JP2016177031A - 波長板、及び光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れた広帯域の1/4無機波長板であって、高い変換効率を示し、入射光の角度による位相差の変動が少ない波長板の提供。
【解決手段】第1の複屈折層2と第2の複屈折層3を光学軸の面内方位角が交差するように積層した波長板であって、第1の複屈折層の複屈折をΔn1、膜厚をt1、第2の複屈折層の複屈折をΔn2、膜厚をt2とし、第1、第2の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をそれぞれθ1、θ2とし、入射する光の波長範囲中の所定の値をλとしたとき、下記(1)、(2)、(3)、及び(4)式を満たし、且つ第1の複屈折層と第2の複屈折層の少なくともいずれかの複屈折層が斜め蒸着法で形成された斜方蒸着複屈折層波長板である。(1)Δn1×t1=λ/2、(2)1.7≦(Δn1×t1)/(Δn2×t2)≦2.7、(3)5°≦θ1≦30°、(4)(2θ1+35°)≦θ2≦(2θ1+50°)
【選択図】図1B

Description

本発明は、波長板、及び光学機器に関する。
波長板とは、光に特定の位相差を与える素子であり、最も一般的に使用されているものに1/2波長板と1/4波長板がある。これらの波長板は、数多くの光学機器に搭載されている。
広帯域な波長板を得るため、各種研究がなされており、例えば1/4波長板の広帯域化を目指して、波長板を積層させた各種積層波長板の提案がなされている。例えば、水晶などの無機光学単結晶波長板を3枚貼り合わせた波長板の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。また、高分子延伸フィルムなどの有機物からなる1/4波長板と1/2波長板を貼り合わせた波長板などの提案がなされている(例えば、特許文献2から4参照)。
しかし、上記特許文献1においては、結晶板の貼り合わせに接着剤が用いられており、長時間の使用により接着剤が劣化するおそれがあり、耐熱性、耐久性に問題がある。また、水晶波長板は、入射光の角度による位相差の変動が大きく、いわゆる角度依存性が悪いという課題があり、最近の光学機器における使用光の角度の広がりに対応しづらいという問題もある。
また、特許文献2から4においては、高分子延伸フィルムは、熱やUV光線に対し劣化しやすく耐久性に問題がある。これは、耐熱耐光性を求められるレーザー光源などの光強度が強い光源を使う機器やプロジェクターに対しては不利である。
一方、斜方蒸着法により形成した複屈折層を積層した波長板の提案もなされている(例えば、特許文献5参照)。
ところで、1/4波長板は、光アイソレーター光学系、セルナモン光学系、光ピックアップ、偏光干渉計、反射型液晶プロジェクターなどに用いられる。このうち、光アイソレーター光学系、偏光干渉計、反射型液晶プロジェクターは、一度1/4波長板を透過した直線偏光をミラー、または液晶パネルなどで反射させ、反射光が再度同じ1/4波長板を透過する。すなわち、1/4波長板を2回通過させることで1/2波長板として機能させ、ある直線偏光を入射させたとき、反射前後で2回通過させた後に90°回転した直線偏光を得ることを目的としている。しかし、例えば、広帯域1/4波長板として機能するものであっても、2回通過した場合に必ずしも効率よく90°回転した直線偏光を得られるとは限らない。そこで、光アイソレーター光学系などへの適用も考慮すると、直線偏光が波長板を往復して2回通過したときに、90°回転した直線偏光が出射される割合が高い波長板、いわゆる変換効率のよい波長板が求められる。
しかし、上記課題を全て満足する波長板は得られておらず、上記特許文献5の波長板も高い変換効率を示すという点では満足のいくものとはいえなかった(後述する実施例において、特許文献5の態様で実験を行った比較例2の結果参照)。また特許文献5は複屈折材料が2種類以上必要になること、さらには各複屈折材料の波長分散と位相差の関係が規定されており、材料の選択性が限定されてしまい、高コスト化が懸念される。
そこで、耐熱性に優れた広帯域の1/4無機波長板であって、かつ、光が波長板を往復して2回通過するときに高い変換効率を示し、入射光の角度による位相差の変動が少ない波長板が求められている。
特許第4534706号公報 特開平10−68816号公報 特許第5191447号公報 特許第4708787号公報 特開平11−23840号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、耐熱性に優れた広帯域の1/4無機波長板であって、かつ、光が波長板を往復して2回通過するときに高い変換効率を示し、入射光の角度による位相差の変動が少ない波長板を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 第1の複屈折層と第2の複屈折層を光学軸の面内方位角が交差するように積層した波長板であって、
前記第1の複屈折層の複屈折をΔn1、前記第2の複屈折層の複屈折をΔn2とし、
前記第1の複屈折層の膜厚をt1、前記第2の複屈折層の膜厚をt2とし、
前記第1の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ1、前記第2の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ2とし、
入射する光の波長範囲中の所定の値をλとしたとき、
下記(1)、(2)、(3)、及び(4)式を満たし、且つ前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の少なくともいずれかの複屈折層が斜め蒸着法で形成された斜方蒸着複屈折層であることを特徴とする波長板である。
(1)Δn1×t1=λ/2
(2)1.7≦(Δn1×t1)/(Δn2×t2)≦2.7
(3)5°≦θ1≦30°
(4)(2θ1+35°)≦θ2≦(2θ1+50°)
<2> 前記第1の複屈折層側から前記入射直線偏光が入射される態様で使用される前記<1>に記載の波長板である。
<3> 第1の複屈折層と第2の複屈折層を光学軸の面内方位角が交差するように積層した波長板であって、
前記第1の複屈折層の複屈折をΔn1、前記第2の複屈折層の複屈折をΔn2とし、
前記第1の複屈折層の膜厚をt1、前記第2の複屈折層の膜厚をt2とし、
前記第1の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ1、前記第2の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ2とし、
入射する光の波長範囲中の所定の値をλとしたとき、
下記(8)、(9)、(10)、及び(11)式を満たし、且つ前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の少なくともいずれかの複屈折層が斜め蒸着法で形成された斜方蒸着複屈折層であることを特徴とする波長板である。
(8)Δn1×t1=λ/4
(9)1.5≦(Δn2×t2)/(Δn1×t1)≦2.6
(10)5°≦θ2≦30°
(11)(2θ2+35°)≦θ1≦(2θ2+50°)
<4> 前記第2の複屈折層側から前記入射直線偏光が入射される態様で使用される前記<3>に記載の波長板である。
<5> 前記入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過したときに、90°回転した直線偏光が出射される割合を示す変換効率の値が、可視光帯域において80%以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の波長板である。
<6> 基板上に前記斜方蒸着複屈折層が形成された前記波長板であって、
前記斜方蒸着複屈折層に近似される屈折率楕円体の光学軸が、前記基板に平行である前記<1>から<5>のいずれかに記載の波長板である。
<7> 前記基板の形状が長方形(正方形を含む)であり、
前記第1の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ1、前記第2の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ2としたとき、
下記(5)、及び(6)式を満たす前記<1>、<2>、<5>、及び<6>のいずれかに記載の波長板である。
(5)5°≦φ1≦30°
(6)(2φ1+35°)≦φ2≦(2φ1+50°)
<8> 前記基板の形状が長方形(正方形を含む)であり、
前記第1の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ1、前記第2の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ2としたとき、
下記(12)、及び(13)式を満たす前記<3>、<4>、<5>、及び<6>のいずれかに記載の波長板である。
(12)5°≦φ2≦30°
(13)(2φ2+35°)≦φ1≦(2φ2+50°)
<9> 前記斜方蒸着複屈折層が、蒸着方向の異なる2種の斜め蒸着膜を構成単位とする繰り返し積層構造を含み、且つ各斜め蒸着膜の厚みがλ/4以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載の波長板である。
<10> 前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層とが同じ材質からなり、その膜厚比が、下記(7)式を満たす前記<1>、<2>、<5>、<6>、<7>、及び<9>のいずれかに記載の波長板である。
(7)1.7≦t1/t2≦2.7
<11> 前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層とが同じ材質からなり、その膜厚比が、下記(14)式を満たす前記<3>、<4>、<5>、<6>、<8>、及び<9>のいずれかに記載の波長板である。
(14)1.5≦t2/t1≦2.6
<12> 前記複屈折層の複屈折が0.07以上である前記<1>から<11>のいずれかに記載の波長板である。
<13> 前記斜方蒸着複屈折層を構成する材料が、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlのいずれかの酸化物を含む無機材料である前記<1>から<12>のいずれかに記載の波長板である。
<14> 光を出射する光源と、前記<1>、<2>、<5>、<6>、<7>、<9>、<10>、<12>、及び<13>のいずれかに記載の波長板とを有することを特徴とする光学機器である。
<15> 入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過するよう前記波長板を配置した光学機器であって、前記入射直線偏光が1回目に前記波長板を通過するのが前記第1の複屈折層側であり、2回目に通過するのが前記第2の複屈折層側である、前記<14>に記載の光学機器である。
<16> 光を出射する光源と、前記<3>、<4>、<5>、<6>、<8>、<9>、<11>、<12>、及び<13>のいずれかに記載の波長板とを有することを特徴とする光学機器である。
<17> 入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過するよう前記波長板を配置した光学機器であって、前記入射直線偏光が1回目に前記波長板を通過するのが前記第2の複屈折層側であり、2回目に通過するのが前記第1の複屈折層側である、前記<16>に記載の光学機器である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、耐熱性に優れた広帯域の1/4無機波長板であって、かつ、光が波長板を往復して2回通過するときには高い変換効率を示し、入射光の角度による位相差の変動が少ない波長板を提供することができる。
図1Aは、本発明の波長板の一例の概略構成図である。 図1Bは、本発明の波長板の一例の概略構成図である。 図2は、本発明の第1の態様の波長板において、θ2を2θ1+30°から2θ1+55°まで変化させたときの変換効率の波長依存性を示す図である。 図3は、本発明の第1の態様の波長板において、θ1を0°から35°まで変化させたときの変換効率の波長依存性を示す図である。 図4は、本発明の第1の態様の波長板において、λ(nm)を450、500、550、600、650としたときの変換効率の波長依存性を示す図である。 図5Aは、第1の複屈折層を断面からみた走査型電子顕微鏡像(SEM像)の一例を示す図である。 図5Bは、図5Aの拡大図である。 図5Cは、第1の複屈折層の一例を示す模式図である。 図6は、複屈折層により近似される屈折率楕円体の概略図である。 図7は、Taの蒸着膜からなる積層構造におけるΔnの波長依存性を示す図である。 図8Aは、Ta材料を用いた本発明の第1の態様の波長板において、t1とt2の比による変換効率の波長依存性を示す図である。 図8Bは、Ta材料を用いた本発明の第1の態様の波長板において、可視光帯域(450nm〜650nm)におけるt1とt2の比による変換効率の最小値をプロットした図である。 図9Aは、図8Aにおけるλの値を変更し、t1とt2の比による変換効率の波長依存性を示す図である。 図9Bは、図8Aにおけるλの値を変更し、緑色〜赤色帯域(520nm〜670nm)におけるt1とt2の比による変換効率の最小値をプロットした図である。 図10は、ZrOの蒸着膜からなる積層構造におけるΔnの波長依存性を示す図である。 図11Aは、第1の複屈折層をTa材料、及び第2の複屈折層をZrO材料とした本発明の第1の態様の波長板において、(Δn1×t1)と(Δn2×t2)の比による変換効率の波長依存性を示す図である。 図11Bは、第1の複屈折層をTa材料、及び第2の複屈折層をZrO材料とした本発明の第1の態様の波長板において、可視光帯域(450nm〜650nm)における(Δn1×t1)と(Δn2×t2)の比による変換効率の最小値をプロットした図である。 図12は、蒸着装置の一例を示す概略図である。 図13は、本発明の第2の態様の波長板において、θ1を2θ2+30°から2θ2+55°まで変化させたときの変換効率の波長依存性を示す図である。 図14は、本発明の第2の態様の波長板において、θ2を0°から35°まで変化させたときの変換効率の波長依存性を示す図である。 図15は、本発明の第2の態様の波長板において、λ(nm)を450、500、550、600、650としたときの変換効率の波長依存性を示す図である。 図16Aは、Ta材料を用いた本発明の第2の態様の波長板において、t1とt2の比による変換効率の波長依存性を示す図である。 図16Bは、Ta材料を用いた本発明の第2の態様の波長板において、可視光帯域(450nm〜650nm)におけるt1とt2の比による変換効率の最小値をプロットした図である。 図17Aは、図16Aにおけるλの値を変更し、t1とt2の比による変換効率の波長依存性を示す図である。 図17Bは、図16Aにおけるλの値を変更し、緑色〜赤色帯域(520nm〜670nm)におけるt1とt2の比による変換効率の最小値をプロットした図である。 図18Aは、第1の複屈折層をTa材料、及び第2の複屈折層をZrO材料とした本発明の第2の態様の波長板において、(Δn1×t1)と(Δn2×t2)の比による変換効率の波長依存性を示す図である。 図18Bは、第1の複屈折層をTa材料、及び第2の複屈折層をZrO材料とした本発明の第2の態様の波長板において、可視光帯域(450nm〜650nm)における(Δn1×t1)と(Δn2×t2)の比による変換効率の最小値をプロットした図である。 図19は、光アイソレーター光学系の一例を示す概略図である。 図20Aは、実施例1の波長板の透過率の測定結果を示す図である。 図20Bは、実施例1の波長板の位相差の測定結果を示す図である。 図21Aは、実施例1の波長板の変換効率の測定結果を示す図である。 図21Bは、実施例1の波長板に対し、入射直線偏光の入射方向を変えた場合の変換効率の違いを示す図である。 図22Aは、比較例1の波長板の透過率の測定結果を示す図である。 図22Bは、比較例1の波長板の位相差の測定結果を示す図である。 図23は、比較例1の波長板の変換効率の測定結果を示す図である。 図24は、実施例1の波長板に対し、波長板の角度を変えた時の位相差の測定結果を示す図である。 図25Aは、実施例3の波長板の透過率の測定結果を示す図である。 図25Bは、実施例3の波長板の位相差の測定結果を示す図である。 図26Aは、実施例3の波長板の変換効率の測定結果を示す図である。 図26Bは、実施例3の波長板に対し、入射直線偏光の入射方向を変えた場合の変換効率の違いを示す図である。 図27は、実施例3の波長板に対し、波長板の角度を変えた時の位相差の測定結果を示す図である。 図28は、比較例3の波長板の変換効率の測定結果を示す図である。
(波長板)
本発明の波長板は、広帯域な1/4波長板である。
本発明の波長板は、第1の複屈折層と、第2の複屈折層とを少なくとも有する。これらの複屈折層が基板上に形成されているとよい。更に本発明の波長板は、必要に応じてその他の部材を有する。
第1の複屈折層及び第2の複屈折層に共通して説明する場合には、第1の複屈折層及び第2の複屈折層を区別せず、複屈折層と称することがある。
本発明の波長板の一例の概略構成図を図1A及び図1Bに示す。
図1Aは、平面からみた図であり、図1Bは断面からみた図である。図1A中、aは第1の複屈折層の光学軸を示し、bは第2の複屈折層の光学軸を示し、cは入射直線偏光方向を示す。図1B中、1は基板を示し、2は第1の複屈折層を示し、3は第2の複屈折層を示し、Xは入射光を示す。
図1Aで示すように、基板面に対し特定の偏光方向cを持つ入射光を入射させる時、aとcでなされる角が、第1の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度θ1を示しており、bとcでなされる角が、第2の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度θ2を示している。
光学軸とは、その方向に平行に振動する直線偏光を入射したとき、他の方向に比べて屈折率が最大、または最小となる方向軸のことである。本発明において光学軸の方向を記述する際は、屈折率が最大となる方向を光学軸と呼ぶ。
本発明の波長板において、前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層は、前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の光学軸の面内方位角が交差するように積層されている。
また、本発明の波長板において、前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の少なくともいずれかの複屈折層は、斜め蒸着法で形成されている。
そして、本発明の波長板は、
前記第1の複屈折層の複屈折をΔn1、前記第2の複屈折層の複屈折をΔn2とし、
前記第1の複屈折層の膜厚をt1、前記第2の複屈折層の膜厚をt2とし、
前記第1の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ1、前記第2の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ2とし、
入射する光の波長範囲中の所定の値をλとしたとき、
下記(A)第1の態様、又は下記(B)第2の態様で示されたいずれかの要件を満足するものである。
(A)第1の態様
下記(1)、(2)、(3)、及び(4)式を満足する波長板である。
(1)Δn1×t1=λ/2
(2)1.7≦(Δn1×t1)/(Δn2×t2)≦2.7
(3)5°≦θ1≦30°
(4)(2θ1+35°)≦θ2≦(2θ1+50°)
(B)第2の態様
下記(8)、(9)、(10)、及び(11)式を満足する波長板である。
(8)Δn1×t1=λ/4
(9)1.5≦(Δn2×t2)/(Δn1×t1)≦2.6
(10)5°≦θ2≦30°
(11)(2θ2+35°)≦θ1≦(2θ2+50°)
上記(A)第1の態様、又は上記(B)第2の態様で示された上記要件を満たす本発明の波長板は、耐熱性に優れた広帯域の1/4無機波長板であって、高い変換効率を示し、入射光の角度による位相差の変動が少ない波長板となる。
ここで変換効率とは、前記入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過したときに、90°回転した直線偏光が出射される割合(%)をいう。
本発明の波長板は、前記変換効率の値が、可視光帯域において80%以上を示すことができる。
尚、本発明では、第1の態様の波長板、及び第2の態様の波長板に共通して説明する場合や、第1の態様及び第2の態様であることを特に区別する必要がない場合には、第1の態様の波長板、及び第2の態様の波長板のいずれも含むものとして、「波長板」と称することがある。また、下記[(A)第1の態様の波長板]又は[(B)第2の態様の波長板]の項目で記載しているため、いずれの波長板を対象としているかが明らかな場合も、単に「波長板」と称することがある。
以下、(A)第1の態様、及び(B)第2の態様で示された要件を満たす波長板について、それぞれの態様に分けて詳しく説明する。
[(A)第1の態様の波長板]
本発明の波長板の第1の態様として、以下の波長板が挙げられる。
第1の複屈折層と第2の複屈折層を光学軸の面内方位角が交差するように積層した波長板であって、
前記第1の複屈折層の複屈折をΔn1、前記第2の複屈折層の複屈折をΔn2とし、
前記第1の複屈折層の膜厚をt1、前記第2の複屈折層の膜厚をt2とし、
前記第1の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ1、前記第2の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ2とし、
入射する光の波長範囲中の所定の値をλとしたとき、
下記(1)、(2)、(3)、及び(4)式を満たし、且つ前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の少なくともいずれかの複屈折層が斜め蒸着法で形成された斜方蒸着複屈折層である。
(1)Δn1×t1=λ/2
(2)1.7≦(Δn1×t1)/(Δn2×t2)≦2.7
(3)5°≦θ1≦30°
(4)(2θ1+35°)≦θ2≦(2θ1+50°)
上記第1の態様の波長板は、前記第1の複屈折層側から前記入射直線偏光が入射される態様で使用されるとよい。
以下の各試験により、上記式で規定する値の意義を明らかにする。
[試験例1]
本発明の波長板において、(1)Δn1×t1=λ/2(但し、λ=520nm)、(2)(Δn1×t1)/(Δn2×t2)=2、(3)θ1=11.25°とし、θ2を2θ1+30°から2θ1+55°まで変化させたときの変換効率の波長依存性を図2に示す。入射光は、基板法線方向から入射される。
図2の結果から、θ2を2θ1+35°から2θ1+50°の範囲では、可視光帯域において、変換効率が80%を超えており、広帯域の波長板として機能することがわかる。
尚、一般的な無機波長板である水晶波長板を用いた場合、変換効率は可視光帯域で80%以上であり、本発明の波長板は、基板の法線方向からの入射において、水晶波長板と同等以上の機能を有することがわかる。
[試験例2]
本発明の波長板において、(1)Δn1×t1=λ/2(但し、λ=520nm)、(2)(Δn1×t1)/(Δn2×t2)=2、(4)θ2=2θ1+45°とし、θ1を0°から35°まで変化させたときの変換効率の波長依存性を図3に示す。
図3の結果から、θ1が5°から30°の範囲では、可視光帯域において、変換効率が80%を超えており、広帯域の波長板として機能することがわかる。
[試験例3]
λと変換効率との関係を示す。
本発明の波長板において、(1)Δn1×t1=λ/2、(2)(Δn1×t1)/(Δn2×t2)=2、(3)θ1=11.25°、(4)θ2=2θ1+45°とし、λ(nm)を450、500、550、600、650としたときの変換効率の波長依存性を図4に示す。
図4の結果から、可視光(450nm〜650nm)の全域において良好な変換効率を得るためには、λ=500nm〜600nmとして、t1、t2を設計することが好ましい。
例えば、λ=520nmとして、Δn1=0.13であるような複屈折層であれば、t1=2000nmとすればよい。例えば、青色〜緑色帯域(430nm〜580nm)や、緑色〜赤色帯域(520nm〜680nm)をより効果的に変換したい場合などは、最適なλを考慮して、t1及びt2を設計すればよい。
本発明の波長板の具体的な構成について、さらに以下で説明する。
<基板>
前記基板としては、使用帯域の光に対して透過性を有する透明基板であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
透明基板の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、石英、水晶などが挙げられる。
前記基板の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長方形(正方形も含む)であることが好ましい。
前記基板の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、基板の反りや変形などを防止する点から、0.1mm〜3.0mmが好ましく、0.1mm〜2.0mmがより好ましい。
前記透明基板の表面は、微細パターンが形成されていてもよい。そうすることにより、前記複屈折層を斜方蒸着により形成した際に、複屈折層に構造複屈折の効果が加味され、複屈折が増大する。
<第1の複屈折層、第2の複屈折層>
本発明において、複屈折層とは複屈折機能をもった層をいい、本発明の波長板は、第1の複屈折層と第2の複屈折層を少なくとも有し、これらの複屈折層は、積層されている。
前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の少なくともいずれかの複屈折層は、斜め蒸着法で形成されている。本発明では、斜め蒸着法で形成された複屈折層を斜方蒸着複屈折層ともいう。
本発明では、前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の両層を斜め蒸着法で形成するのがより好ましい。
前記斜方蒸着複屈折層は、蒸着方向の異なる2種の斜め蒸着膜を構成単位とする繰り返し積層構造体からなることが好ましい。
さらに各斜め蒸着膜の平均厚みはλ/4以下が好ましく、λ/10以下がより好ましい。
前記斜方蒸着複屈折層について説明するため、基板上に形成された第1の複屈折層の一例を示す走査型電子顕微鏡像(SEM像)、及び模式図を図5A、図5B、及び図5Cに示す。また、該斜方蒸着複屈折層により近似される屈折率楕円体の概略図を図6に示す。
図5Aは、第1の斜方蒸着複屈折層を断面からみたSEM像であり、図5Bは、図5Aの拡大図である。図5A及び図5C中、1は基板、2は第1の複屈折層を示す。図5Cで示すように、斜方蒸着複屈折層は、複数の斜め蒸着膜が積層されてなる。
図6中、10は斜方蒸着複屈折層により近似される屈折率楕円体、11は基板法線を示す。
斜め蒸着法により形成される斜方蒸着層は、セルフシャドーイングと呼ばれる効果により、基板面内において蒸着粒子の入射方向に垂直な方向(x方向とする。)の密度が相対的に高く、基板面内において蒸着粒子の入射方向に平行な方向(y方向とする。)の密度が相対的に低くなる。この蒸着膜に対して基板の垂直方向から光を入射すると、膜の密度の粗密差は屈折率の差異となり、複屈折を発現する。x方向の屈折率をNx、y方向の屈折率をNyとすると、以下の関係となる。
Nx>Ny
このとき、基材面内に生じる位相差をR0とすると、面内位相差R0は以下の式で表わされる。
R0=(Nx−Ny)×t
ここで、Nx−Nyは、一般的に複屈折△nと呼ばれる。複屈折△nは蒸着される物質の屈折率と、蒸着条件などによって決定される。
面内位相差R0は、複屈折△nと蒸着膜の厚みtとの積であるため、複屈折△nがある程度大きい蒸着膜であれば、膜厚によって位相差を制御することが可能となる。本発明では、蒸着膜厚の制御によって、面内位相差R0を0nm<R0<1,000nmの範囲で設定することができ、1/4波長板にも適用することができる。
本発明の波長板においては、前記複屈折層の複屈折は0.07以上であることが好ましい。0.07以上であれば、λ/2の位相差を発生させるために必要な膜厚は、λ=550nmの場合でも4μmとなり、膜厚の厚膜化を制御できる。これ以上の膜厚であると、透過率の低下や、角度依存性の悪化につながるおそれがある。
複屈折層の複屈折Δnは、例えば、位相差測定装置(例:大塚電子製RETS−100など)を用いて位相差(レターデーション:Re)を測定し、Reの値を複屈折層の膜厚tで割ることにより測定できる。
複屈折層の膜厚tは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による複屈折層の断面観察により測定できる。平均厚みは、前記膜厚を10箇所で測定し、それを算術平均することにより求めることができる。
本発明の波長板における前記複屈折層に近似される屈折率楕円体の光学軸は、図6で示すように、前記基板に平行であるとよい。複屈折層を後述するような斜め蒸着法により2種の斜め蒸着膜を構成単位とする繰り返し多層構造で形成させると、光学軸を基板に平行な方向に調整することができる。この態様の波長板は、後述する光アイソレーター光学系などの光学機器に好適に使用できる。
また、前記基板として長方形(正方形を含む)の基板を使用した場合、前記第1の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ1、前記第2の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ2としたとき、
下記(5)、及び(6)式を満たす波長板であることが好ましい。
(5)5°≦φ1≦30°
(6)(2φ1+35°)≦φ2≦(2φ1+50°)
この態様の波長板であれば、後述する光アイソレーター光学系などの光学機器に搭載する際、直線偏光と複屈折層の光学軸を容易にあわせることができる。
<<複屈折層の材料>>
斜め蒸着法で形成される前記斜方蒸着複屈折層を構成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlのいずれかの酸化物を含む無機材料が好ましい。
前記斜方蒸着複屈折層を構成する材料は、同じであっても異なっていてもよい。特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、連続での蒸着形成が可能で低コスト化につながるという点で、同じ材料で形成されている方が好ましい。
以下、本発明の波長板の構成において、斜方蒸着複屈折層の材料として、Taを主成分として用いた場合の各光学特性の測定結果と、ZrOを主成分として用いた場合の各光学特性の測定結果を示す。
[試験例4]
Taを主成分とする材料を用いて、7nmの蒸着膜を構成単位とする繰り返し積層構造を形成した場合のΔnの波長依存性を図7に示す。図7で示されるように、例えば、λ=520nmにおいては、Δn=0.13が得られる。
次にこのTa材料を用い、本発明の波長板において、第1の複屈折層と、第2の複屈折層の材質をTaとし、λ=520nmとしてt1を設計したときの、t1とt2の比による変換効率の変化を図8A及びBに示す。ここで、θ1=11.25°、θ2=67.5°とした。図8Aは、変換効率の波長依存性を示す。また、図8Bは、可視光帯域(450nm〜650nm)における変換効率の最小値をプロットしている。図8Bより、1.7≦t1/t2≦2.7の範囲で、可視光帯域(450nm〜650nm)で変換効率は80%以上となり、同波長帯域で機能する良好な広帯域波長板となることがわかる。
[試験例5]
本発明の波長板において、第1の複屈折層と、第2の複屈折層の材質をTaとし、λ=585nmとしてt1を設計したときの、t1とt2の比による変換効率の変化を図9A及び図9Bに示す。ここで、θ1=11.25°、θ2=67.5°とした。図9Aは、変換効率の波長依存性を示す。また、図9Bは、緑色〜赤色帯域(520nm〜670nm)における変換効率の最小値をプロットしている。図9Bより、1.7≦t1/t2≦2.7の範囲で、緑色〜赤色帯域(520nm〜670nm)で変換効率は80%以上となり、同波長帯域で機能する良好な広帯域波長板となることがわかる。
試験例4や5で示されるように、少なくとも1.7≦t1/t2≦2.7の範囲であれば、所望の波長帯域において広帯域の波長板が得られる。
[試験例6]
前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層を異なる材料とした場合の変換効率の結果を以下に示す。
ZrOを主成分とする材料を用いて、7nmの蒸着膜を構成単位とする繰り返し積層構造を形成した場合のΔnの波長依存性を図10に示す。図10で示されるように、例えば、λ=520nmにおいては、Δn=0.08が得られる。
前記第1の複屈折層を上述のTaを主成分とする材料で、前記第2の複屈折層をZrOを主成分とする材料で形成した。
本発明の波長板において、λ=520nmとしてt1を設計したときの、(Δn1×t1)と(Δn2×t2)の比による変換効率の変化を図11A及び図11Bに示す。ここで、θ1=11.25°、θ2=67.5°とした。図11Aは、変換効率の波長依存性を示す。また、図11Bは、可視光帯域(450nm〜650nm)における変換効率の最小値をプロットしている。図11Bより、1.7≦(Δn1×t1)/(Δn2×t2)≦2.7の範囲で、緑色〜赤色帯域(520nm〜670nm)で変換効率は80%以上となり、同波長帯域で機能する良好な広帯域波長板となることがわかる。
このように少なくとも1.7≦(Δn1×t1)/(Δn2×t2)≦2.7の範囲であれば、所望の波長帯域において広帯域の波長板が得られる。
<その他の層>
本発明の波長板には、さらに反射防止層や保護層などが設けられていてもよい。
反射防止層は、屈折率の違いにより反射を防止でき、入射光の反射率を低減することができる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。該反射防止層は、第1及び第2の複屈折層が設けられたその上の面、および、基板に対し第1及び第2の複屈折層とは反対側の面に設けられる。必要に応じて、膜界面での反射を防止するために基板と第1複屈折層との間や、第1複屈折層と第2複屈折層の間に設けても構わない。目的に応じて適宜選択される。
保護層は、耐湿性を向上させることができる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これら反射防止層や保護層は、スパッタ法や正面蒸着法により成膜することができる。
<本発明の波長板の他の態様>
本発明では、前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の両層を斜め蒸着法で形成するのがより好ましい態様ではあるが、前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層のいずれかを斜め蒸着法で形成し、もう一方の層を例えば、水晶などの単結晶からなる層で構成させてもよい。
例えば、第1の複屈折層を水晶からなる無機単結晶波長板とし、上述した斜め蒸着法による複屈折層を第2の複屈折層として本発明の波長板を形成させることもできる。
<製造方法>
前記複屈折層は、例えば、斜め蒸着(斜方蒸着)により形成できる。
斜め蒸着においては、高屈折率材料の粒子が透明基板に対して斜め方向から入射される。高屈折率材料としては、例えば、Ta、TiO、SiO、A1、La、ZrO、ZrO、Nbなどの酸化物、又はこれらを組み合わせたものを用いることができる。Taを主成分とする材料が好ましく用いられる。
図12は、蒸着装置の一例を示す概略図である。
この蒸着装置は、基板20を保持する基板ステージ21と、基板ステージ21を回転させるステッピングモータ22と、回転位置を検出するセンサ23と、回転位置に基づいてステッピングモータ22を制御するコントローラ24とを備える。図12中、25は蒸着方向を示す。この蒸着装置は、1つの蒸着源を備え、1層毎に基板ステージ21を180°回転させることにより、ごく薄い蒸着膜を積層させることが可能となっている。
以下、本発明の波長板の製造方法を具体的に説明する。
基板に対して、斜め蒸着法によりごく薄い第1層目の蒸着膜を形成する。次に、基板面内方向に対して180度反対の蒸着角度から蒸着し、第2層目の蒸着膜を形成する。このとき、第1層目と第2層目の膜厚を同じものとする。また、各蒸着膜の厚みは、波長板として使用する光の波長より十分小さい厚みとする。例えば、上述したようにλ/4以下、あるいはより好ましくはλ/10以下とする。このプロセスを第n層まで繰り返し、必要な位相差が得られる膜厚まで蒸着を行い、所望の位相差を有する積層構造とする。これを第1の複屈折層とする。
図5A及び図5Bは、以上のような方法で得られた第1の複屈折層のSEM像である。また、該第1の複屈折層により近似される屈折率楕円体の概略図を図6に示す。該第1の複屈折層は、基板面内に平行な方向と垂直な方向に光学軸を有する。
斜め蒸着法によって形成された複屈折層は、蒸着方向の異なる2種の斜め蒸着膜を構成単位とする繰り返し多層構造からなっているため、このような構造からなる複屈折層は、該複屈折層にて近似される屈折率楕円体の光学軸を基板に平行な方向に容易に調整することができる。
次に、第1の複屈折層上に、斜め蒸着法によりごく薄い第n+1層目の蒸着膜を形成する。さらに、基板面内方向に対して180度反対の蒸着角度から蒸着し、第n+2層目の蒸着膜を形成する。このとき、第n+1層目と第n+2層目の膜厚を同じものとする。また、各蒸着膜の厚みは、波長板として使用する光の波長より十分小さい厚みとする。例えば、上述したようにλ/4以下、あるいはより好ましくはλ/10以下とする。このプロセスを繰り返し、必要な位相差が得られる膜厚まで蒸着を行い、所望の位相差を有する積層構造とする。これを第2の複屈折層とする。
例えば、上述した第1の複屈折層、及び第2の複屈折層の形成に当たり、第1の複屈折層を形成するときの蒸着方向を、該蒸着方向を基板面内に投影した線分と入射する直線偏光の間の角度θ1が、5°〜30°となるように蒸着方向を設定する。また、第2の複屈折層を形成するときの蒸着方向を、該蒸着方向を基板面内に投影した線分と入射する直線偏光の間の角度θ2が、2θ1+35°〜2θ1+50°となるように蒸着方向を設定する。
上記のように蒸着方向を設定し、第1の複屈折層、及び第2の複屈折層を成膜すると、上記(3)及び(4)式を満たす第1の複屈折層、及び第2の複屈折層が成膜できる。
斜方蒸着の後には、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるためにアニール処理を行うことが好ましい。柱状組織間に水分が付着していると、蒸着膜の屈折率が変化し、特性が大きく変わってしまうことがある。このため、アニール処理は水分が蒸発する100℃以上が好ましい。また、温度を上げすぎると、柱状組織同士が成長しコラム状となり、複屈折の低下、透過率の低下などが起こるため、300℃以下であることが好ましい。
[(B)第2の態様の波長板]
次に第2の態様の波長板について説明する。以下の説明では、上述した第1の態様の波長板と異なる点を中心に記載する。
本発明の第2の態様の波長板として、以下の波長板が挙げられる。
第1の複屈折層と第2の複屈折層を光学軸の面内方位角が交差するように積層した波長板であって、
前記第1の複屈折層の複屈折をΔn1、前記第2の複屈折層の複屈折をΔn2とし、
前記第1の複屈折層の膜厚をt1、前記第2の複屈折層の膜厚をt2とし、
前記第1の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ1、前記第2の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ2とし、
入射する光の波長範囲中の所定の値をλとしたとき、
下記(8)、(9)、(10)、及び(11)式を満たし、且つ前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の少なくともいずれかの複屈折層が斜め蒸着法で形成された斜方蒸着複屈折層である。
(8)Δn1×t1=λ/4
(9)1.5≦(Δn2×t2)/(Δn1×t1)≦2.6
(10)5°≦θ2≦30°
(11)(2θ2+35°)≦θ1≦(2θ2+50°)
上記第2の態様の波長板は、前記第2の複屈折層側から前記入射直線偏光が入射される態様で使用されるとよい。
以下の各試験により、上記式で規定する値の意義を明らかにする。
[試験例7]
本発明の波長板において、(1)Δn1×t1=λ/4(但し、λ=520nm)、(2)(Δn2×t2)/(Δn1×t1)=2、(3)θ2=11.25°とし、θ1を2θ2+30°から2θ2+55°まで変化させたときの変換効率の波長依存性を図13に示す。入射光は、基板法線方向から入射される。
図13の結果から、θ1を2θ2+35°から2θ2+50°の範囲では、可視光帯域において、変換効率が80%を超えており、広帯域の波長板として機能することがわかる。
尚、一般的な無機波長板である水晶波長板を用いた場合、変換効率は可視光帯域で80%以上であり、本発明の波長板は、基板の法線方向からの入射において、水晶波長板と同等以上の機能を有することがわかる。
[試験例8]
本発明の波長板において、(1)Δn1×t1=λ/4(但し、λ=520nm)、(2)(Δn2×t2)/(Δn1×t1)=2、(4)θ1=2θ2+45°とし、θ2を0°から35°まで変化させたときの変換効率の波長依存性を図14に示す。
図14の結果から、θ2が5°から30°の範囲では、可視光帯域において、変換効率が80%を超えており、広帯域の波長板として機能することがわかる。
[試験例9]
λと変換効率との関係を示す。
本発明の波長板において、(1)Δn1×t1=λ/4、(2)(Δn2×t2)/(Δn1×t1)=2、(3)θ2=11.25°、(4)θ1=2θ2+45°とし、λ(nm)を450、500、550、600、650としたときの変換効率の波長依存性を図15に示す。
図15の結果から、可視光(450nm〜650nm)の全域において良好な変換効率を得るためには、λ=500nm〜600nmとして、t1、t2を設計することが好ましい。
例えば、λ=520nmとして、Δn1=0.13であるような複屈折層であれば、t1=2000nmとすればよい。例えば、青色〜緑色帯域(430nm〜580nm)や、緑色〜赤色帯域(520nm〜680nm)をより効果的に変換したい場合などは、最適なλを考慮して、t1及びt2を設計すればよい。
本発明の波長板の具体的な構成としては、上述した<基板>、<第1の複屈折層、第2の複屈折層>の項目で説明したとおりである。
また、前記基板として長方形(正方形を含む)の基板を使用した場合、前記第1の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ1、前記第2の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ2としたとき、
下記(12)、及び(13)式を満たす波長板であることが好ましい。
(12)5°≦φ2≦30°
(13)(2φ2+35°)≦φ1≦(2φ2+50°)
この態様の波長板であれば、後述する光アイソレーター光学系などの光学機器に搭載する際、直線偏光と複屈折層の光学軸を容易にあわせることができる。
本発明の波長板として使用できる複屈折層の材料としては、上述した<<複屈折層の材料>>の項目で説明したとおりである。
以下、本発明の波長板の構成において、斜方蒸着複屈折層の材料として、Taを主成分として用いた場合の各光学特性の測定結果と、ZrOを主成分として用いた場合の各光学特性の測定結果を示す。
[試験例10]
Taの蒸着膜からなる積層構造を形成した場合のΔnの波長依存性については、すでに上述したとおりである(図7の結果参照)。
このTa材料を用い、本発明の波長板において、第1の複屈折層と、第2の複屈折層の材質をTaとし、λ=520nmとしてt1を設計したときの、t1とt2の比による変換効率の変化を図16A及びBに示す。ここで、θ1=67.5°、θ2=11.25°とした。図16Aは、変換効率の波長依存性を示す。また、図16Bは、可視光帯域(450nm〜650nm)における変換効率の最小値をプロットしている。図16Bより、1.5≦t2/t1≦2.6の範囲で、可視光帯域(450nm〜650nm)で変換効率は80%以上となり、同波長帯域で機能する良好な広帯域波長板となることがわかる。
[試験例11]
本発明の波長板において、第1の複屈折層と、第2の複屈折層の材質をTaとし、λ=585nmとしてt1を設計したときの、t1とt2の比による変換効率の変化を図17A及び図17Bに示す。ここで、θ1=67.5°、θ2=11.25°とした。図17Aは、変換効率の波長依存性を示す。また、図17Bは、緑色〜赤色帯域(520nm〜670nm)における変換効率の最小値をプロットしている。図17Bより、1.5≦t2/t1≦2.6の範囲で、緑色〜赤色帯域(520nm〜670nm)で変換効率は80%以上となり、同波長帯域で機能する良好な広帯域波長板となることがわかる。
試験例10や11で示されるように、少なくとも1.5≦t2/t1≦2.6の範囲であれば、所望の波長帯域において広帯域の波長板が得られる。
[試験例12]
前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層を異なる材料とした場合の変換効率の結果を以下に示す。
ZrOの蒸着膜からなる積層構造を形成した場合のΔnの波長依存性については、すでに上述したとおりである(図10の結果参照)。
前記第1の複屈折層を上述のTaを主成分とする材料で、前記第2の複屈折層をZrOを主成分とする材料で形成した。
本発明の波長板において、λ=520nmとしてt1を設計したときの、(Δn1×t1)と(Δn2×t2)の比による変換効率の変化を図18A及び図18Bに示す。ここで、θ1=67.5°、θ2=11.25°とした。図18Aは、変換効率の波長依存性を示す。また、図18Bは、可視光帯域(450nm〜650nm)における変換効率の最小値をプロットしている。図18Bより、1.5≦(Δn2×t2)/(Δn1×t1)≦2.6の範囲で、緑色〜赤色帯域(520nm〜670nm)で変換効率は80%以上となり、同波長帯域で機能する良好な広帯域波長板となることがわかる。
このように少なくとも1.5≦(Δn2×t2)/(Δn1×t1)≦2.6の範囲であれば、所望の波長帯域において広帯域の波長板が得られる。
本発明の第2の態様の波長板においても、上述した<その他の層>、<本発明の波長板の他の態様>、<製造方法>の項目で説明した内容を適用することができる。
(光学機器)
本発明の光学機器は、光源と、本発明の波長板とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<光源>
前記光源としては、光を出射する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色光を出射する超高圧水銀ランプなどが挙げられる。
光学機器の一例として光アイソレーター光学系について、以下説明する。
<光アイソレーター光学系>
光アイソレーター光学系の一例の概略図を図19に示す。図19中、31は光源、32は偏光フィルター、33は本発明の波長板、34はミラー、35は位相差検出器を示す。
係る光アイソレーター光学系において、入射偏光は、前記波長板を往復して2回通過する態様で使用される。
その際、第1の態様の波長板を使用する場合には、入射偏光は、第2の複屈折層側からではなく、第1の複屈折層側から入射されるように波長板を配置するのが好ましい。
一方、第2の態様の波長板を使用する場合には、入射偏光は、第1の複屈折層側からではなく、第2の複屈折層側から入射されるように波長板を配置するのが好ましい。
また上述したように、光アイソレーター光学系に搭載させる波長板が、複屈折層に近似される屈折率楕円体の光学軸が基板に平行な複屈折層を有する波長板であると、角度を有する入射光に対して左右対称の光学特性を容易に得ることができるため好ましい。
さらにまた、光アイソレーター光学系に搭載させる波長板が、長方形(正方形を含む)の基板を使用するものであり、前記第1の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ1、前記第2の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ2としたとき、
(A)第1の態様の波長板であれば、
下記(5)、及び(6)式を満たす波長板であると好ましく、
(5)5°≦φ1≦30°
(6)(2φ1+35°)≦φ2≦(2φ1+50°)
(B)第2の態様の波長板であれば、
下記(12)、及び(13)式を満たす波長板であると好ましい。
(12)5°≦φ2≦30°
(13)(2φ2+35°)≦φ1≦(2φ2+50°)
なぜなら、通常1/4波長板に入射される直線偏光は、基板の1辺と平行であることが多いため、上記(5)及び(6)式を満たす波長板であるか、又は上記(12)及び(13)式を満たす波長板であると、直線偏光と複屈折層の光学軸を容易にあわせることができるからである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス基板上に、Taを主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して蒸着源が70°になるように斜め蒸着を行い、第1の蒸着膜を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜め蒸着を行い、第2の蒸着膜を形成した。(a)と(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の第1の複屈折層を形成した。第1の複屈折層は1848nm(264層)となるような膜厚とした。このとき、蒸着方向を基板面内に投影した線分と入射される直線偏光の角度が12°となるように蒸着方向と基板の方向を調整し成膜した。基板の辺に対して12°となるように成膜し、基板面に対し平行な直線偏光を入射することで、第1の複屈折層におけるθ1を12°とした。
次に、第1の複屈折層を形成した蒸着方向に対して、基板面内で57°基板を回転させ、その方向(入射直線偏光に対しては、69°の方向)で斜め蒸着を行ない、第265層目の蒸着膜を形成した。次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、同様に斜め蒸着を行い、第266層目の蒸着膜を形成した。このプロセスを交互に繰り返し、多層構造の第2の複屈折層を形成した。第2の複屈折層は924nm(132層)となるような膜厚とした。基板の辺に対して69°となるように成膜し、基板面に対し平行な直線偏光を入射することで、第2の複屈折層におけるθ2を69°とした。
複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃でのアニール処理を行った。
その後、第2の複屈折層上、および基板の裏面(基板に対し複屈折層とは反対側)に、反射防止膜を成膜した。
以上のようにして作製した波長板の透過率及び位相差の測定結果を図20A及び図20Bに示す。位相差の測定結果には、ゼロオーダーの水晶波長板で形成した1/4波長板の特性も併せて示した。本発明の波長板は、広帯域で1/4波長回転した出射光が得られていることがわかる。
さらに、図19で示した光アイソレーター光学系において、入射直線偏光が第1の複屈折層側から入射するように配置し、前記入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過したときの90°回転した直線偏光が出射される割合である変換効率の測定結果を図21Aに示した。
ここで、変換効率の測定は、大塚電子株式会社製のRETS−100で行った。
この結果から、本発明の波長板は、可視光全域において、90%以上の良好な変換効率を示すことがわかる。
図19の光アイソレーター光学系において、入射直線偏光を第1の複屈折層側、及び第2の複屈折層側から入射させるよう配置し、それぞれの場合における変換効率の測定結果を図21Bに示した。
この結果から、第2の複屈折層側から入射した場合、変換効率は大幅に低下することがわかった。第1の複屈折層側から入射させることで、良好な変換機能が発揮される。
(比較例1)
ガラス基板上に、Taを主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して蒸着源が70°になるように斜め蒸着を行い、第1の蒸着膜を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜め蒸着を行い、第2の蒸着膜を形成した。(a)と(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の第1の複屈折層を形成した。第1の複屈折層は1848nm(264層)となるような膜厚とした。このとき、蒸着方向を基板面内に投影した線分と入射される直線偏光の角度が76°となるように蒸着方向と基板の方向を調整し成膜した。基板の辺に対して76°となるように成膜し、基板面に対し平行な直線偏光を入射することで、第1の複屈折層におけるθ1を76°とした。
次に、第1の複屈折層を形成した蒸着方向に対して、基板面内で−31°基板を回転させその方向(入射直線偏光に対しては、45°の方向)で斜め蒸着を行ない、第265層目の蒸着膜を形成した。次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、同様に斜め蒸着を行い、第266層目の蒸着膜を形成した。このプロセスを交互に繰り返し、多層構造の第2の複屈折層を形成した。第2の複屈折層は924nm(132層)となるような膜厚とした。基板の辺に対して45°となるように成膜し、基板面に対し平行な直線偏光を入射することで、第2の複屈折層におけるθ2を45°とした。
複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃でのアニール処理を行った。
その後、第2の複屈折層上、および基板の裏面(基板に対し複屈折層とは反対側)に、反射防止膜を成膜した。
以上のようにして作製した波長板の透過率及び位相差の測定結果を図22A及び図22Bに示す。位相差の測定結果には、実施例1の波長板の特性も併せて示した。実施例、比較例とも広帯域で1/4波長回転した出射光が得られていることがわかる。
一方、図19で示した光アイソレーター光学系において、入射直線偏光が第1の複屈折層側から入射するように配置し、前記入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過したときの90°回転した直線偏光が出射される割合である変換効率の測定結果を図23に示した。この結果から、実施例1が、大幅に広帯域化した波長板特性が得られていることに対して、比較例1では、変換効率が著しく低下していることがわかる。
上記のように、広帯域1/4波長板であっても、入射直線偏光が波長板を往復して2回通過した場合に必ずしも効率よく90°回転した直線偏光を得られるとは限らない。しかし、実施例1で示す態様で使用した本発明の波長板は、広帯域の1/4無機波長板であり、且つ高い変換効率を示すものとなる。
(実施例2)
実施例1の波長板に対し、λ=550nmとし、波長板の角度を変えた時の出射される光の位相差を測定し、該波長板の角度依存性を図24に示した。水晶製の1/4波長板の結果も併せて示した。この結果から、水晶波長板は、角度が大きいほど位相差が低下していくのに対して、実施例1の波長板は角度が大きくても位相差の変動が小さく、広がりを有する入射光に対しても有効に機能することがわかる。
(実施例3)
ガラス基板上に、Taを主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して蒸着源が70°になるように斜め蒸着を行い、第1の蒸着膜を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜め蒸着を行い、第2の蒸着膜を形成した。(a)と(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の第1の複屈折層を形成した。第1の複屈折層は924nm(132層)となるような膜厚とした。このとき、蒸着方向を基板面内に投影した線分と入射される直線偏光の角度が68°となるように蒸着方向と基板の方向を調整し成膜した。基板の辺に対して68°となるように成膜し、基板面に対し平行な直線偏光を入射することで、第1の複屈折層におけるθ1を68°とした。
次に、第1の複屈折層を形成した蒸着方向に対して、基板面内で−56°基板を回転させ、その方向(入射直線偏光に対しては、12°の方向)で斜め蒸着を行ない、第133層目の蒸着膜を形成した。次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、同様に斜め蒸着を行い、第134層目の蒸着膜を形成した。このプロセスを交互に繰り返し、多層構造の第2の複屈折層を形成した。第2の複屈折層は1848nm(264層)となるような膜厚とした。基板の辺に対して12°となるように成膜し、基板面に対し平行な直線偏光を入射することで、第2の複屈折層におけるθ2を12°とした。
複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃でのアニール処理を行った。
その後、第2の複屈折層上、および基板の裏面(基板に対し複屈折層とは反対側)に、反射防止膜を成膜した。
以上のようにして作製した波長板の透過率及び位相差の測定結果を図25A及び図25Bに示す。位相差の測定結果には、ゼロオーダーの水晶波長板で形成した1/4波長板の特性も併せて示した。本発明の波長板は、広帯域で1/4波長回転した出射光が得られていることがわかる。
さらに、図19で示した光アイソレーター光学系において、入射直線偏光が第2の複屈折層側から入射するように配置し、前記入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過したときの90°回転した直線偏光が出射される割合である変換効率の測定結果を図26Aに示した。
ここで、変換効率の測定は、大塚電子株式会社製のRETS−100で行った。
この結果から、本発明の波長板は、可視光全域において、90%以上の良好な変換効率を示すことがわかる。
図19の光アイソレーター光学系において、入射直線偏光を第2の複屈折層側、及び第1の複屈折層側から入射させるよう配置し、それぞれの場合における変換効率の測定結果を図26Bに示した。
この結果から、第1の複屈折層側から入射した場合、変換効率は大幅に低下することがわかった。第2の複屈折層側から入射させることで、良好な変換機能が発揮される。
(実施例4)
実施例3の波長板に対し、λ=550nmとし、波長板の角度を変えた時の出射される光の位相差を測定し、該波長板の角度依存性を図27に示した。水晶製の1/4波長板の結果も併せて示した。この結果から、水晶波長板は、角度が大きいほど位相差が低下していくのに対して、実施例3の波長板は角度が大きくても位相差の変動が小さく、広がりを有する入射光に対しても有効に機能することがわかる。
(比較例2)
ガラス基板上に、Taを主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して蒸着源が70°になるように斜め蒸着を行い、第1の蒸着膜を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜め蒸着を行い、第2の蒸着膜を形成した。(a)と(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の第1の複屈折層を形成した。第1の複屈折層は924nm(132層)となるような膜厚とした。このとき、蒸着方向を基板面内に投影した線分と入射される直線偏光の角度が45°となるように蒸着方向と基板の方向を調整し成膜した。次に、第1の複屈折層を形成した蒸着方向に対して、基板面内で90°基板を回転させ、その方向でZrOを主成分とした蒸着材料を、斜め蒸着を行ない、第133層目の蒸着膜を形成した。次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、同様に斜め蒸着を行い、第134層目の蒸着膜を形成した。このプロセスを交互に繰り返し、多層構造の第2の複屈折層を形成した。第2の複屈折層は3528nm(504層)となるような膜厚とした。
複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃でのアニール処理を行った。
その後、第2の複屈折層上、および基板の裏面(基板に対し複屈折層とは反対側)に、反射防止膜を成膜した。
以上のようにして作製した波長板について、図19で示した光アイソレーター光学系において、入射直線偏光が第1の複屈折層側から入射するように配置し、前記入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過したときの90°回転した直線偏光が出射される割合である変換効率の測定結果を図28に示した。また、比較のため実施例1、及び3の変換効率の測定結果を示した。
この結果から、比較例2のような膜構成においては、500nm以下で変換効率が80%以下に低下してしまい、十分な広帯域性を有しているとはいえない。
以上のように、上記実施例の結果から、本発明の波長板は、耐熱性に優れた広帯域の1/4無機波長板であって、高い変換効率を示し、入射光の角度による位相差の変動が少ない波長板であることが確認できた。
a 第1の複屈折層の光学軸
b 第2の複屈折層の光学軸
c 入射直線偏光方向
1 基板
2 第1の複屈折層
3 第2の複屈折層
X 入射光
10 屈折率楕円体
11 基板法線
20 基板
21 基板ステージ
22 ステッピングモータ
23 センサ
24 コントローラ
25 蒸着方向
31 光源
32 偏光フィルター
33 波長板
34 ミラー
35 位相差検出器

Claims (17)

  1. 第1の複屈折層と第2の複屈折層を光学軸の面内方位角が交差するように積層した波長板であって、
    前記第1の複屈折層の複屈折をΔn1、前記第2の複屈折層の複屈折をΔn2とし、
    前記第1の複屈折層の膜厚をt1、前記第2の複屈折層の膜厚をt2とし、
    前記第1の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ1、前記第2の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ2とし、
    入射する光の波長範囲中の所定の値をλとしたとき、
    下記(1)、(2)、(3)、及び(4)式を満たし、且つ前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の少なくともいずれかの複屈折層が斜め蒸着法で形成された斜方蒸着複屈折層であることを特徴とする波長板。
    (1)Δn1×t1=λ/2
    (2)1.7≦(Δn1×t1)/(Δn2×t2)≦2.7
    (3)5°≦θ1≦30°
    (4)(2θ1+35°)≦θ2≦(2θ1+50°)
  2. 前記第1の複屈折層側から前記入射直線偏光が入射される態様で使用される請求項1に記載の波長板。
  3. 第1の複屈折層と第2の複屈折層を光学軸の面内方位角が交差するように積層した波長板であって、
    前記第1の複屈折層の複屈折をΔn1、前記第2の複屈折層の複屈折をΔn2とし、
    前記第1の複屈折層の膜厚をt1、前記第2の複屈折層の膜厚をt2とし、
    前記第1の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ1、前記第2の複屈折層の光学軸と入射直線偏光との角度をθ2とし、
    入射する光の波長範囲中の所定の値をλとしたとき、
    下記(8)、(9)、(10)、及び(11)式を満たし、且つ前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層の少なくともいずれかの複屈折層が斜め蒸着法で形成された斜方蒸着複屈折層であることを特徴とする波長板。
    (8)Δn1×t1=λ/4
    (9)1.5≦(Δn2×t2)/(Δn1×t1)≦2.6
    (10)5°≦θ2≦30°
    (11)(2θ2+35°)≦θ1≦(2θ2+50°)
  4. 前記第2の複屈折層側から前記入射直線偏光が入射される態様で使用される請求項3に記載の波長板。
  5. 前記入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過したときに、90°回転した直線偏光が出射される割合を示す変換効率の値が、可視光帯域において80%以上である請求項1から4のいずれかに記載の波長板。
  6. 基板上に前記斜方蒸着複屈折層が形成された前記波長板であって、
    前記斜方蒸着複屈折層に近似される屈折率楕円体の光学軸が、前記基板に平行である請求項1から5のいずれかに記載の波長板。
  7. 前記基板の形状が長方形(正方形を含む)であり、
    前記第1の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ1、前記第2の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ2としたとき、
    下記(5)、及び(6)式を満たす請求項1、2、5、及び6のいずれかに記載の波長板。
    (5)5°≦φ1≦30°
    (6)(2φ1+35°)≦φ2≦(2φ1+50°)
  8. 前記基板の形状が長方形(正方形を含む)であり、
    前記第1の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ1、前記第2の複屈折層の光学軸を前記基板に投影した線分と前記基板の1辺とがなす角をφ2としたとき、
    下記(12)、及び(13)式を満たす請求項3、4、5、及び6のいずれかに記載の波長板。
    (12)5°≦φ2≦30°
    (13)(2φ2+35°)≦φ1≦(2φ2+50°)
  9. 前記斜方蒸着複屈折層が、蒸着方向の異なる2種の斜め蒸着膜を構成単位とする繰り返し積層構造を含み、且つ各斜め蒸着膜の厚みがλ/4以下である請求項1から8のいずれかに記載の波長板。
  10. 前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層とが同じ材質からなり、その膜厚比が、下記(7)式を満たす請求項1、2、5、6、7、及び9のいずれかに記載の波長板。
    (7)1.7≦t1/t2≦2.7
  11. 前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層とが同じ材質からなり、その膜厚比が、下記(14)式を満たす請求項3、4、5、6、8、及び9のいずれかに記載の波長板。
    (14)1.5≦t2/t1≦2.6
  12. 前記複屈折層の複屈折が0.07以上である請求項1から11のいずれかに記載の波長板。
  13. 前記斜方蒸着複屈折層を構成する材料が、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlのいずれかの酸化物を含む無機材料である請求項1から12のいずれかに記載の波長板。
  14. 光を出射する光源と、請求項1、2、5、6、7、9、10、12、及び13のいずれかに記載の波長板とを有することを特徴とする光学機器。
  15. 入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過するよう前記波長板を配置した光学機器であって、前記入射直線偏光が1回目に前記波長板を通過するのが前記第1の複屈折層側であり、2回目に通過するのが前記第2の複屈折層側である、請求項14に記載の光学機器。
  16. 光を出射する光源と、請求項3、4、5、6、8、9、11、12、及び13のいずれかに記載の波長板とを有することを特徴とする光学機器。
  17. 入射直線偏光が前記波長板を往復して2回通過するよう前記波長板を配置した光学機器であって、前記入射直線偏光が1回目に前記波長板を通過するのが前記第2の複屈折層側であり、2回目に通過するのが前記第1の複屈折層側である、請求項16に記載の光学機器。
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