JPH1081990A - 電鋳型の製造方法およびその電鋳母型 - Google Patents

電鋳型の製造方法およびその電鋳母型

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JPH1081990A
JPH1081990A JP23287896A JP23287896A JPH1081990A JP H1081990 A JPH1081990 A JP H1081990A JP 23287896 A JP23287896 A JP 23287896A JP 23287896 A JP23287896 A JP 23287896A JP H1081990 A JPH1081990 A JP H1081990A
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JP
Japan
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electroforming
electrodeposition
groove
mold
matrix
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Application number
JP23287896A
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English (en)
Inventor
Shoichi Nomura
鐘一 野村
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Kyokuto Giken Co Ltd
Original Assignee
Kyokuto Giken Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溝部または凹部の電着速度を向上した電鋳型
の製造方法および母型。 【解決手段】 溝部または凹部を有する電鋳母型を用い
て電鋳型を製造するに際して、前記溝部または前記凹部
を加熱しながら前記電鋳母型に電着することを特徴と
し、その電鋳型は溝部または凹部に加熱手段を設けたこ
とを特徴とするものであって、電鋳母型の溝部や凹部付
近の界面の電着液のイオンの運動速度が増加し電流密度
が増大すると共に、部分的な加熱により電着液の対流が
促進され、その結果電着速度の遅い溝部や凹部での電着
速度が向上し、電着途中の手直しの回数が減り、電鋳型
の製造日数が短縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種製品の型、例
えば自動車のインスツルメントパネル成形用金型として
利用される電鋳型の製造方法およびその電鋳母型に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電鋳は通常剥離皮膜を表面に付けた電鋳
母型(マンドレル)に金属を金属塩からなる電解液から
電着させて後に、析出金属を母型から剥離して母型と表
面の凹凸が反対の電鋳型を得るものである。
【0003】電鋳法の利点は、機械加工では困難なうえ
に金のかかる複雑な表面を持つ製品を電着操作により比
較的安価に得ることができること、母型の精密な凹凸を
忠実に複写できその寸法誤差も±2.5μm程度にする
ことができること、製品の厚さに制限がなく薄いものか
ら相当厚いものまでできることである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、電気めっきに
おける析出金属の厚さは、使用した電気量(電流×時
間)と電流効率の積に比例するが、電鋳法における電鋳
母型への電着金属の厚さは、陰陽極の幾何学的形状に左
右され、陰陽極の近接しているところや角部や端部には
電流が集中しやすいため電着速度が早く、逆に溝部や凹
部には電流が流れ難く電着速度が遅い。
【0005】また、電気めっきを長時間続けると、陰極
(母型)界面における電解液中の金属イオンが消費され
るので、陰極界面への金属イオンの補給を必要とする
が、陰極(母型)の平面部や角部へは電解液の攪拌や自
然の対流あるいは拡散により金属イオンの補給は容易で
あるのに対し、陰極(母型)の溝部または凹部に対して
は攪拌や対流による金属イオンの補給の効果には限度が
ある。
【0006】特に自動車のインスツルメントパネル成形
用金型では、その肉厚が厚くかつ肉厚の均一性が要求さ
れるのであるが、電鋳法で製造する際のこのような現象
の相乗効果により、従来技術においては、複雑な形状の
マンドレルの広範囲にわたって均一な厚さに電着するこ
とは困難であり、通常途中で電解を中止して、電着途中
のマンドレルを電解浴中から取り出し、不均一な電着に
より厚く付き過ぎた部分を切削、研磨などの機械加工に
よって削除し、その部分にマスキングをしてから再度電
着をするという作業を繰り返さなければならず、理論電
着日数の5〜10倍の日数がかかるという問題点があっ
た。
【0007】また、これに対する対策として、厚さの分
布を改善するために、電流密度が高くなる部分へは遮蔽
板を、電流密度が低くなる部分には補助陽極などを使用
して、電流の均一化を図る試みがなされているが、これ
らの方法は多大な工数がかかり、特に補助陽極は部位に
よってその面積を勘案して電流を変えなくてはならない
ために、部位毎に専用補助陽極整流器を設定しなくては
ならないなどの設備面での問題もある。
【0008】本発明は自動車のインスツルメントパネル
成形用金型のような凹凸が多く複雑な形状の金型を電鋳
法で製造する際の前記のごとき問題点を解決するために
なされたものであって、電流密度が小さく電解液の還流
の少ない母型の凹部に金属の電着を多くし、電着途中の
電着層の手直しを少なくし、電着日数を著しく短縮する
ことができる電鋳型の製造方法およびその電鋳母型を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は前記の問題点を
解決するため、電鋳母型の溝部や凹部等の陥没部での電
流密度の増大および電着液の還流の促進について鋭意研
究を重ねた。その結果、電鋳母型の溝部や凹部等の陥没
部を部分的に加熱してやると、電鋳母型の溝部や凹部付
近の界面の電着液のイオンの運動速度が増加し電流密度
が増大すると共に、部分的な加熱により電着液の対流が
促進されることを見出して本発明を完成した。
【0010】本発明の請求項1の電鋳型の製造方法は、
溝部または凹部を有する電鋳母型を用いて電鋳型を製造
するに際して、前記溝部または前記凹部を加熱しながら
前記電鋳母型に電着することを要旨とする。また、本発
明の請求項2の電鋳母型は、溝部または凹部に加熱手段
を設けたことを要旨とする。
【0011】本発明により製造される電鋳型の形状には
特に制約はない。例えば金型、複製品、薄板、シート状
の製品等所望の形状の物品を製造し得る。プラスチック
成形用の金型について説明すると、先ず所望の形状を有
する母型を用意する。この基材を構成する材料は特に限
定されるものではないが、母型は鋳造される電鋳体から
剥離されるものであるから、再使用を意図しない限り安
価な材料、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂、尿素樹脂等容易に所定の形状に成形でき
るプラスチックが好適に使用できる。
【0012】この母型を構成するこれらプラスチック
は、本来絶縁体であるので、その転写予定面に銀鏡反応
を利用するか、あるいは銀ラッカーなど導電材料を塗布
することにより、連続する皮膜状の導電層を形成する。
なお、導電層形成に先立ち母型に対する導電層の付着力
を高めるために、脱脂処理を施すこと、および銀鏡反応
を利用する場合は、さらに塩化第1錫溶液を塗布するな
どして、より感応性を付与することが望ましい。
【0013】電鋳母型の溝部または凹部に配置される加
熱手段としては、電熱線でも加熱パイプでも特に制約は
ない。あるいは、加熱部分に鉄などの磁性体を埋め込
み、誘導加熱装置により、埋め込んだ鉄板へ誘導電流を
生じさせ発熱させても良い。発熱体の配置などは、めっ
きが付き難いと思われる母型の深い谷になっている部
分、陰になっている部分に適宜配置される。その部分が
長い溝状の場合は線状のヒータを用い、すり鉢の底のよ
うになっている場合は底部の形状に合わせて環状または
筒状のヒータを用いる。ヒータの発熱量は、配置部分の
液温が電解液の液温より少なくとも5℃以上上昇する程
度のものが好ましい。
【0014】本発明の電鋳型の製造方法は、溝部または
凹部を有する電鋳母型を用いて電鋳型を製造するに際し
て、前記溝部または前記凹部を加熱しながら前記電鋳母
型に電着するので、電鋳母型の溝部や凹部付近の界面の
電着液のイオンの運動速度が増加し電流密度が増大する
と共に、部分的な加熱により電着液の対流が促進され、
その結果電着速度の遅い溝部や凹部での電着速度が向上
し、電着途中の手直しの回数が減り、電鋳型の製造日数
が短縮される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を従来例と比
較して説明し本発明の効果を明らかにする。図1は本実
施例で用いた自動車のインスツルメントパネルの電鋳母
型の斜視図である。この電鋳母型10はエポキシ樹脂か
らなるが、A部に深い溝部12があり、B部にはすり鉢
状の凹部14がある。
【0016】本発明例として、図2のA部の部分切断斜
視図に示すように溝部12に線状ヒータ16を配置し、
図3のB部の断面図に示すように凹部14に筒状ヒータ
18を配置した。また、これとは別に電鋳母型10には
発熱体を全く配置しないものを従来例として用意し、こ
の従来例と本発明例の電鋳母型の電鋳面に銀鏡反応によ
り導電層を形成した後、ニッケル電鋳用の電解液に浸漬
し、ニッケル電鋳を開始した。
【0017】従来例の電鋳母型については加熱を全く行
わず、本発明例の電鋳母型については、線状ヒータ16
および筒状ヒータ18に通電し、溝部12および凹部1
4の界面の電解液温度を5℃昇温した。ニッケル電鋳開
始後は、適当時間電鋳したら途中で電解を中止して、電
着途中の電鋳母型10を電解浴中から取り出し、不均一
な電着により4.5mm以上厚く付き過ぎた部分を切
削、研磨などの機械加工によって削除し、その部分にマ
スキングをしてから再度電着をするという作業を繰り返
し、電着厚さ4.5mmの電鋳型を作製した。
【0018】図4および図5は、縦軸はめっき面積(マ
スキング後の再度電着面積)とし、横軸は電鋳日数とし
て示した電着面積変化図であって、図4は本発明例のも
の、図5は従来例のものを示す。図5の従来例ではめっ
き面積の減少が遅く、電着完了に延べ50日を要した。
これに対して図4の本発明例では、従来例に比較してめ
っき面積の減少が早く、電着完了延べ日数も38日であ
って、電鋳型の完成期間を約24%短縮でき、本発明の
効果を確認できた。
【0019】
【発明の効果】本発明の電鋳型の製造方法は以上詳述し
たように、溝部または凹部を有する電鋳母型を用いて電
鋳型を製造するに際して、前記溝部または前記凹部を加
熱しながら前記電鋳母型に電着することを特徴とし、そ
の電鋳型は溝部または凹部に加熱手段を設けたことを特
徴とするものであって、電鋳母型の溝部や凹部付近の界
面の電着液のイオンの運動速度が増加し電流密度が増大
すると共に、部分的な加熱により電着液の対流が促進さ
れ、その結果電着速度の遅い溝部や凹部での電着速度が
向上し、電着途中の手直しの回数が減り、電鋳型の製造
日数が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で用いた自動車のインスツルメントパ
ネルの電鋳母型の斜視図である。
【図2】図1の電解母型の溝部の一部を切断した部分拡
大斜視図である。
【図3】図1の電解母型の凹部の一部を切断した部分拡
大断面図である。
【図4】本発明例の電着面積変化図である。
【図5】従来例の電着面積変化図である。
【符号の説明】
10・・・・・電鋳母型 12・・・・・溝部 14・・・・・凹部 16・・・・・線状ヒータ 18・・・・・筒状ヒータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝部または凹部を有する電鋳母型を用い
    て電鋳型を製造するに際して、前記溝部または前記凹部
    を加熱しながら前記電鋳母型に電着することを特徴とす
    る電鋳型の製造方法。
  2. 【請求項2】 溝部または凹部に加熱手段を設けたこと
    を特徴とする電鋳母型。
JP23287896A 1996-09-03 1996-09-03 電鋳型の製造方法およびその電鋳母型 Pending JPH1081990A (ja)

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