JPH1081793A - 熱可塑性エラストマー組成物パウダー、粉末成形方法、成形体及び成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物パウダー、粉末成形方法、成形体及び成形体の製造方法

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JPH1081793A
JPH1081793A JP11684097A JP11684097A JPH1081793A JP H1081793 A JPH1081793 A JP H1081793A JP 11684097 A JP11684097 A JP 11684097A JP 11684097 A JP11684097 A JP 11684097A JP H1081793 A JPH1081793 A JP H1081793A
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博之 杉本
Shukuyu Nakatsuji
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉末成形法によってピンホールや欠肉などを
殆ど生ずることなく複雑な形状の成形体を製造すること
のできる熱可塑性エラストマーパウダー、粉末成形方
法、成形体及び成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部、共
役ジエン重合体またはビニル芳香族化合物単位が25重
量%以下である共役ジエン−ビニル芳香族化合物ランダ
ム共重合体が水添されてなり、水添率が70%以上であ
る水添ジエン系共重合体5〜250重量部およびエチレ
ン・α−オレフィン系共重合体ゴム0〜500重量部を
含有する熱可塑性エラストマー組成物からなり、球換算
平均粒径が1.20mm以下でありかつ、かさ比重が
0.38以上であることを特徴とする熱可塑性エラスト
マーパウダー、粉末成形方法、成形体及び成形体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物パウダー、粉末成形方法、成形体及び成形体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表面に皮シボ、ステッチなどの複
雑な凹凸模様を有するシート状の成形体は、自動車内装
部品などの表皮材として用いられている。かかる成形体
として、従来の塩化ビニル系樹脂の成形体の代替物とし
て、オレフィン系熱可塑性エラストマーが粉砕されてな
るパウダーを粉末成形して得られる成形体が提案されて
いる(例えば、特開平3−199579号公報、特開平
3−199589号公報を参照)。しかしながら、かか
る熱可塑性エラストマーが粉砕されてなるパウダーを粉
末成形して得られる成形体は、複雑な形状の成形体、た
とえば狭くて高い凸部を有する成形体などを製造する際
に該凸部のエッジにピンホールや欠肉などの外観不良が
生じるという問題があった。さらに、折り曲げられたと
きに白化し易いため、該成形体の製造時に該成形体を金
型から取り出すときや該成形体を基材に貼合する前に該
成形体を予備賦形するときに、該成形体の折り曲げられ
た部分が白化し易いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、複雑形状であっても外観不良がなく、かつ折り曲げ
ても白化しにくい熱可塑性エラストマーの成形体を与え
る熱可塑性エラストマーについて鋭意検討を行った。そ
の結果、ポリオレフィン系樹脂及び特定の水添ジエン系
共重合体を特定の比率で含有する熱可塑性エラストマー
組成物の特定の性状のペレットが、外観不良がなく、か
つ白化しにくい成形体を与えることを見出し本発明を完
成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のうち
第一の発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部、水
添ジエン系共重合体5〜250重量部およびエチレン・
α−オレフィン系共重合体ゴム0〜500重量部を含有
する熱可塑性エラストマー組成物からなり、球換算平均
粒径が1.20mm以下でありかつ、かさ比重が0.3
8以上であることを特徴とする熱可塑性エラストマーパ
ウダーに係るものである。
【0005】また、本発明のうち第二の発明は、第一の
発明の熱可塑性エラストマー組成物パウダーを用いるこ
とを特徴とする粉末成形方法に係るものである。
【0006】また、本発明のうち第三の発明は、第一の
発明の熱可塑性エラストマー組成物パウダーが粉末成形
されてなることを特徴とする成形体に係るものである。
【0007】また、本発明のうち第四の発明は、成形体
の製造方法に係るものである。
【0008】本発明の成形体は、複雑形状部にピンホー
ルや欠肉等の外観不良がなく、折り曲げられても白化し
難い。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリオレフィ
ン系樹脂は、結晶性を有する、1種類以上のオレフィン
の重合体又は共重合体から選ばれる少なくとも1種類で
ある。該オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原
子数が2〜8のオレフィンが挙げられる。該ポリオレフ
ィン系樹脂の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン−1、プロピレンとそれ以外のα−オレフィ
ン(例えば1−ブテンなど)との共重合体が挙げられ
る。ポリオレフィン系樹脂がプロピレン・エチレン共重
合体又はプロピレン・1−ブテン共重合体である場合に
は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性に
特に優れた成形体を与えることができる。また、2段階
以上で、エチレン及び炭素原子数が3〜8のα−オレフ
ィンから選ばれる2種類以上のモノマーが共重合されて
なる共重合体を用いることもできる。例えば、第一段階
でプロピレンを単独重合させ、第二段階でプロピレン
と、エチレン、又はプロピレン以外のα−オレフィンと
を共重合させて得られる共重合体を用いることができ
る。尚、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の粉末を
用いて粉末成形法によって成形体を製造する場合に、得
られる成形体の強度の観点から、ポリオレフィン系樹脂
の、JIS K−7210に準拠して230℃、荷重
2.16kgfで測定したメルトフローレート(MF
R)は、通常は20〜500g/10分、好ましくは50
〜300g/10分の範囲内である。
【0010】水添ジエン系共重合体は、共役ジエン重合
体または共役ジエンービニル芳香族ランダム共重合体を
水添して得られる。共役ジエン重合体とは、少なくとも
1種の共役ジエンを重合してなる重合体である。共役ジ
エンの例としては、たとえばブタジエン、イソプレン、
ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエンなどの炭素
原子数4〜8の共役ジエンが挙げられる。共役ジエン重
合体との例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ポリペンタジエンなどが挙げられる。
【0011】ビニル芳香族化合物は、そのビニル基の1
位または2位がメチル基などのアルキル基などで置換さ
れていてもよい。ビニル芳香族化合物の例としては、ス
チレン、pーメチルスチレン、αーメチルスチレンなど
の炭素原子数8〜12のビニル芳香族化合物が挙げられ
る。
【0012】共役ジエン−ビニル芳香族化合物ランダム
共重合体の例としては、ブタジエンースチレンランダム
共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブ
タジエン−p−メチルスチレンランダム共重合体などが
挙げられる。共役ジエン−ビニル芳香族化合物ランダム
におけるビニル芳香族化合物単位含有量は、通常25重
量%以下、好ましくは20重量%以下である。この含有
量が25重量%を超えると、熱可塑性エラストマー組成
物ペレットを成形して得られる成形体は折り曲げたとき
に白化しやすい傾向がある。共役ジエン重合体または共
役ジエン−ビニル芳香族化合物ランダム共重合体の共役
ジエン単位には、共役ジエンの重合部位に応じて、側鎖
にオレフィン性不飽和結合を有する共役ジエン単位と、
主鎖中にオレフィン性不飽和結合を有する共役ジエン単
位とが含まれる。側鎖にオレフィン性不飽和結合を有す
る共役ジエン単位数の全共役ジエン単位数の対する割合
は、通常5〜95%、好ましくは30〜95%、さらに
好ましくは40〜90%の範囲である。
【0013】共役ジエン重合体または共役ジエン−ビニ
ル芳香族化合物ランダムは、いずれも公知の方法によっ
て製造することができる。たとえば、共役ジエン重合体
を製造するには、炭化水素系溶媒中で共役ジエンをリビ
ングアニオン重合すればよく、共役ジエン−ビニル芳香
族化合物ランダム共重合体を製造するには同様にして共
役ジエンおよびビニル芳香族化合物をリビングアニオン
重合すればよい(たとえば特開平2−36244号公報
参照)。リビングアニオン重合に際して、通常は有機リ
チウム化合物などの開始剤を用いる。有機リチウム化合
物の例としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチル
リチウム、tert−ブチルリチウムなどのアルキルリ
チウムが挙げられる。炭化水素系溶媒の例としては、ヘ
キサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、メチルシクロ
ペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族脂肪族炭化
水素、2−メチルブテン−1,2−メチルブテン−2な
どの不飽和脂肪族炭化水素などが挙げられる。リビング
アニオン重合の方式は、バッチ式であっても連続式であ
っても良く、重合温度は通常0〜120℃の範囲であ
る。なお、上記のリビングアニオン重合に際して、例え
ばエーテル、3級アミン、ナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属のアルコキシド、フェノキシド、スルホン
酸塩などを併用し、その種類や種類などを適宜選択する
ことによって、得られる共役ジエン重合体または共役ジ
エン−ビニル芳香族化合物ランダム共重合体における側
鎖にオレフィン性不飽和結合を有する共役ジエン単位数
の全共役ジエン単位数の対する割合を制御することがで
きる。さらに重合の終了直前に多官能のカップリング剤
を添加してカップリング反応させることによって、分岐
状の重合体を得ることもできる。カップリング剤の例と
しては、テトラクロロシラン、ブチルトリクロロシラ
ン、ブチルトリクロロスズ、テトラクロロゲルマニウ
ム、ビス(トリクロロシリル)エタン、ジビニルベンゼ
ン、アジピン酸ジエステル、エポキシ化液状ブタジエ
ン、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、1、2、4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙
げられる。
【0014】共役ジエン重合体または共役ジエン−ビニ
ル芳香族化合物ランダムを水添するには、共役ジエン重
合体または共役ジエン−ビニル芳香族化合物ランダム
を、炭化水素溶媒中で水添触媒の存在下に、水素圧1〜
100kg/cm2 、温度20〜150℃で水素と反応
させればよい(たとえば特開平2−36244号公報参
照)。水添触媒の例としては、パラジウム、ルテニウ
ム、ロジウム、白金などの貴金属をシリカ、カーボン、
ケイソウ土などの担体に担持させた触媒、ルテニウム、
ロジウム、白金などの金属錯体、コバルト、ニッケルな
どの有機カルボン酸塩と有機アルミニウムまたは有機リ
チウムとからなる触媒、ジシクロペンタジエニルチタン
ジクロリド、ジシクロペンタジエニルジフェニルチタ
ン、ジシクロペンタジエニルチタンジトリル、ジシクロ
ペンタジエニルジベンジルなどのチタン化合物とリチウ
ム、アルミニウム、マグネシウムなどの有機金属化合物
とからなる触媒などが挙げられる。このような水添によ
って、共役ジエン重合体または共役ジエン−ビニル芳香
族化合物ランダム共重合体の共役ジエン単位に含まれる
側鎖もしくは主鎖中のオレフィン性不飽和結合が水添さ
れ、本発明で使用する水添ジエン系共重合体が得られ
る。本発明で使用する水添ジエン系重合体の水添率は7
0%以上である必要がある。水添率が70%未満である
と、得られる熱可塑性エラストマー組成物パウダーから
得られる成形体の耐久性、とりわけ耐熱性と耐光性が低
下し、クラック、白化等の不具合が発生する。ここで水
添率とは、水添前の共役ジエン単位の側鎖もしくは主鎖
中のオレフィン性不飽和結合数に対する、水添された側
鎖もしくは主鎖中のオレフィン性不飽和結合数の割合で
ある。水添率は、好ましくは90%以上、より好ましく
は95%以上である。
【0015】エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
は、非結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体と非
結晶性のエチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重
合体とから選択される少なくとも1種類である。好まし
いα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、
3−メチル−ペンテン−1、1−オクテン、1−デセン
などの炭素原子数が3〜10のα−オレフィンが挙げら
れ、特にプロピレン及び1−ブテンが好ましい。好まし
い非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、2−
メチル−2,5−ノルボルナジエン 、エチリデンノル
ボルネン 、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、メチレンノルボルネン、1,6−オクタジエンなど
が挙げられ、特にエチリデンノルボルネンが好ましい。
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの例は、エチ
レン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・1−ブテン
共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・エチリデンノル
ボルネン共重合体ゴム(EPDM)を含む。EPDMを
含有する本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、耐熱
性や引張特性が特に優れた成形体を与えることができ
る。エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム中のα−
オレフィン単位含有量は、好ましくは 5〜40重量
%、より好ましく10〜35重量%の範囲であり、エチ
レン単位含有量は、通常は60〜95重量%、好ましく
は65〜90重量%である。α−オレフィン単位含有量
及びエチレン単位含有量は、13C−NMR法や、赤外線
吸光分光法などによって求めることができる。尚、本発
明の熱可塑性エラストマー組成物からなるパウダーを用
いて粉末成形法によって成形体を製造する場合には、得
られる成形体の強度の観点から、このエチレン・α−オ
レフィン系共重合体ゴムの、ASTMD−927−57
Tに準じて100℃で測定したムーニー粘度{ML1+4
( 100℃)}は、好ましくは10〜350、より好ま
しくは15〜300の範囲内である。
【0016】本発明の熱可塑性エラストマー組成物中の
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの含有量は、
ポリオレフィン系樹脂100重量部当たり、通常は0〜
500重量部であるが、得られる成形体の耐寒性(耐低
温衝撃性)の観点からは、好ましくは5〜400重量
部、より好ましくは 10 〜250重量部の範囲内で
ある。尚、本発明の熱可塑性エラストマー組成物におい
て、前記ポリオレフィン系樹脂、水添ジエン系重合体及
びエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムは、分子内
及び/又は分子間で架橋していてもよい。すなわち、ポ
リオレフィン系樹脂が分子内及び/又は分子間で架橋し
ていてもよいし、水添ジエン系重合体が分子内及び/又
は分子間で架橋していてもよいし、エチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムが分子内及び/又は分子間で架橋
していてもよいし、更にはポリオレフィン系樹脂と水添
ジエン系重合体、或いはポリオレフィン系樹脂とエチレ
ン・α−オレフィン系共重合体、或いは水添ジエン系重
合体とエチレン・α−オレフィン系共重合体とが分子間
で架橋していてもよい。例えば、ポリオレフィン系樹脂
及び/又はエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの
架橋は、例えばポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムとを混練し、該混練混合物を
更に動的架橋に付すことにより行うことができる。
【0017】該混練混合物の動的架橋は、例えば、該混
練混合物と架橋剤とを加熱下に混練することにより行う
ことができる。架橋剤としては、通常は、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシノ)ヘキサ
ン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が用い
られる。架橋剤は、架橋に付されるポリオレフィン系樹
脂、水添ジエン系重合体及びエチレン・α−オレフィン
系共重合体ゴムの合計100重量部当たり、通常は1重
量部以下、好ましくは0.1〜0.8 重量部、より好
ましくは 0.2〜0.6重量部の範囲で使用される。
架橋剤として有機過酸化物を用いる場合には、ビスマレ
イミド化合物などの架橋助剤の存在下に動的架橋を行う
と、優れた耐熱性を有する成形体を与える熱可塑性エラ
ストマー組成物を得ることができる。この場合、有機過
酸化物の使用量は、架橋に付されるポリオレフィン系樹
脂、水添ジエン系重合体及びエチレン・α−オレフィン
系共重合体ゴムの合計100重量部当たり、通常は0.
8重量部以下、好ましくは0.2〜0.8重量部、より
好ましくは0.4 〜0.6重量部の範囲である。
【0018】架橋助剤の使用量は、架橋に付されるポリ
オレフィン系樹脂、水添ジエン系共重合体及びエチレン
・α−オレフィン系共重合体ゴムの合計100重量部当
たり、通常は1.5重量部以下、好ましくは 0.2〜
1重量部、より好ましくは0.4〜0.8重量部の範囲
である。架橋助剤は架橋剤の添加の前に配合されること
が好ましく、通常は架橋に付される前記成分、及びを混
練する際に添加される。ポリオレフィン系樹脂、水添ジ
エン系共重合体及びエチレン・α−オレフィン系共重合
体ゴムの架橋は、これらの成分、架橋剤、及び必要なと
きには更に架橋助剤を、加熱しながら一軸押出機や二軸
押出機などを用いて混練することにより行うことができ
る。上記条件下での動的架橋によって、通常は優先的に
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムが分子内及び
/又は分子間で架橋されるが、ポリオレフィン系樹脂が
分子内及び/又は分子間で架橋されることや、水添ジエ
ン系重合体が分子内及び/又は分子間で架橋されるこ
と、ポリオレフィン系樹脂と水添ジエン系重合体とが分
子間で架橋されること、ポリオレフィン系樹脂とエチレ
ン・α−オレフィン系共重合体ゴムとが分子間で架橋さ
れること、水添ジエン系重合体とエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体ゴムとが分子間で架橋されることもあ
る。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、いずれの
タイプの架橋物を含有することもできる。
【0019】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
上記の主要成分の他に、各種の添加剤を含有していても
よい。添加剤としては、例えばパラフィン系プロセスオ
イルなどの鉱物油系軟化剤、フェノール系、サルファイ
ト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン
系又はアミド系の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、金属石鹸、ワックスなどの滑剤、メチ
ルポリシロキサン化合物などの内部添加型離型剤、着色
用顔料、充填剤、発泡剤、発泡助剤、セル調整剤などが
挙げられる。これらの中でも鉱物油系軟化剤は、本発明
の熱可塑性エラストマー組成物の溶融流動性を向上さ
せ、また、これを含有する熱可塑性エラストマー組成物
は柔軟性に優れた成形体を与えることができるので好ま
しい。尚、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造
において、この鉱物油系軟化剤と前記エチレン・α−オ
レフィン系共重合体ゴムとからなる組成物、いわゆる油
展エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムを用いる
と、混練や動的架橋における優れた加工性を付与するこ
とができる。かかる油展エチレン・α−オレフィン系共
重合体ゴムの鉱物油系軟化剤の含有量は、エチレン・α
−オレフィン系共重合体ゴム100重量部あたり、通常
は120重量部以下、好ましくは30〜120重量部の
範囲内である。
【0020】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、本発明の効果を損なわない限り、天然ゴム、ブチ
ルゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジ
エンゴム、水添アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ス
チレン・ブタジエン・スチレン三元共重合体ゴム、水添
スチレン・ブタジエン・スチレン三元共重合体ゴム、水
添スチレン・イソプレンゴム、エピクロロヒドリンゴ
ム、アクリルゴムなどのゴム質重合体、エチレン・アク
リル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体及びそ
のケン化物、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、
エチレン・グリシジルメタクリレート・酢酸ビニル共重
合体などの重合体成分を含有していてもよい。
【0021】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の粘
弾性は、該組成物の成形条件に応じて種々の範囲が許容
される。本発明の熱可塑性エラストマー組成物ペレット
を粉末成形して成形体を製造する場合には、250℃に
おいて振動周波数ω=1ラジアン/秒で測定される複素
動的粘度η* (1)は、該組成物の成形加工性の観点か
ら、好ましくは5×104 ポイズ以下であり、より好ま
しくは1×102 〜3×103 ポイズの範囲にあり、特
に好ましくは3×102 〜2×103 ポイズの範囲にあ
る。
【0022】ここで、250℃において振動周波数ωで
測定される複素動的粘度η* (ω)は、250℃におい
て振動周波数ωで測定される貯蔵粘弾性率G' (ω)及
び損失粘弾性率G''(ω)を用いて式〔2〕に基づいて
算出される。
【0023】η* (1)が 5×104 ポイズを超え
ると、熱可塑性エラストマー組成物ペレットの溶融流動
性が不十分になり、加工性が低下する傾向にある。ま
た、得られる成形体の機械的強度の観点から、上記の複
素動的粘度η* (1)と、250℃において振動周波数
ω=100ラジアン/秒で測定される複素動的粘度η*
(100)とを用いて式〔2〕によって算出されるニュ
ートン粘性指数nは、得られる成形体の機械的強度の観
点から、好ましくは0.28以下であり、より好ましく
は、0.01〜0.25の範囲にあり、特に好ましく
は、0.03〜0.20の範囲にある。0.67以下で
あり、より好ましくは、0.01〜0.35の範囲にあ
り、特に好ましくは、0.03〜0.25の範囲にあ
る。
【0024】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
例えば、ポリオレフィン系樹脂、水添ジエン系重合体及
び必要に応じてエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴ
ムを混練することにより製造することができる。エチレ
ン・α−オレフィン系共重合体ゴムを用いる場合には、
ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−オレフィン系共
重合体ゴムとを混練した後に水添ジエン系重合体を更に
加えて混練することにより製造することができる。ま
た、例えば、ポリオレフィン系樹脂及び/又はエチレン
・α−オレフィン系共重合体ゴムが分子内及び/又は分
子間で架橋している本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、通常は、ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムとを動的架橋した後に、更に
水添ジエン系重合体を添加して混練することにより製造
することができる。ここで、水添ジエン系重合体の混練
には、一軸押出機や二軸押出機などを用いることができ
る。また、ポリオレフィン系樹脂、水添ジエン系重合体
及びエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの混合物
を動的架橋することによっても、本発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物を製造することができる。上記のような
方法により本発明の熱可塑性エラストマー組成物を溶融
混練物として得ることができる。尚、各種の添加剤の配
合は、例えば、これらの添加剤が予め配合されたポリオ
レフィン系樹脂、水添ジエン系重合体又はエチレン・α
−オレフィン系共重合体ゴムを用いたり、上記成分の混
練や動的架橋の際に配合することにより行うことができ
る。
【0025】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
種々の成形法によって種々の大きさ及び形状の成形体に
加工することができる。本発明の熱可塑性エラストマー
組成物から得られる成形体は、折り曲げられても白化し
難いという特徴を有する。例えば、本発明の熱可塑性エ
ラストマー組成物は、その溶融物、例えば上記のような
溶融混練物から、例えばプレス成形法、射出成形法、押
出成形法などによって種々の成形体に成形される。成形
体の形状や大きさは特に限定されない。
【0026】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物パウダーは、粉末成形法によってシート又はフィルム
などの成形体に加工することができる。ここで、前記パ
ウダーの球換算平均粒径は、パウダー成形時における粒
子同士の熱融着の容易さの観点から、好ましくは1 .2
0mm以下であり、より好ましくは0.15〜1.10mm
の範囲にある。パウダー同士の熱融着が不十分である
と、成形体にピンホールや欠肉が生じ易い。また、かさ
比重は、成形時におけるパウダーの金型面への付着の容
易さの観点から0.38以上である必要があり、好まし
くは、0.38〜0.65の範囲にあり、特に好ましく
は、0.42〜0.65の範囲にある。ペレットの金型
面への付着が不十分であると、成形体にピンホールや欠
肉が生じ易い。
【0027】ここで、パウダーの球換算平均粒径は、該
パウダーの平均体積と同じ体積を有する球の直径として
定義される。尚、パウダーの平均体積(V)は、無作為
に取り出された100粒の熱可塑性エラストマー組成物
のパウダーの合計重量(W)と熱可塑性エラストマー組
成物の密度(D)と平均体積(V)に関する下記式: V = W / D によって定義される。また、パウダーのかさ比重は、J
IS K−6721に準拠して定義及び測定される。
【0028】上記のようなパウダーは、以下に述べるよ
うな種々の方法で製造することができる。
【0029】冷凍粉砕−溶剤処理法:熱可塑性エラスト
マー組成物をそのガラス転移温度以下(通常は−70℃
以下、好ましくは−90℃以下)に冷却し、粉砕する。
次いで、上記の冷凍粉砕法によって製造された粉末を、
熱可塑性エラストマー組成物との相溶性に劣る溶剤中
で、分散剤と乳化剤の存在下に、熱可塑性エラストマー
組成物の溶融温度以上、好ましくは該溶融温度よりも3
0〜50℃高い温度で攪拌した後、冷却する(例えば、
特開昭62−280226号公報参照)。
【0030】ストランドカット法:溶融している熱可塑
性エラストマー組成物をダイスから空気中に押し出して
ストランドとし、これを冷却して切断する(例えば、特
開昭50−149747号公報参照)。
【0031】ダイフェースカット法: 溶融している熱
可塑性エラストマー組成物をダイスから水中に押し出し
ながら切断する。
【0032】上記の溶剤処理法においては、溶剤として
は、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどが、熱可塑性エラス
トマー組成物100重量部当たり、通常は300〜10
00重量部、好ましくは400〜800重量部の範囲で
使用される。分散剤としては、例えばエチレン−アクリ
ル酸共重合体、無水ケイ酸、酸化チタンなどが、熱可塑
性エラストマー組成物100重量部当たり、通常は5〜
20重量部、好ましくは10〜15重量部の範囲で使用
される。乳化剤としては、例えばポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコールモノ
ラウレート、ソルビタントリステアレートなどが、熱可
塑性エラストマー組成物100重量部当たり、通常は3
〜15重量部、好ましくは5〜10重量部の範囲で使用
される。前記のストランドカット法においては、ダイス
の吐出口径は、通常は0.1〜3mm、好ましくは0.2
〜2mmの範囲にある。ダイスの吐出口1 個当たりの熱可
塑性エラストマー組成物の吐出速度は、通常は0.1〜
5kg/時、好ましくは0.5〜3kg/時の範囲にある。
ストランドの引取速度は、通常は1〜100m /分、好
ましくは5〜50m/分の範囲にある。また、冷却され
たストランドは、通常は1.4mm以下、好ましくは0.
3〜1.2mmに切断される。前記のダイフェースカット
法においては、ダイスの吐出口径は、通常は0.1〜3
mm、好ましくは0.2〜2mmの範囲にある。ダイスの吐
出口1 個当たりの熱可塑性エラストマー組成物の吐出速
度は、通常は0.1〜5kg/時、好ましくは0 .5〜3
kg/時の範囲にある。水の温度は、通常は30〜70
℃、好ましくは40〜60℃の範囲にある。
【0033】上記の熱可塑性エラストマー組成物のパウ
ダーは、粉末スラッシュ成形法、流動浸漬法、静電塗装
法、粉末溶射法、粉末回転成形法などの種々の粉末成形
法、プレス成形法、押出成形法、射出成形法等に適用す
ることができる。例えば、粉末スラッシュ成形法は次の
ようにして行われる。まず、熱可塑性エラストマー組成
物のパウダーを、該組成物の溶融温度以上、通常は16
0〜300℃、好ましくは210〜270℃に加熱され
た金型の成形面上に供給する。該成形面上で前記パウダ
ーを所定の時間の間加熱し、少なくとも表面が溶融した
パウダーを、互いに融着させる。該所定時間が経過した
後に、融着しなかった粉末を回収する。必要であれば、
溶融した熱可塑性エラストマー組成物がのっている金型
を更に加熱する。その後、金型を冷却して、その上に形
成されたシートを金型から取り外す。このような方法に
おいて、金型は、例えばガス加熱炉方式、熱媒体油循環
方式、熱媒体油内又は熱流動砂内への浸漬方式、高周波
誘導加熱方式などによって加熱される。熱可塑性エラス
トマー組成物パウダーを熱融着させるための加熱時間
は、目的とする成形体の大きさや厚みなどに応じて適宜
選択される。
【0034】本発明の熱可塑性エラストマー組成物パウ
ダーから得られる本発明の成形体は、欠肉・ピンホール
等の不具合がなく成形性に優れ、折り曲げられても白化
し難いという特徴を有する。
【0035】尚、発泡剤を含有する本発明の熱可塑性エ
ラストマー組成物パウダーを用いて、種々の成形法、例
えば粉末成形法、プレス成形法、押出成形法或いは射出
成形法などによって、柔軟性に優れた発泡成形体を製造
することができる。例えば、発泡剤を含有する本発明の
熱可塑性エラストマーパウダーを粉末成形し、更に発泡
させることにより、発泡成形体を製造することができ
る。発泡剤はパウダー内部に予め含有されていてもよい
し、ヘンシェルミキサー等の回転ミキサーによって、パ
ウダーの表面にコーティングされていてもよい。発泡剤
としては、通常は熱分解型発泡剤が用いられる。かかる
熱分解型発泡剤の例には、アゾジカルボンアミド、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾジアミノベ
ンゼンなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、ベンゼン−1,3−スルホニルヒドラジド、p−ト
ルエンスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジ
ド化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレ
フタルアミドなどのニトロソ化合物、テレフタルアジド
などのアジド化合物、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモ
ニウム、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩類などが含まれ
る。中でも、アゾジカルボンアミドが好ましく使用され
る。発泡剤の配合は、通常は発泡剤の分解温度以下の温
度で行われる。また、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物は、発泡剤と共に、発泡助剤やセル調整剤を含有し
ていてもよい。
【0036】本発明の熱可塑性エラストマー組成物から
得られる成形体は、例えば発泡体が積層されて二層成形
体を構成することができる。かかる二層成形体は、例え
ば特開平5−473号公報に開示されるような粉末成形
法によって製造することができ、また、別々に製造され
た本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体
と発泡体とを接着剤などで接着する方法によって製造す
ることもできる。粉末成形法による場合には、先に記載
した方法に準じて、粉末成形用金型の成形面上に発泡剤
を含有しない本発明の熱可塑性エラストマー組成物から
なる層を形成させ、その層の上に、発泡剤と熱可塑性樹
脂(或いは熱可塑性エラストマー)とを含有する組成物
を更に供給し、該粉末同士を熱融着させて新たな層を形
成させ、更に、発泡剤を含有するその組成物の層を発泡
させることにより製造することができる。また、これと
類似の方法によって、非発泡層/発泡層/非発泡層とい
う構成の複合成形体を製造することもできる。ここで、
二つの非発泡層は同一のものであっても異なるものであ
ってもよい。上記の二層成形体及び複合成形体の製造に
使用される発泡剤としては、前記と同様の熱分解型発泡
剤を用いることができる。前記の発泡剤を含有する組成
物に含まれる熱可塑性樹脂或いは熱可塑性エラストマー
としては、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
オレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられるま
た、前記の発泡剤を含有する組成物として、特開平7−
228720号公報に開示されているポリエチレン系発
泡性組成物を使用することもできる。また、前記の発泡
層は、発泡ポリウレタンからなるものでもよい。この場
合には、一般に本発明の熱可塑性エラストマー組成物と
ポリウレタンとが接着性に劣るため、通常は、本発明の
熱可塑性エラストマー組成物の表面を塩素化ポリエチレ
ンなどのプライマーで前処理することにより接着性を向
上させることが好ましい。尚、前記の発泡ポリウレタン
からなる発泡層は、例えば、本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物からなる成形体と後述する樹脂芯材との間に
ポリオール、ポリイソシアナート及び発泡剤からなる混
合液を供給し、これを発泡させることにより形成させる
ことができる。
【0037】上に説明した本発明の熱可塑性エラストマ
ー組成物パウダーを成形して得られる成形体、或いは本
発明の熱可塑性エラストマー組成物の層と発泡層とを含
む複合成形体は、樹脂成形体(樹脂芯材)用の表皮材と
して用いられて多層成形体を形成することができる。例
えば、本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなるシ
ート(表皮材)は樹脂芯材に貼合されて二層成形体を構
成することができ、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物の層と発泡層とからなる二層成形体(二層表皮材)
は、その発泡層側で樹脂芯材に貼合されて三層成形体を
構成することができる。
【0038】前記樹脂芯材を構成する樹脂としては、例
えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン共重合体樹脂)などの熱可塑性樹脂が挙げられ
る。中でもポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が
好ましく使用される。
【0039】上記のような多層成形体は、例えば前記表
皮材の片側に溶融した樹脂を供給し、加圧することによ
って製造することができる。前記の加圧は、樹脂の供給
の完了後に開始されてもよいし、樹脂の供給完了前に開
始されて、樹脂の供給完了後まで継続されてもよい。ま
た、前記の加圧は、成形装置の型締めによって行われて
もよいし、樹脂の供給圧力によって行われてもよい。
【0040】上記のような多層成形体の製造には、射出
成形法、低圧射出成形法、低圧圧縮成形法などの種々の
方法を適用することができる。例えば、開放位置と閉鎖
位置との間を相対的に自由に移動することができる一対
の第一及び第二の金型部材を含む成形装置を用いて、開
放位置にある第一及び第二の金型部材の間に、本発明の
熱可塑性エラストマー組成物からなる層を含む表皮材を
供給し、次いで、該表皮材と一方の金型部材との間に溶
融した樹脂を供給する。樹脂を供給した後に、或いは供
給しながら、第一及び第二の金型部材を相対的に移動さ
せて表皮材と樹脂とを圧縮することにより、多層成形体
を製造することができる。
【0041】例えば、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物からなる層と発泡層とからなる表皮材を使用する場
合には、上記の方法において、表皮材の発泡層とそれに
対向する金型部材との間に溶融した樹脂を供給する。上
記の方法において、表皮材と金型部材との間への樹脂の
供給は、例えば、該金型部材中に設けられた樹脂通路か
ら行うこともできるし、成形装置の外側に設けられた樹
脂供給装置の樹脂供給ノズルを表皮材と金型部材との間
に挿入して樹脂を供給し、その後に樹脂供給ノズルを退
出させることにより行うこともできる。尚、第一及び第
二の金型部材の移動方向は、特に制限はされず、例えば
鉛直方向でも、水平方向でもよい。
【0042】上記の方法は、第一及び第二の金型部材が
閉鎖位置に保持され状態で溶融した熱可塑性樹脂が供給
される射出成形法に比べて、表皮材の位置のずれが少な
く、しかも表皮材の損傷も回避することができるので、
より好ましい。
【0043】また、先に述べた粉末成形法によって製造
された表皮材を用いる場合には、粉末成形において使用
した金型を、多層成形体製造用の金型部材として応用す
ることができる。この場合には、通常、粉末成形用の金
型を、粉末成形によって形成された表皮材をその成形面
上に保持したまま、前記第一の金型部材に取り付け、そ
の後に、上記と同様の操作を行うことにより多層成形体
が製造される。この方法によれば、粉末成形によって表
皮材の表面に施された模様が殆ど損なわれることなく、
多層成形体を製造することができる。
【0044】前記一対の金型部材は、例えば、第一の金
型部材の外周面と第二の金型部材の内周面とが摺動可能
な、いわゆる一対の雌雄金型部材であることができる。
この場合に、前記内周面と外周面との間の距離(クリア
ランス)を、使用する表皮材の厚みと概ね等しく設定す
ることにより、端部に余分の表皮材を有する多層成形体
を製造することができる。この余分の表皮材を多層成形
体の裏面に向かって折り返すことにより、端部まで表皮
材で覆われた多層成形体を製造することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物か
らなるパウダーは、複雑形状であっても欠肉、ピンホー
ル等の不具合がなく、折り曲げても容易には白化するこ
とのない成形体を与えることができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明は、これらの実施例には限定されない。
【0047】評価方法 〔1〕複素動的粘度η* (1) ダイナミックアナライザー(レオメトリックス社製、R
DS−7700型)を用いて、平行平板モード、印加歪
み5%、サンプル温度250℃、振動周波数ω=1ラジ
アン/秒で、サンプルの貯蔵粘弾性率G’(1)及び損
失粘弾性率G''(1)を測定し、これらの値から、前記
の式〔1〕によってη* (1)を算出した。
【0048】〔2〕 ニュートン粘性指数n η* (1)の測定に使用したのと同じサンプルについ
て、貯蔵粘弾性率及び損失粘弾性率の測定時の振動周波
数ωを100ラジアン/秒とした以外はη* (1)の測
定と同様にして複素動的粘度η* (100)を測定し
た。求められたη*(1)とη* (100)とを用い
て、前記の式〔2〕によってnを算出した。
【0049】〔3〕熱可塑性エラストマー組成物の粉末
の球換算平均粒径 熱可塑性エラストマー組成物の粒子100個を無作為に
採取し、その合計重量を求めた。この値と、熱可塑性エ
ラストマー組成物の比重とから粒子1個当たりの平均体
積を算出し、この平均体積と同体積の球の直径を算出し
て、その値を熱可塑性エラストマー組成物の粉末の球換
算平均粒径とした。
【0050】〔4〕熱可塑性エラストマー組成物の粉末
のかさ比重 JIS K−6721に準拠して、熱可塑性エラストマ
ーの粉末のかさ比重を算出した。
【0051】〔5〕成形体の外観 得られた成形体において、図3に示す3つの凸部A(高
さ7mm、幅5mm)、B(高さ11mm、幅25mm)及びC
(高さ15mm、幅25mm)の各エッジにおけるピンホー
ル及び欠肉の有無を目視で観察し、以下に示す基準で評
価した。 ++:凸部A、B及びCのいずれのエッジにも、ピンホ
ール及び欠肉は認められなかった。 +:凸部A及びBのエッジにはピンホールも欠肉も認め
られなかったが、凸部Cのエッジにはピンホール又は欠
肉が認められた。 −:凸部Aのエッジにはピンホールも欠肉も認められな
かったが、凸部B及びCのエッジにはピンホール又は欠
肉が認められた。 −−:凸部A、B及びCのいずれのエッジにもピンホー
ル又は欠肉が認められた。
【0052】〔6〕成形体の折り曲げ白化試験 中央部で折り曲げた成形体に、500gf又は1kgf の荷
重を1分間掛け、その後に荷重を取り除き、成形体の折
り曲げられていた部分の白化状態を目視により以下の基
準で評価した。 +:白化が殆ど認められなかった。 −:白化が僅かに認められた。 −−:著しい白化が認められた。
【0053】〔7〕 成形体の硬度 成形体を1cm×5cmに切断したものを10枚重ね、デュ
ロメーター−ショアA硬度測定機を用いてショアA硬度
を測定した。
【0054】参考例1 EPDM(プロピレン単位含有量=28重量% 、ヨウ素
価=12、ML1+4 (100℃)=242)と鉱物油系
軟化剤(出光興産社製、ダイアナプロセスPW−38
0)とを1:1の重量比で含有し、ML1+4 (100
℃)が53である油展EPDM(住友化学社製、エスプ
レンE670F)50重量部に、50重量部のプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体樹脂(エチレン単位含有
量=4.5重量%、MFR=90g /10分)と架橋助剤
(住友化学社製、スミファインBM、ビスマレイミド化
合物)0.6重量部とを加えて、バンバリーミキサーを
用いて10分間混練し、溶融混練物を押出機とペレタイ
ザーを用いてペレット状に加工した。このペレット10
0重量部と2,3−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルペルオキシノ)ヘキサン(三建加工社製、サンペロッ
クスAPO)0.4重量部を二軸押出機を用いて200
℃、せん断速度1.2×103 -1で混練して動的架橋
して、η* (1)が1.5×103 ポイズ、nが0.2
5である組成物を得た。次いで該組成物を二軸押出機か
ら押し出し、ペレタイザーを用いてペレット状に加工し
た。
【0055】実施例1 (熱可塑性エラストマー組成物パウダーの製造)参考例
1で得た熱可塑性エラストマー100重量部および水添
ジエン系重合体(日本合成ゴム社性、ダイナロン132
0P、水添ブタジエン−スチレンランダム共重合体、ス
チレン単位10重量%、水添率99%、η* (1)=
2.1×104 ポイズ、n=0.23)10重量部を3
0mmφ押出機に入れて160℃に加熱・混練したの
ち、吐出口径1.0mmのダイス(温度160℃)から
吐出速度1kg/時/穴で吐き出し、引取速度32m/
分で引き取った後、冷却し、直径0.8mmのストラン
ドを得た。次いでこれをペレタイザーで切断することに
より、球換算平均粒径0.90mmの熱可塑性エラスト
マー組成物パウダー(複素動的粘度η* (1)=1×1
3 ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.16)を得
た。
【0056】(スラッシュ成形法による成形体の製造)
図1に概略図が示されている成形装置を使用して、上記
で得たパウダーの粉末スラッシュ成形を行った。始め
に、上で得た粉末(3)を容器(2)中に供給し、次い
で、図1に示すように、該容器(2)と金型(1)とを
各々の開口部の周縁が互いに密着するように合わせて固
定した。前記の金型(1)は、図2に示すように、成形
面に3個の凹部、すなわち深さ7mmの凹部A、深さ11
mmの凹部B及び深さ15mmの凹部Cを有しており、各凹
部の開口部は、一辺の長さが25mmの正方形であった。
また、金型(1)の成形面の全体には、皮シボ模様が施
されていた。金型(1)の温度は250℃であった。
【0057】容器(2)と金型(1)とを固定した後、
直ちに両者を一軸回転装置を用いて回転軸(4)を中心
として180°回転させて、粉末(3)を金型(1)の
成形面上に供給した。次いで、互いに固定された容器
(2)及び金型(1)を、15秒間かけて前記回転軸
(4)を中心とする振幅45°の範囲で2往復揺動させ
て粉末(3)を溶融させ、金型(1)の成形面に溶融し
た粉末(3)を付着させた。その後、上記固定された容
器(2)及び金型(1)を再度180°回転させて元の
位置に戻し、金型(1)の成形面に付着しなかったパウ
ダー(3)を容器(2)に回収した。
【0058】次いで、溶融したパウダー(3)が付着し
ている金型(1)を容器(2)から取り外し、これを2
50℃のオーブン中で2分間加熱した後、冷却した。そ
の後、成形体(5)を金型(1)から取り外した。得ら
れた成形体(5)は、厚みが1.2mmであり、3個の凸
部、すなわち高さ7mmの凸部A、高さが11mmの凸部
B、及び高さが15mmの凸部Cを有していた。いずれの
凸部も、付け根部分は1辺が25mmの正方形であった。
また、金型(1)に接していた成形体の表面には、金型
(1)の成形面に施されていた皮シボ模様が正確に転写
されていた。この成形体の断面図を図3に示す。また、
断面図(5)を図3に示し、成形体の評価結果を表1に
示す。
【0059】実施例2〜4 吐出速度および引取速度を表1に記載のとおりとする以
外は実施例1と同様に操作して、熱可塑性エラストマー
組成物パウダー(複素動的粘度η* (1)=9×102
ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.15)を得、成形
体を得た。評価結果を表1に示す。
【0060】実施例5 水添ジエン系共重合体の使用量を20重量部とする以外
は、実施例1と同様に操作して、熱可塑性エラストマー
組成物パウダー(複素動的粘度η* (1)=1.1×1
3 ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.14)を得、
成形体を得た。評価結果を表1に示す。
【0061】比較例2 参考例1で得た熱可塑性エラストマー100重量部およ
び水添ジエン系重合体(日本合成ゴム社性、ダイナロン
1320P、水添ブタジエン−スチレンランダム共重合
体、スチレン単位10重量%、水添率99%、η
* (1)=2.1×104 ポイズ、n=0.23)10
重量部を二軸押出機に入れて200℃に加熱・混練して
熱可塑性エラストマー組成物(複素動的粘度η* (1)
=1×103 ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.1
6)を得た。この熱可塑性エラストマー組成物を液体窒
素にて−100℃に冷却した後、冷却状態のまま直ちに
粉砕し、タイラー標準ふるい32メッシュ(目開き50
0μm×500μm)を通過する熱可塑性エラストマー
パウダーを得た。次いでこの熱可塑性エラストマーパウ
ダーを用いる以外は実施例1と同様に操作して成形体を
得た。評価結果を表1に示す。
【0062】参考例2 プロピレン・エチレンランダム共重合体樹脂(エチレン
単位4.5重量%、MFR=228g/10分)66.
7重量部とエチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム
(住友化学社製、エスプレンV0141,プロピレン単
位含有量27重量%、MFR=0.7g/10分)3
3.3重量部とを二軸混練機を用いてせん断速度1.2
×103 -1、温度200℃で混練して熱可塑性エラス
トマー(複素動的粘度η* (1)=1.8×103 ポイ
ズ、ニュートン粘性指数n=0.12)を得た。
【0063】実施例6 参考例2で得た熱可塑性エラストマー100重量部およ
び水添ジエン系重合体(日本合成ゴム社製、ダイナロン
1320P、水添ブタジエン−スチレンランダム共重合
体、スチレン単位10重量%、水添率99%、η
* (1)=2.1×104 ポイズ、n=0.23)6
6.7重量部を30mmφ押出機に入れて160℃に加
熱・混練したのち、吐出口径1.0mmのダイス(温度
160℃)から吐出速度0.8kg/時/穴で吐き出
し、引取速度35m/分で引き取った後、冷却し、直径
0.8mmのストランドを得た。次いでこれをペレタイ
ザーで切断することにより、球換算平均粒径0.80m
mの熱可塑性エラストマー組成物パウダー(複素動的粘
度η* (1)=4×103 ポイズ、ニュートン粘性指数
n=0.14)を得た。次いで実施例1と同様に操作し
て成形体を得た。評価結果を表1に示す。
【0064】比較例3 参考例1で得た熱可塑性エラストマー100重量部を3
0mmφ押出機に入れて160℃に加熱・混練したの
ち、吐出口径1.0mmのダイス(温度160℃)から
吐出速度0.8kg/時/穴で吐き出し、引取速度30
m/分で引き取った後、冷却し、直径0.8mmのスト
ランドを得た。次いでこれをペレタイザーで切断するこ
とにより、球換算平均粒径0.91mmの熱可塑性エラ
ストマー組成物パウダーを得た。次いで実施例1と同様
に操作して成形体を得た。評価結果を表1に示す。
【0065】比較例4 参考例1で得た熱可塑性エラストマーを液体窒素にて−
100℃に冷却した後、冷却状態のまま直ちに粉砕し、
タイラー標準ふるい32メッシュ(目開き500μm×
500μm)を通過する熱可塑性エラストマーパウダー
を得た。次いでこの熱可塑性エラストマーパウダーを用
いる以外は実施例1と同様に操作して成形体を得た。評
価結果を表1に示す。
【0066】実施例7 プロピレン・エチレン共重合体樹脂(エチレン単位含有
量4.5重量%、MFR=228g/10分)100重
量部と水添ジエン系重合体(日本合成ゴム社製、ダイナ
ロン1320P、水添ブタジエン−スチレンランダム共
重合体、スチレン単位10重量%、水添率99%、η*
(1)=2.1×104 ポイズ、n=0.23)100
重量部を30mmφ押出機に入れて160℃に加熱・混
練したのち、吐出口径1.0mmのダイス(温度160
℃)から吐出速度1kg/時/穴で吐き出し、引取速度
32m/分で引き取った後、冷却し、直径0.8mmの
ストランドを得た。次いでこのストランドをペレタイザ
ーで切断することにより、球換算平均粒径0.91mm
の熱可塑性エラストマー組成物パウダー(複素動的粘度
η* (1)=1.2×103 ポイズ、ニュートン粘性指
数n=0.12)を得た。以下、実施例1と同様に操作
して成形体を得た。評価結果を表2に示す。
【0067】実施例8 水添ジエン系共重合体の使用量を200重量部とする以
外は、実施例1と同様に操作して、熱可塑性エラストマ
ー組成物パウダー(複素動的粘度η* (1)=4×10
3 ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.14)を得、成
形体を得た。評価結果を表2に示す。
【0068】比較例5 ダイスからの吐出速度および引取速度を表2に記載の通
りとする以外は実施例1と同様に操作して、熱可塑性エ
ラストマー組成物パウダー(複素動的粘度η*(1)=
1.2×103 ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.1
2)を得、成形体を得た。評価結果を表2に示す。
【0069】比較例6 プロピレン・エチレン共重合体樹脂(エチレン単位含有
量4.5重量%、MFR=228g/10分)100重
量部と水添ジエン系重合体(日本合成ゴム社製、ダイナ
ロン1320P、水添ブタジエン−スチレンランダム共
重合体、スチレン単位10重量%、水添率99%、η*
(1)=2.1×104 ポイズ、n=0.23)100
重量部を二軸押出機に入れて200℃に加熱・混練して
熱可塑性エラストマー組成物(複素動的粘度η* (1)
=1.2×103 ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.
12)を得た。この熱可塑性エラストマー組成物を切断
機を用いてペレットにした。
【0070】上記で得た熱可塑性エラストマー組成物の
ペレットを液体窒素にて−100℃に冷却した後、冷却
状態のまま直ちに粉砕し、タイラー標準ふるい32メッ
シュ(目開き500μm×500μm)を通過する熱可
塑性エラストマー組成物パウダーを得た。次いでこの熱
可塑性エラストマー組成物パウダーを用いる以外は実施
例1と同様に操作して成形体を得た。評価結果を表2に
示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】熱可塑性エラストマーパウダーの入った容器と
スラッシュ成形用金型の断面概念図である。
【図2】スラッシュ成形用の金型の正面図である。
【図3】成形体の断面図である。
【符号の説明】 1:スラッシュ成形用の金型 2:容器 3:熱可塑性エラストマーパウダー 4:回転軸 5:成形体 A:成形体凸部 B:成形体凸部 C:成形体凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 B32B 27/32 Z C08C 19/02 C08C 19/02 C08J 3/12 CER C08J 3/12 CERZ C08L 15/00 C08L 15/00 23/08 23/08 23/16 23/16 // B29K 23:00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部、共
    役ジエン重合体またはビニル芳香族化合物単位が25重
    量%以下である共役ジエン−ビニル芳香族化合物ランダ
    ム共重合体が水添されてなり、水添率が70%以上であ
    る水添ジエン系共重合体5〜250重量部およびエチレ
    ン・α−オレフィン系共重合体ゴム0〜500重量部を
    含有する熱可塑性エラストマー組成物からなり、球換算
    平均粒径が1.20mm以下でありかつ、かさ比重が
    0.38以上であることを特徴とする熱可塑性エラスト
    マーパウダー。
  2. 【請求項2】 250℃において振動周波数1ラジアン
    /秒で測定される複素動的粘度η* (1)が5×104
    ポイズ以下である請求項1に記載の熱可塑性エラストマ
    ー組成物パウダー。
  3. 【請求項3】 η* (1)と250℃において振動周波
    数100ラジアン/秒で測定される複素動的粘度η
    * (100)とを用いて式〔1〕によって算出されるニ
    ュートン粘性指数nが0.28以下である、請求項1に
    記載の熱可塑性エラストマー組成物パウダー。 n={logη* (1)−logη* (100)}/2 〔1〕
  4. 【請求項4】 η* (1)が5×104 ポイズ以下であ
    り、nが0.28以下である、請求項1に記載の熱可塑
    性エラストマーパウダー。
  5. 【請求項5】 溶剤処理法、ストランドカット法又はダ
    イフェースカット法によって製造される請求項1に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物パウダー。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物パウダーを用いることを特徴とする粉末成形方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物パウダーが粉末成形されてなることを特徴とする
    成形体。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の成形体の一方の面側に
    発泡層が積層されてなることを特徴とする二層成形体。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の成形体の一方の面側に
    熱可塑性樹脂芯材が積層されてなることを特徴とする二
    層成形体。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の二層成形体の発泡層
    側に熱可塑性樹脂芯材が積層されてなることを特徴とす
    る多層成形体。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の成形体の一方の面側
    に熱可塑性樹脂溶融体を供給し、加圧することを特徴と
    する請求項9に記載の二層成形体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項8の二層成形体の発泡層側に熱
    可塑性樹脂溶融体を供給し、加圧することを特徴とする
    請求項10に記載の多層成形体の製造方法。
  13. 【請求項13】 開放された一対の金型間に請求項7に
    記載の成形体を供給し、次いで該成形体の一方の面側と
    これに対向する一方の金型との間に熱可塑性樹脂溶融体
    を供給した後または供給しながら両金型を型締めするこ
    とを特徴とする請求項11に記載の二層成形体の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 開放された一対の金型間に請求項8に
    記載の成形体を供給し、次いで該成形体の発泡層とこれ
    に対向する一方の金型との間に熱可塑性樹脂溶融体を供
    給した後または供給しながら両金型を型締めすることを
    特徴とする請求項12に記載の多層成形体の製造方法。
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