた導電性材料
からなる電気的に孤立した導電部とを有する原版を用
い、原版を陰極として、めっきにより、原版の表面に多
段形状の金属薄膜を形成するもので、孤立した導電部と
隣接する導電性基板の表面との間の絶縁部の幅を調整す
ることにより、めっきにより、前記導電性基板の一面側
の導電性基板の露出した表面にめっき部を析出させると
ともに、導電性基板の表面に析出されるめっき部が導電
性基板の表面に沿う方向にも成長して、絶縁部を乗り越
え、隣接する導電部まで達し、導電部と導電性基板とが
電気的に接続し、導電部上に導電性基板上とは異なる膜
厚の金属膜を生じるようにしたことを特徴とするもので
ある。本発明のめっき用原版の製造方法は、めっきによ
り、多段形状の金属薄膜を形成するための原版の製造方
法であって、少なくとも順に、(A)導電性基板の一面
に第一のレジストを塗布し、製版により、導電性基板が
露出する第一のレジスト開口部を設ける工程と、(B)
第一のレジストを耐腐蝕性マスクとして、該第一のレジ
スト開口部より、導電性基板をエッチングして凹部を作
製する工程と、(C)該凹部に絶縁性材料を充填する工
程と、(D)第一のレジストを剥離する工程と、(E)
該絶縁材料および導電性基板を覆うように、導電性基板
の一面に第二のレジストを塗布し、製版により、絶縁性
材料を設けた領域内に絶縁材料を露出する第二のレジス
トの開口部を設ける工程と、(F)第二のレジストを耐
腐蝕性マスクとして、該第二のレジスト開口部より、絶
縁性材料をエッチングして凹部を作製する工程と、
(G)導電性基板の第二のレジスト側全面に、導電性の
金属薄膜を形成する工程と、(H)第二のレジストを剥
離するとともに、第二のレジスト上に形成された導電性
の金属薄膜を除去する工程とを有することを特徴とする
ものである。上記、本発明はめっきが等方的に成長する
ことを利用したものである。
は、めっきにより、多段形状の金属薄膜を形成するため
の原版であって、導電性基板と、導電性基板の表面部に
形成された凹部に埋め込まれ、導電性基板の面にその露
出面を揃えた絶縁性材料による絶縁部と、絶縁部の表面
部に形成された凹部に埋め込まれて絶縁部により導電性
基板から電気的に絶縁され、導電性基板の面にその露出
面を揃えた導電性材料からなる電気的に孤立した導電部
とを有し、孤立した導電部と隣接する導電性基板の表面
の絶縁部の幅が、原版を陰極としてめっきを行った際
に、めっきを開始してから、導電性基板の表面に析出さ
れるめっき部が導電性基板の表面に沿う方向にも成長し
て、絶縁部を乗り越え、隣接する導電部まで達し、導電
部と導電性基板とが電気的に接続するまでの時間を、調
整できるように設けてあることを特徴とするものであ
る。本発明のめっきによる金属薄膜の形成方法は、導電
性基板と、導電性基板の表面部に形成された凹部に埋め
込まれ、導電性基板の面にその露出面を揃えた絶縁性材
料による絶縁部と、絶縁部の表面部に形成された凹部に
埋め込まれて絶縁部により導電性基板から電気的に絶縁
され、導電性基板の面にその露出面を揃えた導電性材料
からなる電気的に孤立した導電部とを有する原版を用
い、原版を陰極として、めっきにより、原版の表面に多
段形状の金属薄膜を形成するもので、孤立した導電部と
隣接する導電性基板の表面との間の絶縁部の幅を調整す
ることにより、めっきにより、前記導電性基板の一面側
の導電性基板の露出した表面にめっき部を析出させると
ともに、導電性基板の表面に析出されるめっき部が導電
性基板の表面に沿う方向にも成長して、絶縁部を乗り越
え、隣接する導電部まで達し、導電部と導電性基板とが
電気的に接続し、導電部上に導電性基板上とは異なる膜
厚の金属膜を生じるようにしたことを特徴とするもので
ある。本発明のめっき用原版の製造方法は、めっきによ
り、多段形状の金属薄膜を形成するための原版の製造方
法であって、少なくとも順に、(A)導電性基板の一面
に第一のレジストを塗布し、製版により、導電性基板が
露出する第一のレジスト開口部を設ける工程と、(B)
第一のレジストを耐腐蝕性マスクとして、該第一のレジ
スト開口部より、導電性基板をエッチングして凹部を作
製する工程と、(C)該凹部に絶縁性材料を充填する工
程と、(D)第一のレジストを剥離する工程と、(E)
該絶縁材料および導電性基板を覆うように、導電性基板
の一面に第二のレジストを塗布し、製版により、絶縁性
材料を設けた領域内に絶縁材料を露出する第二のレジス
トの開口部を設ける工程と、(F)第二のレジストを耐
腐蝕性マスクとして、該第二のレジスト開口部より、絶
縁性材料をエッチングして凹部を作製する工程と、
(G)導電性基板の第二のレジスト側全面に、導電性の
金属薄膜を形成する工程と、(H)第二のレジストを剥
離するとともに、第二のレジスト上に形成された導電性
の金属薄膜を除去する工程とを有することを特徴とする
ものである。上記、本発明はめっきが等方的に成長する
ことを利用したものである。
【0005】
【作用】本発明のめっき用原版は、上記のように構成す
ることにより、工程が短かく、生産性が有利で、歩留り
の向上が見込まれる、めっきによる多段形状の金属薄膜
の形成方法に用いられるめっき用原版の提供を可能とす
るものである。詳しくは、導電性基板と、導電性基板の
表面部に形成された凹部に埋め込まれ、導電性基板の面
にその露出面を揃えた絶縁性材料による絶縁部と、絶縁
部の表面部に形成された凹部に埋め込まれて絶縁部によ
り導電性基板から電気的に絶縁され、導電性基板の面に
その露出面を揃えた導電性材料からなる電気的に孤立し
た導電部とを有し、孤立した導電部と隣接する導電性基
板の表面の絶縁部の幅が、原版を陰極としてめっきを行
った際に、めっきを開始してから、導電性基板の表面に
析出されるめっき部が導電性基板の表面に沿う方向にも
成長して、絶縁部を乗り越え、隣接する導電部まで達
し、導電部と導電性基板とが電気的に接続するまでの時
間を、調整できるように設けてあることによりこれを達
成している。本発明のめっきによる金属薄膜の形成方法
は、上記のように構成することにより、工程が短かく、
生産性が有利で、歩留りの向上が見込まれる、めっきに
よる多段形状の金属薄膜の形成方法の提供を可能とする
ものである。本発明のめっき用原版の製造方法は、本発
明のめっき用原版の製造を比較的簡単にできる方法の提
供を可能としている。
ることにより、工程が短かく、生産性が有利で、歩留り
の向上が見込まれる、めっきによる多段形状の金属薄膜
の形成方法に用いられるめっき用原版の提供を可能とす
るものである。詳しくは、導電性基板と、導電性基板の
表面部に形成された凹部に埋め込まれ、導電性基板の面
にその露出面を揃えた絶縁性材料による絶縁部と、絶縁
部の表面部に形成された凹部に埋め込まれて絶縁部によ
り導電性基板から電気的に絶縁され、導電性基板の面に
その露出面を揃えた導電性材料からなる電気的に孤立し
た導電部とを有し、孤立した導電部と隣接する導電性基
板の表面の絶縁部の幅が、原版を陰極としてめっきを行
った際に、めっきを開始してから、導電性基板の表面に
析出されるめっき部が導電性基板の表面に沿う方向にも
成長して、絶縁部を乗り越え、隣接する導電部まで達
し、導電部と導電性基板とが電気的に接続するまでの時
間を、調整できるように設けてあることによりこれを達
成している。本発明のめっきによる金属薄膜の形成方法
は、上記のように構成することにより、工程が短かく、
生産性が有利で、歩留りの向上が見込まれる、めっきに
よる多段形状の金属薄膜の形成方法の提供を可能とする
ものである。本発明のめっき用原版の製造方法は、本発
明のめっき用原版の製造を比較的簡単にできる方法の提
供を可能としている。
【0006】
【実施例】本発明のめっき用原版の施例を図にもとづい
て説明する。図1(a)は、本実施例のめっき用原版を
示した断面図であり、図1(b)はその平面図であり、
図2は該原版を陰極としてめっきした場合の多段形状の
金属薄膜の形成状態を示した断面図で、図3は本実施例
の原版を用いてめっきした場合に多段状に金属薄膜が形
成される原理を説明するための図である。尚、図1
(a)、図2はそれぞれ、図1(b)におけるA1−A
2に相当する位置における断面を示したものであり、図
3は図2における点線部における金属薄膜の形成工程を
簡略化して示したものである。図1、図2において、1
00は原版、110は導電性基板、120、は絶縁部、
130は導電部、14は金属薄膜(めっき部)、14
1、142、143はめっき部である。本実施例の原版
100は、これを陰極としてめっきした場合、原版10
0上に、めっきにより多段状の金属薄膜を形成するため
のめっき用原版である。図1に示すように、絶縁部12
0は、導電性基板110の一面側の凹部に埋め込まれて
設けられており、絶縁部120領域理内に設けられた導
電部130および導電性基板110は、それぞれ互い
に、絶縁部120により電気的に絶縁された状態になっ
ている。そして、絶縁部120、及び導電部130は導
電性基板110の前記一面にその露出面を揃えている。
て説明する。図1(a)は、本実施例のめっき用原版を
示した断面図であり、図1(b)はその平面図であり、
図2は該原版を陰極としてめっきした場合の多段形状の
金属薄膜の形成状態を示した断面図で、図3は本実施例
の原版を用いてめっきした場合に多段状に金属薄膜が形
成される原理を説明するための図である。尚、図1
(a)、図2はそれぞれ、図1(b)におけるA1−A
2に相当する位置における断面を示したものであり、図
3は図2における点線部における金属薄膜の形成工程を
簡略化して示したものである。図1、図2において、1
00は原版、110は導電性基板、120、は絶縁部、
130は導電部、14は金属薄膜(めっき部)、14
1、142、143はめっき部である。本実施例の原版
100は、これを陰極としてめっきした場合、原版10
0上に、めっきにより多段状の金属薄膜を形成するため
のめっき用原版である。図1に示すように、絶縁部12
0は、導電性基板110の一面側の凹部に埋め込まれて
設けられており、絶縁部120領域理内に設けられた導
電部130および導電性基板110は、それぞれ互い
に、絶縁部120により電気的に絶縁された状態になっ
ている。そして、絶縁部120、及び導電部130は導
電性基板110の前記一面にその露出面を揃えている。
【0007】本実施例においては、導電性基板110と
してはステンレス(SUS304)材を用い、絶縁部1
20としては二酸化ケイ 素(SiO2 )を、導電部1
30としては白金を用いたが、材質は、特にこれに限定
はされない。
してはステンレス(SUS304)材を用い、絶縁部1
20としては二酸化ケイ 素(SiO2 )を、導電部1
30としては白金を用いたが、材質は、特にこれに限定
はされない。
【0008】本実施例の原版100を陰極として、電気
めっきを行って金属薄膜140を形成した図が図2であ
るが、その厚さは、それぞれの、図1に示す導電部13
0と導電性基板110との間隔に対応している。図2に
示すように、図1に示す導電部130と導電性基板11
0との間隔が大きい箇所程薄くなり、結果として、導電
性基板上の厚肉のめっき部141と、各導電部130と
導電性基板110との間隔に対応した厚さのめっき部1
42、143を有する多段状の金属薄膜140が形成さ
れている。
めっきを行って金属薄膜140を形成した図が図2であ
るが、その厚さは、それぞれの、図1に示す導電部13
0と導電性基板110との間隔に対応している。図2に
示すように、図1に示す導電部130と導電性基板11
0との間隔が大きい箇所程薄くなり、結果として、導電
性基板上の厚肉のめっき部141と、各導電部130と
導電性基板110との間隔に対応した厚さのめっき部1
42、143を有する多段状の金属薄膜140が形成さ
れている。
【0009】図3に基づいて、図1の原版100を用い
てめっきを行った場合、図2に示すように金属薄膜14
0が多段に形成される理由を簡単に説明する。図3
(a)に示すように、導電性基板110の一面に、その
露出する面が前記導電性基板110の一面にほぼ一致す
るように埋め込まれ形成された絶縁性材料からなる絶縁
部120と、絶縁部120領域内に導電性基板110と
電気的に孤立し、その露出する面が前記導電性基板11
0の一面にほぼ一致するように形成され導電部130と
を有する原版100について、これを陰極として電気め
っきを施した場合について説明する。図3(a)に示す
導電性基板を用いてめっきを開始すると、先ず、導電性
基板110の露出している面にめっきが析出し、成長す
るが、図3(b)に示すように、めっきのは基板面に垂
直な方向だけでなく、基板面にそった方向にも成長す
る。更に、めっきを続けると、図3(c)に示すよう
に、基板面にそっためっきの成長はさらに進み、さらに
めっきを続けると、図3(d)に示すように、導電部1
30の絶縁部120から露出した面に到達する。基板面
にそっためっきの成長が導電部130に到達すると、導
電部130は導電性基板110と電気的に連結した状態
となり、導電部130の絶縁部120から露出した面全
体にめっきの成長が始まり、面全体ではほぼ同じ成長と
なるため、導電部130上へのめっきは、めっきの経過
時間によらずほぼ平坦となる。(図3(e)) 尚、各めっき液に露出した導電性部位はほぼ同じ電流密
度であるから、導電部130が導電性基板110とが電
気的に連結された後は、ほぼ導電性基板110、導電部
130においても、めっきの基板に垂直な方向の成長速
度は同じである。一方導電性基板110上の基板面に垂
直方向のめっきの成長は、同様に時間の経過とともに面
全体でほぼ同じであることより、基板面全体でほぼ平坦
となる。したがって、導電性基板110上のめっきの厚
さは、めっきを開始してから、導電部130と導電性基
板110とが電気的に連結するまでの時間T1の間に、
めっきされた分の厚さだけ導電部130の上のめっきの
厚さより厚くなる。この結果、図3(e)に示すよう
に、導電性基板110上の厚肉のめっき部141と導電
部130上への薄肉のめっき部143とが形成され、金
属薄膜140は段状となる。上記のように導電部130
の導電性基板110の面に垂直方向のめっきの成長は、
導電部130が導電性基板110に電気的に連結した時
点で始まるため、めっきを開始してから導電部130が
導電性基板110に電気的に連結する時間T1を変える
ことにより、導電基板110上に形成されるめっきの厚
さと所定の差の厚さを持つめっき部を形成することが可
能である。即ち、上記時間T1が異なる導電部130を
同時に導電性基板110上に設けることにより、多段と
することも可能となるのである。この時間T1はめっき
の基板面にそった方向のめっき成長の早さと導電部13
0と導電性基板110の表面に介在する絶縁部120の
幅Wによるが、めっき成長の早さをあらかじめ求めてお
けば時間T1は幅Wを調整することにより調整でき、実
際にはこの幅Wの調整により、結果として導電部130
のめっき膜厚を調整する。簡単には幅Wが大きいほど導
電部のめっき厚は薄くなる。
てめっきを行った場合、図2に示すように金属薄膜14
0が多段に形成される理由を簡単に説明する。図3
(a)に示すように、導電性基板110の一面に、その
露出する面が前記導電性基板110の一面にほぼ一致す
るように埋め込まれ形成された絶縁性材料からなる絶縁
部120と、絶縁部120領域内に導電性基板110と
電気的に孤立し、その露出する面が前記導電性基板11
0の一面にほぼ一致するように形成され導電部130と
を有する原版100について、これを陰極として電気め
っきを施した場合について説明する。図3(a)に示す
導電性基板を用いてめっきを開始すると、先ず、導電性
基板110の露出している面にめっきが析出し、成長す
るが、図3(b)に示すように、めっきのは基板面に垂
直な方向だけでなく、基板面にそった方向にも成長す
る。更に、めっきを続けると、図3(c)に示すよう
に、基板面にそっためっきの成長はさらに進み、さらに
めっきを続けると、図3(d)に示すように、導電部1
30の絶縁部120から露出した面に到達する。基板面
にそっためっきの成長が導電部130に到達すると、導
電部130は導電性基板110と電気的に連結した状態
となり、導電部130の絶縁部120から露出した面全
体にめっきの成長が始まり、面全体ではほぼ同じ成長と
なるため、導電部130上へのめっきは、めっきの経過
時間によらずほぼ平坦となる。(図3(e)) 尚、各めっき液に露出した導電性部位はほぼ同じ電流密
度であるから、導電部130が導電性基板110とが電
気的に連結された後は、ほぼ導電性基板110、導電部
130においても、めっきの基板に垂直な方向の成長速
度は同じである。一方導電性基板110上の基板面に垂
直方向のめっきの成長は、同様に時間の経過とともに面
全体でほぼ同じであることより、基板面全体でほぼ平坦
となる。したがって、導電性基板110上のめっきの厚
さは、めっきを開始してから、導電部130と導電性基
板110とが電気的に連結するまでの時間T1の間に、
めっきされた分の厚さだけ導電部130の上のめっきの
厚さより厚くなる。この結果、図3(e)に示すよう
に、導電性基板110上の厚肉のめっき部141と導電
部130上への薄肉のめっき部143とが形成され、金
属薄膜140は段状となる。上記のように導電部130
の導電性基板110の面に垂直方向のめっきの成長は、
導電部130が導電性基板110に電気的に連結した時
点で始まるため、めっきを開始してから導電部130が
導電性基板110に電気的に連結する時間T1を変える
ことにより、導電基板110上に形成されるめっきの厚
さと所定の差の厚さを持つめっき部を形成することが可
能である。即ち、上記時間T1が異なる導電部130を
同時に導電性基板110上に設けることにより、多段と
することも可能となるのである。この時間T1はめっき
の基板面にそった方向のめっき成長の早さと導電部13
0と導電性基板110の表面に介在する絶縁部120の
幅Wによるが、めっき成長の早さをあらかじめ求めてお
けば時間T1は幅Wを調整することにより調整でき、実
際にはこの幅Wの調整により、結果として導電部130
のめっき膜厚を調整する。簡単には幅Wが大きいほど導
電部のめっき厚は薄くなる。
【0010】次に、本実施例の原版の変形例を挙げ、説
明する。図4(a)は変形例の原版で、図4(b)は該
原版を陰極としてめっきした場合の多段形状の金属薄膜
の形成状態を示した断面図である。図4に示す、原版4
00は、導電性基板410の1つの凹部411にその露
出する面を導電性基板410の一面に揃えた状態で埋め
込まれた絶縁層420内に第一の導電部430A、第二
の導電部430Bを、その露出面を導電性基板の一面に
揃えて埋め込んだものである。原版400を陰極として
めっきを行った際には、先ず導電性基板410上にめっ
きが析出し、めっき部は、導電性基板410の表面に沿
う方向にも成長し、めっきを続けることにより、絶縁部
420を乗り越えて導電部430Aに達し、導電性基板
410と導電部430Aとが電気的に結線し、導電部4
30A上全面に一様にめっきが析出しはじめる。更にめ
っきを続けると、導電部430A上のめっき部は導電部
430Aの露出面に沿う方向にも成長し、絶縁部420
を乗り越え導電部430Bに達し、導電部430Bも絶
縁性基板410と導電部430Aとめっき部を介して電
気的に結線され、導電部430A上全面に一様にめっき
が析出しはじめる。このようにして、更に所定時間めっ
きを続け、終了した状態が図4(b)に示すものであ
り、導電性基板410の表面上には厚肉のめっき部44
1を有し、導電部430A、430B表面上には、これ
より順次薄いめっき部442、443を有する、段状の
金属薄膜440が形成される。
明する。図4(a)は変形例の原版で、図4(b)は該
原版を陰極としてめっきした場合の多段形状の金属薄膜
の形成状態を示した断面図である。図4に示す、原版4
00は、導電性基板410の1つの凹部411にその露
出する面を導電性基板410の一面に揃えた状態で埋め
込まれた絶縁層420内に第一の導電部430A、第二
の導電部430Bを、その露出面を導電性基板の一面に
揃えて埋め込んだものである。原版400を陰極として
めっきを行った際には、先ず導電性基板410上にめっ
きが析出し、めっき部は、導電性基板410の表面に沿
う方向にも成長し、めっきを続けることにより、絶縁部
420を乗り越えて導電部430Aに達し、導電性基板
410と導電部430Aとが電気的に結線し、導電部4
30A上全面に一様にめっきが析出しはじめる。更にめ
っきを続けると、導電部430A上のめっき部は導電部
430Aの露出面に沿う方向にも成長し、絶縁部420
を乗り越え導電部430Bに達し、導電部430Bも絶
縁性基板410と導電部430Aとめっき部を介して電
気的に結線され、導電部430A上全面に一様にめっき
が析出しはじめる。このようにして、更に所定時間めっ
きを続け、終了した状態が図4(b)に示すものであ
り、導電性基板410の表面上には厚肉のめっき部44
1を有し、導電部430A、430B表面上には、これ
より順次薄いめっき部442、443を有する、段状の
金属薄膜440が形成される。
【0011】次に、本発明のめっき用原版の製造方法の
実施例を挙げる。本実施例は、上記実施例のめっき用原
版を作製した方法で、図5は本実施例のめっき用原版の
製造方法の要部を示した断面図である。図5中、500
は原版、510は導電性基板、511は凹部、520、
520Aはレジスト層、540は二酸化ケイ素(SiO
2 )、541は凹部、560は白金である。先ず、研磨
されたステンレス(SUS304)板からなる導電性基
板510上にポジ型レジスト(ヘキスト社製 AZ−4
403)を回転塗布法により均一に塗布し、加熱乾燥処
理を施し、厚さ15μm程度のレジスト層520を形成
した。(図5(a)) 加熱乾燥処理はホットプレートを用い90°Cで5分間
程度行った。次に、レジスト層520を、光学露光装置
の電離放射線よって、所定の領域のみ露光描画した後、
専用のアルカリ現像液で常温、2分間ディップ現像し、
純水流水でリンスを行い、レジスト層520を所望の絵
柄(パターン)に形成した後、レジスト層520と基板
との密着性の向上のため加熱処理をホットプレートで1
20°C、2分間行った。(図5(b)) 尚、露光は、g線の積算露光量150mJ/cm2 で行
った。次に、レジスト層520をマスクとして、ドライ
エッチング法を用いて導電性基板510に凹部511を
形成した。(図5(c)) ドライエッチング条件は、キセノンガスを用いて行っ
た。尚、この形成は塩化鉄を用いたウエットエッチング
法でも問題はない。次に、レジスト層520の開口部、
即ち、露出した凹部511上を含め、レジスト層520
上全体に二酸化ケイ素膜540をスパッタ形成した(図
5(d))後、レジスト層520を剥離するとともにレ
ジスト層520上の二酸化ケイ素膜540を除去し、凹
部511に二酸化ケイ素膜540を充填した状態に形成
した。(図5(e)) 即ち、凹部511への二酸化ケイ素膜540の充填形成
はリフト法により行った。二酸化ケイ素のスパッタは、
金属ケイ素をターゲットとして、酸素とアルゴンの混合
ガスを用いた。レジスト層520の剥離は専用の剥離液
を用いて行った。更に、再度ポジ型レジスト(キスト社
製 AZ−6318)を用回転塗布法により均一に塗布
し、加熱処理を施し、厚さ3μm程度のレジスト層52
0Aを形成した。(図5(f)) 処理は前述のレジスト層520の塗布とほぼ同様にして
行った。次いで、アライメントが可能な光学的露光装置
を用い、所定の領域に電離放射線530による露光描画
を行った後、現像、リンスを行い、レジスト層520A
を所望の絵柄(パターン)に形成した後、レジスト層5
20Aと導電性基板510ないし二酸化ケイ素膜540
との密着性の向上のため加熱処理を、前述のレジスト層
520と同様、ホットプレートで120°C、2分間行
った。(図5(g)) これにより、露光描画された二酸化ケイ素膜540領域
内の所定の領域のみレジスト層520Aが除去され、こ
の部分のみ二酸化ケイ素膜540が露出する。次に、エ
ッチングガスとして4フッ化炭素を用いた反応性イオン
エッチングにより、レジスト層520Aをマスクとして
二酸化ケイ素(SiO2 )膜540をエッチングし凹部
541を形成した。(図5(h)) エッチング時間は二酸化ケイ素(SiO2 )膜540を
貫通しないように注意する。次いで、電子ビームを用い
た真空蒸着法により、レジスト層520Aの開口部52
1A上、即ち凹部541を含め、レジスト層520A上
に白金膜560をスパッタ形成した(図5(i))後、
レジスト層520Aを剥離するとともにレジスト層52
0A上の白金膜560を除去し、凹部541に白金膜5
60を充填した状態に形成した。(図5(j)) 即ち、凹部541への白金膜460の充填形成はリフト
法により行った。このようにして、原版500が作製さ
れるが、めっき面の平滑度が得られなかった場合には、
めっき面側のラッピング研磨処理を行う。この際、完全
な鏡面状態にするとめっきが脱落するので、Ra(JI
S規格 B0601、平均粗さ)で数μm程度の粗さは
必要である。
実施例を挙げる。本実施例は、上記実施例のめっき用原
版を作製した方法で、図5は本実施例のめっき用原版の
製造方法の要部を示した断面図である。図5中、500
は原版、510は導電性基板、511は凹部、520、
520Aはレジスト層、540は二酸化ケイ素(SiO
2 )、541は凹部、560は白金である。先ず、研磨
されたステンレス(SUS304)板からなる導電性基
板510上にポジ型レジスト(ヘキスト社製 AZ−4
403)を回転塗布法により均一に塗布し、加熱乾燥処
理を施し、厚さ15μm程度のレジスト層520を形成
した。(図5(a)) 加熱乾燥処理はホットプレートを用い90°Cで5分間
程度行った。次に、レジスト層520を、光学露光装置
の電離放射線よって、所定の領域のみ露光描画した後、
専用のアルカリ現像液で常温、2分間ディップ現像し、
純水流水でリンスを行い、レジスト層520を所望の絵
柄(パターン)に形成した後、レジスト層520と基板
との密着性の向上のため加熱処理をホットプレートで1
20°C、2分間行った。(図5(b)) 尚、露光は、g線の積算露光量150mJ/cm2 で行
った。次に、レジスト層520をマスクとして、ドライ
エッチング法を用いて導電性基板510に凹部511を
形成した。(図5(c)) ドライエッチング条件は、キセノンガスを用いて行っ
た。尚、この形成は塩化鉄を用いたウエットエッチング
法でも問題はない。次に、レジスト層520の開口部、
即ち、露出した凹部511上を含め、レジスト層520
上全体に二酸化ケイ素膜540をスパッタ形成した(図
5(d))後、レジスト層520を剥離するとともにレ
ジスト層520上の二酸化ケイ素膜540を除去し、凹
部511に二酸化ケイ素膜540を充填した状態に形成
した。(図5(e)) 即ち、凹部511への二酸化ケイ素膜540の充填形成
はリフト法により行った。二酸化ケイ素のスパッタは、
金属ケイ素をターゲットとして、酸素とアルゴンの混合
ガスを用いた。レジスト層520の剥離は専用の剥離液
を用いて行った。更に、再度ポジ型レジスト(キスト社
製 AZ−6318)を用回転塗布法により均一に塗布
し、加熱処理を施し、厚さ3μm程度のレジスト層52
0Aを形成した。(図5(f)) 処理は前述のレジスト層520の塗布とほぼ同様にして
行った。次いで、アライメントが可能な光学的露光装置
を用い、所定の領域に電離放射線530による露光描画
を行った後、現像、リンスを行い、レジスト層520A
を所望の絵柄(パターン)に形成した後、レジスト層5
20Aと導電性基板510ないし二酸化ケイ素膜540
との密着性の向上のため加熱処理を、前述のレジスト層
520と同様、ホットプレートで120°C、2分間行
った。(図5(g)) これにより、露光描画された二酸化ケイ素膜540領域
内の所定の領域のみレジスト層520Aが除去され、こ
の部分のみ二酸化ケイ素膜540が露出する。次に、エ
ッチングガスとして4フッ化炭素を用いた反応性イオン
エッチングにより、レジスト層520Aをマスクとして
二酸化ケイ素(SiO2 )膜540をエッチングし凹部
541を形成した。(図5(h)) エッチング時間は二酸化ケイ素(SiO2 )膜540を
貫通しないように注意する。次いで、電子ビームを用い
た真空蒸着法により、レジスト層520Aの開口部52
1A上、即ち凹部541を含め、レジスト層520A上
に白金膜560をスパッタ形成した(図5(i))後、
レジスト層520Aを剥離するとともにレジスト層52
0A上の白金膜560を除去し、凹部541に白金膜5
60を充填した状態に形成した。(図5(j)) 即ち、凹部541への白金膜460の充填形成はリフト
法により行った。このようにして、原版500が作製さ
れるが、めっき面の平滑度が得られなかった場合には、
めっき面側のラッピング研磨処理を行う。この際、完全
な鏡面状態にするとめっきが脱落するので、Ra(JI
S規格 B0601、平均粗さ)で数μm程度の粗さは
必要である。
【0012】次に、本発明のめっきによる金属薄膜の形
成方法の実施例を更に具体的に説明する。本実施例は、
図1に示す実施例の原版100を用いて、原版100上
に、硫酸銅電解めっきにて銅めっきからなる金属薄膜1
40を図2に示すように多段に形成したものであるが、
めっき浴組成としては、硫酸銅水和物220g/l、硫
酸60g/l、塩素イオン50mg/l、光沢材を適量
加えた組成のものを使用し、原版100を陰極として硫
酸銅電解めっきにて多段形状の金属薄膜を成膜した。め
っき条件は、液温度25〜28°C、陰極電流密度1〜
2A/dm2 で行った。各導電部130における銅めっ
きの成長は前述した図3に示すようにして行われ、結果
として、図2に示すように、めっき厚の厚い導電性基板
110上の厚肉のめっき部141、図3に示すWに対応
した厚さのめっき部412、143からなる金属薄膜1
40を形成した。尚、所望の厚さのめっき厚を得るに
は、めっき時間は、めっき面積、電流密度等により適当
に変えることが必要である。原版100上への銅めっき
からなる金属薄膜140の形成を、以下、図3を用いて
簡単に説明する。上記めっき浴にて、原版100(図3
(a))を陰極として、硫酸銅電解めっきを開始する
と、導電性基板110の露出面に析出する銅めっき部
(金属薄膜)140は等方的に成長するため、絶縁部1
20上を導電性基板110の露出面側から導電性基板1
10の面に沿う方向にも銅めっき部(金属薄膜)140
は、図3(b)の状態から図3(c)の状態へと次第に
大きく成長した。更に硫酸銅電解めっきを続けることに
より、絶縁部120上を導電性基板110の露出面に沿
い成長した銅めっき部140は孤立した導電部130ま
で到達し、導電部130と導電性基板110とは電気的
に接続された。(図3(d)) この後、導電部130全面にも、導電性基板110と同
様均一に露出面に垂直な方向にめっき部が成長し、導電
性基板110上には厚い銅めっき部141をもち、導電
部130上には薄い銅めっき部143をもつ段状の銅め
っき部(金属薄膜)140を原版100上に得た。(図
3(e)) 図3は、導電部130と絶縁部の組みを簡単の為、1つ
を示したものであるが、図1に示すように、原版には、
図3(a)に示すWの幅が異なる、導電部130と絶縁
部の組みを2組み有するもので、いずれの組みについて
も図3に示すようにした、各Wの幅に対応した厚さの銅
めっき部を各導電膜130上にそれぞれ得ることがで
き、結果として図2に示す金属薄膜140を得ることが
できた。
成方法の実施例を更に具体的に説明する。本実施例は、
図1に示す実施例の原版100を用いて、原版100上
に、硫酸銅電解めっきにて銅めっきからなる金属薄膜1
40を図2に示すように多段に形成したものであるが、
めっき浴組成としては、硫酸銅水和物220g/l、硫
酸60g/l、塩素イオン50mg/l、光沢材を適量
加えた組成のものを使用し、原版100を陰極として硫
酸銅電解めっきにて多段形状の金属薄膜を成膜した。め
っき条件は、液温度25〜28°C、陰極電流密度1〜
2A/dm2 で行った。各導電部130における銅めっ
きの成長は前述した図3に示すようにして行われ、結果
として、図2に示すように、めっき厚の厚い導電性基板
110上の厚肉のめっき部141、図3に示すWに対応
した厚さのめっき部412、143からなる金属薄膜1
40を形成した。尚、所望の厚さのめっき厚を得るに
は、めっき時間は、めっき面積、電流密度等により適当
に変えることが必要である。原版100上への銅めっき
からなる金属薄膜140の形成を、以下、図3を用いて
簡単に説明する。上記めっき浴にて、原版100(図3
(a))を陰極として、硫酸銅電解めっきを開始する
と、導電性基板110の露出面に析出する銅めっき部
(金属薄膜)140は等方的に成長するため、絶縁部1
20上を導電性基板110の露出面側から導電性基板1
10の面に沿う方向にも銅めっき部(金属薄膜)140
は、図3(b)の状態から図3(c)の状態へと次第に
大きく成長した。更に硫酸銅電解めっきを続けることに
より、絶縁部120上を導電性基板110の露出面に沿
い成長した銅めっき部140は孤立した導電部130ま
で到達し、導電部130と導電性基板110とは電気的
に接続された。(図3(d)) この後、導電部130全面にも、導電性基板110と同
様均一に露出面に垂直な方向にめっき部が成長し、導電
性基板110上には厚い銅めっき部141をもち、導電
部130上には薄い銅めっき部143をもつ段状の銅め
っき部(金属薄膜)140を原版100上に得た。(図
3(e)) 図3は、導電部130と絶縁部の組みを簡単の為、1つ
を示したものであるが、図1に示すように、原版には、
図3(a)に示すWの幅が異なる、導電部130と絶縁
部の組みを2組み有するもので、いずれの組みについて
も図3に示すようにした、各Wの幅に対応した厚さの銅
めっき部を各導電膜130上にそれぞれ得ることがで
き、結果として図2に示す金属薄膜140を得ることが
できた。
【0013】
【効果】本発明は、上記のように、工程が短かく、生産
性が有利で、歩留りの向上が見込まれる、めっきによる
多段形状の金属薄膜の形成方法の提供を可能とし、同時
にこれに用いられるめっき用原版と該原版の製造方法の
提供を可能とするものである。即ち、本発明は、図5に
示す従来の工程ように、レジスト製版プロセスと電気め
っき等による金属薄膜の成膜を組みとする工程を段数に
応じた分繰り返す必要がなく、1回のめっき工程のみで
多段の金属薄膜を形成できるものとしており、工程が短
く、生産性にも優れ、歩留りの向上が見込まれるもので
ある。
性が有利で、歩留りの向上が見込まれる、めっきによる
多段形状の金属薄膜の形成方法の提供を可能とし、同時
にこれに用いられるめっき用原版と該原版の製造方法の
提供を可能とするものである。即ち、本発明は、図5に
示す従来の工程ように、レジスト製版プロセスと電気め
っき等による金属薄膜の成膜を組みとする工程を段数に
応じた分繰り返す必要がなく、1回のめっき工程のみで
多段の金属薄膜を形成できるものとしており、工程が短
く、生産性にも優れ、歩留りの向上が見込まれるもので
ある。
【図1】実施例のめっき用原版の断面図
【図2】実施例のめっき用原版を用いて形成した多段状
の金属薄膜を示した図
の金属薄膜を示した図
【図3】金属薄膜が多段に形成できる理由を説明するた
めの図
めの図
【図4】変形例のめっき用原版の断面図
【図5】実施例のめっき用原版の製造方法の工程図
【図6】従来の多段状の金属薄膜の形成方法の工程図
100 めっき原版 110 導電性基板 120 絶縁部 130 孤立した導電部 140 金属薄膜(めっき
部) 141、142、143 めっき部 400 原版 410 導電性基板 420 絶縁部 430A、430B 導電部 440 金属薄膜(めっき
層) 441、442、443 めっき部 500 原版 510 導電性基板 511 凹部 520、520A レジスト層 540 二酸化ケイ素(S
iO2 ) 541 凹部 560 白金 610 導電性基板 620 レジスト層 620A、620B レジストパターン 630 電離放射線 640、 金属薄膜(めっき
層) 641 第一のめっき層 642 第二のめっき層 650 厚肉部 660 薄肉部 670 めっきが施されな
い部分
部) 141、142、143 めっき部 400 原版 410 導電性基板 420 絶縁部 430A、430B 導電部 440 金属薄膜(めっき
層) 441、442、443 めっき部 500 原版 510 導電性基板 511 凹部 520、520A レジスト層 540 二酸化ケイ素(S
iO2 ) 541 凹部 560 白金 610 導電性基板 620 レジスト層 620A、620B レジストパターン 630 電離放射線 640、 金属薄膜(めっき
層) 641 第一のめっき層 642 第二のめっき層 650 厚肉部 660 薄肉部 670 めっきが施されな
い部分
Claims (3)
- 【請求項1】 めっきにより、多段形状の金属薄膜を形
成するための原版であって、導電性基板と、導電性基板
の表面部に形成された凹部に埋め込まれ、導電性基板の
面にその露出面を揃えた絶縁性材料による絶縁部と、絶
縁部の表面部に形成された凹部に埋め込まれて絶縁部に
より導電性基板から電気的に絶縁され、導電性基板の面
にその露出面を揃えた導電性材料からなる電気的に孤立
した導電部とを有し、孤立した導電部と隣接する導電性
基板の表面の絶縁部の幅が、原版を陰極としてめっきを
行った際に、めっきを開始してから、導電性基板の表面
に析出されるめっき部が導電性基板の表面に沿う方向に
も成長して、絶縁部を乗り越え、隣接する導電部まで達
し、導電部と導電性基板とが電気的に接続するまでの時
間を、調整できるように設けてあることを特徴とするめ
っき用原板。 - 【請求項2】 導電性基板と、導電性基板の表面部に形
成された凹部に埋め込まれ、導電性基板の面にその露出
面を揃えた絶縁性材料による絶縁部と、絶縁部の表面部
に形成された凹部に埋め込まれて絶縁部により導電性基
板から電気的に絶縁され、導電性基板の面にその露出面
を揃えた導電性材料からなる電気的に孤立した導電部と
を有する原版を用い、原版を陰極として、めっきによ
り、原版の表面に多段形状の金属薄膜を形成するもの
で、孤立した導電部と隣接する導電性基板の表面との間
の絶縁部の幅を調整することにより、めっきにより、前
記導電性基板の一面側の導電性基板の露出した表面にめ
っき部を析出させるとともに、導電性基板の表面に析出
されるめっき部が導電性基板の表面に沿う方向にも成長
して、絶縁部を乗り越え、隣接する導電部まで達し、導
電部と導電性基板とが電気的に接続し、導電部上に導電
性基板上とは異なる膜厚の金属膜を生じるようにしたこ
とを特徴とするめっきによる金属薄膜の形成方法。 - 【請求項3】 めっきにより、多段形状の金属薄膜を形
成するための原版の製造方法であって、少なくとも順
に、(A)導電性基板の一面に第一のレジストを塗布
し、製版により、導電性基板が露出する第一のレジスト
開口部を設ける工程と、(B)第一のレジストを耐腐蝕
性マスクとして、該第一のレジスト開口部より、導電性
基板をエッチングして凹部を作製する工程と、(C)該
凹部に絶縁性材料を充填する工程と、(D)第一のレジ
ストを剥離する工程と、(E)該絶縁材料および導電性
基板を覆うように、導電性基板の一面に第二のレジスト
を塗布し、製版により、絶縁性材料を設けた領域内に絶
縁材料を露出する第二のレジストの開口部を設ける工程
と、(F)第二のレジストを耐腐蝕性マスクとして、該
第二のレジスト開口部より、絶縁性材料をエッチングし
て凹部を作製する工程と、(G)導電性基板の第二のレ
ジスト側全面に、導電性の金属薄膜を形成する工程と、
(H)第二のレジストを剥離するとともに、第二のレジ
スト上に形成された導電性の金属薄膜を除去する工程と
を有することを特徴とするめっき用原版の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17436896A JPH108288A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | めっき用原版とそれを用いた金属薄膜の形成方法、及びめっき用原版の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17436896A JPH108288A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | めっき用原版とそれを用いた金属薄膜の形成方法、及びめっき用原版の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH108288A true JPH108288A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15977402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17436896A Withdrawn JPH108288A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | めっき用原版とそれを用いた金属薄膜の形成方法、及びめっき用原版の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH108288A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7653107B2 (en) | 2007-07-17 | 2010-01-26 | Mitsubishi Electric Corporation | Semiconductor light-emitting device |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP17436896A patent/JPH108288A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7653107B2 (en) | 2007-07-17 | 2010-01-26 | Mitsubishi Electric Corporation | Semiconductor light-emitting device |
US7947517B2 (en) | 2007-07-17 | 2011-05-24 | Mitsubishi Electric Corporation | Method of manufacturing semiconductor light-emitting device |
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