JPH1082564A - 太陽熱収集装置 - Google Patents

太陽熱収集装置

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JPH1082564A
JPH1082564A JP8235118A JP23511896A JPH1082564A JP H1082564 A JPH1082564 A JP H1082564A JP 8235118 A JP8235118 A JP 8235118A JP 23511896 A JP23511896 A JP 23511896A JP H1082564 A JPH1082564 A JP H1082564A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽熱収集装置の集熱管真空断熱層の真空度
を高く維持する。 【解決手段】 太陽熱収集装置の集熱管1の、外管1a
と内管1bとの間に形成される空隙部を真空にして真空
断熱層1cを形成する。真空断熱層は、配管5を介して
真空タンク7に接続される。真空タンクは、圧力スイッ
チ11により発停する真空ポンプ9を有しており、真空
タンク内は常に所定の真空度に維持される。真空断熱層
に侵入する空気は、配管5を介して真空タンクに流入す
るため、集熱部に多少の洩れがあった場合でも、真空断
熱層の真空度を長期間維持できる。このため、真空ポン
プの作動頻度が低減され、運転コストの上昇やポンプの
寿命低下が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽熱収集装置に関
し、特に真空断熱層を有する太陽熱収集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱媒を収容した吸熱管の周囲を、太陽光
を透過する外管で覆い、吸熱管(内管)と外管との間の
空隙部内の空気を排除して真空断熱層を形成した太陽熱
収集装置が一般に知られている。このような真空断熱層
を有する太陽熱収集装置では、太陽熱を受けて高温にな
った熱媒から、吸熱管外壁を介して伝導や対流により熱
が外気に放散することが防止されるため、効率的に太陽
熱を収集することが可能となる。
【0003】この種の太陽熱収集装置の例としては、例
えば特公昭63−55618号公報に記載されたものが
ある。同公報の装置は、太陽熱を収集する集熱管と貯湯
槽内に配置された熱交換器との間に熱媒を循環させる熱
媒循環回路を備え、集熱管で高温になった熱媒により熱
交換器を介して間接的に貯湯槽内の水を加熱する構成と
されている。また、上記集熱管は、熱媒が循環する吸熱
管(内管)の周囲をガラス製の外管で覆い、内管と外管
との間の空隙部内の空気を排除して真空断熱層を形成し
ている。
【0004】従来、上記のような真空断熱層を有する太
陽熱収集装置では、予め工場内で集熱管内の空隙部を真
空にして密封したものを現地に搬入し、組み立て施工を
行っていた。しかし、このような密封型の集熱管は、コ
ストが高く、しかも現地での工事が複雑になる問題があ
る。また、密封型の集熱管は接続部から洩れる空気や内
部に吸着されていたガスの放出等により、時間が経過す
ると内部の真空度が低下するため、断熱効果が低下する
問題がある。
【0005】上記公報の装置では、上記問題を解決する
ために熱媒循環回路にエジェクタを配置して常時循環す
る熱媒により真空断熱層内の空気やガスを排除するよう
にしている。これにより、現地で真空断熱層を形成する
ことが可能となり、しかも常時真空断熱層の排気を行う
ことが可能となるため、真空断熱層の真空度を常に高く
維持することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特公昭
63−55618号公報の装置は熱媒を作動流体とする
エジェクタを用いて排気を行うため、必要な真空度を達
成するためには常時比較的多量の熱媒を循環させる必要
がある。上記公報の装置のように、熱交換器を介して熱
媒により貯湯槽内の湯を間接的に加熱する間接加熱型の
装置では、常時多量の熱媒を循環させることが可能であ
るため、エジェクタを用いて真空断熱層の真空度を維持
することができる。しかし、集熱管で直接加熱した湯を
各所に供給する直接加熱型の装置では、給湯量が一定せ
ず、しかも給湯量自体がそれ程多くないため、上記公報
の構成を採用した場合には真空断熱層の真空度を十分に
高く維持できない問題が生じる。
【0007】一方、エジェクタの代わりに、例えば電動
式の真空ポンプを用いて真空断熱層の排気を行うことも
可能であるが、この場合には常時真空ポンプを運転する
と装置運転コストの上昇や真空ポンプの寿命低下等の問
題が生じる。また、上記公報の装置のように常時真空断
熱層内の排気を行う装置では、複数の集熱管を配管を介
して1つのエジェクタに接続し、同時に排気を行うよう
な場合には、例えば1つの集熱管が破損して大量の空気
が流入したような場合には、配管を通じて空気が他の集
熱管にも流入してしまい、全部の集熱管の真空断熱層の
真空度が低下してしまう問題がある。
【0008】本発明は、上記問題に鑑み、エジェクタや
真空ポンプを常時運転することなく常に真空断熱層の真
空度を高く維持することが可能な太陽熱収集装置を提供
することを目的としている。また、本発明は、更に、複
数の集熱管の真空断熱層を同時に排気するような場合
に、1部の集熱管における真空の破壊が他の集熱管の真
空度の低下を生じることのない太陽熱収集装置を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、太陽光を透過する外管と、内部に熱媒を収容し
た内管と、前記外管と内管との間に形成された真空断熱
層と、該真空断熱層に配管を介して接続された真空タン
クと、該真空タンク内を所定の真空度に維持する真空ポ
ンプとを備え、前記真空タンクと真空ポンプとにより、
前記配管を介して前記真空断熱層内を前記所定の真空度
に維持することを特徴とする太陽熱収集装置が提供され
る。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、更に、前
記真空ポンプは前記真空タンクに常時接続されるととも
に、前記真空タンク内の圧力が予め定めた上限値以上に
上昇したときに前記真空ポンプを作動させる真空度維持
手段を備えた請求項1に記載の太陽熱収集装置が提供さ
れる。請求項3に記載の発明によれば、それぞれが太陽
光を透過する外管と内部に熱媒を収容した内管と前記外
管と内管との間に形成された真空断熱層とから成る複数
組の集熱管と、前記各集熱管の真空断熱層に配管を介し
て接続された真空タンクと、前記各集熱管の真空断熱層
と前記真空タンクとの間に配置され前記各集熱管の真空
断熱層から前記真空タンクに流入する空気流量が所定値
以上になったときに前記真空断熱層と前記真空タンクと
の間の空気の流通を遮断する防止弁と、を備えた太陽熱
収集装置が提供される。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、前記真空
タンクは、タンク内の空気を排除する真空ポンプと、前
記真空タンク内の圧力が予め定めた上限値以上に上昇し
たときに前記真空ポンプを作動させる真空度維持手段
と、を備えた請求項3に記載の太陽熱収集装置が提供さ
れる。請求項5に記載の発明によれば、それぞれが太陽
光を透過する外管と内部に熱媒を収容した内管と前記外
管と内管との間に形成された真空断熱層とから成る複数
組の集熱管と、前記各集熱管の真空断熱層に共通の配管
を介して接続された真空タンクと、前記各集熱管の真空
断熱層と前記共通の配管との間に配置され前記各集熱管
の真空断熱層から前記共通の配管に流入する空気流量が
所定値以上になったときに前記真空断熱層と前記配管と
の接続を遮断する防止弁と、を備えた太陽熱収集装置が
提供される。
【0012】以下、各請求項記載の発明の作用について
説明する。請求項1の発明では、集熱管の真空断熱層は
配管を介して真空タンクに接続されている。このため、
真空断熱層内に洩入する空気やガス分子は配管を通じて
真空タンク内に流入する。従って、真空断熱層内に多少
の空気やガス分子が洩入した場合でも、真空断熱層の真
空度の低下は小さく断熱効果が損なわれない。
【0013】また、真空タンクは真空ポンプにより排気
して所定の真空度を達成するが、真空断熱層に洩入する
空気等の量は比較的わずかであるため、真空タンクの容
積を大きく設定すれば一旦タンク内の真空度が所定値に
到達した後は真空断熱層と真空タンクとをあわせた系内
の真空度は長期間低下しない。すなわち、真空タンクは
真空断熱層に洩入する空気等を排気する真空ポンプとし
て機能するため、常時真空ポンプを稼働させることなく
真空断熱層の真空度を高く維持することができる。な
お、本発明は、真空ポンプを常時真空タンクに接続する
場合と、可搬式の真空ポンプを必要に応じて真空タンク
に接続するようにする場合との両方の構成を含んでい
る。
【0014】また、請求項2の発明では真空ポンプは常
時真空タンクに接続されており、真空断熱層と真空タン
クとを含む系内の真空度が低下(系内圧力が上昇)する
と自動的に作動し、系内の真空度を回復させる。これに
より、常に系内の真空度が高く維持されるとともに、真
空ポンプの作動頻度が減少し運転コストの上昇や真空ポ
ンプの寿命低下が防止される。
【0015】請求項3の発明では、集熱管が複数配置さ
れ、各集熱管の真空断熱層が配管を経由して真空タンク
に接続される。また、本発明では、各集熱管の真空断熱
層と真空タンクとの間には防止弁が設けられており、真
空断熱層から真空タンクに流入する空気流量が所定値以
上になった場合に真空断熱層と真空タンクとを遮断する
ようになっている。これにより、例えば集熱管の破損等
により1つの集熱管の真空断熱層に大量の空気が流入し
たような場合でも、流入した空気が配管を経由して他の
集熱管の真空断熱層や真空タンクに流入することが防止
される。このため、本発明では、請求項1と同じ作用に
加えて、1つの集熱管の真空の破壊により、全体の系の
真空度が低下することが防止される。
【0016】請求項4の発明では、請求項3の真空タン
クは、タンク内の真空度が低下したときに自動的に作動
してタンク内の真空度を回復する真空ポンプを備えてい
る。これにより、請求項2の作用と同様、常に系内の真
空度が高く維持されるとともに、運転コストの上昇や真
空ポンプの寿命低下が防止される。請求項5の発明で
は、請求項3の発明と同様集熱管が複数配置され、各集
熱管の真空断熱層は共通の配管を経由して真空タンクに
接続される。また、本発明では、各集熱管の真空断熱層
と共通配管との間には防止弁が設けられており、真空断
熱層から共通配管に流入する空気流量が所定値以上にな
った場合に真空断熱層と共通配管とを遮断するようにな
っている。これにより、請求項3の発明と同様に、1つ
の集熱管の真空の破壊により、全体の系の真空度が低下
することが防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明の太陽熱収
集装置の一実施形態の概略構成を示す図である。図1に
おいて、参照符号1は集熱管を示す。集熱管1は、太陽
光を透過する例えばガラス製の外管1aと吸熱管(内
管)1bとを有する。また、内管1bには給水管3aと
給湯管3bが接続されており、給水管3aから供給され
た水道水等の熱媒が内管1bを通過する際に太陽熱によ
り加熱され、給湯管3bから流出する。集熱管1の、外
管1aと内管1bとの間の環状空隙からなる真空断熱層
1cには真空配管5を介して真空タンク7に接続されて
いる。
【0018】また、真空タンク7には、真空ポンプ9と
圧力スイッチ11とが接続されている。本実施形態で
は、真空ポンプ9は後述するように比較的排気容量の小
さいものが使用でき、10-5Torr程度の到達真空度
のものが使用される。また、圧力スイッチ11は、真空
ポンプ9の電源に接続され、真空タンク7内の圧力に応
じて真空ポンプ9の発停を行う。本実施形態では、圧力
スイッチ11は例えば真空タンク7の真空度が低下して
(圧力が上昇して)10-3Torr程度になると真空ポ
ンプ9を作動させ、真空度が10-5Torr程度まで回
復すると真空ポンプ9を停止させる。
【0019】本実施形態では、集熱管1の内部は工場出
荷時には真空にせず大気圧のままで出荷する。そして、
現地では、集熱管1と真空タンク7とを含む系全体の圧
力は大気圧のままで組み立て工事を行う。このため、現
地での装置の組み立てが容易に行われ、組み立て工数が
低減される。組み立てが完了すると、系全体の気密確認
後、真空ポンプ9を作動させ、集熱管1、配管5、真空
タンク7を含めた系全体の排気を行う。この状態では、
排気に要する時間の制限はないため、真空ポンプ9は大
きな排気容量のものである必要はなく、比較的長い時間
をかけて系内の排気を行う。
【0020】系内の排気が完了し、系内真空度が10-5
Torr程度になると真空ポンプ9は圧力スイッチ11
に接続され、工事が完了する。一般に真空断熱層1cは
圧力が10-3Torr以下の場合に大きな断熱効果を発
揮する。しかし、集熱管1の各接続部から真空断熱層1
c内に侵入する空気や、外管1aや内管1bの壁面に吸
着されていた気体分子が圧力低下とともに真空断熱層1
c内に放出されるようになるため、系内圧力は徐々に上
昇するようになる。本実施形態では、比較的大容量の真
空タンク7を設けているため、集熱管1を密封構造とし
た場合に較べてはるかに系内の圧力上昇速度は遅く、長
期間の運転後も十分な真空度を維持することができる。
【0021】また、長期間の運転後系内圧力が徐々に上
昇して、例えば10-3Torr程度まで真空度が低下す
ると、圧力スイッチ11により真空ポンプ9の運転が開
始され、10-5Torr程度の真空度が回復するまで真
空ポンプ9の運転が継続される。前述したように、本実
施形態では真空タンク7を設けたため系内の圧力上昇は
極めて緩慢であり、このように真空ポンプ9が作動する
のは、数週間から数カ月に1度程度、また作動時の運転
時間も数時間程度である。このため、真空ポンプ9の作
動頻度が極めて少なくなり、運転コストの上昇やポンプ
寿命の低下が防止される。
【0022】なお、本実施形態では、真空タンク7に常
時真空ポンプ9を接続し、圧力スイッチ11により真空
ポンプを自動発停させているが、上述のように真空ポン
プ9の作動頻度は極めて少ないため必ずしも常時真空ポ
ンプ9を真空タンク7に接続する必要はない。例えば、
真空ポンプ9用の接続口を真空タンク7に設け、圧力ス
イッチ11の代わりにタンク7に真空計を設置し定期的
にタンク7内の真空度を人間がチェックするようにして
もよい。この場合、真空度が低下した場合には可搬式の
真空ポンプをタンクに接続して系内の排気を行って真空
度を回復するようにすれば良い。
【0023】次に、図2を用いて本発明の別の実施形態
について説明する。図2は、本実施形態の装置概略構成
を示す図である。図2において、図1と同じ参照符号は
図1のものと同一の要素を示している。本実施形態で
は、図2に示すように複数の集熱管1(図2では4つ)
が設けられており、それぞれの集熱管1の真空断熱層1
cは、枝管5aを介して共通の真空配管5に接続されて
いる。また、本実施形態では、枝管5aと各集熱管1の
真空断熱層1cとの接続部には後述する防止弁20が配
置されている点が図1の実施形態と相違している。
【0024】本実施形態では、1つの真空タンク7を用
いて複数の集熱管1の真空断熱層の真空度を維持する。
この場合、装置の組み立て方法、排気方法及び真空タン
ク7、真空ポンプ9、圧力スイッチ11の作用は図1の
実施形態で説明したものと同様になる。しかし、本実施
形態のように、複数の集熱管を1つの真空タンクに接続
する構成を採用した場合には問題が生じる可能性があ
る。すなわち、このような構成では、1つの集熱管が破
損して真空断熱層部分に空気が侵入したような場合には
侵入した空気が真空配管5やタンク7を介して他の集熱
管の真空断熱層に流入することになり、1つの集熱管で
真空が破壊されると全部の集熱管の真空度が低下してし
まう問題が生じるのである。しかも、通常の排気による
空気の流れ方向(集熱管から真空タンク)と集熱管の破
損等により侵入する空気の流れ方向は同一であるため、
通常の逆止弁等では系内への空気の侵入を防止すること
はできない。
【0025】そこで、本実施形態では各集熱管1と枝管
5aとの接続部に防止弁20を設けることにより、上記
問題を解決している。次に、本実施形態の防止弁20に
ついて説明する。本実施形態の防止弁は、集熱管1の外
管1aの破損等により、集熱管1側から枝管5aに大量
の空気が流入した場合にのみ、枝管5aを閉塞し、系内
に大量の空気が流入することを防止するものである。一
方、通常の真空断熱層1cの排気時には集熱管1から枝
管5aに流入する空気を抵抗なく流通させる必要があ
る。そこで、本実施形態の防止弁20は、弁20を通過
する気体流量が所定流量を越えた場合にのみ枝管5aを
閉塞するようにしている。以下、防止弁20の構成例に
ついて説明する。
【0026】図3は、防止弁20の一実施形態を示す概
略構成図である。図3において、防止弁20は通常の電
磁遮断弁として構成されている。また、図において21
は、各集熱管の真空断熱層1cに設けられた圧力セン
サ、23は制御回路、25は警告灯を示す。本実施形態
では、制御回路23は圧力センサ21からの圧力信号を
入力し、例えば微分回路等により各集熱管1の真空断熱
層1c内の圧力上昇速度を常に監視している。例えば、
集熱管1の破損等が生じて多量の空気が真空断熱層1c
に流入すると断熱層内の圧力は急激に上昇する。本実施
形態では、制御回路23は真空断熱層1c内の圧力上昇
速度が所定値以上になった場合には、その集熱管1に接
続された防止弁(電磁弁)20を閉弁するとともに、警
告灯25を点灯する。これにより、多量の空気が枝管5
aに流入することが防止され、他の集熱管1の真空度の
低下が防止される。なお、通常の排気においては、集熱
管1の真空断熱層1c内圧力は低下(真空度が上昇)す
るため防止弁20が作動することはない。また、装置運
転中には前述したように、接続部からの空気の侵入等に
より真空断熱層1c内圧力は徐々に上昇するが、この場
合の圧力上昇速度は極めて小さいため防止弁20が作動
することはない。更に、図3は、各集熱管1毎に制御回
路23を設けた例を示しているが、制御回路23として
マイクロコンピュータ等を用いたような場合には、単一
の制御回路で順次各集熱管1の圧力センサ21の出力を
監視することが可能となるのはいうまでもない。
【0027】図4は、防止弁20の構成の別の実施形態
を説明する断面図である。本実施形態の防止弁20は、
枝管5aにフランジ21、22を介して接続される円筒
状ケーシング25と、該ケーシング25内に配置された
弾性を有する円板状の弁体27とを備えている。図4に
示すように、ケーシング25内周面には、等間隔に配置
された複数の第1の突起25aと、該第1の突起25a
から軸線方向に弁体27の厚さより大きい間隔を隔て
て、同様にケーシング25内周面に等間隔に配置された
第2の突起25bが設けられている。また、通常の状態
では、弁体27は図4に示したように第1と第2の突起
によりケーシング25内に保持されている。
【0028】図5は、弁体27の形状を示す、図4のA
−A線に沿った断面図である。本実施形態では、弁体2
7は通常の排気時に空気が通過する孔部27aを有して
いる。孔部27は弁体27の中心から所定の距離をおい
た円周状に配置されている。また、前述の第1と第2の
突起の張出長さは、図4の状態でこの孔部27aを閉塞
しない長さに設定されている。
【0029】また、図4において、弁体27に対して集
熱管1側に配置された第1の突起25aは真空タンク7
側の第2の突起25bより張出長さが大きく設定されて
いる。前述のように、通常の状態では弁体27は突起2
5aと25bとに挟まれてケーシング内に保持される。
この状態では弁体27の孔部27aは突起25a、25
bによっては閉塞されないため、集熱管の真空断熱層1
cに侵入した空気は、抵抗なく弁体27の孔部27aを
通過して枝管5a、真空配管5を通って真空タンク7内
に流入する。
【0030】一方、図6は集熱管1が破損して真空断熱
層1cに大量の空気が流入した場合の弁体27の位置を
示している。集熱管1が破損して大量の空気が流入する
と、弁体27の両側には大きな圧力差が生じる。弁体2
7は弾性を有する材料で形成されているため、この圧力
差により撓みを生じ、この撓みのために弁体27は真空
タンク7側の第2の突起25bを乗り越えて移動し、図
6に示すようにケーシング25の真空タンク7側の端面
25cに当接する。
【0031】ケーシング25の端面cにおける枝管5a
との接続開口部25dの径は、孔部27aと弁体27の
中心との距離より小さく設定されているため、この状態
では接続開口部25dは弁体27の孔部27aより内側
の部分27eによって閉塞される。この状態では、弁体
27は流入する空気の圧力により端面25cに密着する
ため、流入した空気は枝管5aとの接続開口部25dに
は流入することはできず、破損した集熱管1から真空配
管5や真空タンク7を経由して空気が他の集熱管1に流
入することが阻止される。このため、1つの集熱管1の
破損により、系全体の真空度が低下することが防止され
る。
【0032】次に、防止弁20の別の実施形態について
図7、図8を用いて説明する。本実施形態においても、
図3の実施形態と同様に各集熱管1に接続される防止弁
20は電磁遮断弁として構成される。しかし、本実施形
態では、図3の実施形態のように各集熱管1に圧力セン
サを設けることなく、真空タンク7に単一の圧力センサ
13が配置されている。本実施形態の制御回路23は、
この圧力センサ13により検出された真空タンク7圧力
に基づいて、集熱管1の破損等による大量の空気の侵入
を検出して各防止弁20の操作を行う。
【0033】図8は、制御回路23により実行される集
熱管1の洩れ検出と防止弁20制御動作を示すフローチ
ャートである。図8に示すように、本実施形態では制御
回路23は、常時圧力センサ13により真空タンク7の
圧力を監視しており、真空タンク7の圧力が所定値(例
えば10-2Torr程度)以上に上昇した場合(ステッ
プ10)には、一旦全部の防止弁20を閉弁して(ステ
ップ20)真空ポンプ9を作動させる(ステップ3
0)。真空タンク7圧力が通常の制御範囲(10-5〜1
-3Torr)を越えて大幅に上昇した場合には、いず
れかの集熱管1の破損により大量の空気が流入しつつあ
る可能性が高いからである。次いで、制御回路23は、
各集熱管1の防止弁20を1つずつ開弁し(ステップ4
0、50)、防止弁20を開弁したときに真空タンク7
内の圧力が所定値以上に上昇するものがあれば(ステッ
プ60)、その防止弁20が接続されている集熱管1が
破損していると判断し、その防止弁20を閉弁状態に保
持する(ステップ70)。この操作を全部の集熱管1に
ついて繰り返すことにより(ステップ40)、破損等に
より洩れを生じている集熱管1の防止弁20のみを閉弁
状態に保持することが可能となる。
【0034】本実施形態によれば、各集熱管1に圧力セ
ンサを設ける必要がなく、簡易に集熱管1からの空気の
洩れを検出できる利点がある。
【0035】
【発明の効果】請求項1及び2に記載の発明によれば、
装置運転コストの上昇や真空ポンプの寿命低下を招くこ
となく、常に真空断熱層の真空度を高く保持できるた
め、太陽熱収集装置の効率を高く維持できるという効果
を奏する。また、請求項3から5に記載の発明によれ
ば、複数の集熱管を設け、単一の真空タンクにより各集
熱管の真空断熱層の真空度を維持する場合に、1つの集
熱管の破損等による真空度の低下が生じたときも他の集
熱管の真空断熱層の真空度が低下することを防止するこ
とが可能となり、更に各集熱管に圧力センサを設ける必
要がないため、簡易に真空度の低下を防止できるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽熱収集装置の一実施形態の概略構
成を示す図である。
【図2】本発明の太陽熱収集装置の、図1とは異なる実
施形態の概略構成を示す図である。
【図3】図2の防止弁の一実施形態を示す図である。
【図4】図2の防止弁の一実施形態を示す断面図であ
る。
【図5】防止弁の弁体の形状を示す、図4のA−A線に
沿った断面図である。
【図6】図4の防止弁の作用を説明する図である。
【図7】図2の防止弁の一実施形態を示す図である。
【図8】図7の防止弁の作用を説明するフローチャート
である。
【符号の説明】
1…集熱管 1a…外管 1b…内管 1c…真空断熱層 5…真空配管 7…真空タンク 9…真空ポンプ 20…防止弁 23…制御回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽光を透過する外管と、内部に熱媒を
    収容した内管と、前記外管と内管との間に形成された真
    空断熱層と、該真空断熱層に配管を介して接続された真
    空タンクと、該真空タンク内を所定の真空度に維持する
    真空ポンプとを備え、前記真空タンクと真空ポンプとに
    より、前記配管を介して前記真空断熱層内を前記所定の
    真空度に維持することを特徴とする太陽熱収集装置。
  2. 【請求項2】 更に、前記真空ポンプは前記真空タンク
    に常時接続されるとともに、前記真空タンク内の圧力が
    予め定めた上限値以上に上昇したときに前記真空ポンプ
    を作動させる真空度維持手段を備えた請求項1に記載の
    太陽熱収集装置。
  3. 【請求項3】 それぞれが太陽光を透過する外管と内部
    に熱媒を収容した内管と前記外管と内管との間に形成さ
    れた真空断熱層とから成る複数組の集熱管と、前記各集
    熱管の真空断熱層に配管を介して接続された真空タンク
    と、前記各集熱管の真空断熱層と前記真空タンクとの間
    に配置され前記各集熱管の真空断熱層から前記真空タン
    クに流入する空気流量が所定値以上になったときに前記
    真空断熱層と前記真空タンクとの間の空気の流通0遮断
    する防止弁と、を備えた太陽熱収集装置。
  4. 【請求項4】 前記真空タンクは、タンク内の空気を排
    除する真空ポンプと、前記真空タンク内の圧力が予め定
    めた上限値以上に上昇したときに前記真空ポンプを作動
    させる真空度維持手段と、を備えた請求項3に記載の太
    陽熱収集装置。
  5. 【請求項5】 それぞれが太陽光を透過する外管と内部
    に熱媒を収容した内管と前記外管と内管との間に形成さ
    れた真空断熱層とから成る複数組の集熱管と、前記各集
    熱管の真空断熱層に共通の配管を介して接続された真空
    タンクと、前記各集熱管の真空断熱層と前記共通の配管
    との間に配置され前記各集熱管の真空断熱層から前記共
    通の配管に流入する空気流量が所定値以上になったとき
    に前記真空断熱層と前記配管との接続を遮断する防止弁
    と、を備えた太陽熱収集装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1318809C (zh) * 2003-06-04 2007-05-30 孟范中 太阳能热水器
KR100803614B1 (ko) 2007-04-26 2008-02-19 제주대학교 산학협력단 비유리식 태양열 집열 튜브
CN105776387A (zh) * 2014-12-18 2016-07-20 哈尔滨市三和佳美科技发展有限公司 直通式海水淡化专用太阳能真空管

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