JPH1081687A - ジケトピロロピロール誘導体の製造方法 - Google Patents

ジケトピロロピロール誘導体の製造方法

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JPH1081687A
JPH1081687A JP9147565A JP14756597A JPH1081687A JP H1081687 A JPH1081687 A JP H1081687A JP 9147565 A JP9147565 A JP 9147565A JP 14756597 A JP14756597 A JP 14756597A JP H1081687 A JPH1081687 A JP H1081687A
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formula
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diketopyrrolopyrrole
hydrogen
diketo
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JP9147565A
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English (en)
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Shivakumar Basalingappa Hendi
バサリンガッパ ヘンディ シバクマー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Novartis AG
BASF Schweiz AG
Original Assignee
Ciba Geigy AG
Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D487/04Ortho-condensed systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B57/00Other synthetic dyes of known constitution
    • C09B57/004Diketopyrrolopyrrole dyes

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ジケトピロロピロールをホルムアルデヒドまた
はパラホルムアルデヒドと反応させて2、5−ビス(ヒ
ドロキシメチル)−3、6−ジアリールピロロピロール
−1、4−ジオンを生成させ、これを単離するか、また
はさらに反応させる1、4−ジケト−3、6−ピロロピ
ロール誘導体の製造方法を提供する。 【解決手段】1、4−ジケトピロロピロールをホルムア
ルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと反応させて、下
記式(II) (式中、AとAとはアリール残基である)のビス
(ヒドロキシメチル)ピロロピロール化合物を製造する
方法。上記化合物は単離することもできるし、また、さ
らにワン・ポット合成によって反応させて、下記式
(I) (式中、BとBとは有機残基である)の化合物を生
成させることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ジケトピロロピロールをホルム
アルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと反応させて
2、5−ビス(ヒドロキシメチル)−3、6−ジアリー
ルピロロピロール−1、4−ジオンを生成させ、これを
単離するか、またはさらに反応させる1、4−ジケト−
3、6−ピロロピロール誘導体の製造方法に関する。
【0002】さらに、本発明は、2、5−ビス(ヒドロ
キシメチル)−3、6−ジアリールピロロピロール−
1、4−ジオンを有機残基B1 およびB2 の前駆体と反
応させる方法、およびその有機残基B1 およびB2 の前
駆体が1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ
[3,4−c]ピロールまたはキナクリドンである製造
方法、さらに、2、5−ビス(ヒドロキシメチル)−
3、6−ジアリールピロロピロール−1、4−ジオンな
らびにその製造方法に関する。さらには、本発明は置換
基として2個のキナクリドン残基を有するジケトピロロ
ピロール誘導体、および置換基として2個のジアリール
ジケトピロロピロール残基を有するジケトピロロピロー
ル誘導体に関する。さらにまた、本発明は、顔料組成
物、分散物の粘度を低下させる方法およびベースコート
/クリヤコート仕上げ塗層に関する。
【0003】下記式のジアリールジケトピロロピロール
は、重要な顔料として公知である。
【化10】 (式中、A1 とA2 とはアリール残基である)。米国特
許第4585878号明細書は、ジアリールジケトピロ
ロピロール顔料のN−置換誘導体を開示している。この
誘導体はポリマー可溶性染料として有用であり、また、
N−置換分が水溶性を授与しない顔料として有用であ
る。この米国特許第4585878号明細書によれば、
そのジケトピロロピロール顔料のN−置換誘導体は、有
機溶剤中において、脱離基に結合された最終的N−置換
分を含有する化合物とジアリールジケトピロロピロール
とを反応させることによって製造されるか、あるいは式
R−N=CH−A(ここにおいて、RはN−置換分であ
り、Aはアリール基である)の化合物の2モルを反応さ
せることによって、あるいは、式R−N=CH−Aの2
つの異なる化合物の各1モルを、塩基と有機溶剤との存
在下において、コハク酸ジエステルと反応させ、次にそ
の生成物を脱水素することによって製造される。
【0004】有機顔料のためのレオロジー改良剤は、高
分子有機材料中における有機顔料の分散物の粘度を低下
させる。有機顔料のためのレオロジー改良剤として機能
しうる化合物のいくつかが公知である。たとえば、フタ
ルイミドメチルキナクリドン、キナクリドンモノスルホ
ン酸塩、特にアルミニウム塩、キナクリドンのジメチル
アミノプロピルスルホンアミド誘導体およびピラゾリル
メチルキナクリドンなどが有機顔料のためのレオロジー
改良剤として公知である。これら公知のレオロジー改良
剤は、有機顔料が高分子有機材料中に分散されている場
合には、粘度をかなり低下させるが、明赤色または高彩
度オレンジ色の顔料をベースとした顔料組成物に公知の
レオロジー改良剤を配合すると、色および色飽和度が相
当な損失を受けると共に、受け入れがたい顔料特性をも
たらす。
【0005】したがって、本発明の目的は、上記のごと
き欠点を示さないレオロジー改良剤を提供することであ
る。好ましくは、そのレオロジー改良剤はN−置換ジア
リールジケトピロロピロールをベースとするものである
べきである。
【0006】しかして今回、下記式(I)のジケトピロ
ロピロール誘導体の製造方法が見い出された:
【化11】 式中、A1 とA2 とは同種または異種のアリール残基で
あり、B1 とB2 とは同種または異種の有機残基であ
り、このジケトピロロピロール誘導体はジケトピロロピ
ロール誘導体1モル当り0乃至6モルの−SO3 M(こ
こにおいて、Mは水素または金属またはアンモニウム陽
イオンである)を含有する。本発明によるこの誘導体の
製造方法は、式
【化12】 の1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロピロール
を、第一工程において、ホルムアルデヒドまたはパラホ
ルムアルデヒドと反応させて、式
【化13】 のスルホン化または非スルホン化中間体を生成させ、こ
の中間体を、第2工程において、有機残基B1 およびB
2 の前駆体と反応させて式(I)のジケトピロロピロー
ル誘導体を生成させることを特徴とする。
【0007】さらに、2、5−ビス(ヒドロキシメチ
ル)−3、6−ジアリールピロロピロール−1、4−ジ
オンを有機残基B1 およびB2 の前駆体と反応させる方
法、該有機残基B1 およびB2 の前駆体が1、4−ジケ
ト−3、6−ジアリールピロロ[3,4−c]ピロール
またはキナクリドンである方法、2、5−ビス(ヒドロ
キシメチル)−3、6−ジアリールピロロピロール−
1、4−ジオンならびにその製造方法、置換基として2
個のキナクリドン残基を有するジケトピロロピロール誘
導体、置換基として2個のジアリールジケトピロロピロ
ール残基を有するジケトピロロピロール誘導体、顔料組
成物、分散物の粘度を低下させる方法、およびベースコ
ート/クリヤコート仕上げ塗層もまた見い出された。
【0008】本発明は、N−置換分が -CH2-鎖または
-O−CH2-鎖によってジアリールジケトピロロピロー
ルに結合しているジアリールジケトピロロピロール顔料
の各種のN−置換誘導体の製造方法に関する。本発明の
方法は、ジアリールジケトピロロピロールをホルムアル
デヒドまたはパラホルムアルデヒドと反応させて2、5
−ビス(ヒドロキシメチル)−3、6−ジアリールピロ
ロピロール−1、4−ジオン中間体を生成させ、この中
間体を、単離して、または単離しないで、さらにヒドロ
キシメチル基と反応する第2の反応体と反応させる工程
を包含する。この反応生成物は、着色剤として、また顔
料分散物のためのレオロジー改良剤として有用である。
2、5−ビス(ヒドロキシメチル)−3、6−ジアリー
ルピロロピロール−1、4−ジオン中間体は、各種のジ
ケトピロロピロール(DPP)誘導体製造のための合成
出発物質として、また、ポリマーの安定剤として有用で
ある。一般的に、第2の反応体は、置換反応によって式
(II)の化合物と反応するか、あるいは、反応して−O
−結合を形成する。
【0009】第1工程は、好ましくは、濃硫酸、好まし
くはH2SO4 濃度が90重量%以上、最も好ましくは約9
5重量%である濃硫酸中のパラホルムアルデヒドの溶液
に、1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ[3,
4−c]ピロールを添加することによって実施される。
【0010】一般的に、第1工程においては、ホルムア
ルデヒドまたはパラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒ
ドとして計算)の化学量論的量が使用される。すなわ
ち、第1工程におけるホルムアルデヒドまたはパラホル
ムアルデヒド(ホルムアルデヒドとして計算)に対する
1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ[3,4−
c]ピロールのモル比は、0.75:2乃至1.25:
2の範囲、好ましくは、1:2である。
【0011】第1工程完了後、得られた中間体を上記前
駆体と反応させて式(I)のジケトピロロピロールが得
られる。好ましくは、2つの工程とも20乃至100℃
の温度において実施される。高いスルホン化度が所望さ
れる場合には、より高温で、たとえば、約40℃より高
い温度において反応が実施される。低いスルホン化度が
所望される場合には、反応はより低い温度、好ましくは
40℃またはそれ以下の温度において実施される。
【0012】反応完了後、1、4−ジケト−3、6−ジ
アリールピロロ[3,4−c]ピロール誘導体を、1、
4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ[3,4−c]
ピロールの単離のために常用されている操作によって単
離する。特に、スルホン酸溶液を、10℃以下に保持し
た氷冷水に注入し、そして得られた水性スラリーを約1
時間撹拌し、そのあと濾過し、洗浄し、乾燥して、固体
の形態の1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ
[3,4−c]ピロール誘導体を得る。
【0013】中間体を必ずしも単離する必要がないの
で、好ましくは本発明の方法はいわゆるワン・ポット法
で実施される。しかしながら、たとえば、第2工程を第
1工程で使用された溶剤とは別の溶剤中で実施すること
が所望される場合には、第2工程を実施する前に中間体
を単離することができる。第2工程のために適当な溶剤
の例は、濃硫酸、ポリリン酸、ならびに式(II)の化合
物とは反応しない有機溶剤、特にアセトニトリル、ベン
ゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメメチルスルホ
キシド、テトラメチレンスルホンのごとき極性有機溶剤
である。
【0014】式(II)の化合物と反応する有機溶剤中に
おいて第2工程を実施して所望生成物を得ることも可能
である。式(I)の化合物が、式(II)の化合物をアル
コールと反応させて得られるエーテルである場合には、
たとえばC1-C10アルコールが適当な溶剤である。
【0015】本発明の好ましい実施態様においては、式
(II)の1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロピロ
ールを有機残基B1 およびB2 の前駆体と反応させる。
【0016】好ましくは、式(I)のジケトピロロピロ
ール誘導体は、ジケトピロロピロール誘導体1モル当り
0乃至4モルの−SO3 Mを含有し、最も好ましくは,
ジケトピロロピロール誘導体1モル当り0乃至2モルの
−SO3 Mを含有する。一般に、反応を約40乃至50
℃において実施すると、その生成物は、ジケトピロロピ
ロール誘導体1モル当り約0.5モルの−SO3 Mを含
有する。
【0017】Mは好ましくは水素、またはアルカリ金属
たとえばナトリウムまたはカリウム、アルカリ土類金属
たとえばマグネシウム、アルミニウム、亜鉛またはアン
モニウムの陽イオンである。適当なアンモニウム陽イオ
ンの例は、第四アンモニウム陽イオンたとえばトリメチ
ルセチルアンモニウムまたはトリブチルベンジルアンモ
ニウムである。
【0018】A1 およびA2 が意味するアリールの例
は、芳香族残基および複素芳香族性残基の両方を含む。
1 およびA2 として特に適当な基の例は、下記式のい
ずれかの残基である。
【化14】 上記式中、R1とR2とは互いに独立的に水素、ハロゲン、
1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アル
キルメルカプト、C1-C18アルキルアミノ、C1-C18
ルキルカルボニル、C1-C18アルキルアミノカルボニ
ル、−CN、−NO2 、トリフルオロメチル、C5-C6
シクロアルキル、−CH=N-(C1-C18アルキル)、フ
ェニル、
【化15】 イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペラジニ
ル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベ
ンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、モルホリニル、
ピペリジニルまたはピロリジニルであり、Gは -CH
2-、 -CH(CH3)- 、 -C(CH3)2-、−CH=N
−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、 -SO
2-、−CONH−または−NR7−であり、R3とR4とは互
いに独立的に水素、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-
18アルコキシ、または−CNであり、R5とR6とは互い
に独立的に水素、ハロゲンまたはC1-C6-アルキルであ
り、R7は水素またはC1-C6-アルキルである。
【0019】特に好ましくはA1 およびA2 は、それぞ
れ下記式のいずれかの基である:
【化16】 式中、R1とR2とは互いに独立的に水素、塩素、臭素、C
1-C4 アルキル、C1 −C6 アルコキシ、C1 −C6
ルキルアミノ、フェニルまたはCNであり、Gは−O
−、−NR7−、−N=N−または−SO2 −であり、R3
とR4とは水素であり、R7は水素、メチルまたはエチルで
ある。
【0020】とりわけ好ましくは、A1 およびA2 はそ
れぞれ下記式の基である:
【化17】 式中、R1とR2とは互いに独立的に水素、メチル、ter
t−ブチル、塩素、臭素、フェニルまたはCNである。
R1およびR2の少なくとも一方が水素であるのが好まし
い。最も好ましくは、R1およびR2の少なくとも一方が水
素であり、そして他方がフェニル環の3−または4−位
置の存在する。
【0021】本発明によれば、有機残基B1 およびB2
は、式(II)の化合物のヒドロキシル基と置換反応によ
って反応するか、または反応して−O−結合を形成する
前駆体から誘導される。
【0022】置換反応によってヒドロキシル基と反応す
る前駆体は、一般的に芳香族残基、複素芳香族性残基ま
たは下記式のいずれかの残基を含有している化合物であ
る:
【化18】 式中、XとYとは、それぞれ水素または脂肪族、脂環
式、芳香脂肪族、芳香族または複素環残基であるか、ま
たは、XとYとは両者一緒で3員乃至8員の環を形成す
る、Yは活性メチレン含有分子部分の残基、R10 は水
素、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族または複素環
残基であるか、または、R10 とXとは両者一緒で3員乃
至8員の環を形成する。
【0023】ヒドロキシル基と反応して−O−結合を形
成する前駆体から誘導されるB1 およびB2 の例は、ア
ルキルハロゲン化物および式X−C(=O)O−、X−
C(=S)O−、X−SO2 −O−、XO−O−の残基
である(ここにおいて、Xは前記の意味を有する)。
【0024】B1 およびB2 が意味する芳香族残基は、
特に相互に直接結合された、相互に連結基を介して結合
された、融合された、またはこれらのいずれかの組み合
わせによって結合された1、2、3、4またはそれ以上
のフェニル環を含有する残基である。ビフェニリル基
は、相互に直接結合された2個のフェニル環の一例であ
る。下記式の残基は相互に結合基を介して結合されたフ
ェニル環式を含有する基の例である:
【化19】 (式中、G1 は結合基である)。
【0025】融合フェニル環を含有している芳香族残基
の例はナフチル、アントリルおよびペンタントリルであ
る。結合基Gは、特に上記においてGの場合に例示した
結合基である。
【0026】B1 およびB2 が意味する複素芳香族性残
基は、特に1乃至4個のヘテロ原子を含有する5員、6
員または7員の芳香族性環を、1個またはそれ以上含有
している残基である。通常、ヘテロ原子は窒素、酸素、
硫黄またはこれらの組み合わせである。適当な複素芳香
族性残基の例はピロロピロール、特に1、4−ジケト−
3、6−ジアリールピロロ[3,4−c]ピロールおよ
びキナクリドンである。
【0027】好ましくは、Yは活性メチレン含有分子部
分の残基である。活性メチレン部分は、一般に電子吸引
性置換基たとえばカルボニルまたはニトリル置換基に結
合されているメチレン基である。一般に、活性メチレン
部分は、マンニヒ反応または類似の反応に関与する。通
常、Yは−CHX、−CH2-X、-(CH=CH)n-CH
2-X(ここにおいて、nは1、2または3である)であ
る。Yが−CHX基である場合、その−CHX基は、た
とえば環の一部である。B1 またはB2 がX−C(=
O)−Y−基である場合、XとYとは、たとえばシクロ
ヘキサノン環の一部を形成しうる。
【0028】XおよびZは、通常、脂肪族、脂環式、芳
香脂肪族、芳香族または複素環残基である。
【0029】脂肪族残基は、一般に直鎖状または分枝状
のC1-C10アルキル、C1-C10アルケニル、C1-C10
ルキニル残基である。
【0030】脂環式残基は、ただ1個またはそれ以上の
非芳香族炭化水素環を含有する分子部分を含む。重要な
脂環式残基は、C3-C8 シクロアルカンまたはC3-C8
シクロアルケンから誘導された残基を含む。重要な脂環
式残基の例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチルである。脂環式残基は、さらにシクロヘキサ
ンのごとく、環の上に−C(=O)−が存在しているよ
うな分子部分をも包含する。
【0031】芳香族脂肪族残基は、脂肪族部分と芳香族
部分たとえばフェニルまたは複素芳香族性部分とを含有
している分子部分である。芳香脂肪族残基の例はフェニ
ルアルカン酸、ナフチルアルカン酸、ピリジンアルカン
酸、キノリンアルカン酸、インドールアルカン酸から誘
導された残基、たとえばフェニル酢酸、フェニルプロピ
オン酸またはインドール酢酸から誘導された残基であ
る。
【0032】XおよびZとして適当な芳香族残基は、B
1 およびB2 として有用であるものとして前記に例示し
た芳香族残基である。この場合、”芳香族”残基という
言葉は複素芳香族性残基を含まない。
【0033】複素環残基は、1個またはそれ以上のヘテ
ロ原子を含有する1個またはそれ以上の非芳香環および
/または芳香環を含有する。特に、1乃至3個のヘテロ
原子を含有する3乃至8員環を含有し、ヘテロ原子は特
に窒素、酸素、硫黄である。複素環残基は、1個または
それ以上の環が1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有
している融合環系を包含する。重要な複素環式残基の例
はピリジニル、ピラニル、テトラヒドロフラニル、モル
ホリノ、ピリミジル、ピロン、オキサジン、アゼピニ
ル、トリアジニル、オキサチアジニル、ピロイル、ベン
ゾフラニル、ピペラジニル、オキサチアゾリル、オキサ
ジアゾリル、キノリニル、インドリル、カルバゾリル、
キサンテニル、アクリジニル、クマリニル、ベンゾオキ
サゾリル、ベンゾピロン、キナゾリニルなどである。複
素環式残基は、その環がラクトンまたはラクタムである
ものを包含する。
【0034】上記に例示した脂肪族、脂環式、芳香脂肪
族、芳香族、複素環残基は、R10 としても適当である。
R10 がXと一緒で環を形成する場合、その環は好ましく
は5員環または6員環である。芳香族、複素環族、脂肪
族、脂環式、芳香脂肪族の残基は、置換されていない
(水素以外のいかなる基によっても)か、あるいは1個
またはそれ以上の置換基によって置換されていて、好ま
しくは0乃至4個の通常の置換基を有する。
【0035】通常の置換基の例はヒドロキシ、カルボニ
ル、ハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキ
シ、C1-C18アルキルメルカプト、C1-C18アルキルア
ミノ、ジ(C1-C18アルキル)アミノ、C1-C18アルコ
キシカルボニル、C1-C18アルキルアミノカルボニル、
−CN、−NO2 、トリフルオロメチル、C5-C6 シク
ロアルキル、−C=N−(C1-C18アルキル)、フェニ
ルであり、アルキル基は場合によってはさらにヒドロキ
シル、ハロゲン、ニトロ、C1 −C6-アルキル、カルボ
ニル、−CNによって置換されていてもよい。
【0036】置換分のハロゲンは、典型的にはヨウ素、
フッ素、臭素、塩素であり、好ましくは塩素である;C
1-C6 アルキルの例はメチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、n−アミル、ter−アミル、ヘキシルであ
り、そしてC1-C10アルキルおよびC1-C18アルキル基
の例は、さらに加えて、ヘプチル、オクチル、2−エチ
ルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシ
ル、ヘキサデシルまたはオクタデシルなどである。
【0037】C1-C18アルコキシまたはC1-C18アルコ
キシカルボニル中のC1-C18アルコキシの例はメトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ、ヘキシルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキ
シ、ヘキサデシルオキシまたはオクタデシルオキシであ
る。
【0038】C1-C18アルキルメルカプトの例はメチル
メルカプト、エチルメルカプト、プロピルメルカプト、
ブチルメルカプト、オクチルメルカプト、デシルメルカ
プト、ヘキサデシルメルカプト、オクタデシルメルカプ
トなどである。
【0039】C1-C18アルキルアミノまたはC1-C18
ルキルアミノカルボニル中のC1-C18アルキルアミノの
例はメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ヘ
キシルアミノ、デシルアミノ、ヘキサデシルアミノまた
はオクチタデシルアミノである。C5-C6 シクロアルキ
ルの例はシクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0040】Yが意味する活性メチレンの残分を含有し
ている残基の重要な例は、各種のアセトアセトアニリ
ド、シアノアセトアニリド、ベンゾリルアセトアニリド
から誘導可能な残基、たとえばアセト酢酸エチル、マロ
ン酸エチル、シアノ酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチ
ル、マロンニトリルなどである。
【0041】式X−C(=O)-O- の重要な基の例は、
下記のごとき酸から誘導されるエステルである:C1-C
24脂肪酸たとえば酢酸、ステアリン酸、オレイン酸、リ
ノレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、トリフルオロ
酢酸、C1-C24芳香脂肪酸たとえば安息香酸、フェニル
酢酸、フェニルプロピオン酸、インドール酢酸、樹脂酸
たとえばアベチエン酸、ベヘン酸、ナフテン酸、ダイマ
ー酸。上記脂肪酸および芳香脂肪酸は、置換されていな
いか、または1個またはそれ以上の通常の置換基によっ
て置換されていてもよい。
【0042】式X−C(=O)NR10-およびX−SO2
−NR10 −の重要な基の例は、脂肪族アミンと脂肪族カ
ルボン酸またはスルホン酸、芳香族アミンと脂肪族カル
ボン酸またはスルホン酸、あるいは芳香族アミンと芳香
脂肪族カルボン酸またはスルホン酸とから製造されたア
ミドまたはスルホンアミドから誘導されるものである。
適当な式X−C(=O)NR10-およびX−SO2 −NR
10 −の残基を特に示せば、XがC1-C24アルキル、フ
ェニル、ベンジル、トリルまたはナフチルであり、そし
てR10 が水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、フェニルまたはベンジルであるものである。
【0043】式X−SO2 −、X−SO2 −O−および
X−C(=S)−O−の重要な残基の例は、XがC1-C
24脂肪族基、C6-C18芳香族基、C1-C24芳香脂肪族
基、5、6または7員複素環式環、または5、6または
7員複素環式環を含有する融合環系たとえばペンチル、
ヘキシル、フェニル、ベンゾイル、トリル、ナフチル、
ピリジニルまたはインドリルであるものである。式X−
SO2 −O−の重要な残基の例は、p−トルエンスルホ
ン酸、ナフタレンスルホン酸、ペンタンスルホン酸また
は−SO3 H水溶性化基を含有している水溶性染料から
誘導されるものを包含する。
【0044】式XZN−の重要な基の例は、N、N−ジ
1-C24アルキルアミンたとえばジメチルアミン、ジエ
チルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、アリ
ールアミンたとえばN、N−ジフェニルアミン、アラー
ルキルアミンたとえばN、N−ジベンジルアミンまたは
エチルフェニルアミン、あるいはヘテロアリ−ルアミン
たとえばアミノピリジンから誘導されるものである。さ
らに、式XZN−の残基は、XとZとが窒素原子と一緒
で3乃至8員環特に5または6員環、たとえばピペラジ
ン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ピロリジン環
またはピペリジン環を形成している基を包含する。
【0045】式XO−の重要な基の例は、XがC1-C24
脂肪族基、C5-C10脂環式基、フェニル、ベンジル、ナ
フチルまたは残基H−(CH2 CHR11 O)m −CH2
CHR11 (ここにおいて、R11 は水素またはメチル、特
に水素であり、mは1乃至20の数である)であるもの
である。
【0046】式XS−の重要な基の例は、XがC1-C24
脂肪族基、C5-C10脂環式基、フェニル、ベンジルまた
はナフチルであるものである。
【0047】下記式
【化20】 の重要な基の例はスクシンイミド、グルタールイミド、
フタルイミド、ナフタルイミドおよびイソキノリン−
1、3−ジオンから誘導される残基である。
【0048】式−N(R10 )C(=O)−O−Xの重要
な基の例は、R10 が水素、C1 −C6 アルキル、フェニ
ルまたはベンジル、特に水素またはC1 −C6 アルキル
であり、XがC1 −C6 アルキルであるもの、たとえば
ウレタンである。
【0049】公知染料たとえばアゾ、アゾメチンまたは
繊維反応性染料、たとえばトリアジン染料から誘導され
る、あるいは公知有機顔料たとえばジケトピロロピロー
ル、キナクリドン、フタロシアニン、インダントロン、
イソインドリン、イソインドロン、フラバントロン、ピ
ラントロン、アントラキノン、チオインジゴ、ペリレン
およびジオキサジン顔料から誘導される芳香族および複
素芳香族性残基は、B1 およびB2 のために適当な基で
ある。キナクリジニル基(キナクリドンから誘導され
る)および1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ
[3,4−c]ピロリル基(1、4−ジケト−3、6−
ジアリールピロロ[3,4−c]ピロールから誘誘導さ
れる)は、B1 およびB2 のために特に適当な基であ
る。
【0050】したがって、本発明の対象の1つは、B1
およびB2 が、それぞれ顔料分子部分である特にジケト
ピロロピロール、キナクリドン、フタロシアニン、イン
ダントロン、イソインドリン、イソインドロン、フラバ
ントロン、ピラントロン、アントラキノン、チオインジ
ゴ、ペリレンおよびジオキサジン顔料分子部分である式
(I)のジケトピロロピロール誘導体の製造方法に関す
る。
【0051】B1 およびB2 のために特に適当な基は、
1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ[3,4−
c]ピロリル基である。かかる基は、顔料として公知で
ある式
【化21】 の化合物から誘導される。好ましくは下記式の基が使用
される。
【化22】
【0052】B1 およびB2 が1、4−ジケト−3、6
−ジアリールピロロ[3,4−c]ピロリル基である場
合、A1 およびA2 について前記した好ましいものがこ
こでも該当する。
【0053】本発明の対象の他の1つは、B1 およびB
2 がキナクリジニル基である式(I)のジケトピロロピ
ロール誘導体の製造方法に関する。 かかる基は、下記
式の化合物から誘導される
【化23】 (式中、各Rは互いに独立的に水素、ハロゲン、カルボ
キシル、置換されていないC1-C6 アルキル、ハロゲン
によって置換されたC1-C6 アルキル、置換されていな
いC1-C6 アルコキシまたはハロゲンによって置換され
たC1 −C6 アルキルである)。
【0054】B1 およびB2 は特に下記のものから誘導
される基である:キナクリドン、2、9−ジクロロキナ
クリドン、4、11−ジクロロキナクリドン、2、9−
ジメチルキナクリドン、4、11−ジメチルキナクリド
ン、2、9−ジフルオロキナクリドン。
【0055】さらにまた、本発明は下記式の化合物に関
する
【化24】 この化合物は、化合物1モル当り0乃至6モルの−SO
3 M(ここにおいて、Mは水素または金属またはアンモ
ニウム陽イオンである)を含有し、そして式中のA1
2 とは同種または異種のアリール残基である。A1
2 とは、上記した意味を有する。
【0056】好ましくは、A1 とA2 とは、下記式のい
ずれかの残基である:
【化25】 上記式中、R1とR2とは互いに独立的に水素、ハロゲン、
1-C18アルキ、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキ
ルメルカプト、C1-C18アルキルアミノ、C1-C18アル
コキシカルボニル、C1-C18アルキルアミノカルボニ
ル、−CN、−NO2 、トリフルオロメチル、C5-C6
シクロアルキル、−C=N−(C1-C18アルキル)、フ
ェニル
【化26】 (ここにおいて、R3とR4とは後記の意味を有する)、イ
ミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペラジニ
ル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベ
ンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、モルホリニル、
ピペリジニルまたはピロリジニルであり、Gは -CH
2-、 −CH(CH3)−、−C(CH3)2 −、−CH=N
−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO2
−、−CONH−または−NR7−(ここにおいて、R7
後記の意味を有する)であり、R3とR4とは互いに独立的
に水素、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C18アルコ
キシまたは−CNであり、R5とR6とは互いに独立的に水
素、ハロゲンまたはC1-C6 アルキルであり、R7は水素
またはC1 −C6 アルキルである。
【0057】特に好ましくは、A1 およびA2 は下記式
のいずれかの残基である:
【化27】 式中、R1とR2とは互いに独立的に水素、塩素、臭素、C
1-C4 アルキル、C1 −C6 アルコキシ、C1 −C6
ルキルアミノ、フェニルまたはCN、Gは−O−、−N
R7−、−N=N−または−SO2 −、R3とR4とは水素、
R7は水素、メチルまたはエチルである。
【0058】最も好ましくは、A1 およびA2 は下記式
の基である:
【化28】 式中、R1とR2とは互いに独立的に水素、メチル、ter
t−ブチル、塩素、臭素、フェニルまたはCNである。
好ましくは、R1とR2との少なくとも一方は水素である。
【0059】式(II)の化合物は、好ましくは、−SO
3 Mを0乃至4モル、最も好ましくは、−SO3 Mを0
乃至2モル有する。
【0060】本発明は、さらに下記式の化合物の製造方
【化29】 [この化合物は、化合物1モル当り0乃至6モルの−S
3 M(ここにおいて、Mは水素または金属またはアン
モニウム陽イオンである)を含有し、そして式中のA1
とA2 とは同種または異種のアリール残基である]にも
関し、その方法は、式
【化30】 の1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロピロール
をホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと反応
させることを特徴とする。
【0061】この方法の場合にも、式(I)の化合物の
製造方法の第1工程に関して、前記した好ましい実施態
様が同じく該当する。
【0062】特に、本発明は、濃硫酸中において、1、
4−ジケト−3、6−ジアリールピロロピロールをパラ
ホルムアルデヒドと反応させる方法に関し、とりわけ
1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロピロールと
ホルムアルデヒド(またはパラホルムアルデヒド、ホル
ムアルデヒドとして計算)が0.75:2乃至1.2
5:2の範囲のモル比で、最も好ましくは約1:2のモ
ル比で存在する上記方法に関する。
【0063】低いスルホン化度が所望される場合には、
反応は40℃またはそれ以下の温度において実施され
る。一般に、反応は約20乃至120℃の範囲で実施さ
れ、この範囲内の比較的高い温度で反応が実施された場
合には通常スルホン化度は高くなる。これは最終生成物
の意図される用途によっては好ましいことであろう。
【0064】一般に、式(II)のヒドロキシメチル誘導
体は、沈殿および濾過によって単離される。たとえば、
有機溶剤中または水中に投入し、そして濾過することに
よって単離される。
【0065】本発明のいま1つの対象は、下記式(I
a)(B1 およびB2 =QA)のジケトピロロピロール
誘導体である。
【化31】 式中、A1 とA2 とは同種または異種のアリール基であ
って、上記の意味を有しQAはキナクリドン基であり;
このピロロピロール誘導体は、ピロロピロール誘導体1
モル当り0乃至6モルの−SO3 M(ここにおいて、前
記の如くMは水素または金属またはアンモニウム陽イオ
ンである)によって置換されている。
【0066】好ましくは、このピロロピロール誘導体
は、DPP誘導体1モル当り0乃至2モルの−SO3
によって、特に好ましくDPPの1モル当り0乃至0.
75モルの−SO3 Mによって置換されている。−SO
3 Mをまったく含有していないピロロピロール誘導体が
格別に好ましい。
【0067】この場合にも、上記に、A1 およびA2
関して好ましいものとして記載したことが同じく該当す
る。本発明の好ましい実施態様においては、A1 および
2はフェニルまたは4−tert−ブチルフェニルで
ある。
【0068】好ましくは、QAが下記式(III)のキナク
リドン残基である
【化32】 式中のRは通常の置換基であり、好ましくは2と9の位
置または4と11の位置に存在する。
【0069】好ましくは、各Rは互いに独立的に水素、
ハロゲン、カルボキシル、置換されていないC1-C6
ルキル、ハロゲンによって置換されたC1-C6 アルキ
ル、置換されていないC1-C6 アルコキシまたはハロゲ
ンによって置換されたC1-C6アルコキシである。
【0070】QAは好ましくは下記のものから誘導され
る基である:キナクリドン、2、9−ジクロロキナクリ
ドン、4、11−ジクロロキナクリドン、2、9−ジメ
チルキナクリドン、4、11−ジメチルキナクリドン、
2、9−ジフルオロキナクリドン。
【0071】すなわち、好ましいQA置換基は、Rが水
素、Cl ,Fまたは -CH3 である式(III)のキナクリ
ドン基である。2つのRが共に水素ではない場合には、
2つのRは同種であって、Cl ,F、 -CH3 からなる
群より選択されるのが好ましい。そして2と9の位置ま
たは4と1の位置に存在するのが最も好ましい。あるい
はまた、2つのRが共に水素であるのも好ましい。
【0072】特に重要な化合物は、A1 とA2 とが同種
であり、下記の群から選択されている化合物である:フ
ェニル、4−メチルフェニル、4−tert−ブチルフ
ェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、ビ
フェニル−1−イル(4−フェニル−フェニル)。それ
の化合物の中でも、式(III)のQA基上の置換基Rが両
方とも水素である化合物が特別に重要である。
【0073】本発明の特に好ましい実施態様において、
最も好ましい化合物は、A1 とA2とがそれぞれ下記式
の基
【化33】 (式中、R1とR2とは互いに独立的に水素、メチル、te
rt−ブチル、塩素、臭素、フェニルまたはCNであ
る)であり;そしてQAが下記式の基
【化34】 (式中、2つのRは水素、2、9−または4、11−ジ
クロロ、2、9−または4、11−ジフルオロまたは
2、9−または4、11−ジメチルである)である式
(Ia)のピロロピロール誘導体である。
【0074】本発明のさらにいま1つの対象は、下記式
(Ib)(B1 およびB2 =DPP)のピロロピロール
誘導体である。
【化35】 式中、A1 とA2 とは同種または異種のアリール基であ
って、前記の意味を有し、DPPはジアリールジケトピ
ロロピロール基であり、このジケトピロロピロール誘導
体は、ピロロピロール誘導体の1モル当り0乃至6モル
の−SO3 M(ここにおいて、Mは水素または金属また
はアンモニウム陽イオンである)によって置換されてい
る。
【0075】好ましくは、このピロロピロール誘導体
は、DPP誘導体の1モル当り0乃至2モルの−SO3
Mによって、最も好ましくDPP誘導体の1モル当り0
乃至0.75モルの−SO3 Mによって置換されてい
る。−SO3 Mを実質的に含有していないピロロピロー
ル誘導体が格別に好ましい。
【0076】好ましくは、DPPは下記式のジアリール
ジケトピロロピロール基である
【化36】 (式中、A3 およびA4 は上記に定義したA1 およびA
2 と同じ意味を有する)。
【0077】上記にA1 およびA2 に関して好ましいも
のとして記載したことがA3 およびA4 についても該当
する。
【0078】好ましい化合物はA1 とA2 とが同種であ
り、下記の群から選択されている化合物である:フェニ
ル、4−メチルフェニル、4−tert−ブチルフェニ
ル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、ビフェ
ニル−1−イル(4−フェニル−フェニル)。
【0079】それらの中でも、A3 とA4 とが同種であ
り、下記の群から選択されている化合物が特に好まし
い:フェニル、4−メチルフェニル、4−tert−ブ
チルフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニ
ル、ビフェニル−1−イル。
【0080】ピロロピロール誘導体の好ましいクラス
は、A3 とA4 とがそれぞれ4−tert−フェニルで
あるもの、そして特にA1 とA2 とが同種であって、フ
ェニル、4−tert−ブチルフェニルおよび4−メチ
ルからなる群より選択されている、とりわけ4−ter
t−ブチルフェニルである化合物である。このようなピ
ロロピロール誘導体顔料組成物に配合された場合、卓越
したレオロジー改良作用を示す。さらに加えて、所望の
顔料特性たとえば隠蔽性(不透明性)および色彩度を向
上させる。すなわち、A1 、A2 、A3 およびA4 が、
それぞれ4−tert−ブチルフェニルであるピロロピ
ロール誘導体は、本発明の格別に好ましい化合物を表
す。
【0081】ピロロピロール誘導体の別の好ましいクラ
スは、A3 とA4 とがそれぞれ4−tert−フェニル
であり、かつA1 とA2 とが同種であって、フェニル、
4−tert−ブチルフェニルおよび4−メチルからな
る群より選択されている、とりわけ4−tert−ブチ
ルフェニルであるものである。
【0082】本発明のピロロピロール誘導体は、有機顔
料のためのレオロジー改良剤として使用するために好適
である。有機顔料のためのレオロジー改良剤として、本
発明のピロロピロール誘導体は、高分子有機材料、たと
えば塗料組成物たとえば水性または溶剤型自動車用塗料
中の顔料組成物の分散物の粘度低下するように機能す
る。
【0083】したがって、本発明のいま1つの特徴は、
本発明は有機顔料と式(I、Iaおよび/またはIb)
のピロロピロール誘導体とを含有する顔料組成物に関す
る。好ましくは、本顔料組成物は、ピロロピロール誘導
体を0.1乃至20重量%含有する。最も好ましくは、
本顔料組成物はピロロピロール誘導体を1乃至10重量
%含有する。
【0084】好ましくは、式(I、Iaおよび/または
Ib)のピロロピロール誘導体は、A1 、A2 、A3
よびA4 がそれぞれ下記式の基であるように選択され
る。
【化37】 式中、R1とR2とは互いに独立的に水素、メチル、ter
t−ブチル、塩素、臭素、フェニルまたはCNである。
R1とR2との少なくとも一方は水素であるのが好ましい。
最も好ましくは、R1とR2との少なくとも一方が水素であ
り、かつ他方はフェニル環の3−または4−位置に存在
する。
【0085】本発明による重要な顔料組成物は、有機顔
料としての1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ
[3,4−c]ピロール顔料またはキナクリドン顔料
(これらの固溶体を含む)と式(I、Iaおよび/また
はIb)のピロロピロール誘導体とを含有するものであ
る。
【0086】特に好ましくは、本発明による顔料組成物
は、下記の群から選択された1、4−ジケト−3、6−
ジアリールピロロ[3,4−c]ピロール顔料と式
(I、Iaおよび/またはIb)のピロロピロール誘導
体とを含有するものである:置換されていない1,4−
ジケト−3、6−ジフェニルピロロ[3,4−c]ピロ
ール、1,4−ジケト−3、6−ジ(3−または4−ク
ロロフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール、1,4
−ジケト−3、6−ジ(3、4−ジクロロフェニル)ピ
ロロ[3,4−c]ピロール、1,4−ジケト−3、6
−ジ(3−シアノフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロ
ール、1,4−ジケト−3、6−ジ(4−tert−ブ
チルフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール、1,4
−ジケト−3、6−ジ(4−メチルフェニル)ピロロ
[3,4−c]ピロール、1,4−ジケト−3、6−ジ
(ビフェニル−1−イル)ピロロ[3,4−c]ピロー
ル。
【0087】また、特に好ましい本発明による顔料組成
物は、下記の群から選択されたキナクリドン顔料と式
(I、Iaおよび/またはIb)のピロロピロール誘導
体とを含有するものである:置換されていないキナクリ
ドン、2、9−および4、11−ジメチルキナクリド
ン、2、9−および4、11−ジクロロキナクリドン、
2、9−および4、11−ジフルオロキナクリドン。
【0088】格別に重要な本発明による顔料組成物は、
置換されていない1、4−ジケト−3、6−ジフェニル
ピロロ[3,4−c]ピロールおよび1,4−ジケト−
3、6−ジ(4−tert−ブチルフェニル)ピロロ
[3,4−c]ピロールとからなる群より選択された
1,4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ[3,4−
c]ピロール顔料と、式(Iおよび/またはIa)およ
び/または式(Ib)のピロロピロール誘導体との組み
合わせを含み、該式中のA3 とA4 とがそれぞれ4−t
ert−ブチルフェニルであり、特に好ましくは、さら
に加えてA1 とA2とが同種であって、フェニル、4−
tert−ブチルフェニルおよび4−メチルフェニルか
らなる群より選択されている、最も好ましくは、有機顔
料が赤色またはオレンジ色である場合には、tert−
ブチルフェニルであるもの、または、該式中のA3 とA
4 とがそれぞれ4−メチルフェニルであり、特に好まし
くは、さらに加えてA1 とA2 とが同種であって、フェ
ニル、4−tert−ブチルフェニルおよび4−メチル
フェニルからなる群より選択されている、特にtert
−ブチルフェニルであるものである。
【0089】本発明の顔料組成物は、有機顔料とピロロ
ピロール誘導体とのみからなることができるが、本顔料
組成物は一般に常用添加物たとえば組織改良剤、光安定
剤および特に第二のレオロジー改良剤を含有する。本明
細書において”顔料組成物”という言葉は、顔料とピロ
ロピロール誘導体と任意添加物とからなり、高分子有機
材料の中に分散されることが意図されている組成物を優
先的に意味するものである。
【0090】有用な光安定剤は紫外線吸収剤、たとえば
ベンゾトリアゾールまたは立体障害光安定剤(HAL
S)である。
【0091】組織改良剤は、本混入型顔料組成物(stir
-in pigment compositions)の特性を向上させることの
できる付加的成分として特に有用である。適当な組織改
良剤の例は、少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪
酸ならびに脂肪酸のアミド、エステルまたは塩である。
代表的脂肪酸系組織改良剤は、ステアリン酸またはベヘ
ン酸のごとき脂肪酸、ラウリルアミンまたはステアリル
アミンのごとき脂肪アミンである。さらに、ポリオール
たとえば脂肪族1、2−ジオールまたはポリビニルアル
コール、エトキシル化脂肪アルコール、エポキシ化大豆
油、ワックス、樹脂酸および樹脂酸塩なども適当な組織
改良剤である。ロジン酸とロジン酸塩は特に適当な組織
改良剤である。一般に、本発明の顔料組成物は、組織改
良剤を0乃至20重量%、好ましくは0.5乃至10重
量%含有する。
【0092】本顔料組成物中における第二のレオロジー
改良剤として有用な剤は、キナクリドン誘導体たとえば
キナクリドンスルホン酸またはその塩、特にアルミニウ
ム塩、またはピラゾリルメチルキナクリドン、またはピ
ロロピロール(DPP)誘導体たとえばDPPスルホン
酸またはその塩、あるいは式Iの別のDPP誘導体であ
る。本発明の顔料組成物が第二のレオロジー改良剤を含
有する場合、式(I,Iaおよび/またはIb),のピ
ロロピロール誘導体と第二のレオロジー改良剤との合計
量は、顔料1部当り0.2乃至20重量部の範囲内に、
最も好ましくは顔料1部当り2乃至10重量部の範囲内
である。
【0093】前記したように、高分子有機材料中の有機
顔料の分散物中における本発明のピロロピロール誘導体
の存在は、分散物の粘度を低下させる。したがって、本
発明は、さらに高分子有機材料中の有機顔料分散物の粘
度を低下させる方法にも関し、その方法は該分散物中に
粘度低下有効量の式(I,Iaおよび/またはIb)の
ピロロピロール誘導体を配合することを特徴とする。
【0094】式(I,Iaおよび/またはIb)のピロ
ロピロール誘導体は、別途分散物に添加することもでき
るが、顔料組成物の1つの成分として配合するのが好ま
しい。
【0095】好ましくは、式(Ib)のピロロピロール
誘導体は、A1 、A2 、A3 およびA4 が、それぞれ下
記式の基であるように選択される。
【化38】 式中、R1とR2とは互いに独立的に水素、メチル、ter
t−ブチル、塩素、臭素、フェニルまたはCNである。
R1とR2との少なくとも一方が水素であるのが好ましい。
最も好ましくは、R1とR2との少なくとも一方が水素であ
り、かつ他方がフェニル環の3−または4−位置に存在
する。
【0096】好ましくは、式(I,Iaおよび/または
Ib)のピロロピロール誘導体は、顔料分散物1部当り
0.1乃至20重量部の範囲の量で分散物中に存在す
る。より好ましくは、式(I,Iaおよび/またはI
b)のピロロピロール誘導体は顔料分散物1部当り0.
2乃至10重量部の範囲の量で分散物中に存在する。式
(I,Iaおよび/またはIb)のピロロピロール誘導
体が第二のレオロジー改良剤と組み合わせて使用される
場合には、式(I,Iaおよび/またはIb)のピロロ
ピロール誘導体と第二のレオロジー改良剤との合計量
は、好ましくは、顔料分散物1部当り0.1乃至20重
量部の範囲内であり、最も好ましくは、顔料分散物1部
当り0.2乃至10重量部である。
【0097】有機顔料はアゾ、アゾメチン、アントラキ
ノン、フタロシアニン、ペリノン、ペリレン、1、4−
ジケト−3、6−ジアリールピロロ[3,4−c]ピロ
ール,チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノ
ン、キナクリドン、フラバントロン、インダントロン、
アントラピリミジンおよびキノフタロンなどの顔料であ
る。特に好ましくは、1、4−ジケト−3、6−ジアリ
ールピロロ[3,4−c]ピロール顔料またはキナクリ
ドン顔料、またはこれらの混合物である。
【0098】高分子有機材料は、たとえばセルロースエ
ーテル、セルロースエステル、ポリウレタン、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリシクロアミド、ポ
リイミド、ポリエーテル、ポイエーテルケトン、ポリハ
ロゲン化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリ
ルポリマー、メタクリルポリマー、ゴム、シリコーンポ
リマー、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、メラミン
樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド
樹脂、エポキシ樹脂、ジエンゴム、またはこれらの共重
合体である。
【0099】分散物は、特に熱硬化性または架橋性塗
料、たとえば常用のバインダーを含み、高温において反
応する、焼付け仕上げ塗料を含む化学反応性塗料のため
に有用な高分子有機材料を含有する。このような塗料に
使用される高分子有機材料の例はアクリル樹脂、アルキ
ド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ブロックイソシアネート樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
セルロースエステル樹脂、またはこれらの組み合わせで
ある。本発明の方法によって製造された顔料着色高分子
有機材料は、さらに自然乾燥塗料または物理的乾燥塗
料、たとえばニトロセルロースラッカーのごときマニキ
ュアとして化粧品工業において使用されているいるよう
な通常のラッカーとしても有用である。
【0100】本発明の方法は、特に、自動車工業におい
て仕上げ塗料として通常使用されている高分子有機材料
を含有する分散物、特にアクリル/メラミン樹脂、アル
キド/メラミン樹脂または熱可塑性アクリル樹脂系なら
びに水性塗料系などの高分子有機材料含有分散物の粘度
を低下させるために好適である。
【0101】顔料分散物のための公知粘度低下剤の多く
の使用は、その顔料分散物がベースコート/クリアコー
ト自動車用仕上げ塗層におけるベースコートして使用さ
れた場合には、少なくとも彩度の幾分かが失われるとい
う結果を招く。これに対して、本発明による式(I、I
aおよび/またはIb)のピロロピロール誘導体を粘度
低下剤として使用した場合には、その顔料分散物がベー
スコート/クリアコート自動車用仕上げ塗層のベースコ
ートして使用された場合でも彩度の損失を招くことがな
い。むしろ多くの場合、本発明による式(I、Iaおよ
び/またはIb)のピロロピロール誘導体の存在によっ
て仕上げ塗層の彩度が増加する。
【0102】したがって、さらに本発明はベースコート
/クリアコート仕上げ塗層の製造方法にも関し、その方
法は高分子有機化合物中に、粘度低下かつ彩度向上有効
量の式(I,Iaおよび/またはIb)のピロロピロー
ル誘導体を含有する分散物を基質に塗布する工程を包含
することを特徴とする。式(Ib)の化合物において
は、式中のA3 とA4 とがそれぞれ4−tert−ブチ
ルフェニルであり;そしてA1 とA2 とが同種であっ
て、フェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−メ
チルフェニルからなる群より選択され;特に4−ter
t−ブチルフェニルであるのが特に好ましい。
【0103】別の好ましい実施態様は、ベースコート/
クリアコート仕上げ塗層の製造方法において、高分子有
機化合物中に有機顔料と粘度低下有効量の式(I,Ia
およびIb)のピロロピロール誘導体とを含有する分散
物を基質に塗布する工程を包含することを特徴とする。
【0104】本発明の1つの好ましい実施態様は、自動
車用仕上げ塗料のごとき塗料組成物に関し、その塗料組
成物は高分子有機材料、赤色またはオレンジ色有機顔料
および式(Ib)のピロロピロール誘導体を含有し、式
(Ib)中のA3 とA4 とがそれぞれ4−tert−ブ
チルフェニルであり;そして特に好ましくはA1 とA2
とが同種であって、フェニル、4−tert−ブチルフ
ェニル、4−メチルフェニルからなる群より選択されて
いて;特にフェニルまたは4−tert−ブチルフェニ
ルであることを特徴とする。
【0105】さらに、本発明の好ましい実施態様は、高
分子有機材料、赤色またはオレンジ色有機顔料および式
(Ib)のピロロピロール誘導体(式中、A1 、A2
3およびA4 はそれぞれフェニルであるか、またはA1
とA2 とがフェニルであり、そしてA3 とA4 とがそ
れぞれ4−tert−ブチルフェニルである)を含有す
る塗料組成物を含む。
【0106】好ましくは、赤色またはオレンジ色有機顔
料は置換されていない1、4−ジケト−3、6−ジフェ
ニルピロロ[3,4−c]ピロールと1、4−ジケト−
3、6−ジ(4−tert−ブチルフェニル)ピロロ
[3,4−c]ピロールとからなる群より選択される。
【0107】高分子有機材料は、好ましくはアクリル/
メラミン樹脂、アルキド/メラミン樹脂または熱可塑性
アクリル樹脂である。
【0108】ピロロピロール誘導体について前記に好ま
しいもとして記載したものが、本発明のすべての他の発
明の対象に対して適用される。
【0109】本明細書において、”自動車仕上げ塗料”
という文言は、自動車用に一般的に使用される仕上げ塗
料、たとえば水性および溶剤系ベースコート/クリアコ
ート仕上げ塗料を指す。このような仕上げ塗料は、自動
車以外にも各種の用途に使用される。たとえば、他のモ
ーター付き自転車、自転車、器具、電気製品等に使用さ
れる。
【0110】式(II)のヒドロキシメチルピロロピロー
ル化合物は、式(I,IaおよびIb)のジケトピロロ
ピロール誘導体製造のための中間体として有用であるば
かりでなく、ポリマー用安定剤としても有用である。
【0111】式(I、IaおよびIb)のジケトピロロ
ピロール誘導体製造は、色材として有用である。たとえ
ば、各種の材料、特に塗料、プラスチックおよびインク
のための顔料および染料として有用である。また、顔料
組成物のレオロジー特性に影響を与える添加剤として有
用である。
【0112】一般に、スルホン化度の低い式(I、Ia
およびIb)のジケトピロロピロール誘導体製造は顔料
として最も適当であり、他方スルホン化度の高いものは
染料および添加剤として有用である。以下の実施例は、
本発明の好ましい態様をさらに説明する。これらの実施
例において、部は、特に別途記載のない限り、重量部で
ある。また、粘度測定値は、すべて室温において行なっ
た。
【0113】実施例1 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、濃硫酸(95.28
%)500gを入れる。ついで、この硫酸の中にパラホ
ルムアルデヒド6.2g(0.206モル)を導入し、
続いて1、4−ジケト−3、6−ジフェニルピロロ
[3,4−c]ピロール(置換されていないDPP)2
8.8g(0.1モル)を、ポット温度を30℃以下に
保持しながら少しずつ加える。この反応混合物を25±
2℃において2時間半撹拌する。このあと、氷水中に注
入し、濾過し、濾液から酸がなくなるまで水洗いし、乾
燥し、そして粉砕して、2、5−ジ(ヒドロキシメチ
ル)−3、6−ジフェニルピロロ[3,4−c]ピロー
ル−1,4−ジオン(分析:C201624 )を得
た。
【0114】実施例2−5 置換されていないDPPの代えて適当に置換されたDP
Pを使用して実施例1と同様に操作を実施し、下記表1
に示すビス(ヒドロキシメチル)DPPを得た。
【化39】
【表1】
【0115】実施例6 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、濃硫酸(96%)2
50gを入れる。1、4−ジケト−3、6−ジフェニル
ピロロ[3,4−c]ピロール(置換されていないDP
P)14.4g(0.05モル)を、ポット温度を25
℃以下に保持しながら、少しずつ加える。次に、この反
応混合物にパラホルムアルデヒド3.1g(0.103
モル)を導入する。この反応混合物を25±2℃におい
て4時間撹拌する。このあと、氷水中に注入し、濾過
し、濾液から酸がなくなるまで水洗いし、乾燥し、そし
て粉砕して、2、5−ジ(ヒドロキシメチル)−3、6
−ジフェニルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−
ジオン(分析:C201624 )を得た。
【0116】実施例7 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、濃硫酸(96%)4
01.2gを入れる。1、4−ジケト−3、6−ジ(4
−クロロフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール(ジ
クロロDPP)17.85g(0.05モル)を、ポッ
ト温度を30℃以下に保持しながら、少しずつ加える。
次に、この反応混合物にパラホルムアルデヒド3.1g
(0.103モル)を導入する。この反応混合物を25
±2℃において4時間撹拌する。このあと、氷水中に注
入し、濾過し、濾液から酸がなくなるまで水洗いし、乾
燥し、そして粉砕して、2、5−ジ(ヒドロキシメチ
ル)−3、6−ジ(4−クロロフェニル)ピロロ[3,
4−c]ピロール−1,4−ジオン(分析:C2014
l224 )を得た。
【0117】実施例8 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに濃硫酸(96%)42
2.9gを入れる。1、4−ジケト−3、6−ジ(ビフ
ェニル−1−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール(ビ
フェニルDPP)22.0g(0.05モル)を、ポッ
ト温度を30℃以下に保持しながら、少しずつ加える。
次に、この反応混合物にパラホルムアルデヒド3.1g
(0.103モル)を導入する。この反応混合物を25
±2℃において4時間撹拌する。このあと、氷水中に注
入し、濾過し、濾液から酸がなくなるまで水洗いし、乾
燥し、そして粉砕して、2、5−ジ(ヒドロキシメチ
ル)−3、6−ジ(ビフェニル−1−イル)ピロロ
[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(分析:C32
2424)を得た。
【0118】実施例9 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに濃硫酸(96%)25
0gを入れる。キナクリドン(31.2g,0.1モ
ル)を少しずつ加え、続いて1、4−ジケト−3、6−
ジフェニルピロロ[3,4−c]ピロール(置換されて
いないDPP)14.4g(0.05モル)を、ポット
温度を40乃至45℃に保持しながら、少しずつ加え
る。30分間撹拌後、この反応混合物に、パラホルムア
ルデヒド3.1g(0.103モル)を導入する。温度
が約50℃に上がる。この反応混合物を45±3℃にお
いて1時間撹拌する。このあと、氷水中に注入し、濾過
し、濾液から酸がなくなるまで水洗いし、乾燥し、そし
て粉砕して、下記式の化合物を得た。
【化40】 式中、A1 とA2 とはそれぞれフェニルであり、そして
1 とB2 とはキナクリジニル基である。この生成物は
6035.566 ・( SO3 H)0.5 と分析された。
【0119】実施例10 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに濃硫酸(96%)25
0gを入れる。次に、1、4−ジケト−3、6−ジフェ
ニルピロロ[3,4−c]ピロール(置換されていない
DPP)14.4g(0.05モル)を、ポット温度を
40℃以下に保持しながら、少しずつ加える。30分間
撹拌後、この反応混合物にパラホルムアルデヒド3.1
g(0.103モル)を導入する。温度が約45℃に上
がる。この反応混合物を40±2℃において1時間撹拌
する。このあと、温度を45℃以下に保持しながらキナ
クリドン31.2g(0.1モル)を加える。この反応
混合物を45±2℃において3時間撹拌する。この後、
氷水中に注入し、濾過し、濾液から酸がなくなるまで水
洗いし、乾燥し、そして粉砕して、下記式の化合物を得
た。
【化41】 式中、B1 とB2 とはキナクリジニル基である。この生
成物はC6035.566 ・( SO3 H)0.5 と分析さ
れた。
【0120】実施例11 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、濃硫酸(96%)2
50gを入れる。次に、1、4−ジケト−3、6−ジフ
ェニルピロロ[3,4−c]ピロール(置換されていな
いDPP)14.4g(0.05モル)を、ポット温度
を25℃以下に保持しながら、少しずつ加える。1時間
撹拌後、この反応混合物にパラホルムアルデヒド3.1
g(0.103モル)を導入し、続いてキナクリドン3
1.2g(0.1モル)を、温度25℃に保持しながら
添加する。この反応混合物を25±2℃において3時間
撹拌する。この後、氷水中に注入し、濾過し、濾液から
酸がなくなるまで水洗いし、乾燥し、そして粉砕して、
下記式の化合物を得た。
【化42】 式中、B1 とB2 とはキナクリジニル基である。この生
成物はC603666 と分析された。
【0121】実施例12 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、濃硫酸(96%)4
00gを入れる。次に、1、4−ジケト−3、6−ジフ
ェニルピロロ[3,4−c]ピロール(置換されていな
いDPP)14.4g(0.05モル)を、ポット温度
を25℃以下に保持しながら、少しずつ加える。1時間
撹拌後、この反応混合物にパラホルムアルデヒド3.1
g(0.103モル)を導入し、続いて4、11−ジク
ロロキナクリドン38.1g(0.1モル)を、温度4
5℃に保持しながら添加する。この反応混合物を45±
2℃において2時間半撹拌する。この後、氷水中に注入
し、濾過し、濾液から酸がなくなるまで水洗いし、乾燥
し、そして粉砕して、下記式の化合物を得た。
【化43】 式中、B1 とB2 とは4、11−ジクロロキナクリジニ
ル基である。この生成物はC6034Cl1266 と分
析された。
【0122】実施例13 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、濃硫酸(90%)5
00gを入れる。ついで、この硫酸の中にパラホルムア
ルデヒド6.2g(0.206モル)を導入し、続いて
1、4−ジケト−3、6−ジフェニルピロロ[3,4−
c]ピロール(置換されていないDPP)28.8g
(0.1モル)を、ポット温度を30℃以下に保持しな
がら、少しずつ加える。この反応混合物を25±2℃に
おいて2時間半撹拌する。このあと、氷水中に注入し、
濾過し、濾液から酸がなくなるまで水洗いして乾燥し、
そして粉砕して、2、5−ジ(ヒドロキシメチル)−
3、6−ジフェニルピロロ[3,4−c]ピロール−
1,4−ジオンと出発物質との混合物を得た。90%H
2SO4 を85%H2 SO4 に変更した場合には、大部
分が出発物質である混合物を得た。
【0123】実施例14 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、濃硫酸(96%)2
50gとパラホルムアルデヒド(3.3g;0.11モ
ル)とを入れる。この硫酸/パラホルムアルデヒド混合
物に、ポット温度を25乃至30℃に保持しながら、置
換されていないDPP(14.4g;0.05モル)を
少しずつ添加する。この混合物を1時間撹拌して完全に
溶液とする。このあと、さらに200gの硫酸を反応混
合物に加え、続いてポット温度を32乃至34℃に保持
しながら、置換されていないDPP(28.8g;0.
1モル)を少しずつ加える。そのあと、反応混合物を3
0±3℃において4時間撹拌する。ついで、氷水中に注
入し、濾過し、濾液から酸がなくなるまで水洗いし、乾
燥し、そして粉砕する。単離された化合物はC5636
66 と分析され、そして下記構造式IVを有するもの
であると思われる。
【化44】 式中、RとR1とは水素である。実施例14記載の方法に
おいて、適当なピロロピロール反応体に置換することに
よって次の表2に記載した化合物を得た。
【表2】
【0124】実施例15 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、濃硫酸(96%)2
50gとパラホルムアルデヒド(3.3g;0.11モ
ル)とを入れる。この硫酸/パラホルムアルデヒド混合
物に、ポット温度を30乃至35℃に保持しながら、置
換されていないDPP(14.4g;0.05モル)を
少しずつ添加する。この混合物を1時間撹拌して完全に
溶液とする。このあと、さらに200gの硫酸を反応混
合物に加え、続いてポット温度を38乃至42℃に保持
しながら、置換されていないDPP(28.8g;0.
1モル)を少しずつ加える。そのあと、反応混合物を4
0±3℃において4時間撹拌する。ついで、氷水中に注
入し、濾過し、濾液から酸がなくなるまで水洗いし、乾
燥し、そして粉砕する。単離された化合物はC5636
66 ・(SO3 H)0.5 と分析された。実施例15の
方法において、適当なピロロピロール反応体に置換する
ことによって表2の化合物のスルホン化誘導体を得た。
【0125】実施例16 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、ビスヒドロキシメチ
ルDPP(17.4g,0.05モル)、アニリン
(9.3g,0.1モル)およびDMF(100ml)を
入れる。この混合物を100℃において4時間撹拌し、
水で希釈し、濾過し、水で洗い、乾燥し、粉砕して、
2、5−ジ(アニリノメチル)−3、6−ジフェニルピ
ロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(ビスア
ニリノメチルDPP)を得た。
【0126】実施例17 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、ビスヒドロキシメチ
ルDPP(17.4g,0.05モル)、触媒量のパラ
トルエンスルホン酸およびメタノール(100ml)を入
れる。この混合物を還流温度において4時間撹拌し、水
で希釈し、濾過し、水で洗い、乾燥し、粉砕して、2、
5−ジ(メトキシメチル)−3、6−ジフェニルピロロ
[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(ビスメトキ
シメチルDPP)を得た。
【0127】実施例18 撹拌器、温度計および乾燥管つき還流凝縮器を具備した
1リットル容の四つ口フラスコに、ビスヒドロキシメチ
ル−ジ−t−ブチルDPP(23.0g,0.05モ
ル)、触媒量のパラトルエンスルホン酸およびメタノー
ル(100ml)を入れる。この混合物を還流温度におい
て4時間撹拌し、水で希釈し、濾過し、水で洗い、乾燥
し、粉砕して、2、5−ジ(メトキシメチル)−3、6
−ジ−t−ブチルフェニルピロロ[3,4−c]ピロー
ル−1,4−ジオン(ビスメトキシメチルジ−t−ブチ
ルDPP)を得た。
【0128】実施例19−26 適当なDPPとキナクリドン化合物とに置き換えて、実
施例9乃至12に記載のごとく操作を実施して下記化合
物(A1 、A2 およびRは前記式(1a) および(III) に
示されているもの)を得た。
【表3】
【0129】実施例27 顔料の水性懸濁物に、式(Ia) のピロロピロール誘導体
単独からなる、または第二のレオロジー改良剤との組み
合わせからなる表面処理剤を加え、濾過し、洗滌して顔
料組成物を製造した。市販のハイソリッド溶剤型塗料調
合物中にこの顔料組成物を分散した分散物の粘度を、5
0rpm において測定した。下記の結果を得た。
【表4】
【0130】実施例28 ジクロロDPPとジクロロキナクリドンとの2つの成分
の混合物を24時間ローラーにかけて摩砕し、その摩砕
粉末に2%硫酸を加えて90℃において2時間撹拌し、
そしてこのあと得られた顔料スラリーを濾過し、洗滌し
て、ジクロロDPP/ジクロロキナクリドン(40/6
0)の固溶体を製造する。得られたプレスケーキを水に
再度懸濁し、次表に記載したレオロジー改良剤を配合
し、濾過し、洗滌し、乾燥し、粉砕して、処理された顔
料を得る。この処理された顔料をアクリロウレタン樹
脂、分散剤樹脂および溶剤と組み合わせ、そして摩砕材
と共に64時間摩砕して、顔料/バインダー比が0.5
で、顔料10%と固形分30%とを含有する顔料分散物
を得た。得られた顔料分散物のブルックフィールド粘度
を次表に示す。
【表5】
【0131】実施例29 常用方法で製造され、そして上記の顔料組成物によって
着色された金属または雲母塗料調合物を、アルミニウム
板にスプレー塗布して自動車仕上げ塗層を得た。この塗
層は魅力的鮮明なツー・トーンカラーを呈し、高い光沢
および鮮明度光沢を有していた。
【0132】実施例30 ジクロロDPP/置換されていないDPP/2,9−ジ
クロロキナクリドン(48%/32%/20%)からな
る三成分系有機固溶体顔料の水性懸濁物に、キナクリド
ンモノスルホン酸アルミニウム塩(QMA)4%と実施
例14のピロロピロール誘導体4%とからなるレオロジ
ー改良剤を配合し、濾過し、洗滌して顔料組成物を得
る。顔料/バインダー比が0.5で、顔料約12%を含
有する、市販ハイソリッド溶剤型塗料調合物中の顔料散
物のレオロジー特性は次表のとおりであった。
【表6】
【0133】実施例31 オレンジ色ジ(t−ブチルフェニル)DPP顔料に、実
施例14記載の式(IV) により示されたレオロジー改良
剤を配合した。顔料/バインダー比が0.5で、顔料約
16%を含有する、アトライターで4時間摩砕した後に
測定した市販ハイソリッド溶剤型塗料調合物中の顔料分
散物のレオロジー特性を表4に示す。
【表7】 実施例31cおよび31dのレオロジー改良は、レオロ
ジーの改良のほかに、さらに通常のベースコート/クリ
アコート自動車仕上げ塗料の一部としてパネル上にスプ
レー塗布された場合に、色彩度を向上をもたらした。他
の赤色またはオレンジ色顔料、たとえばキナクリドンを
ジ(t−ブチルフェニル)DPPの代わりに使用した場
合にも、同様に向上された色彩度が観察された。
【0134】実施例32 オレンジ色のジ(t−ブチルフェニル)DPP顔料に、
実施例14に記載した式(IV) によるRとR1とが後記表
5に記載されているレオロジー改良剤とPYMQすなわ
ちピラゾリルメチルキナクリドンとの混合物を配合し
た。顔料/バインダー比が0.5で、顔料約16%を含
有する、アトライターで4時間摩砕した後に測定した市
販ハイソリッド溶剤型塗料調合物中の顔料分散物のレオ
ロジー特性を表5に示す。
【表8】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)のジケトピロロピロール誘
    導体 【化1】 [式中、A1 とA2 とは同種または異種のアリール残基
    であり、B1 とB2 とは同種または異種の有機残基であ
    り、このジケトピロロピロール誘導体は、ジケトピロロ
    ピロール誘導体1モル当り0乃至6モルの−SO3
    (ここにおいて、Mは水素または金属またはアンモニウ
    ム陽イオンである)を含有する]の製造方法において、
    第1工程において、式 【化2】 の1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロピロール
    をホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと反応
    させて、式 【化3】 のスルホン化または非スルホン化中間体を生成させ、こ
    の中間体を第2工程において有機残基B1 およびB2
    前駆体と反応させて式(I)のジケトピロロピロール誘
    導体を生成させることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 式(II)の1、4−ジケト−3、6−ジ
    アリールピロロピロールを、有機残基B1 およびB2
    前駆体と反応させる式(I)にジケトピロロピロール誘
    導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機残基B1 およびB2 の前駆体が、
    1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロ[3,4−
    c]ピロールまたはキナクリドンである請求項1または
    2のいずれかに記載の方法。
  4. 【請求項4】 下記式の化合物 【化4】 [この化合物は、化合物の1モル当り0乃至6モルの−
    SO3 M(ここにおいて、Mは水素または金属またはア
    ンモニウム陽イオンである)を含有し、そして式中のA
    1 とA2 とは同種または異種のアリール残基である]。
  5. 【請求項5】 下記式の化合物 【化5】 [この化合物は、化合物の1モル当り0乃至6モルの−
    SO3 M(ここにおいて、Mは水素または金属またはア
    ンモニウム陽イオンである)を含有し、そして式中のA
    1 とA2 とは同種または異種のアリール残基である]の
    製造方法において、式 【化6】 の1、4−ジケト−3、6−ジアリールピロロピロール
    をホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと反応
    させることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 下記式(Ia)のジケトピロロピロール
    誘導体 【化7】 [式中、A1 とA2 とは同種または異種であるアリール
    残基であり、各QAはキナクリドン残基であり、このジ
    ケトピロロピロール誘導体は、ジケトピロロピロール誘
    導体の1モル当り0乃至6モルの−SO3 M(ここにお
    いて、Mは水素または金属またはアンモニウム陽イオン
    である)によって置換されている]。
  7. 【請求項7】 各QAが下記式(III)のキナクリドン残
    基である請求項6記載のピロロピロール誘導体 【化8】 (式中、各Rは互いに独立的に水素、ハロゲン、カルボ
    キシル、置換されていないC1-C6 アルキル、ハロゲン
    によって置換されたC1-C6 アルキル、置換されていな
    いC1-C6 アルコキシまたはハロゲンによって置換され
    たC1-C6 アルコキシである)。
  8. 【請求項8】 下記式(Ib)のピロロピロール誘導体 【化9】 [式中、A1 とA2 とは同種または異種であるアリール
    残基であり、各DPPはジアリールジケトピロロピロー
    ル残基であり、このジケトピロロピロール誘導体は、ピ
    ロロピロール誘導体の1モル当り0乃至6モルの−SO
    3 M(ここにおいて、Mは水素または金属またはアンモ
    ニウム陽イオンである)によって置換されている]。
  9. 【請求項9】 有機顔料と請求項1、6、7または8に
    記載の式(I、Ia,Ib)のピロロピロール誘導体と
    を含有する顔料組成物。
  10. 【請求項10】 高分子有機化合物中における有機顔料
    の分散物の粘度を低下させる方法において、該分散物中
    に、粘度低下有効量の請求項1、6、7または8に記載
    の式(I、Ia,Ib)のピロロピロール誘導体を配合
    することを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 高分子有機化合物中に、有機顔料と粘
    度低下有効量の請求項1、6、7または8記載の式
    (I、Ia,Ib)のピロロピロール誘導体とを含有し
    ている分散物を基質に塗布する工程を包含するベースコ
    ート/クリヤコート仕上げ塗層の製造方法。
  12. 【請求項12】 高分子有機化合物中に、粘度低下およ
    び彩度向上有効量の請求項8記載の式Ibのピロロピロ
    ール誘導体を含有している分散物を基質に塗布する工程
    を包含するベースコート/クリヤコート仕上げ塗層の製
    造方法。
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