JP3451858B2 - 回折格子パターンおよびそれを適用した物品 - Google Patents

回折格子パターンおよびそれを適用した物品

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JP3451858B2
JP3451858B2 JP31378296A JP31378296A JP3451858B2 JP 3451858 B2 JP3451858 B2 JP 3451858B2 JP 31378296 A JP31378296 A JP 31378296A JP 31378296 A JP31378296 A JP 31378296A JP 3451858 B2 JP3451858 B2 JP 3451858B2
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    • G03H1/0493Special holograms not otherwise provided for, e.g. conoscopic, referenceless holography
    • G03H2001/0497Dot matrix holograms

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、金券,有価証券な
どに、複写(コピー)による偽造を防止する機能を付加
するための回折格子パターンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コピー装置の性能の向上に伴
う金券,有価証券などの複写物による不正使用(偽造)
への対策が望まれている。
【0003】ホログラムや回折格子を用いた複写防止に
係る提案のうち、レリーフ型回折格子が同一基板の表面
で適宜に組み合わされ、全面に反射層が形成されてなる
回折格子パターンにおいて、2種類の直交する回折格子
の組み合わせから構成されるパターンが、本出願人によ
る特願平6−196602号によって提案されている。
【0004】図1に、上記出願による回折格子パターン
の一例を示す。前記パターンは、水平方向の格子縞から
形成される文字「TPTP」と文字の回りは垂直方向の
格子縞からなるパターンと、垂直方向の格子縞から形成
される文字「PTPT」と文字の回りは水平方向の格子
縞からなるパターンとの組み合わせからなるパターンで
ある。
【0005】上記パターン(現物)に照明光を当てて肉
眼で観察した場合、文字とその回りでは反射回折する方
向が異なると共に、見る角度によって、パターン全体の
色や明るさが変わって視覚される。
【0006】また、パターンの全面には反射性金属層が
形成されているため、通常、パターンから反射回折させ
ない場合には、金属光沢を伴って視覚されることにな
る。
【0007】上記パターンをコピーする場合に、コピー
装置の光源がパターン上をスキャンする際に、スキャン
に応じて被コピー物からの正反射光の受光部が移動する
方向(以下、便宜的に「スキャン方向」と称する)と、
パターン内の回折格子の方向とが直交していると、その
回折格子が構成するパターンはコピーされるが、方向が
直交する他方の回折格子が構成するパターンはコピーさ
れないことになり、複写物(コピー)の見え方が、明ら
かに元々のパターンに対して違和感のあるものと感じら
れることにより、それが正規のパターンではなく複写物
であることを判別できる。
【0008】スキャン方向が垂直な場合の、図1のパタ
ーンの複写物を図2に示す。カラーコピーの場合には、
白以外の色は、イエロー,マゼンタ,シアンの3色もし
くはブラックを加えた4色のトナーによる減法混色によ
り、色再現される。モノクロコピーの場合には、ブラッ
クのトナーのみの濃淡で再現される。ここでは説明の便
宜上、モノクロコピーの場合で代表して説明するが、カ
ラーコピーでも同様に、本発明が適用される。
【0009】図2では、文字「TPTP」からの反射光
は受光部に検知されているため、パターンが同図で白く
複写されているが、文字の回りからの反射光は受光部に
検知されずに同図で黒くなってしまう。一方、文字「P
TPT」からの反射光は受光部に検知されずに黒くなっ
てしまい、文字の回りからの反射光は受光部に検知され
て同図で白く複写されることになる。
【0010】また、同じパターンに対して、スキャン方
向が水平な場合の複写物を図3に示す。図3では、白と
黒が図2と逆になる。
【0011】直交する2種類の回折格子からなる原稿
(コピー対象)が、スキャン方向に対して例えば45°
傾いている場合には、強度が弱いながらも双方の回折格
子からの反射回折光も均等に受光部が検知することにな
るので、パターンの実物(反射層を持つレリーフ型回折
格子)と複写物とは、明らかに見え方が異なるが、元
々、反射層を持つレリーフ型回折格子自体の存在を知ら
ない人(金属光沢に対して先入観のない人)にとって
は、絵柄全体として違和感がなければその複写物を異常
と感じることなく、偽造に気付かないでしまう惧れがあ
る。
【0012】図1のパターンに対して、スキャン方向が
45°傾いている場合の複写物を図4に示す。図4で
は、全くコピーされない黒の部分はないので、明確に複
写物であることは判別できず、文字が絵柄として違和感
なく判別できれば、その複写物を異常と感じないことも
あり得る。
【0013】従って、あらゆるスキャン方向からの複写
に対しても、複写物の見え方に明らかに違和感があるよ
うに感じさせる(絵柄全体として不完全なものとする)
ようなパターンとしなければならない。
【0014】このように、上記提案ではコピーに対して
一定の防止効果はあるものの、パターンが「互いに直交
する2種類の回折格子」から構成される2組の要素パタ
ーンの組み合わせからなるため、視覚的なイメージが極
めて二値的なものに限られ、意匠(デザイン)面での制
約を受けやすい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、視覚的なイ
メージが斬新な回折格子パターンを提供し、偽造困難性
を一層高めることを目的とする。また、従来はコピーに
よる偽造が比較的容易だった金券,チケットなどの物品
に対して前記パターンを適用することにより、コピーを
行なっても、複写物からは回折格子による絵柄(パター
ン)を完全に再現されないようにすることを目的とす
る。
【0016】請求項1に記載の発明は、回折格子からな
る微小なセル(または、ドット)が同一基板の表面に複
数配置され、全面に反射層が形成されたレリーフ型回折
格子からなる回折格子パターンにおいて、近接するセル
間では回折格子の方向が近似し、パターン全体からの反
射回折光の方向が連続的に変化する回折格子列が並行し
て複数あり、それぞれの回折格子列における回折格子の
方向が、同一周期で位相が異なって変化し、回折格子の
方向が、回折格子パターン内でほぼ180°に渡って変
化する構成であることを特徴とする回折格子パターンで
ある。
【0017】請求項2に記載の発明は、回折格子からな
る微小なセル(または、ドット)が同一基板の表面に複
数配置され、全面に反射層が形成されたレリーフ型回折
格子からなる回折格子パターンにおいて、近接するセル
間では回折格子の方向が近似し、パターン全体からの反
射回折光の方向が連続的に変化する回折格子列が並行し
て複数あり、それぞれの回折格子列における回折格子の
方向が、周期が異なって変化し、回折格子の方向が、回
折格子パターン内でほぼ180°に渡って変化する構成
であることを特徴とする回折格子パターンである。
【0018】請求項3に記載の発明は、回折格子からな
る微小なセル(または、ドット)が同一基板の表面に複
数配置され、全面に反射層が形成されたレリーフ型回折
格子からなる回折格子パターンにおいて、近接するセル
間では回折格子の方向が近似し、パターン全体からの反
射回折光の方向が連続的に変化する回折格子列が並行し
て複数あり、それぞれの回折格子列における回折格子の
方向が、回転方向が異なって変化し、回折格子の方向
が、回折格子パターン内でほぼ180°に渡って変化す
る構成であることを特徴とする回折格子パターンであ
る。
【0019】請求項4に記載の発明は、回折格子パター
ン内に、周囲の回折格子の方向とほぼ直交するセルの集
まりにより構成される別な特定パターンが含まれる構成
であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
載の回折格子パターンである。
【0020】請求項5に記載の発明は、回折格子が存在
しない領域を含むことを特徴とする請求項1乃至4のい
ずれかに記載の回折格子パターンである。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求
項5のいずれかに記載の回折格子パターンを表面に形成
してなる物品である。
【0022】
【0023】これらの回折格子パターンを表面に形成す
ることにより、複写防止が図られた物品(金券,有価証
券など)とする。
【0024】回折格子は、各種の作製方法が周知であ
り、微小なセル(または、ドット)を構成単位とする回
折格子パターンの作製方法としては、「2光束干渉」に
よる手法および「電子線(EB)による描画」が公知で
ある。
【0025】2光束干渉法による前記パターンの作製方
法は、本出願人による特開昭60−156004号公報
や特開平2−72319号公報に開示されている。上記
方法は、2光束干渉法(レーザー光などの2本のビーム
状のコヒーレント光を、感光材料上で干渉させて、干渉
縞を記録する方法)による微小な干渉縞(以下、回折格
子と称する)を、そのピッチ・方向・光強度を適宜変化
させて、感光材料上にドット単位で次々と露光し、ドッ
トの集まりによって絵柄(パターン)を形成するもので
ある。
【0026】EB描画による前記パターンの作製方法
は、本出願人による特開平2−72320号公報に開示
されている。上記方法は、電子線により回折格子を直接
描画するものであり、そのピッチ・方向・光強度を適宜
変化させることが、2光束干渉法よりも自在である。
【0027】<作用>近接するセル間では回折格子の方
向が近似し、パターン全体からの反射回折光の方向が連
続的に変化する構成であることにより、パターンを観察
する際に傾けたりすると、輝線が流れるように感じら
れ、動的な視覚効果を持たせることができる。そのた
め、コピーでの偽造によって同様な効果を持たせるよう
にすることは不可能である。(請求項1)
【0028】パターン内に、周囲の回折格子の方向とほ
ぼ直交するセルの集まりにより構成される別な特定パタ
ーンを含ませる(例えば、絵柄の中に文字や数字を入れ
るようにして)ことにより、特定パターンの視認性が向
上する。(請求項2)
【0029】回折格子の方向が、パターン内でほぼ18
0°に渡って変化させることにより、パターンをコピー
する際に、あらゆるスキャン方向に対しても、コピーさ
れずに黒く写ってしまうセルを生じさせることが容易と
なる。(請求項3)
【0030】近接するセル間で回折格子の方向が近似
し、パターン全体からの反射回折光の方向が連続的に変
化する回折格子列が並行して複数列あり、それぞれの回
折格子列における回折格子の方向が、 同一周期で位相が異なるように 周期が異なるように 回転方向が異なるように 上記の何れかのように変化することにより、パターン自
体の視覚的なイメージが一層斬新となると共に、パター
ンをコピーする際に、あらゆるスキャン方向に対して
も、コピーされずに黒く写ってしまうセルを生じさせる
ことが容易となる。(請求項4,5,6)
【0031】パターン内に回折格子が存在しない領域を
含ませることにより、全くコピーされない領域が複写物
上に存在することになり、元々、回折格子パターンの存
在を知らない人(上記した動的な視覚効果に係る先入観
のない人)にとっても、絵柄として違和感を覚えさせる
ことができる。(請求項7)
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。図5は、回折格子からなるドットがアレ
イ状に配置されたパターンを示す説明図であり、同図の
上下方向で、それぞれのドット内の回折格子の方向が連
続的(左回りに)に変化している。なお、同図の左右方
向には、ドット列の回折格子の方向は同一である。同図
のパターンを観察する際に動かしたり(または、観察者
が見る角度を変えたり)すると、上下方向に輝線が流れ
るように感じられることになる。
【0033】同図に示すように、パターン内の上下での
回折格子の方向が180°の範囲で変化している(最上
の回折格子が垂直方向であり、左回りで徐々に角度を変
えて、最下の回折格子も垂直方向になっている)と、パ
ターンをコピーする際に、あらゆるスキャン方向に対し
ても、回折格子の方向が等しいドットが存在することに
なり、コピーされずに黒く写ってしまうドットが必然的
に生じるため、本発明の目的の上で好適である。
【0034】2光束干渉法による上記ドットは、0.1
〜0.3mm径程度が一般的であるが、0.2mm径の
ドットを密集させて同図のパターンを作製した場合、上
下の長さが10cmであると、回折格子の方向を180
°の範囲で変化させるには、上下に近接するドット間で
の回折格子の方向を0.36°ずつ変化させることにな
る。EB描画でも上記のようなパターンを作製すること
ができるが、EB描画では、パターンの構成単位は、丸
い形状のドットに限定されないセルとすることができ、
その大きさも2光束干渉法に比べて自在に大きくも小さ
くもできる。
【0035】同図のパターンを、3種類のスキャン方向
でコピーした際の複写物を、図6〜図8に示す。図6は
スキャン方向が0°(図5の下から上への方向)、図7
は45°(図5の右上がり方向)、図8は90°(図5
の左から右への方向)に相当する。図6〜図8では、被
コピー物であるオリジナルのパターンとは無関係に、明
るくコピーされている部分とコピーされずに暗い部分と
が、斜め方向に分布しているが、同図の場合では、コピ
ー装置の光源が棒状でなく点光源が散在しており、それ
ぞれの点光源からの反射光を検知する受光部での強度の
分布によって、上記のようになっているのである。
【0036】なお、説明の都合上、図5のようなアレイ
状のドットの集まりも「パターン」と表現してきたが、
ドットの配置のさせ方によって「絵柄」を構成するパタ
ーンとして装飾性を向上させても良いことは言うまでも
ない。または、図5のパターンを、他のホログラムや回
折格子パターンの一部に混在させても良い。
【0037】当然のことながら、何れの複写物によって
も、上記の動的な視覚効果(輝線が流れるように見え
る)を持たせることは不可能である。しかし、複写物に
係る図6〜図8では、スキャン方向と同一方向の回折格
子があることにより、その部分は全くコピーされないこ
とになり、必然的に複写物上では「黒」の領域が発生し
てしまい、違和感のあるものとして認識され、真偽の判
別を助けることになる。
【0038】図9は、請求項に対応する回折格子パタ
ーンの一例を示す説明図である。図5のようなアレイ状
の回折格子パターンの中に、さらに装飾パターン(ロゴ
や文字・絵柄などを構成する領域)を含ませ、その装飾
パターン内の回折格子の方向を、連続的に変化している
回りの回折格子と変える。同図では、装飾パターンとし
て「A」や「C」の文字を構成している。
【0039】装飾パターン内の回折格子の方向は、視認
性を高めるためには、回りの回折格子の方向と直交する
ように連続的に変化させることが考えられるが、装飾パ
ターンも輝線が流れるように視覚されると紛らわしい場
合もあるので、同図では装飾パターン内の回折格子の方
向は一定させており、周囲のドットのうち、中間部に位
置するドットの回折格子の方向と直交させている。
【0040】また、いかなるスキャン方向のコピーに対
しても、必ず複写物に「黒」の領域を生じさせるには、
前述した特願平6−196602号にもあるように、
「パターン内に回折格子のない領域を具備させる」こと
が有効である。図10は、請求項に対応する回折格子
パターンの一例を示す説明図であり、回折格子が存在し
ない領域(文字と文字の間のライン)を含むパターンの
一例を示す。
【0041】図10のパターン(現物)を観察する際に
動かしたり(または、観察者が見る角度を変えたり)す
ると、回折格子が存在しない領域(上記ライン)を除い
て、上下方向に輝線が流れるように感じられる。
【0042】また、図10のパターンをコピーすると、
スキャン方向に依存せず、上記ラインは、常に「黒」と
してコピーされるため、フルカラーの中に唐突な印象を
与えて、回折格子自体の存在を全く知らないユーザーで
あっても、このように、黒くなった領域のある複写物を
見れば、それが異常であることに気付いて偽造品を判別
することができる。
【0043】上記のように、「ライン状」に限らず、回
折格子の存在しない領域を、パターン(現物)を観察す
る際に肉眼では識別できない程度に混在させる(例え
ば、破線状に飛び飛びに存在させるなどして)と、現物
のパターンからは視覚しづらい破線パターン状に、複写
物では「黒」の領域が現れてくることになるので、異常
に対してさらに気付きやすくなる。
【0044】図11は、請求項に対応する回折格子パ
ターンの一例を示す説明図である。図5と同様に、回折
格子からなるドットがアレイ状に配置されたパターンで
あり、上から下に向かって、それぞれのドット内の回折
格子の方向が左回りに連続的に変化している回折格子列
(A,B)が並行している。
【0045】図11では、3列のドットによって1つの
回折格子列(A,B)を形成しているが、それに限られ
るものではなく、何列のドットによって1つの回折格子
列を形成しても良く、回折格子列が何列あっても良い。
また、図11では、各格子列内で回折格子の方向が変化
する周期は同一であり、格子列毎に位相(同図で、ドッ
トaとbのように、格子列の間で隣り合うドットの回折
格子の方向)のみが異なっている。
【0046】図12は、請求項に対応する回折格子パ
ターンの一例を示す説明図であり、図11と同様に、回
折格子からなるドットがアレイ状に配置され、上から下
に向かって、それぞれのドット内の回折格子の方向が左
回りに連続的に変化している回折格子列(A,B)が並
行している。
【0047】図12では、格子列A,Bの間で、回折格
子の方向が変化する周期が異なっている。すなわち、格
子列Aは、最上から最下まで360°の範囲で位相が変
化しているが、格子列Bは、180°の範囲で位相が変
化している。
【0048】従って、図12のパターン(実物)によっ
ても、上記の動的な視覚効果(輝線が流れるように見え
る)を持たせることが可能であるが、周期が異なること
により、格子列AとBとでは、輝線の流れ方が異なるこ
とになる。
【0049】図13は、請求項に対応する回折格子パ
ターンの一例を示す説明図である。図11,12と同様
に、回折格子からなるドットがアレイ状に配置され、3
列のドットによって構成される回折格子列AとBが形成
されたパターンである。図13では、各格子列内で回折
格子の方向が変化する周期は同一であり、格子列毎に位
相は異なっている。回折格子列Aは、上から下に向かっ
て、それぞれのドット内の回折格子の方向が左回りに連
続的に変化しているが、回折格子列Bでは右回りで連続
的に変化している。
【0050】従って、図13のパターン(実物)によっ
ても、上記の動的な視覚効果(輝線が流れるように見え
る)を持たせることが可能であるが、回折格子の方向が
変化する回転方向が異なることにより、格子列AとBと
では、輝線の流れ方が異なることになる。すなわち、回
折格子列Aが上から下に向かって輝線が流れる際には、
回折格子列Bでは下から上に向かって輝線が流れるよう
になる。
【0051】図11〜図13のパターンは、パターン自
体の視覚的な(動的な)イメージが一層斬新となると共
に、パターンをコピーする際に、あらゆるスキャン方向
に対しても、コピーされずに黒く写ってしまうセルを生
じさせることがさらに容易となる。
【0052】回折格子の方向の変化のさせ方としては、 同一周期で位相が異なるように(図11) 周期が異なるように(図12) 回転方向が異なるように(図13) の3つがあるが、これらを適宜に組み合わせる(と
)ことにより、本発明による効果が一層顕著になる。
【0053】このような回折格子パターンを物品表面に
形成することによって、複写による偽造が妨げられるこ
とになる。偽造防止が必要な物品としては、カード,プ
リペイドカード,商品券,トラベラーズチェック,通
帳,切符,入場券,名刺などの信用が求められるもの全
てに適用でき、紙,樹脂,金属材など材質を問うもので
はなく、表面も平面に限らず、視覚的もしくは回折格子
パターンの読み取り性能上問題とならない程度の湾曲や
凹凸などがあっても構わない。
【0054】回折格子パターンを物品表面に形成する方
法としては、転写シートもしくはシール(ラベル)の形
態として形成するのが好ましい。図14は、転写シート
10の構成例を示す断面説明図である。シール(ラベ
ル)の場合は、一般的には後述する転写シートの構成の
うち、剥離保護層および樹脂層を除いた構成になる。
【0055】図14に示すように、この回折格子パター
ンを有する転写シート10は、ベースフィルムである支
持体フィルム11上に、剥離保護層12,回折格子パタ
ーン形成層13,薄膜層14,樹脂層15,および接着
層16を、順次積層して構成される。
【0056】支持体フィルム11としては、例えばポリ
エステル,アセテート,ポリカーボネートなどが用いら
れる。
【0057】剥離保護層12としては、例えばポリアク
リル系、アクリル・ビニール系樹脂などを主成分とし、
その厚さは0.5〜2μmが適当である。
【0058】さらに、回折格子パターン形成層13とし
ては、例えば酸価を有したアクリル系樹脂,ウレタン系
樹脂,セルロースアセテート系樹脂,ニトロセルロース
系樹脂等を主成分とし、その厚さを0.5〜2μmにバ
ーコート,ブレードコート,エアナイフコート,グラビ
アコート,ロールコート法などのソルベントコート法、
或いはスクリーン印刷法等の既知の塗布方法により塗布
形成した後、乾燥して樹脂層を形成する。
【0059】一方、薄膜層14としては、Al,Cr,
Au,Agなどの反射性金属材料、もしくは回折格子パ
ターン形成層13を構成する材料よりも屈折率が大きい
材料にて構成され、回折格子パターン形成層13のレリ
ーフ面に形成される。後者の場合は、回折格子パターン
の再生可能な角度範囲内では、上記薄膜層14における
光の反射率が最大となり、反射膜として機能する一方、
回折格子パターンの再生可能な角度範囲外では、単なる
透明膜として機能し、基材側に位置する画像パターンを
透過させる機能を有する。
【0060】観察する角度に応じて、反射膜または透明
膜として機能する上記薄膜層14に適用できる材料とし
ては、例えば、Sb23 ,Fe23 ,TiO2 ,C
dS,CeO2 ,PbCl2 ,CdO,Sb23 ,B
23 ,ZnS,WO3 ,SiO,In23 ,Pb
O,Ta23 ,ZnO,CaO・SiO2 ,ZrO,
Cd23 ,Al23 等を挙げることができる。
【0061】そして、いずれの材料を用いた薄膜層の場
合にも、真空蒸着法,スパッタリング法,イオンプレー
ティング法などにより形成され、その厚みは0.03〜
0.08μmが適当である。
【0062】また、樹脂層15としては、アクリル系樹
脂,スチレン系樹脂,ポリエステル系樹脂などを主成分
とし、その厚さは0.5〜2μmが適当である。
【0063】さらに、接着層16としては、アクリル樹
脂系,ビニル系樹脂などを主成分とし、その厚さは0.
5〜2μmが適当である。
【0064】なお、接着層16自体が反射性の薄膜層1
4と密着性がよい場合には、樹脂層15を設ける必要は
ない。
【0065】また、樹脂層15・接着層16は、バーコ
ート,ブレードコート,エアナイフコート,グラビアコ
ート,ロールコート法などのソルベントコート法、或い
はスクリーン印刷法等の既知の塗布方法により塗布形成
した後、乾燥して樹脂層を形成する。
【0066】このような構成の回折格子パターンを有す
る転写シート10を、基材の上に接着層16を介して重
ね、加熱押圧により転写する。そして、転写後に、支持
体フィルム11を剥離して、回折格子パターンを有する
物品を得ることになる。
【0067】上記の説明においては、回折格子の要因の
うち、少なくとも格子縞の方向のみを変化させていた
が、それだけに限らず、格子縞のピッチなどの他の要因
も適宜に変化させることにより、パターンの視覚的効果
が多彩となる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、パターン(現物)を観
察する際に動かしたり(または、観察者が見る角度を変
えたり)すると、輝線が流れるように感じられるため、
動的な興味ある視覚効果を有する回折格子パターンが提
供される。また、いかなるスキャン方向で回折格子パタ
ーンのコピーを試みたとしても、複写物上では不完全な
パターン、或いは全く複写されずに黒く写ってしまう領
域を存在せしめることになるので、複写物の見え方が、
明らかに元々のパターンに対して違和感のあるものと感
じさせることが可能であり、動的な視覚効果についての
予備知識がない者にとっても、複写物であることを容易
に判別できる。従って本発明は、偽造を意図する者にと
って、一層の障害となって存在することになる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に係る回折格子パターンを示す説明
図。
【図2】図1のパターンの複写物の一例を示す説明図。
【図3】図1のパターンの複写物の他例を示す説明図。
【図4】図1のパターンの複写物の他例を示す説明図。
【図5】本発明による回折格子パターンの一例を示す説
明図。
【図6】図5のパターンの複写物の一例を示す説明図。
【図7】図5のパターンの複写物の一例を示す説明図。
【図8】図5のパターンの複写物の一例を示す説明図。
【図9】本発明による回折格子パターンの他例を示す説
明図。
【図10】本発明による回折格子パターンの他例を示す
説明図。
【図11】本発明による回折格子パターンの他例を示す
説明図。
【図12】本発明による回折格子パターンの他例を示す
説明図。
【図13】本発明による回折格子パターンの他例を示す
説明図。
【図14】回折格子パターンを転写シートとする構成例
を示す説明図。
【符号の説明】
1…回折格子からなるパターン(文字) 2…回折格子からなるパターン(背景) 3…微小ドットが存在しない領域 10…回折格子パターンを適用した転写シート 11…支持体フィルム 12…剥離保護層 13…回折格子パターン形成層 14…薄膜層 15…樹脂層 16…接着層
フロントページの続き (72)発明者 澤村 力 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−62411(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回折格子からなる微小なセル(または、ド
    ット)が同一基板の表面に複数配置され、全面に反射層
    が形成されたレリーフ型回折格子からなる回折格子パタ
    ーンにおいて、 近接するセル間では回折格子の方向が近似し、パターン
    全体からの反射回折光の方向が連続的に変化する回折格
    子列が並行して複数あり、それぞれの回折格子列におけ
    る回折格子の方向が、同一周期で位相が異なって変化
    し、 回折格子の方向が、回折格子パターン内でほぼ180°
    に渡って変化する構成であることを特徴とする回折格子
    パターン。
  2. 【請求項2】回折格子からなる微小なセル(または、ド
    ット)が同一基板の表面に複数配置され、全面に反射層
    が形成されたレリーフ型回折格子からなる回折格子パタ
    ーンにおいて、 近接するセル間では回折格子の方向が近似し、パターン
    全体からの反射回折光の方向が連続的に変化する回折格
    子列が並行して複数あり、それぞれの回折格子列におけ
    る回折格子の方向が、周期が異なって変化し、回折格子の方向が 、回折格子パターン内でほぼ180°
    に渡って変化する構成であることを特徴とする回折格子
    パターン。
  3. 【請求項3】回折格子からなる微小なセル(または、ド
    ット)が同一基板の表面に複数配置され、全面に反射層
    が形成されたレリーフ型回折格子からなる回折格子パタ
    ーンにおいて、 近接するセル間では回折格子の方向が近似し、パターン
    全体からの反射回折光の方向が連続的に変化する回折格
    子列が並行して複数あり、それぞれの回折格子列におけ
    る回折格子の方向が、回転方向が異なって変化し、 回折格子の方向が、回折格子パターン内でほぼ180°
    に渡って変化する構成であることを特徴とする回折格子
    パターン。
  4. 【請求項4】回折格子パターン内に、周囲の回折格子の
    方向とほぼ直交するセルの集まりにより構成される別な
    特定パターンが含まれる構成であることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の回折格子パターン。
  5. 【請求項5】回折格子が存在しない領域を含むことを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回折格子パ
    ターン。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の回
    折格子パターンを表面に形成してなる物品。
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