JPH108114A - 高炉炉底の冷却装置 - Google Patents

高炉炉底の冷却装置

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JPH108114A
JPH108114A JP18552296A JP18552296A JPH108114A JP H108114 A JPH108114 A JP H108114A JP 18552296 A JP18552296 A JP 18552296A JP 18552296 A JP18552296 A JP 18552296A JP H108114 A JPH108114 A JP H108114A
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Koji Takahashi
耕治 高橋
Moriaki Tsuruta
盛明 鶴田
Kazuhiro Nishihara
一浩 西原
Hiroyuki Ishimatsu
宏之 石松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高炉炉底の状況に応じて適切な冷却条件を精
度よく設定でき、しかも簡単に冷却条件の変更が可能で
あると共に、安全に高炉の操業を維持できる高炉炉底の
冷却方法及び装置を提供する。 【解決手段】 冷却装置18は冷却管14に挿入される
冷却媒体のシール部19を有し、基端部からシール部1
9までの冷却管14内に冷却媒体の往復流動する冷却領
域20が設けられると共に、シール部19から先の冷却
管14内に非冷却領域21が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高炉の炉底における
冷却領域を決定して、この冷却領域を容易に変更し、設
定することのできる高炉炉底の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高炉の炉底に内張りされた炉底れ
んがを保護するために、その側壁や底盤の下部に配置さ
れた冷却管によって炉底の水冷がなされている。しか
し、この冷却管による抜熱が過剰になる部分が生じる
と、溶銑の高融点成分が析出し、炉底れんがの稼働表面
に付着物を形成して、炉底における溶銑の流れが変化
し、炉底れんがの溶損が不均一となって炉底れんがの異
常溶損の原因となることがある。従って、このような付
着物の形成、消長を制御して、高炉炉底の局部的な熱負
荷の変動に応じて適正な冷却条件の下で冷却を行うこと
が必要となる。例えば、特開平2−104603号公報
には、高炉の炉底部の冷却法において、円形である前記
炉底部の冷却範囲を中心部分と周辺部分に分け、炉底れ
んがに埋設された温度センサの指示により、それぞれ独
立に冷却水の流量を調節する高炉の炉底冷却方法が記載
されている。また、特開昭63−105913号公報に
は、冷却管を埋設してなる高炉炉底において、冷却管内
の一部に伝熱抵抗体を設け、冷却管長手方向の冷却能を
変更し、底盤冷却能の異なる領域を形成する高炉炉底の
冷却方法が示されている。さらに、特開昭63−105
399号公報には、冷却管である伝熱管に伝熱抵抗を有
するチューブを伸縮若しくは移動自在に内挿することに
より伝熱量を調整する方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平2−104603号公報に示される方法では、所定
の冷却範囲を設定するために、冷却配管を屈曲させて高
炉炉底に埋設させているが、一度設定した冷却管の配置
を変更することは容易でなく、使用中に冷却管が破損し
て冷却水が漏洩した場合の修復が困難であるという問題
があった。
【0004】また、前記特開昭63−105913号公
報の方法では、炉底れんが中に埋設された温度計の指示
値により付着物の層厚を計算あるいは推定して、緩冷却
部と通常冷却部の部位の決定がなされる。ところが、付
着物の層厚分布は経時的に変化するため、その設定時点
における温度計の指示値を指標にして、緩冷却部と通常
冷却部との境界を厳密に決定することが容易ではなく、
操業履歴、原料成分等の炉体条件に応じて変化する冷却
の最適条件を設定することが困難であるという問題点が
あった。このように境界を厳密に設定することができな
い場合には、境界線が中心に近すぎるときに高炉炉底の
中心付近の抜熱量が多くなって、中央部の付着物が消失
することなくそのまま維持される。一方、境界線が外周
部に近すぎると、通常冷却による冷却効果が不十分とな
って底盤方向への抜熱量が減少するため、側壁への熱負
荷が増して、側壁の溶損が激化する等の弊害を生じる。
さらに、底盤冷却能を制御するために、冷却管を底盤か
ら抜き出して、断熱材等を冷却管の所定の位置に配置し
直して、所定の冷却効率となるように調整するか、又は
冷却管の内側の必要な箇所にノズルを内挿して断熱材料
の吹き付けを行い、被膜形成により伝熱抵抗体を取り付
ける等が必要であり、このような配置の変更、又は伝熱
抵抗体の取り付けには非常な労力と時間を要するという
問題点があった。
【0005】また、特開昭63−105399号公報に
記載されているような、伝熱抵抗を有するチューブを伝
熱管(冷却管)に内挿する方法では、チューブを伸縮若
しくは移動して所定の位置に正確に固定することが難し
く、該チューブを引っ張って保持するためのチューブ伸
縮用ワイヤが必要となり、構造が複雑となる上に伝熱抵
抗がチューブ自身の材質に依存し、このようなチューブ
の伝熱抵抗をそれ程大きくできず、充分な断熱効果を発
揮しえないという欠点を有していた。さらに、冷却管の
一部が異常に過熱された場合には、圧力の逃げ道がない
ために水蒸気爆発を引き起こす恐れがある等の問題点が
あった。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、高炉炉底の状況に応じて適切な冷却条件を精度よく
設定でき、しかも簡単に冷却条件の変更が可能であると
共に、安全に高炉の操業を維持できる高炉炉底の冷却装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の高炉炉底の冷却装置は、高炉炉底に埋設された冷
却管の基端部に冷却媒体を供給して、前記高炉炉底を冷
却する高炉炉底の冷却装置において、前記冷却装置は前
記冷却管に挿入される前記冷却媒体のシール部を有し、
前記基端部から前記シール部までの前記冷却管内に前記
冷却媒体の往復流動する冷却領域が設けられると共に、
前記シール部から先の前記冷却管内に非冷却領域が設け
られている。
【0007】請求項2記載の高炉炉底の冷却装置は、請
求項1記載の高炉炉底の冷却装置において、前記シール
部及び前記冷却領域には、前記非冷却領域から前記基端
部の外気に抜ける圧抜き管が設けられている。請求項3
記載の高炉炉底の冷却装置は、請求項1又は2記載の高
炉炉底の冷却装置において、前記シール部には、前記冷
却管内を管径方向に拡大、縮小して、内管壁に接離する
拡縮径機構が備えられている。請求項4記載の高炉炉底
の冷却装置は、請求項3記載の高炉炉底の冷却装置にお
いて、前記シール部の拡縮径機構が、前記冷却管の内壁
に配置されるゴム部材と、該ゴム部材を管径方向に弾性
変形させる変形手段を有している。
【0008】シール部とは、冷却管の基端部側から供給
される冷却媒体を密封して、冷却管を冷却媒体により冷
却される冷却領域と、冷却媒体の流れない非冷却領域と
に分かつ部分をいう。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。まず、本発明の一実施の形態に係る
高炉炉底の冷却装置を適用する高炉炉底の構造につい
て、図1、図2にそれぞれ示す高炉炉底10の側断面
図、及び平断面図に基づいて説明する。図1、図2に示
されるように、高炉炉底10は、高炉の外殻を構成する
鉄皮11aと、鉄皮11aの内部に内張りされた炉底れ
んが11と、炉底れんが11を支持する底盤12と、底
盤12と基盤13との間に配置される冷却管14と、底
盤12を支えて冷却管14の挿入間隙を形成する図示し
ないビームとを有している。冷却管14は、ほぼ直線状
のパイプ配管よりなり、冷却媒体の一例である冷却水に
より冷却される冷却領域20と、冷却水の流入が規制さ
れた非冷却領域21とに区画されている。ここで冷却領
域とは、冷却効率が高く設定される炉底れんがの部分を
いう。また、冷却効率とは、冷却される領域内における
抜熱量の時間当たりの変化量をいい、冷却管内を流れる
冷却水の流量、冷却管の伝熱抵抗、伝熱面積等により調
整される。なお、冷却管の中の冷却水の流量を減らして
いき、この流量が零となるような状態においても冷却効
率を定義することができる。そして、このような冷却領
域20と非冷却領域21との位置調整は、冷却管14に
挿入される冷却装置18のシール部19を移動させて、
該シール部19を所定の位置に固定することによりそれ
ぞれの冷却領域20及び非冷却領域21の設定を行うこ
とができるようになっている。
【0010】図3は冷却管14に挿入配置される冷却装
置18の側断面図である。同図に示すように冷却装置1
8は、拡縮径機構46を備えたシール部19と、該シー
ル部19を支持する圧抜き管23と、該圧抜き管23の
外側に配置され前記シール部19に接続して軸方向に摺
動可能に設けられた摺動管22と、該摺動管22をグラ
ンドパッキン33を介して摺動自在に支持して、必要に
よりグランドパッキン33を締め付けて固定することの
できる冷却管14の基端部に設けられた冷却管基端部フ
ランジ30と、前記摺動管22の基端部に取り付けられ
た冷却水の供給孔27を有するT型接続具29と、該T
型接続具29に取り付けられ圧抜き管23を支持する冷
却装置基端フランジ31とを備えている。前記供給孔2
7から供給される冷却水が、圧抜き管23と摺動管22
との間を通ってシール部19に向かって流入して、シー
ル部19近傍の摺動管22上に設けられた通水孔26を
通って反転すると共に、摺動管22、及び冷却管14と
の間隙を通る間に底盤12を冷却して、冷却管14の基
端部に配置された、冷却水を排出するための排出孔28
から加熱された冷却水が排出されるようになっている。
【0011】前記拡縮径機構46は図3〜図5に示され
るように、圧抜き管23の先端部近傍の外側に固定配置
された固定フランジ25と、該固定フランジ25より後
方位置に圧抜き管23の外側に摺動自在に配置され摺動
管22に接続する摺動フランジ24と、前記固定フラン
ジ25及び摺動フランジ24間に設けられたゴム部材3
2とを有する。従って、冷却装置基端フランジ31の基
端パッキン締め付けボルト36を緩めて基端パッキン3
4に掛かる押しつけ圧力を解放して、摺動管22と圧抜
き管23との相対位置を調整することにより、固定フラ
ンジ25と摺動フランジ24間の距離を増減することが
できる。図4は、固定フランジ25と摺動フランジ24
との間の距離を長く取った時の状態を示しており、ゴム
部材32が冷却管14の長さ方向に引っ張られることに
より縮径して冷却管14との間に隙間を生じ、シール部
19となる位置を必要に応じて変更可能な状態にするこ
とを示している。一方、図5は、固定フランジ25と摺
動フランジ24との間の距離を縮めることにより、ゴム
部材32を圧縮して管径方向に拡大して、冷却管14の
内壁にゴム部材32を押圧することによりシール部19
を形成させている状態を示している。
【0012】冷却管14内の冷却領域20の冷却水流量
は冷却管14の基端部に配置された供給弁27a、排出
弁28aを介して調整することができ、このような冷却
管14を底盤12と基盤13との間に複数配置して、そ
れぞれの冷却管14内に所定流量の冷却水を供給するこ
とにより、所定範囲の冷却帯を形成させて底盤12の冷
却が行えるようになっている。また、炉底れんが11中
の複数箇所には熱電対が配置されており、刻々変化する
炉底れんが11の温度を測定でき、測定温度データが図
示しないコンピュータに取り込まれて必要な統計演算処
理を行えるようになっている。
【0013】続いて、前記説明した高炉炉底10に配置
される本発明の一実施の形態に係る高炉炉底の冷却装置
18を用いる冷却方法について説明する。まず、高炉炉
底10内の炉底れんが11に多数配置された熱電対によ
り各部位の温度を測定して、その測定データ等を基にし
て高炉炉底10の温度分布を求める。なお、熱電対等に
より得られる測定点のデータ数が少ない場合には、冷却
管14の冷却効率、関与する材料の熱伝導率等の熱条件
を設定し、炉底プロフィール等の操業データに基づいて
必要な有限要素法等の手法を用いて伝熱計算を行って、
より精密な温度分布のデータを得ることも可能である。
例えばこのような伝熱計算は以下の手順により行うこと
ができる。 1)直近の操業データより、炉底れんが11厚みと粘稠
層(付着物層)厚みを含む炉底プロフィールを決定す
る。 2)図6に示すように、前記炉底プロフィールの炉底れ
んが11を伝熱計算の要素となるメッシュに分割して、
各メッシュ位置に対応する材料の熱伝導率、比熱等の物
性値を決定する。 3)現状の炉底れんが11の温度(底盤温度、側壁温度
等)、冷却水温度、溶銑温度、基盤温度の測定値、前記
炉底プロフィールデータ、及び物性値のデータとを用い
て、各メッシュ間あるいは、マクロな条件で伝熱計算を
行って、基盤13への総括伝熱係数等の基礎となる熱定
数を決定する。 4)前記求められた総括伝熱係数を含む熱定数、及び既
知の温度データを用いて、炉底れんが11の各部におけ
る未知の温度を逆算して求め、これにより、より詳細な
炉底れんが11の温度分布を求める。なお、前記伝熱計
算に際しては、2つの平行平面間の熱流量がその平行平
面間の温度差、面積、及び時間に比例し、距離に反比例
するというフーリエの熱伝導方程式を適用して、温度が
既知の2点間における任意の点の温度を計算することが
できる。
【0014】そして、刻々変化する前記温度分布のデー
タから、炉底れんが11の稼働表面上に堆積する付着物
15の付着分布を以下のようにして推定することができ
る。即ち、付着物層の熱定数のデータ、炉底れんが11
のプロフィールデータに基づいて、付着物15層の厚み
によって変動する推定温度分布をシミュレーション計算
により求める。そして、この推定温度分布と前記温度分
布とを対比して、最も適合度の高い推定温度分布に対応
する付着物15の層厚の分布、即ち付着分布を設定する
ことができる。次に、この付着分布を予め求めてある付
着物15の最適分布と比較して、重点的に冷却する炉底
れんが11の冷却領域20を定める。付着物15の付着
分布とは、炉底れんが11の温度測定時点における炉底
れんが稼働表面上の高融点成分からなる堆積物の量ある
いは堆積層のプロフィールをいう。付着物の最適分布と
は、高炉における稼働期間、生産量、原料成分の履歴、
及び炉底れんがの損耗状況等に基づいて計算、推定され
るような、温度測定時点における付着物層に異常のない
標準的なプロフィールをいう。図7はこのようにして求
められた付着分布の一例である炉底れんが11の稼働表
面上に堆積する付着分布であり、図8はこの時点におけ
る付着物15の平均的な最適分布を示す分布図である。
このような付着分布と最適分布とを比較対照することに
より、図7の左上の斜線で示す部分で特に付着物15の
厚みが不足していることが分かり、この斜線部分の冷却
が必要であると判断される。なお、このような冷却領域
20の設定には、前記付着分布と最適分布との差が予め
定めてある閾値を越えるような領域としてコンピュータ
を用いて計算することもできる。
【0015】この冷却の必要部分を冷却領域20とし
て、それぞれの冷却管14に挿入される冷却装置18
を、前記冷却領域20の対応位置にそれぞれ以下のよう
にして設定する。まず、図3、図4に示すように冷却装
置基端フランジ31に設けられた基端パッキン締め付け
ボルト36を緩めて、基端パッキン34に掛かる押圧力
を解放して、摺動管22を圧抜き管23に対して基端部
側に移動させることによりゴム部材32を縮径させてお
く。そして、冷却管基端部フランジ30に設けられたグ
ランドパッキン締め付けボルト35を緩めた状態で、前
記冷却装置18を冷却管14の中に挿入、移動させて、
図2に示すようにそれぞれの冷却装置18のシール部1
9が前記冷却領域20の境界位置に配置されるようにす
る。次に、冷却管基端部フランジ30のグランドパッキ
ン締め付けボルト35を締めて摺動管22を固定した
後、圧抜き管23をシール部19の方向に伸延させるこ
のような変形手段により、図5に示すように、摺動フラ
ンジ24と固定フランジ25との間の距離を縮めること
により、ゴム部材32を変形させて、冷却管14の内壁
に圧着させることができる。そして、この状態で冷却装
置基端フランジ31の基端パッキン締め付けボルト36
を締めて冷却装置18の全体を固定させる。
【0016】このような操作を全ての必要な冷却管14
毎に行って、前記冷却装置18のシール部19の位置に
よって決まる冷却領域20が、前記必要な所定の冷却領
域20となるようにする。T型接続具29の供給孔27
から供給される冷却媒体の量は炉底の温度状況によって
0〜20T/Hrであり、冷却を必要とする場合には冷
却媒体の一例である約15℃の冷却水を1〜20T/H
r・本の供給流量で供給する。この冷却水が、圧抜き管
23と摺動管22間の流路を通って前方のシール部19
に向かって流入する。次に、この冷却水がシール部19
近傍の摺動管22に設けられた通水孔26を通って、冷
却水の流動方向が基端部に向けて反転すると共に、摺動
管22及び冷却管14間の流路を通る間に底盤12と熱
交換して加熱され、冷却管14の基端部に配置された排
出孔28から加熱された冷却水が排出される。
【0017】なお、この間、シール部19より前方の非
冷却領域21には冷却水が供給されることなく維持され
るが、非冷却領域21が圧抜き管23を介して外気に連
通しているために、仮にシール部19のシール効果が不
完全となって、冷却水が非冷却領域21に漏洩したとし
ても、圧力が抜けるために水蒸気爆発等の危険がなく、
安全に炉底の冷却を行うことができる。また、必要に応
じて、この非冷却領域21に圧抜き管23を介して、前
記冷却水とは冷却能の異なる冷却媒体、例えば空気、水
蒸気あるいはそれらの混合ガス等を流通させて、それぞ
れの領域毎に冷却能を調整して、より精密な付着分布の
管理を行うこともできる。さらに、同じ冷却管14に2
つの冷却装置18を対向するように挿入して、冷却管1
4の両端部を冷却領域20とし、中間部を非冷却領域2
1として設定することもできる。そして、前記冷却領域
20に前記冷却水を所定期間、例えば1カ月にわたり送
入して、高炉炉底10の冷却を行った。この結果、炉底
れんが11の温度分布が変化し、この温度分布により推
定、計算される付着物15の付着分布を、当初の目標で
ある図8に一致するような、ほぼ一様な付着物15の分
布状態に変化させることができた。
【0018】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においてはシール部
に適用する拡縮径機構にゴム部材からなる機構を使用し
たが、拡縮径機構を有する金属製の傘状体とすることも
可能である。さらに、ゴム部材を複数のひだ状となるよ
うにして冷却管の内壁に圧入して、ゴム部材が拡大する
際の弾性力により、内壁に圧着させてシール部を形成さ
せることもできる。
【0019】
【発明の効果】請求項1〜4記載の高炉炉底の冷却装置
においては、冷却装置が冷却管に該冷却管の基端部から
送入される冷却媒体のシール部を有し、前記基端部から
前記シール部までの前記冷却管内に冷却媒体の往復流動
する冷却領域が設けられると共に、前記シール部から先
の前記冷却管内に非冷却領域が設けられているので、冷
却管内を必要な冷却領域と非冷却領域とに分かち、該冷
却領域を重点的に冷却できる。このため、高炉炉底れん
がの冷却必要部位を効率的に冷却することが可能とな
り、冷却に際して既設の冷却管の大幅な改造を要するこ
となく簡単かつ容易に冷却領域の設定あるいは変更が可
能である。
【0020】特に、請求項2記載の高炉炉底の冷却装置
においては、シール部及び冷却領域には、非冷却領域か
ら基端部の外気に抜ける圧抜き管が設けられているの
で、前記シール部が不完全となって冷却領域から非冷却
領域に冷却水が漏洩しても、非冷却領域が密閉されるこ
となく、内部の圧力が上昇せず、安全に高炉の操業を行
うことができる。また、請求項3記載の高炉炉底の冷却
装置においては、シール部には冷却管内を管径方向に拡
大、縮小して、内管壁に接離する拡縮径機構が備えられ
ているので、前記シール部を冷却管内の所定の位置に固
定し、あるいは移動させる操作が簡単に行える。請求項
4記載の高炉炉底の冷却装置においては、シール部の拡
縮径機構が、冷却管の内壁に配置されるゴム部材と、該
ゴム部材を管径方向に弾性変形させる変形手段を有して
いるので、冷却管内にシール部を簡単かつ確実に形成さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉炉底の構造を示す側断面図である。
【図2】高炉炉底の構造を示す平断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る高炉炉底の冷却装
置の側断面図である。
【図4】同冷却装置における拡縮径機構の詳細断面図で
ある。
【図5】同冷却装置における拡縮径機構のシール状態を
示す詳細断面図である。
【図6】炉底プロフィールにおけるメッシュ分割図であ
る。
【図7】炉底れんがの稼働面における付着物の付着分布
を示す図である。
【図8】炉底れんがの稼働面における付着物の最適分布
を示す図である。
【符号の説明】
10 高炉炉底 11 炉底れん
が 11a 鉄皮 12 底盤 13 基盤 14 冷却管 15 付着物 18 冷却装置 19 シール部 20 冷却領域 21 非冷却領域 22 摺動管 23 圧抜き管 24 摺動フラ
ンジ 25 固定フランジ 26 通水孔 27 供給孔 27a 供給弁 28 排出孔 28a 排出弁 29 T型接続具 30 冷却管基
端部フランジ 31 冷却装置基端フランジ 32 ゴム部材 33 グランドパッキン 34 基端パッ
キン 35 グランドパッキン締め付けボルト 36 基端パッキン締め付けボルト 46 拡縮径機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石松 宏之 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉炉底に埋設された冷却管の基端部に
    冷却媒体を供給して、前記高炉炉底を冷却する高炉炉底
    の冷却装置において、 前記冷却装置は前記冷却管に挿入される前記冷却媒体の
    シール部を有し、前記基端部から前記シール部までの前
    記冷却管内に前記冷却媒体の往復流動する冷却領域が設
    けられると共に、前記シール部から先の前記冷却管内に
    非冷却領域が設けられていることを特徴とする高炉炉底
    の冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記シール部及び前記冷却領域には、前
    記非冷却領域から前記基端部の外気に抜ける圧抜き管が
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の高炉炉
    底の冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記シール部には、前記冷却管内を管径
    方向に拡大、縮小して、内管壁に接離する拡縮径機構が
    備えられていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    高炉炉底の冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記シール部の拡縮径機構が、前記冷却
    管の内壁に配置されるゴム部材と、該ゴム部材を管径方
    向に弾性変形させる変形手段を有していることを特徴と
    する請求項3記載の高炉炉底の冷却装置。
JP18552296A 1996-06-25 1996-06-25 高炉炉底の冷却装置 Expired - Lifetime JP3607779B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100434537C (zh) * 2006-04-20 2008-11-19 山西太钢不锈钢股份有限公司 高炉炭质炉底冷却装置及其安装方法
JP2011236474A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 Sumitomo Metal Ind Ltd 炉底の侵食ラインの推定方法および炉底構造
CN110760635A (zh) * 2019-12-03 2020-02-07 山东钢铁集团日照有限公司 一种高炉冷却壁套管煤气封堵装置及工作方法

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