JPH108073A - 都市ガスの製造方法 - Google Patents
都市ガスの製造方法Info
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- JPH108073A JPH108073A JP17865996A JP17865996A JPH108073A JP H108073 A JPH108073 A JP H108073A JP 17865996 A JP17865996 A JP 17865996A JP 17865996 A JP17865996 A JP 17865996A JP H108073 A JPH108073 A JP H108073A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】13A規格の高カロリーガスと6C規格等の低
カロリーガスを同時に製造できるとともに、任意にいず
れか一方のガスを単独でも製造できる経済的で且つ柔軟
性のある方法を提供する。 【解決手段】脱硫した石油系炭化水素を低温水蒸気改質
して得られるメタン、炭酸ガス等からなる低温改質ガス
を、2段循環方式の膜装置で処理して、第1段膜装置の
非透過側にメタン濃度の高いガスを得て、最後にLPG
で熱量調整して高カロリー都市ガスの原料ガスとすると
ともに、前記低温改質ガスの一部を分流して高温水蒸気
改質して得られる高温改質ガスを、変成反応により水素
濃度の高い変成ガスに変成して、最後にLPG,希釈空
気で熱量調整して低カロリー都市ガスの原料ガスをも同
時に製造できることを特徴とする都市ガス製造方法。
カロリーガスを同時に製造できるとともに、任意にいず
れか一方のガスを単独でも製造できる経済的で且つ柔軟
性のある方法を提供する。 【解決手段】脱硫した石油系炭化水素を低温水蒸気改質
して得られるメタン、炭酸ガス等からなる低温改質ガス
を、2段循環方式の膜装置で処理して、第1段膜装置の
非透過側にメタン濃度の高いガスを得て、最後にLPG
で熱量調整して高カロリー都市ガスの原料ガスとすると
ともに、前記低温改質ガスの一部を分流して高温水蒸気
改質して得られる高温改質ガスを、変成反応により水素
濃度の高い変成ガスに変成して、最後にLPG,希釈空
気で熱量調整して低カロリー都市ガスの原料ガスをも同
時に製造できることを特徴とする都市ガス製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ガスの製造方法
に関し、さらに詳しくは高カロリーガスと低カロリーガ
スの両方を同時に製造できるとともに、任意にいずれか
一方のガスを単独でも製造できる都市ガスの製造方法に
関する。
に関し、さらに詳しくは高カロリーガスと低カロリーガ
スの両方を同時に製造できるとともに、任意にいずれか
一方のガスを単独でも製造できる都市ガスの製造方法に
関する。
【0002】都市ガスは、その原料を従来の石油系より
クリーンエネルギーであり、且つ長期にわたって安定し
た価格で輸入できる液化天然ガス(以下、NGという)
に転換中である。すでに大都市では、大半でNGをベー
スとして、都市ガス事業法で定められている発熱量11,
000 Kcal/Nm3 の高カロリーガス(以下、13A規格ガ
スという)に転換を終えており、今後は地方の中小都市
でも転換が計画されている。
クリーンエネルギーであり、且つ長期にわたって安定し
た価格で輸入できる液化天然ガス(以下、NGという)
に転換中である。すでに大都市では、大半でNGをベー
スとして、都市ガス事業法で定められている発熱量11,
000 Kcal/Nm3 の高カロリーガス(以下、13A規格ガ
スという)に転換を終えており、今後は地方の中小都市
でも転換が計画されている。
【0003】一部の中小都市においては、大都市の近く
にあるNG輸入基地より液化NGをタンクローリーで輸
送し、保冷タンクに受入れて、これを空温式又は水温式
などの気化器でガス化したのちに、LPGで増熱調整し
て総発熱量11,000Kcal/Nm3 の13A規格の高カロリー
ガスとして供給している。
にあるNG輸入基地より液化NGをタンクローリーで輸
送し、保冷タンクに受入れて、これを空温式又は水温式
などの気化器でガス化したのちに、LPGで増熱調整し
て総発熱量11,000Kcal/Nm3 の13A規格の高カロリー
ガスとして供給している。
【0004】一方上記のように、NGの気化による供給
が困難な中小都市では、代替天然ガスを製造して供給す
る方法が検討されている。この方法はLPG等の石油系
炭化水素を原料にして、ニッケル系の触媒下で、温度4
00℃前後で水蒸気でガス化して(以下、低温水蒸気改
質という)得られるメタン,水素,炭酸ガス等からなる
低温水蒸気改質ガスを得たのち、炭酸ガスを除去し、都
市ガス事業法で定められている13A規格の高カロリー
ガス(以下、13Aガスという)を製造し、供給する方
法である。
が困難な中小都市では、代替天然ガスを製造して供給す
る方法が検討されている。この方法はLPG等の石油系
炭化水素を原料にして、ニッケル系の触媒下で、温度4
00℃前後で水蒸気でガス化して(以下、低温水蒸気改
質という)得られるメタン,水素,炭酸ガス等からなる
低温水蒸気改質ガスを得たのち、炭酸ガスを除去し、都
市ガス事業法で定められている13A規格の高カロリー
ガス(以下、13Aガスという)を製造し、供給する方
法である。
【0005】すでに関係省庁においても、全国の都市ガ
ス規格を、最終的には、供給及び使用の互換性、安全性
などの面からこの高カロリーガスに統一すべきであると
の方針を打出しており、早期に具体化すると考えられ
る。
ス規格を、最終的には、供給及び使用の互換性、安全性
などの面からこの高カロリーガスに統一すべきであると
の方針を打出しており、早期に具体化すると考えられ
る。
【0006】しかし、地方の中小都市の多くの現状は、
石油系炭化水素を原料にして、高温水蒸気改質法、サイ
クリック法等で発熱量:4,000 〜6,000Kcal/Nm3の低カ
ロリーガスを供給しており、この現状に合った経済的で
柔軟性のある転換方法が必要である。
石油系炭化水素を原料にして、高温水蒸気改質法、サイ
クリック法等で発熱量:4,000 〜6,000Kcal/Nm3の低カ
ロリーガスを供給しており、この現状に合った経済的で
柔軟性のある転換方法が必要である。
【0007】低カロリーガスから高カロリーガスへの転
換は、NG受入れ設備の建設、代替ガス製造設備の建
設、配給設備の取り替え工事などが、いずれも長期間に
わたるため数年を要するのが実状である。したがって、
この間の過渡的な設備として、高カロリーガスと6C規
格等の低カロリーガスの両方を同時に製造できるととも
に、任意にいずれか一方のみを製造できる方法が可能で
あれば、非常に有用であると言える。
換は、NG受入れ設備の建設、代替ガス製造設備の建
設、配給設備の取り替え工事などが、いずれも長期間に
わたるため数年を要するのが実状である。したがって、
この間の過渡的な設備として、高カロリーガスと6C規
格等の低カロリーガスの両方を同時に製造できるととも
に、任意にいずれか一方のみを製造できる方法が可能で
あれば、非常に有用であると言える。
【0008】これは、転換が前記のように長期間にわた
るため、この間の高カロリーガスへの転換終了前の低カ
ロリーガスの需要増加対策が必要なこと、転換初期にお
ける高カロリーガスの少量送出と低カロリーガスの併産
が必要なこと、転換用テストガスの製造が必要なこと等
のためである。
るため、この間の高カロリーガスへの転換終了前の低カ
ロリーガスの需要増加対策が必要なこと、転換初期にお
ける高カロリーガスの少量送出と低カロリーガスの併産
が必要なこと、転換用テストガスの製造が必要なこと等
のためである。
【0009】本出願人は以上の13Aガスの製造方法に
関しては、先に特開平5−25482号,特開平7−2
16371号などで、中小都市の都市ガス工場用として
好適な製造方法を提案した。これらの方法の特徴は、低
温水蒸気改質ガス中の炭酸ガスを除去する手段として、
最近技術進歩の著しい有機高分子膜からなる気体膜分離
装置(以下、膜装置という)を利用したことである。
関しては、先に特開平5−25482号,特開平7−2
16371号などで、中小都市の都市ガス工場用として
好適な製造方法を提案した。これらの方法の特徴は、低
温水蒸気改質ガス中の炭酸ガスを除去する手段として、
最近技術進歩の著しい有機高分子膜からなる気体膜分離
装置(以下、膜装置という)を利用したことである。
【0010】膜装置は、設備構成が簡単であるととも
に、運転管理も容易であり、中小都市の都市ガス工場で
も充分に運転管理ができる装置である。この膜装置によ
り、低温水蒸気改質ガスを処理して炭酸ガスを選択的に
透過ガス側に移動し、非透過ガス側にメタン濃度の高い
ガスを得て、これにLPGを添加し熱量調整して13A
規格ガスを製造する方法である。
に、運転管理も容易であり、中小都市の都市ガス工場で
も充分に運転管理ができる装置である。この膜装置によ
り、低温水蒸気改質ガスを処理して炭酸ガスを選択的に
透過ガス側に移動し、非透過ガス側にメタン濃度の高い
ガスを得て、これにLPGを添加し熱量調整して13A
規格ガスを製造する方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の従来
技術の諸事情を背景にしてなされたものであって、前記
の本出願人が先に提案した13A規格の高カロリーガス
の製造方法をもとにして、13A規格の高カロリーガス
と6C規格の低カロリーガス(以下、6Cガスという)
を同時に製造できるとともに、任意にいずれか一方のガ
スを単独でも製造できる経済的で、且つ柔軟性のある方
法を提供するに至ったのである。
技術の諸事情を背景にしてなされたものであって、前記
の本出願人が先に提案した13A規格の高カロリーガス
の製造方法をもとにして、13A規格の高カロリーガス
と6C規格の低カロリーガス(以下、6Cガスという)
を同時に製造できるとともに、任意にいずれか一方のガ
スを単独でも製造できる経済的で、且つ柔軟性のある方
法を提供するに至ったのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1の発明の要旨は、脱硫した石油系炭化水素を
低温水蒸気改質して得られるメタン、炭酸ガス、水素等
からなる低温水蒸気改質ガスを2段循環方式の膜装置で
処理して、第1段膜装置のメタン濃度の高い非透過ガス
を高カロリー都市ガスの原料ガスとするとともに、前記
低温水蒸気改質ガスの一部を分流して、高温水蒸気改質
して得られる高温水蒸気改質ガスを一酸化炭素変成反応
により水素濃度の高いガスにして低カロリー都市ガスの
原料ガスにすることを特徴とする都市ガスの製造方法で
ある。
の請求項1の発明の要旨は、脱硫した石油系炭化水素を
低温水蒸気改質して得られるメタン、炭酸ガス、水素等
からなる低温水蒸気改質ガスを2段循環方式の膜装置で
処理して、第1段膜装置のメタン濃度の高い非透過ガス
を高カロリー都市ガスの原料ガスとするとともに、前記
低温水蒸気改質ガスの一部を分流して、高温水蒸気改質
して得られる高温水蒸気改質ガスを一酸化炭素変成反応
により水素濃度の高いガスにして低カロリー都市ガスの
原料ガスにすることを特徴とする都市ガスの製造方法で
ある。
【0013】そして請求項2の発明の要旨は、請求項1
において、低温水蒸気改質ガスの全量を高温水蒸気改質
し、得られる高温水蒸気改質ガスを一酸化炭素変成反応
により水素濃度の高いガスにして低カロリー都市ガスの
原料ガスのみを製造することを特徴とする都市ガスの製
造方法である。
において、低温水蒸気改質ガスの全量を高温水蒸気改質
し、得られる高温水蒸気改質ガスを一酸化炭素変成反応
により水素濃度の高いガスにして低カロリー都市ガスの
原料ガスのみを製造することを特徴とする都市ガスの製
造方法である。
【0014】そして請求項3の発明の要旨は、請求項1
において、低温水蒸気改質ガスの一部を分流しないで、
その全量を2段循環方式の膜装置で処理し、第1段膜装
置の非透過ガスを高カロリー都市ガスの原料ガスにする
ことを特徴とする都市ガス製造方法である。
において、低温水蒸気改質ガスの一部を分流しないで、
その全量を2段循環方式の膜装置で処理し、第1段膜装
置の非透過ガスを高カロリー都市ガスの原料ガスにする
ことを特徴とする都市ガス製造方法である。
【0015】本発明の最も特徴とする点は、低温水蒸気
改質工程を高カロリーガスの製造と、低カロリーガスの
製造の共通な工程にしている点である。すなわち、原料
の炭化水素を低温水蒸気改質工程に導入して、メタン濃
度が80%以上の高濃度メタンガスを一旦製造し、これ
を分流して、一部は膜装置で処理して炭酸ガスを除去し
て高カロリーガスの原料ガスとする。そして、残りのガ
スは高温改質工程に導入し、プロセススチームを追加し
て、より水素濃度が高くなる条件下で水蒸気改質し、さ
らに一酸化炭素変成工程で一酸化炭素を水素に転換して
水素濃度を高めて、低カロリーガスの原料ガスとする。
高温改質工程にとって、原料の炭化水素を直接に水蒸気
改質するよりも、メタンを水蒸気改質する方が装置及び
触媒等にとって負荷が少なく、このため低カロリーガス
を経済的に製造できる利点がある。
改質工程を高カロリーガスの製造と、低カロリーガスの
製造の共通な工程にしている点である。すなわち、原料
の炭化水素を低温水蒸気改質工程に導入して、メタン濃
度が80%以上の高濃度メタンガスを一旦製造し、これ
を分流して、一部は膜装置で処理して炭酸ガスを除去し
て高カロリーガスの原料ガスとする。そして、残りのガ
スは高温改質工程に導入し、プロセススチームを追加し
て、より水素濃度が高くなる条件下で水蒸気改質し、さ
らに一酸化炭素変成工程で一酸化炭素を水素に転換して
水素濃度を高めて、低カロリーガスの原料ガスとする。
高温改質工程にとって、原料の炭化水素を直接に水蒸気
改質するよりも、メタンを水蒸気改質する方が装置及び
触媒等にとって負荷が少なく、このため低カロリーガス
を経済的に製造できる利点がある。
【0016】本発明の別の特徴は、膜装置に2段循環方
式を採用していることである。現在利用できる有機高分
子膜の炭酸ガスに対する選択性は充分でなく、これに対
する対策が必要であるが、本発明では次の2段循環方式
を採用している。膜装置を2段で、構成し第1段膜装置
の非透過側に残存炭酸ガス濃度の少ない13A規格に合
格する高カロリーの製品ガスを得て、これによって第1
段膜装置の透過側に移行する相当量のメタンを回収する
ため、透過ガスを圧縮機で昇圧して第2段膜装置に供給
する。第2段膜装置においては、透過側に炭酸ガス濃度
の高いガスの必要量を透過させてパージガスとし、非透
過側のメタン濃度の高いガスは、メタンを回収するた
め、第1段膜装置の原料ガスとして循環して供給する。
この2段循環方式により、膜自体の炭酸ガスに対する選
択性が充分でなくても、比較的高いメタンの回収率でも
つて、炭酸ガスを分離できる利点がある。
式を採用していることである。現在利用できる有機高分
子膜の炭酸ガスに対する選択性は充分でなく、これに対
する対策が必要であるが、本発明では次の2段循環方式
を採用している。膜装置を2段で、構成し第1段膜装置
の非透過側に残存炭酸ガス濃度の少ない13A規格に合
格する高カロリーの製品ガスを得て、これによって第1
段膜装置の透過側に移行する相当量のメタンを回収する
ため、透過ガスを圧縮機で昇圧して第2段膜装置に供給
する。第2段膜装置においては、透過側に炭酸ガス濃度
の高いガスの必要量を透過させてパージガスとし、非透
過側のメタン濃度の高いガスは、メタンを回収するた
め、第1段膜装置の原料ガスとして循環して供給する。
この2段循環方式により、膜自体の炭酸ガスに対する選
択性が充分でなくても、比較的高いメタンの回収率でも
つて、炭酸ガスを分離できる利点がある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態を
示す系統図である。図において原料のLPGは脱硫工程
において、図示はされない水添用ガスとともに脱硫塔に
供給され、原料中の有機硫黄化合物は水添触媒上で水添
用ガス中の水素と反応して硫化水素となり、後段の酸化
亜鉛触媒により吸着されて所定濃度以下まで除去され
る。
図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態を
示す系統図である。図において原料のLPGは脱硫工程
において、図示はされない水添用ガスとともに脱硫塔に
供給され、原料中の有機硫黄化合物は水添触媒上で水添
用ガス中の水素と反応して硫化水素となり、後段の酸化
亜鉛触媒により吸着されて所定濃度以下まで除去され
る。
【0018】次いで脱硫されたLPGは低温改質工程に
入り、加熱されたプロセススチームとともに低温水蒸気
改質反応に好適な温度350〜400℃に加熱されてニ
ッケル系触媒充填の低温改質器に入り低温水蒸気改質反
応によりメタン:79%前後、炭酸ガス:19%前後、
水素:2%前後、一酸化炭素:トレースの低温水蒸気改
質ガスになる。低温改質工程を出る改質ガスは、図示さ
れない熱回収の熱交換器を通って冷却され常温近くの温
度になって2段循環方式の膜装置に入る。
入り、加熱されたプロセススチームとともに低温水蒸気
改質反応に好適な温度350〜400℃に加熱されてニ
ッケル系触媒充填の低温改質器に入り低温水蒸気改質反
応によりメタン:79%前後、炭酸ガス:19%前後、
水素:2%前後、一酸化炭素:トレースの低温水蒸気改
質ガスになる。低温改質工程を出る改質ガスは、図示さ
れない熱回収の熱交換器を通って冷却され常温近くの温
度になって2段循環方式の膜装置に入る。
【0019】第1段膜装置においては透過速度の速い炭
酸ガスと水素の大部分は、有機系高分子膜を透過して透
過側に移動するが、同時にメタンも1次側の分圧が高い
ため相当量透過する。このようにして非透過側の残存炭
酸ガス濃度は、13Aガスの規格に合致するよう減少さ
れるが、炭酸ガスは発熱量が少なく、且つ比重が重いた
め後記するWobbe 指数を引き下げる成分であるため、一
般的には3〜4%まで減少される。第1段目透過ガス中
にはメタン分が50%近く含まれるので、これを回収す
るため遠心式又は往復動式圧縮機で必要圧力まで昇圧し
て第2段膜装置に供給する。
酸ガスと水素の大部分は、有機系高分子膜を透過して透
過側に移動するが、同時にメタンも1次側の分圧が高い
ため相当量透過する。このようにして非透過側の残存炭
酸ガス濃度は、13Aガスの規格に合致するよう減少さ
れるが、炭酸ガスは発熱量が少なく、且つ比重が重いた
め後記するWobbe 指数を引き下げる成分であるため、一
般的には3〜4%まで減少される。第1段目透過ガス中
にはメタン分が50%近く含まれるので、これを回収す
るため遠心式又は往復動式圧縮機で必要圧力まで昇圧し
て第2段膜装置に供給する。
【0020】第2段膜装置で処理する目的は、第1段膜
装置の透過ガス中のメタン分を最大限回収することにあ
る。このため透過側に炭酸ガス濃度の高いガスの必要量
を透過させて、透過するメタンの量が極力少なくなるよ
うな条件にて運転される。非透過側のメタン濃度の高い
ガスは、メタンを回収するため、第1段膜装置の原料ガ
スとして循環して供給する。第2段膜装置の透過側ガス
は炭酸ガスが大部分であるが、それでもメタンと水素が
それぞれ10%前後含まれるため系内の燃料ガス等とし
て有効に利用される。
装置の透過ガス中のメタン分を最大限回収することにあ
る。このため透過側に炭酸ガス濃度の高いガスの必要量
を透過させて、透過するメタンの量が極力少なくなるよ
うな条件にて運転される。非透過側のメタン濃度の高い
ガスは、メタンを回収するため、第1段膜装置の原料ガ
スとして循環して供給する。第2段膜装置の透過側ガス
は炭酸ガスが大部分であるが、それでもメタンと水素が
それぞれ10%前後含まれるため系内の燃料ガス等とし
て有効に利用される。
【0021】以上の高カロリーガス(13A規格ガス)
と同時に低カロリーガスは次の方法で製造される。例え
ば6C規格の低カロリーガスの場合について説明する。
ガス中に含まれるメタン濃度を減らし、カロリーの低い
水素に転換するため、低温改質工程を出るガスの一部を
分流し、高温改質工程に導入しプロセススチームをさら
に添加してメタンスチーム反応;CH4 +H2 O→CO
+3H2 を行う。プロセススチームを追加するのは、こ
の反応式からも明らかなように、平衡的により有利に反
応を進めるためである。この反応は強い吸熱反応である
ため、外熱式の高温改質炉において、ニッケル系触媒下
で温度750℃前後の高温で行う。高温改質ガス中のメ
タン濃度は1%前後まで減少し、一方水素濃度は70%
前後まで増加する。
と同時に低カロリーガスは次の方法で製造される。例え
ば6C規格の低カロリーガスの場合について説明する。
ガス中に含まれるメタン濃度を減らし、カロリーの低い
水素に転換するため、低温改質工程を出るガスの一部を
分流し、高温改質工程に導入しプロセススチームをさら
に添加してメタンスチーム反応;CH4 +H2 O→CO
+3H2 を行う。プロセススチームを追加するのは、こ
の反応式からも明らかなように、平衡的により有利に反
応を進めるためである。この反応は強い吸熱反応である
ため、外熱式の高温改質炉において、ニッケル系触媒下
で温度750℃前後の高温で行う。高温改質ガス中のメ
タン濃度は1%前後まで減少し、一方水素濃度は70%
前後まで増加する。
【0022】次いで、高温改質ガス中の一酸化炭素をさ
らに水素に転換するため、熱回収により350℃前後ま
で降温してから変成工程の高温変成塔に導入し、酸化鉄
/酸化クロム系からなる触媒上で一酸化炭素変成反応;
CO+H2 O→CO2 +H2 を行う。これにより変成ガ
ス中の一酸化炭素は5%前後まで減少し、このあと熱回
収を行って常温まで冷却し、LPG及び空気で熱量調整
して、発熱量5,000Kcal/Nm3の6C規格ガスとなる。
らに水素に転換するため、熱回収により350℃前後ま
で降温してから変成工程の高温変成塔に導入し、酸化鉄
/酸化クロム系からなる触媒上で一酸化炭素変成反応;
CO+H2 O→CO2 +H2 を行う。これにより変成ガ
ス中の一酸化炭素は5%前後まで減少し、このあと熱回
収を行って常温まで冷却し、LPG及び空気で熱量調整
して、発熱量5,000Kcal/Nm3の6C規格ガスとなる。
【0023】以上は高カロリーガス(13A規格ガス)
と低カロリーガス(6C規格ガス)の両方を同時に製造
する場合であるが、次に低カロリーの6C規格ガスのみ
を製造する場合について説明する。この場合は、低温改
質工程を出るメタン濃度の高いガスの全量を高温改質工
程に導入し、プロセススチームを添加して前記のメタン
スチーム反応により、メタンを分解してカロリーの低い
水素と一酸化炭素に転換する。次いで高温改質ガスを変
成工程に導入し、ガス中の一酸化炭素を水素に転換して
減少し、変成ガスにする。このあと熱回収を行って常温
まで冷却し、LPGで熱量調整して、発熱量5,000Kcal/
Nm3の6C規格ガスとなる。
と低カロリーガス(6C規格ガス)の両方を同時に製造
する場合であるが、次に低カロリーの6C規格ガスのみ
を製造する場合について説明する。この場合は、低温改
質工程を出るメタン濃度の高いガスの全量を高温改質工
程に導入し、プロセススチームを添加して前記のメタン
スチーム反応により、メタンを分解してカロリーの低い
水素と一酸化炭素に転換する。次いで高温改質ガスを変
成工程に導入し、ガス中の一酸化炭素を水素に転換して
減少し、変成ガスにする。このあと熱回収を行って常温
まで冷却し、LPGで熱量調整して、発熱量5,000Kcal/
Nm3の6C規格ガスとなる。
【0024】以上の低カロリーガスのみを製造する場合
は、膜装置は遊休設備になるが、これは低カロリーガス
から高カロリーガスへの転換初期の段階だけであり、高
カロリー化に転換後は、常時の稼働設備であり経済的な
負担にはならない。
は、膜装置は遊休設備になるが、これは低カロリーガス
から高カロリーガスへの転換初期の段階だけであり、高
カロリー化に転換後は、常時の稼働設備であり経済的な
負担にはならない。
【0025】次に高カロリーガスのみを製造する場合に
ついて説明する。原料LPGを脱硫し、低温水蒸気改質
して改質ガスを膜分離し、メタン濃度の高いガスを得
て、最後にLPGで熱量調整して13A規格ガスにする
工程の流れは高カロリーガスと低カロリーガス併産の場
合と同じであり、相異する点は、低温水蒸気改質ガスを
分流して高温水蒸気改質工程に導入する操作が不要にな
ることである。以上の転換後に高カロリーガスのみを製
造する場合は、高温改質工程及び変成工程等の設備は遊
休設備になるが、水素ガス製造設備等に転換して活用す
ることも考えられる。
ついて説明する。原料LPGを脱硫し、低温水蒸気改質
して改質ガスを膜分離し、メタン濃度の高いガスを得
て、最後にLPGで熱量調整して13A規格ガスにする
工程の流れは高カロリーガスと低カロリーガス併産の場
合と同じであり、相異する点は、低温水蒸気改質ガスを
分流して高温水蒸気改質工程に導入する操作が不要にな
ることである。以上の転換後に高カロリーガスのみを製
造する場合は、高温改質工程及び変成工程等の設備は遊
休設備になるが、水素ガス製造設備等に転換して活用す
ることも考えられる。
【0026】
【実施例】LPG(ブタン)を原料にして、図1の構成
の設備で13A規格の高カロリーガスと、6C規格の低
カロリーガスの両方を同時に製造する場合の実施例につ
いて、ガス組成、製品ガスの性状などの諸元を示す。 (イ)ガス組成 メタン 水素 炭酸 一酸化 ブタン 空気 流量比 ガス 炭素 低温改質ガス 78.8 2.3 18.9 トレース − − 100 膜装置非透過ガス 96.5 0.2 3.3 トレース − − 79.2 高カロリー製品ガス 88.9 0.1 3.1 トレース 7.9 − 86.0 高温改質ガス 1.1 71.4 10.2 17.3 − − 34.2 変成ガス 1.0 74.1 18.9 6.0 − − 37.8 低カロリー製品ガス 0.7 52.6 13.3 4.3 10.0 19.1 53.5 注1)上記組成は容積パーセントを示す。 (ロ)製品ガスの燃焼特性 高カロリーガス 低カロリーガス 13A 6C 総発熱量(Kcal/Nm3 ) 11,000 5,000 Wobbe 指数 13,100 6,050 (12,600〜13,800) (5,670〜6,530) 燃焼速度(M.C.P) 35.3 56.3 (35.0〜47.0) (42.5〜71.0) 注2)( )内数値は、ガス事業法の規格値である。
の設備で13A規格の高カロリーガスと、6C規格の低
カロリーガスの両方を同時に製造する場合の実施例につ
いて、ガス組成、製品ガスの性状などの諸元を示す。 (イ)ガス組成 メタン 水素 炭酸 一酸化 ブタン 空気 流量比 ガス 炭素 低温改質ガス 78.8 2.3 18.9 トレース − − 100 膜装置非透過ガス 96.5 0.2 3.3 トレース − − 79.2 高カロリー製品ガス 88.9 0.1 3.1 トレース 7.9 − 86.0 高温改質ガス 1.1 71.4 10.2 17.3 − − 34.2 変成ガス 1.0 74.1 18.9 6.0 − − 37.8 低カロリー製品ガス 0.7 52.6 13.3 4.3 10.0 19.1 53.5 注1)上記組成は容積パーセントを示す。 (ロ)製品ガスの燃焼特性 高カロリーガス 低カロリーガス 13A 6C 総発熱量(Kcal/Nm3 ) 11,000 5,000 Wobbe 指数 13,100 6,050 (12,600〜13,800) (5,670〜6,530) 燃焼速度(M.C.P) 35.3 56.3 (35.0〜47.0) (42.5〜71.0) 注2)( )内数値は、ガス事業法の規格値である。
【0027】
【発明の効果】以上の構成と作用を有する本発明によれ
ば、地方の中小都市において、都市ガスの熱量を低カロ
リーから高カロリーに転換するに際して、転換の進行に
従って変化する需要に一つの製造装置でもって柔軟に対
応できるので、経済的かつ安定して都市ガスを供給でき
る効果が得られる。
ば、地方の中小都市において、都市ガスの熱量を低カロ
リーから高カロリーに転換するに際して、転換の進行に
従って変化する需要に一つの製造装置でもって柔軟に対
応できるので、経済的かつ安定して都市ガスを供給でき
る効果が得られる。
【図1】高カロリーガスと低カロリーガスの両方を同時
に製造する場合の系統図。
に製造する場合の系統図。
Claims (3)
- 【請求項1】脱硫した石油系炭化水素を低温水蒸気改質
して得られるメタン、炭酸ガス、水素等からなる低温水
蒸気改質ガスを2段循環方式の膜装置で処理して、第1
段膜装置のメタン濃度の高い非透過ガスを高カロリー都
市ガスの原料ガスとするとともに、前記低温水蒸気改質
ガスの一部を分流して、高温水蒸気改質して得られる高
温水蒸気改質ガスを一酸化炭素変成反応により水素濃度
の高いガスにして低カロリー都市ガスの原料ガスにする
ことを特徴とする都市ガスの製造方法。 - 【請求項2】請求項1において、低温水蒸気改質ガスの
全量を高温水蒸気改質し、得られる高温水蒸気改質ガス
を一酸化炭素変成反応により水素濃度の高いガスにして
低カロリー都市ガスの原料ガスのみを製造することを特
徴とする都市ガスの製造方法。 - 【請求項3】請求項1において、低温水蒸気改質ガスの
一部を分流しないで、その全量を2段循環方式の膜装置
で処理し、第1段膜装置の非透過ガスを高カロリー都市
ガスの原料ガスにすることを特徴とする都市ガス製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17865996A JPH108073A (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 都市ガスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17865996A JPH108073A (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 都市ガスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH108073A true JPH108073A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=16052334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17865996A Pending JPH108073A (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 都市ガスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH108073A (ja) |
-
1996
- 1996-06-20 JP JP17865996A patent/JPH108073A/ja active Pending
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