JPH1081059A - 複写防止媒体及びその作成方法 - Google Patents

複写防止媒体及びその作成方法

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JPH1081059A
JPH1081059A JP8257330A JP25733096A JPH1081059A JP H1081059 A JPH1081059 A JP H1081059A JP 8257330 A JP8257330 A JP 8257330A JP 25733096 A JP25733096 A JP 25733096A JP H1081059 A JPH1081059 A JP H1081059A
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JP
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copy
thin film
metal thin
light reflecting
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JP8257330A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kinoshita
聡 木下
Akiko Chiyoda
明子 千代田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラーコピー機による偽造防止効果のある複写
防止媒体とその作成方法を提供する。 【解決手段】複写防止媒体の基材11面に少なくとも2
種の反射率の異なる第1の金属薄膜層12と第2の金属
薄膜層13によって潜在パターンを形成し、カラーコピ
ー機による複写物で顕在化させる。その潜在パターンの
作成方法は、印刷基材11面に少なくとも2種の金属を
用いてそれぞれ所定のパターン状に金属蒸着によって第
1及び第2金属薄膜層12、13を形成するか、第1金
属薄膜層を全面に形成しておき、その上に第2の金属薄
膜層を所定のパターンに従って蒸着で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機を用いて偽
造又は改ざんされた複写物の判別機能を有する複写防止
媒体とその作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーコピー機等の複写機の技術
的進歩により、高度な偽造防止策が施されているはずの
銀行券、商品券、株券、債権等の金券、証明書、鑑定
書、入場券、招待券、定期券、並びに、IDカード等の
複写防止媒体の複写物が、市場に出回るようになり、社
会問題となっている。これらの複写機を用いた偽造を抑
制する方法として、従来から、複写防止媒体に、アルミ
粉等からなる銀インキによって、一部の情報を形成する
ことが知られている。この銀インキを用いた複写防止媒
体が、カラーコピー機等の複写機によって、偽造された
としても、光沢感のある銀インキの銀色は、複写物では
再現されない。従って、銀インキの銀色を見ることで、
複写機を用いて偽造された複写物かどうかを判別するこ
とができるため、銀インキには偽造を防止する効果があ
る。また、ホログラムや回折格子の回折構造も、同様
に、複写機で再現できず、複写防止媒体の一部に設けら
れることが行われている。ホログラムや回折格子などの
回折構造は、観察方向や照明方向を変えることで、その
回折光を動的に変化させることができるため、この動的
な変化を確認することにより、回折構造が設けられた複
写防止媒体の真偽を判別することができる。さらに、、
特開平7−309062号公報では、ピッチの異なるス
クリーン線数で形成された大きさが異なり、同じ濃度を
有する2種類の網点を、目視では判別できないように隣
接してパターン状に、複写防止媒体に設けることが提案
されている。この複写防止媒体が、カラーコピー機等の
複写機で複写されると、複写機の低い解像度によって、
2種類の網点の濃度バランスが崩壊し、パターンが顕在
化するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、銀インキ
は、アルミ等からなる扁平な金属粉を透明なビヒクルに
混合させたものであり、金属粉の扁平面の方向にばらつ
きがある。従って、マクロ的にみると、銀インキの反射
表面は、粗面である。一方、カラーコピー機は、被複写
物の表面の法線に対して45度の角度で光源から光を照
射し、その表面の法線に対して0度方向に設置されてい
る受光部で、その表面からの散乱光を受光し、その受光
強度に応じて、被複写物の情報を再現するものである。
よって、銀インキの反射表面は、カラーコピー機の光源
からの光を散乱反射し、その反射光の一部をカラーコピ
ー機の受光部に入射させる。この入射光の強度に基づい
て、カラーコピー機は、被複写物の銀インキの部分を、
複写物では光沢感のない薄い灰色系の色相に再現する。
しかしながら、このように、銀インキの弱い輝きのある
銀色が、複写物において、薄い灰色に再現されるという
変化は、それ自体、インパクトに欠けるため、人によっ
ては、この変化に気が付かず、複写物を本物の複写防止
媒体と見間違えることもあり、また、この程度の変化で
は、複写機による偽造行為を抑制することができないと
いう問題がある。また、ホログラムや回折格子を複写防
止媒体の一部に設けた場合、前述のカラーコピー機の構
造から、45度の方向から入射した照明光による0度の
方向へのホログラムや回折格子の再生像が、複写物に再
現される。ところで、混雑時における短時間の複写物の
判別作業や、暗がりでの複写物の判別作業においては、
回折構造による回折光の動的な変化が充分に確認でき
ず、複写物を本物の複写防止媒体と見間違えるという問
題がある。さらに、特開平7−309062号公報で提
案されている方法では、複写機の解像度に依存している
ため、複写機の解像度や再現性等の性能向上にともな
い、偽造防止効果が薄れていくことが予想されるという
問題がある。本発明は、前述の問題点を鑑みてなされた
もので、目視のみで真偽判別作業が容易にできる複写防
止媒体とその作成方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による複写防止媒
体は、第1の金属薄膜層からなる第1の光反射部と、第
2の金属薄膜層からなる第2の光反射部とを有する複写
防止媒体であって、第1の金属薄膜層の材料と第2の金
属薄膜層の材料とが異なるため、第1の光反射部と第2
の光反射部との反射率を異ならせることができる。隣接
して設けられた第1の光反射部及び第2の光反射部によ
って、潜在パターンが形成されていれば、複写物におけ
る第1の光反射部と第2の光反射部との再現状態に差に
より、潜在パターンが現出する。第1の光反射部及び第
2の光反射部上に、カムフラージュパターンが形成され
ていれば、複写防止媒体における第1の光反射部と第2
の光反射部との反射率の差をカモフラージュすることが
できる。第1の光反射部及び第2の光反射部上に、個別
情報が形成されていてもよい。また、本発明による複写
防止媒体の作成方法は、第1の光反射部と第2の光反射
部とを有する複写防止媒体の作成方法であって、基材を
準備するステップと、基材上の一部に、第1の金属薄膜
層を形成するステップと、基材上の第1の金属薄膜層が
形成されていない部分に、第1の金属薄膜層の材料と異
なる材料からなる第2の金属薄膜層を形成するステップ
と、第1の金属薄膜層を第1の光反射部とするステップ
と、第2の金属薄膜層を第2の光反射部とするステップ
とを有することで、容易に、第1の光反射部と第2の光
反射部との反射率を異ならせることができる。さらに、
本発明による複写防止媒体の第2の作成方法は、第1の
光反射部と第2の光反射部とを有する複写防止媒体の作
成方法であって、基材を準備するステップと、基材上
に、第1の金属薄膜層を形成するステップと、基材上に
形成されている第1の金属薄膜層上の一部に、第1の金
属薄膜層の材料と異なる材料からなる第2の金属薄膜層
を形成するステップと、第1の金属薄膜層が形成されて
おり、第2の金属薄膜層が形成されていない部分を第1
の光反射部とするステップと、第1の金属薄膜層及び第
2の金属薄膜層が形成されている部分を第2の光反射部
とするステップとを有することで、容易に、第1の光反
射部と第2の光反射部との反射率を異ならせることがで
きる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面にしたがって、本発明
を詳細に説明する。図1は、本発明による複写防止媒体
の原理を説明するための図である。一般に、複写機で
は、図1に示すように、複写しようとする被複写物の表
面の法線に対して45度の角度方向の光源から光を照射
し、被複写物の表面で反射散乱する光のうち、法線に対
して0度の角度方向に反射する光を、その方向に設けら
れた受光部で受光し、その受光強度を読み取り、それを
再現する方式が採用されている。なお、本出願におい
て、角度をいうときはすべて法線に対する角度とする。
また、被複写物となる複写防止媒体は、多色印刷された
ものが多く、カラーコピー機では、3原色の各成分ごと
に、受光部で受光される被複写物の表面からの反射光の
受光強度が計測され、その受光強度に応じて、被複写物
の濃度階調や色調が再現される。図1(a)は、一般的
な白色紙を被複写物とした場合を示す図である。照明光
は、被複写物の表面で反射散乱され、0度の角度方向に
反射した光のみが受光部に到達し、受光強度が測定され
る。この受光強度に基づいて、被複写物の濃度階調や色
調が、複写物に再現される。一般的な白色紙面の場合、
反射散乱光の分布は、ほぼ均等であり、0度の角度方向
における反射率は、後述する銀インキや金属光沢に比べ
て大きく、複写機によって複写物に白く再現される。一
方、図1(b)は、鏡面のような金属光沢面を被複写物
とした場合を示す図である。45度の角度方向で照射さ
れた照明光は、金属光沢面で、ほとんど−45度の角度
方向に正反射するため、0度に角度方向にある複写機の
受光部は、反射光をほとんど受光しない。従って、金属
光沢面は、複写機によって複写物に黒く再現される。ま
た、図1(c)は、銀インキによる印刷面を、被複写物
とした場合を示す図である。銀インキによる印刷面は、
反射散乱光の分布が、一般の白色紙よりも、正反射方向
に偏っており、一般の白色紙と金属光沢面との中間的な
特性を示すため、0度に角度方向における反射率も、中
間的な値となる。従って、銀インキによる印刷面は、複
写機によって複写物に輝きのない薄い灰色に再現され
る。これら金属光沢面や銀インキによる印刷面の輝き
は、種々の角度方向から照射される光の中の一部が、金
属光沢面や銀インキの金属粉の表面で正反射され、この
反射光が目に入ってくるためである。ところで、カラー
コピー機等の複写機は、その構造上、正反射光を受光す
ることができず、また、正反射面の再現もできないた
め、これらの光沢面を再現できない。ここで、カラーコ
ピー機の45度の角度方向に設けられた光源からの照明
光に対して、被複写物の0度の角度方向の反射光の比
率、すなわち、45度照射、0度反射率(以下、「反射
率45−0」という)を、次式であらわすことができ
る。 反射率45−0 = 0度の反射光量/45度の照射光
量×100
【0006】被複写物の表面に形成された光反射部の反
射率45−0と目視感覚、複写機によって複写物に再現
された光反射部の反射濃度と目視感覚、及び、被複写物
と複写物との差に関する評価を調べた結果を、表1に示
す。
【表1】 以上の計測の試料とした被複写物の光反射部は、アルミ
蒸着面であり、アルミを蒸着する基材の表面粗さを制御
することにより、反射率45−0の異なる光反射部を得
た。被複写物の光反射部の反射率45−0の計測は、マ
クベスプリントコントラストメーター「PCM−2」に
よりビジュアルフィルターを使用した。なお、以下、反
射率45−0の値は、すべて、この装置による測定値で
ある。複写物で再現された光反射部の反射濃度は、マク
ベス反射濃度計RD−918S(ビジュアルフィルタ
ー)型によって計測した。この反射濃度計は、45度の
角度方向から照明光を照射し、0度の角度方向に反射す
る光量を受光し、反射濃度換算を行う。さらに、目視感
覚の欄は、被複写物では光反射部を、複写物では再現さ
れた光反射部を、目視により表現し、また、評価の欄
は、被複写物の光反射部と複写物で再現された光反射部
とを、10人の人間に見せ、一見して、複写物の判別が
つくかどうかを確認し、判別がついた人の数を記載し
た。表1から、被複写物の光反射部が、複写物では輝き
のない黒又は濃い灰色に再現されれば、それらの違いは
明白となるため、誰が見てもその違いに気が付くととも
に、被複写物をよく知らない者であっても、複写物で再
現された黒又は濃い灰色の異常さに気が付くので、この
光反射部が真偽判別の機能を有する。しかしながら、被
複写物に単一の光反射部しかない場合、カラーコピー機
等の複写機で複写する際に、複写濃度をこの光反射部の
複写物での再現色に基づいて調整されると、例えば、光
反射部が灰色に再現され、被複写物を知らない人が、複
写物が複写されたものかどうか明確に判断できない場合
があった。そこで、本発明では、反射率の異なる2種以
上の光反射部を複写防媒体に設けることにより、複写濃
度の調整による偽造を困難にするとともに、複写物にお
ける2種以上の光反射部の再現状態によって、複写物で
あることを目視で明確に判断できるようにしている。
【0007】図2は、本発明による複写防止媒体を示す
平面図である。以下、理解のしやすいように、「第1の
光反射部」が「第2の光反射部」よりも、反射率45−
0が小さいものとして説明する。図2(a)に示すよう
に、複写防止媒体1は、個別情報表示領域Kと潜在パタ
ーン領域Sとから構成されている。個別情報表示領域K
には、例えば、銀行券であれば、金額、シリアルナンバ
ー、製造所名等の文字、及び、人物像、日本銀行印、彩
紋等の図形からなり、複写機で複写されては困る複写防
止媒体自体に特有な個別情報4が、印刷や印字等の適宜
手段で設けられている。また、潜在パターン領域Sに
は、反射率45−0の異なる2種の光反射部、すなわ
ち、第1の光反射部Aと第2の光反射部Bとが隣接して
設けられている。これら光反射部AとBの境界線によっ
て、潜在パターン3が形成されている。潜在パターン3
は、「複写」、「偽物」、「無効」等の警告文字又はマ
ークから、適宜選択すればよい。なお、光反射部AとB
の反射率45−0差は、複写防止媒体における光反射部
AとBの違いを目視で見落とす程度のもので、カラーコ
ピー機等に複写機でその違いを複写物に再現できるよう
に、2〜10パーセントの範囲にあることが好ましく、
3〜5パーセントの範囲が両者のバランスから望まし
い。ここで、光反射部AとBの反射率45−0の差が、
10パーセントを越えると、本物である複写防止媒体1
であっても、目視困難でなければならない潜在パターン
3が顕在化し、目視により容易に見分けられるため、複
写防止媒体を複写物と間違えてしまうことがある。ま
た、光反射部AとBの反射率45−0の差が、2パーセ
ント未満であると、カラーコピー機によって複写された
複写物であっても、両光反射部による反射率差によって
顕在化するはずの潜在パターン3が顕在化せず、複写物
を容易に見分けられないことがある。また、複写防止媒
体1の潜在パターン3を一層見分けにくくするため、微
細な文字、模様、波線等からなるカムフラージュパター
ン5が、潜在パターン3を設ける潜在パターン領域S
に、印刷により形成されている。
【0008】図2(b)は、図2(a)で示されている
複写防止媒体1がカラーコピー機等の複写機で複写され
た複写物2を示す図である。複写物2の個別情報表示領
域K’は、複写防止媒体1の個別情報表示領域Kと、ほ
とんど同じように再現される。一方、複写防止媒体1の
潜在パターン領域Sに対応する複写物2の潜在パターン
領域の再現領域S’において、図2(b)で示すよう
に、第1の光反射部Aの再現領域A’と第2の光反射部
Bの再現領域B’の再現状態の差によって、複写防止媒
体1で目視困難であった潜在パターン3が、複写物2で
は、顕在化し、牽制パターン3’として容易に目視で確
認できるようになる。この潜在パターン3の顕在化は、
複写防止媒体1の特定な部分の濃度や色調の微妙な変化
と異なり、複写防止媒体1で目視困難であったパターン
が複写物で現出するため、インパクトがある。従って、
複写防止媒体1をよく知らない者であっても、複写物を
見るだけで、その異常さがわかるので、この顕在化によ
る、複写物の判定機能は大きな効果がある。
【0009】また、前述したように、アルミ蒸着面など
の金属光沢面は、反射率45−0が30パーセントを越
えて、40〜50パーセントになると、複写物では薄い
灰色に再現されてしまい、複写物の判定機能が低下す
る。しかし、本発明の複写防止媒体のように2種の光反
射部を有することで、反射率45−0が30パーセント
を越えていたとしても、複写物は、再現された光反射部
に薄いカブリが発生じた状態となりるものの、その中
に、濃度の異なる2つの光反射部の再現領域が見える状
態となる。なお、光反射部の反射率45−0が30パー
セントを越えると、光反射部は若干の光沢が感じられる
程度となり、複写防止媒体の全体を見た場合の不自然さ
が減少する。
【0010】ここで、潜在パターン3を設ける複写防止
媒体1の場所は、図2(a)の例に限らず、複写防止媒
体1上であれば、どのような位置にあってもよいが、複
写機を用いて偽造された複写物の目に付きやすい場所に
設けることが好ましい。さらに、潜在パターン表示領域
Sと個別情報表示領域Kとは、図2(a)のように、区
画する必要はなく、適宜重なり合ってもよく、個別情報
表示4が、光反射部AとB上に設けられてもよい。
【0011】次に、本発明による複写防止媒体の作成方
法について説明する。図3は、本発明による複写防止媒
体1の潜在パターン領域Sを説明するための模式断面図
である。一般に、金属は、その金属に固有の光沢、すな
わち、その金属に固有の反射率を有する特性がある。本
発明は、この特性を利用するものである。図3(a)に
示す実施形態は、基材11上に、第1の金属薄膜層12
と第2の金属薄膜層13とが、重ならないように形成さ
れている。第1の金属薄膜層12に使用される金属と第
2の金属薄膜層13に使用される金属としては、異なる
金属が使用されている。従って、それぞれの金属固有の
反射特性により、異なる反射率45−0を持つ、第1の
金属薄膜層12からなる第1の光反射部Aと、第2の金
属薄膜層13からなる第2の光反射部Bとが得られる。
基材11としては、金属との接着の高いものであれば使
用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレートシートの
プラスチックシートが使用できる。また、金属との接着
性の悪いものであっても、基材11と金属薄膜層との間
に、ポリエステル系樹脂等のアンカー層を設けること
で、使用することができる。さらに、上質紙のように、
浸透性があり表面状態が良好でないものについては、塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体系の樹脂等による目止め層
を設けてもよい。また、基材11の表面が平滑でない場
合、金属薄膜層は、基材11の表面粗さに従って、一定
の反射率45−0を持つため、基材11と金属薄膜層と
の間にアンカー層を設け、アンカー層の材料に加える微
粒子の量や粒径で金属薄膜層の反射率45−0を制御す
ることができる。第1の金属薄膜層12及び第2の金属
薄膜層13としては、金属反射する材料、例えば、アル
ミニウム、スズなどの金属が使用でき、充分に光を反射
できる厚さ、例えば、200〜1000オングストロー
ムの厚さで形成される。金属薄膜層は、マスクやレジス
ト等を利用して、真空蒸着法やスパッタリング法等の薄
膜形成手段により、部分的に形成することができる。こ
こでは、第1の金属薄膜層12と第2の金属薄膜層13
として、異なる材料を使用する。この際、第1の金属薄
膜層12としてアルミニウム、第2の金属薄膜層13と
してテルル等のように、可視光下で同系色の金属を選択
することにより、潜在パターンを形成することができ
る。なお、アルミニウム等の金属単体に代えて、硫化亜
鉛等の透明で高い屈折率を有する金属化合物を金属薄膜
層13として、使用してもよい。高い屈折率を有する金
属化合物は、界面での屈折率差によって、入射光の一部
を正反射方向に反射するため、金属化合物が形成された
部分の複写物は、形成されていない部分に比べて黒ずん
で再現される。高い屈折率を有する金属化合物は、金属
の単体のように複写防止媒体が金属光沢を持たず、複写
防止媒体としての自然さが増す。図3(b)に示す実施
形態は、基材11の全面に、第1の金属薄膜層12が形
成されており、第1の金属薄膜層12上の一部に、第2
の金属薄膜層13が形成されている。第1の金属薄膜層
が形成されており、第2の金属薄膜層が形成されていな
い部分からなる第1の光反射部Aとし、第1の金属薄膜
層及び第2の金属薄膜層が形成されている部分からなる
第2の光反射部Bとする。第1の金属薄膜層12に使用
される金属と第2の金属薄膜層13に使用される金属と
しては、異なる金属が使用されている。従って、第1の
光反射部Aと第2の光反射部Bとは、それぞれの金属固
有の反射特性により、異なる反射率45−0を持つ。基
材11、第1の金属薄膜層12、及び、第2の金属薄膜
層13としては、図3(a)の実施形態と同様のものが
使用できる。図3(b)の実施形態は、図3(a)の実
施形態に比べて、金属薄膜層を部分的に形成する工程が
1工程少ない点と、第1の金属薄膜層12と第2の金属
薄膜層12とを隙間が生じないように形成できる点とで
有利である。
【0012】図4は、完成した複写防止媒体を示す断面
図である。複写防止媒体1は、第1の金属薄膜層12及
び第2の金属薄膜層13上に、カムフラージュパターン
印刷層15を、オフセット、シルク等の印刷方法で印刷
している。さらに、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹
脂等による保護層14が設けられている。以上、本発明
の実施例について詳細に説明してきたが、本発明は、そ
の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、光反射部
は、2種ではなく、3種以上であってもよい。また、図
示しないが、保護層16の上又は下に、個別情報印刷層
を、印刷や印字などによって設けてもよい。さらに、保
護層14として、透明インキや透明プラスチックフィル
ムを積層してもよく、ポリエステル系樹脂やアクリル系
樹脂等に染料や顔料を混入した着色層等を設けてもよ
い。
【0013】(実施例1)厚さ188μmの白色ポリエ
チレンテレフタレートシートからなる基材上に、ポリエ
ステル系樹脂からなる透明アンカー剤をグラビア印刷で
1μmの厚さに形成した。次に、このアンカー層の上の
第1の金属薄膜層を形成しない部分に、シルクスクリー
ン印刷により、ポリビニルアルコールを主成分とする水
溶性樹脂を「COPY」の文字を除く背景部分を残して
塗布した後、アルミニウムを500オングストロームの
厚さまで真空蒸着し、水洗いすることで不要部分のアル
ミニウムを除去して、第1の金属薄膜層を設け、第1の
光反射部を得た。次に、この第1の金属薄膜層上に、水
溶性樹脂を塗布して、ロジュウム(Rh)を500オン
グストロームの厚さまで真空蒸着し、水洗いすること
で、第1の金属薄膜層上の水溶性樹脂とロジュウムを除
去し、第2の金属薄膜層13を設け、第2の光反射部を
得た。さらに、彩紋からなるカムフラージュパターン印
刷層をグラビア印刷で形成した。さらに、このカムフラ
ージュパターン印刷層上に、グラビア印刷で保護層を設
けて、複写防止媒体を完成させた。このとき、第1の光
反射部の反射率45−0は、10パーセントであり、第
2の光反射部の反射率45−0は、15パーセントであ
った。このように作成された複写防止媒体において、第
1の光反射部と第2の光反射部との境界線からなる潜在
パターン「COPY」を、目視では判別しにくいもので
あった。また、この複写防止媒体を、カラーコピー機
(CLC500、キャノン製)で複写したところ、潜在
パターンである「COPY」の文字が顕在化し、複写物
であることが容易に識別できた。
【0014】(実施例2)厚さ188μmの白色ポリエ
チレンテレフタレートシートからなる基材11上に、ポ
リエステル系樹脂からなる透明アンカー剤をグラビア印
刷で1μmの厚さに形成した。次に、このアンカー層全
面に、アルミニウムを500オングストロームの厚さま
で真空蒸着して、第1の金属薄膜層を設け、第1の光反
射部を得た。次に、「COPY」の文字を遮蔽する鉄板
からなるマスクを、第1の金属薄膜層上に重ね、ロジュ
ウムを500オングストロームの厚さまで真空蒸着し
て、「COPY」の文字を除く背景部分にのみ、ロジュ
ウムを形成し、第2の金属薄膜層を設け、第2の光反射
部を得た。このように作成された複写防止媒体におい
て、第1の光反射部と第2の光反射部との境界線からな
る潜在パターン「COPY」を、目視では判別しにくい
ものであった。また、この複写防止媒体を、カラーコピ
ー機(CLC500、キャノン製)で複写したところ、
潜在パターンである「COPY」の文字が顕在化し、複
写物であることが容易に識別できた。
【0015】
【発明の効果】本発明による複写防止媒体は、第1の金
属薄膜層の材料と第2の金属薄膜層の材料とが異なるた
め、第1の光反射部と第2の光反射部との反射率を異な
らせることができるので、複写物における第1の光反射
部と第2の光反射部との再現状態に差が生じ、複写機の
濃度調節による偽造を困難にするとともに、複写物が複
写されたものであることを目視で明確に判断でき、複写
防止媒体の複写機による偽造を抑制できるとともに、複
写物の使用を防止することができる。潜在パターンが形
成されていれば、複写物における第1の光反射部と第2
の光反射部との再現状態に差により、潜在パターンが現
出するため、本物の複写防止媒体を知らない人であって
も、複写物の判別を容易にすることができる。カムフラ
ージュパターンが形成されていれば、複写防止媒体にお
ける第1の光反射部と第2の光反射部との反射率の差を
カムフラージュすることができるので、本物である複写
防止媒体の2つの光反射部の差を目視で判別しにくする
ことができる。また、本発明による複写防止媒体の作成
方法は、第1の光反射部と第2の光反射部とを有する複
写防止媒体の作成方法であって、基材を準備するステッ
プと、基材上の一部に、第1の金属薄膜層を形成するス
テップと、基材上の第1の金属薄膜層が形成されていな
い部分に、第1の金属薄膜層の材料と異なる材料からな
る第2の金属薄膜層を形成するステップと、第1の金属
薄膜層を第1の光反射部とするステップと、第2の金属
薄膜層を第2の光反射部とするステップとを有すること
で、容易に、第1の光反射部と第2の光反射部との反射
率を異ならせることができるので、複写物における第1
の光反射部と第2の光反射部との再現状態に差が生じ、
複写機の濃度調節による偽造を困難にするとともに、複
写物が複写されたものであることを目視で明確に判断で
き、複写防止媒体の複写機による偽造を抑制できるとと
もに、複写物の使用を防止することができる複写防止媒
体を作成することができる。さらに、本発明による複写
防止媒体の第2の作成方法は、第1の光反射部と第2の
光反射部とを有する複写防止媒体の作成方法であって、
基材を準備するステップと、基材上に、第1の金属薄膜
層を形成するステップと、基材上に形成されている第1
の金属薄膜層上の一部に、第1の金属薄膜層の材料と異
なる材料からなる第2の金属薄膜層を形成するステップ
と、第1の金属薄膜層が形成されており、第2の金属薄
膜層が形成されていない部分を第1の光反射部とするス
テップと、第1の金属薄膜層及び第2の金属薄膜層が形
成されている部分を第2の光反射部とするステップとを
有することで、容易に、第1の光反射部と第2の光反射
部との反射率を異ならせることができるので、複写物に
おける第1の光反射部と第2の光反射部との再現状態に
差が生じ、複写機の濃度調節による偽造を困難にすると
ともに、複写物が複写されたものであることを目視で明
確に判断でき、複写防止媒体の複写機による偽造を抑制
できるとともに、複写物の使用を防止することができる
複写防止媒体を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による複写防止媒体の原理を説
明するための図である。
【図2】図2は、本発明による複写防止媒体を示す平面
図である。
【図3】図3は、本発明による複写防止媒体1の潜在パ
ターン領域Sを説明するための模式断面図である。
【図4】図4は、完成した複写防止媒体を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 複写防止媒体 2 複写物 3 潜在パターン 3’ 牽制パターン 4 個別情報 5 カムフラージュパターン 11 基材 12 第1の金属薄膜層 13 第2の金属薄膜層 14 保護層 15 カムフラージュパターン印刷層 A 第1の光反射部 B 第2の光反射部 A’ 第1の光反射部の再現領域 B’ 第2の光反射部の再現領域 K 個別情報表示領域 K’ 個別情報表示領域の再現領域 S 潜在パターン領域 S’ 潜在パターン領域の再現領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の金属薄膜層からなる第1の光反射部
    と、第2の金属薄膜層からなる第2の光反射部とを有す
    る複写防止媒体であって、前記第1の金属薄膜層の材料
    と前記第2の金属薄膜層の材料とが異なることを特徴と
    する複写防止媒体。
  2. 【請求項2】隣接して設けられた前記第1の光反射部及
    び前記第2の光反射部によって、潜在パターンが形成さ
    れている請求項1項記載の複写防止媒体。
  3. 【請求項3】前記第1の光反射部及び前記第2の光反射
    部上に、カムフラージュパターンが形成されている請求
    項1又は2項記載の複写防止媒体。
  4. 【請求項4】前記第1の光反射部及び前記第2の光反射
    部上に、個別情報が形成されている請求項1から3のい
    ずれか1項記載の複写防止媒体。
  5. 【請求項5】第1の光反射部と第2の光反射部とを有す
    る複写防止媒体の作成方法であって、 基材を準備するステップと、 前記基材上の一部に、第1の金属薄膜層を形成するステ
    ップと、 前記基材上の前記第1の金属薄膜層が形成されていない
    部分に、前記第1の金属薄膜層の材料と異なる材料から
    なる第2の金属薄膜層を形成するステップと、 前記第1の金属薄膜層を第1の光反射部とするステップ
    と、 前記第2の金属薄膜層を第2の光反射部とするステップ
    とを有することを特徴をする複写防止媒体の作成方法。
  6. 【請求項6】第1の光反射部と第2の光反射部とを有す
    る複写防止媒体の作成方法であって、 基材を準備するステップと、 前記基材上に、第1の金属薄膜層を形成するステップ
    と、 前記基材上に形成されている前記第1の金属薄膜層上の
    一部に、前記第1の金属薄膜層の材料と異なる材料から
    なる第2の金属薄膜層を形成するステップと、 前記第1の金属薄膜層が形成されており、前記第2の金
    属薄膜層が形成されていない部分を第1の光反射部とす
    るステップと、 前記第1の金属薄膜層及び前記第2の金属薄膜層が形成
    されている部分を第2の光反射部とするステップとを有
    することを特徴をする複写防止媒体の作成方法。
JP8257330A 1996-09-09 1996-09-09 複写防止媒体及びその作成方法 Withdrawn JPH1081059A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004268403A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Nissha Printing Co Ltd 加飾シートおよびその製造方法
JP2007328038A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Hitachi High-Technologies Corp 顕微鏡用寸法校正試料

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