JPH1081955A - 斜め蒸着膜素子およびこれを用いた光学装置 - Google Patents
斜め蒸着膜素子およびこれを用いた光学装置Info
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- JPH1081955A JPH1081955A JP9186163A JP18616397A JPH1081955A JP H1081955 A JPH1081955 A JP H1081955A JP 9186163 A JP9186163 A JP 9186163A JP 18616397 A JP18616397 A JP 18616397A JP H1081955 A JPH1081955 A JP H1081955A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 斜め蒸着方法によって製造される斜め蒸着膜
素子において、斜め蒸着層の白濁化を防止する。 【解決手段】 基板10と斜め蒸着層14との間にバッ
ファ層として正面蒸着層12を設けて、基板10上の汚
染物質が斜め蒸着層14に拡散することを防ぐ。また、
最上層の斜め蒸着層14の上に正面蒸着層16を設け、
斜め蒸着層14が大気中の水分を吸収することを防止
し、更に、斜め蒸着層14と緻密な正面蒸着層18との
複数の積層体を形成して基板10からの汚染物質の拡散
と大気中の水分の吸収を防止するだけでなく、各斜め蒸
着層自体の強度が高まり、斜め蒸着層の柱状構造の緩和
を確実に抑制できる。このように、斜め蒸着層14にお
ける柱状構造の緩和を促進する要因を取り除くことによ
り斜め蒸着膜層14の白濁化が防止される。
素子において、斜め蒸着層の白濁化を防止する。 【解決手段】 基板10と斜め蒸着層14との間にバッ
ファ層として正面蒸着層12を設けて、基板10上の汚
染物質が斜め蒸着層14に拡散することを防ぐ。また、
最上層の斜め蒸着層14の上に正面蒸着層16を設け、
斜め蒸着層14が大気中の水分を吸収することを防止
し、更に、斜め蒸着層14と緻密な正面蒸着層18との
複数の積層体を形成して基板10からの汚染物質の拡散
と大気中の水分の吸収を防止するだけでなく、各斜め蒸
着層自体の強度が高まり、斜め蒸着層の柱状構造の緩和
を確実に抑制できる。このように、斜め蒸着層14にお
ける柱状構造の緩和を促進する要因を取り除くことによ
り斜め蒸着膜層14の白濁化が防止される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た斜め蒸着層を有する斜め蒸着膜素子、特に光通信、光
検出、光加工等において重要な構成要素である偏光素子
等に利用されるものに関する。
た斜め蒸着層を有する斜め蒸着膜素子、特に光通信、光
検出、光加工等において重要な構成要素である偏光素子
等に利用されるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光通信、光検出、光加工等に
おいては、光の位相を制御する必要があり、各種の位相
制御素子が利用されている。この位相制御素子の1つに
斜め蒸着膜を利用した斜め蒸着膜素子がある。
おいては、光の位相を制御する必要があり、各種の位相
制御素子が利用されている。この位相制御素子の1つに
斜め蒸着膜を利用した斜め蒸着膜素子がある。
【0003】斜め蒸着膜は、太さ約10nmの柱が基板
表面の法線方向から蒸着源の方向に傾いた角度をもって
集合し、面内で異方的な微細構造を有する蒸着膜であ
る。そして、このような異方的な微細構造により、種々
の物性について、面内での異方性がある。
表面の法線方向から蒸着源の方向に傾いた角度をもって
集合し、面内で異方的な微細構造を有する蒸着膜であ
る。そして、このような異方的な微細構造により、種々
の物性について、面内での異方性がある。
【0004】例えば、可視光に対して透明な物質である
Ta2 O5 を材料とした斜め蒸着膜は、垂直入射光に対
し複屈折特性を持つ。従って、この斜め蒸着膜は、可視
光領域における位相板に利用される。
Ta2 O5 を材料とした斜め蒸着膜は、垂直入射光に対
し複屈折特性を持つ。従って、この斜め蒸着膜は、可視
光領域における位相板に利用される。
【0005】ここで、斜め蒸着膜を利用する際にしばし
ば生じる問題点として、柱状構造が緩和する、即ち上記
微細構造を構成する個々の柱に凝集が生じるという現象
がある。この柱状構造の緩和が起こると、膜内で光の散
乱がおこり、膜が白濁してしまう。そこで、膜の特性が
変化し、位相板などの光学素子としての品質が悪化して
しまうという問題が生じる。
ば生じる問題点として、柱状構造が緩和する、即ち上記
微細構造を構成する個々の柱に凝集が生じるという現象
がある。この柱状構造の緩和が起こると、膜内で光の散
乱がおこり、膜が白濁してしまう。そこで、膜の特性が
変化し、位相板などの光学素子としての品質が悪化して
しまうという問題が生じる。
【0006】この白濁化を避ける手段もある程度は知ら
れている。例えば、基板の汚染物質を極力排除した上
で、Ta2 05 を高真空中で高速度にて斜め蒸着した場
合、斜め蒸着膜での柱状構造の緩和が小さく、可視光に
対して白濁の少ない膜素子が作製できることが知られて
いる(T.Motohiro and Y.Taga, Appl. Opt. 28 (1989)2
466 )。
れている。例えば、基板の汚染物質を極力排除した上
で、Ta2 05 を高真空中で高速度にて斜め蒸着した場
合、斜め蒸着膜での柱状構造の緩和が小さく、可視光に
対して白濁の少ない膜素子が作製できることが知られて
いる(T.Motohiro and Y.Taga, Appl. Opt. 28 (1989)2
466 )。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法により作成された斜め蒸着膜素子については、高温あ
るいは高湿という悪環境下で十分な耐久性が得られるか
否かが疑問である。
法により作成された斜め蒸着膜素子については、高温あ
るいは高湿という悪環境下で十分な耐久性が得られるか
否かが疑問である。
【0008】また、光を利用する様々な分野では、解像
度の上昇などの目的で、用いる光の短波長化が望まれて
いる。しかし、上述の斜め蒸着膜素子の膜材料であるT
a205 は、波長およそ450nm以下の光を吸収す
る。従って、Ta2 O5 は、紫外光を対象とする位相板
などには、用いることができない。
度の上昇などの目的で、用いる光の短波長化が望まれて
いる。しかし、上述の斜め蒸着膜素子の膜材料であるT
a205 は、波長およそ450nm以下の光を吸収す
る。従って、Ta2 O5 は、紫外光を対象とする位相板
などには、用いることができない。
【0009】一方、紫外光に対して透明な物質、例えば
SiO2 等を用いた斜め蒸着膜においては、その白濁化
を避けるための方法は知られていない。
SiO2 等を用いた斜め蒸着膜においては、その白濁化
を避けるための方法は知られていない。
【0010】本発明は、斜め蒸着膜の柱状構造の緩和・
白濁を防止し、また、膜材料として使用する物質に対し
て依存性の少ない斜め蒸着膜素子を提供することを目的
とする。
白濁を防止し、また、膜材料として使用する物質に対し
て依存性の少ない斜め蒸着膜素子を提供することを目的
とする。
【0011】
[発明の構成]本発明は、上記目的を達成するためにな
され、以下のような特徴を有する。
され、以下のような特徴を有する。
【0012】(A)本発明の斜め蒸着膜素子は、基板上
に形成された斜め蒸着層を有し、基板と斜め蒸着層との
間、および斜め蒸着層上のいずれか一方、または両方に
正面蒸着層を形成したことを特徴とする。
に形成された斜め蒸着層を有し、基板と斜め蒸着層との
間、および斜め蒸着層上のいずれか一方、または両方に
正面蒸着層を形成したことを特徴とする。
【0013】(B)また、他の形態の本発明は、基板上
に形成した斜め蒸着層と正面蒸着層とが交互に形成され
た積層体を有する斜め蒸着膜素子であって、基板と積層
体との間、および積層体上のいずれか一方または両方に
正面蒸着層が形成されていることを特徴とする。
に形成した斜め蒸着層と正面蒸着層とが交互に形成され
た積層体を有する斜め蒸着膜素子であって、基板と積層
体との間、および積層体上のいずれか一方または両方に
正面蒸着層が形成されていることを特徴とする。
【0014】(C)ここで、本発明における多層構造
(基板/正面蒸着層/斜め蒸着層/正面蒸着層/斜め蒸
着層/……/正面蒸着層/斜め蒸着層/正面蒸着層)の
斜め蒸着膜素子は、以下のような工程により、得ること
ができる。
(基板/正面蒸着層/斜め蒸着層/正面蒸着層/斜め蒸
着層/……/正面蒸着層/斜め蒸着層/正面蒸着層)の
斜め蒸着膜素子は、以下のような工程により、得ること
ができる。
【0015】(i)まず、基板上に正面蒸着により正面
蒸着層(バッファ層)を形成し、清浄な表面を得る。
蒸着層(バッファ層)を形成し、清浄な表面を得る。
【0016】(ii)次に、斜め蒸着層と正面蒸着層とを
交互に繰り返し積層し、所望の厚さとなるように多層構
造の積層体(斜め蒸着層/正面蒸着層/斜め蒸着層/…
…/斜め蒸着層)を上記バッファ層上に形成する。
交互に繰り返し積層し、所望の厚さとなるように多層構
造の積層体(斜め蒸着層/正面蒸着層/斜め蒸着層/…
…/斜め蒸着層)を上記バッファ層上に形成する。
【0017】(iii )上記多層構造の積層体の表面に、
さらに正面蒸着層として緻密なパッシベーション層を形
成する。
さらに正面蒸着層として緻密なパッシベーション層を形
成する。
【0018】(D)斜め蒸着膜の機械的強度を向上させ
るために、斜め蒸着層の中間に正面蒸着層を形成し、
[基板/斜め蒸着層/正面蒸着層/斜め蒸着層]という
構成とすることは、特開昭63−301905号に示さ
れている。
るために、斜め蒸着層の中間に正面蒸着層を形成し、
[基板/斜め蒸着層/正面蒸着層/斜め蒸着層]という
構成とすることは、特開昭63−301905号に示さ
れている。
【0019】しかし、この従来技術に示される構造で
は、斜め蒸着層の白濁を防止するには不十分であり、本
発明のような構成が求められる。
は、斜め蒸着層の白濁を防止するには不十分であり、本
発明のような構成が求められる。
【0020】すなわち、本発明では、(i) 基板と斜め
蒸着層との間、(ii) 斜め蒸着層の表面、具体的には
[・・・ 斜め蒸着層/正面蒸着層/斜め蒸着層]、または
[単一層の斜め蒸着層]の表面、の少なくとも一方に、
正面蒸着層を設けることにより、斜め蒸着膜素子を構成
する。これによって、各斜め蒸着層の白濁化を確実に防
止することができる。特に、上記(B)の多層構造の積
層体として、薄い斜め蒸着層と正面蒸着層とを交互に積
層した構成は、白濁化防止の点で特に有効である。
蒸着層との間、(ii) 斜め蒸着層の表面、具体的には
[・・・ 斜め蒸着層/正面蒸着層/斜め蒸着層]、または
[単一層の斜め蒸着層]の表面、の少なくとも一方に、
正面蒸着層を設けることにより、斜め蒸着膜素子を構成
する。これによって、各斜め蒸着層の白濁化を確実に防
止することができる。特に、上記(B)の多層構造の積
層体として、薄い斜め蒸着層と正面蒸着層とを交互に積
層した構成は、白濁化防止の点で特に有効である。
【0021】(E)また、上述の斜め蒸着膜素子におけ
る斜め蒸着膜は、具体的には、例えば以下のような構造
をとり得る。
る斜め蒸着膜は、具体的には、例えば以下のような構造
をとり得る。
【0022】(i) 基板/正面蒸着層/斜め蒸着層 (ii) 基板/斜め蒸着層/正面蒸着層 (iii) 基板/正面蒸着層/斜め蒸着層/正面蒸着層 (iv) 基板/正面蒸着層/斜め蒸着層/正面蒸着層/斜
め蒸着層……/正面蒸着層/斜め蒸着層 (v) 基板/正面蒸着層/斜め蒸着層/正面蒸着層/斜
め蒸着層……/正面蒸着層 (F)上述のような斜め蒸着膜素子において、斜め蒸着
層を成す材料は、例えば、タンタル酸化物、セリウム酸
化物、タングステン酸化物、シリコン酸化物、ネオジウ
ム弗化物などの少なくともいずれか1つを用いることが
できる。これらのいずれの材料を用いて斜め蒸着層を形
成しても、得られる斜め蒸着層の白濁化を防止すること
ができる。また、使用する光に対して透明であり、基板
上に安定的に形成可能な材料であれば、これらの材料に
限られることはない。
め蒸着層……/正面蒸着層/斜め蒸着層 (v) 基板/正面蒸着層/斜め蒸着層/正面蒸着層/斜
め蒸着層……/正面蒸着層 (F)上述のような斜め蒸着膜素子において、斜め蒸着
層を成す材料は、例えば、タンタル酸化物、セリウム酸
化物、タングステン酸化物、シリコン酸化物、ネオジウ
ム弗化物などの少なくともいずれか1つを用いることが
できる。これらのいずれの材料を用いて斜め蒸着層を形
成しても、得られる斜め蒸着層の白濁化を防止すること
ができる。また、使用する光に対して透明であり、基板
上に安定的に形成可能な材料であれば、これらの材料に
限られることはない。
【0023】(G)また、上述のような斜め蒸着膜素子
において、斜め蒸着層の蒸着方向は、それぞれ基板表面
の法線方向に対して30度〜80度が望ましい。このよ
うな蒸着角度であれば、斜め蒸着膜素子への入射光に対
する屈折率に偏光による違いが生じ、位相制御素子など
に利用することができる。
において、斜め蒸着層の蒸着方向は、それぞれ基板表面
の法線方向に対して30度〜80度が望ましい。このよ
うな蒸着角度であれば、斜め蒸着膜素子への入射光に対
する屈折率に偏光による違いが生じ、位相制御素子など
に利用することができる。
【0024】(H)また、上述の斜め蒸着膜素子は、各
種光学装置における位相制御素子(例えば、位相板や偏
光分離素子など)として利用可能であり、これら光学素
子として本発明の斜め蒸着膜素子を使用することによ
り、高性能の光学装置の実現が可能となる。
種光学装置における位相制御素子(例えば、位相板や偏
光分離素子など)として利用可能であり、これら光学素
子として本発明の斜め蒸着膜素子を使用することによ
り、高性能の光学装置の実現が可能となる。
【0025】[本発明の作用・効果]斜め蒸着膜の柱状
構造が緩和、白濁する原因は、斜め蒸着膜は隙間の多い
微細構造をもつため、その構造自身が不安定で緩和しや
すいためと考えられる。
構造が緩和、白濁する原因は、斜め蒸着膜は隙間の多い
微細構造をもつため、その構造自身が不安定で緩和しや
すいためと考えられる。
【0026】このような構造の緩和を促進する要因とし
ては、 (i) 基板上の汚染物質 (ii)斜め蒸着膜表面からの大気中の水分の浸透 が挙げられる。
ては、 (i) 基板上の汚染物質 (ii)斜め蒸着膜表面からの大気中の水分の浸透 が挙げられる。
【0027】本発明は、これらの点に着目し、斜め蒸着
膜における柱状構造の緩和を促進する要因を取り除くこ
とによって、様々な材料で形成された斜め蒸着膜層の白
濁化を防止している。すなわち、本発明において、上述
のように、基板と斜め蒸着層との間にバッファ層として
正面蒸着層を設けることによって、基板上の汚染物質が
斜め蒸着層に拡散することを防止する。そして、最上層
の斜め蒸着層の上にパッシベーション層として正面蒸着
層を設けることによって、斜め蒸着層が大気中の水分を
吸収することを防止する。
膜における柱状構造の緩和を促進する要因を取り除くこ
とによって、様々な材料で形成された斜め蒸着膜層の白
濁化を防止している。すなわち、本発明において、上述
のように、基板と斜め蒸着層との間にバッファ層として
正面蒸着層を設けることによって、基板上の汚染物質が
斜め蒸着層に拡散することを防止する。そして、最上層
の斜め蒸着層の上にパッシベーション層として正面蒸着
層を設けることによって、斜め蒸着層が大気中の水分を
吸収することを防止する。
【0028】また、このような構成に加え、上述の
(B)のように、斜め蒸着層を緻密な正面蒸着層で挟ん
だ積層体を形成することにより、上記要因(i),(ii)が防
止されると共に、各斜め蒸着層の機械的強度が高まり、
構造の緩和をさらに確実に抑制できる。
(B)のように、斜め蒸着層を緻密な正面蒸着層で挟ん
だ積層体を形成することにより、上記要因(i),(ii)が防
止されると共に、各斜め蒸着層の機械的強度が高まり、
構造の緩和をさらに確実に抑制できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以
下、実施形態という)について図面を用いて説明する。
下、実施形態という)について図面を用いて説明する。
【0030】実施形態1. [斜め蒸着膜素子の構造]図1は、本実施形態に係る斜
め蒸着膜素子の構成例1〜4を示している。図示される
ように、いずれの斜め蒸着膜素子も、石英ガラスなどの
透明基板10の上に正面蒸着層12および斜め蒸着層1
4が形成されて構成されている。
め蒸着膜素子の構成例1〜4を示している。図示される
ように、いずれの斜め蒸着膜素子も、石英ガラスなどの
透明基板10の上に正面蒸着層12および斜め蒸着層1
4が形成されて構成されている。
【0031】(構成例1)図1(a)に示す斜め蒸着膜
素子1は、基板10の表面に、バッファ層として正面蒸
着層12が形成されている。この正面蒸着層12は、例
えば2800Å程度の厚さに基板表面の法線方向に蒸着
形成されている。この正面蒸着層12の上層には、基板
表面の法線方向に対して例えば30度〜80度の範囲だ
け蒸着方向が傾けられて蒸着された厚さ2μmの斜め蒸
着層14が形成されている。
素子1は、基板10の表面に、バッファ層として正面蒸
着層12が形成されている。この正面蒸着層12は、例
えば2800Å程度の厚さに基板表面の法線方向に蒸着
形成されている。この正面蒸着層12の上層には、基板
表面の法線方向に対して例えば30度〜80度の範囲だ
け蒸着方向が傾けられて蒸着された厚さ2μmの斜め蒸
着層14が形成されている。
【0032】正面蒸着層12は、その構造が緻密であ
り、汚染物質が拡散されにくい。そこで、基板10と斜
め蒸着層14との間にこの正面蒸着層12を設けること
により、基板10の汚染物質が上層の斜め蒸着層14に
到達して拡散し、斜め蒸着層14の層構造が緩和してし
まうことが防止される。
り、汚染物質が拡散されにくい。そこで、基板10と斜
め蒸着層14との間にこの正面蒸着層12を設けること
により、基板10の汚染物質が上層の斜め蒸着層14に
到達して拡散し、斜め蒸着層14の層構造が緩和してし
まうことが防止される。
【0033】(構成例2)図1(b)の斜め蒸着膜素子
1は、基板10表面を洗浄して清浄にした後、例えば2
μm程度の厚さに形成された斜め蒸着層14を備えてい
る。そして、この斜め蒸着層14の上に、パッシベーシ
ョン層として例えば2800Åの厚さの正面蒸着層16
が形成されている。正面蒸着層16は、図1(a)に示
されるバッファ層として用いられている正面蒸着層12
と同様に、その構造が緻密である。従って、この正面蒸
着層16は、下層の斜め蒸着層14が大気中の水分を吸
収しし、その柱状構造が緩和することを防止している。
1は、基板10表面を洗浄して清浄にした後、例えば2
μm程度の厚さに形成された斜め蒸着層14を備えてい
る。そして、この斜め蒸着層14の上に、パッシベーシ
ョン層として例えば2800Åの厚さの正面蒸着層16
が形成されている。正面蒸着層16は、図1(a)に示
されるバッファ層として用いられている正面蒸着層12
と同様に、その構造が緻密である。従って、この正面蒸
着層16は、下層の斜め蒸着層14が大気中の水分を吸
収しし、その柱状構造が緩和することを防止している。
【0034】(構成例3)図1(c)の斜め蒸着膜素子
1においては、基板10上に、バッファ層として正面蒸
着層12(厚さは、例えば2800Å)が形成されてい
る。そして、この正面蒸着層12上には、薄い斜め蒸着
層14(例えば、厚さ750Å)および正面蒸着層18
(例えば、厚さ450Å)が交互に形成された積層体が
設けられている。さらに、積層体の上には、図1(b)
と同様にパッシベーション層として正面蒸着層16が形
成されている。
1においては、基板10上に、バッファ層として正面蒸
着層12(厚さは、例えば2800Å)が形成されてい
る。そして、この正面蒸着層12上には、薄い斜め蒸着
層14(例えば、厚さ750Å)および正面蒸着層18
(例えば、厚さ450Å)が交互に形成された積層体が
設けられている。さらに、積層体の上には、図1(b)
と同様にパッシベーション層として正面蒸着層16が形
成されている。
【0035】なお、正面蒸着層12上に積層体(斜め蒸
着層14/正面蒸着層18/斜め蒸着層14/……/斜
め蒸着層14)を設けた構成に限らず、この積層体に替
えて単一の斜め蒸着層14を設けた構成としてもよい。
着層14/正面蒸着層18/斜め蒸着層14/……/斜
め蒸着層14)を設けた構成に限らず、この積層体に替
えて単一の斜め蒸着層14を設けた構成としてもよい。
【0036】このように、積層体または単一の斜め蒸着
層14をバッファ層としての正面蒸着層12と、パッシ
ベーション層としての正面蒸着層16とで挟む構成とす
ることで、斜め蒸着層14の構造緩和を促進要因である (i) 基板10からの汚染物質の拡散、(ii) 大気中の
水分の吸収、を確実に防止することが可能となる。
層14をバッファ層としての正面蒸着層12と、パッシ
ベーション層としての正面蒸着層16とで挟む構成とす
ることで、斜め蒸着層14の構造緩和を促進要因である (i) 基板10からの汚染物質の拡散、(ii) 大気中の
水分の吸収、を確実に防止することが可能となる。
【0037】従って、より確実に斜め蒸着膜素子におけ
る斜め蒸着層の構造緩和による膜の白濁化が防止され
る。また、図1(c)のように、薄い斜め蒸着層14と
正面蒸着層18との積層構造を採用すれば、膜の機械的
強度の向上にも寄与するので、膜の白濁化の抑制能力が
一段と高められることとなる。
る斜め蒸着層の構造緩和による膜の白濁化が防止され
る。また、図1(c)のように、薄い斜め蒸着層14と
正面蒸着層18との積層構造を採用すれば、膜の機械的
強度の向上にも寄与するので、膜の白濁化の抑制能力が
一段と高められることとなる。
【0038】[製造条件]本実施形態1の斜め蒸着膜素
子は、垂直入射光用位相制御素子として利用することが
できる。すなわち、斜め蒸着膜素子では、垂直に入射し
てくる入射光に対し、その図2(a)に示す蒸着方向に
直交する偏光成分(S偏光)と、この偏光成分と直交す
る偏光成分(P偏光)とで、屈折率がそれぞれ異なる。
そして、この屈折率の相違により、斜め蒸着膜素子1を
通過したS偏光とP偏光とで互いの位相に差が生ずる。
そこで、本実施形態1に示す斜め蒸着膜素子において、
斜め蒸着層などの厚さを所定の値に調整することによ
り、上記2つの偏光成分に所望の位相差を与えることが
可能となる。よって、この斜め蒸着膜素子を位相制御素
子、例えば位相板や偏光分離素子として使用することが
できる。なお、偏光分離素子として用いる場合には、図
1(c)のように、斜め蒸着層と正面蒸着層の多層構造
とすることが必要となる。
子は、垂直入射光用位相制御素子として利用することが
できる。すなわち、斜め蒸着膜素子では、垂直に入射し
てくる入射光に対し、その図2(a)に示す蒸着方向に
直交する偏光成分(S偏光)と、この偏光成分と直交す
る偏光成分(P偏光)とで、屈折率がそれぞれ異なる。
そして、この屈折率の相違により、斜め蒸着膜素子1を
通過したS偏光とP偏光とで互いの位相に差が生ずる。
そこで、本実施形態1に示す斜め蒸着膜素子において、
斜め蒸着層などの厚さを所定の値に調整することによ
り、上記2つの偏光成分に所望の位相差を与えることが
可能となる。よって、この斜め蒸着膜素子を位相制御素
子、例えば位相板や偏光分離素子として使用することが
できる。なお、偏光分離素子として用いる場合には、図
1(c)のように、斜め蒸着層と正面蒸着層の多層構造
とすることが必要となる。
【0039】次に、斜め蒸着膜素子を位相板として用い
る場合における素子の製造条件について以下に説明す
る。
る場合における素子の製造条件について以下に説明す
る。
【0040】まず、斜め蒸着層および正面蒸着層を形成
するための蒸着材料は、用いる光に対して透明な物質で
あることが必要である。但し、その屈折率が大きいほう
が有利であり、可視〜近赤外光に対してはTa2 05 、
CeO2 、WO3 等を、紫外光に対してはSiO2 、N
dF3 等が好適である。
するための蒸着材料は、用いる光に対して透明な物質で
あることが必要である。但し、その屈折率が大きいほう
が有利であり、可視〜近赤外光に対してはTa2 05 、
CeO2 、WO3 等を、紫外光に対してはSiO2 、N
dF3 等が好適である。
【0041】蒸着方法としては、特に制限はなく、抵抗
加熱、電子ビーム加熱、スパッタ法等を適宜用いること
ができる。
加熱、電子ビーム加熱、スパッタ法等を適宜用いること
ができる。
【0042】また、斜め蒸着層は、その蒸着方向が、蒸
着法線方向(素子平面に対する法線方向)から蒸着角3
0°〜80°だけ傾いていることが望ましい。そして、
このように所定の蒸着角でTa2 05 や、SiO2 等を
斜め蒸着して形成された斜め蒸着層は、上述のように斜
め蒸着膜素子に垂直に入射する光の2つの偏光成分に位
相差を与えることとなる。
着法線方向(素子平面に対する法線方向)から蒸着角3
0°〜80°だけ傾いていることが望ましい。そして、
このように所定の蒸着角でTa2 05 や、SiO2 等を
斜め蒸着して形成された斜め蒸着層は、上述のように斜
め蒸着膜素子に垂直に入射する光の2つの偏光成分に位
相差を与えることとなる。
【0043】また、蒸着の際の基板温度は、蒸着物質の
融点の1/3以下とする。通常は、室温で行うことがで
きる。
融点の1/3以下とする。通常は、室温で行うことがで
きる。
【0044】さらに、図1に示す正面蒸着層12、1
6、18の成膜条件は、蒸着方向を図2(a)の蒸着角
を0°とする。つまり、素子平面の法線方向から蒸着す
ることを除けば、他の条件については斜め蒸着層の成膜
条件と同様でよい。
6、18の成膜条件は、蒸着方向を図2(a)の蒸着角
を0°とする。つまり、素子平面の法線方向から蒸着す
ることを除けば、他の条件については斜め蒸着層の成膜
条件と同様でよい。
【0045】[特性評価]次に、位相板としての本実施
形態1の斜め蒸着膜素子の特性評価方法およびその結果
について説明する。
形態1の斜め蒸着膜素子の特性評価方法およびその結果
について説明する。
【0046】基板として石英ガラス基板を用い、この基
板上に、石英ガラス(SiO2 )を電子ビーム加熱によ
り蒸着し、上述のような斜め蒸着層や正面蒸着層を形成
し、紫外光用位相板(試料)とした。
板上に、石英ガラス(SiO2 )を電子ビーム加熱によ
り蒸着し、上述のような斜め蒸着層や正面蒸着層を形成
し、紫外光用位相板(試料)とした。
【0047】図3及び図4は、試料の構成例を示してい
る。まず、試料A、Bには、基板10上に正面蒸着によ
って厚さ2800Åの正面蒸着層12(バッファ層)を
形成する。次いで、斜め蒸着層+14(蒸着角+70
°)、正面蒸着層18、斜め蒸着層−14(蒸着角−7
0°)、正面蒸着層18を繰り返し作成して積層体を形
成する。最後に厚さ2800Åの正面蒸着層16(パッ
シベーション層)を形成する。
る。まず、試料A、Bには、基板10上に正面蒸着によ
って厚さ2800Åの正面蒸着層12(バッファ層)を
形成する。次いで、斜め蒸着層+14(蒸着角+70
°)、正面蒸着層18、斜め蒸着層−14(蒸着角−7
0°)、正面蒸着層18を繰り返し作成して積層体を形
成する。最後に厚さ2800Åの正面蒸着層16(パッ
シベーション層)を形成する。
【0048】ここで、試料Aでは、積層体における各斜
め蒸着層+14、−14の厚さは共に750Å、正面蒸
着層18の厚さは450Åとし、これら2種類の斜め蒸
着層(+14、−14)と各斜め蒸着層に対応する2層
の正面蒸着層の計4層を一組(1セット)として、合計15
組(但し、最上層は斜め蒸着層のみ)の積層体としてい
る。一方、試料Bでは、積層体における各斜め蒸着層+
14、−14の厚さを共に2600Å、正面蒸着層18
の厚さを1400Åとし、これら2種類の斜め蒸着層
(+14、−14)と各斜め蒸着層に対応する2層の正
面蒸着層の計4層を一組として、合計4組(但し、最上
層は斜め蒸着層)の積層体としている。なお、蒸着角を
±70°として、斜め蒸着層±14を対称に成膜するこ
とにより、互いに膜応力の緩和を図ることが可能となっ
ている。
め蒸着層+14、−14の厚さは共に750Å、正面蒸
着層18の厚さは450Åとし、これら2種類の斜め蒸
着層(+14、−14)と各斜め蒸着層に対応する2層
の正面蒸着層の計4層を一組(1セット)として、合計15
組(但し、最上層は斜め蒸着層のみ)の積層体としてい
る。一方、試料Bでは、積層体における各斜め蒸着層+
14、−14の厚さを共に2600Å、正面蒸着層18
の厚さを1400Åとし、これら2種類の斜め蒸着層
(+14、−14)と各斜め蒸着層に対応する2層の正
面蒸着層の計4層を一組として、合計4組(但し、最上
層は斜め蒸着層)の積層体としている。なお、蒸着角を
±70°として、斜め蒸着層±14を対称に成膜するこ
とにより、互いに膜応力の緩和を図ることが可能となっ
ている。
【0049】また、試料Cは、バッファ層としての正面
蒸着層12(厚さ2800Å)と、厚さ2μmの斜め蒸
着層+14(蒸着角度70°)と、パッシベーション層
としての正面蒸着層16の3層から構成されており、斜
め蒸着層には試料A、Bのような中間の正面蒸着層がな
い構造となっている。試料Dは、厚さ2μmの斜め蒸着
層+14の上に、厚さ2800Åの正面蒸着層16を形
成した構成であり、試料Eは、正面蒸着層12を斜め蒸
着層+14と基板との間に形成した構造からなる。
蒸着層12(厚さ2800Å)と、厚さ2μmの斜め蒸
着層+14(蒸着角度70°)と、パッシベーション層
としての正面蒸着層16の3層から構成されており、斜
め蒸着層には試料A、Bのような中間の正面蒸着層がな
い構造となっている。試料Dは、厚さ2μmの斜め蒸着
層+14の上に、厚さ2800Åの正面蒸着層16を形
成した構成であり、試料Eは、正面蒸着層12を斜め蒸
着層+14と基板との間に形成した構造からなる。
【0050】さらに、試料Fは、厚さ2μmの単独の斜
め蒸着層+14(蒸着角+70°)のみで正面蒸着層を
一切含まない構成となっている。
め蒸着層+14(蒸着角+70°)のみで正面蒸着層を
一切含まない構成となっている。
【0051】以上、6通りの試料A〜Fを用い、これら
を図2(b)の試料とし、各試料に対して入射光をそれ
ぞれ垂直に入射した。そして、透過された光について、
蒸着方向に直交する偏光成分(S偏光)と、この偏光と
直交する偏光成分(P偏光)との位相差を測定した。ま
た、自然偏光を用いて、試料透過の際の損失率(吸収と
白濁による散乱の両方を含む)を測定した。
を図2(b)の試料とし、各試料に対して入射光をそれ
ぞれ垂直に入射した。そして、透過された光について、
蒸着方向に直交する偏光成分(S偏光)と、この偏光と
直交する偏光成分(P偏光)との位相差を測定した。ま
た、自然偏光を用いて、試料透過の際の損失率(吸収と
白濁による散乱の両方を含む)を測定した。
【0052】さらに、光の損失率を位相差の実測値
(度)で割り、これに90度を掛けた値、即ち90度の
位相差を得る際の損失率を図5に示す。
(度)で割り、これに90度を掛けた値、即ち90度の
位相差を得る際の損失率を図5に示す。
【0053】図5に示されるように、最も損失率の小さ
かったのは、バッファ層とパッシベーション層を備え、
斜め蒸着層が薄く、繰り返し回数が多いもの(試料A)
である。試料Aでは、測定した波長350nm〜650
nmのすべての範囲において安定的に低い損失率(平均
で1.8%程度)を示している。
かったのは、バッファ層とパッシベーション層を備え、
斜め蒸着層が薄く、繰り返し回数が多いもの(試料A)
である。試料Aでは、測定した波長350nm〜650
nmのすべての範囲において安定的に低い損失率(平均
で1.8%程度)を示している。
【0054】次いで、損失率が小さかったのは、斜め蒸
着層が比較的厚く繰り返し回数が少ないもの(試料B)
となった。試料Bは、波長350nm〜500nmまで
の範囲においては、試料Aに比較してその損失率が上回
っているが、500nm以上の長波長側では、試料Aと
ほぼ同程度の低い損失率となっている。
着層が比較的厚く繰り返し回数が少ないもの(試料B)
となった。試料Bは、波長350nm〜500nmまで
の範囲においては、試料Aに比較してその損失率が上回
っているが、500nm以上の長波長側では、試料Aと
ほぼ同程度の低い損失率となっている。
【0055】損失率が3番目に低かったのは、中間の正
面蒸着層を含まない試料Cである。そして、単独の斜め
蒸着層からなる試料Fについては、透過の際の損失が大
きいため、位相差を精度良く測定できなかった。また、
試料D、Eについては、試料A、B、Cよりは透過の際
の損失が高いが、試料Fに比べれば、優れている。
面蒸着層を含まない試料Cである。そして、単独の斜め
蒸着層からなる試料Fについては、透過の際の損失が大
きいため、位相差を精度良く測定できなかった。また、
試料D、Eについては、試料A、B、Cよりは透過の際
の損失が高いが、試料Fに比べれば、優れている。
【0056】以上の結果より、斜め蒸着層の白濁を防止
する方法として、バッファ層とパッシベーション層を形
成し、更に薄い斜め蒸着層と正面蒸着層を交互に多数繰
り返し形成することが最も効果的であることが判明し
た。
する方法として、バッファ層とパッシベーション層を形
成し、更に薄い斜め蒸着層と正面蒸着層を交互に多数繰
り返し形成することが最も効果的であることが判明し
た。
【0057】実施形態2.次に、上述の実施形態1に示
すような本発明の斜め蒸着膜素子を位相板(ここでは4
分の1波長板)として使用例について説明する。
すような本発明の斜め蒸着膜素子を位相板(ここでは4
分の1波長板)として使用例について説明する。
【0058】図6は、特開平3−282527号などに
示された光学装置に本発明の斜め蒸着膜素子を用いた例
を示している。この光学装置は、第1面21のパターン
を第2面28に縮小投影するための光学系であり、例え
ば、半導体素子の製造用の露光装置などに用いられる。
この場合、第1面21のパターンは、実素子パターンよ
り拡大されたものであり、これを半導体ウエハなどから
なる第2面28に縮小投影している。
示された光学装置に本発明の斜め蒸着膜素子を用いた例
を示している。この光学装置は、第1面21のパターン
を第2面28に縮小投影するための光学系であり、例え
ば、半導体素子の製造用の露光装置などに用いられる。
この場合、第1面21のパターンは、実素子パターンよ
り拡大されたものであり、これを半導体ウエハなどから
なる第2面28に縮小投影している。
【0059】そして、実施形態1に示すごとき斜め蒸着
膜素子が、図6において偏光ビームスプリッター23の
入出射面に4分の1波長板24として使用されている。
膜素子が、図6において偏光ビームスプリッター23の
入出射面に4分の1波長板24として使用されている。
【0060】以下、図6の光学装置の概要について説明
する。
する。
【0061】第1面21からの光は、第1のレンズ群2
2にて平行光とされ、偏光ビームスプリッター23に入
射され、この偏光ビームスプリッター23の偏光分離膜
23aにてP偏光とS偏光とに分離され、P偏光は偏光
分離膜23aを透過し、一方のS偏光はこの偏光分離膜
23aで反射されて取り除かれる。偏光分離膜23aを
通過したP偏光は、偏光ビームスプリッター23の入出
射面に設けられた4分の1波長板24を通過し、その際
に直線偏光の互いに直交する2つの偏光成分の位相が互
いに4分の1波長だけシフトされて円偏光となる。この
円偏光は、第2のレンズ群25で発散されて凹面反射鏡
26に到達する。
2にて平行光とされ、偏光ビームスプリッター23に入
射され、この偏光ビームスプリッター23の偏光分離膜
23aにてP偏光とS偏光とに分離され、P偏光は偏光
分離膜23aを透過し、一方のS偏光はこの偏光分離膜
23aで反射されて取り除かれる。偏光分離膜23aを
通過したP偏光は、偏光ビームスプリッター23の入出
射面に設けられた4分の1波長板24を通過し、その際
に直線偏光の互いに直交する2つの偏光成分の位相が互
いに4分の1波長だけシフトされて円偏光となる。この
円偏光は、第2のレンズ群25で発散されて凹面反射鏡
26に到達する。
【0062】到達した円偏光は、凹面反射鏡26で反射
されて、この円偏光と逆回りの円偏光となり、これが再
び第2のレンズ群25を透過し、4分の1波長板24に
至る。4分の1波長板24は、この反射鏡26からの反
射光の偏光成分に対して、その位相を逆方向に4分の1
波長分シフトし、これにより円偏光はS偏光に変換され
る。
されて、この円偏光と逆回りの円偏光となり、これが再
び第2のレンズ群25を透過し、4分の1波長板24に
至る。4分の1波長板24は、この反射鏡26からの反
射光の偏光成分に対して、その位相を逆方向に4分の1
波長分シフトし、これにより円偏光はS偏光に変換され
る。
【0063】得られたS偏光は、偏光ビームスプリッタ
ー23に入射され、その偏光分離膜23aで反射され、
偏光ビームスプリッター23より出射する。そして、偏
光ビームスプリッター23からの出射光は、第3のレン
ズ群27にて第2面28上に集光され、この第2面28
上に第1面21でのパターンが縮小投影される。
ー23に入射され、その偏光分離膜23aで反射され、
偏光ビームスプリッター23より出射する。そして、偏
光ビームスプリッター23からの出射光は、第3のレン
ズ群27にて第2面28上に集光され、この第2面28
上に第1面21でのパターンが縮小投影される。
【0064】ここで、通常用いられている水晶等からな
る4分の1波長板では、その厚みにより非点収差が発生
することが知られている。この非点収差量は、波面収差
をWとして、次式(1)で表される。
る4分の1波長板では、その厚みにより非点収差が発生
することが知られている。この非点収差量は、波面収差
をWとして、次式(1)で表される。
【0065】
【数1】 W=(no−ne)dθ2 ・・・(1) なお、式(1)において、(no−ne)は、常光線の
屈折率noと異常光線の屈折率neとの差、dは4分の
1波長板の厚み、θは波長板内部での平行光からのずれ
角、すなわち光線の発散(集束)角を表す。
屈折率noと異常光線の屈折率neとの差、dは4分の
1波長板の厚み、θは波長板内部での平行光からのずれ
角、すなわち光線の発散(集束)角を表す。
【0066】このように、波面収差Wは、(no−n
e)dに依存している。従って、通常波長板の作成の際
に行われている2枚の結晶を90度互いに光軸を回転さ
せて張り合わせるという方法では、この非点収差を補正
することはできない。
e)dに依存している。従って、通常波長板の作成の際
に行われている2枚の結晶を90度互いに光軸を回転さ
せて張り合わせるという方法では、この非点収差を補正
することはできない。
【0067】これに対して、本発明による4分の1波長
板24では、(no−ne)dが4分の1波長となるよ
うに構成されている。このように[(no−ne)d=
4分の1波長]とすることにより、θが45°以下の広
い範囲で、Wの値を4分の1波長以下とすることができ
る。
板24では、(no−ne)dが4分の1波長となるよ
うに構成されている。このように[(no−ne)d=
4分の1波長]とすることにより、θが45°以下の広
い範囲で、Wの値を4分の1波長以下とすることができ
る。
【0068】以上のように実施形態1のような斜め蒸着
膜素子を波長板として用いることにより、本実施形態2
では、第2面28に対しての十分な結像性能を維持する
ことができる。また、実施形態1で述べたように、斜め
蒸着膜素子(4分の1波長板4)は、波長450nm以
下の短波長の光に対しても低い損失率を示しているため
(図5参照)、半導体素子の露光装置などのように、素
子の微細化に伴う光源光の短波長化の要請にも十分対応
することが可能である。
膜素子を波長板として用いることにより、本実施形態2
では、第2面28に対しての十分な結像性能を維持する
ことができる。また、実施形態1で述べたように、斜め
蒸着膜素子(4分の1波長板4)は、波長450nm以
下の短波長の光に対しても低い損失率を示しているため
(図5参照)、半導体素子の露光装置などのように、素
子の微細化に伴う光源光の短波長化の要請にも十分対応
することが可能である。
【0069】実施形態3.次に、上記実施形態1のよう
な構成の斜め蒸着膜素子をさらに別の光学装置の位相板
(例えば、4分の1波長板)として使用した例について
説明する。
な構成の斜め蒸着膜素子をさらに別の光学装置の位相板
(例えば、4分の1波長板)として使用した例について
説明する。
【0070】図7は、特開平6−289222号などに
示された光学装置において、本発明の斜め蒸着膜素子を
用いた例を示している。この光学装置は、反射型のライ
トバルブ37、例えば液晶ディスプレイパネル(LCD
パネル)に光源31からの光を照射して、ライトバルブ
37上のイメージをスクリーン39に投写する投写型表
示装置の光学系である。そして、実施形態1に示す斜め
蒸着膜素子は、スクリーン39上での投写イメージのコ
ントラスト向上のために、偏光ビームスプリッター34
とダイクロイックプリズム36との間に4分の1波長板
35として使用されている。
示された光学装置において、本発明の斜め蒸着膜素子を
用いた例を示している。この光学装置は、反射型のライ
トバルブ37、例えば液晶ディスプレイパネル(LCD
パネル)に光源31からの光を照射して、ライトバルブ
37上のイメージをスクリーン39に投写する投写型表
示装置の光学系である。そして、実施形態1に示す斜め
蒸着膜素子は、スクリーン39上での投写イメージのコ
ントラスト向上のために、偏光ビームスプリッター34
とダイクロイックプリズム36との間に4分の1波長板
35として使用されている。
【0071】以下、図7の投写型表示装置の概要につい
て説明する。
て説明する。
【0072】図7にて、光源31から出射された光源光
は第1のレンズ群32および前置偏光ビームスプリッタ
ー33を通り、直線偏光として主偏光ビームスプリッタ
ー34に入射する。このとき図7では、簡単のために光
線を一本の線で示しているが、実際の光線は、約5度の
集光光束で、主偏光ビームスプリッター34に入射して
いるので、図の紙面に平行な光線だけでなく、紙面に対
し斜めに進む光線もある。この光源31からの直線偏光
のS偏光成分は、主偏光ビームスプリッター34の偏光
分離膜34aで反射され、反射光は、主偏光ビームスプ
リッター34のダイクロイックプリズム36側に設けら
れた4分の1波長板35に至る。このとき、4分の1波
長板35の進相軸と遅相軸は、4分の1波長板35の面
内で紙面に垂直な方向と平行な方向に配置されていて、
反射光の直交する2つの偏光成分の互いの位相が、4分
の1波長だけシフトされてダイクロイックプリズム36
に入射する。
は第1のレンズ群32および前置偏光ビームスプリッタ
ー33を通り、直線偏光として主偏光ビームスプリッタ
ー34に入射する。このとき図7では、簡単のために光
線を一本の線で示しているが、実際の光線は、約5度の
集光光束で、主偏光ビームスプリッター34に入射して
いるので、図の紙面に平行な光線だけでなく、紙面に対
し斜めに進む光線もある。この光源31からの直線偏光
のS偏光成分は、主偏光ビームスプリッター34の偏光
分離膜34aで反射され、反射光は、主偏光ビームスプ
リッター34のダイクロイックプリズム36側に設けら
れた4分の1波長板35に至る。このとき、4分の1波
長板35の進相軸と遅相軸は、4分の1波長板35の面
内で紙面に垂直な方向と平行な方向に配置されていて、
反射光の直交する2つの偏光成分の互いの位相が、4分
の1波長だけシフトされてダイクロイックプリズム36
に入射する。
【0073】ダイクロイックプリズム36は、反射光を
赤、緑、青の3色光に分解し、各側面から、赤色光、緑
色光、青色光を対応する赤、緑、青用の3つの反射型ラ
イトバルブ37に照射する。各反射型ライトバルブ37
は、それぞれが表示しているイメージに応じて入射光を
変調し、これを楕円偏光の反射光として射出する。ダイ
クロイックプリズム36は、ライトバルブ37からの反
射光を合成して、主偏光ビームスプリッター34に向け
て射出する。この光は、再び4分の1波長板35を通過
する。このように4分の1波長板35を2回通過するこ
とにより、紙面に対して斜め方向に進行している光は、
波長板の進相軸と遅相軸の作る直交する軸に対し、一回
目の通過の際とは反対方向の楕円偏光(但し、ライトバ
ルブ37がオフの場合は直線偏光)となり、主偏光ビー
ムスプリッター34が検光子として最適に使用できるよ
うになり、スクリーン39に投写される画像のコントラ
ストを向上することが可能となる。
赤、緑、青の3色光に分解し、各側面から、赤色光、緑
色光、青色光を対応する赤、緑、青用の3つの反射型ラ
イトバルブ37に照射する。各反射型ライトバルブ37
は、それぞれが表示しているイメージに応じて入射光を
変調し、これを楕円偏光の反射光として射出する。ダイ
クロイックプリズム36は、ライトバルブ37からの反
射光を合成して、主偏光ビームスプリッター34に向け
て射出する。この光は、再び4分の1波長板35を通過
する。このように4分の1波長板35を2回通過するこ
とにより、紙面に対して斜め方向に進行している光は、
波長板の進相軸と遅相軸の作る直交する軸に対し、一回
目の通過の際とは反対方向の楕円偏光(但し、ライトバ
ルブ37がオフの場合は直線偏光)となり、主偏光ビー
ムスプリッター34が検光子として最適に使用できるよ
うになり、スクリーン39に投写される画像のコントラ
ストを向上することが可能となる。
【0074】入射された直線偏光のP偏光成分は、この
主偏光ビームスプリッター34の偏光分離膜34aを透
過し、投写レンズである第2のレンズ群38によって、
スクリーン39へと投写され、スクリーン39には所望
のカラーイメージが映し出されることとなる。
主偏光ビームスプリッター34の偏光分離膜34aを透
過し、投写レンズである第2のレンズ群38によって、
スクリーン39へと投写され、スクリーン39には所望
のカラーイメージが映し出されることとなる。
【0075】以上のような光学系において、従来は、4
分の1波長板35として、高分子フィルムによる4分の
1波長板が用いられていた。
分の1波長板35として、高分子フィルムによる4分の
1波長板が用いられていた。
【0076】ところが、高分子フィルムは耐熱性に問題
があり、高輝度の光が入射した場合には、このようなフ
ィルムによる4分の1波長板が損傷してしまうという問
題があった。特に、現在、表示品質向上のために、スク
リーン39上におけるコントラストを上げることが強く
要請されており、光源としてより高輝度のものが用いら
れる傾向にある。さらに、他の光学部材、例えばLCD
ライトバルブ37における光損失をできる限り低減する
試みがなされている。このような状況においては、4分
の1波長板35に入射される光量はますます増加する傾
向にあり、波長板についてもその光損失が少なく耐熱性
に優れたものであることが必要とされている。
があり、高輝度の光が入射した場合には、このようなフ
ィルムによる4分の1波長板が損傷してしまうという問
題があった。特に、現在、表示品質向上のために、スク
リーン39上におけるコントラストを上げることが強く
要請されており、光源としてより高輝度のものが用いら
れる傾向にある。さらに、他の光学部材、例えばLCD
ライトバルブ37における光損失をできる限り低減する
試みがなされている。このような状況においては、4分
の1波長板35に入射される光量はますます増加する傾
向にあり、波長板についてもその光損失が少なく耐熱性
に優れたものであることが必要とされている。
【0077】また、高分子フィルムによる4分の1波長
板は、ガラス等の研磨面に比較し面のみだれがあり、透
過した光の波面を乱し、投写型表示装置の解像度を劣化
させる原因となる。
板は、ガラス等の研磨面に比較し面のみだれがあり、透
過した光の波面を乱し、投写型表示装置の解像度を劣化
させる原因となる。
【0078】これに対して、本実施形態3では、実施形
態1に示すごとき無機物質より構成された斜め蒸着膜素
子を4分の1波長板35として用いるので、その耐熱性
が格段に向上しており、高輝度の投写型表示装置にも対
応可能となる。
態1に示すごとき無機物質より構成された斜め蒸着膜素
子を4分の1波長板35として用いるので、その耐熱性
が格段に向上しており、高輝度の投写型表示装置にも対
応可能となる。
【0079】また、解像度の問題についても、例えば、
プリズムを基板としてその研磨面に本発明の斜め蒸着膜
を形成し、実施形態1の斜め蒸着膜素子を用いて4分の
1波長板を作製することにより、容易に平滑な面が得ら
れる。従って、解像度を落さず部品点数も増やす事なく
対応する事が可能となる。
プリズムを基板としてその研磨面に本発明の斜め蒸着膜
を形成し、実施形態1の斜め蒸着膜素子を用いて4分の
1波長板を作製することにより、容易に平滑な面が得ら
れる。従って、解像度を落さず部品点数も増やす事なく
対応する事が可能となる。
【0080】さらに、今後装置の大型化、特に、要求さ
れる投写イメージの大型化やライトバルブ37の大型化
により、各種光学素子についても大型化が要請された場
合であっても、本実施形態4では、蒸着によって大面積
かつ均一な波長板を容易に作成することができるから、
結晶(石英)などを用いた波長板の場合には困難となる
大面積化への対応が極めて容易である。
れる投写イメージの大型化やライトバルブ37の大型化
により、各種光学素子についても大型化が要請された場
合であっても、本実施形態4では、蒸着によって大面積
かつ均一な波長板を容易に作成することができるから、
結晶(石英)などを用いた波長板の場合には困難となる
大面積化への対応が極めて容易である。
【図1】 本発明の実施形態1に係る斜め蒸着膜素子の
構成例を示す図である。
構成例を示す図である。
【図2】 本発明の斜め蒸着膜素子の蒸着方向および素
子の機能を概念的にに示す図である。
子の機能を概念的にに示す図である。
【図3】 本発明の斜め蒸着膜素子の特性評価に用いた
試料A,Bの構成を示す図である。
試料A,Bの構成を示す図である。
【図4】 本発明の斜め蒸着膜素子の特性評価に用いた
試料C,D,E,Fの構成を示す図である。
試料C,D,E,Fの構成を示す図である。
【図5】 図3及び図4の試料についての光損失率と波
長との関係を示す図である。
長との関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施形態2に係る光学装置の構成例
を示す図である。
を示す図である。
【図7】 本発明の実施形態3に係る光学装置の構成例
を示す図である。
を示す図である。
1 斜め蒸着膜素子、10 基板、12 正面蒸着層
(バッファ層)、14,+14,−14 斜め蒸着層、
16 正面蒸着層(パッシベーション層)、18正面蒸
着層、21 第1面、23,34 偏光ビームスプリッ
ター、23a,34a 偏光分離膜、24,35 4分
の1波長板、26 凹面反射鏡、28第2面、31 光
源、36 ダイクロイックプリズム、37 反射型ライ
トバルブ(LCDパネル)、38 第2レンズ群、39
スクリーン。
(バッファ層)、14,+14,−14 斜め蒸着層、
16 正面蒸着層(パッシベーション層)、18正面蒸
着層、21 第1面、23,34 偏光ビームスプリッ
ター、23a,34a 偏光分離膜、24,35 4分
の1波長板、26 凹面反射鏡、28第2面、31 光
源、36 ダイクロイックプリズム、37 反射型ライ
トバルブ(LCDパネル)、38 第2レンズ群、39
スクリーン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元廣 友美 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 日置 辰視 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 野田 正治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡本 幹夫 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 新倉 宏 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内
Claims (5)
- 【請求項1】 基板上に形成された斜め蒸着層を有する
斜め蒸着膜素子であって、 前記基板と斜め蒸着層との間、および前記斜め蒸着層上
のいずれか一方または両方に正面蒸着層が形成されてい
ることを特徴とする斜め蒸着膜素子。 - 【請求項2】 基板上に斜め蒸着層と正面蒸着層とが交
互に形成されてなる積層体を有する斜め蒸着膜素子であ
って、 前記基板と前記積層体との間、および前記積層体上のい
ずれか一方または両方に正面蒸着層が形成されているこ
とを特徴とする斜め蒸着膜素子。 - 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載の斜
め蒸着膜素子において、 前記斜め蒸着層は、少なくともタンタル酸化物、セリウ
ム酸化物、タングステン酸化物、シリコン酸化物、ネオ
ジウム弗化物のいずれか一つの材料により形成されてい
ることを特徴とする斜め蒸着膜素子。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載の斜
め蒸着膜素子において、 前記斜め蒸着層は、基板表面の法線方向に対する蒸着方
向が30度〜80度傾けられて形成されていることを特
徴とする斜め蒸着膜素子。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の斜
め蒸着膜素子を位相制御素子として用いたことを特徴と
する光学装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9186163A JPH1081955A (ja) | 1996-07-11 | 1997-07-11 | 斜め蒸着膜素子およびこれを用いた光学装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-182494 | 1996-07-11 | ||
JP18249496 | 1996-07-11 | ||
JP9186163A JPH1081955A (ja) | 1996-07-11 | 1997-07-11 | 斜め蒸着膜素子およびこれを用いた光学装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1081955A true JPH1081955A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=26501280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9186163A Pending JPH1081955A (ja) | 1996-07-11 | 1997-07-11 | 斜め蒸着膜素子およびこれを用いた光学装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1081955A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-07-11 JP JP9186163A patent/JPH1081955A/ja active Pending
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