JPH1081820A - ポリアミド系粉体樹脂 - Google Patents

ポリアミド系粉体樹脂

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JPH1081820A
JPH1081820A JP25771596A JP25771596A JPH1081820A JP H1081820 A JPH1081820 A JP H1081820A JP 25771596 A JP25771596 A JP 25771596A JP 25771596 A JP25771596 A JP 25771596A JP H1081820 A JPH1081820 A JP H1081820A
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JP
Japan
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resin
polyamide
powder
weight
nylon
Prior art date
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Pending
Application number
JP25771596A
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English (en)
Inventor
Akio Nakatsuka
昭男 中塚
Tatsuro Okano
達郎 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアミド系の粉体樹脂を用い、高硬度で耐
摩耗性および耐衝撃性に優れ、しかも表面平滑性の良好
な皮膜を形成する。 【解決手段】 ポリアミド系粉体樹脂は、ポリアミド樹
脂の粉体100重量部に対して、りん酸を純分換算で
0.05〜0.5重量部、レベリング剤を0.1〜1.
0重量部それぞれ含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体樹脂、特に、ポリ
アミド系粉体樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド系の粉体樹脂は、高硬度で耐
摩耗性や耐衝撃性に優れた皮膜を形成することができる
ことから、鉄、鉄基材およびパネルタンクなどの鋼構造
材料用のコーティング材料として、あるいはパイプやス
ーパーマーケットなどで使用されるショッピングカー
ト、ゴルフカートおよび乳母車などの民生品用のコーテ
ィング材料として広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、冷凍粉砕法
により得られたポリアミド系の粉体樹脂を上述のコーテ
ィング材料用として用いると、強度、耐摩耗性および耐
衝撃性には優れているものの平滑な皮膜が得られにくい
場合がある。具体的には、ポリアミド系の粉体樹脂を基
材に付着・溶融させて皮膜を得ようとした場合、基材表
面に付着した粉体樹脂が溶融して固化する際の表面張力
の影響でクレーター(火山の噴火口跡状の凹み)が形成
されたり、表面の架橋によるスムージング不良により凹
凸のある皮膜が形成される場合がある。
【0004】本発明の目的は、ポリアミド系の粉体樹脂
を用い、高硬度で耐摩耗性および耐衝撃性に優れ、しか
も表面平滑性の良好な皮膜を形成することができるよう
にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂
にりん酸およびレベリング剤を添加、混合し、これを粉
体状にして用いた場合、意外なことに平滑性が良好な皮
膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明のポリアミド系粉体樹脂は、
ポリアミド樹脂の粉体100重量部に対して、りん酸を
純分換算で0.05〜0.5重量部、レベリング剤を
0.1〜1.0重量部それぞれ含むものである。
【0007】ここで、ポリアミド樹脂は、通常、11−
ナイロンまたは12−ナイロンである。また、本発明の
ポリアミド系粉体樹脂は、例えば、ポリアミド樹脂の粉
体100重量部に対して、微粉末シリカを0.05〜
0.7重量部さらに含んでいる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリアミド樹
脂は、いわゆるナイロン樹脂であり、公知の種々のもの
である。具体的には、11−ナイロン、12−ナイロ
ン、6/12共重合ナイロン、6/6/12共重合ナイ
ロン、非晶性ナイロン、ポリアミドエラストマーなどを
例示することができる。このうち、粉砕性やコーティン
グ加工性の点で11−ナイロンおよび12−ナイロンを
用いるのが好ましい。
【0009】このようなポリアミド樹脂の分子量は、ポ
リアミド樹脂が膜形成性を示す範囲であれば特に限定さ
れないが、通常は数平均分子量で10,000〜50,
000程度である。
【0010】本発明で用いられるりん酸は、特に限定さ
れるものではなく、市販の各種の濃度のものが用いられ
る。
【0011】りん酸の使用量は、上述のポリアミド樹脂
100重量部に対して純分換算で0.05〜0.5重量
部に設定するのが好ましく、0.2〜0.5重量部に設
定するのがより好ましい。りん酸の使用量が0.05重
量部未満の場合は、りん酸を添加することによる効果が
得られない。逆に、0.5重量部を超えると、使用量に
比例した効果が得られず経済的でないばかりか、却って
本発明の粉体樹脂により形成される皮膜の諸物性を損な
うおそれがある。
【0012】また、本発明で用いられるレベリング剤
は、皮膜の平滑性を高めるためのものであり、市販され
ている公知の各種のものを利用することができる。具体
的には、米国モンサント社製の商品名”モダフローパウ
ダーIII”および”モダフローパウダー2000”や
共栄社油脂化学工業株式会社製の商品名”ポリフロー
S”などの公知のアクリル系添加剤、バイエル社製の商
品名”バイシロンOL”や東芝シリコン株式会社製の商
品名”YF−3818”などのシリコン系添加剤を挙げ
ることができる。
【0013】このようなレベリング剤の使用量は、通
常、上述のポリアミド樹脂100重量部に対して0.1
〜1.0重量部に設定するのが好ましく、0.2〜0.
6重量部に設定するのがより好ましい。レベリング剤の
使用量が0.1重量部未満の場合は、レベリング剤を使
用することによる効果が得られにくい。逆に、1.0重
量部を超える場合は、本発明のポリアミド系粉体樹脂に
より得られる皮膜がゆず肌状になる場合があり、皮膜の
商品価値を損なうおそれがある。
【0014】本発明のポリアミド系粉体樹脂は、必要に
より、微粉末シリカをさらに含んでいてもよい。微粉末
シリカを含む場合は、本発明のポリアミド系粉体樹脂に
より得られる皮膜の表面平滑性をより高めることができ
る。なお、微粉末シリカとしては、例えば、日本アエロ
ジル株式会社製の商品名”アエロジル”、水澤化学株式
会社製の商品名”ミズカシール”、富士デビソン化学株
式会社製の商品名”サイロイド”などを挙げることがで
きる。
【0015】上述の微粉末シリカの使用量は、上述のポ
リアミド樹脂に対して0.05〜0.7重量部に設定す
るのが好ましく、0.1〜0.4重量部に設定するのが
より好ましい。微粉末シリカの使用量が0.05重量部
未満の場合は、本発明のポリアミド系粉体樹脂により得
られる皮膜の表面平滑性を向上させる点において、添加
による効果が見られない。逆に、0.7重量部を超えて
使用した場合は、使用量に比例した効果が得られず、経
済的でない。
【0016】さらに、本発明のポリアミド系粉体樹脂
は、上述のレベリング剤や微粉末シリカの他に、必要に
応じて顔料、酸化防止剤、安定剤などの各種添加剤が適
宜混合されてもよい。
【0017】本発明のポリアミド系粉体樹脂は、例えば
次の工程により得られる。先ず、上述のポリアミド樹
脂、りん酸、レベリング剤および微粉末シリカを除く他
の添加剤を上述の割合で混合する。この際の混合方法
は、特に限定されるものではなく、全成分を一度に混合
してもよいし、ポリアミド樹脂とりん酸とを混合した後
に他の成分を添加して混合してもよい。
【0018】次に、得られた混合物をヘンシェルミキサ
ー、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等を用いて
溶融して均一に混合し、ペレット状に成形する。このペ
レットを、冷凍粉砕して、平均粒径が30〜500μ
m、好ましくは70〜150μmの微粉末にする。これ
により、目的とする粉体樹脂が得られる。なお、本発明
のポリアミド系粉体樹脂に上述の微粉末シリカを添加す
る場合は、得られた上述の微粉末にヘンシェルミキサー
などを用いて当該微粉末シリカを所定量混合する。
【0019】本発明のポリアミド系粉体樹脂は、例え
ば、鉄パイプ、鉄基材およびパネルタンク(構造用槽)
などの鋼構造材料用のコーティング材料として、あるい
はスーパーマーケットなどで使用されるショッピングカ
ート、ゴルフカートおよび乳母車などの民生品用のコー
ティング材料として用いられ得る。なお、これらの基材
に対して本発明のポリアミド系粉体樹脂を用いて皮膜を
形成する場合は、例えば流動浸漬法が採用され得る。
【0020】
【実施例】実施例1 ポリアミド樹脂であるEMS社製の12ナイロン(商品
名”グリルアミドL16”)100重量部に対し、工業
用りん酸(りん酸濃度=89%)および米国モンサント
社製のレベリング剤(商品名”モダフローパウダーII
I”)を表1に示す割合で添加し、押出機により均一に
溶融混合してペレットを作成した。得られたペレットを
冷凍粉砕し、平均粒径が100μmの粉末状に粉砕し
た。これにより、ポリアミド系粉体樹脂が得られた。
【0021】次に、基材として75mm×150mm×
2mmの鋼板を用意し、この鋼板に対して得られたポリ
アミド系粉体樹脂を流動浸漬法により塗装した。この
際、鋼板の加熱温度(表面温度)は310℃に設定し、
また、流動槽への浸漬時間は4秒に設定した。
【0022】実施例2〜4 実施例1で用いた12ナイロン、工業用りん酸およびレ
ベリング剤の混合割合を表1に示すように変更し、他は
実施例1の場合と同様に操作してポリアミド系粉体樹脂
を得た。このポリアミド系粉体樹脂に対し、表1に示す
割合で微粉末シリカ(水澤化学株式会社製の商品名”ミ
ズカシールP527”)をさらに添加し、ヘンシェルミ
キサーを用いて混合した。このようにして調製されたポ
リアミド系粉体樹脂を実施例1の場合と同様に塗装し
た。
【0023】実施例5 ポリアミド樹脂としてEMS社製の6/6/12共重合
ナイロン(商品名”グリルテックス5P”)を用いた点
以外は実施例2と同様にしてポリアミド系粉体樹脂を
得、このポリアミド系粉体樹脂を実施例1の場合と同様
に塗装した。
【0024】比較例1 りん酸を用いない点を除いて実施例1と同様にし、ポリ
アミド系粉体樹脂を得た。このポリアミド系粉体樹脂を
実施例1の場合と同様に塗装した。
【0025】比較例2 りん酸を用いない点を除いて実施例2と同様にし、ポリ
アミド系粉体樹脂を得た。このポリアミド系粉体樹脂を
実施例1の場合と同様に塗装した。
【0026】評価 各実施例および各比較例で鋼板に付与された皮膜につい
て、クレーターの発生、表面平滑性および耐衝撃性を調
べた。結果を表1に示す。なお、評価方法は下記の通り
である。
【0027】(クレーター)皮膜を目視により判定し
た。判定の基準は下記の通りである。 ◎:クレーターの発生が見られない。 ○:クレーターが僅かに発生している。 ×:クレーターが顕著に発生している。
【0028】(表面平滑性)皮膜を目視により判定し
た。判定の基準は下記の通りである。 ◎:優れている。 ○:表面に僅かな凹凸が見られる。 ×:表面に顕著な凹凸が見られる。
【0029】(耐衝撃性)JIS−K5400(デュポ
ン衝撃テスト)により評価した。この際、荷重を1,0
00gに、また、撃芯を直径1/4インチにそれぞれ設
定した。評価の基準は下記の通りである。 ◎:割れの発生なし。 ○:僅かな割れが発生。 ×:顕著な割れが発生。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明のポリアミド系粉体樹脂は、りん
酸およびレベリング剤を含有するポリアミド樹脂を用い
ているため、高硬度で耐摩耗性および耐衝撃性に優れ、
しかも表面平滑性の良好な皮膜を形成することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド樹脂の粉体100重量部に対し
    て、りん酸を純分換算で0.05〜0.5重量部、レベ
    リング剤を0.1〜1.0重量部それぞれ含む、ポリア
    ミド系粉体樹脂。
  2. 【請求項2】前記ポリアミド樹脂が11−ナイロンまた
    は12−ナイロンである、請求項1に記載のポリアミド
    系粉体樹脂。
  3. 【請求項3】前記ポリアミド樹脂の粉体100重量部に
    対して、微粉末シリカを0.05〜0.7重量部さらに
    含む、請求項1または2に記載のポリアミド系粉体樹
    脂。
JP25771596A 1996-09-06 1996-09-06 ポリアミド系粉体樹脂 Pending JPH1081820A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011236443A (ja) * 2005-09-22 2011-11-24 Fujitsu Ltd 植物系樹脂含有組成物及びそれを用いた植物系樹脂含有成形体
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