JPH1081603A - 農薬製剤 - Google Patents

農薬製剤

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JPH1081603A
JPH1081603A JP19086197A JP19086197A JPH1081603A JP H1081603 A JPH1081603 A JP H1081603A JP 19086197 A JP19086197 A JP 19086197A JP 19086197 A JP19086197 A JP 19086197A JP H1081603 A JPH1081603 A JP H1081603A
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water
pesticide
surfactant
powder
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JP19086197A
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Taizo Hasegawa
泰造 長谷川
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水田の局所に投げ込んだとき、水面に浮遊し、
水面全体に拡がりながら崩壊分散し、その結果水田の全
面に農薬活性成分をむらなく行き渡らすことのできる農
薬粒または錠剤の提供。 【解決手段】農薬活性成分、比重が1以下のプラスチッ
ク粉末および界面張力低下能の大きい界面活性剤が均一
に分散された農薬粒または錠剤。 【効果】農薬活性成分を高含量含有させることが可能と
なり、また、農薬活性成分を高含量含有していても、農
薬粒剤が水面上で移動しながら崩壊分散し、水田全体に
均一に農薬活性成分を行き渡らせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水面移動崩壊分散
型の農薬粒または錠剤およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農薬散布の省力化のために、水田
に入らずに、畔から投げ込むだけで水田全体の防除が可
能となる農薬製剤の開発が望まれている。従来、発泡剤
を製剤中に含有させることによって水中に投下したとき
の発泡を利用して農薬活性成分の水中での拡散を良くし
た粒剤や錠剤等が試験されている。また、農薬活性成分
を比重が1以下の有機溶剤に溶解もしくは分散させ、さ
らに界面活性剤を用いて水面展開性をもたせて粒状物等
の固型物に保持させる方法等が開示されている(特開昭
63−17802号、特開平5−78204号、特開平
5−155703号、特開平5−163102号各公報
参照。)。しかしながら、発泡剤を用いた場合には、有
効成分の拡散が不充分であったり、水難溶性の有機溶剤
を用いた場合には、その展開性能が不充分であったり、
また展開しても、水面から水中への農薬活性成分の分散
が不充分である等の欠点を有する。他方、粒剤に水面浮
遊性を持たせるための基材として、特公昭45−956
0号には、アタクチックポリプロピレン粒状体が開示さ
れており、また、特開平5−155703号には、見か
け比重が1より小さい粒核が開示され、その具体例とし
てプラスチックが挙げられている。しかし、これらはい
ずれも水面浮遊性を持たせるための基材を粒核とし、そ
の粒核に農薬活性成分を液状物質等の補助剤等とともに
被覆する農薬製剤であるので、農薬活性成分を高含量
(50%以上)含有させ、例えば10a当たり施用量を
500g以下にするような製剤を製造するのは物理的に
困難である。また、特開平7−233002号には、農
薬活性成分、比重が1以下の粉末基剤および界面張力低
下能の大きい界面活性剤が均一に分散された農薬粒また
は錠剤が開示されている。しかし、比重が1以下の粉末
基剤として、具体的にプラスチック粉末についての記載
はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況から、
省力化を目的として単位面積当たりの投下薬量を減らす
ために農薬活性成分を高含量にしても水面浮遊性が優
れ、農薬活性成分を水田全体にむらなく均一に行き渡ら
せることが可能な固形製剤が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記した
状況に鑑み鋭意研究した結果、担体として、比重が1以
下のプラスチック粉末を用い、これに農薬活性成分、界
面張力低下能の大きい界面活性剤を均一に分散させて製
剤化に付すことにより、農薬活性成分を高含量(50%
以上)含有させることが可能となり、また、農薬活性成
分を高含量含有していても、農薬粒剤が水面上で移動し
ながら崩壊分散し、田面全体に均一に農薬活性成分を行
き渡らせることができることを知見した。本発明者ら
は、これらの知見に基づきさらに研究した結果、本発明
を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)農薬活性成
分、比重が1以下のプラスチック粉末および界面張力低
下能の大きい界面活性剤が均一に分散された農薬粒また
は錠剤、(2)プラスチック粉末が、ポリエチレン粉末
またはポリプロピレン粉末である上記(1)記載の農薬
粒または錠剤、(3)プラスチック粉末が、約10ない
し300μmの粒子径のプラスチック粉末である上記
(1)または(2)記載の農薬粒または錠剤、(4)さ
らに結合剤が均一に分散された上記(1)記載の農薬粒
または錠剤、(5)約20ないし200g単位で水溶性
フィルムで包装した上記(1)記載の農薬粒または錠
剤、(6)農薬活性成分、比重が1以下のプラスチック
粉末および界面張力低下能の大きい界面活性剤を均一に
分散させて製剤化することを特徴とする上記(1)記載
の農薬粒または錠剤の製造法、および(7)さらに結合
剤を均一に分散させて製剤化する上記(6)記載の農薬
粒または錠剤の製造法に関する。
【0006】本発明で用いられる農薬活性成分として
は、一般に農薬として用いられるものであれば何れのも
のでも用いることができ、たとえば、除草剤、殺虫剤、
殺菌剤、殺ダニ剤、植物生長調整剤、殺線虫剤、誘引
剤、忌避剤などが用いられる。とりわけ、水面施用にお
いて有効な除草剤、殺虫剤、殺菌剤が好適に用いられ
る。上述した農薬活性成分は、単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。除草剤、殺虫剤、殺菌剤
にはさらに殺ダニ剤(例、クロルベンジレートなど)、
植物生長調整剤(例、パクロブトラゾールなど)、殺線
虫剤(例、ベノミルなど)、共力剤(例、ピペロニルブ
トキサイドなど)、誘引剤(例、オイゲノールなど)、
忌避剤(例、クレオソートなど)、色素(例、食用青色
1号など)、肥料(例、尿素など)などを適宜混合して
もよい。ここで水面施用とは、水田などの水面に投入す
ることを意味し、農薬活性成分がその活性を示す場所は
水表面に限定されない。
【0007】水面施用において有効な除草剤としては、
たとえば、下記の(i)〜(xiv)などが用いられる。 (i)フェノキシ系除草剤、たとえば、2,4−D、MCP
A、MCPCA、MCPB、クロメプロップ(chlomepro
p)、ナプロアニリド(naproanilide)など (ii)ジフェニルエーテル系除草剤、たとえば、クロルニ
トロフェン(chlornitrofen)、クロメトキシニル(chlome
thoxynil)、ビフェノックス(bifenox)、シハロホップブ
チル(cyhalofop-butyl)など (iii)カルバメート系除草剤、たとえば、スエップ(swe
p)、チオベンカルブ(thiobencarb)、エスプロカルブ(es
procarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dim
epiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)など (iv)酸アミド系除草剤、たとえば、プロパニル(propani
l)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pret
ilachlor)、ブロモブチド(bromobutide)、メフェナセッ
ト(mefenacet)、エトベンザニド(etobenzanid)、テニル
クロール(thenylchlor)など (v)尿素系除草剤、たとえば、ダイムロン(dymron)など (vi)スルホニル尿素系除草剤、たとえば、ベンスルフロ
ン-メチル(bensulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(im
azosulfuron)、ピラゾスルフロン-エチル(pyrazosulfur
on-ethyl)、シノスルフロン(cinosulfuron)、アジムス
ルフロン(azimsulfuron)、サイクロスルファムロン(cyc
losulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)
など (vii)トリアジン系除草剤、たとえば、シメトリン(sime
tryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dim
ethametryn)など (viii)ダイアジン系除草剤、たとえば、ベンタゾン(ben
tazone)など (ix)ダイアゾール系除草剤、たとえば、オキサジアゾン
(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシ
フェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)
など (x)ジニトロアニリン系除草剤、たとえば、トリフルラ
リン(trifluralin)など (xi)脂肪酸系除草剤、たとえば、ダラポン(dalapon)な
ど (xii)有機リン系除草剤、たとえば、ピペロホス(pipero
phos)など (xiii)ニトリル系除草剤、たとえば、クロルチアミド(c
hlorthiamid)など (xiv)その他の除草剤、たとえば、ジチオピル(dithiopy
r)、ペントキサゾン(pentoxazone)、カフェンストロー
ル(cafenstrole)、NBA061(日本バイエルアグロケ
ム(株)、試験番号)など
【0008】また、水面施用において有効な殺虫剤とし
ては、たとえば(i)〜(iv)、殺菌剤としては、たとえば
(v)〜(xiii)などが用いられる。 (i)有機リン系殺虫剤、たとえば、フェンチオン(fenthi
on)、フェニトロチオン(fenitrothion)、ピリミホス-メ
チル(pirimiphos-methyl)、ダイアジノン(diazinon)、
キナルホス(quinalphos)、イソキサチオン(isoxathio
n)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、クロルピ
リホス-メチル(chlorpyrifos-methyl)、バミドチオン(v
amidothion)、マラチオン(malathion)、フェントエート
(phenthoate)、ジメトエート(dimethoate)、ジスルホト
ン(disulfoton)、モノクロトホス(monocrotophos)、テ
トラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、クロルフェ
ンビンホス(chlorfenvinphos)、プロパホス(propapho
s)、アセフェート(acephate)、サリチオン(salithio
n)、トリクロルホン(trichlorphon)、EPN、ピラクロ
ホスなど (ii)カルバメート系殺虫剤、たとえば、カルバリル(car
baryl)、メトルカルブ(metolcarb)、イソプロカルブ(is
oprocarb)(MIPC)、BPMC、プロポキスル(prop
oxur)、キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC、カルボス
ルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracar
b)、メソミル(methomyl)、チオジカルブ(thiodicarb)な
ど (iii)合成ピレスロイド系殺虫剤、たとえば、シクロプ
ロトリン(cycloprothrin)、エトフェンプロックス(eth
ofenprox)など (iv)その他の殺虫剤、たとえば、カルタップ(cartap)、
チオシクラム(thiocyclam)、ベンスルタップ(bensulta
p)、ブプロフェジン(buprofezin)、カルボフラン(carbo
furan)、フラチオカルブ(furathiocarb)、シアノフェン
ホス(cyanofenphos)、ニテンピラム(nitenpyram)など (v)ポリハロアルキルチオ系殺菌剤、たとえば、キャプ
タン(captan)など (vi)有機塩素系殺菌剤、たとえば、TPN、フサライド
(fthalide)、モンガード(monguard)など (vii)有機リン系殺菌剤、たとえば、エジフェンホス(ed
ifenphos)、IBP(iprobenfos)など (viii)ベンゾイミダゾール系殺菌剤、たとえば、チオフ
ァネート-メチル(thiophanate-methyl)、ベノミル(beno
myl)など (ix)カルボキシアミド系殺菌剤、たとえば、メプロニル
(mepronil)、フルトラニル(flutolanil)、テクロフタラ
ム(tecloftalam)、ペンシクロン(pencycuron)など (x)アシルアラニン系殺菌剤、たとえば、メタラキシル
(metalaxyl)など (xi)N-ヘテロ環系エルゴステロール阻害剤、たとえ
ば、トリフルミゾール(triflumizole)など (xii)抗生物質系殺菌剤、たとえば、カスガマイシン(ka
sugamycin)、バリダマイシンA(validamycin A)など (xiii)その他の殺菌剤、たとえば、プロベナゾール(pro
benazole)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、トリ
シクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroquilo
n)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、フェリムゾン
(ferimzon)、イプロジオン(iprodione)など
【0009】本発明の農薬粒または錠剤はとりわけ、た
とえば上記の除草剤、具体的にはベンスルフロンメチ
ル、イマゾスルフロンなどのスルホニル尿素系除草剤な
どを主薬として用いる場合は、たとえば水田雑草(たと
えば、タイヌビエ、タマガヤツリ、イヌホタルイ、コナ
ギ、ウリカワ、マツバイ、ミズガヤツリ、クログワイ、
ヘラオモダカ、オモダカ、タイワンヤマイ、アゼナ、キ
カシグサ、ヒルムシロ、チョウジタデ、ミゾハコベな
ど)などを防除する場合に格別の効果を発揮する。上記
の殺虫剤、具体的にはカルタップなどの殺虫剤を農薬活
性成分として用いる場合は、たとえばニカメイチュウな
どを殺虫する場合に格別の効果を発揮する。また、上記
の殺菌剤、具体的にはIBP(iprobenfos)などの有機リ
ン系殺菌剤などを農薬活性成分として用いる場合は、た
とえばいもち病などに格別の効果を発揮する。
【0010】該農薬活性成分としては、特に、水に難溶
性で土壌吸着が強いために、通常の水底に没して土壌表
面で崩壊する粒剤では、水中に分散しがたいため、充分
に薬効を発揮できず、効果を発揮させるためには、必要
以上に製剤中に添加しなければならないような殺虫剤、
殺菌剤、除草剤が好ましい。
【0011】本発明で用いられるプラスチック粉末とし
ては、下記の性質を有するものが挙げられる。 比重:1以下、好ましくは、1〜約0.5、さらに好ま
しくは1〜約0.8。 平均粒子径:約300μm以下、好ましくは約10〜3
00μm、さらに好ましくは約50〜300μm。 平均分子量(重量平均分子量):約500〜100,0
00、好ましくは約1,000〜50,000、さらに好
ましくは約1,000〜20,000。 軟化点:造粒及び乾燥時に軟化しない温度であればよ
く、通常は約70℃以上が好ましい。 本発明で用いられるプラスチック粉末は、合成樹脂およ
び天然樹脂のいずれであってもよい。合成樹脂として
は、ポリエチレン粉末(例、サンワックス131−P、
151−P、161−P、171−P(三洋化成工業
(株)製))、ポリプロピレン粉末(例、ビスコール33
0−P、550−P、660−P(三洋化成工業(株)
製))、ポリスチレン粉末(例、ハイマーST−95、
ST−120(三洋化成工業(株)製))、石油樹脂粉末
(例、ペトロジンNo.80(三井石油化学(株)
製))、クマロン樹脂粉末(例、NG−4(日鉄化学
(株)製))などが挙げられ、天然樹脂としては、ライス
ワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックスな
どが挙げられる。なかでも、ポリエチレン粉末(比重
0.90〜0.99)、ポリプロピレン粉末(比重0.8
0〜0.90)などの合成樹脂が好適である。
【0012】本発明において用いられる界面張力低下能
の大きい界面活性剤としては、水と接触したときに水の
表面張力を、25℃で最大35dyne/cm以下に低下させ
る界面活性剤であるものが用いられる。該界面活性剤と
しては、たとえば、アニオン系界面活性剤およびノニオ
ン系界面活性剤が挙げられ、それらの具体例としては、
例えば、アルキルベンゼンスルホネート(例、ネオペレ
ックスNo.6Fパウダー(花王(株)製)、ニューカル
ゲンWG−3(竹本油脂(株)製))、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル(例、エマルミン110(三洋化成
工業(株)製)、エマルゲン404(花王(株)製))、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(エマルゲ
ン903(花王(株)製)、ノニポール110(三洋化成
工業(株)製))、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルサルフェート(ニューカルゲンNX−360
(竹本油脂(株)製))、例えば、ジオクチルスルホサク
シネート(ペレックスOT−P(花王(株)製)、サンモ
リンOT70(三洋化成工業(株)製)、ネオコールYS
K(第一工業製薬(株)製)、エアロールCT−1(東邦
化学(株)製)、ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂
(株)製)),ジトリデシルスルホサクシネート(例、ペ
レックスTR(花王(株)製),ジシクロヘキシルスルホ
サクシネート(例、ペレックスCS(花王(株)製)など
のジアルキルスルホサクシネート、さらにサーフィノー
ル104、104A、104E、104H、TG、TG
-E、PC、61、82、40、465等の商品名(何
れもエア・プロダクツ社製)で知られているアセチレン
グリコール系界面活性剤等が挙げられるが、これらに限
定されるものではなく、単独で、あるいは必要に応じて
2種以上を任意の割合に混合して用いてもよい。これら
のうち特にジオクチルスルホサクシネートが好ましい。
界面活性剤に、さらに分散剤および湿潤剤として、リグ
ニンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナト
リウムホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン
酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル塩、例え
ば、ポリカルボン酸金属塩,ポリカルボン酸アンモニウ
ム塩などのポリカルボン酸塩等を製剤中に加えても良
い。これらのうち特に高級アルコール硫酸エステル塩
(例、ニューカルゲンWG−6(竹本油脂(株)製))、
ポリカルボン酸金属塩(例、ニューカルゲンWG−5
(竹本油脂(株)製))が好ましい。分散剤および湿潤剤
の量は、製剤全体に対して約0.1〜20重量%、好ま
しくは約0.5〜15重量%、さらに好ましくは約1〜
10重量%である。
【0013】また、本発明の製剤には、必要により、結
合剤を加えても良い。該結合剤としては、農薬粒または
錠剤が水面上で崩壊するのが容易なように、水溶性であ
るものが好ましく、たとえば、デキストリン、カルボキ
シメチルセルロースのナトリウム塩、ポリビニルピロリ
ドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコー
ル、リグニンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。こ
れらのうち、粒剤の水面での崩壊分散後の農薬活性成分
が、水中へ拡散していく際の懸濁安定性に効果のあるカ
ルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(例、セロゲ
ン6A,セロゲン7A(第一工業製薬(株)製))、デキ
ストリン(例、デキストリンND−S(日澱化学(株)
製))が特に好ましい。また、上記の結合剤は単独で用
いてもよいし、薬剤の水田中への均一な拡散のための最
適な範囲の崩壊性を得るために必要ならば2種以上を併
用してもさしつかえない。
【0014】さらに、所望により、粒剤としての見かけ
比重が1以下になる範囲で増量剤を適量加えても良い。
この増量剤としては、有効成分の水中への分散を促進も
しくは妨げないものが好ましく、水溶性あるいは水分散
性であるものが望ましい。たとえば尿素、硫安、塩化ア
ンモニウム、塩化カリウム等の水溶性肥料、乳糖、ブド
ウ糖等の可溶性の糖、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウ
ム等の無機塩、ベントナイト、ジークライト、酸性白
土、ケイソウ土等の鉱物質微粉を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。増量剤の配合量
は製剤全体に対して20重量%以下である。
【0015】また、本発明の製剤は散布が簡便になるよ
うに、20〜200gの単位で、さらに好ましくは20
〜100gの単位で、水溶性フィルムで包装してもよ
い。該水溶性フィルムの例としては、ポリビニルアルコ
ール(PVA)、カルボキシメチルセルロース、でんぷ
ん、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸
およびその塩、プルラン(例、でんぷん系多糖類(林原
商事製))、パオゲン(熱可塑性水溶性ポリマー(第一
工業製薬(株)製))のうちの一種あるいは複数種の混合
物でも良く、さらに木材パルプを混合したものでも良い
が、水に対する溶解あるいは分散の速いフィルムを選ぶ
のが良い。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の農薬粒または錠剤は、農
薬活性成分、比重が1以下のプラスチック粉末および界
面張力低下能の大きい界面活性剤を均一に分散させて製
剤化することにより製造される。本発明の製剤は、ま
ず、農薬活性成分、比重が1以下のプラスチック粉末お
よび界面張力低下能の大きい界面活性剤、必要により、
結合剤、さらに所望により、分散剤、湿潤剤、増量剤を
混合し、練合して、これらが均一に分散されたものを製
造する。均一に分散するとは、粒または錠剤1個中につ
いて、上記の構成成分が、その内部と表面付近とに含量
比通りに等しく存在することをいう。均一に分散された
粒剤を製造するには、たとえば通常の湿式法と同様に上
記の構成成分を、通常よく使用される混合機、たとえば
リボンブレンダーやV型混合機に投入し、良く混合した
後、ニーダーに移し水を加え練合してから押出造粒機に
より造粒し、粒径約0.5〜5mmの粒剤を得る。
【0017】均一に分散させるに際して用いられる農
薬活性成分、プラスチック粉末、界面活性剤、結
合剤の量比は、製剤全体として見かけ比重が1以下にな
るよう調整されるが、成分は約0.1〜80重量%、
好ましくは約0.1〜70重量%、さらに好ましくは約
2〜60重量%、成分は一般的には約10〜98重量
%、好ましくは約15〜90重量%、さらに好ましくは
約20〜90重量%、成分は一般的には約0.1〜3
0重量%、好ましくは約0.5〜20重量%、さらに好
ましくは約2〜20重量%、は一般的には約0.5〜
20重量%、好ましくは約1〜10重量%、さらに好ま
しくは約2〜5重量%である。
【0018】また、均一に分散された錠剤を製造するに
は、上記の粒剤をそのままか、あるいは賦形剤などを添
加し、錠剤成型機などで成型する。賦形剤としては、粒
または錠剤の水面上での崩壊を妨げないものであればよ
く、たとえばセルロースおよびその誘導体、でんぷんお
よびその誘導体、ポリエチレングリコール、乳糖、リン
酸カルシウム等が挙げられるが、なかでも崩壊剤として
も用いられる結晶セルロース、低置換度のヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙
げられる。賦形剤の量は、製剤全体に対して約1〜20
重量%、好ましくは約3〜15重量%、さらに好ましく
は約5〜15重量%である。
【0019】このようにして製造される本発明の農薬粒
または錠剤は、水面での拡散性が良好であり、田面全体
に均一に農薬活性成分が分散するため、植物に対して薬
害が実質的に無く、また動物や魚介類に対しても施用時
または施用後に害は実質的にはなく、安全に使用でき
る。本発明の農薬粒または錠剤の使用方法としては、農
薬粒または錠剤を、そのまま畦畔より水田に投げ込んで
も良い(額縁処理)。その際、10aあたりの投げ込み
量は100g〜6kgが好ましい。また、約20〜20
0g単位で、水溶性フィルム袋に包装して投げ込んでも
良い。その際、10aあたりの投げ込み個数は、5〜3
0袋となるよう有効成分含量を調節する。また、水田に
水を入水する際に、水口に水田の広さに応じて必要な量
の農薬粒または錠剤をそのまま投げ込んでもよい(水口
処理)。本発明の製剤は短時間で水田全体に有効成分を
行き渡らせることができ、本製剤は水田の局所に投げ込
むだけで水田全体の防除を可能とすることができる。
【0020】本発明による農薬粒または錠剤は水面に投
下した時、その見かけ比重が1以下のために沈まない
が、界面張力低下能の大きい界面活性剤を含んでいるの
で、粒剤、錠剤中にすばやく水が侵入すると同時に、界
面活性剤が溶けだし、粒のまわりの水の表面張力は低下
し、粒は水面上を投下地点より外側に引っ張られ、粒同
士の間隔はみるみる拡がると同時に、崩壊し始めるが、
本発明の粒剤、錠剤の内部に均一に界面活性剤が含まれ
ているので、1次粒子(凝集していない粒を構成する最
小単位)になるまで、水面で拡展と崩壊を続け、比重が
1以上の農薬活性成分等は水中に分散してゆき、最後に
は比重が1以下のプラスチック粉末のみが水面に残る。
この際、粒剤、錠剤は表面張力の差により崩壊する程度
の崩壊性を有するように、その硬度を調整することが望
ましい。かくして、農薬活性成分は水田全体にむらなく
行き渡ることになる。このような粒剤、錠剤の水面での
拡展、崩壊、分散は、極めて瞬時に起こるので、散布時
の風の影響による農薬活性成分の水田での偏りや、薬害
の心配もない。
【0021】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。なお、ここにおいて用いられる%は特に
記載がない限り全て重量%を示す。
【0022】実施例1〜11 次の表1および表2に示した成分を製剤100部に対し
て水15部を加えて混練後、押出造粒機で造粒し、乾
燥、篩別して粒径1.2mm、粒長2〜4mmの粒剤を得
た。この粒剤(25〜50g)をPVAのフィルムで包
装した。
【表1】 (「add.100」は、その成分を加えて100%とすることを
示す。以下、同様。)
【0023】
【表2】
【0024】用いたサンワックス131−Pの比重およ
び平均分子量 比重:0.93、平均分子量:3500 参考例1 以下に示した成分を用いて、実施例1〜11と同様の方
法により製剤を得た。 イマゾスルフロン 3.6% NBA061 12.0 セロゲン7A(第一工業製薬(株)製、 カルボキシメチルセルロースナトリウム) 3.0 サンモリンOT70(三洋化成工業(株)製、 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム) 10.0 ニューカルゲンWG−5(竹本油脂(株)製、 ポリカルボン酸金属塩) 6.0 ニューカルゲンWG−6(竹本油脂(株)製、 高級アルコール硫酸エステル金属塩) 2.0 シラックスPB−10((株)シラックスウ製、 シラスの発泡体) add.100
【0025】試験例1 前記実施例2、3、5、9および10および参考例1に
おいて得られた製剤を以下に示す方法により拡散性試験
に付した。すなわち、直径20cmのシャーレに水道水1
リットルを入れ、中心に粒剤200mgを投下して全体と
しての拡散の様子を肉眼で観察し、さらに水面で粒剤の
形状が認められなくなるまでの崩壊時間を測定した。試
験結果を表3に示す。
【表3】 *2 拡散性の評価基準 1:粒剤の20%以上が未崩壊のまま投下地点に沈降す
る。 2:粒剤の10〜20%が未崩壊のまま投下地点に沈降
する。または粒剤の沈降率が10%未満であっても水面
にその形状をとどめた未崩壊の粒剤が残る。 3:粒剤の沈降率が10%未満でかつ水面で粒は拡展し
崩壊する。未分散粒子が僅かに残っていても良い。 4:粒剤は投下地点で全く沈降せずかつ水面で粒は拡展
し一次粒子近くまで崩壊する。シャーレの水は少し懸濁
状態となる。 5:粒剤は投下地点で全く沈降せずかつ水面で粒は拡展
し一次粒子近くまで崩壊する。シャーレの水は完全な懸
濁状態となる。 表3から明らかなように、参考例1の製剤では投下地点
に沈降するものが全体の15%あり、崩壊性も不十分で
ある。しかし、本発明の製剤は、投下地点で全く沈降せ
ず、崩壊性も優れている。
【0026】
【発明の効果】本発明の農薬粒または錠剤の効果とし
て、次の点を挙げることができる。 (1)従来の粒剤等と比べ、水田に入らずにしかも特別な
散布機を必要とせず、畦畔より数カ所に投げ込むだけ
で、短時間で水田全体に有効成分を行き渡らせることが
できるので、水田の広範囲の防除が可能となり、時間と
労力の節約になる。 (2)他の水面浮遊型製剤と比較して、その製造工程で、
農薬活性成分を水難溶性もしくは不溶性の有機溶剤に懸
濁や溶解し、さらに懸濁または溶解したものを、粒核に
被覆や含浸する等の特別な工程が入らず、簡便にコスト
がかからず製造できる。 (3)粒核に農薬活性成分を被覆した水面浮遊型製剤と比
較して、高含量の農薬活性成分を含有することができる
ので、単位面積当たりの投下薬量を減らすことができ
る。 (4)水面浮遊性を持たせるための基材としてシラスの発
泡体などの気泡を有する無機物を用いる水面浮遊型製剤
と比較して、成型の際気泡が潰れて、水面浮遊性が低下
したり、成型性が悪くなるというような欠点がなく、水
面浮遊性・成型性に優れている。 (5)本発明の農薬粒または錠剤は、水面に施用後、すば
やく崩壊拡展するので、風により吹き流されることによ
る効果の偏りや、発泡型の製剤で問題の多かった投下地
点での薬害の心配もない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】農薬活性成分、比重が1以下のプラスチッ
    ク粉末および界面張力低下能の大きい界面活性剤が均一
    に分散された農薬粒または錠剤。
  2. 【請求項2】プラスチック粉末が、ポリエチレン粉末ま
    たはポリプロピレン粉末である請求項1記載の農薬粒ま
    たは錠剤。
  3. 【請求項3】プラスチック粉末が、約10ないし300
    μmの粒子径のプラスチック粉末である請求項1または
    2記載の農薬粒または錠剤。
  4. 【請求項4】さらに結合剤が均一に分散された請求項1
    記載の農薬粒または錠剤。
  5. 【請求項5】約20ないし200g単位で水溶性フィル
    ムで包装した請求項1記載の農薬粒または錠剤。
  6. 【請求項6】農薬活性成分、比重が1以下のプラスチッ
    ク粉末および界面張力低下能の大きい界面活性剤を均一
    に分散させて製剤化することを特徴とする請求項1記載
    の農薬粒または錠剤の製造法。
  7. 【請求項7】さらに結合剤を均一に分散させて製剤化す
    る請求項6記載の農薬粒または錠剤の製造法。
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