JP2017049594A - 位相差素子及びその製造方法、液晶表示装置、並びに投射型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な製造装置により製造でき、光軸の調整、及び位相差の調整が容易であり、耐熱性及び耐久性に優れる位相差素子を提供する。【解決手段】積層構造において、第1の複屈折層2の平均厚み(t1)と、第2の複屈折層3の平均厚み(t2)との関係が、下記式(1)及び式(2)のいずれかを満たし、第1の複屈折層2の屈折率異方性の主軸を表す第1の線分における透明基板1側の端部を端部Aとし、第2の複屈折層3の屈折率異方性の主軸を表す第2の線分における透明基板1側の端部を端部Bとし、第1の線分及び第2の線分を透明基板上に投影し端部A及び端部Bを重ねたときに、透明基板1上に投影された第1の線分及び前記第2の線分のなす角度(β)が、下記式(3)を満たし、更に下記条件(4)を満たす。0<t1/t2≦1式(1)、0<t2/t1≦1式(2)、90°<β≦180°式(3)、t1≠t2、又はβ≠180°条件(4)【選択図】図2A
Description
本発明は、位相差素子及びその製造方法、液晶表示装置、並びに投射型画像表示装置に関する。
近年、投射型画像投影装置においては、コントラスト特性及び視野角特性を改善するために、位相差素子を用いた光学補償技術が用いられている。例えば、垂直配向液晶における黒輝度補正が挙げられる。液晶のプレチルト角、斜入射光に生じる複屈折などによる偏光の乱れを補正するために、水晶などの位相差素子を液晶パネルの面と平行に設置して光学補償を行う方法、高分子フィルム等の複屈折を有する有機材料などを液晶パネルの面と平行に設置して光学補償を行う方法などが考えられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、位相差素子として単結晶を加工する方法を用いる場合、特に液晶のプレチルト角度までをも考慮して補償しようとしたとき、結晶軸に対して所定の角度で切り出す必要が生じ、材料の切り出し、研磨等に非常に高い精度が必要となり、実現するためには高コストとなる。また、延伸したフィルムなどでは軸の制御は容易ではない。
しかし、位相差素子として単結晶を加工する方法を用いる場合、特に液晶のプレチルト角度までをも考慮して補償しようとしたとき、結晶軸に対して所定の角度で切り出す必要が生じ、材料の切り出し、研磨等に非常に高い精度が必要となり、実現するためには高コストとなる。また、延伸したフィルムなどでは軸の制御は容易ではない。
そのため、位相差素子そのものを、液晶パネルと傾斜して配置する方法が考案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、小型化が進むプロジェクター内部では、傾斜するスペースが足りなくなる懸念がある。さらに、熱やUV光線に対して劣化しやすく、耐久性に問題がある。
また、投射型画像投影装置においては、偏光変換素子の一部として1/2波長板が用いられていれる。例えば、水晶を用いた1/2波長板において、光学軸の切り出し角度を基板面に平行ではなく、傾斜させること、さらには傾斜させた水晶波長板を2枚貼り付けて使用することで、波長帯域が広がることや、入射角度依存性が改善される技術が提案されている(例えば、特許文献5〜7参照)。しかし、高価な水晶基板を、さらに光学軸を傾斜させて切り出すことは、さらなる高コスト化につながることが懸念される。
以上のように、光軸角度を基板法線方向又は面内方向から傾斜させるニーズは高まっているが、技術的及びコスト的問題があった。
一方、耐光性、及び耐熱性に優れる斜方蒸着位相差素子は、そもそも光軸は傾斜した素子が作製されるが、その光軸方向は制限される問題があった。以下に詳細を述べる。一般的な斜方蒸着法は、基板に対して斜方方向から蒸着粒子を入射させ、いわゆるセルフシャドーイング効果によって膜密度の異方性を作ることができる。密度の異方性は、基板面内方向で膜の屈折率に異方性を持たせることができ、複屈折が発現する要因となっている。
このとき、基板法線方向から入射する光に対しては、膜厚によって比較的自由に位相差を付与することができる。斜方蒸着では、蒸着粒子の成長角度は、斜方蒸着の角度によって決定され、光軸は蒸着粒子方向によって決まる。しかし、光軸、すなわち蒸着粒子の成長方向を変えるには、斜方蒸着の入射角度を変える必要があるが、入射角度が小さいと複屈折が低下してしまうため、光軸の傾斜角度が小さい(基板法線方向に近い)位相差素子を作製することが難しいという問題がある(例えば、非特許文献1参照)。
このとき、基板法線方向から入射する光に対しては、膜厚によって比較的自由に位相差を付与することができる。斜方蒸着では、蒸着粒子の成長角度は、斜方蒸着の角度によって決定され、光軸は蒸着粒子方向によって決まる。しかし、光軸、すなわち蒸着粒子の成長方向を変えるには、斜方蒸着の入射角度を変える必要があるが、入射角度が小さいと複屈折が低下してしまうため、光軸の傾斜角度が小さい(基板法線方向に近い)位相差素子を作製することが難しいという問題がある(例えば、非特許文献1参照)。
また、基板を回転させながら斜方蒸着を行う工程と、回転を停止して特定の方向から斜方蒸着を行う工程を交互に行う技術が提案されている(例えば、特許文献8参照)。しかし、この提案の技術では、基板を回転させながら斜方蒸着を行う必要があるため、製造装置が複雑になるという問題がある。
したがって、簡易な製造装置により製造でき、光軸の調整、及び位相差の調整が容易であり、耐熱性及び耐久性に優れる位相差素子、液晶表示装置、及び投射型画像表示装置の提供が求められているのが現状である。
APPLIED OPTICS / Vol. 28, No. 13 / 1 July 1989
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、簡易な製造装置により製造でき、光軸の調整、及び位相差の調整が容易であり、耐熱性及び耐久性に優れる位相差素子及びその製造方法、液晶表示装置、並びに投射型画像表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 透明基板と、
前記透明基板上に、光学異方性無機材料を有してなる第1の複屈折層、及び光学異方性無機材料を有してなり、前記第1の複屈折層に接する第2の複屈折層からなる積層構造を、複数積層してなる複屈折多層構造体と、を有し、
前記積層構造において、前記第1の複屈折層の平均厚み(t1)と、前記第2の複屈折層の平均厚み(t2)との関係が、下記式(1)及び式(2)のいずれかを満たし、前記第1の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第1の線分における前記透明基板側の端部を端部Aとし、前記第2の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第2の線分における前記透明基板側の端部を端部Bとし、前記第1の線分及び前記第2の線分を前記透明基板上に投影し前記端部A及び前記端部Bを重ねたときに、前記透明基板上に投影された前記第1の線分及び前記第2の線分のなす角度(β)が、下記式(3)を満たし、更に前記積層構造が、下記条件(4)を満たすことを特徴とする位相差素子である。
0<t1/t2≦1 式(1)
0<t2/t1≦1 式(2)
90°<β≦180° 式(3)
t1≠t2、又はβ≠180° 条件(4)
<2> 透明基板の表面と直交する方向の複屈折が、0.1以上である前記<1>に記載の位相差素子である。
<3> 2軸性位相差素子であり、光軸方向が、透明基板の表面と直交する方向から、複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体を前記透明基板に投影した時の前記複屈折多層構造体の屈折率異方性の主軸の方向を表すx方向、及び前記透明基板上において前記x方向と直交するy方向の少なくともいずれかに、傾斜している前記<1>から<2>のいずれかに記載の位相差素子である。
<4> 第1の複屈折層及び第2の複屈折層の少なくともいずれかが、次式:Nx>Ny>Nzを満たす前記<1>から<3>のいずれかに記載の位相差素子である。
ただし、前記Nxは、屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nyは、前記Nxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nzは、前記Nx及び前記Nyに直交する方向における屈折率を表す。
<5> 複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体が、次式:Nax>Nay>Nazを満たす前記<1>から<4>のいずれかに記載の位相差素子である。
ただし、前記Naxは、前記複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体の屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nayは、前記Naxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nazは、前記Nax及び前記Nayに直交する方向における屈折率を表す。
<6> 積層構造の平均厚みが、30nm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の位相差素子である。
<7> 第1の複屈折層の光学異方性無機材料の材質が、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlの少なくともいずれかを含有する酸化物であり、
第2の複屈折層の光学異方性無機材料の材質が、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlの少なくともいずれかを含有する酸化物である前記<1>から<6>のいずれかに記載の位相差素子である。
<8> 液晶パネルと、前記<1>から<7>のいずれかに記載の位相差素子とを有することを特徴とする液晶表示装置である。
<9> 光を出射する光源と、
変調された光を投射する投射光学系と、
前記光源と、前記投射光学系との間の光路上に配置された前記<8>に記載の液晶表示装置とを有することを特徴とする投射型画像表示装置である。
<10> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の位相差素子の製造方法であって、
透明基板上に、斜方蒸着により第1の複屈折層を形成する第1の複屈折層形成工程と、
前記第1の複屈折層上に、斜方蒸着により第2の複屈折層を形成する第2の複屈折層形成工程とを含むことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
<1> 透明基板と、
前記透明基板上に、光学異方性無機材料を有してなる第1の複屈折層、及び光学異方性無機材料を有してなり、前記第1の複屈折層に接する第2の複屈折層からなる積層構造を、複数積層してなる複屈折多層構造体と、を有し、
前記積層構造において、前記第1の複屈折層の平均厚み(t1)と、前記第2の複屈折層の平均厚み(t2)との関係が、下記式(1)及び式(2)のいずれかを満たし、前記第1の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第1の線分における前記透明基板側の端部を端部Aとし、前記第2の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第2の線分における前記透明基板側の端部を端部Bとし、前記第1の線分及び前記第2の線分を前記透明基板上に投影し前記端部A及び前記端部Bを重ねたときに、前記透明基板上に投影された前記第1の線分及び前記第2の線分のなす角度(β)が、下記式(3)を満たし、更に前記積層構造が、下記条件(4)を満たすことを特徴とする位相差素子である。
0<t1/t2≦1 式(1)
0<t2/t1≦1 式(2)
90°<β≦180° 式(3)
t1≠t2、又はβ≠180° 条件(4)
<2> 透明基板の表面と直交する方向の複屈折が、0.1以上である前記<1>に記載の位相差素子である。
<3> 2軸性位相差素子であり、光軸方向が、透明基板の表面と直交する方向から、複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体を前記透明基板に投影した時の前記複屈折多層構造体の屈折率異方性の主軸の方向を表すx方向、及び前記透明基板上において前記x方向と直交するy方向の少なくともいずれかに、傾斜している前記<1>から<2>のいずれかに記載の位相差素子である。
<4> 第1の複屈折層及び第2の複屈折層の少なくともいずれかが、次式:Nx>Ny>Nzを満たす前記<1>から<3>のいずれかに記載の位相差素子である。
ただし、前記Nxは、屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nyは、前記Nxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nzは、前記Nx及び前記Nyに直交する方向における屈折率を表す。
<5> 複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体が、次式:Nax>Nay>Nazを満たす前記<1>から<4>のいずれかに記載の位相差素子である。
ただし、前記Naxは、前記複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体の屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nayは、前記Naxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nazは、前記Nax及び前記Nayに直交する方向における屈折率を表す。
<6> 積層構造の平均厚みが、30nm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の位相差素子である。
<7> 第1の複屈折層の光学異方性無機材料の材質が、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlの少なくともいずれかを含有する酸化物であり、
第2の複屈折層の光学異方性無機材料の材質が、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlの少なくともいずれかを含有する酸化物である前記<1>から<6>のいずれかに記載の位相差素子である。
<8> 液晶パネルと、前記<1>から<7>のいずれかに記載の位相差素子とを有することを特徴とする液晶表示装置である。
<9> 光を出射する光源と、
変調された光を投射する投射光学系と、
前記光源と、前記投射光学系との間の光路上に配置された前記<8>に記載の液晶表示装置とを有することを特徴とする投射型画像表示装置である。
<10> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の位相差素子の製造方法であって、
透明基板上に、斜方蒸着により第1の複屈折層を形成する第1の複屈折層形成工程と、
前記第1の複屈折層上に、斜方蒸着により第2の複屈折層を形成する第2の複屈折層形成工程とを含むことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、簡易な製造装置により製造でき、光軸の調整、及び位相差の調整が容易であり、耐熱性及び耐久性に優れる位相差素子及びその製造方法、液晶表示装置、並びに投射型画像表示装置を提供することができる。
(位相差素子及びその製造方法)
本発明の位相差素子は、透明基板と、複屈折多層構造体とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の位相差素子は、透明基板と、複屈折多層構造体とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の位相差素子の製造方法は、本発明の前記位相差素子の製造方法であって、第1の複屈折層形成工程と、第2の複屈折層形成工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記第1の複屈折層形成工程は、前記透明基材、及び前記位相差付与反射防止層のいずれかの上に、斜方蒸着により第1の複屈折層を形成する工程である。
前記第2の複屈折層形成工程は、前記第1の複屈折層上に、斜方蒸着により前記第2の複屈折層を形成する工程である。
前記第1の複屈折層形成工程は、前記透明基材、及び前記位相差付与反射防止層のいずれかの上に、斜方蒸着により第1の複屈折層を形成する工程である。
前記第2の複屈折層形成工程は、前記第1の複屈折層上に、斜方蒸着により前記第2の複屈折層を形成する工程である。
前記位相差素子は、膜厚の厚膜化を抑制するの点から複屈折(Δn)が0.1以上であることが好ましく、0.1〜0.4であることがより好ましい。
前記位相差素子は、2軸性位相差素子であり、光軸方向が、前記透明基板の表面と直交する方向から、前記複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体を前記透明基板に投影した時の前記複屈折多層構造体の屈折率異方性の主軸の方向を表すx方向、及び前記透明基板上において前記x方向と直交するy方向の少なくともいずれかに、傾斜していることが好ましく、0°超80°以下傾斜していることがより好ましい。そうすることにより、例えば、液晶のプレチルト角のような傾斜した屈折率楕円体で発生する位相差に対して、適切に光学補償することが可能となる。
以下、前記位相差素子の各構成の説明を通して、本発明の前記位相差素子の製造方法についても説明する。
<透明基板>
前記透明基板としては、使用帯域の光に対して透光性を有する基板であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記透明基板の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、石英、水晶などが挙げられる。
前記透明基板としては、使用帯域の光に対して透光性を有する基板であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記透明基板の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、石英、水晶などが挙げられる。
前記透明基板の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、四角形であることが好ましい。
前記透明基板の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、基板の反りを防止する点から、0.1mm〜3.0mmが好ましく、0.1mm〜2.0mmがより好ましい。
前記透明基板の表面は、微細パターンが形成されていてもよい。そうすることにより、複屈折多層構造体を斜方蒸着により形成した際に、複屈折多層構造体に構造複屈折の効果が加味され、複屈折量が増大する。
<複屈折多層構造体>
前記複屈折多層構造体は、第1の複屈折層及び第2の複屈折層からなる積層構造を複数積層してなる。
前記複屈折多層構造体は、第1の複屈折層及び第2の複屈折層からなる積層構造を複数積層してなる。
前記複屈折多層構造体における前記積層構造の積層数としては、2以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜5,000が好ましく、50〜2,000がより好ましい。前記積層数が、前記より好ましい範囲内であると、各複屈折層の膜厚を光の波長よりかなり低い膜厚にできるため、多層構造体の傾斜構造部分に起因する光の散乱を低減できる点で有利である。
前記複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体は、次式:Nax>Nay>Nazを満たすことが、各屈折率を制御する点から、好ましい。
ただし、前記Naxは、前記複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体の屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nayは、前記Naxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nazは、前記Nax及び前記Nayに直交する方向における屈折率を表す。
ただし、前記Naxは、前記複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体の屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nayは、前記Naxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nazは、前記Nax及び前記Nayに直交する方向における屈折率を表す。
<<積層構造>>
前記積層構造は、前記第1の複屈折層及び前記第2の複屈折層からなる。
前記積層構造は、上述したような光の散乱を低減する点から、平均厚みが30nm以下であることが好ましく、3nm〜10nmであることがより好ましい。
前記積層構造は、前記第1の複屈折層及び前記第2の複屈折層からなる。
前記積層構造は、上述したような光の散乱を低減する点から、平均厚みが30nm以下であることが好ましく、3nm〜10nmであることがより好ましい。
−第1の複屈折層及び第2の複屈折層−
前記第1の複屈折層は、光学異方性無機材料を有してなる。
前記第2の複屈折層は、光学異方性無機材料を有してなる。
前記第1の複屈折層は、光学異方性無機材料を有してなる。
前記第2の複屈折層は、光学異方性無機材料を有してなる。
前記積層構造において、前記第1の複屈折層の平均厚み(t1)と、前記第2の複屈折層の平均厚み(t2)との関係は、下記式(1)及び式(2)のいずれかを満たす。
前記積層構造において、前記第1の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第1の線分における前記透明基板側の端部を端部Aとし、前記第2の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第2の線分における前記透明基板側の端部を端部Bとし、前記第1の線分及び前記第2の線分を前記透明基板上に投影し前記端部A及び前記端部Bを重ねたときに、前記透明基板上に投影された前記第1の線分及び前記第2の線分のなす角度(β)(以下、「角度(β)」と称することがある。)は、下記式(3)を満たす。
更に前記積層構造は、下記条件(4)を満たす。
0<t1/t2≦1 式(1)
0<t2/t1≦1 式(2)
90°<β≦180° 式(3)
t1≠t2、又はβ≠180° 条件(4)
前記積層構造において、前記第1の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第1の線分における前記透明基板側の端部を端部Aとし、前記第2の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第2の線分における前記透明基板側の端部を端部Bとし、前記第1の線分及び前記第2の線分を前記透明基板上に投影し前記端部A及び前記端部Bを重ねたときに、前記透明基板上に投影された前記第1の線分及び前記第2の線分のなす角度(β)(以下、「角度(β)」と称することがある。)は、下記式(3)を満たす。
更に前記積層構造は、下記条件(4)を満たす。
0<t1/t2≦1 式(1)
0<t2/t1≦1 式(2)
90°<β≦180° 式(3)
t1≠t2、又はβ≠180° 条件(4)
更に、前記平均厚み(t1)と前記平均厚み(t2)との関係は、複屈折を高い値で維持できる点から、下記式(1−1)及び式(2−1)のいずれかを満たすことが好ましい。
0.1≦t1/t2≦1 式(1−1)
0.1≦t2/t1≦1 式(2−1)
0.1≦t1/t2≦1 式(1−1)
0.1≦t2/t1≦1 式(2−1)
前記端部A及び前記端部Bを重ねるときには、前記透明基板上に投影された前記第1の線分及び前記第2の線分を投影面に対して回転させずに、重ねる。
また、前記第1の線分及び前記第2の線分のなす角度は、通常、合計を360°とする2つの角度をとり得るが、ここでは、角度が小さい方(劣角)を指す。
また、前記第1の線分及び前記第2の線分のなす角度は、通常、合計を360°とする2つの角度をとり得るが、ここでは、角度が小さい方(劣角)を指す。
前記角度(β)は、複屈折を高い値で維持できるの点から、下記式(3−1)を満たすことが好ましい。
160°<β≦180° 式(3−1)
160°<β≦180° 式(3−1)
1つの前記積層構造における前記第1の複屈折層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3nm〜10nmが好ましい。
1つの前記積層構造における前記第2の複屈折層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3nm〜10nmが好ましい。
ここで、「屈折率異方性の主軸」とは、複屈折層において屈折率が最も高い方向を意味する。
1つの前記積層構造における前記第2の複屈折層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3nm〜10nmが好ましい。
ここで、「屈折率異方性の主軸」とは、複屈折層において屈折率が最も高い方向を意味する。
第1の複屈折層及び第2の複屈折層に共通して説明する場合には、第1の複屈折層及び第2の複屈折層を区別せず、複屈折層と称することがある。
複屈折層の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による複屈折層の断面観察により測定できる。平均厚みは、前記厚みを10箇所で測定し、それを算術平均することにより求めることができる。
複屈折層の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による複屈折層の断面観察により測定できる。平均厚みは、前記厚みを10箇所で測定し、それを算術平均することにより求めることができる。
前記位相差素子は、前記複屈折多層構造体の複数の前記積層構造において、少なくとも一つの前記積層構造が、前記式(1)又は前記式(2)、前記式(3)及び前記条件(4)を満たしていればよく、全ての前記積層構造が、前記式(1)又は前記式(2)、前記式(3)及び前記条件(4)を満たしていることが好ましい。
前記複屈折多層構造体の複数の前記積層構造において、t1/t2、t2/t1、及びβは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。言い換えれば、複数の前記積層構造において、
t1/t2、t2/t1、及びβは同一であってもよいし、
t1/t2及びt2/t1は同一であって、βは異なっていてもよいし、
βは同一であって、t1/t2及びt2/t1は異なっていてもよいし、
t1/t2、t2/t1、及びβの全てが異なっていてもよい。
t1/t2、t2/t1、及びβは同一であってもよいし、
t1/t2及びt2/t1は同一であって、βは異なっていてもよいし、
βは同一であって、t1/t2及びt2/t1は異なっていてもよいし、
t1/t2、t2/t1、及びβの全てが異なっていてもよい。
前記第1の複屈折層は、前記光学異方性無機材料の屈折率異方性の主軸が前記透明基板の表面となす角が90°ではないことが好ましく、20°以上80°以下が好ましく、40°以上70°以下がより好ましい。
前記第2の複屈折層は、前記光学異方性無機材料の屈折率異方性の主軸が前記透明基板の表面となす角が90°ではないことが好ましく、20°以上80°以下が好ましく、40°以上70°以下がより好ましい。
なお、主軸と透明基板の表面とのなす角の角度は、通常、合計を180°とする2つの角度をとり得るが、ここでは、90°未満の角度を指す。
前記第2の複屈折層は、前記光学異方性無機材料の屈折率異方性の主軸が前記透明基板の表面となす角が90°ではないことが好ましく、20°以上80°以下が好ましく、40°以上70°以下がより好ましい。
なお、主軸と透明基板の表面とのなす角の角度は、通常、合計を180°とする2つの角度をとり得るが、ここでは、90°未満の角度を指す。
前記第1の複屈折層において前記光学異方性無機材料の屈折率異方性の主軸が前記透明基板の表面となす角と、前記第2の複屈折層において前記光学異方性無機材料の屈折率異方性の主軸が前記透明基板の表面となす角とは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、略同一角度であることが好ましい。ここで、略同一角度とは、±5°以内をいう。
前記第1の複屈折層の前記光学異方性無機材料の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlの少なくともいずれかを含有する酸化物が好ましい。
前記第2の複屈折層の前記光学異方性無機材料の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlの少なくともいずれかを含有する酸化物が好ましい。
前記第1の複屈折層及び前記第2の複屈折層の少なくともいずれかは、次式:Nx>Ny>Nzを満たすことが好ましい。
ただし、前記Nxは、屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nyは、前記Nxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nzは、前記Nx及び前記Nyに直交する方向における屈折率を表す。
ただし、前記Nxは、屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nyは、前記Nxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nzは、前記Nx及び前記Nyに直交する方向における屈折率を表す。
前記第1の複屈折層及び前記第2の複屈折層は、例えば、斜方蒸着により形成できる。
例えば、斜方蒸着においては、高屈折率材料の粒子が透明基板に対して斜め方向から入射される。高屈折率材料としては、例えば、Ta2O5、TiO2、SiO2、A12O3、CeO2、ZrO2、ZrO、Nb2O5などの酸化物、又はこれらを組み合わせたものを用いることができる。Ta2O5を主成分とする材料が好ましく用いられる。
例えば、斜方蒸着においては、高屈折率材料の粒子が透明基板に対して斜め方向から入射される。高屈折率材料としては、例えば、Ta2O5、TiO2、SiO2、A12O3、CeO2、ZrO2、ZrO、Nb2O5などの酸化物、又はこれらを組み合わせたものを用いることができる。Ta2O5を主成分とする材料が好ましく用いられる。
斜方蒸着の後には、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるためにアニール処理を行うことが好ましい。柱状組織間に水分が付着していると、蒸着膜の屈折率が変化し、特性が大きく変わってしまうことがある。このため、アニール処理は水分が蒸発する100℃以上が好ましい。また、温度を上げすぎると、柱状組織同士が成長しコラム状となり、複屈折の低下、透過率の低下などが起こるため、300℃以下であることが好ましい。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、例えば、応力調整層、反射防止層などが挙げられる。
前記その他の部材としては、例えば、応力調整層、反射防止層などが挙げられる。
<<応力調整層>>
前記応力調整層としては、位相差素子の反りを防止するために配置され、応力を調整する層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その材質としては、例えば、SiO2などが挙げられる。
前記応力調整層としては、位相差素子の反りを防止するために配置され、応力を調整する層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その材質としては、例えば、SiO2などが挙げられる。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、液晶パネルと、本発明の前記位相差素子とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の液晶表示装置は、液晶パネルと、本発明の前記位相差素子とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<液晶パネル>
前記液晶パネルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、VAモード液晶パネルなどが挙げられる。
前記液晶パネルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、VAモード液晶パネルなどが挙げられる。
前記VAモード(vertical alignment mode)とは、基板に垂直に(又はプレチルトを有して)配置した液晶分子を、垂直方向の縦電界を使って動かす方式を意味する。
<位相差素子>
前記位相差素子は、本発明の前記位相差素子である。
前記位相差素子は、本発明の前記位相差素子である。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、例えば、偏光板などが挙げられる。
前記偏光板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐久性の点から、無機偏光板であることが好ましい。前記無機偏光板としては、例えば、使用波長帯域に対して透明である基板(ガラス基板)にスパッタリング、真空蒸着等の真空成膜法により、大きさが使用波長帯域よりも短く、かつ、形状異方性を有する無機微粒子(半導体、金属)を形成したものなどが挙げられる。
前記その他の部材としては、例えば、偏光板などが挙げられる。
前記偏光板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐久性の点から、無機偏光板であることが好ましい。前記無機偏光板としては、例えば、使用波長帯域に対して透明である基板(ガラス基板)にスパッタリング、真空蒸着等の真空成膜法により、大きさが使用波長帯域よりも短く、かつ、形状異方性を有する無機微粒子(半導体、金属)を形成したものなどが挙げられる。
(投射型画像表示装置)
本発明の投射型画像表示装置は、光源と、投射光学系と、本発明の前記液晶表示装置とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の投射型画像表示装置は、光源と、投射光学系と、本発明の前記液晶表示装置とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<光源>
前記光源としては、光を出射する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色光を出射する超高圧水銀ランプなどが挙げられる。
前記光源としては、光を出射する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色光を出射する超高圧水銀ランプなどが挙げられる。
<投射光学系>
前記投射光学系としては、変調された光を投射する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、変調された光をスクリーンに投射する投射レンズなどが挙げられる。
前記投射光学系としては、変調された光を投射する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、変調された光をスクリーンに投射する投射レンズなどが挙げられる。
<液晶表示装置>
前記液晶表示装置は、前記光源と、前記投射光学系との間の光路上に配置される。
前記液晶表示装置は、前記光源と、前記投射光学系との間の光路上に配置される。
本発明の位相差素子の一例を、製造工程の一例とともに説明する。
[1] 透明基板上に、(a)斜方蒸着法により第1の複屈折層を形成する。次に、(b)前記透明基板の面内方向に対して180°反対の蒸着角度から斜方蒸着法により第2の複屈折層を形成する。このとき、第1の複屈折層の平均厚み(t1)と第2の複屈層の平均厚み(t2)を異なる(t1/t2≠1)ものとする。また、各複屈折層の平均厚みは、位相差素子として使用する波長帯域より十分小さい厚みとする。好ましくはλ/4以下、より好ましくはλ/10以下である。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを繰り返し、必要な位相差が得られる合計厚みまで蒸着を行い、所望の位相差を有する多層構造とする。
[1] 透明基板上に、(a)斜方蒸着法により第1の複屈折層を形成する。次に、(b)前記透明基板の面内方向に対して180°反対の蒸着角度から斜方蒸着法により第2の複屈折層を形成する。このとき、第1の複屈折層の平均厚み(t1)と第2の複屈層の平均厚み(t2)を異なる(t1/t2≠1)ものとする。また、各複屈折層の平均厚みは、位相差素子として使用する波長帯域より十分小さい厚みとする。好ましくはλ/4以下、より好ましくはλ/10以下である。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを繰り返し、必要な位相差が得られる合計厚みまで蒸着を行い、所望の位相差を有する多層構造とする。
[2] 透明基板上に、(c)斜方蒸着により第1の複屈折層を形成する。次に、(d)透明基板面内方向に対して90°以上、180°未満の別の蒸着角度から斜方蒸着法により第2の複屈折層を形成する。このとき、第1の複屈折層の平均厚み(t1)と第2の複屈折層の平均厚み(t2)は同じ(t1=t2)とする。また、複屈折層の平均厚みは、位相差素子として使用する波長帯域より十分小さい厚みとする。前記(c)のプロセスと前記(d)のプロセスを繰り返し、必要な位相差が得られる合計厚みまで蒸着を行い、所望の位相差を有する多層構造とする。
前記[1]、及び前記[2]を単独、もしくは組み合わせて行うことで、複屈折を大きく保ったまま蒸着粒子の成長方向を制御し、光軸、及び位相差を所望のものとした位相差素子が得られる。
図1は、1層の斜方蒸着によって形成される複屈折層により近似される屈折率楕円体2’の概略図である。一般的には、蒸着方向に対し平行な方向に屈折率が最も大きい(以下、これをNxと称する)。また、蒸着方向と垂直な方向の屈折率をNyとし、NxとNyの両方に垂直な方向をNzとすると、典型的には、Nx>Ny>Nzの関係になる。図1において符号1は、透明基板を示す。
図2A〜図2Cは、本発明の位相差素子の一例の概念図である。図3は、図2A〜図2Cの位相差素子おいて複屈折層全体(複屈折多層構造体)によって近似される屈折率楕円体5’の概念図である。図2Aは、図3におけるx−z断面図である。図2Bは、図3におけるx−y断面図である。図2Cは、図3におけるy−z断面図である。
図2A〜図2Cの位相差素子においては、透明基板上1に、第1の複屈折層2、第2の複屈折層3、第1の複屈折層2、及び第2の複屈折層3がこの順で積層されている。第1の複屈折層2は、蒸着方向1で斜方蒸着により形成されており、t1の平均厚みを有する。第2の複屈折層3は、蒸着方向2で斜方蒸着により形成されており、t2の平均厚みを有する。第1の複屈折層2の平均厚みt1と、第2の複屈折層3の平均厚みt2とは、前記式(2)を満たし、かつt1≠t2である。また、第1の複屈折層2と第2の複屈折層3とは、前記角度(β)が180°である。
なお、図2A〜図2Cにおいて、符号2’は、第1の複屈折層2により近似される複屈折楕円体を示し、符号3’は、第2の複屈折層3により近似される複屈折楕円体を示す。符号Nx1は、第1の複屈折層2におけるNxの軸を示し、符号Ny1は、第1の複屈折層2におけるNyの軸を示す。符号Nx2は、第2の複屈折層3におけるNxの軸を示し、符号Ny2は、第2の複屈折層3におけるNyの軸を示す。
第1の複屈折層2の平均厚みt1と、第2の複屈折層2の平均厚みt2を調整することにより、高い複屈折を保ったまま、複屈折層全体(複屈折多層構造体)によって近似される屈折率楕円体の光軸角度θ(x−z面内の角度)を制御することができる。その結果、位相差素子全体の光軸を制御できる。
図2A〜図2Cの位相差素子においては、透明基板上1に、第1の複屈折層2、第2の複屈折層3、第1の複屈折層2、及び第2の複屈折層3がこの順で積層されている。第1の複屈折層2は、蒸着方向1で斜方蒸着により形成されており、t1の平均厚みを有する。第2の複屈折層3は、蒸着方向2で斜方蒸着により形成されており、t2の平均厚みを有する。第1の複屈折層2の平均厚みt1と、第2の複屈折層3の平均厚みt2とは、前記式(2)を満たし、かつt1≠t2である。また、第1の複屈折層2と第2の複屈折層3とは、前記角度(β)が180°である。
なお、図2A〜図2Cにおいて、符号2’は、第1の複屈折層2により近似される複屈折楕円体を示し、符号3’は、第2の複屈折層3により近似される複屈折楕円体を示す。符号Nx1は、第1の複屈折層2におけるNxの軸を示し、符号Ny1は、第1の複屈折層2におけるNyの軸を示す。符号Nx2は、第2の複屈折層3におけるNxの軸を示し、符号Ny2は、第2の複屈折層3におけるNyの軸を示す。
第1の複屈折層2の平均厚みt1と、第2の複屈折層2の平均厚みt2を調整することにより、高い複屈折を保ったまま、複屈折層全体(複屈折多層構造体)によって近似される屈折率楕円体の光軸角度θ(x−z面内の角度)を制御することができる。その結果、位相差素子全体の光軸を制御できる。
図4A〜図4Cは、本発明の位相差素子の他の一例の概念図である。図5は、図4A〜図4Cの位相差素子おいて複屈折層全体(複屈折多層構造体)によって近似される屈折率楕円体5’の概念図である。図4Aは、図5におけるx−z断面図である。図4Bは、図5におけるx−y断面図である。図4Cは、図5におけるy−z断面図である。
図4A〜図4Cの位相差素子においては、透明基板上1に、第1の複屈折層2、第2の複屈折層3、第1の複屈折層2、及び第2の複屈折層3がこの順で積層されている。第1の複屈折層2は、蒸着方向1で斜方蒸着により形成されている。第2の複屈折層3は、蒸着方向2で斜方蒸着により形成されている。第1の複屈折層2の平均厚みと、第2の複屈折層3の平均厚みとは、同じである。また、第1の複屈折層2と第2の複屈折層3との間の角度(β)は、前記式(3)を満たし、かつ180°ではない。
なお、図4A〜図4Cにおいて、符号2’は、第1の複屈折層2により近似される複屈折楕円体を示し、符号3’は、第2の複屈折層3により近似される複屈折楕円体を示す。符号Nx1は、第1の複屈折層2におけるNxの軸を示し、符号Ny1は、第1の複屈折層2におけるNyの軸を示す。符号Nx2は、第2の複屈折層3におけるNxの軸を示し、符号Ny2は、第2の複屈折層3におけるNyの軸を示す。
第1の複屈折層2と第2の複屈折層3との間の角度(β)を調整することにより、高い複屈折を保ったまま、複屈折層全体(複屈折多層構造体)によって近似される屈折率楕円体の光軸角度φ(y−z面内の角度)を制御することができる。その結果、位相差素子全体の光軸を制御できる。
図4A〜図4Cの位相差素子においては、透明基板上1に、第1の複屈折層2、第2の複屈折層3、第1の複屈折層2、及び第2の複屈折層3がこの順で積層されている。第1の複屈折層2は、蒸着方向1で斜方蒸着により形成されている。第2の複屈折層3は、蒸着方向2で斜方蒸着により形成されている。第1の複屈折層2の平均厚みと、第2の複屈折層3の平均厚みとは、同じである。また、第1の複屈折層2と第2の複屈折層3との間の角度(β)は、前記式(3)を満たし、かつ180°ではない。
なお、図4A〜図4Cにおいて、符号2’は、第1の複屈折層2により近似される複屈折楕円体を示し、符号3’は、第2の複屈折層3により近似される複屈折楕円体を示す。符号Nx1は、第1の複屈折層2におけるNxの軸を示し、符号Ny1は、第1の複屈折層2におけるNyの軸を示す。符号Nx2は、第2の複屈折層3におけるNxの軸を示し、符号Ny2は、第2の複屈折層3におけるNyの軸を示す。
第1の複屈折層2と第2の複屈折層3との間の角度(β)を調整することにより、高い複屈折を保ったまま、複屈折層全体(複屈折多層構造体)によって近似される屈折率楕円体の光軸角度φ(y−z面内の角度)を制御することができる。その結果、位相差素子全体の光軸を制御できる。
本発明の位相差素子は、特開2005−172984号公報、特開2007−101764号公報、及び特許第4566275号公報に記載の発明と異なり、無機材料のみで構成されており、耐熱性及び耐光性が高い。また、光軸が傾斜した位相差素子が提供できる。また、特開2004−354935号公報、特開2009−133917号公報、及び特開2012−078436号公報に記載の発明と異なり、斜方蒸着により多層構造を形成できるため、単結晶の特殊切り出しなどと比較して、低コスト化が見込める。また、APPLIED OPTICS / Vol. 28, No. 13 / 1 July 1989に記載の発明と異なり、多層構造で形成され、高い複屈折を有する。また、米国特許第6206065号明細書に記載の発明と異なり、透明基板を回転させながら蒸着を行う必要はなく、装置の簡易化が可能である。また、光軸を傾斜させる方向も選択可能である。
次に、投射型画像表示装置の一例について説明する。
図6は、投射型画像表示装置に用いられる光学エンジンの一部の構成を示す概略断面図である。この投射型画像表示装置は、透過型偏光子44と、垂直配向液晶層40と、透過型光変調素子41と、位相差素子43と、透過型偏光子42とを備える透過型液晶プロジェクターである。ここで、位相差素子43は、透明基板と、第1の複屈折層と、第2の複屈折層と、位相差付与反射防止層とを備え、位相差付与反射防止層は、複屈折層で生じる斜入射光位相差とは別の位相差を付与させ、さらに位相差の値を制御する。これにより、複屈折層により透過型光変調素子41のプレチルト角によって生じる偏光の乱れを補正し、また、位相差付与反射防止層により透過型光変調素子41への斜入射光によって生じる偏光の乱れを補正し、さらに、位相差付与反射防止層により反射を防止することができるため、高いコントラストを得ることができる。図6において、符号45は入射光を表し、符号PはP偏光を表し、符号SはS偏光を表す。
図6は、投射型画像表示装置に用いられる光学エンジンの一部の構成を示す概略断面図である。この投射型画像表示装置は、透過型偏光子44と、垂直配向液晶層40と、透過型光変調素子41と、位相差素子43と、透過型偏光子42とを備える透過型液晶プロジェクターである。ここで、位相差素子43は、透明基板と、第1の複屈折層と、第2の複屈折層と、位相差付与反射防止層とを備え、位相差付与反射防止層は、複屈折層で生じる斜入射光位相差とは別の位相差を付与させ、さらに位相差の値を制御する。これにより、複屈折層により透過型光変調素子41のプレチルト角によって生じる偏光の乱れを補正し、また、位相差付与反射防止層により透過型光変調素子41への斜入射光によって生じる偏光の乱れを補正し、さらに、位相差付与反射防止層により反射を防止することができるため、高いコントラストを得ることができる。図6において、符号45は入射光を表し、符号PはP偏光を表し、符号SはS偏光を表す。
この液晶プロジェクターにおいて、光源より発せられた光は、平面偏光に変換されたのちR(赤)、G(緑)、B(青)の各色光に分解され、各色に設けられた透過型偏光子44に入射される。
透過型偏光子44で透過する直線偏光(S偏光成分)は、垂直配向液晶層40に入射し、画素ごとに変調した透過光が出射し、位相差素子43を透過したのち、透過型偏光子42を透過、又は反射及び吸収される。透過型偏光子42を透過した光はプリズムによって再度RGBが合成され、投影スクリーンに画像が表示される。
例えば、黒表示を行う場合、透過型偏光子44で透過するS偏光は、垂直配向液晶層40でS偏光のまま透過するように設定されるが、上述したように透過する際の偏光の乱れにより、望まない偏光成分(P偏光成分)も透過してしまう。位相差素子43がない場合、P偏光成分は透過型偏光子42を透過してしまうため、スクリーンに光として表示され黒表示を劣化させる要因となる。本発明の位相差素子を備えることで、偏光の乱れを補正し、P偏光成分を極力低減させることで、黒表示を向上させ、結果として投影画像のコントラストを向上することができる。
透過型偏光子44で透過する直線偏光(S偏光成分)は、垂直配向液晶層40に入射し、画素ごとに変調した透過光が出射し、位相差素子43を透過したのち、透過型偏光子42を透過、又は反射及び吸収される。透過型偏光子42を透過した光はプリズムによって再度RGBが合成され、投影スクリーンに画像が表示される。
例えば、黒表示を行う場合、透過型偏光子44で透過するS偏光は、垂直配向液晶層40でS偏光のまま透過するように設定されるが、上述したように透過する際の偏光の乱れにより、望まない偏光成分(P偏光成分)も透過してしまう。位相差素子43がない場合、P偏光成分は透過型偏光子42を透過してしまうため、スクリーンに光として表示され黒表示を劣化させる要因となる。本発明の位相差素子を備えることで、偏光の乱れを補正し、P偏光成分を極力低減させることで、黒表示を向上させ、結果として投影画像のコントラストを向上することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<位相差素子の作製>
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向(基板の表面に直交する方向)に対して蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃で5時間のアニール処理を行った。複屈折層は全体で1,500nmになるような膜厚とした。基板の裏面には、入射光の反射率を低減する目的で、反射防止膜を成膜した。
<位相差素子の作製>
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向(基板の表面に直交する方向)に対して蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃で5時間のアニール処理を行った。複屈折層は全体で1,500nmになるような膜厚とした。基板の裏面には、入射光の反射率を低減する目的で、反射防止膜を成膜した。
以下に、第1の複屈折層と、第2の複屈折層と、光軸角度との定量的な関係を述べる。図7は、第1の複屈折層の平均厚みt1と、第2の複屈折層の平均厚みt2との比t1/t2と、複屈折層全体により近似される屈折率楕円体の第1の光軸角度θ(x−z面内の角度)、及び、複屈折層への垂直入射光に生じる複屈折の値についての関係を示したグラフである。図7に示すように、t1/t2を変化させることによって、屈折率楕円体の光軸を任意に制御することができるようになる。さらに、t1/t2が変化しても、複屈折はほとんど変化がなく、Δnが0.1以上の値を示している。これは、文献(APPLIED OPTICS / Vol. 28, No. 13 / 1 July 1989)にも記載されているように、蒸着角度、すなわち屈折率楕円体の光軸が変化するとΔnが変化してしまう構造とは異なり、本発明では、複屈折を大きな値に保ったまま、光軸を制御することが可能となる。しかも、通常のTa2O5のような高屈折率材料の斜方蒸着で得られるような複屈折0.07を大きく上回ることが可能である。
(実施例2)
<位相差素子の作製>
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃で5時間のアニール処理を行った。第1の複屈折層及び第2の複屈折層の平均厚みをそれぞれ9nm、5nmとした。また、全体の膜厚を2,000nmとした。SEM像を図8に示す。光軸は約18°であった。さらに、波長550nmでの正面位相差は、272nmであった。複屈折はおよそ0.136であった。以上のように、本発明の形態を用いることで、光軸が傾斜した1/2波長板が容易に作製できる。
<位相差素子の作製>
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃で5時間のアニール処理を行った。第1の複屈折層及び第2の複屈折層の平均厚みをそれぞれ9nm、5nmとした。また、全体の膜厚を2,000nmとした。SEM像を図8に示す。光軸は約18°であった。さらに、波長550nmでの正面位相差は、272nmであった。複屈折はおよそ0.136であった。以上のように、本発明の形態を用いることで、光軸が傾斜した1/2波長板が容易に作製できる。
(実施例3:変形例)
実施例1、及び2は、用途に応じて様々な変形が可能である。
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃で5時間のアニール処理を行った。第1の複屈折層及び第2の複屈折層の平均厚みをそれぞれ9nm、5nmとした。複数の第1の複屈折層及び複数の第2の複屈折層の合計の厚みを2,000nmまで成膜した時点で、(c)ガラス基板を面内方向に、45°回転した方向から第1の複屈折層を5nm、(d)その方向と180°反対の方向から、第2の複屈折層を9nm成膜した。前記(c)のプロセスと前記(d)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。模式図を図9A及び図9Bに示す。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスで得られる構造部をA、前記(c)のプロセスと前記(d)のプロセスで得られる構造部をBとした。このような変形例とすると、あたかも軸が傾斜した2枚の波長板を、面内軸も任意に回転させて張り合わせたような構造が、1枚の基板で容易に実現できる。従来は水晶のような一軸性波長板を別々に切り出し、貼り合わせをしなくてはならず、かなりの高コストだった。本発明を用いることで、1枚の基板で広帯域の波長板を容易に作製することができる。なお、図9Aにおいて、第1の複屈折層2は、蒸着方向1で斜方蒸着により形成されている。第2の複屈折層3は、蒸着方向2で斜方蒸着により形成されている。図9Bに示すように、構造部Aの光軸Aと、構造部Bの光軸Bとを基板に投影した線分がなす角度は、45°である。
実施例1、及び2は、用途に応じて様々な変形が可能である。
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。(b)次に、基板面内方向に対して180°反対の方向から、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃で5時間のアニール処理を行った。第1の複屈折層及び第2の複屈折層の平均厚みをそれぞれ9nm、5nmとした。複数の第1の複屈折層及び複数の第2の複屈折層の合計の厚みを2,000nmまで成膜した時点で、(c)ガラス基板を面内方向に、45°回転した方向から第1の複屈折層を5nm、(d)その方向と180°反対の方向から、第2の複屈折層を9nm成膜した。前記(c)のプロセスと前記(d)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。模式図を図9A及び図9Bに示す。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスで得られる構造部をA、前記(c)のプロセスと前記(d)のプロセスで得られる構造部をBとした。このような変形例とすると、あたかも軸が傾斜した2枚の波長板を、面内軸も任意に回転させて張り合わせたような構造が、1枚の基板で容易に実現できる。従来は水晶のような一軸性波長板を別々に切り出し、貼り合わせをしなくてはならず、かなりの高コストだった。本発明を用いることで、1枚の基板で広帯域の波長板を容易に作製することができる。なお、図9Aにおいて、第1の複屈折層2は、蒸着方向1で斜方蒸着により形成されている。第2の複屈折層3は、蒸着方向2で斜方蒸着により形成されている。図9Bに示すように、構造部Aの光軸Aと、構造部Bの光軸Bとを基板に投影した線分がなす角度は、45°である。
(実施例4)
<位相差素子の作製>
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して、ある特定の方向から蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。(b)次に、ガラス基板を面内方向にβ°回転させ、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。次に、基板を回転させ、前記(a)のプロセスの位置に戻し、再度前記(a)のプロセスを行った。この前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスで成膜する複屈折層の平均厚みは7nmで同一とした。複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃で5時間のアニール処理を行った。複屈折層は全体で1,500nmになるような厚みとした。基板の裏面には、入射光の反射率を低減する目的で、反射防止膜を成膜した。
<位相差素子の作製>
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して、ある特定の方向から蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。(b)次に、ガラス基板を面内方向にβ°回転させ、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。次に、基板を回転させ、前記(a)のプロセスの位置に戻し、再度前記(a)のプロセスを行った。この前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスで成膜する複屈折層の平均厚みは7nmで同一とした。複屈折層形成後、色抜き、及び柱状組織間に吸着している水分を蒸発させるために200℃で5時間のアニール処理を行った。複屈折層は全体で1,500nmになるような厚みとした。基板の裏面には、入射光の反射率を低減する目的で、反射防止膜を成膜した。
以下に、プロセス(a)から(b)に移る際の基板面内回転角度βと、光軸角度との定量的な関係を述べる。図10は、角度(β)と、複屈折層全体により近似される屈折率楕円体の第2の光軸角度φ(y−z面内の角度)、及び複屈折層への垂直入射光に生じる複屈折の値について関係を示したグラフである。角度(β)を変化させることによって屈折率楕円体の光軸を任意に制御できた。また、角度(β)が変化しても、複屈折はほとんど変化がなく、Δnが0.1以上の値を示した。従来の斜方蒸着技術では、そもそもφを傾斜させる技術はないが、本発明を用いることで、実用的なΔnを保ったまま、φが傾斜した屈折率楕円体を有する位相差素子を作製することができるようになる。なお、βの角度が90°以下になると、φの傾斜に寄与しなくなる。この点について、図11A〜図11Cを用いて説明する。
図11A〜図11Cは、位相差素子の一例の概念図である。図11Aは、図3のようなx−y−zの座標空間におけるx−z断面図である。図11Bは、図3のようなx−y−zの座標空間におけるx−y断面図である。図11Cは、図3のようなx−y−zの座標空間におけるy−z断面図である。
図11A〜図11Cに示すように、角度(β)が90°以下であると、特に図11Cから明らかなように、各層の光軸が平均化され、光軸φの方向が基板法線方向と一致する。また、図11Aから明らかなように、一方向からの斜方蒸着と同様の機能しかもたず、複屈折が低くなる。よって、βは90°超である必要がある。
図11A〜図11Cに示すように、角度(β)が90°以下であると、特に図11Cから明らかなように、各層の光軸が平均化され、光軸φの方向が基板法線方向と一致する。また、図11Aから明らかなように、一方向からの斜方蒸着と同様の機能しかもたず、複屈折が低くなる。よって、βは90°超である必要がある。
(実施例5)
実施例1と実施例4は、それぞれ別の方法で光軸角度を傾斜させる方法であるが、当然、両者を組み合わせて、θとφを同時に制御することができる。以下に一例を示す。
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して、ある特定の方向から蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。平均厚みは8nmとした。(b)次に、ガラス基板を面内方向に170°回転させ、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。平均厚みは4nmとした。次に、ガラス基板を回転させ前記(a)のプロセスの位置に戻し、再度前記(a)のプロセスを行った。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。
実施例1と実施例4は、それぞれ別の方法で光軸角度を傾斜させる方法であるが、当然、両者を組み合わせて、θとφを同時に制御することができる。以下に一例を示す。
ガラス基板(平均厚み0.7mm)上に、Ta2O5を主成分とした蒸着材料を、(a)基板法線方向に対して、ある特定の方向から蒸着源が70°になるように斜方蒸着を行い、第1の複屈折層を形成した。平均厚みは8nmとした。(b)次に、ガラス基板を面内方向に170°回転させ、蒸着角度を同様に70°として斜方蒸着を行い、第2の複屈折層を形成した。平均厚みは4nmとした。次に、ガラス基板を回転させ前記(a)のプロセスの位置に戻し、再度前記(a)のプロセスを行った。前記(a)のプロセスと前記(b)のプロセスを交互に繰り返し、多層構造の複屈折層を形成した。
このようにして作製した位相差素子のSEM像を図12A及び図12Bに示す。光軸角度θ(x−z面内の角度)は約20°、φ(y−z面内の角度)は約10°傾いている様子がわかる。このとき基板法線方向の入射光に対する複屈折の値は0.14であった。
以上のように、本発明を用いることで、高い複屈折を保ったまま、2種類の光軸角度を任意に制御することができる。
以上のように、本発明を用いることで、高い複屈折を保ったまま、2種類の光軸角度を任意に制御することができる。
(実施例6:応用例)
実施例1〜5においては、平坦なガラス基板上に斜方蒸着した微粒子を利用しているが、本発明者は、図13Aに示すような、使用帯域の波長以下の微細パターンを有する透明基板10上に斜方蒸着により複屈折層を堆積することで、複屈折の値を増大できることを発見している。応用例を図13B〜図13Dに示す。図13Bは、位相差素子の断面模式図であり、図13Cは、上面模式図であり、図13Dは、位相差素子における第1の複屈折層22、及び第2の複屈折層23の構造の詳細を示す断面模式図である。符号11は、光学異方性無機材料からなる高屈折率部を示し、符号12は、空気からなる低屈折率部を示す。ピッチ150nm、深さ50nmの一次元格子を有するガラス基板上に、TiO2を添加したTa2O5を格子ラインと垂直でかつ基板面法線方向に対して蒸着源が70°となるように斜方蒸着を行った。従来の斜方蒸着に比べ複屈折量が2.8倍になっている。よって、所望の位相特性を得るのに従来に比べ、薄膜化することができる。薄膜化は、生産工程の高速化及び効率化、成膜に使用する材料費の抑制など、多くのメリットを持つ。パターン上に成膜することで複屈折の値が大きくなっているのは、格子間に間隔ができることで、構造複屈折の効果が加味されたことによると考えられる。なお、低屈折率部は、空気以外にも、高屈折率部を構成する光学異方性無機材料よりも低屈折率の材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。この応用例では、一次元格子を用いているが、使用帯域の波長以下であれば、ランダムパターンや、文献(東芝レビューVol60 No10 2005)に記載のブロックコポリマーを用いたパターン形成方式(すなわち、ガラス基板上に上記と同様にSiO2を成膜し、ブロックコポリマーによりパターン形成を行い、SiO2にブロックコポリマーのパターンを転写する方法)により形成されたパターンでも構わない。なお、SiO2を成膜しないで、ガラス上に直接パターン形成しても構わない。このようにして形成された波長板においても、本発明の位相差素子を用いることで、光軸を任意に傾斜させることができる。
図13B〜図13Dに示すように基板パターンと斜方蒸着膜を組み合わせると、複屈折量がさらに増加し、トータルの膜厚を薄くすることができる。
実施例1〜5においては、平坦なガラス基板上に斜方蒸着した微粒子を利用しているが、本発明者は、図13Aに示すような、使用帯域の波長以下の微細パターンを有する透明基板10上に斜方蒸着により複屈折層を堆積することで、複屈折の値を増大できることを発見している。応用例を図13B〜図13Dに示す。図13Bは、位相差素子の断面模式図であり、図13Cは、上面模式図であり、図13Dは、位相差素子における第1の複屈折層22、及び第2の複屈折層23の構造の詳細を示す断面模式図である。符号11は、光学異方性無機材料からなる高屈折率部を示し、符号12は、空気からなる低屈折率部を示す。ピッチ150nm、深さ50nmの一次元格子を有するガラス基板上に、TiO2を添加したTa2O5を格子ラインと垂直でかつ基板面法線方向に対して蒸着源が70°となるように斜方蒸着を行った。従来の斜方蒸着に比べ複屈折量が2.8倍になっている。よって、所望の位相特性を得るのに従来に比べ、薄膜化することができる。薄膜化は、生産工程の高速化及び効率化、成膜に使用する材料費の抑制など、多くのメリットを持つ。パターン上に成膜することで複屈折の値が大きくなっているのは、格子間に間隔ができることで、構造複屈折の効果が加味されたことによると考えられる。なお、低屈折率部は、空気以外にも、高屈折率部を構成する光学異方性無機材料よりも低屈折率の材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。この応用例では、一次元格子を用いているが、使用帯域の波長以下であれば、ランダムパターンや、文献(東芝レビューVol60 No10 2005)に記載のブロックコポリマーを用いたパターン形成方式(すなわち、ガラス基板上に上記と同様にSiO2を成膜し、ブロックコポリマーによりパターン形成を行い、SiO2にブロックコポリマーのパターンを転写する方法)により形成されたパターンでも構わない。なお、SiO2を成膜しないで、ガラス上に直接パターン形成しても構わない。このようにして形成された波長板においても、本発明の位相差素子を用いることで、光軸を任意に傾斜させることができる。
図13B〜図13Dに示すように基板パターンと斜方蒸着膜を組み合わせると、複屈折量がさらに増加し、トータルの膜厚を薄くすることができる。
本発明の位相差素子は、簡易な製造装置により製造でき、光軸の調整、及び位相差の調整が容易であり、耐熱性及び耐久性に優れることから、液晶表示装置、及びそれを用いた投射型画像表示装置に好適に用いることができる。
1 透明基板
2 第1の複屈折層
2’ 屈折率楕円体
3 第2の複屈折層
3’ 屈折率楕円体
5’ 屈折率楕円体
10 透明基板
11 高屈折率部
12 低屈折率部
22 第1の複屈折層
23 第2の複屈折層
40 垂直配向液晶層
41 透過型光変調素子
42 透過型偏光子
43 位相差素子
44 透過型偏光子
45 入射光
P P偏光
S S偏光
2 第1の複屈折層
2’ 屈折率楕円体
3 第2の複屈折層
3’ 屈折率楕円体
5’ 屈折率楕円体
10 透明基板
11 高屈折率部
12 低屈折率部
22 第1の複屈折層
23 第2の複屈折層
40 垂直配向液晶層
41 透過型光変調素子
42 透過型偏光子
43 位相差素子
44 透過型偏光子
45 入射光
P P偏光
S S偏光
Claims (10)
- 透明基板と、
前記透明基板上に、光学異方性無機材料を有してなる第1の複屈折層、及び光学異方性無機材料を有してなり、前記第1の複屈折層に接する第2の複屈折層からなる積層構造を、複数積層してなる複屈折多層構造体と、を有し、
前記積層構造において、前記第1の複屈折層の平均厚み(t1)と、前記第2の複屈折層の平均厚み(t2)との関係が、下記式(1)及び式(2)のいずれかを満たし、前記第1の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第1の線分における前記透明基板側の端部を端部Aとし、前記第2の複屈折層の屈折率異方性の主軸を表す第2の線分における前記透明基板側の端部を端部Bとし、前記第1の線分及び前記第2の線分を前記透明基板上に投影し前記端部A及び前記端部Bを重ねたときに、前記透明基板上に投影された前記第1の線分及び前記第2の線分のなす角度(β)が、下記式(3)を満たし、更に前記積層構造が、下記条件(4)を満たす位相差素子であって、
前記位相差素子が2軸性位相差素子であり、光軸方向が、前記透明基板の表面と直交する方向から、前記複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体を前記透明基板に投影した時の前記複屈折多層構造体の屈折率異方性の主軸の方向を表すx方向、及び前記透明基板上において前記x方向と直交するy方向の少なくともいずれかに、傾斜している
ことを特徴とする位相差素子。
0<t1/t2≦1 式(1)
0<t2/t1≦1 式(2)
90°<β≦180° 式(3)
t1≠t2、又はβ≠180° 条件(4) - 透明基板の表面と直交する方向の複屈折が、0.1以上である請求項1に記載の位相差素子。
- 光軸方向が、0°超80°以下傾斜している請求項1から2のいずれかに記載の位相差素子。
- 第1の複屈折層及び第2の複屈折層の少なくともいずれかが、次式:Nx>Ny>Nzを満たす請求項1から3のいずれかに記載の位相差素子。
ただし、前記Nxは、屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nyは、前記Nxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nzは、前記Nx及び前記Nyに直交する方向における屈折率を表す。 - 複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体が、次式:Nax>Nay>Nazを満たす請求項1から4のいずれかに記載の位相差素子。
ただし、前記Naxは、前記複屈折多層構造体により近似される屈折率楕円体の屈折率異方性の主軸に平行な方向における屈折率を表し、前記Nayは、前記Naxに直交する方向における屈折率を表し、前記Nazは、前記Nax及び前記Nayに直交する方向における屈折率を表す。 - 積層構造の平均厚みが、30nm以下である請求項1から5のいずれかに記載の位相差素子。
- 第1の複屈折層の光学異方性無機材料の材質が、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlの少なくともいずれかを含有する酸化物であり、
第2の複屈折層の光学異方性無機材料の材質が、Si、Nb、Zr、Ti、La、Ta、及びAlの少なくともいずれかを含有する酸化物である請求項1から6のいずれかに記載の位相差素子。 - 液晶パネルと、請求項1から7のいずれかに記載の位相差素子とを有することを特徴とする液晶表示装置。
- 光を出射する光源と、
変調された光を投射する投射光学系と、
前記光源と、前記投射光学系との間の光路上に配置された請求項8に記載の液晶表示装置とを有することを特徴とする投射型画像表示装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載の位相差素子の製造方法であって、
透明基板上に、斜方蒸着により第1の複屈折層を形成する第1の複屈折層形成工程と、
前記第1の複屈折層上に、斜方蒸着により第2の複屈折層を形成する第2の複屈折層形成工程とを含むことを特徴とする位相差素子の製造方法。
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