JPH1081953A - 合成樹脂製眼鏡レンズの製造方法及び合成樹脂製眼鏡 レンズ - Google Patents

合成樹脂製眼鏡レンズの製造方法及び合成樹脂製眼鏡 レンズ

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JPH1081953A
JPH1081953A JP8236635A JP23663596A JPH1081953A JP H1081953 A JPH1081953 A JP H1081953A JP 8236635 A JP8236635 A JP 8236635A JP 23663596 A JP23663596 A JP 23663596A JP H1081953 A JPH1081953 A JP H1081953A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜強度が高く、光吸収が少なく、合成樹脂製
眼鏡レンズの反射防止膜として使用できるフッ化物膜を
スパッタリング法によって高速で作成する。 【解決手段】 粒径0.1〜10mmの顆粒状のMgF
2 を膜原料とし、酸素または窒素または水素のなかから
選ばれた1種以上のガスを真空槽内に導入しながら、高
周波電力を投入してMgF2 上にプラズマを発生させ、
このプラズマによりMgF2 表面を450〜800℃の
温度に保持すると共に、MgF2 を前記導入ガスの正イ
オンによりスパッタリングすることによりMgF2 の少
なくとも一部を分子状態で跳び出させ、この分子状態の
MgF2 によって眼鏡レンズの基板上に膜を形成する工
程と、前記基板上に金属酸化物又は珪素酸化物よりなる
膜を形成する工程とを有し、これらの工程により反射防
止膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング法
によって高速で光学薄膜、特に反射防止膜を有する合成
樹脂製眼鏡レンズを製造する方法及びこの方法により製
造される合成樹脂製眼鏡レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製眼鏡レンズに対して反射防止
膜を作成する場合においては、手法の容易さや成膜速度
の速さなどの点から、真空蒸着法が多く用いられてき
た。この反射防止膜は一般的に、1.50以下の低い屈
折率を有した低屈折率層と、1.60以上の高い屈折率
を有した高屈折率層との組み合わせによる多層膜や、あ
るいは低屈折率層よりなる単層膜により構成される。低
屈折率層は屈折率が低ければ低いほど良好な反射防止効
果が得られることは広く知られている。このため、ガラ
ス基板への反射防止膜では、基板温度を300℃前後に
加熱して真空蒸着を行うことによって1.38という安
定した低屈折率の得られるMgF2 が低屈折率層として
作成されている。
【0003】これに対し、基板が合成樹脂の場合、基板
の特性上基板温度を上げることはできない。また、基板
加熱をおこなわない成膜法では、膜硬度が不十分で簡単
に膜に傷が生じるため、加熱蒸着を行う場合のような特
性は得られない。例えば、特開平3−129301号公
報に開示されているように、イオンアシスト蒸着法でも
実用に耐えるものは得られていない。このため合成樹脂
製基板への反射防止膜の形成においては、低屈折率層と
してSiO2 を用いている。この公報では、SiO2
主成分とする膜などからなる多層膜を形成することによ
ってMgF2 単層膜と同等の特性を有する反射防止膜を
得ている。ところが、この方法を用いても屈折率1.3
8程度のMgF2 を用いた多層膜のような低い反射率の
反射防止膜を得ることはできず、MgF2 を使用できな
いことに対する解決策とはなっていない。
【0004】このように、基板加熱を行わない場合にお
ける耐熱性や反射防止効果が不十分な点を解決するた
め、特開平4−191801号公報では、合成樹脂製眼
鏡レンズにあらかじめ有機珪素化合物を含むハードコー
ト層を設け、その上に高屈折率層としてTa2 5 やT
iO2 などを酸素イオンビームアシスト蒸着法により成
膜し、低屈折率層としてSiO2 を通常の真空蒸着法に
よって成膜している。
【0005】一方、近年では自動化・省力化・大面積基
板への適用性などの点で有効なスパッタリング法による
成膜が行われている。このスパッタリング法により成膜
された薄膜は、通常の真空蒸着法による薄膜に比較し
て、膜の充填密度が高く、基板加熱を行うことなく、成
膜した場合でも硬度が高い膜となっている。
【0006】ところが、スパッタリング法は真空蒸着法
と比較して成膜速度が遅いという欠点があり、金属膜の
場合は実用レベルとなっていても、その他の膜の場合に
は成膜速度が著しく遅いために工業的な普及が遅れてい
る。また、MgF2 等のフッ化物をスパッタリングする
とMg等とFとに解離してしまい、膜中ではFが不足す
るため可視光の大きな吸収が生じる問題があり、これら
によってスパッタリング法を光学薄膜に適用する上での
大きな障害となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように合成樹脂
製眼鏡レンズに形成された反射防止膜はガラスレンズに
形成された膜に比べ反射率が高く、すなわち反射防止効
果が低く、また、加熱蒸着をおこなったガラス基板に比
較すると膜硬度が低いため、傷が付き易いという問題点
があった。さらに、反射防止膜を完全な誘導体膜だけで
構成した場合、その合成樹脂製眼鏡レンズが帯電し易い
ため粉塵などの付着によって汚れ易い問題点も有してい
た。
【0008】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、合成樹脂製眼鏡レンズへの反射防止膜と
して好適であり、しかも膜強度が高く、屈折率が低く光
吸収のないフッ化物膜をスパッタリング法により高速で
形成する方法を提供することを目的とする。又、本発明
では、この方法によって製造されることにより、帯電防
止効果を有し、汚れの付着しにくい反射防止膜付き合成
樹脂製眼鏡レンズを提供することを目的としている。
【0009】上記目的を達成するため、請求項1の発明
は、粒径0.1〜10mmの顆粒状のMgF2 を膜原料
とし、酸素または窒素または水素のなかから選ばれた1
種以上のガスを真空槽内に導入しながら、交流電力を投
入してMgF2 上にプラズマを発生させ、このプラズマ
によりMgF2 表面を450〜800℃の温度に保持す
ると共に、MgF2 を前記導入ガスの正イオンによりス
パッタリングすることによりMgF2 の少なくとも一部
を分子状態で跳び出させ、この分子状態のMgF2 によ
って眼鏡レンズの基板上に膜を形成することを特徴とす
る。
【0010】従来のスパッタリング法では、イオンがタ
ーゲットに衝突した際、ターゲット内の原子間結合を切
ってターゲットから原子を飛び出させる必要があり、加
速されたイオンのエネルギーの一部は原子間結合を切る
ことに費やされてしまうために、スパッタ収率が低くな
り、その結果成膜速度が遅くなるという欠点があった。
これに対し、本発明では、膜原料の温度を上昇させてお
くことにより、あらかじめ結合力を弱めておき、この状
態でイオンをターゲットに衝突させるため、加速された
イオンのエネルギーの大部分をスパッタリングに用いる
ことができる。このためスパッタ収率が高くなり、その
結果従来法と比較して成膜速度を著しく速くすることが
できる。
【0011】また、従来のスパッタリング法では、原子
間結合が切れてターゲットから原子が跳び出すのに対
し、本発明では膜原料の温度を上昇させておくことによ
り、熱振動により結合力の強い箇所と弱い箇所を形成
し、これにより跳び出す粒子の形態が分子となる場合が
生じる。ここでの分子とは、単分子のみではなくクラス
ター状に集合体をなす多分子を含むものである。そし
て、ターゲットから跳び出す分子の形態は、熱による蒸
発分子とほぼ同じになると考えることができる。
【0012】本発明において、膜原料を載置した電極に
交流を印加することにより、電極を負電位にして、膜原
料を正イオンによりスパッタリングすることは、一般的
に知られている高周波スパッタと同じ原理に基づくもの
である。ここでいう交流とは、いわゆる13.56MH
zの高周波や数10kHzの中周波をも含むものであ
る。本発明では、スパッタリングを行うために膜原料を
載置した電極に交流を印加することによって電極上にプ
ラズマが発生するため、このプラズマにより膜原料を加
熱することができる。特に、膜原料が顆粒状である場
合、熱伝導が悪いことや、多量に存在するエッジ部に電
場・磁場が集中することにより、容易に加熱することが
できる。
【0013】なお、このとき顆粒の大きさは、あまり小
さすぎると真空槽内で舞い上がりパーティクルとなるた
め、粒径0.1mm以上の方が良く、望ましくは0.5
mm以上が良好である。一方、顆粒が大きすぎると断熱
効果が減ると共に、エッジ部が少なくなって、電場・磁
場の集中による効果が小さくなるため、粒径10mm以
下、望ましくは5mm以下が良い。顆粒の大きさ、形状
は必ずしも均一である必要はない。
【0014】光学的な用途の場合、一般的には薄膜の光
吸収が小さいことが望ましい。そのため、膜原料が所望
の薄膜と同じ組成の場合、跳び出す粒子の形態がばらば
らに解離して原子状となるよりは、分子状となる方が望
ましい。解離したものは必ずしも元通りには戻らないか
らである。これについて鋭意研究の結果、跳び出す粒子
の形態はスパッタリング時に導入するガス種に依存する
ことが判明した。スパッタリングに一般的に用いられる
Ar等の不活性ガスは跳び出す粒子を原子状にばらばら
にしてしまい易いのに対して、酸素、窒素、水素やこれ
らを含むガスは跳び出す粒子をばらばらにすることなく
分子状態で跳び出させることができる。このようなこと
から光学薄膜を製造する場合は特に、少なくとも酸素、
窒素または水素のいずれか1つを含むガスを導入すると
よい。
【0015】なお、酸素、窒素、水素やこれらを含むガ
スは膜原料をスパッタリングするのみで膜原料と化合す
ることはほとんどない。従って、このようにして製造さ
れた光学薄膜は、膜原料を加熱して蒸発させ基板上に膜
を形成させた場合とほぼ同じ組成を有すると考えられ
る。
【0016】光学薄膜として特に有用なMgF2 を用い
たスパッタリングの場合、ターゲットの表面温度が45
0℃以上であればその成膜速度を十分に高めることがで
きる。一方、800℃以上になると膜原料の蒸気圧が導
入ガスに近い圧力まで上昇して蒸発分子がそのまま基板
に到達するようになり、単なる蒸着と差が小さくなる。
蒸着の場合には、スパッタリングの場合と異なり耐擦傷
性が低くなる。MgF 2 の蒸着の場合、基板を300℃
程度まで加熱しなければ耐擦傷性が著しく低くなり、実
用に耐えられないものとなるが、ターゲットの表面温度
を800℃以下に保つことによって耐擦傷性の高い膜が
得られる。特に、成膜中のMgF2 の温度を、500℃
以上とすることにより、より吸収の少ない膜を得ること
ができ、700℃以下にすることによってより耐擦傷性
の高い高性能な反射防止膜を形成することができる。導
入するガスとしては、経済性、入手性、安全性等を考慮
した場合、酸素または窒素が特に好ましい。
【0017】このようにして製造された光学薄膜は、化
学量論比に近く可視域で吸収がほとんどなく、その屈折
率は1.38程度となる。従ってこの光学薄膜は単層で
も十分な反射防止効果を有し、サングラス、ゴーグル等
を含む眼鏡用レンズへの反射防止膜として使用できる。
【0018】本発明では、基板を加熱する必要がないた
め、適用できる合成樹脂製眼鏡レンズの素材については
なんら制限はない。従って、ジエチレングリコールビス
アリルカーボネート(商品名「CR−39」)のほか、
ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂
等どのような合成樹脂にも適用できる。
【0019】請求項2の発明は、粒径0.1〜10mm
の顆粒状のMgF2 を膜原料とし、酸素または窒素また
は水素のなかから選ばれた1種以上のガスを真空槽内に
導入しながら、高周波電力を投入してMgF2 上にプラ
ズマを発生させ、このプラズマによりMgF2 表面を4
50〜800℃の温度に保持すると共に、MgF2 を前
記導入ガスの正イオンによりスパッタリングすることに
よりMgF2 の少なくとも一部を分子状態で跳び出さ
せ、この分子状態のMgF2 によって眼鏡レンズの基板
上に膜を形成する工程と、前記基板上に金属酸化物又は
珪素酸化物よりなる膜を形成する工程とを有し、これら
の工程により反射防止膜を形成することを特徴とする。
【0020】この発明では、請求項1における合成樹脂
製眼鏡レンズ上の反射防止膜を、MgF2 と金属酸化物
および/又は珪素酸化物と組み合わせた多層構成とする
ことにより、より反射防止効果の高い膜を形成すること
ができる。
【0021】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記金属酸化物又は珪素酸化物は、Zr、Ti、T
a、Al、In、Sn、Siのいずれか又はそのうちの
複数を主成分とすることを特徴とする。
【0022】請求項2において、MgF2 と組み合わせ
る金属酸化物又は珪素酸化物をZr、Ti、Ta、A
l、In、Sn、Siのいずれか又はそのうちの複数を
主成分とすることにより、安定した光学特性と耐久性と
に優れた高性能な反射防止膜を形成することができる。
なかでも、誘電体ではないInもしくはSnの少なくと
も一方を主成分とする酸化物膜、あるいは一酸化珪素膜
を多層膜中の1層として用いることにより、高い帯電防
止作用を得ることができる。
【0023】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、前記金属酸化物又は珪素酸化物をマグネトロンスパ
ッタリング法により形成することを特徴とする。
【0024】この発明では、請求項2の発明におけるM
gF2 と組み合わせる金属酸化物又は珪素酸化物をマグ
ネトロンスパッタリング法により形成することにより、
高い擦傷性などの耐久性と、生産性に優れた高性能な反
射防止膜を形成することができる。
【0025】請求項5の発明は、請求項1〜4項のいず
れかの製造方法により製造した合成樹脂製眼鏡レンズで
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1は実施の形態1に用いる成膜装置
を示す。真空槽1の上方には基板2が自転可能に設けら
れている。膜原料である粒径1〜5mmのMgF2 顆粒
3は、石英製の皿4に入れて直径4インチ(約100m
m)のマグネトロンカソード5上に載置されている。カ
ソード5はマッチングボックス6を介して13.56M
Hzの高周波電源7と接続されている。また、カソード
5の温度を一定に保つためにカソードの下面には水温を
20±0.5℃に制御した冷却水8を流している。真空
槽1の側面にはガス導入口9、及び10が挿入され、カ
ソード5と基板2との間にはシャッター11が配置され
ている。カソード5と基板2の間の距離は100mm、
また基板2の回転軸とカソード5の中心軸とは50mm
の距離で偏心されている。
【0027】屈折率1.60のウレタン系合成樹脂製レ
ンズである基板2をセットし、7×10-5Paの真空度
まで真空槽1内を排気する。その後、O2 ガスをガス導
入口9から4×10-1Paまで導入する。高周波電源7
から電力をマグネトロンカソード5に供給し、プラズマ
を発生させる。MgF2 顆粒3はこのプラズマにより加
熱され、カソード下面の冷却水8による冷却能と釣り合
った温度に保持されると共に、スパッタリングされる。
【0028】ここで、基板2を回転させ、シャッター1
1を開くことにより、基板2上にMgF2 膜が形成され
る。この光学的膜厚が130nmとなる時間の後、シャ
ッター11を閉じる。成膜中のプラズマ発光スペクトル
の波長を検査したところ、投入電力が400W以上にな
ると、Mg原子の他にMgF分子及びMgF2 分子から
の発光が認められ、膜原料の少なくとも一部が分子状態
で跳んでいることが確認された。
【0029】図2は、投入電力を変えた場合における顆
粒3の表面温度と、基板2上の成膜速度との変化の特性
図を示し、特性曲線Aは表面温度、特性曲線Bは成膜速
度である。なお、顆粒3の表面温度は赤外放射温度計に
より測定した。投入電力が400W以上になると、表面
温度が約450℃以上にまで上昇し、成膜速度が急激に
速くなっていることがわかる。一方、投入電力が800
Wになると、表面温度が約800℃にまで上昇してい
る。
【0030】投入電力が400Wから800Wの間で形
成した膜をEPMAにより分析した結果、その組成比は
Mg:Fが1:1.8〜1.95であり、投入電力が大
きい方がF量が多くなっている。プロセスガスとして導
入したO2 (酸素)はほとんど膜中に存在していないこ
とも確認できた。また、FT−IRにより分析した結
果、Mgの膜中での状態は、Fとの結合は認められる
が、酸素との結合は認められなかった。さらに、XRD
により分析した結果、結晶性は低く、明確なピークは認
められなかった。
【0031】次に、膜の耐擦傷性テストと付着力テスト
を行った。耐擦傷性テストは、1cm2 あたり1kgの
荷重をかけた#0000メッシュのスチールウールでコ
ート面を10ストローク擦るスチールウールテストによ
り行った。付着力テストは反射防止膜に1mm間隔の基
材に到達する切断線をナイフで縦横それぞれ11本形成
して1mm2 のますを100個作成し、その上にセロハ
ンテープを貼り付けて急激に剥がし、剥がれたます目の
数を数えるクロスカットテストにより行った。なお、ス
チールウールテストの評価は、以下のように行った。 A:わずかに傷が付く B:多少傷が付く(ハードコートを施したCR−39よ
りも良好なレベル) C:多少傷が付く(ハードコートを施したCR−39と
同等レベルであり、実用上問題ない境界のレベル) D:傷が非常に多い E:膜のはがれが生じる
【0032】本実施の形態の膜についてクロスカット試
験を行った結果、いずれの条件でも膜の剥離は生じなか
った。また、スチールウールテストの結果では、投入電
力500W未満のものではAランク、500−700W
でBランク、800WではCランクとなった。さらに9
00WのものではEランクとなった。このように投入電
力が800W以下の場合には、有機系のハードコート層
を設けなくとも、十分な耐擦傷性を得ることができた。
【0033】次に、本実施の形態により製造した分光エ
リプソメトリーによる屈折率nと吸収係数kの測定結果
を図12〜図16に示す。図12は屈折率を示し、図1
3〜図16はそれぞれ、顆粒3の表面温度が700℃、
600℃、500℃、450℃の場合の吸収係数k(こ
のときの投入電力はそれぞれおおよそ700W、600
W、500W、400W)の変化を示す。図13〜図1
6に示すように、可視域(400〜700nm)での吸
収係数kは、顆粒3表面温度450℃の場合でもほぼ
0.02以下、それ以外ではいずれも1.6×10-3
下となっており、眼鏡レンズ用低屈折率光学膜として実
用可能なレベルとなっている。
【0034】なお、眼鏡レンズの透過率を向上させるた
めには顆粒3の表面温度を500℃以上としたほうが望
ましいことが分かる。また、屈折率nはいずれの条件で
成膜した場合も図12のように1.38程度となった。
【0035】図4は、本実施の形態の反射防止膜の分光
反射率の測定結果を示す。反射率は中心波長で0.8%
以下まで低下しており、単層反射防止膜として良好な反
射防止特性を有している。顆粒の粒径は0.1mm〜1
0mmの範囲であれば同様の結果が得られ、何ら問題は
なかった。
【0036】導入するO2 ガスの圧力は5×10-2Pa
〜5×100 Paのいずれの範囲でも、必要な投入電力
が多少異なるものの良好な光学特性、耐久性を有する反
射防止膜を得ることができた。
【0037】(比較例1)MgF2 顆粒3の代わりにM
gF2 焼結体を用いて、実施の形態1と同様の実験を行
った結果を図3に示す。Aは表面温度、Bは成膜速度で
ある。焼結体を用いた場合、顆粒の場合と異なり、投入
電力を大きくしても加熱されにくいため、温度がほとん
ど上昇しない。すなわち、通常行われているスパッタリ
ングの状態であり、成膜速度が著しく遅く、実用的でな
い。例えば投入電力600Wの場合、実施の形態1では
光学的膜厚が130nmとなる成膜時間は18秒であっ
たが、比較例1で同じ膜厚を得ようとすると11分を要
する。
【0038】また、比較例1で製造された薄膜は可視域
で吸収係数が0.1以上であり、光学的用途で用いるこ
とは不可能となっている。さらに、比較例1で製造され
た薄膜の組成比は、Mg:Fが1:1.5〜1.7であ
り、Fの量がかなり不足していることが確認された。ま
た、その結晶性はやや高いことが確認された。
【0039】(比較例2)この比較例では、広く用いら
れている真空蒸着法によりMgF2 膜を形成した。基板
を加熱しない場合、300℃に加熱した場合の2通りの
条件で成膜した。どちらの条件の場合も、吸収係数は1
-3以下と小さく、膜の組成比はMg:Fが1:1.9
〜2.0であった。基板を300℃に加熱した場合、結
晶性は高くて耐擦傷性も高く実用レベルとなっている
が、合成樹脂製眼鏡レンズ用に成膜した場合、すなわち
基板を加熱しない場合、結晶性は低く耐擦傷性がEラン
クと著しく低いため実用レベルとはならなかった。
【0040】(実施の形態2)実施の形態1と同様の装
置を用い、ガス導入口9からN2 を1×10-1Paま
で、ガス導入口10からArを3×10-2Paまで導入
した。実施の形態1と比較すると、温度の上昇はやや少
なめで、投入電力が500W以上でターゲット表面温度
が450℃以上にまで上昇した。投入電力650W、成
膜時間21秒で基板上に成膜した結果、膜の分光反射率
は図4と全く同じとなった。可視域での光吸収は1%以
下で十分実用レベルにあった。実施の形態1と同様の試
験を行った結果、クロスカット試験で膜の剥離はなく、
スチールウール試験の結果もBランクであった。
【0041】(実施の形態3及び4)図17はこの実施
の形態に使用する成膜装置を示す。この装置は実施の形
態1と同様な構成の真空槽の2槽をゲートバルブ12で
仕切って接続している。基板は搬送機構(図示省略)に
より真空槽1と1′との間を搬送できる。真空槽1では
投入電力600Wとし、実施の形態1と同様の方法で成
膜した。真空槽1′では、ターゲットとしてTa、Zr
等の金属板を用いた。マグネトロンカソードは直流電源
13に接続されている。ガス導入口9′からO2 を、ガ
ス導入口10′からArを導入して、DC反応性マグネ
トロンスパッタリング法によりTa2 5 、ZrO2
の高屈折率膜を基板2′上に形成する。
【0042】基板2として有機系のハードコートを施し
たジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR
−39)基板を用い、この基板2上に、真空槽1と1′
でそれぞれ所望の膜厚のMgF2 、及びTa2 5 、Z
rO2 等を交互に形成することによって反射防止膜を形
成し、合成樹脂製眼鏡レンズを作成した。膜構成を表1
に、実施の形態3及び4の分光特性をそれぞれ図5及び
図6に示す。実施の形態3及び4の反射防止膜は、可視
域である波長400〜700nm全域で反射率が0.5
%以下であり、極めて優れた特性を有している。またク
ロスカット試験で膜の剥離はなく、スチールウール試験
の結果もBランクと良好となっている。
【0043】(実施の形態5)この実施の形態では、実
施の形態2と同様の装置を用いた。真空槽1ではターゲ
ットとしてITO(In2 3 にSnO2 を重量比で5
%添加したもの)を用いた。真空槽1では投入電力50
0Wとし、実施の形態1と同様の方法で成膜した。真空
槽1′では、ガス導入口9からO2 を、ガス導入口1
0′からArを導入して、DC反応性マグネトロンスパ
ッタリング法によりITO膜を基板上に形成した。
【0044】基板2として、有機系のハードコートを施
したジエチレングリコールビスアリルカーボネート(C
R−39)基板を用い、この基板2上に、真空槽1と
1′でそれぞれ所望の膜厚のMgF2 、及びITOを交
互に形成することによって反射防止膜を形成し、合成樹
脂製眼鏡レンズを作成した。膜構成を表1に、分光特性
を図7に示す。反射防止膜は図7に示すように、波長4
20〜700nmで反射率がほぼ0.5%以下であり、
極めて優れた特性となっている。本実施の形態では反射
防止膜の一部として誘電体ではないITOを使用したた
め、導電性に優れ、従って、帯電による埃の付着のない
眼鏡レンズを得ることができた。またクロスカット試験
で膜の剥離はなく、スチールウール試験の結果もBラン
クと良好となっている。
【0045】(実施の形態6及び7)実施の形態2とほ
ぼ同様の装置を用い、反射防止膜付き合成樹脂製眼鏡レ
ンズを作成した。ただし、真空槽1′のカソード5は3
個となっている。このカソード5にはTa、Zr、Al
等の金属や、ホウ素をドープして導電性を付与したSi
などを使用した。真空槽1では投入電力400Wとし、
実施の形態1と同様の方法で成膜した。真空槽1′で
は、ガス導入口9からO2 を、ガス導入口10′からA
rを導入して、DC反応性スパッタリング法により金属
ないしは珪素酸化物膜を基板2上に形成する。
【0046】基板2としてハードコートを施していない
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−
39)基板を用い、この基板上に、真空槽1と1′でそ
れぞれ所望の膜厚のMgF2 、及び金属ないしは珪素酸
化物を交互に形成して反射防止膜を形成し、合成樹脂製
眼鏡レンズを作成した。膜構成を表1に、実施の形態6
及び7の分光特性をそれぞれ図8,9に示す。実施の形
態6及び7の反射防止膜は、波長420〜700nmで
反射率が0.5%以下、特に実施の形態7では0.25
%以下であり、極めて優れた特性となっている。
【0047】これらの実施の形態では、反射防止膜各層
の膜厚をλ/4(λ=520nm)の倍数だけで構成し
たため、膜厚制御が容易であり、膜厚のばらつきが少な
く、したがって眼鏡レンズ用反射防止膜としては非常に
重要な外観色のばらつきも小さくなっている。またクロ
スカット試験で膜の剥離はなく、スチールウール試験の
結果もBランクと良好となっている。
【0048】(実施の形態8及び9)有機系のハードコ
ートを施したジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ート(CR−39)基板上に、あらかじめ3層の膜を設
け、その上に実施の形態1と同様の装置を用いてMgF
2 膜を成膜し、合計4層の反射防止膜付き眼鏡レンズを
作成した。真空槽1では投入電力500Wとし、実施の
形態1と同様の方法で成膜した。膜構成を表1に、実施
の形態8及び9の分光特性をそれぞれ図10、11に示
す。実施の形態8及び9の反射防止膜は、波長420〜
700nmで反射率がほぼ1%以下、特に実施の形態9
では0.3%以下であり、極めて優れた特性となってい
る。またクロスカット試験で膜の剥離はなく、スチール
ウール試験の結果もBランクと良好となっている。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、合成樹脂製眼鏡レンズ
の反射防止膜として好適な、屈折率が低く光吸収のない
フッ化物膜をスパッタリング法により高速で形成でき、
これにより反射防止膜付き合成樹脂製眼鏡レンズを得る
ことができる。
【0051】また本発明によれば、膜強度が高く、屈折
率が低く光吸収のないフッ化物膜をスパッタリング法に
より高速で形成でき、これにより反射防止膜付き合成樹
脂製眼鏡レンズを得ることができる。
【0052】また、さらに本発明によれば、帯電防止効
果を有し、汚れの付着しにくい反射防止膜付き合成樹脂
製眼鏡レンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる成膜装置の断面図である。
【図2】実施の形態1における顆粒の表面温度と基板へ
の成膜速度との関係を示す特性図である。
【図3】比較例1における顆粒の表面温度と基板への成
膜速度との関係を示す特性図である。
【図4】本実施の形態1の分光反射率特性図である。
【図5】本実施の形態3の分光反射率特性図である。
【図6】本実施の形態4の分光反射率特性図である。
【図7】本実施の形態5の分光反射率特性図である。
【図8】本実施の形態6の分光反射率特性図である。
【図9】本実施の形態7の分光反射率特性図である。
【図10】本実施の形態8の分光反射率特性図である。
【図11】本実施の形態9の分光反射率特性図である。
【図12】本実施の形態1の分光反射率特性図である。
【図13】本実施の形態1における顆粒の表面温度が7
00℃の場合の吸収係数の特性図である。
【図14】本実施の形態1における顆粒の表面温度が6
00℃の場合の吸収係数の特性図である。
【図15】本実施の形態1における顆粒の表面温度が5
00℃の場合の吸収係数の特性図である。
【図16】本実施の形態1における顆粒の表面温度が4
50℃の場合の吸収係数の特性図である。
【図17】本発明に用いる別の成膜装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 真空槽 2 基板 3 顆粒 4 石英皿 5 カソード 6 マッチングボックス 7 高周波電源 8 冷却水 9 ガス導入口 10 シャッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三田村 宣明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 生水 利明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径0.1〜10mmの顆粒状のMgF
    2 を膜原料とし、酸素または窒素または水素のなかから
    選ばれた1種以上のガスを真空槽内に導入しながら、交
    流電力を投入してMgF2 上にプラズマを発生させ、こ
    のプラズマによりMgF2 表面を450〜800℃の温
    度に保持すると共に、MgF2 を前記導入ガスの正イオ
    ンによりスパッタリングすることによりMgF2 の少な
    くとも一部を分子状態で跳び出させ、この分子状態のM
    gF2 によって眼鏡レンズの基板上に膜を形成すること
    を特徴とする合成樹脂製眼鏡レンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 粒径0.1〜10mmの顆粒状のMgF
    2 を膜原料とし、酸素または窒素または水素のなかから
    選ばれた1種以上のガスを真空槽内に導入しながら、高
    周波電力を投入してMgF2 上にプラズマを発生させ、
    このプラズマによりMgF2 表面を450〜800℃の
    温度に保持すると共に、MgF2 を前記導入ガスの正イ
    オンによりスパッタリングすることによりMgF2 の少
    なくとも一部を分子状態で跳び出させ、この分子状態の
    MgF2 によって眼鏡レンズの基板上に膜を形成する工
    程と、前記基板上に金属酸化物又は珪素酸化物よりなる
    膜を形成する工程とを有し、これらの工程により反射防
    止膜を形成することを特徴とする合成樹脂製眼鏡レンズ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の発明において、前記金属酸化
    物又は珪素酸化物は、Zr、Ti、Ta、Al、In、
    Sn、Siのいずれか又はそのうちの複数を主成分とす
    ることを特徴とする合成樹脂製眼鏡レンズの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2の発明において、前記金属酸化
    物又は珪素酸化物をマグネトロンスパッタリング法によ
    り形成することを特徴とする合成樹脂製眼鏡レンズの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4項のいずれかの製造方法に
    より製造したことを特徴とする合成樹脂製眼鏡レンズ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002243901A (ja) * 2001-02-19 2002-08-28 Seiko Epson Corp 防曇性能付与方法
KR100917109B1 (ko) * 2008-01-25 2009-09-15 김영규 나노 콘택트렌즈 및 그 제조방법

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