JPH108023A - シリコーン系接着剤組成物 - Google Patents

シリコーン系接着剤組成物

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JPH108023A
JPH108023A JP16012596A JP16012596A JPH108023A JP H108023 A JPH108023 A JP H108023A JP 16012596 A JP16012596 A JP 16012596A JP 16012596 A JP16012596 A JP 16012596A JP H108023 A JPH108023 A JP H108023A
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viscosity
silicone
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adhesive
powder
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JP16012596A
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Tokio Ogoshi
時夫 大越
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、耐熱衝撃性、耐湿性に優れかつ印刷性
に優れたシリコーン系接着剤組成物を得る。 【解決手段】1)25℃における粘度が10,000〜
500,000cStである架橋性オルガノポリシロキ
サン、例えば、ジビニルオルガノポリシロキサンを主成
分とするシリコーン系接着剤100重量部と、2)平均
粒径が3〜20μmの粗粒粉末、および、平均粒径が
0.1〜2μmの微粒粉末、例えば、シリカやアルミナ
等の無機充填剤、それぞれ10〜70重量部からなり、
25℃におけるカッソン粘度が1,800〜5,000
ポイズ、かつ降伏値が5〜50dyne/cm2であるシリコ
ーン系接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は熱膨張率の異なる異
種材料を接着する新規な接着剤に関する。詳しくは、耐
熱衝撃性、耐湿性に優れ、かつチキソ性をコントロール
した印刷性に優れたシリコーン接着剤を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】接着剤それ自身は長い歴史があり、多品
種、多様であり用途別に無数に存在すると言っても過言
ではない。一方、エレクトロニクス分野に注目した場
合、特に半導体素子の分野では、マイクロプロセッサー
に代表されるように集積密度の増加、高速化の方向にあ
り、それを搭載する半導体素子搭載用パッケージや電気
部品、マザーボード基材、実装工程等においては異種材
料の組み合わせ技術、即ち異種材料の接続・接合を含ん
だ接着材料や接着技術が重要な部分を占めるに至ってい
る。これは電気部品やモジュール等の電気特性の向上、
放熱性の向上、信頼性の向上が求められているととも
に、軽量化、コンパクト化による携帯用パソコン、携帯
電話等の普及が加速しつつあることが主要因と考えられ
る。
【0003】現在それらに使用される樹脂系回路基板は
エポキシ樹脂、BTレジン、ポリイミド、ポリエステ
ル、熱硬化PPOなどの接着剤とガラスクロスやガラス
不織布等のガラス繊維、アラミド不織布等を複合した形
で形成されている。また一方では、ガラス繊維−エポキ
シ樹脂、ガラス繊維−ビスマレイミド・トリアジン樹
脂、ガラス繊維−変性ポリフェニレンエーテル、ガラス
繊維−熱硬化ポリフェニレンオキサイド、ガラス繊維−
フッ素樹脂などの比較的低誘電率で高周波特性にすぐれ
た樹脂系回路基板と、セラミックや金属よりなる放熱用
基板とを接合したパッケージが考えられている。このよ
うな多様な材質と特性からなる基板同士の接着はそれぞ
れの基板の特徴を生かした回路基板やパッケージ等を得
ようとの試みによるものである。
【0004】しかしながら、上記接着剤は該基板間の、
特にセラミック、金属よりなる放熱用基板と上記回路基
板との異種材料間の接着では、急速加熱・冷却による熱
衝撃で接着部に熱応力が発生し、接着強度の低下や、ク
ラックが発生し易く、該接着部分の信頼性の確保が難し
いという欠点を有し接着信頼性という点ではまだ満足す
るに至っていない。
【0005】一方、ヘキサフルオロプロピレン−フッ化
ビニリデン共重合体を主成分とするフッ素ゴム系接着
剤、シランあるいはオルガノポリシロキサンを主成分と
するシリコーンオイルに架橋剤、シランカップリング剤
等の接着性付与剤を配合したシリコーン接着剤が知られ
ている。例えば、特公昭53−13508号公報で開示
されている白金化合物を触媒としてヒドロシリル化反応
により架橋を起こしたエラストマー(付加型液状シリコ
ーンゴム)は、架橋剤としてエポキシ基やエステル基を
含有するハイドロジェンオルガノポリシロキサンを含む
ことで、金属、ガラス、セラミックなどの種々の金属に
対して優れた接着性を発現し、さらに硬化時に副生物が
発生せず、無臭、無毒、非腐食性でかつ硬化収縮が小さ
いことから応用が広がっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に回路基板の接着
のような、接着する部分が限られている場合、接着層の
形成にはスクリーン印刷法が最適である。しかし、スク
リーン印刷法を用いて限られた領域に接着層を形成する
場合は、チキソ性等の特性をコントロールし洗練された
ペースト状接着剤としなければならない。しかし、シリ
コーン、例えば、ジビニルオルガノポリシロキサンは降
伏値がゼロに近く、それ自身印刷性が良いとは言えな
い。そこで、シリコーン系接着剤の優れた特性を広範に
生かすためにも耐熱衝撃性、耐湿性があり、印刷性の良
好なチキソ性を有するシリコーン系接着剤が望まれてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
を解決するため鋭意研究をした結果、架橋性オルガノポ
リシロキサンを主成分とした一定範囲の粘度を有するシ
リコーン系接着剤(ビヒクル)に特定の粉末を添加する
ことで耐熱性、耐熱衝撃性、耐湿性にすぐれ、かつ印刷
性にすぐれたシリコーン系接着剤組成物を見いだし本、
発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、 1)25℃における粘度が10,000〜500,00
0cStである架橋性オルガノポリシロキサンを主成分
とするシリコーン系接着剤100重量部と、 2)平均粒径が3〜20μmの粗粒粉末および平均粒径
が0.1〜2μmの微粒粉末をそれぞれ10〜70重量
部からなり、25℃におけるカッソン(Casson)
粘度が1,800〜5,000ポイズ、かつ降伏値が5
〜50dyne/cm2であることを特徴とするシリコーン系
接着剤組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるシリコーン系接着
剤の主成分は、架橋性オルガノポリシロキサンである。
架橋性付与のために、例えば、ビニル基、アクリル基等
の脂肪族不飽和基を分子中に少なくとも2個含有してい
るオルガノポリシロキサンが好適に使用できる。また、
オルガノポリシロキサン分子鎖中の架橋性付与のための
官能基以外のケイ素原子の置換基は、メチル基、フェニ
ル基、トリフルオロプロピル基あるいはメチル基とフェ
ニル基の両方、またはフッ素置換アルキル基等であって
もよい。一般的には、合成上、あるいは経済的な見地か
ら分子鎖両末端がビニル基で封鎖された、(CH32
iO単位からなるオルガノポリシロキサンが推奨される
が、耐熱性、耐溶剤性などを考慮して選定することがで
き、いづれも以下に示す粘度範囲であれば特に問題なく
使用できる。
【0010】本発明では上記に示した架橋性オルガノポ
リシロキサンの25℃における粘度が10,000〜5
00,000cStである必要がある。10,000c
St以下の低粘度の場合は接着硬化体、即ち接着層が弾
性に乏しいものになるだけでなく、接着剤のチキソ性の
コントロールが難しくなる。また、500,000cS
t以上の高粘度の粘度の場合はフィラーの添加によるカ
ッソン粘度、降伏値の制御が難しくなるために好ましく
ない。好ましくは20,000〜500,000cSt
であり、より好ましくは20,000〜200,000
cStである。
【0011】ここで、シリコーン系接着剤のその他の成
分は以下に示すものである。
【0012】1)架橋剤 架橋剤は分子中にSiH結合を有するポリシロキサンで
ある。通常は比較的低分子量のポリマーであり、1分子
中に2個以上のSiH基を有するものが選定されるが、
主成分の脂肪族不飽和基1当量に対して、ケイ素原子に
直結した水素原子(SiH)1当量を与えるオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンが挙げられる。具体的に
は、(CH3)HSiO単位、(CH3)SiO0.5単位
および(CH32SiO単位からなる共重合体、(CH
32HSiO0.5単位とSiO2単位からなる共重合体が
挙げられる。また接着剤の接着性を向上させるために、
接着性付与機能を持った架橋剤を用いるのが好ましい。
接着性付与機能を持った架橋剤とするためには、ヒドロ
シリル基、エポキシ基、エステル基、アルコキシシリル
基等を架橋剤に導入すればよい。例えば、特公昭53−
13508号公報に開示されているようなエポキシ基あ
るいはエステル基を含有するオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンが例示される。配合量は理論的には、主成
分の脂肪族不飽和基1当量に対してSiH結合が1当量
含まれる量でよいが、硬化のシャープさや架橋密度、硬
化体の耐熱性等を考慮して1.2〜2.0当量の範囲が
望ましい。
【0013】2)反応触媒 反応触媒は通常ハイドロシリレーションに使用される公
知の白金系触媒が使用できる。なかでも塩化白金酸、ア
ルコール変性塩化白金酸等、通常シリコーンオイルに可
溶な均一系触媒が好適である。これらはアルコール系溶
剤、ケトン系溶剤などの溶媒に溶解したものを使用する
ことが好ましい。溶媒としては、例えば、2−エチニル
イソプロパノール系、2−エチルヘキサノール系溶剤が
挙げられる。白金系触媒の使用量は所望の硬化速度に応
じて適宜調節すればよい。白金原子として1〜500p
pmが望ましい。経済的見地あるいは良好な硬化を得る
ために、例えば塩化白金酸などのシロキサンに相溶する
ものについては、主成分とその他の成分の合計量に対し
て1〜50ppmの範囲とすることが好ましい。
【0014】3)反応抑制剤 反応抑制剤は反応をコントロールする成分である。現在
では多くの抑制剤が開発されている。例示すれば、メチ
ルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコー
ル類、シロキサン変性アセチレンアルコール等を含むシ
ロキサンが問題なく使用できる。具体的にはCH2=C
HRSiO単位(式中Rは脂肪族不飽和二重結合を含ま
ない一価炭化水素基を示す)を含むポリシロキサン(特
公昭48−10947号公報参照)、また、(CH2
CH)(CH32SiO0.5単位あるいは(CH2=C
H)(CH3)SiO単位を含むオルガノポリシロキサ
ンが挙げられる。
【0015】4)接着性向上剤 接着性向上剤はシリコーンゴムに接着性を付与する成分
である。これには一般的に知られている、触媒毒になら
ない接着官能基を有する接着性向上剤が挙げられる。例
えば、ヒドロシリル基、エポキシ基、エステル基、アル
コキシシリル基を持ったシランカップリング剤である。
これは被着体と接着剤組成物あるいは添加する粉末とシ
リコーン系接着剤との接着信頼性を向上させることがで
きる。また、接着性付与機能を持ち架橋剤としても作用
する、エポキシ基あるいはエステル基を含有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンが例示される。
【0016】さらに、硬化後の諸物性や経済性等を考慮
し、上記の接着性付与機能を持った架橋剤であるエポキ
シ基あるいはエステル基を含有するオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンにおいてエポキシ基やエステル基を
有しない公知のシロキサン、アルコキシ基、シラノール
基等を有するシラン、低分子シロキサンなどの湿潤剤
(ウエッター)等を含ませて主成分以外の他の成分を構
成してもよい。いずれも添加量は通常使用される量で十
分であり、公知のものが問題なく用いられる。
【0017】本発明では上記の架橋性オルガノポリシロ
キサン、架橋剤、反応触媒、反応抑制剤及び接着性向上
剤の各成分からなるシリコーン系接着剤は印刷ペースト
のビヒクルを構成することになる。一般にシリコーン系
樹脂や接着剤はシリコーンオイルがベースとなりその粘
度は主鎖のケイ素に付いた有機基(例えば前述のメチル
基、フェニル基等)の種類と割合および重合度に依存
し、分子量(重合度)が増すにつれて粘度が上昇する。
【0018】本発明において、添加する粗粒粉末あるい
は微粒粉末としては公知のものが問題なく使用できる。
例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、
酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化鉄、酸
化ニッケル、希土類元素化合物、窒化アルミニウムなど
の無機質粉末充填剤やシリコーン系、フッソ系等の有機
質充填剤を挙げることができる。また、上記粉末のシラ
ンカップリング剤等による表面処理は、接着剤硬化後の
強度に効果があるが、ペーストのチキソ性を低下させる
場合がある。接着目的に応じて適宜採用すればよい。
【0019】粉末の凝集性(表面状態)や形状(粉砕品
や球状品)あるいは粒度分布(単分散等)は粉末の特性
を位置づけるものであるが、本発明によれば平均粒径の
選択によって印刷性の優れたペースト、すなわちシリコ
ーン系接着剤組成物が得られる。
【0020】添加する粉末の一方は微粒粉末である。微
粒粉末は、凝集性を有する粉末であれば特に問題なく使
用できる。粉末の凝集性は粉末の粒径や表面状態および
ビヒクルとの相互作用に依存する。一般的には微粉にな
るほど凝集性は高くなり、ビヒクルの粘度を増加させ
る。ビヒクルの粘度と降伏値をコントロールするという
観点では、微粉粒子の平均粒径は0.1〜2.0μmの
範囲である必要がある。より好ましい範囲は0.1〜
1.5μmである。平均粒径0.1μm未満の場合、例
えば超微粉として知られるシリカ系の比表面積100m
2/g以上のアエロジル等は微粒子間に働くファンデル
ワールス力の影響が大きく、僅かな量、例えば数重量%
程度の添加でビヒクルの流れを完全に止めてしまうた
め、ビヒクルの粘度と降伏値をコントロールするという
観点では注意を要する。逆に微粒粉末が2μmを越える
場合は印刷ペーストとしての所望の降伏値を得られなく
なる。
【0021】また、添加する他方の粉末は粗粉粒子であ
る。粗粉粒子の添加は主に粘度のコントロールの点で有
効に作用する。しかし粗粒粉末だけでは所望の降伏値が
得られない問題がある。即ちペースト粘度が高くとも、
それ自身流れてしまう現象を引き起こし、印刷後のパタ
ーン解像度が悪くなってしまう。粗粉粒子の平均粒径は
3〜20μmである必要がある。好ましくは3〜10μ
mの範囲である。粗粉粒子の平均粒径が20μmを越え
る場合は、上記の微粉粒子の添加による効果を低減させ
てしまう。また、適正な接着剤膜厚が得られないばかり
でなくスクリーンメッシュの目詰まり、スクリーンの消
耗を早める問題がある。
【0022】上記微粉粒子と粗粉粒子の添加量は本発明
のシリコーン系接着剤の主成分である架橋性オルガノポ
リシロキサンの粘度を考慮して決定すればよい。微粒粉
末および粗粒粉末の添加量はシリコーン系接着剤100
重量部に対してそれぞれの粉末10〜70重量部の範囲
が印刷性および耐熱衝撃性、耐湿性に対して接着信頼性
が良好なシリコーン系接着剤組成物となる。オルガノポ
リシロキサンの粘度が10,000〜50,000cS
tの低粘度領域では微粉粒子、粗粉粒子ともに50〜7
0重量部の添加量の範囲、すなわち微粉粒子と粗粉粒子
の配合比は0.7〜1.4:1の範囲で降伏値、粘度と
もに好適にコントロールできる。一方、50,000〜
500,000cStの比較的高粘度領域では粗粉粒子
を15〜70重量部、微粉粒子を10〜40重量部の範
囲から選び、かつ、微粉粒子と粗粉粒子の配合比は0.
14〜2.7:1の範囲が降伏値、粘度のコントロール
を良好に行うために好ましい。
【0023】本発明においては、粗粒粉末および微粒粉
末として酸化ケイ素が、微粒粉末として酸化アルミニウ
ムが好適に採用できる。
【0024】本発明においては、微粉粒子と粗粉粒子を
それぞれ上記の範囲で配合しても良好な印刷ペーストが
得られない場合がある。良好な印刷ペーストを得るに
は、粘度と降伏値を後述する値に調整する必要がある。
【0025】本発明において、カッソン粘度は以下のよ
うに定義される。一般にペースト特に粉末等の固形成分
の影響を受けたペーストは非直線型塑性流動(擬塑性流
動)を呈する。これらのペーストの粘度の指標として用
いられるカッソンの式は以下のように表される。
【0026】
【数1】
【0027】 ここで τ : ずり応力(dyne/cm2) τ0:降伏値(dyne/cm2) γ : ずり速度(s-1) ηC: カッソン粘度(Poise) 流動性液体が擬塑性流動を呈する場合、τ0.5とγ0.5
間に直線関係が成り立つことで、ペーストの特性が位置
づけられる。カッソン粘度はその流動体のずり速度無限
大におけるときの粘度を意味している。また、τ0は降
伏値であり、流動を起こすに要する最小ずり応力を表
す。特にスクリーン印刷性を良くするという観点では、
カッソン粘度と降伏値をコントロールすることが重要で
ある。
【0028】本発明では、シリコーン系接着剤組成物の
カッソン粘度と降伏値を以下のようにして求めた。図1
に示す、E型回転粘度計およびSTロータを組み合わせ
た回転粘度計(東機産業(株)製EMD−STE)を用
いて、測定温度25℃で、本発明の接着剤組成物に関し
てずり速度γ 0.105〜2.10 の範囲で連続的にずり応力
の測定を行い、ずり速度(γ0.5)とずり応力(τ0.5
の関係をプロットして流動曲線を得たときに、粒子分散
系である本接着剤組成物は、図2に示す直線となる。こ
こで、直線の傾きから得られる粘度ηCをカッソン粘
度、また、ずり速度がゼロの場合の粘度γ0を降伏値と
して表現する。
【0029】本発明ではシリコーン系接着剤組成物のカ
ッソン粘度は1,800〜5,000ポイズかつ降伏値
は5〜50dyne/cm2とすることが特徴である。カッソ
ン粘度は接着剤組成物のずり速度無限大におけるときの
粘度を意味しており、その状態では添加粉末の凝集その
他の原因による構造的な粘度は完全に破壊され、ビヒク
ル粘度、粉末形状や粒度分布のみによる粘度が表される
ものと考えられている。
【0030】スクリーン印刷という観点からみた場合、
上記範囲のカッソン粘度かつ降伏値を有するシリコーン
系接着剤組成物は所望の膜厚を”流れる”ことなく形成
することができる。これは膜形成(接着層の形成)のみ
ならず、所望領域に所望厚さで且つ均一に形成すること
が達成できるのである。すなわち、異種材料の接着を信
頼性高く実現できるのである。カッソン粘度が1,80
0ポイズ未満の場合や降伏値が50dyne/cm2を越える
場合は、接着剤印刷時にペーストの糸引き現象や、印刷
後のレベリング性が悪くなるという問題が生じる。例え
ば降伏値が存在することは、ある程度の力をかけなけれ
ば流出しないことを意味し、スクリーンメッシュより自
然には垂れないということであり、解像度やレベリング
性に寄与すことになる。一方、粘度が5,000ポイズ
を越える場合では、スクリーンからの通過性、即ち版
(スクリーン)離れが悪くなってしまう。カッソン粘度
は1,800〜3,000ポイズであることがより好ま
しい。
【0031】ここで印刷性の評価という点では、種々方
法が挙げられるが、前述した印刷ペーストとして具備す
べき項目を評価する因子を定めればよい。例えば印刷解
像度は、決められた幅を忠実に形成できるか、また、い
かにファインラインを形成できるかの指標として、ある
いはレベリング性は印刷後の膜表面が平坦かどうか、さ
らに印刷時にカスレ現象が生じるか否を示す指標として
用いられるのが一般的である。特に印刷後の膜表面の凹
凸が大きくなる(レベリング性が悪い)と被接着材料
間、即ち接着層に気泡を残存させることになる。
【0032】いずれにしても、スクリーン印刷法は印刷
条件や印刷技術に依存する部分が存在する。例えば、ス
クリーンメッシュの大きさやメッシュ構成しているワイ
ヤー径、材質、さらに乳剤(エマルジョン)の厚さ等の
スクリーンの作製条件(製版条件)や印刷時のスキージ
ング条件等にも注意を払うことが好ましい。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、一定範囲の粘度を有する架橋性オルガノポリシロキ
サンを主成分としたシリコーン系接着剤(ビヒクル)に
特定の粒径の粉末を添加することにより、印刷性に適し
たチキソ性を有するシリコーン系接着剤組成物を得るこ
とができる。即ち、本発明のシリコーン系接着剤組成物
は印刷に適したカッソン粘度と降伏値を併せもつ。印刷
性については、解像度が1.0〜1.5、レベリング性
が0〜30μmであり、また、接着信頼性についても、
熱衝撃テスト、ハンダ耐熱テスト、PCTの各テストを
行った後も4kg/cm以上の接着強度を維持すること
ができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明をより具体的に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0035】実施例1 25℃における粘度が7,200〜804,000cS
tの所定の分子鎖両末端ビニル基封鎖ジメチルポリシロ
キサン100重量部に、それぞれエポキシ基含有オルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン1.0重量部、そして
(CH32HSiO0.5単位10モル%、(CH3)HS
iO単位40モル%及び(CH32SiO単位50モル
%のメチルハイドロジェンポリシロキサン2.0重量
部、白金として2%濃度の塩化白金酸の2−エチルヘキ
サノール溶液0.025重量部を添加してビヒクルを混
合してシリコーン系接着剤を調製した。次いで、添加微
粉末を平均粒径約0.5μmの酸化アルミニウム、粗粒
粉末は平均粒径5μmの粉砕シリカを用い、表1に示し
た量で上記シリコーン系接着剤100重量部に所定量添
加した後混合してシリコーン系接着剤組成物を作製し
た。
【0036】得られた接着剤のずり速度−ずり応力を東
機産業(株)製回転粘度計 EMD-STEにてずり速度 0.
105〜2.10sec-1の範囲で測定し、得られた流
動曲線からカッソン粘度と降伏値を算出した。尚、カッ
ソン粘度と降伏値は測定データの最小自乗法のよって求
めた。
【0037】接着剤組成物の印刷性の評価として印刷解
像度とレベリング性を用いた。解像度はスクリーンのパ
ターン幅D(設計値:D=0.2mm、長さ30mm)
と実際の印刷パターン幅の実測値Pとの比(P/D)で
表した。この比が大きいとパターンの広がり(流れ)が
あり、”ダレる”という現象が生じていることを意味す
る。印刷膜厚は0.12〜0.17mmであり、Pは印
刷5分後の測定値である。またレベリング性は接着剤硬
化(空気中150℃、2時間)後の硬化体(印刷物)表
面の凹凸をレーザ顕微鏡(非接触)で評価し、凹凸の最
大値−最小値で表した。測定点5の平均で示した。
【0038】また接着剤組成物の接着強度は、長さ20
mm×幅3mm厚さ0.1mmの短冊状のアルミ箔を、
40mm角の正方形で厚み0.8mmの窒化アルミニウ
ム基板に、短冊状の長さ約15mm×幅3mmが基板周
囲からはみ出した状態で、接着剤組成物を介して設置
し、150℃、2h硬化した後、短冊状の基板周囲から
はみ出した部分を基板に対して90℃方向に引っ張るこ
とにより測定し、短冊の幅0.3cmで除して、測定数
5個の平均で表現した。なお、接着剤はスクリーン印刷
によって形成し、印刷膜厚は0.1〜0.2mmであ
る、また、スクリーンは80メッシュ、ワイヤー径50
μm、乳剤厚み10μmである。得られた結果を表1に
示す。
【0039】接着強度については本発明のカッソン粘度
と降伏値の範囲では4kg/cm以上が得られているの
がわかる。また、レベリング性が悪い場合(表1中×
印)に接着強度が低くなる傾向が見られるが、これは接
着表面の凹凸が大きく有効接触面積が小さくなったもの
と考えられる。
【0040】実施例2 25℃における粘度が56,400cStの分子鎖両末
端ビニル基封鎖ジメチルポリシロキサン100重量部
に、エポキシ基含有オルガノハイドロジェンポリシロキ
サン1.1重量部、そして(CH33SiO0.5単位5
モル%、(CH2=CH)(CH3)SiO単位20モル
%及び(CH32SiO単位75モル%のメチルビニル
ポリシロキサン2.0重量部、白金として0.5%濃度
の(C24PtCl22のベンゼン溶液0.3重量部を
添加てビヒクルを混合してシリコーン系接着剤を調製し
た。次いで、比表面積200m2/gのフュームドシリ
カを1重量部と添加微粒粉末として平均粒径約1.0μ
mの球状シリカおよび粗粒粉末として平均粒径8μmの
球状シリカを用い、表2に示した量で上記シリコーン系
接着剤100重量部に所定量添加した後混合してシリコ
ーン系接着剤組成物を作製した。
【0041】実施例1と同様に上記シリコーン系接着剤
組成物のカッソン粘度と降伏値を評価した。また、実施
例1と同様に接着強度評価用サンプルを作製し、熱衝撃
テスト(−65〜150℃繰り返し加熱冷却:1000
回)、ハンダ耐熱テスト(260℃溶融ハンダ中10秒
間浸せき:5回繰り返し)、及びPCT(プレッシャク
ッカーテスト:121℃、2気圧、100%飽和水蒸気
中、240時間)を実施した。熱衝撃テストとハンダ耐
熱テストは、吸湿させたものとさせないものを用いた。
吸湿は、125℃、16時間乾燥後、85℃、85%R
H高温高湿中に24時間放置することによって行った。
吸湿後の吸水率は0.2%以下と小さかった。吸湿させ
ないものはサンプル作製後125℃、16時間乾燥後た
だちに試験に供した。これらの結果を表2に示す。
【0042】接着強度については本発明のカッソン粘度
と降伏値の範囲では4kg/cm以上が得られているの
がわかる。
【0043】実施例3 25℃における粘度が72,500cStのケイ素原子
に結合した全置換基の20モル%がフェニル基、その他
がメチル基である、分子鎖両末端ビニル基封鎖フェニル
メチルポリシロキサン100重量部に、(CH3)(C2
5)Si(OCH32で示されるアルコキシシラン
0.1重量部、エポキシ基含有オルガノハイドロジェン
ポリシロキサン1.0重量部、そして(CH33SiO
0.5単位5モル%、(CH2=CH)(CH3)SiO単
位20モル%及び(CH32SiO単位75モル%のメ
チルビニルポリシロキサン1.5重量部、白金として2
%濃度の塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液0.
03重量部を添加てビヒクルを混合してシリコーン系接
着剤を調製した。添加粉末として表3に示した粉末(A
〜D)を用い表4に掲げた量で上記シリコーン系接着剤
100重量部に所定量添加した後混合してシリコーン系
接着剤組成物を作製した。その後、実施例1と同様に上
記シリコーン系接着剤組成物のカッソン粘度と降伏値を
評価した。これらの結果を表4に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】E型粘度計およびST型ロータの説明図であ
る。
【図2】E型粘度計により測定されたシリコーン系接着
剤組成物の流動曲線の1例である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1)25℃における粘度が10,000〜
    500,000cStである架橋性オルガノポリシロキ
    サンを主成分とするシリコーン系接着剤100重量部
    と、 2)平均粒径が3〜20μmの粗粒粉末および平均粒径
    が0.1〜2μmの微粒粉末それぞれ10〜70重量部
    からなり、25℃におけるカッソン粘度が1,800〜
    5,000ポイズ、かつ降伏値が5〜50dyne/cm2
    あることを特徴とするシリコーン系接着剤組成物。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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