JP2016206689A - 無機偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用する波長帯域が異なる場合においても共通の構成にて反射率を低減し、所望の消光比を実現できる無機偏光板を提供する。【解決手段】使用帯域の光に透明な基板2と、基板2の一面に、使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで設けられたグリッドからなる反射層3と、反射層3上に積層された誘電体層4及びFeSi微粒子を含有する吸収層5とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光素子に関し、特に耐久性に優れ、広範囲に亘る波長の光において優れた透過特性を備える無機偏光板に関する。
透過型の液晶表示装置はその画像形成原理から液晶パネル表面に偏光板を配置する事が必要不可欠である。偏光板の機能は、直交する偏光成分(いわゆるP偏光波、S偏光波)の片方を吸収し他方を透過させる事である。このような偏光板として、従来フィルム内にヨウ素系や染料系の高分子有機物を含有させた二色性の偏光板が多く用いられている。
近年、液晶表示装置はその用途が拡大し高機能化している。それに伴い液晶表示装置を構成する個々のデバイスに対して高い信頼性、耐久性が求められる。例えば透過型液晶プロジェクターのような光量の大きな光源を使用する液晶表示装置の場合には偏光板は強い輻射線を受ける。よって、これらに使用される偏光板には優れた耐熱性が必要となる。しかしながら、上記のようなフィルムベースの偏光板は有機物であることから、これらの特性を上げることにはおのずと限界がある。
この問題に対して、耐熱性に優れた無機偏光板として、銀微粒子を島状にガラス内に拡散させた偏光板や、ガラス内に銀微粒子を析出させた偏光板、アルミニウム微粒子を使った偏光板等の無機偏光板が各種提供されている。
また、基板上に使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで金属細線を形成し、金属細線と平行とする偏光成分の光を反射し、直交する偏光成分を透過させる事で所定の偏光特性を出現させるワイヤグリッド型偏光板や、金属格子上に誘電層及び無機微粒子層を形成し、計3層とする事で金属格子から反射した光を干渉効果により打ち消す事により、一般には反射型であるワイヤグリッドを吸収型として用いるワイヤグリッド型偏光素子が提案されている(特許文献1)。
特許第4488033号公報
ところで、無機微粒子、あるいは無機微粒子層を形成した無機偏光板においては、無機微粒子の材料に応じて消光比が異なることから、無機偏光板においては、使用する光の帯域に応じて反射率を低減、最適化すべく、所望の消光比を得られる無機微粒子やその膜厚を考慮する必要があった。
本発明は、使用する波長帯域が異なる場合においても共通の構成にて反射率を低減し、所望の消光比を実現できる無機偏光板を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る無機偏光板は、使用帯域の光に透明な基板と、上記基板の一面に、上記使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで設けられたグリッドからなる反射層と、上記反射層上に積層された誘電体層と、上記誘電体層上に積層されたFeSi微粒子を含有する吸収層とを有する。
本発明に係る無機偏光板によれば、可視光域で所望の消光比を持った偏光板を提供できることに加え、より反射率が広範囲の波長帯域で低減可能となる。したがって、使用する波長帯域が異なる場合においても本発明に係る無機偏光板で対応可能となり、また、使用する波長帯域が異なる場合においても共通条件にて無機偏光板を作成することが可能となる。
本発明が適用された無機偏光板を示す断面図である。 無機偏光板の吸収層を示す平面図である。 保護層を設けた無機偏光板を示す断面図である。 無機偏光板の製造工程を示す断面図である。 実施例及び比較例に係る無機偏光板の吸収軸反射率の波長異存特性を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る無機偏光板の透過軸反射率の波長異存特性を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る無機偏光板の透過軸反射率(%)、吸収軸反射率(%)及び反射率平均(%)を示す表である。 実施例及び比較例に係る無機偏光板の測定波長400〜510nmにおける透過軸反射率と吸収軸反射率を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る無機偏光板の測定波長400〜510nmにおける透過率とコントラストを示すグラフである。 高温高湿試験(60℃、90%、500hr)後の比較例1に係る無機偏光板について、測定波長を400〜510nmの間で変化させたときの透過率、コントラスト、反射率を示す表である。 高温高湿試験(60℃90%500hr)後の実施例1に係る無機偏光板について、測定波長を400〜510nmの間で変化させたときの透過率、コントラスト、反射率を示す表である。 Fe(5%)Si微粒子のベタ膜を示すSEM画像である。 Fe(1%)Si微粒子のベタ膜を示すSEM画像である。 参考例1〜参考例3に係るサンプルについて、測定波長400〜700nmにおける反射率と透過率を測定した測定結果を示すグラフである。 参考例1〜参考例3に係るサンプルについて、測定波長400〜700nmにおける反射率を測定した測定結果を示すグラフである。 参考例1〜参考例3に係るサンプルについて、測定波長400〜700nmにおける反射率と透過率の、BLUE帯域(430〜510nm)、GREEN帯域(520〜590nm)、RED帯域(600〜680nm)の各帯域平均を示す表である。
以下、本発明が適用された無機偏光板について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明が適用された無機偏光板1は、図1に示すように、使用帯域の光に透明な基板2と、基板2の一面に、使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで設けられたグリッドからなる反射層3と、反射層3上に積層された誘電体層4及びFeSiの微粒子からなる吸収層5とを有する。偏光素子1は、基板2上に形成された島状のFeSiの微粒子の面内軸方向での光学異方性による光吸収率の違いを利用して所期の偏光特性を出現させる共鳴吸収型の無機偏光素子である。
基板2は、使用帯域、例えば可視光に対して透明なガラスやセラミック材料等で構成される。なお、基板2の構成材料として、熱伝導性の高い水晶やサファイア基板を用いることにより、発熱量の多いプロジェクターの光学エンジン用偏光素子として有利に用いることができる。
反射層3は、基板2の表面に所定の格子状に形成される。この反射層3は、誘電体層4及び吸収層5の下地層を形成するもので、反射層3の加工サイズやパターン形状によって吸収層5の形状に依存する偏光素子1の光学特性が決定される。反射層3は、格子状に形成されることで、その上面に形成される吸収層5に形状異方性を付与している。
反射層3は、基板2の面内一方向に連続する凸部が使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで複数形成されることにより構成される。反射層3は、等方性エッチング及び異方性エッチングを組み合わせることにより、断面略矩形状に形成された基部3aと、基部3aの上面がテーパ状に形成された凸部3bとを有する。そして、反射層3は、凸部3bの上面に、誘電体層4及びFeSiからなる吸収層5が積層されている。
誘電体層4は、スパッタ法あるいはゾルゲル法(例えばスピンコート法によりゾルをコートし熱硬化によりゲル化させる方法)により成膜されたSiO等の可視光に対して透明な光学材料で形成されている。誘電体層4は、吸収層5の下地層として形成される。また、吸収層5を反射した偏光に対して、吸収層5を透過し反射層3で反射した偏光の位相を調整して干渉効果を高める目的で形成される。
誘電体層4を構成する材料は、SiOの他として、Al、MgFなどの一般的な材料を用いることができる。これらは、スパッタ、気相成長法、蒸着法などの一般的な真空成膜やゾル状の物質を基板2上にコートし熱硬化させることで薄膜化が可能である。
[吸収層]
吸収層5は、誘電体層4の頂部に形成されたシリサイド系半導体微粒子、特にFeSiの微粒子5aからなることを特徴とする。FeSi微粒子5aは、図2に示すように、反射層3の長手方向(Y軸方向)における微粒子径の長さLaが、反射層3の長手方向(Y軸方向)と直交する短手方向(X軸方向)における微粒子径の長さLbよりも長い形状異方性を有している。
このように、形状異方性を有することにより、Y軸方向(長軸方向)とX軸方向(短軸方向)とで光学定数を異ならせることができる。その結果、長軸方向と平行な偏光成分を吸収し、短軸方向と平行な偏光成分を透過させるという所定の偏光特性が得られる。このように形状異方性を有するFeSi微粒子5aで構成された吸収層5は、斜方成膜、例えば、斜めスパッタ成膜等によって形成することができる。
なお、上記吸収層5は、FeSi微粒子5aの単層で構成したが、本発明に係る無機偏光板1は、FeSi微粒子5aの層を含有していればよく、例えば、濃度の異なるFeSi微粒子5aを複数層積層し、あるいはFeSi微粒子5aの層と他のシリサイド系半導体微粒子の層とで構成してもよい。
また、上記吸収層5は、FeSi微粒子5aを反射層3の凸部3bの片側のみに積層させたが、本発明に係る無機偏光板1は、FeSi微粒子5aを反射層3の凸部3bの両側に積層させてもよい。
[保護層]
なお、図3に示すように、無機偏光板1は、吸収層5上に保護層6を形成してもよい。保護層6は、SiO、Al、MgFなどの一般的な材料を用いることができる。これらは、スパッタ、気相成長法、蒸着法などの一般的な真空成膜やゾル状の物質を基板2上にコートし熱硬化させることで薄膜化が可能である。
[製造工程]
次に、無機偏光板1の製造方法について説明する。図4は、無機偏光子の製造方法を示す工程図である。本実施形態にかかる無機偏光板1の製造方法は、基板2上に、互いに直交する長手方向と短手方向とを有する帯状の反射層3を一定間隔をおきながら当該短手方向に沿って複数配列するように形成する反射層形成工程と、反射層3上に誘電体層4を形成する誘電体層形成工程と、誘電体層4上に、反射層3の長手方向における微粒子径の長さが、反射層3の短手方向における微粒子径の長さよりも長い形状異方性を有するFeSi微粒子5aからなる吸収層5を形成する吸収層形成工程とを有し、必要に応じて吸収層5上に保護層6を形成する保護層形成工程を含む。
反射層形成工程では、図4(a)に示すように、基板2上に反射層3を形成する。反射層3は、例えば、フォトリソグラフィー法を用いたパターン加工によって形成する。また、反射層3は、等方性エッチング及び異方性エッチングを組み合わせることにより、断面略矩形状に形成された基部3aと、基部3aの上面がテーパ状とされた凸部3bとを形成する。
誘電体層形成工程では、図4(b)に示すように、反射層3上にSiO等の誘電体層4を形成する。誘電体層4は、例えば、スパッタ法やゾルゲル法により形成する。
吸収層形成工程では、図4(c)に示すように、隣接する反射層3のうち、一方の反射層3側からFeSi微粒子5aの層を斜方成膜して、一方の反射層3側に斜方した凸部を有する吸収層5を形成する。具体的には、例えば、スパッタ装置を用いて、反射層3が形成された基板2に対して斜め方向からスパッタ粒子を堆積させることにより、吸収層5を形成する。図4(c)では、スパッタ粒子の入射方向を矢印で表している。基板2面に対する斜方成膜の斜方角度は、およそ0〜50°の範囲で適宜設定することができる。このスパッタ粒子の入射方向を示す矢印は、吸収層5から反射層3へ抜ける入射方向を表している。
なお、上記の吸収層形成工程では、上記した斜方成膜により、誘電体層4上に、反射層3の長手方向における微粒子径の長さLaが、反射層3の長手方向と直交する短手方向における微粒子径の長さLbよりも長い形状異方性を有するFeSi微粒子5aが形成される(図2参照)。
なお、保護層形成工程では、図3に示すように、吸収層5上に保護層6を形成する。保護層6は、例えば、SiOをスパッタ法等により形成する。以上の工程を経ることにより、無機偏光板1を製造することができる。
次いで、無機偏光板1の実施例について説明する。本実施例では、無機偏光板1の吸収層5を構成するFeSi微粒子5aの組成比率として、Feが33mol%(実施例1)、5mol%(実施例2)、1mol%(実施例3)の3種類を用意し、吸収層をSi微粒子で構成した無機偏光板(比較例1)と比較した。なお、反射層のピッチや反射層の幅、あるいは反射層、誘電体層、吸収層、の各層の膜厚は目的とする偏光特性(消光比)や使用する可視光波長領域に応じて適宜設計される。本実施例では、反射層のピッチを148nm、反射層の幅を65nm、反射層の膜厚を200nm、誘電体層の膜厚を15nm、吸収層の膜厚を20nmとした。
[吸収軸反射率特性]
図5に、測定波長400〜700nmに対する、実施例1〜3及び比較例1に係る無機偏光板の吸収軸反射率を示す。これら無機偏光板としてはblue帯域(430〜510nm)で最適化されたデバイスである。図5に示すように、比較例1では、狙ったblue波長帯域で局所的に吸収軸反射率を低減することができる。これに対し、実施例1〜3では、SiにFeを添加した無機微粒子による吸収層を設けているため、吸収軸反射率をより広範囲の波長帯域で低減することができる。また、Feの添加量を増やすことで、より広範囲の波長帯域で吸収軸反射率を低減することができる。
[透過軸反射率特性]
図6に、測定波長400〜700nmに対する、実施例1〜3及び比較例1に係る無機偏光板の透過軸反射率を示す。透過軸反射率に関しては、実施例1〜3と比較例1とで大きな違いはない。
[透過軸反射率、吸収軸反射率、反射率平均]
図7に、実施例1〜3及び比較例1のblue帯域(430〜510nm)における透過軸反射率(Rp)、吸収軸反射率(Rs)、反射率平均(R−AVE:(Rp+Rs)/2)を示す。偏光板は、Rp及びRsが共に低いことが好ましく、R−AVEを見ると、実施例1(Fe:33mol%)及び実施例2(Fe:5mol%)は、いずれも比較例1(Si)よりも反射率が低くなった。
[透過軸反射率/吸収軸透過率]
図8に、実施例1〜3及び比較例1に係る無機偏光板について測定波長を400〜510nmの間で変化させたときの透過軸反射率と吸収軸透過率とを示した。図8に示す分布を見ると、Si微粒子のみからなる吸収層を備えた無機偏光板よりもFeSi微粒子からなる吸収層を備えた無機偏光板の方が反射率を低減できることがわかる。
[透過率/コントラスト]
図9に、実施例1〜3及び比較例1に係る無機偏光板ついて測定波長を400〜510nmの間で変位させたときの透過率とコントラストとを示した。図9に示す分布を見ると、実施例2(Fe:5mol%)と実施例3(Fe:1mol%)は、比較例1(Si)と同等の偏光特性が得られていることがわかる。
[透過率/コントラスト/反射率]
図10に、高温高湿試験(60℃、90%、500hr)後の比較例1に係る無機偏光板について、測定波長を400〜510nmの間で変化させたときの透過率、コントラスト、反射率について示す。また、図11に高温高湿試験(60℃90%500hr)後の実施例1に係る無機偏光板について、測定波長を400〜510nmの間で変化させたときの透過率、コントラスト、反射率について示す。図10、図11に示すように、高温高湿試験(60℃90%500hr)を経ても、実施例1は、全ての項目において比較例1と有意差は見られなかった。
ここで、水晶基板にスパッタ成膜等によってFeSi微粒子のベタ膜を形成したサンプルについて、Si微粒子でベタ膜を形成したサンプルと比較して、それぞれ透過率及び反射率を測定した参考例について説明する。この参考例では、FeSi微粒子5aの組成比率として、Feが5mol%(参考例1)、1mol%(参考例2)の2種類を用意し、Si微粒子で構成したサンプル(参考例3)と比較した。
図12は、参考例1に係る、水晶基板にFe(5%)Si微粒子を成膜したサンプル表面を写したSEM画像である。図13は参考例2に係る、水晶基板にFe(1%)Si微粒子を成膜したサンプル表面を写したSEM画像である。図12及び図13に示すように、微粒子の組成に応じて、膜の付き方は異なっている。
これら参考例1〜参考例3に係るサンプルについて、測定波長400〜700nmにおける反射率と透過率を測定した測定結果について、図14に示す。また、図15に、参考例1〜参考例3に係るサンプルについて、測定波長400〜700nmにおける反射率を測定した測定結果について、拡大して示す。さらに、図16に、参考例1〜参考例3に係るサンプルについて、測定波長400〜700nmにおける反射率と透過率の、BLUE帯域(430〜510nm)、GREEN帯域(520〜590nm)、RED帯域(600〜680nm)の各帯域平均を示す。
図14〜図16に示すように、Si微粒子膜に比べて、Feを添加したFeSi微粒子膜を形成することにより、BLUE帯域からGREEN帯域(約400〜600nm)において、反射率が低減することが分かる。特に、Fe(5%)Si微粒子膜を形成したサンプルにおいては、BLUE帯域(430〜510nm)で、透過軸反射率、吸収軸反射率ともに低くなった。また、Fe(5%)Si微粒子膜を形成したサンプルでは、短波長領域(BLUE帯域:400〜470nm)にて、透過軸透過率(Tp)が良好であった。
以上のことから、Fe(5%)Si微粒子膜を吸収型偏光板の吸収膜として採用することにより、Si微粒子膜に比べて、BLUE帯域からGREEN帯域(約400〜600nm)において、反射をより吸収でき、透過軸反射率、吸収軸反射率共に、より低減することができる。すなわち、吸収型偏光板特性の基本的な特性を向上させることができる。
また、Fe(5%)Si微粒子膜を吸収型偏光板の吸収膜として採用することにより、Si微粒子膜に比べて、BLUE帯域(430〜510nm)において、透過軸透過率(Tp)を向上させることができる。すなわち、Fe(5%)Si微粒子膜は、偏光板として良好な透過率特性を示し、高透過率偏光板の吸収膜として採用することにより、吸収型偏光板の特性を向上させることができる。
以上より、吸収層を構成する無機微粒子として、FeSi微粒子を用いることにより、Si微粒子によって吸収層を構成した無機偏光板と同等の透過率及びコントラストを維持しつつ、吸収軸反射率を広範囲の波長帯域で低減することができる。特に、図9に示すように、FeSi微粒子の組成比率をFeを1〜5mol%とすることで、透過率及びコントラストをSi微粒子によって吸収層を構成した無機偏光板と同等としつつ、図5に示すように、より広範囲の波長帯域で吸収軸反射率を低減することができる。
すなわち、本発明によれば、反射率がより広範囲の波長帯域で低減可能となり、広範囲の可視光域で所望の消光比を持った偏光板を提供することができる。したがって、使用する波長帯域が異なる場合においても本発明に係る無機偏光板で対応可能となり、共通の製造条件で無機偏光板を作成することが可能となる。
また、偏光板により反射された光は熱に変換されて液晶プロジェクターを構成する他のデバイスの信頼性へ影響を与えるが、本発明では更に反射率を低減可能であり、偏光板だけでなく液晶プロジェクター自体へも有益である。
さらに、従来用いられてきたSiと同等の耐久性が確保でき、液晶プロジェクターに使用される耐久性に優れた無機偏光板のニーズにも応えることができる。特に、有機偏光板では、短波長領域(BLUE帯域:400〜470nm)にて有機分子が変質し耐久性が得られず、またGREEN帯域(約400〜600nm)においてもエネルギーが強く熱劣化による耐性不足が問題となる。この点、本発明に係る無機偏光板は、耐久性に優れると共に、上述したように、SiにFeを添加することで、吸収型偏光板として良好な特性を備えることができる。
1 無機偏光板、2 基板、3 反射層、4 誘電体層、5 吸収層

Claims (8)

  1. 使用帯域の光に透明な基板と、
    上記基板の一面に、上記使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで設けられたグリッドからなる反射層と、
    上記反射層上に積層された誘電体層と、
    上記誘電体層上に積層されたFeSi微粒子を含有する吸収層とを有する無機偏光板。
  2. 上記FeSi中のFeが1mol%〜33mol%である請求項1記載の無機偏光板。
  3. 上記FeSi中のFeが1mol%〜5mol%である請求項2記載の無機偏光板。
  4. 上記使用帯域の光の波長は400〜510nmである請求項3記載の無機偏光板。
  5. 上記吸収層は、シリサイド系半導体微粒子が複数積層されている請求項1記載の無機偏光板。
  6. 上記吸収層が斜め成膜により形成されている請求項1記載の無機偏光板。
  7. 上記吸収層が上記反射層のグリッド上部の片側又は両側に、単層又は複数積層されている請求項1記載の無機偏光板。
  8. 上記吸収層の最上部には、保護膜が積層されている請求項1記載の無機偏光板。
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